JPH08263055A - ピアノ用ハンマーおよびその製造方法 - Google Patents

ピアノ用ハンマーおよびその製造方法

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JPH08263055A
JPH08263055A JP7090381A JP9038195A JPH08263055A JP H08263055 A JPH08263055 A JP H08263055A JP 7090381 A JP7090381 A JP 7090381A JP 9038195 A JP9038195 A JP 9038195A JP H08263055 A JPH08263055 A JP H08263055A
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JP
Japan
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hammer
felt
wood
manufacturing
piano
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JP7090381A
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English (en)
Inventor
Riichi Kitajima
理一 北島
Makoto Kanemitsu
誠 金光
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Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 材料の歩留りを向上させ、軽量化により、軽
快なピアノタッチおよび高音部における良好な発音が得
られ、廃棄処理の際に有害物質が発生するおそれのない
ピアノ用ハンマー、およびそのようなピアノ用ハンマー
を容易かつ短時間で製造できる製造方法を提供する。 【構成】 木質材で構成され、一端部にフェルト接着部
4を有するハンマーウッド2と、フェルト接着部4に接
着されたハンマーフェルト3とを備え、フェルト接着部
4が、ハンマーウッド2の一端部を塑性圧縮変形するこ
とにより形成された塑性圧縮変形部5によって構成され
ている。また、木質棒材をその長さ方向と直交する方向
に塑性圧縮変形することにより、一端部に塑性圧縮変形
されたフェルト接着部4を有するハンマーウッド2を形
成するハンマーウッド形成工程と、このハンマーウッド
2のフェルト接着部4にハンマーフェルト3を接着する
ハンマーフェルト接着工程とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アコースティックピア
ノにおいて弦を叩くのに用いられるピアノ用ハンマーお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなピアノ用ハンマー(以下、単
に「ハンマー」という)11は一般に、図4に示すよう
に、軸状のハンマーウッド12と、ハンマーウッド12
の先端部に取り付けられたハンマーフェルト3で構成さ
れている。ハンマーウッド12は、マホガニーやカエデ
などの木質無垢材で構成され、先端部にくさび状のフェ
ルト接着部14を有しており、従来は切削加工によって
製造されている。一方、ハンマーフェルト3は、羊毛フ
ェルトで構成され、ハンマーウッド12のフェルト接着
部14に圧締状態で接着されている。周知のように、ハ
ンマー11は、鍵盤の後部上側に配置され、押鍵時、鍵
盤に突き上げられて回動し、ハンマーフェルト3が弦を
直接叩くことによって、弦振動による音を発生させる。
【0003】この場合、高音部側のハンマー11は、軽
快なピアノタッチと良好な発音を得るべく、軽いことが
好ましい。高音部側では、弦の長さが短く且つその振動
周波数が高いので、弦の横振動の波が弦の固定端から反
射して戻ってくる前に、ハンマー11が弦から離れるよ
うにすることが、良好な発音を得る上で重要であり、そ
のためには、ハンマー11を軽量化することにより、そ
の速度を高めて、弦とのハンマー11の接触時間を短く
することが有効だからである。このため、従来のハンマ
ー11では、ハンマーフェルト3の接着時に圧縮破壊を
起こさないような圧縮強度を持ち、かつハンマー11の
軽量化を図るために広葉樹無垢材の中でも平均比重が比
較的小さいマホガニー材を使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このマホガニ
ー製のハンマーウッドを使用した従来のハンマー11
は、フェルト接着部14の圧縮破壊を防止するために、
マホガニー材の中でも比較的大きな比重のものを選択し
て用いなければならず、このため、材料の歩留りが低
く、使用不適材が多く発生するとともに、ハンマー11
