JPH08266183A - 養殖真珠用合成真珠核及びその製造法 - Google Patents

養殖真珠用合成真珠核及びその製造法

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JPH08266183A
JPH08266183A JP7066449A JP6644995A JPH08266183A JP H08266183 A JPH08266183 A JP H08266183A JP 7066449 A JP7066449 A JP 7066449A JP 6644995 A JP6644995 A JP 6644995A JP H08266183 A JPH08266183 A JP H08266183A
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synthetic
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Abstract

(57)【要約】 【構成】炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムか
らなる炭酸化合物95.0〜99.5重量%と、リチウム化合物
0.5〜5.0重量%とからなる主原材料を含む原材料を用い
て焼成した焼結体から構成され、嵩密度が2.5〜2.9g/cm
3、吸水率が3%以下の養殖真珠用合成真珠核並びに前記
原材料を成型した後、炭酸ガス分圧下で525℃以上、900
℃未満において焼成する工程と、研磨加工する工程とを
行う合成真珠核の製造法。 【効果】前記合成真珠核は、表面外観、色相、光沢に優
れ、しかも養殖時の貝との生体適合性に優れている。従
って従来提案されている合成真珠核のような真珠養殖時
における脱離等の可能性が十分に防止され、高品質の真
珠の生産が可能となり、装飾真珠としても十分使用でき
る。また前記製造法では、合成真珠核を安定的に且つ容
易に製造でき、容易に焼結形態を制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、養殖真珠に使用する合
成真珠核及びその製造法に関し、更に詳細には、天然貝
から作製した天然真珠核に代わって、安定供給すること
ができる養殖真珠用合成真珠核及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の養殖真珠は、天然の貝殻を研削、
研磨し、約3〜10mmφの球に形成して真珠核とし、
他の貝から採取した外套の小片(ピース)と共に、例え
ばアコヤ貝、シロチョウ貝、クロチョウ貝、マベ貝、イ
ケチョウ貝、アワビ等の母貝に挿入し、半年から3年間
養殖して真珠核に真珠膜を形成させることによって生産
されている。
【0003】現在養殖真珠核としては、主にアメリカ合
衆国産或いは中国産のどぶ貝を使用して作成されてい
る。しかしこのような天然貝を真珠核とする場合、例え
ば10mmφ前後の大きい真珠核を作成するには肉厚の
厚いどぶ貝が必要であり、1個のどぶ貝から採取し得る
真珠核には制限がある。またどぶ貝は部分的に着色して
いたり、欠陥がある場合があり、必ずしも良好な品質の
真珠核が得られるとは限らない。従って養殖真珠の品質
にもばらつきが生じ易いのが現状である。更に天然貝の
生産は、天候等の自然環境に左右されるため、安定した
供給が困難である。
【0004】このような天然貝からの真珠核の問題点を
解決するために、人工的に合成する合成真珠核の開発が
多数提案されている。例えば特開昭48−52594号
公報、特開昭60−259135号公報、特開昭63−
219325号公報等には、炭酸カルシウム、真珠粉、
サンゴ粉、甲殻類の甲殻粉及び無機顔料を合成樹脂と混
合し、球形に成形した真珠核が提案されている。また特
公平2−12537号公報には、快削性結晶化ガラスか
らなる合成真珠核が、特開平4−117228号公報、
特開平4−325040号公報等には、セラミック製の
合成真珠核が、実開昭50−7599号公報、特開昭5
9−31636号公報、特開昭59−203436号公
報、実開昭61−139617号公報、特開平2−17
4621号公報には、真珠核の表面にコーティングを施
して作成された合成真珠核が提案されている。
【0005】前記種々の提案は、前記どぶ貝から作成さ
れる真珠核が、通常炭酸カルシウムの一結晶形態である
カルサイト結晶がコラーゲンによって結合した緻密の組
