JPH08263834A - 磁気カード及びその記録再生装置 - Google Patents

磁気カード及びその記録再生装置

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JPH08263834A
JPH08263834A JP6414095A JP6414095A JPH08263834A JP H08263834 A JPH08263834 A JP H08263834A JP 6414095 A JP6414095 A JP 6414095A JP 6414095 A JP6414095 A JP 6414095A JP H08263834 A JPH08263834 A JP H08263834A
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JP6414095A
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English (en)
Inventor
Takahiro Tsuchiya
高広 土屋
Shinji Ichikawa
慎司 市川
Izumi Nomura
いづみ 野村
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 改ざん防止と改ざんされた磁気カードの使用
を無効にする処置と暗証番号が不一致で無効にされた磁
気カードの再発行を不要にする措置と過って高磁力磁石
に近づけても記録情報の読み取りができ、一方キュリー
温度近くまで加熱すると情報記録が可能になり、記録情
報の読み取りは従来の再生専用機でもできる磁気カード
及びその記録再生装置を提供する。 【構成】 保磁力の異なる2つの磁性層を基板に積層し
た磁気カードで、第1及び第2の磁性層へ同一の情報を
記録する場合は、記録電流Iaにより磁気ヘッドから発
生する磁界で情報の記録が可能となるよう、まず第1の
磁性層をいったんキュリー温度前後に加熱し、次に磁気
ヘッドとの接触や自然放熱などで第1の磁性層の温度が
キュリー温度より低く、かつ第1の磁性層の保磁力が低
下している状態で該磁気ヘッドで情報の記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレジット、CD(キ
ャッシュディスペンサ)、ID(認証)など通常の使用
では情報の書き換えを行わない用途に適した磁気カード
及びその記録再生装置に関する。特に本発明は、従来の
磁気カード記録再生装置では改ざんできない磁気カード
及びその記録再生装置、並びに高磁力磁石など強い磁界
が近づいても記録情報に悪影響が少ない磁気カード及び
その記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気カードは、不正使用防止のた
め暗証番号が不一致の場合に、磁気カードの情報を消去
あるいは書き換えて、その後の磁気カードの使用を無効
にしている。しかし、従来の記録再生装置で情報の改ざ
んが可能なため、情報が消去あるいは書き換えられた磁
気カードの記録情報を、使用可能な状態に書き直し不正
使用される恐れがある。さらに、適正な磁気カードの情
報を読み取り、この情報を他の磁気カードに書き写すこ
とで、不正なカードが使用される恐れもあった。
【0003】一方、暗証番号の間違いなど単純なミス
で、磁気カードの記録情報が消去あるいは書き換えられ
てしまった場合は、使用を再開するためカードの再発行
を行っている。また、従来の磁気カードの保磁力は、2
00Oeから3kOeであるため、ハンドバッグや眼鏡
ケースの止め磁石あるいはマグネットクリップなどが近
づくと情報が消去されやすい。このような消去事故によ
って磁気カードが使用不能となった場合も、同様に磁気
カードの再発行を行っている。
【0004】特開平6―187636号公報には、異な
るキュリー温度及び保磁力を有する2つの磁性層が積層
された磁気記録媒体において、保磁力の高い磁性層と保
磁力の低い磁性層に異なる2つの情報を記録し、再生時
には保磁力の低い磁性層を消去し、保磁力の高い磁性層
のみの情報を読み取る方法が提案されている。この場