の軽量化を十分に達成できないという問題がある。
【0005】すなわち、上記従来のハンマー11のハン
マーウッド12は、切削加工によって製造されるため、
断面積が減少しているくさび状のフェルト接着部14
は、他の部分よりも強度が小さい。一方、このフェルト
接着部14は、ハンマーフェルト3の接着時に圧締圧を
受けるとともに、ハンマー11の打弦時に弦の反力を受
ける部分である。このため、フェルト接着部14の接着
圧締時における圧縮破壊や鍵盤強打時における折損を防
止すべく、従来は、マホガニー材の中でも、比較的、強
度の大きなものだけを、実際には比重を基準として、例
えば比重0.5以上のものだけを選んで採用するように
している。
【0006】しかし、マホガニー材は、天然素材であっ
て、産地や1本の木ごとに比重のばらつきが大きく、上
記基準を満たさないものも多いため、歩留りがかなり低
いのが実情である。また、ハンマーウッド12を比重の
大きな材料で構成すれば、ハンマー11の軽量化が図れ
ず、ひいては軽快なピアノタッチや高音部における良好
な発音を得る上での障害になってしまう。
【0007】また、低比重材をできるだけ使用できるよ
うにするため、樹脂を含浸して補強する方法も考えられ
るが、その場合には、コストが非常に高くなるととも
に、廃棄処理時に有害物質が発生するなどの問題があ
る。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、材料の歩留りを向上させ、軽
量化により、軽快なピアノタッチおよび高音部における
良好な発音を得ることができ、しかも廃棄処理の際に有
害物質が発生するおそれのないピアノ用ハンマーを提供
するとともに、そのようなピアノ用ハンマーを容易かつ
短時間で製造することができるピアノ用ハンマーの製造
方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のピアノ用ハンマーは、木質材で構成され、
一端部にフェルト接着部を有するハンマーウッドと、フ
ェルト接着部に接着されたハンマーフェルトとを備え、
フェルト接着部が、ハンマーウッドの一端部を塑性圧縮
変形することにより形成された塑性圧縮変形部によって
構成されていることを特徴としている。
【0010】また、本発明のピアノ用ハンマーの製造方
法は、木質棒材をその長さ方向と直交する方向に塑性圧
縮変形することにより、一端部に塑性圧縮変形されたフ
ェルト接着部を有するハンマーウッドを形成するハンマ
ーウッド形成工程と、このハンマーウッドのフェルト接
着部にハンマーフェルトを接着するハンマーフェルト接
着工程と、を備えていることを特徴としている。
【0011】この場合、ハンマーウッド形成工程が、木
質棒材を加湿してその含水率を第1の所定含水率以上に
調湿する調湿工程と、この調湿された木質棒材を加熱し
て軟化させる加熱・軟化工程と、この軟化した木質棒材
を成形型で圧締しながら第2の所定含水率以下に乾燥す
る圧締・乾燥工程と、を備えていることが好ましい。
【0012】さらにこの場合、第1の所定含水率が30
%であること、第2の所定含水率が10%であること
や、木質棒材の加熱および乾燥を内部加熱および/また
は外部加熱で行うことが好ましい。
【0013】さらに、ハンマーウッド形成工程の後、フ
ェルト接着部の先端部を最終形状に切削加工する切削工
程を備えていること、または、ハンマーウッド形成工程
の前に、フェルト接着部の先端部を最終形状よりも厚い
形状に切削加工する切削工程を備えていることが好まし
い。
【0014】また、本発明のピアノ用ハンマーの製造方
法は、木質板材をその表裏方向に塑性圧縮変形すること
により、一端部に塑性圧縮変形されたフェルト接着部を
有するハンマーウッド素材板を形成するハンマーウッド
素材板形成工程と、このハンマーウッド素材板のフェル
ト接着部にハンマーフェルトを接着するハンマーフェル
ト接着工程と、ハンマーフェルトを接着したハンマーウ
ッド素材板を所定の幅で切断することにより、ピアノ用
ハンマーを製造するハンマー製造工程と、を備えている
ことを特徴としている。
【0015】この場合、ハンマーウッド素材板形成工程
が、木質板材を加湿してその含水率を第1の所定含水率
以上に調湿する調湿工程と、この調湿された木質板材を
加熱して軟化させる加熱・軟化工程と、この軟化した木
質板材を成形型で圧締しながら第2の所定含水率以下に
乾燥する圧締・乾燥工程と、を備えていることが好まし
い。
【0016】さらにこの場合、第1の所定含水率が30
%であること、第2の所定含水率が10%であること
や、木質棒材の加熱および乾燥を内部加熱および/また
は外部加熱で行うことが好ましい。
【0017】さらには、ハンマーウッド素材板形成工程
の後、フェルト接着部の先端部を最終形状に切削加工す
る切削工程を備えていること、または、ハンマーウッド
