JPH08264892A - 波長掃引機能付き分布反射型半導体レーザ装置 - Google Patents

波長掃引機能付き分布反射型半導体レーザ装置

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JPH08264892A
JPH08264892A JP6090695A JP6090695A JPH08264892A JP H08264892 A JPH08264892 A JP H08264892A JP 6090695 A JP6090695 A JP 6090695A JP 6090695 A JP6090695 A JP 6090695A JP H08264892 A JPH08264892 A JP H08264892A
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laser device
semiconductor laser
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JP6090695A
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Hiromasa Tanobe
博正 田野辺
Yuzo Yoshikuni
裕三 吉國
Hiroyuki Ishii
啓之 石井
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NTT Inc
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光吸収を低減させ、低消費電力波長可変光源
のみならず、従来実用化できなかった超広帯域波長多重
通信用光源として用いることが可能な分布反射型半導体
レーザ装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明にもとづく波長可変半導体レーザ装置
は、キャリアの注入により活性領域をなして発光する応
力がかけられた多重量子井戸層、例えばGaInAsP
層と、歪みが導入されたGaInAsP層との多層膜構
造を有する。また、電流を流すためのp型およびn型の
半導体層、例えばInP層をそれぞれ被着したものを、
半導体基板上、例えばn型InP基板上に活性領域とし
て設け、その片側、または両側に半導体基板の格子定数
よりわずかに異なり、さらに、それによって生じる応力
の方向が両者で反転するように設計された結晶成長可能
な、例えばGaInAs層と、GaInAsP層を多段
に積層した積層構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザ装置に関す
るもので、特に半導体レーザ装置内活性領域の格子定数
と該活性領域の周囲領域である非活性導波路領域の格子
定数とを人為的に変化させることによってお互いに相反
するように応力がかけられた半導体結晶薄膜が導入され
た構造を有する波長掃引機能付き分布反射型半導体レー
ザ装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】一つの波長を用いた既存の光ファイバ通
信から、よりいっそうの情報伝送量向上のために、二つ
以上の多波長を用いた波長多重光ファイバ通信の開発が
近年盛んに行われている。この波長多重光ファイバ通信
用の光源として、レーザ光を発光させるのに必要な動作
電力が少なく、10mW以上の比較的高い光強度を保ち
つつ波長掃引可能で、さらにその波長掃引制御に必要な
電力が少ない波長可変半導体レーザ装置が注目されてい
る。
【0003】波長可変半導体レーザ装置の一例として、
活性領域と非活性領域が分離した構造を持つ分布反射形
半導体レーザ装置がある。このレーザ装置は、設計の自
由度の大きさから特に注目されているもので、活性領域
と波長可変機構を担う非活性領域とを別々に設計し、か
つ製作できるという特徴を有する。
【0004】一方、活性領域と非活性領域の両者に量子
井戸構造を持った分布反射形半導体レーザ装置が近年出
現した(青木雅博他、「選択MOCVD成長による多重
量子井戸構造の量子準位制御と集積素子への応用」電子
情報通信学会論文誌C−1,Vol.J77−C−1,
No.5,pp.250〜259)。この装置は、活性
領域と非活性領域を別々に製作していた工程を改良し、
一度の結晶成長でそれらふたつの領域を製作することに
より、両者に量子井戸構造を導入させたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
一度に結晶成長させる場合、活性領域に格子整合条件を
合わせるため、非活性領域には格子整合条件が与えるこ