合、保磁力の高い磁性層に記録されている情報を読み取
るには、保磁力の低い磁性層の磁気データを消去する必
要があるので、従来の記録再生装置では処理できない。
また、使用を無効にするには、保磁力の高い磁性層の情
報を書き換える記録再生装置が必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、改ざ
んの防止と、改ざんされた磁気カードの使用を無効にす
る処置と、暗証番号が不一致で無効にされた磁気カード
の再発行を不要にする措置と、過って高磁力磁石に近づ
けても記録情報の読み取りができ、一方、キュリー温度
近くまで加熱すると情報記録が可能になり、記録情報の
読み取りは従来の再生専用機でもでき、必要があればカ
ードの使用を無効とする処置を行うための記録が加熱手
段を持たない従来の記録再生装置でも可能である磁気カ
ード及びその記録再生装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明では所定の状態において保磁力の異なる2つ
の磁性層を基板に積層した磁気カードであって、保磁力
の高い第1の磁性層のキュリー温度は100℃以上20
0℃以下の範囲であり、かつ保磁力の低い第2の磁性層
の再生出力が第1の磁性層の再生出力の1/10以上1
/2以下の範囲であることを特徴とする。
【0007】前記磁気カードへ情報を記録する本発明の
記録再生装置において、第1及び第2の磁性層へ同一の
情報を記録する場合は、記録電流Iaにより磁気ヘッド
から発生する磁界で情報の記録が可能となるよう、まず
前記第1の磁性層をいったんキュリー温度前後に加熱
し、次に磁気ヘッドとの接触や自然放熱などで第1の磁
性層の温度がキュリー温度より低く、かつ第1の磁性層
の保磁力が低下している状態で該磁気ヘッドで情報の記
録を行う。なお記録電流Iaは、第2の磁性層に対し十
分な記録が可能な値以上の範囲に設定しておく。
【0008】一方、第2の磁性層のみに記録をする場合
は、前記第1の磁性層の記録情報に影響を与えない記録
電流Ibにより発生する前記磁気ヘッドの記録磁界によ
って記録を行う。
【0009】さらに前記記録再生装置において、第1の
磁性層を加熱する手段としてランプを用い、ランプ光に
より磁気カードを非接触で加熱する。また前記第2の磁
性層に記録された情報及び従来の磁気カードに不正に記
録された情報を消去するため、前記第1の磁性層の記録
情報が消失しない範囲の磁界発生手段を有する記録再生
装置を提供する。
【0010】
【作用】本発明の磁気カードの保磁力の高い第1の磁性
層に記録された情報は、磁気カードが高磁力磁石に近づ
いても減磁がほとんど無く、保磁力の低い第2の磁性層
に記録された情報が消去されても第1の磁性層の情報が
残っているため、情報の読み取りが可能である。さらに
第1及び第2の磁性層に同一の情報が記録されている場
合、あるいは第1の磁性層に情報が記録され第2の磁性
層が消去されている状態において、従来の再生専用機で
も情報の読み取りが可能である。また加熱手段を持たな
い従来の記録再生装置では第1の磁性層の情報を書き換
えることができず、改ざんを防止できる。
【0011】一方、従来の記録再生装置を用い、正常に
情報が記録された前記磁気カードの情報を書き換えよう
とした場合、書き換えられるのは第2の磁性層のみで読
み取れる出力は第1及び第2の磁性層に記録された情報
が混在し、正しい情報が得られずその磁気カードを無効
にできる。また暗証番号の不一致があり不正使用の疑い
がある場合は、第2の磁性層のみに記録を行うことで、
同様に読み取れる出力は第1及び第2の磁性層に記録さ
れた情報が混在し、その後の磁気カードの使用を無効に
するなどの処置ができる。さらに第1の磁性層にはもと
の情報が残っているため、第2の磁性層のみを消去する
ことで再度使用可能な磁気カードを作製することも可能
である。
【0012】一方、従来の磁気カードに本発明の磁気カ
ードの情報をそのまま書き写した不正カードに対して
は、前記第1の磁性層の記録情報が消失しない範囲の磁
界を印加することで本発明の磁気カードの情報は読み取
り不可能にはならないが、不正カードの情報は消去され