素材板形成工程の前に、フェルト接着部の先端部を最終
形状よりも厚い形状に切削加工する切削工程を備えてい
ることが好ましい。
【0018】
【作用】請求項1のピアノ用ハンマーでは、ハンマーフ
ェルトを接着するフェルト接着部が、ハンマーウッドの
一端部を塑性圧縮変形することにより形成された塑性圧
縮変形部で構成されているので、その変形に応じてフェ
ルト接着部の密度が高められ、強度も増大している。し
たがって、ハンマーウッドの材料として、比重O.45程度
の比較的、低比重のマホガニー材などを使用した場合で
も、ハンマーフェルトの接着圧締時や鍵盤強打時にフェ
ルト接着部が破損することがない。その結果、従来使用
できなかった低比重の材料も使用可能になり、材料の歩
留りが高められるとともに、このような低比重材料の使
用によって、ハンマーウッドの軽量化、ひいてはハンマ
ーの軽量化が図られる。また、含浸剤などを使用せず木
質材料をそのまま用いるので、廃棄処理の際に有害物質
が発生することもない。
【0019】請求項2のピアノ用ハンマーの製造方法で
は、木質棒材を塑性圧縮変形して、一端部に塑性圧縮変
形されたフェルト接着部を有するハンマーウッドを形成
し、その後、フェルト接着部にハンマーフェルトを接着
することにより、請求項1の構成を有するピアノ用ハン
マーが製造される。特に、木質棒材として例えば一定太
さのものを用い、これを塑性圧縮変形するだけで、ハン
マーウッド全体の成形およびフェルト接着部の補強を同
時に行えるので、ハンマーウッドを容易かつ短時間で製
造することができる。
【0020】請求項3の製造方法では、塑性圧縮変形に
よるハンマーウッドの形成が、まず木質棒材を加湿して
第1の所定含水率以上に調湿し、次いで、調湿された木
質棒材を加熱して軟化させた後、成形型を介して圧締し
ながら第2の所定含水率以下に乾燥することによって行
われる。すなわち、木質棒材をあらかじめ加湿すること
により、加熱による軟化を促進するとともに、これを圧
締しながら乾燥することにより、木質棒材内の水分を排
出し、これを圧密化することによって、圧縮率および形
状安定性の高い塑性圧縮変形を、短時間で行うことがで
きる。したがって、強度および安定性に優れたハンマー
ウッドが短時間でかつ安価に得られる。
【0021】請求項4の製造方法では、調湿工程におい
て、木質棒材があらかじめ含水率30%以上に調湿され
る。木質材に含まれる水分には、繊維に結合している結
合水と、繊維間に存在する自由水とがあり、一般に、水
分が、含水率28%程度以下では結合水として存在し、
含水率がそれ以上になると、さらに自由水が存在するよ
うになる。また、結合水は、木質材の強度に影響を及ぼ
すとともに、加熱による軟化に寄与する一方、自由水は
この軟化をさらに促進する。したがって、含水率を30
%以上に調湿して、結合水が飽和しかつ自由水が存在す
る状態を確保することにより、加熱による軟化が促進さ
れ、上記塑性圧縮変形が効果的に行われる。
【0022】請求項5の製造方法では、圧締・乾燥工程
において、木質棒材が含水率10%以下に乾燥される。
これにより、ハンマーウッドの含水率はピアノを使用す
る場合の最も好ましい状態となる。
【0023】請求項6の製造方法では、加熱・軟化工程
における加熱および圧締・乾燥工程における乾燥を、内
部加熱すなわちマイクロ波加熱や高周波加熱などのよう
な木質棒材内部の水分を利用した誘導加熱による加熱方
式、および/または外部加熱すなわち熱板加熱や水蒸気
加熱のような外部に配置した発熱体の熱による加熱方式
で行うので、塑性圧縮変形が効率良く短時間で行われ
る。
【0024】請求項7の製造方法では、木質棒材を塑性
圧縮変形してフェルト接着部を形成した後、フェルト接
着部の先端部を最終形状に切削加工する。先端のすぼま
ったくさび形のフェルト接着部の場合には、塑性圧縮変
形だけでそのような形状を得ようとすると、先端部の圧
縮率が非常に高くなってしまい、その形状によっては、
これを破損するおそれがあるので、上記切削加工を付加
することによって、先端部の圧縮率を抑制でき、フェル
ト接着部を所定の最終形状に、破損を伴わず無理なく仕
上げることができる。
【0025】請求項8の製造方法では、ハンマーウッド
形成工程の前に、フェルト接着部の先端部を最終形状よ
りも厚い形状にあらかじめ切削加工するので、請求項7
の場合と同様に、塑性圧縮変形時における先端部の圧縮
率を抑制して、フェルト接着部を所定の最終形状に、破
損を伴わず無理なく仕上げることができる。
【0026】請求項9の製造方法では、木質板材を塑性
圧縮変形することにより、一端部に塑性圧縮変形された
フェルト接着部を有するハンマーウッド素材板をまず形
成し、このフェルト接着部にハンマーフェルトを接着し
た後、ハンマーウッド素材板を切断することによって、
請求項1による多数のピアノ用ハンマーを容易かつ短時
間で製造することができる。
【0027】請求項10〜15の製造方法では、請求項