とができなくなる。そのため、非活性領域の結晶性の劣
化は避けることができず、波長掃引幅の限界を与えてし
まう。また、一般に波長可変半導体レーザを波長多重光
ファイバ通信用光源として用いる場合、以下のような問
題点がある。
【0006】波長を掃引させるためにガイド層に流す電
流によって電子が生成するため、この電子によってその
半導体中で起こるいわゆるプラズマ効果により、ガイド
層の屈折率が変化し、半導体レーザ装置から発光する波
長が制御される。半導体に電流を流すと、電子と同時に
正孔もガイド層にキャリアとして同時に注入されること
が物理的に知られている。半導体レーザ装置内の活性層
から発光したレーザ光は、上記現象によって生じたガイ
ド層中の正孔が引き起こす、いわゆる価電子帯間吸収に
より光が吸収されてしまう。例えば、その一例として、
非活性領域にバンドギャップ波長1.3μmのInGa
AsP化合物半導体で構成された半導体レーザ装置の作
用について簡単に説明する。この場合、波長を掃引する
ために非活性領域に電流を流すと重い正孔バンド中に正
孔が生成される。したがって、活性層で発光したレーザ
光はスプリットオフバンド中の電子を先の正孔のエネル
ギーレベルに励起させることによる、いわゆる価電子帯
間吸収により、レーザ光がその非活性領域において著し
く吸収される。このような吸収が起こると、レーザ装置
のしきい値電流が上昇し、所望の光出力を得るための動
作電力を上昇させてしまう。また、波長掃引幅を拡大す
るためにガイド層に流す電流量を増やすと、先に述べた
価電子帯間吸収により損失は増大してしまい、それと共
に、レーザ出力は低下し、スペクトル線幅は増大する。
このような特性劣化は波長可変半導体レーザ装置におい
て物理的に不可避であった。このように、非活性導波路
領域での光学的吸収が半導体物性からもたらされている
ため、良好な性能をもって波長掃引制御に必要な電力が
少ない半導体レーザ装置は未だ実現されていない。
【0007】したがって、本発明の目的は、上記問題点
を解決し、広い範囲で波長を掃引できる新しい半導体レ
ーザ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第一の発明にもとづく波長掃引機能付き分布反射型
半導体レーザ装置は、半導体基板上に、禁制帯幅が相対
的に大きな組成のクラッド層で囲まれた活性層を有し、
該活性層からなる領域の片側または両側に非活性導波路
領域が光学的に結合した分布反射型半導体レーザ装置に
おいて、室温における半導体薄膜の格子定数が基板より
も大きく、かつ圧縮歪みがかけられた量子井戸層を導入
した活性領域と、室温における半導体薄膜の格子定数が
基板よりも小さく、かつ引っ張り歪みがかけられた量子
井戸層を導入した非活性導波路領域とが設けられたこと
を特徴とする。
【0009】また、第二の発明にもとづく波長掃引機能
付き分布反射型半導体レーザ装置は、半導体基板上に、
禁制帯幅が相対的に大きな組成のクラッド層で囲まれた
活性層を有し、かつ該活性層からなる領域の片側または
両側に非活性導波路領域が光学的に結合した分布反射型
半導体レーザ装置において、室温における半導体薄膜の
格子定数が基板よりも小さく、かつ引っ張り歪みがかけ
られた量子井戸層を導入した活性領域と、室温における
半導体薄膜の格子定数が基板よりも大きく、かつ圧縮歪
みがかけられた量子井戸層を導入した非活性導波路領域
とが設けられたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の以下に説明する半導体レーザ装置の作
用に着目してなされたものである。すなわち、従来例で
も説明したように、非活性領域にバンドギャップ波長
1.3μmのInGaAsP化合物半導体で構成された
半導体レーザ装置の場合、波長を掃引するために非活性
領域に電流を流すと重い正孔バンド中に正孔が生成され
る。したがって、活性層で発光したレーザ光はスプリッ
トオフバンド中の電子を先の正孔のエネルギーレベルに
励起させることによる、いわゆる価電子帯間吸収によ
り、レーザ光がその非活性領域において著しく吸収され
る(図1(a))。一方、非活性領域に引っ張り歪みを
導入した場合、図1(a)に示すように、価電子帯間吸
収はTE偏波の場合に歪みなしのときと比べ約0.82
倍低減する。よって、活性領域に圧縮歪みを導入してT
E偏波を持つようにレーザ光を発振させることによっ
て、非活性領域における損失が少ない波長可変レーザが
実現される。また、非活性領域に圧縮歪みを導入した場
合では、図1(b)に示すように、HHバンド中の電子
の波動関数がTM偏波の成分に対して振幅を持たないた
め、このTM偏波に対して価電子帯間吸収が起こらな