情報の読み取りができず不正使用を防止することができ
る。
【0013】
【実施例】添付図面に基づいて本発明の実施例について
詳細に説明する。図1は、本発明による磁気カードの一
実施例の部分断面図である。本発明による磁気カード1
aは、プラスチック材料から成る基板2aの上に保磁力
の高い第1の磁性層3aと保磁力の低い第2の磁性層4
a及び保護層5が積層されている。第1の磁性層3aと
第2の磁性層4aは、どちらを上に積層してもよい。保
磁力が高い第1の磁性層3aを加熱して保磁力を低下さ
せた状態で情報の記録を行うには、加熱効率の点で、図
1に示すように第1の磁性層3aを第2の磁性層4aの
上層に設けることが好ましい。なお磁性層の作製は塗布
法が好ましいが、蒸着法、スパッタ法、メッキ法など特
に限定されない。
【0014】磁性層の保磁力は、第1の磁性層3aが第
2の磁性層4aより高く、第1の磁性層3aの保磁力は
常温で7kOe以上15kOe以下、第2の磁性層4a
の保磁力は常温で200Oe以上6kOe以下の値で、
第1の磁性層3aのキュリー温度は100℃以上200
℃以下の範囲が望ましい。キュリー温度が100℃より
低いと、自動車内放置などで磁気カード温度が上がった
ときに磁気特性の劣化が大きく、特に減磁による出力低
下が発生しやすい。また、キュリー温度が200℃より
高いと、第1の磁性層3aをキュリー温度前後に加熱し
た際にカード基材に使用されるプラスチック材料の耐熱
性から熱変形が発生しやすいほか、磁性層や保護層5が
熱劣化する問題も発生する。なお、第2の磁性層4aの
キュリー温度は特に問わないが、第1の磁性層3aと同
様に磁気カード温度が上がった際の磁気特性の劣化が小
さくなるよう、100℃以上が望ましい。また第2の磁
性層4aの保磁力は、200Oe未満は記録情報の長期
に渡る保持が困難となり、6kOeを越えると従来の記
録再生装置での記録が困難となることから、200Oe
以上6kOe以下が望ましい。図2に第1の磁性層3a
と第2の磁性層4aの磁性粉の材質、キュリー温度、保
磁力、再生出力比(相対値)の一例を示す。
【0015】図3は、本発明に係わる磁気カード(保護
層は略)及び磁気カード記録再生装置の基本構成を示す
概念図である。記録再生装置は、磁気カード1aの第1
の磁性層3aを非接触で加熱するランプとしてハロゲン
ランプ6aと、コア材にセンダスト合金を使用した磁気
ヘッド7aを備えている。ハロゲンランプ6aは、発光
直後から加熱が行え、熱ローラや熱ヘッドなど他の加熱
方式で必要なウォーミングアップ時間や、待機時の高温
保持といった動作が不要なうえ、接触加熱方式に比べ磁
気カードの表面に傷を付けない長所を有する。磁気ヘッ
ド7aは、第1の磁性層3a及び第2の磁性層4aに、
4kOeないし5kOeの記録磁界を発生する。磁気ヘ
ッド7aのコア材としては、センダスト合金の他、Fe
−Ni系合金、Fe−Co系アモルファス合金の何れ
か、もしくは同等の特性を持つ材質を用いても良い。
【0016】本発明に係わる磁気カード及び磁気カード
記録再生装置の動作について、図3を参照して説明す
る。記録再生装置のハロゲンランプ6aを発光させ、磁
気カード1aの第1の磁性層3aのキュリー温度(15
0℃)前後の140℃から160℃に加熱する。その
後、第1の磁性層3aは、磁気ヘッド7aとの接触や自
然放熱でキュリー温度より低い温度に冷却される。磁気
ヘッド7aとの接触による温度低下量が特に大きいた
め、磁気ヘッド7aをPTCサーミスタ(図では略)
で、事前に50℃から70℃に昇温しておく。これによ
って、磁気ヘッド7aを昇温しないときに比べ、第1の
磁性層3aの温度ばらつきが抑えられ安定した記録特性
が得られる。また、第1の磁性層3aの温度低下を緩和
し、ハロゲンランプによる第1の磁性層3aの加熱温度
を低く設定できることから、磁気カードの熱ダメージを
軽減する効果もある。昇温された第1の磁性層3aの保
磁力を、磁気ヘッド7aで記録可能でかつ記録情報が保
持できる200Oeから4kOeの範囲に保ち、この状
態で記録電流Iaを流した磁気ヘッド7aにより第1の
磁性層3aに情報の記録を行う。この時、第2の磁性層