3〜8の製造方法においてハンマーウッドを形成する際
に得られた作用を、ハンマーウッド素材板を形成する際
に同様に得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参
照しながら説明する。図1は、本発明を適用したハンマ
ーを示している。このハンマー1は、図4に示す従来の
ハンマーと同様に、マホガニーやカエデなどの木質無垢
材で構成された軸状のハンマーウッド2と、羊毛フェル
トで構成され、ハンマーウッド2の先端部にこれを包む
ように取り付けられた卵形のハンマーフェルト3で構成
されている。ハンマーウッド2は、先端部に断面の減少
したくさび状のフェルト接着部4を有しており、このフ
ェルト接着部4にハンマーフェルト3が接着されてい
る。本実施例のハンマー1では、このフェルト接着部4
は、ハンマーウッド2の一端部を塑性圧縮変形すること
により形成された塑性圧縮変形部5(図の斜線部分)の
一部で構成されている。
【0029】ハンマー1は、例えば、次のようにして製
造される。 まず、マホガニーなどから成る一定厚さの角棒状の
ハンマーウッド2を加湿してその含水率を第1の所定含
水率以上、例えば30%以上にあらかじめ調湿する(調
湿工程)。なお、このハンマーウッド2は、その長さ方
向に沿って木理(繊維)が延びるように製作されてい
る。 次いで、調湿されたハンマーウッド2を、マイクロ
波や高周波などによる内部加熱、あるいは熱板などによ
る外部加熱で加熱することによって、軟化させる(加熱
・軟化工程)。 次に、同図(a)に示すように、軟化したハンマー
ウッド2を所定の内面形状を有する成形型6、6の間に
挟み込んで所定の圧締圧を加えながら、マイクロ波や高
周波などによる内部加熱、あるいは熱板などによる外部
加熱によって、ハンマーウッド2を第2の所定含水率以
下に乾燥する(圧締・乾燥工程)。これにより、ハンマ
ーウッド2内の水分が排出され、ハンマーウッド2が成
形型6、6の内面形状に沿って圧密されることによっ
て、同図(b)に示すように、ハンマーウッド2の一端
部に、塑性圧縮変形されたフェルト接着部4を含む塑性
圧縮変形部5が形成される。 次いで、フェルト接着部4の先端部を切削加工する
ことによって、同図(c)に示すような最終形状のハン
マーウッド2に仕上げる(切削工程)。 最後に、ハンマーフェルト3をフェルト接着部4に
圧締状態で接着して、図1に示すハンマー1とし、製造
を完了する(ハンマーフェルト接着工程)。
【0030】このように構成されたハンマー1では、ハ
ンマーウッド2のフェルト接着部4が塑性圧縮変形され
ているので、その変形分だけフェルト接着部4の密度が
高められ、これに伴って強度も増大する。したがって、
ハンマーウッド2の材料として、例えば比重O.45程度の
比較的、低比重のマホガニー材などを使用した場合で
も、ハンマーフェルト3の接着圧締時や鍵盤強打時にお
けるフェルト接着部4の破損を防止できる。その結果、
従来使用できなかった比重0.5未満の材料も使用可能
になり、材料の歩留りを向上させることができる。ま
た、このような低比重材料が使用可能となることによ
り、ハンマーウッド2の軽量化、ひいてはハンマー1の
軽量化を図ることができ、それにより、軽快なピアノタ
ッチと高音部における良好な発音を得ることができる。
【0031】さらに、ハンマーウッド2は通常、フェル
ト接着部4が他の部分よりも薄くなるように形成される
ので、上述したように、ハンマーウッド2の材料として
一定厚さの角棒材を用い、これを所定内面形状の成形型
6、6で塑性圧縮変形するだけで、ハンマーウッド2全
体の成形と、フェルト接着部4の補強を同時に行うこと
ができ、したがって、所定の形状および強度を有するハ
ンマーウッド2を容易かつ短時間で製造することができ
る。また、含浸剤などを使用せず木質材料をそのまま用
いるので、廃棄処理の際に有害物質が発生することもな
い。
【0032】また、本実施例のハンマー1では、ハンマ
ーウッド2を含水率30%以上に加湿し、加熱・軟化さ
せた後に、圧締状態で加熱・乾燥することによって、塑
性圧縮変形を行うので、飽和した結合水と自由水の存在
によって軟化を促進した後、圧縮率および形状安定性の
高い塑性圧縮変形を、短時間で行わせることができる。
したがって、強度および形状安定性に優れたハンマーウ
ッド2を短時間でかつ安価に得ることができる。この場
合、塑性圧縮変形をより効率良く短時間で行うには、加
熱方法として、マイクロ波による内部加熱を用いること
が好ましい。また、ハンマーウッド2を10%以下に乾
燥させることにより、その含水率をピアノを使用する場
合の最も好ましい状態とすることができる。
【0033】さらに、塑性圧縮変形により中間形状のハ
ンマーウッド2を得た後、フェルト接着部4の先端部を
切削加工で最終形状に仕上げているので、特に、フェル