い。従って、活性領域に引っ張り歪みを導入しTM偏波
を持つようにレーザ光を発振させることによって、非活
性領域における損失がない波長可変レーザが実現され
る。しかし、非活性領域に歪みを導入しない場合、図1
(c)に示すように、波長を掃引するために非活性領域
に電流を流すと重い正孔バンド中に正孔が生成されて、
活性層で発光したレーザ光はスプリットオフバンド中の
電子を先の正孔のエネルギーレベルに励起させることに
よる、いわゆる価電子帯間吸収により、レーザ光がその
非活性領域において著しく吸収される。このような吸収
が起こると、レーザ装置のしきい値電流が上昇し、所望
の光出力を得るための動作電力を上昇させてしまう。
【0011】そこで、本発明にもとづく波長可変半導体
レーザ装置は、キャリアの注入により活性領域をなして
発光する応力がかけられた多重量子井戸層、例えばGa
InAsP層と、歪みが導入されたGaInAsP層と
の多層膜構造を有する。また、電流を流すためのp型お
よびn型の半導体層、例えばInP層をそれぞれ被着し
たものを、半導体基板上、例えばn型InP基板上に活
性領域として設け、その片側、または両側に半導体基板
の格子定数よりわずかに異なり、さらに、それによって
生じる応力の方向が両者で反転するように設計された結
晶成長可能な、例えばGaInAs層と、GaInAs
P層を多段に積層した積層構造を有する。
【0012】したがって、本発明の半導体レーザ装置
は、歪み量子井戸構造を非活性導波路領域に導入したこ
とにより光吸収を低減させ、低消費電力波長可変光源の
みならず、従来実用化できなかった超広帯域波長多重通
信用光源として用いることが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明にもとづく波長
可変半導体レーザ装置(以下、簡単に半導体レーザ装置
ともいう)の具体的構成例を説明する。
【0014】<実施例1>図2は、本発明にもとづく半
導体レーザ装置の一構成例を説明するための模式的断面
図である。この半導体レーザ装置は、n型InP基板1
上に結晶成長させたn型InP層2を被着し、その上に
バンドギャップ波長1.15μmの光−キャリヤ分離閉
じ込めGaInAsP層34を結晶成長し、続いてバン
ドギャップ波長1.3μmのGaInAsPバリア層1
7と圧縮歪みを導入したGaInAsPウェル層18を
順次交互に結晶成長させ、最終バリヤ層上にバンドギャ
ップ波長1.15μmの光−キャリヤ分離閉じ込めGa
InAsP層34を結晶成長し、フォトルミネッセンス
波長1.55μmの圧縮歪み多重量子井戸構造を形成す
る。かかる積層構造のGaInAsP光−キャリヤ分離
閉じ込め層34上にp型InP層24を被着させ、これ
らすべてを島状に蝕刻形成し活性領域40とする。波長
制御領域となる非活性導波路領域ガイド層は、この活性
層領域の片側、または両側に導入される。
【0015】つまり、活性領域形成後、同一なInP基
板1上に結晶成長させたn型InP層2を被着し、その
上にバンドギャップ波長1.15μmの光−キャリヤ分
離閉じ込めGaInAsP層34を結晶成長する。続い
て、GaInAsP層9と、わずかに基板と格子定数の
異なり引っ張り歪みがかけられたGaInAsP層10
を順次交互に結晶成長し、その上部にバンドギャップ波
長1.15μmの光−キャリヤ分離閉じ込めGaInA
sP層34を被着してフォトルミネッセンス波長1.3
μmの引っ張り歪み多重量子井戸構造にする。レーザ共
振器での反射器としての機能を持たせるために、積層形
成された非活性導波路領域中の光−キャリヤ分離閉じ込
めGaInAsP層34にピッチL(=λ/2n)の回
折格子を形成し、最終InP層上にp型InP層24を
被着させ、光学的に直列結合される。次いで、横モード
を制御するために狭スライプ状に蝕刻加工し、電流狭窄
のための埋込み成長を行う。なお、かかる積層構造に電
流を流すために両端面に被着するn型InP層2および
p型InP層24は積層構造における各層厚より厚くす
る。かかる構成の半導体装置を100μm程度の適当な
厚さにしてn型InP基板1上に設け、ガイド層と、活
性領域に流す電流を分けるために、n型InGaAs層
25に対し分離溝28を設け、例えばCr/Auもしく
はTi/Pt/Auの合金よりなるp側(+)電極薄層
26,27を上端面に被着するとともに、下端面には例
えばAu/GeもしくはAu/Snの合金よりなるn側
(−)電極薄層29を被着してある。
【0016】<実施例2>本実施例の半導体レーザ装置
は、実施例1の半導体レーザ装置内の半導体薄膜にかか
る応力を反転させた構造である。図3に示すように、n
型InP基板1上に結晶成長させたn型InP層2を被