4aにも同様の記録磁界が印加される。第2の磁性層4
aのキュリー温度は450℃と高いため保磁力の低下は
ほとんどなく、また保磁力が1.5kOeであるため第
2の磁性層4aにも第1の磁性層3と同一の情報が記録
され、図3に示した磁化状態になる。記録電流Iaは、
第1の磁性層3aに十分な記録のできるよう設定され
る。このため第2の磁性層4aの保磁力が低い場合、記
録電流Iaにより記録減磁が発生することもあるが、本
発明の効果にはなんら問題とはならない。なお、磁気ヘ
ッド7の昇温手段には、PTCサーミスタの他、セラミ
ックヒータ等を用いても良い。一方、磁気カード1aの
情報を読み取るには、磁気カードを加熱したり、第2の
磁性層4aを消去する必要がないため、従来の再生専用
機の使用も可能である。
【0017】情報の記録後に第1の磁性層3aが常温ま
でに下がると、第1の磁性層3aの保磁力は9kOeと
いう高い保磁力に回復する。このため、ハンドバッグや
眼鏡ケースの止め磁石、マゲネットクリップなどは勿
論、Nd−Fe−B系の高磁力磁石に近づいても、第2
の磁性層4aの磁化は消失するものの、第1の磁性層3
aの磁化はほとんど影響を受けない。このとき、磁気カ
ード1aから得られる再生出力は、図2の再生出力比か
らわかるように、第2の磁性層4aの情報消去前の8割
が得られるため、情報の読み出しにはなんら影響を受け
ない。
【0018】図4は、本発明に係わる磁気カード1aの
正規の情報を改ざんしたときの磁化状態を示す。磁気カ
ード1aの情報を書き換えるためには、第1の磁性層3
aの保磁力以上の磁界を印加する必要がある。しかし、
従来の記録再生装置に用いられている磁気ヘッドでは6
kOe程度の記録磁界を発生するのが限度で、第1の磁
性層3aを十分磁化できる9kOe以上の記録磁界は発
生できない。このため、保磁力が低い第2の磁性層4a
の情報は書き換えられても、第1の磁性層3aには正規
の情報が残り、図4に示すような磁化状態となる。この
磁気カード1aを再生して得られる情報は、第1の磁性
層3aの正規の情報と、第2の磁性層4aの改ざんされ
た情報とが混在し、改ざんされた磁気カードとして処理
される。
【0019】暗証番号の不一致があり不正使用の疑いが
ある場合、従来の記録再生装置では磁気カードの情報を
消去あるいは書き換えることで対応している。本発明に
係わる磁気カード及び記録再生装置によれば、暗証番号
の不一致で不正使用の疑いがある場合、保磁力の高い第
1の磁性層3aの記録情報に影響を与えず、第2の磁性
層4aを磁化可能な記録電流Ibによる磁気ヘッド7の
記録磁界によって、磁気カードを加熱することなく保磁
力の低い第2の磁性層4aのみに記録を行う。このとき
の磁化状態は、正規の記録を行った本発明に係わる磁気
カード1aの情報を従来の記録再生装置を用いて改ざん
しようとした場合と全く同様に図4のようになる。この
磁気カード1aでは、正確な情報が読めなくなり、その
後の磁気カード1aの使用を無効にするなどの処置を行
える。第2の磁性層4aのみに記録を行い不正使用を防
止することは、従来の記録再生装置を用いても可能であ
ることは明白である。
【0020】さらに、このように第2の磁性層4aが書
き換えられた磁気カード1aは、本来の信号が第1の磁
性層3aに残されているため、第2の磁性層4aを消去
することで再びもとの情報が読み取れるため、特に再発
行を行わなくとも磁気カードの再利用が可能になる。
【0021】また保磁力が200Oe以上6kOe以下
の従来の磁気カードに本発明に係わる磁気カード1aの
情報をそのまま書き写した不正カードに対しては、第1
の磁性層4aの記録情報が消失しない範囲の磁界を、高
磁力磁石や直流電磁石及び磁気ヘッド等で印加すること
のできる本発明に係わる記録再生装置ならば、磁気カー
ド1aの情報は読み取り不可能にはならないが、不正カ
ードの情報は消去され情報の読み取りができず不正使用
を防止することができる。
【0022】第1の磁性層3aの常温での保磁力は、既
存のFe−Ni系合金やFe−Co系アモルファス合金
よりなる磁気ヘッドで十分に磁化できない大きさであれ
ばよく、7kOe以上の保磁力の磁性層が好ましい。第