織から成り、嵩密度2.7g/cm3、モース硬度3〜
4であることに基づいて、このような物性に近似する合
成品の作成を目的として開発がなされている。
【0006】しかしながら、従来提案されているいずれ
の合成真珠核も実際には良好な真珠膜を形成することは
もとより、養殖中に合成真珠核を母貝が吐き出してしま
い(脱離)、商業的な実施はなされていないのが現状で
ある。即ち、真珠の養殖においては、母貝が合成真珠核
を異物として認識した場合、脱離が生じ、合成真珠核に
良好な真珠膜が形成されるまで母貝内に保持させること
ができていないのがほとんどである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、従来の天然真珠核を使用して養殖した養殖真珠と同
等以上の高品質な真珠を効率良く得ることが可能であっ
て、しかも10mm径を超える大きな真珠核であっても
安定供給することができる養殖用合成真珠核を提供する
ことにある。本発明の別の目的は、前記養殖用合成真珠
核を安定的にしかも容易に製造することができる養殖用
合成真珠核の製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、炭酸カ
ルシウム及び/又は炭酸マグネシウムからなる炭酸化合
物95.0〜99.5重量%と、該炭酸化合物の焼結助
剤として作用しうるリチウム化合物0.5〜5.0重量
%とからなる主原材料を含む原材料を用いて焼成した焼
結体から構成され、嵩密度が2.5〜2.9g/c
3、吸水率が3%以下であることを特徴とする養殖真
珠用合成真珠核が提供される。また本発明によれば、前
記養殖真珠用合成真珠核の製造法であって、炭酸カルシ
ウム及び/又は炭酸マグネシウムからなる炭酸化合物9
5.0〜99.5重量%と、該炭酸化合物の焼結助剤と
して作用しうるリチウム化合物0.5〜5.0重量%と
からなる主原材料を含む原材料を所望形状に成型した
後、炭酸ガス分圧下で525℃以上、900℃未満℃に
おいて焼成する工程と、研磨加工する工程とを行うこと
を特徴とする養殖真珠用合成真珠核の製造法が提供され
る。
【0009】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
の養殖真珠用合成真珠核は、炭酸カルシウム及び/又は
炭酸マグネシウムからなる炭酸化合物に、該炭酸化合物
の焼結助剤として作用しうるリチウム化合物とを特定割
合で組み合わせて主原材料として採用し、該主原材料を
含む原材料を用いて焼成した焼結体から構成され、嵩密
度2.5〜2.9g/cm3、吸水率3%以下を示すも
のである。本発明ではこのような構成により、従来提案
されている合成真珠核のような真珠養殖時における脱離
等の可能性が十分に防止され、高品質の真珠の生産が可
能となる。また形状及び大きさも所望に応じて生産する
ことができる。
【0010】本発明の養殖用合成真珠核において、嵩密
度が前記範囲外の場合には、母貝との生体的な馴染みが
低下し、養殖中に真珠核の母貝からの脱離が生じ、真珠
膜形成の歩留りが悪くなる。また吸水率が3%を超える
場合にも、母貝との生体的な馴染みが低下して同様な欠
点が生じる。更に吸水率が3%を超える場合、真珠核に
真珠膜が形成された場合にも、該真珠膜にクラックが生
じ、真珠としての価値が低下する。
【0011】前記主原材料として用いる炭酸カルシウム
及び/又は炭酸マグネシウムからなる炭酸化合物の含有
割合が、主原材料中95.0〜99.5重量%で、リチ
ウム化合物の含有割合が0.5〜5.0重量%である。
炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムは、焼成時にリチ
ウム化合物が焼成助剤として作用することによって、合
成真珠核として好ましい形態(天然貝に近似したカルサ
イト構造)に焼結成形される。炭酸化合物の含有割合が
主原材料中99.5重量%を超える場合、即ちリチウム
化合物が0.5重量%未満の場合には、炭酸化合物の焼
結性が十分でなく、得られる吸水率が大きくなり、一方
炭酸化合物が95.0重量%未満、即ちリチウム化合物
が5.0重量%を超える場合には、焼成時に炭酸化合物
の結晶成長が進行し過ぎて吸水率が大きくなり、母貝と
の生体的な馴染みが低下する恐れがある。また炭酸カル
シウムと炭酸マグネシウムとの両方を使用する場合の各
成分の配合割合は、得られる合成真珠核の嵩密度が前記
範囲内となれば特に限定されず、適宜選択することがで
きる。前記炭酸化合物としては、平均粒径0.3〜3.