着し、その上にバンドギャップ波長1.15μmの光−
キャリヤ分離閉じ込めGaInAsP層34を結晶成長
し、続いてバンドギャップ波長1.3μmのGaInA
sPバリヤ層19と引っ張り歪みを導入したInGaA
sウェル層20を順次交互に結晶成長させ、最終バリヤ
層上にバンドギャップ波長1.15μmの光−キャリヤ
分離閉じ込めGaInAsP層34を結晶成長し、フォ
トルミネッセンス波長1.55μmの引っ張り歪み多重
量子井戸構造を形成する。かかる積層構造のGaInA
sP光−キャリヤ分離閉じ込め層34上にp型InP層
24を被着させ、これらすべてを島状に蝕刻形成し活性
領域40とする。波長制御領域となる非活性導波路領域
ガイド層は、この活性層領域の片側、または両側に導入
される。つまり、活性領域形成後、同一なn型InP基
板1上に結晶成長させたn型InPクラッド層2を被着
し、その上にバンドギャップ波長1.15μmの光−キ
ャリヤ分離閉じ込めGaInAsP層34を結晶成長す
る。続いて、GaInAsP層11と、わずかに基板と
格子定数の異なり圧縮歪みがかけられたGaInAsP
層12を順次交互に結晶成長し、その上部にバンドギャ
ップ波長1.15μmの光−キャリヤ分離閉じ込めGa
InAsP層34を被着してフォトルミネッセンス波長
1.3μmの引っ張り歪み多重量子井戸構造にする。レ
ーザ共振器での反射器としての機能を持たせるために、
積層形成された非活性導波路領域中の光−キャリヤ分離
閉じ込めGaInAsP層34にピッチL(=λ/2
n)の回折格子を形成し、最終InP層上にp型InP
層24を被着させ、光学的に直接結合される。次いで、
横モードを制御するために狭スライプ状に蝕刻加工し、
電流狭窄のための埋込み成長を行う。なお、かかる積層
構造に電流を流すために両端面に被着するn型InP層
2およびp型InP層24は積層構造における各層厚よ
り厚くする。かかる構成の半導体装置を100μm程度
の適当な厚さにしたn型InP基板1上に設け、ガイド
層と、活性領域に流す電流を分けるために、p型InG
aAs層25に対し分離溝28を設け、例えばCr/A
uもしくはTi/Pt/Auの合金よりなるp側(+)
電極薄層26,27を上端面に被着するとともに、下端
面には例えばAu/GeもしくはAu/Snの合金より
なるn側(−)電極薄層29を被着してある。
【0017】<実施例3>本実施例の半導体レーザ装置
は、上記実施例1および2に示された半導体レーザ装置
内の活性領域と非活性導波路領域とを半導体基板面に対
し水平に積層させた装置である。図5に示すように、p
型InP基板3上に結晶成長させたp型InP層4を被
着し、その上にバンドギャップ波長1.15μmの光−
キャリヤ分離閉じ込めGaInAsP層34を結晶成長
し、続いてGaInAsPバリヤ層17と圧縮歪みを導
入したGaInAsPウェル層18とを順次交互に結晶
成長させ、最終バリヤ層上にバンドギャップ波長1.1
5μmの光−キャリヤ分離閉じ込めGaInAsP層3
4を結晶成長し、フォトルミネッセンス波長1.55μ
mの圧縮歪み多重量子井戸構造にして活性領域40とす
る。この積層構造上にn型共通電極層32を設け、続い
てGaInAsPバリヤ層9と引っ張り歪みがかけられ
たInGaAs層10を順次交互に結晶成長させ、最終
バリヤ層上にバンドギャップ波長1.15μmの光−キ
ャリア分離閉じ込めGaInAsP層34を結晶成長
し、フォトルミネッセンス波長1.3μmの引っ張り歪
み多重量子井戸構造にして非活性導波路ガイド層41と
する。レーザ共振器での反射器としての機能を持たせる
ために、積層形成された非活性導波路領域中の光−キャ
リヤ分離閉じ込めGaInAsP層34にピッチL(=
λ/2n)の回折格子を形成し、さらにp型InP層2
4を被着し、最後にInGaAs層25をオーミックコ
ンタクト層として被着する。この構造での電極配置は、
図6に示すとおりで、p型InP基板側3では、例えば
Cr/AuもしくはTi/Pt/Auの合金よりなるp
側(+)電極薄層28を被着し、最終半導体薄膜成長層
である、p型InGaAs層では、例えばCr/Auも
しくはTi/Pt/Auの合金よりなるp側(+)電極
薄層26を被着している。さらに、活性領域と、非活性
領域導波路ガイド層の共通電極として、n型InP層に
例えばAu/GeもしくはAu/Snの合金よりなるn
側(−)電極薄層30を被着してある。
【0018】<実施例4>この実施例の半導体レーザ装
置は上記図4における半導体レーザ装置内の半導体薄膜
にかかる応力を反転させた構造を有する(図7参照)。
すなわち、p型InP基板3上に、結晶成長させたp型
InP層4を被着し、その上にバンドギャップ波長1.