1の磁性層3aの材質は、図2及び表5に示すSm−C
o系磁性粉の他、Srフェライト系磁性粉、Nd−Fe
−B系磁性粉などであっても良い。また、キュリー温度
が100℃以上200℃以下で実現されている磁性粉の
保磁力の上限は、Nd−Fe−B系磁性粉で15kOe
である。従って、第1の磁性層3aの常温での保磁力は
7kOe以上15kOe以下である。これに対し、第2
の磁性層4aの常温での保磁力は、磁気カードとして記
録を保持できる下限が200Oeで、Fe−Ni系合金
やFe−Co系アモルファス合金などからなる従来の磁
気ヘッドで情報を記録できる保磁力の上限が6kOeで
あることから、第2の磁性層の常温での保磁力は200
Oe以上6kOe以下の範囲が望ましい。
【0023】図5は、本発明に係わる磁気カードの他の
実施例として、保磁力の高い第1の磁性層3bと保磁力
の低い第2の磁性層4bの磁性粉の材質、キュリー温
度、保磁力、再生出力比(相対値)を示す。
【0024】図6は、図5に示す特性を持つ磁気カード
1bと本発明に係わる磁気カードの記録再生装置の基本
構成の概念図である。図2に示す特性を持つ磁気カード
1aと本発明に係わる磁気カードの記録再生装置の実施
例と同様に、磁気カード1bを加熱し、第1の磁性層3
bの保磁力を磁気ヘッド7bで記録可能で、かつ記録情
報が保持可能な200Oeから4kOeの範囲に保つ。
この状態で記録電流Icを流した磁気ヘッド7bにより
第1の磁性層3bに情報の記録を行う。このとき第2の
磁性層4bの温度が第2の磁性層4bのキュリー温度以
上の場合は、保磁力はほぼ零であるので、第2の磁性層
4bの磁化状態は図4へ示すように何も情報が記録され
ない。第2の磁性層4bの温度が下がり、保磁力が数十
Oe程度に戻り始めたころから、情報が記録された第1
の磁性層3bの生ずる磁界によって、第2の磁性層4b
が磁化され、常温に戻るまでに第1の磁性層3bに記録
された情報が転写される。
【0025】図7は、第2の磁性層4bに第1の磁性層
3bの情報が転写された磁化状態を示す。磁気カード1
bの再生出力は転写が行われているため第1の磁性層3
bと第2の磁性層4bの再生出力の差分となる。第1の
磁性層3bの再生出力を1としたとき第2の磁性層4b
の再生出力は1/5であり、磁気カード1bを再生して
得られる出力は4/5となり、情報の読み取りにはなん
ら支障はない。また不正カードや第2の磁性層4bの情
報が消去された場合の対応において、図2の特性を持つ
磁気カード1aと同様の効果が得られることは明らかで
ある。
【0026】磁気カードの第1の磁性層と第2の磁性層
の再生出力比を考える。磁気カード1aの第1の磁性層
3aの再生出力を1として、第1の磁性層3aに対し第
2の磁性層4aの再生出力比を1/10未満にすると、
磁気カード1aの使用が無効になるよう第2の磁性層4
aに記録を行っても、情報読み取り時に第1の磁性層3
aの再生出力が支配的となり、第1の磁性層3aの情報
だけが得られてしまい磁気カード1aの使用を無効にで
きなくなる。また、第2の磁性層4aの再生出力の比が
1/2を越えると、第1の磁性層3aと第2の磁性層4
aに同一の情報を記録したとき、磁気カード1aの再生
出力が1.5を越え不正カードと判断される。これは一
般に、磁気カードの再生装置が、正規の磁気カードより
再生出力が大きいため不正カードと判断するレベルが、
正規のカードの再生出力を1として1.5以上となって
いるためである。
【0027】次に、磁気カード1bの第1の磁性層3b
の再生出力を1として、第1の磁性層3bに対し第2の
磁性層4bの再生出力比を1/10未満にすると、磁気
カード1bの使用が無効になるよう第2の磁性層4bに
記録を行っても、磁気カード1aと同様に読み取り時に
第1の磁性層3bの情報が支配的になり、磁気カード1
bの使用を無効にできなくなる。一方、磁気カード1b
は、第1の磁性層3bと第2の磁性層4bに同一の情報
を記録すると転写が発生する。従って、磁気カード1b
の再生出力は両磁性層の出力の差分として得られる。一
般に磁気カードの記録再生装置が正規の磁気カードの再
生出力より小さいため不正カードとして判断するレベル