ト接着部4が先端のすぼまった、くさび形の形状を有す
る場合には、先端部の圧縮率を抑制できることにより、
塑性圧縮変形時の破損を防止することができる。なお、
この切削工程を調湿工程の前に行った場合にも、同様の
効果を得ることができる。この場合、例えば、切削工程
において、フェルト接着部4の先端部を、その仕上がり
寸法よりも10〜20%大きな寸法に切削した後、圧締
・乾燥工程における塑性圧縮変形によって、仕上がり寸
法に仕上げればよい。
【0034】図3は、ハンマー1の製造方法の第2実施
例を示している。この製造方法では、ハンマー1が次の
ようにして製造される。 まず、ハンマーウッド2の素材となるマホガニーな
どの一定厚さのハンマーウッド素材板7を用意し(同図
(a)、矢印は木理方向)、前述した第1実施例の製造
方法の場合と同様に調湿する(調湿工程)。 次に、前述の製造方法と同様にして、調湿されたハ
ンマーウッド素材板7を加熱・軟化させた後(加熱・軟
化工程)、成形型で圧締しながら、加熱・乾燥する(圧
締・乾燥工程)。これにより、ハンマーウッド素材板7
には、同図(b)に示すような、塑性圧縮変形されたフ
ェルト接着部4を含む塑性圧縮変形部5が形成される。 次いで、フェルト接着部4の先端部を切削加工する
ことによって、同図(c)に示すような最終形状のハン
マーウッド素材板7に仕上げる(切削工程)。 次に、同図(d)に示すように、ハンマーフェルト
3をフェルト接着部4に圧締状態で接着する(ハンマー
フェルト接着工程)。 最後に、ハンマーフェルト3を接着したハンマーウ
ッド素材板7を所定の幅で切断することにより、図1に
示すハンマー1を切り出して、その製造を完了する(ハ
ンマー製造工程)。
【0035】したがって、この第2実施例の製造方法で
は、第1実施例の製造方法とまったく同様の効果を得る
ことができ、これに加えて、多数のハンマー1を短時間
で容易に製造することができるという利点を有する。な
お、この製造方法においても、上記切削工程を調湿工程
の前に行うことが可能である。
【0036】なお、本発明は、説明した実施例に限定さ
れることなく、種々の態様で実施することができる。実
施例では、ハンマーウッドの塑性圧縮変形の方法とし
て、調湿、加熱・軟化後、成形型で圧締しながら乾燥す
る方法を示したが、これに代えて、他の適当な方法を採
用することは任意である。例えば、調湿および加熱・軟
化を蒸気加熱で同時に行ってもよいし、あるいは、ハン
マーウッドの加熱および乾燥を、マイクロ加熱による内
部加熱と、ヒータによる外部加熱とを併用して行うこと
により、内外間の含水分布のむらを少なくして、塑性圧
縮変形後の形状安定性をさらに高めるようにしてもよ
い。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の
構成を適宜変更することが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のピアノ用
ハンマーは、材料の歩留りを向上させるとともに、軽量
化により、軽快なピアノタッチおよび高音部における良
好な発音を得ることができ、さらに、樹脂を含浸した場
合と異なり、廃棄処理の際に有害物質が発生するおそれ
もないなどの効果を有している。また、本発明のピアノ
用ハンマーの製造方法は、そのようなハンマーを短時間
でかつ容易に製造することができるなどの効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるピアノ用ハンマーの斜視
図である。
【図2】図1のピアノ用ハンマーの第1実施例による製
造方法を示す図である。
【図3】ピアノ用ハンマーの第2実施例による製造方法
を示す図である。
【図4】従来のピアノ用ハンマーの斜視図である。
【符号の説明】
1 ハンマー 2 ハンマーウッド 3 ハンマーフェルト 4 フェルト接着部 5 塑性圧縮変形部 6 成形型 7 ハンマーウッド素材板

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質材で構成され、一端部にフェルト接
    着部を有するハンマーウッドと、前記フェルト接着部に
    接着されたハンマーフェルトとを備え、前記フェルト接
    着部が、前記ハンマーウッドの一端部を塑性圧縮変形す
    ることにより形成された塑性圧縮変形部によって構成さ
    れていることを特徴とするピアノ用ハンマー。
  2. 【請求項2】 木質棒材をその長さ方向と直交する方向
    に塑性圧縮変形することにより、一端部に塑性圧縮変形
    されたフェルト接着部を有するハンマーウッドを形成す
    るハンマーウッド形成工程と、 このハンマーウッドの前記フェルト接着部にハンマーフ
    ェルトを接着するハンマーフェルト接着工程と、 を備えていることを特徴とするピアノ用ハンマーの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ハンマーウッド形成工程が、 前記木質棒材を加湿してその含水率を第1の所定含水率