15μmの光−キャリヤ分離閉じ込めGaInAsP層
34を結晶成長し、続いてGaInAsPバリヤ層19
と引っ張り歪みを導入したInGaAsウェル層20を
順次交互に結晶成長させ、最終バリヤ層上にバンドギャ
ップ波長1.15μmの光−キャリヤ分離閉じ込めGa
InAsP層34を結晶成長し、フォトルミネッセンス
波長1.55μmの引っ張り歪み多重量子井戸構造にし
て活性領域40とする。この積層構造にn型InP層3
2を被着し、その上にバンドギャップ波長1.15μm
の光−キャリヤ分離閉じ込めGaInAsP層34を結
晶成長し、続いてGaInAsPバリヤ層11と圧縮歪
みがかけられたGaInAsPウェル層12とを順次交
互に結晶成長させ、最終バリヤ層上にバンドギャップ波
長1.15μmの光−キャリヤ分離閉じ込めGaInA
sP層34を結晶成長し、フォトルミネッセンス波長
1.3μmの圧縮歪み多重量子井戸構造にして非活性領
域導波路ガイド層41とする。レーザ共振器での反射器
としての機能を持たせるために、積層形成された非活性
導波路領域中の光−キャリヤ分離閉じ込めGaInAs
P層34にピッチL(=λ/2n)の回折格子を形成
し、さらにp型InP層24を被着し、最後にInGa
As層25をオーミックコンタクト層として被着する。
この構造での電極配置は、図8に示すとおりで、p型I
nP基板1側では、例えばCr/AuもしくはTi/P
t/Auの合金よりなるp側(+)電極薄層28を被着
し、最終半導体薄膜成長層である、p型InGaAs層
では、例えばCr/AuもしくはTi/Pt/Auの合
金よりなるp側(+)電極薄層26を被着している。さ
らに、活性領域と、非活性領域導波路ガイド層の共通電
極として、n型InP層に例えばAu/GeもしくはA
u/Snの合金よりなるn側(−)電極薄層30を被着
してある。
【0019】次に、本発明半導体レーザ装置の動作を説
明すると、まず、活性領域40の上下端面電極薄層2
6,29に電圧を印加して多層構造の半導体装置に電流
を流すと、キャリヤの反転分布が形成されて、レーザ媒
質となる多重量子井戸層で利得領域が形成され、レーザ
発振が起こる。次いで、波長制御領域である、非活性領
域導波路ガイド層41の上下端面電極薄層27,29に
電圧印加して、応力がかけられたGaInAs層を含む
歪み量子井戸構造領域に電流を流すと、キャリヤが生成
されそのGaInAs層でプラズマ効果が起こり、その
屈折率が変化し、光学的共振器長が変化することによ
り、レーザ発振波長を制御している。
【0020】図2の基本構成による、活性領域に圧縮歪
み、非活性領域ガイド層に引っ張り歪みが導入されたレ
ーザ装置では、活性領域に圧縮歪みを導入したために、
伝導帯中の電子と価電子帯中の重い正孔間との結合で生
じる利得が増大し、レーザ装置から放出されるレーザ光
の電界成分は基板水平面に対して平行な方向、いわゆる
TEモード発振となる。さらに、活性領域とは逆向きに
引っ張り歪みを導入して非活性領域導波路ガイド層で
は、価電子帯における重い正孔バンドとスプリットオフ
バンド間の遷移確率が約0.82倍に下がるため、この
TEモードに対して価電子帯吸収が少なく、特性が向上
する。
【0021】図3の基本構成による、活性領域に引っ張
り歪み、非活性領域導波路ガイド層に圧縮歪みが導入さ
れたレーザ装置では、活性領域に引っ張り歪みを導入し
たために、伝導帯中の電子と価電子帯中の軽い正孔間と
の結合で生じる利得が増大し、レーザ装置から放出され
るレーザ光の電界成分は基板水平面に対して垂直な方
向、いわゆるTMモード発振となる。さらに、活性領域
とは逆向きに圧縮歪みを導入した非活性領域導波路ガイ
ド層では正孔の波動関数が基板と垂直な方向に成分を完
全に持たないために、このTMモードに対して価電子帯
吸収が極めて少なく、図2のレーザ装置と比べてより一
層の特性が向上する。
【0022】1.3μm組成InGaAsPバルクをコ