は、正規のカードの再生出力を1として0.5である。
よって、表2に示されるキュリー温度及び保磁力の特性
をもつ磁気カードは、第1の磁性層3bに対し第2の磁
性層4bの再生出力の上限は1/2以下が好ましい。
【0028】以上から、磁気カードの第1の磁性層と第
2の磁性層の再生出力比は、第1の磁性層の再生出力を
1にすると、第2の磁性層の再生出力比は1/10以上
1/2以下であることが好ましい。
【0029】一方、カード基材には加工性が要求され
る。一般にはエンボス加工性などを考慮し、基材には塩
化ビニルが用いられている。しかし本発明の磁気カード
は、保磁力の高い第1の磁性層を記録する際、キュリー
温度前後の100℃から200℃の範囲に加熱するた
め、軟化温度が70℃程度の塩化ビニルを基材に用いた
場合は熱変形が発生し、以後の記録・再生時にヘッドタ
ッチの悪化等の問題が発生する。よって基材には軟化温
度が高く、かつエンボスの加工性が良好であることが望
まれる。しかしこのような条件を満たすプラスチック材
料の選定は困難であり、図8〜図10の一例に示すよう
な磁気カード構造が考えられる。
【0030】図8〜図10は磁気カードの磁気ストライ
プ垂直方向の断面図である。図8は、4ブロックを接着
した磁気カードの一例である。磁性層8は第1の磁性
層、第2の磁性層及び保護層を含み、高耐熱基材9上に
積層されたものであり1ブロック構造として扱う。高耐
熱基材9は、磁性層8の直下にあり最も耐熱性が要求さ
れるため、ポリイミドやポリエーテルイミドなどを用い
ることが好ましい。磁性層8が積層された高耐熱基材9
は、耐熱基材10上に積層される。耐熱基材10は磁性
層8とは高耐熱基材9を介するため高い耐熱性は要求さ
れないが、一方でエンボス領域にかかるため加工性が要
求される。そこで軟化温度が高耐熱基材9よりは低いが
熱可塑性のポリカーボネートなどが好適である。一方基
材11の耐熱及び加工性は従来と同等でよく塩化ビニル
などが好適である。図9はエンボス領域の加工性を向上
させるため、耐熱基材10の一部を基材11に変更した
5ブロック構造の一例を示す。図10は両面に磁気スト
ライプを設けた際の7ブロック構造の一例を示す。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、次の
ような効果を得ることができる。
【0032】(1)磁気カードの保磁力は、第1の磁性
層が第2の磁性層より高い。しかも第1の磁性層は、好
ましくは常温で7kOeないし15kOeであるため、
従来の記録再生装置での改ざんを防止できる。また、保
磁力の高い第1の磁性層に記録された情報は、過って高
磁力磁石に近づけても、情報の読み取りには何等影響を
受けない。
【0033】(2)上記のように構成された磁気カード
は、キュリー温度近くまで加熱して、保磁力を200O
eないし4kOeにすると、従来の磁気ヘッドを使用し
て、第1の磁性層に情報の記録が可能になる。磁気カー
ド加熱手段として用いるハロゲンランプは、発光直後か
ら加熱が行え立ち上がり時間が早く、待機時の高温保持
が不要である。そのうえ、接触加熱方式に比べ磁気カー
ドの表面に傷を付けることがない。また、磁気ヘッドを
昇温手段によって50℃から70℃にしておくと、第1
の磁性層の温度ばらつきが抑えられ安定した記録特性が
得られ、温度低下を緩和できることから、ハロゲンラン
プによる第1の磁性層の加熱温度を低く設定でき磁気カ
ードの熱ダメージを軽減することができる。
【0034】(3)この種の磁気カードで重要なよう
に、必要に応じて第2の磁性層に記録を行うことで、磁
気カードの使用を無効とする処置が可能である。また第
2の磁性層を消去するのみで、磁気カードの再発行する
ことなく再利用することも可能である。
【0035】(4)磁性層の保磁力が200Oeから6
000Oeの従来の磁気カードに、本発明による磁気カ
ードの情報をそのまま書き写して偽造しようとしても、
直流電磁石や高磁力磁石及び磁気ヘッド等を有する本発
明による磁気カードの記録再生装置ならば、改ざんの疑
いが強いと判別された従来の磁気カードの情報を消去で
きるので、従来の磁気カードによる偽造を防止できる。