0μmのものを使用するのが好ましい。
【0012】前記リチウム化合物としては、フッ化リチ
ウム、炭酸リチウム、リン酸リチウム等を挙げることが
でき、好ましくは粒径0.3〜2.0μmのものを使用
するのが望ましい。
【0013】本発明の合成真珠核においては、原材料と
して前記主原材料の他に、副原材料として酸化アルミニ
ウム、酸化珪素、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
セリウム又はこれらの混合物等の金属酸化物を更に含有
させることもできる。これらの金属酸化物の配合割合
は、それぞれの真比重を考慮して、得られる真珠核の嵩
密度が前記範囲内となるように配合すれば特に限定され
るものではないが、好ましくは前記主原材料100重量
部に対して30重量部以下が望ましい。
【0014】本発明の合成真珠核は、前記原材料を焼成
した焼結体から実質的に構成されるが、この焼結体は必
ずしも吸水率が前記範囲の3%以下である必要はなく、
最終的に得られる合成真珠核の吸水率が3%以下であれ
ば良い。例えば合成真珠核を用いて養殖した真珠を装飾
品に加工する場合には、穴開け加工等を行う必要が有る
が、一般に前記主原材料を含む原材料の焼結では、焼結
が進むに従って硬度が増加するため、前記穴開け加工が
困難となる恐れが有る。そこで合成真珠核のモース硬度
を3〜4に調整するのが好ましいが、このようなモース
硬度に調整する場合、本発明においては、例えば前記焼
結を得られる焼結体の吸水率が1〜15%程度になる焼
結程度に留め、得られた焼結体に、例えばポリエルテル
樹脂、エポキシ樹脂、コラーゲン等の有機物を含浸さ
せ、該有機物を硬化させて前記嵩密度の範囲内におい
て、吸水率を低下させ、最終的に得られる合成真珠核の
吸水率を3%以下とする方法等により行うことができ
る。前記有機物の含浸及び硬化については、後述する製
造法において詳述する。
【0015】本発明の合成真珠核は、従来の天然真珠核
と同様に養殖するための貝に導入し養殖することによっ
て、真珠を得ることができる。
【0016】本発明の合成真珠核の製造法では、まず前
記主原材料を含む原材料を球状等の所望形状に成型す
る。この際成型は通常の球状等の所望形状の型枠を用い
た加圧成型等により実施でき、成型にあたっては、通常
の有機バインダーを添加することもできる。
【0017】次に本発明の合成真珠核の製造法では、前
記所望形状の成型物を焼成して焼結体を調製する。この
際前記主原材料としての炭酸化合物は、大気雰囲気中に
おいて525℃を超える温度で焼成した場合分解が生
じ、得られる焼結体中に酸化カルシウム及び/又は酸化
マグネシウムが多く含有されて、海水等に浸漬するとア
ルカリ成分が溶出し、良好な合成真珠核が得られない恐
れがある。一方525℃以下の焼成のみでは、焼結が十
分でなく、所望の嵩密度及び吸水率とするのが困難であ
る。そこで本発明の製造法では、炭酸化合物の分解温度
を高温に移行することができ、且つ十分な焼結を進行さ
せるために、炭酸ガス分圧下において525℃以上、9
00℃未満で、好ましくは525〜800℃で焼成する
工程を採用する。525℃未満では焼結が十分進行せ
ず、900℃を超えると焼成時の圧力を1気圧を超える
圧力とする必要が有り、特殊な圧力焼成炉が必要となる
ばかりでなく、エネルギー効率も低下する。