アに持つ導波路の、TE偏波での電流密度に対する損失
特性、フォトルミネッセンス波長1.3μmのInGa
AsP圧縮歪み量子井戸をコアに持つ導波路の、TM偏
波での電流密度に対する損失特性を図4に示す。図中、
曲線Aは1.3μm組成GaInAsPをコア(幅1.
5μm、厚さ0.2μm)の導波路におけるTE偏波の
損失、曲線BはGaInAsP/InP圧縮歪量子井戸
をコア(幅1.5μm、厚さ0.2μm)の導波路にお
けるTE偏波に対する損失を示す。後者の特性は図2で
示した、非活性層と同等な構造を持つ導波路の特性と対
応している。このように、損失は約1/3まで低下し、
この構造の有効性が示されている。
【0023】図5から図8のレーザ装置は前述した図2
から図3のレーザ装置が活性領域と非活性導波路ガイド
層が光学的に直列接続されていたのに対し、0.2μm
程度の薄いn型InPを挟んでそれぞれが積層した構造
をしている。この装置では、1回の結晶成長でレーザ装
置すべての薄膜が作成可能である特徴がある。ただし、
光吸収が低減できる理由は、上述した図2,図3のレー
ザ装置と同じ動作原理だからである。
【0024】したがって、これらの半導体レーザ装置
は、屈折率変化を起こすために注入されて生成された高
密度のホールからもたらされる非活性領域導波路での価
電子帯間吸収の低下により、光損失を受けることなく屈
折率変化が可能となり、その結果広い波長掃引を可能に
した装置である。
【0025】なお、すべての図に示した本発明半導体レ
ーザ装置の構成例においては、図2から図3までの装置
でいずれも半導体基板1をn型InP半導体を用いて形
成したが、p型InP半導体とすることもできる。同様
に、図5,図7のレーザ装置ではいずれも半導体基板3
をp型InP半導体を用いて形成したが、n型InP半
導体とすることもできる。なお、その場合には、各図の
構成における各半導体層および各電極層のp型,n型と
をすべて逆の組み合わせにする。
【0026】また、以上説明した構成例においては、い
ずれも、活性体層をInGaAsP半導体により形成す
るとともに、クラッド層および半導体基板をInP半導
体により形成してあるが、これらの半導体材料は、上述
した例の組成に限ることなく、結晶成長可能なIII 族,
V族元素との異なる組み合わせを任意に用いることがで
き、例えば、半導体基板をGaAs半導体により形成す
るとともに、活性層をGaAs半導体により形成し、障
壁層をGaAlAs半導体により形成するなど、結晶成
長が可能な限り、任意所望の組成の半導体を適当に組み
合わせても、前述したと同様の本発明による作用効果を
得ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にもとづく
波長可変半導体レーザ装置は、キャリアの注入により活
性領域をなして発光する応力がかけられた多重量子井戸
層、例えばGaInAsP層と、歪みが導入されたGa
InAsP層との多層膜構造を有する。また、電流を流
すためのp型およびn型の半導体層、例えばInP層を
それぞれ被着したものを、半導体基板上、例えばn型I
nP基板上に活性領域として設け、その片側、または両
側に半導体基板の格子定数よりわずかに異なり、さら
に、それによって生じる応力の方向が両者で反転するよ
うに設計された結晶成長可能な、例えばGaInAs層
と、GaInAsP層を多段に積層した積層構造を有す
る。
【0028】したがって、本発明の半導体レーザ装置
は、歪み量子井戸構造を非活性導波路領域に導入したこ
とにより光吸収を低減させ、低消費電力波長可変光源の
みならず、従来実用化できなかった超広帯域波長多重通
信用光源として用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】価電子帯間吸収を示す説明図である。
【図2】本発明による波長掃引機能付き分布反射型半導