    以上に調湿する調湿工程と、 この調湿された木質棒材を加熱して軟化させる加熱・軟
    化工程と、 この軟化した木質棒材を成形型で圧締しながら第2の所
    定含水率以下に乾燥する圧締・乾燥工程と、を備えてい
    ることを特徴とする、請求項2に記載のピアノ用ハンマ
    ーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の所定含水率が30%であるこ
    とを特徴とする、請求項3に記載のピアノ用ハンマーの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の所定含水率が10%であるこ
    とを特徴とする、請求項3または4に記載のピアノ用ハ
    ンマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記木質棒材の加熱および乾燥を、内部
    加熱および/または外部加熱で行うことを特徴とする、
    請求項3ないし5のいずれかに記載のピアノ用ハンマー
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ハンマーウッド形成工程の後、前記
    フェルト接着部の先端部を最終形状に切削加工する切削
    工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項2な
    いし6のいずれかに記載のピアノ用ハンマーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ハンマーウッド形成工程の前に、前
    記フェルト接着部の先端部を最終形状よりも厚い形状に
    切削加工する切削工程をさらに備えていることを特徴と
    する、請求項2ないし6のいずれかに記載のピアノ用ハ
    ンマーの製造方法。
  9. 【請求項9】 木質板材をその表裏方向に塑性圧縮変形
    することにより、一端部に塑性圧縮変形されたフェルト
    接着部を有するハンマーウッド素材板を形成するハンマ
    ーウッド素材板形成工程と、 このハンマーウッド素材板の前記フェルト接着部にハン
    マーフェルトを接着するハンマーフェルト接着工程と、 当該ハンマーフェルトを接着した前記ハンマーウッド素
    材板を所定の幅で切断することにより、ピアノ用ハンマ
    ーを製造するハンマー製造工程と、 を備えていることを特徴とするピアノ用ハンマーの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記ハンマーウッド素材板形成工程
    が、 前記木質板材を加湿してその含水率を第1の所定含水率
    以上に調湿する調湿工程と、 この調湿された木質板材を加熱して軟化させる加熱・軟
    化工程と、 この軟化した木質板材を成形型で圧締しながら第2の所
    定含水率以下に乾燥する圧締・乾燥工程と、を備えてい
    ることを特徴とする、請求項9に記載のピアノ用ハンマ
    ーの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の所定含水率が30%である
    ことを特徴とする、請求項10に記載のピアノ用ハンマ
    ーの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の所定含水率が10%である
    ことを特徴とする、請求項10または11に記載のピア
    ノ用ハンマーの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記木質板材の加熱および乾燥を、内
    部加熱および/または外部加熱で行うことを特徴とす
    る、請求項10ないし12のいずれかに記載のピアノ用
    ハンマーの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記ハンマーウッド素材板形成工程の
    後、前記フェルト接着部の先端部を最終形状に切削加工
    する切削工程をさらに備えていることを特徴とする、請
    求項9ないし13のいずれかに記載のピアノ用ハンマー
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記ハンマーウッド素材板形成工程の
    前に、前記フェルト接着部の先端部を最終形状よりも厚
    い形状に切削加工する切削工程をさらに備えていること
    を特徴とする、請求項9ないし13のいずれかに記載の
    ピアノ用ハンマーの製造方法。
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