【0036】(5)第2の磁性層にキュリー点の高い材
料を使用すれば、第1の磁性層と第2の磁性層の同時記
録によって、第1の磁性層と第2の磁性層の出力を合わ
せた高い出力が得られるため、第1の磁性層を残留磁束
密度の低い材料で形成したとしても十分な出力を得るこ
とが可能となり、安価な材料を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる磁気カードの一実施例を示す部
分断面図である。
【図2】本発明に係わる磁気カードの一実施例の第1の
磁性層と第2の磁性層の磁性粉の材質、キュリー温度、
保磁力、再生出力比(相対値)の一例を示す。
【図3】図1に示す磁気カード(保護層は略)及びその
記録再生装置の基本構成を示す概念図である。
【図4】図1に示す磁気カードの正規の情報を改ざんし
たときの磁化状態を示す図である。
【図5】本発明に係わる磁気カードの他の実施例の第1
の磁性層と第2の磁性層の磁性粉の材質、キュリー温
度、保磁力、再生出力比(相対値)を示す。
【図6】図5に示す磁気カード(保護層は略)及びその
記録再生装置の基本構成を示す概念図である。
【図7】図5に示す磁気カードの第2の磁性層に第1の
磁性層の情報が転写後の磁化状態を示す図である。
【図8】磁気カードの磁気ストライプ垂直方向の断面図
で、4ブロックを接着した磁気カードの一例を示す図で
ある。
【図9】磁気カードの磁気ストライプ垂直方向の断面図
で、エンボス領域の加工性を向上させるため耐熱基材の
一部を基材に変更した5ブロック構造の一例を示す図で
ある。
【図10】磁気カードの磁気ストライプ垂直方向の断面
図で、両面に磁気ストライプを設けたときの7ブロック
構造の一例をしめす図である。
【符号の説明】
1a、1b 磁気カード 2a、2b プラスチック基板 3a、3b 第1の磁性層 4a、4b 第2の磁性層 5 保護層 6a、6b ハロゲンランプ 7a、7b 磁気ヘッド 8 磁性層 9 高耐熱基材 10 耐熱基材 11 基材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の状態において保磁力の異なる2つ
    の磁性層が基板に積層された磁気カードにおいて、保磁
    力の高い第1の磁性層のキュリー温度は100℃以上2
    00℃以下の範囲であり、かつ保磁力の低い第2の磁性
    層の再生出力が前記第1の磁性層の再生出力の1/10
    以上1/2以下の範囲であることを特徴とする磁気カー
    ド。
  2. 【請求項2】 請求項1にかかる磁気カードへの記録に
    おいて、すくなくとも前記第1の磁性層を加熱し情報記
    録を行う手段を有することを特徴とする磁気カードの記
    録再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1にかかる磁気カードへの記録に
    おいて、前記第1の磁性層の記録情報に影響を与えない
    磁気ヘッドの記録磁界によって、前記第2の磁性層のみ
    に情報を記録する手段を有することを特徴とする磁気カ
    ードの記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項2にかかる磁気カードの記録再生
    装置において、加熱手段としてランプを装備することを
    特徴とする磁気カードの記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項2にかかる磁気カードの記録再生
    装置において、前記第1の磁性層の記録情報が減磁しな
    い範囲の磁界発生手段を有することを特徴とする磁気カ
    ードの記録再生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006059385A (ja) * 2000-12-26 2006-03-02 Sharp Corp データ再生システム、そのシステムに用いられるデータ書込み装置、データ読取り装置およびその方法

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