体レーザの概略的構成を説明するための模式的断面図で
ある(実施例1)。
【図3】本発明による波長掃引機能付き分布反射型半導
体レーザの概略的構成を説明するための模式的断面図で
ある(実施例2)。
【図4】注入電流密度に対する損失を示す特性図であ
る。
【図5】本発明による波長掃引機能付き分布反射型半導
体レーザの概略的構成を説明するための長手方向断面図
である(実施例3)。
【図6】本発明による波長掃引機能付き分布反射型半導
体レーザの概略的構成を説明するための幅方向断面図で
ある(実施例3)。
【図7】本発明による波長掃引機能付き分布反射型半導
体レーザの概略的構成を説明するための長手方向断面図
である(実施例4)。
【図8】本発明による波長掃引機能付き分布反射型半導
体レーザの概略的構成を説明するための幅方向断面図で
ある(実施例4)。
【符号の説明】
1 n型InP基板 2 n型InPクラッド層 3 p型InP基板 4 p型InPクラッド層 5 GaInAsP障壁層 6 GaInAsP歪み量子井戸層 7 GaInAsP障壁層 8 GaInAsP歪み量子井戸層 9 GaInAsP障壁層 10 InGaAs引っ張り歪み量子井戸層 11 GaInAsP障壁層 12 GaInAsP圧縮歪み量子井戸層 13 GaInAsP障壁層 14 GaInAsPs量子井戸層 15 GaInAsP障壁層 16 GaInAsP歪み量子井戸層 17 GaInAsP障壁層 18 GaInAsP圧縮歪み量子井戸層 19 GaInAsP障壁層 20 InGaA引っ張り歪み量子井戸層 24 p型InPクラッド層 25 InGaAsキャップ層 26 活性領域電極 27 非活性領域導波路ガイド層電極 28 電極分離溝 29 n側基板面電極 30 p側基板面電極 31 InP埋め込み層 32 n型共通電極 33 n型InP中間層 34 光−キャリヤ分離閉じ込めGaInAsP層 40 活性領域 41 非活性導波路ガイド層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、禁制帯幅が相対的に大
    きな組成のクラッド層で囲まれた活性層を有し、該活性
    層からなる領域の片側または両側に非活性導波路領域が
    光学的に結合した分布反射型半導体レーザ装置におい
    て、 室温における半導体薄膜の格子定数が基板よりも大き
    く、かつ圧縮歪みがかけられた量子井戸層を導入した活
    性領域と、 室温における半導体薄膜の格子定数が基板よりも小さ
    く、かつ引っ張り歪みがかけられた量子井戸層を導入し
    た非活性導波路領域とが設けられたことを特徴とする波
    長掃引機能付き分布反射型半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に、禁制帯幅が相対的に大
    きな組成のクラッド層で囲まれた活性層を有し、かつ該
    活性層からなる領域の片側または両側に非活性導波路領
    域が光学的に結合した分布反射型半導体レーザ装置にお
    いて、 室温における半導体薄膜の格子定数が基板よりも小さ
    く、かつ引っ張り歪みがかけられた量子井戸層を導入し
    た活性領域と、 室温における半導体薄膜の格子定数が基板よりも大き
    く、かつ圧縮歪みがかけられた量子井戸層を導入した非
    活性導波路領域とが設けられたことを特徴とする波長掃
    引機能付き分布反射型半導体レーザ装置。
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JPWO2021124394A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24

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