【0018】前記炭酸ガス分圧下とは、炭酸ガス雰囲気
中又は炭酸ガスと、空気、水蒸気等との混合ガス雰囲気
中のいずれであっても良い。この際炭酸ガス分圧下の焼
成時の圧力は、1気圧以下が好ましい。実質的には前述
のとおり1気圧を超える圧力とし、温度を900℃以上
とすることで実施可能であるが、工業的には問題が有
る。具体的には、前記炭酸化合物が分解を開始する炭酸
ガス分圧が、600℃で0.005気圧、700℃で
0.06気圧、800℃で0.5気圧、(900℃で
2.8気圧)であるので、これらの圧力を超える炭酸ガ
ス圧力下で焼成すれば十分である。このような焼成は、
雰囲気調整可能な通常の電気炉、ガス焼成炉、石油焼成
炉等の焼成炉を用いて実施することができ、炭酸ガス分
圧下にする方法としては、炭酸ガスを焼成炉内に流入さ
せる方法、カーボン等の炭酸ガス発生材料を焼成炉内に
設置する方法等のいずれであっても良い。特にガス焼成
炉又は石油焼成炉を採用する場合には、炭酸ガス濃度を
10%程度に調整するのが好ましい。この炭酸ガス分圧
下における焼成時間は、焼成温度及び焼成炉内の圧力に
応じて適宜選択できるが、好ましくは1〜48時間で行
うことができる。
【0019】また前記炭酸ガス分圧かにおける焼成工程
の前に、あらかじめ大気雰囲気下で525℃以下におい
て仮焼する工程を行うのが好ましい。この仮焼工程の時
間は1〜6時間が望ましい。
【0020】次に本発明の合成真珠核の製造法では、前
記焼成工程で得られた焼結体を、通常の研磨加工する工
程により、所望の粒度に調整することによって合成真珠
核とすることができる。この研磨加工の前に、前記焼結
体の吸水率が3%を超え、若しくは3%以下であっても
更に吸水率を低下させたい場合には、前述のとおり、焼
結体の細孔内等に有機物を含浸させ、該有機物を硬化さ
せることにより、嵩密度2.5〜2.9g/cm3の範
囲内において、吸水率を低下させることもできる。
【0021】前記有機物を焼結体に含浸させるには、例
えば焼結体と有機物とを容器に入れ、好ましくは1mm
Hg以下となるように真空脱気し、その後、好ましくは
1000kg/cm2以上で加圧する方法等により、所
望量の有機物を焼結体に含浸させることができる。この
際含浸させる有機物の量は、焼結体の細孔及び気孔率等
によって変化し、また含浸率は、加圧時の圧力調整及び
加圧時間を調整することによって変化させることがで
き、所望の嵩密度及び吸水率、更には所望のモース硬度
となるように適宜選択して行うことができる。また含浸
された有機物の硬化は、通常40〜180℃にて、30
分〜24時間の条件で実施するのが好ましい。
【0022】
【発明の効果】本発明の養殖真珠用合成真珠核は、焼結
助剤として作用しうるリチウム化合物を、炭酸カルシウ
ム及び/又は炭酸マグネシウムからなる炭酸化合物と特
定割合で組み合わせ、主原材料として用いて焼成した焼
結体から構成され、しかも嵩密度2.5〜2.9g/c
3、吸水率3%以下に調整したものであるので、表面
外観、色相、光沢に優れ、しかも養殖時の貝との生体適
合性に優れている。従って従来提案されている合成真珠
核のような真珠養殖時における脱離等の可能性が十分に
防止され、高品質の真珠の生産が可能となり、装飾真珠
としても十分使用できる。
【0023】また本発明の製造法では、前記養殖真珠用
合成真珠核を安定的に且つ容易に製造することができ、
主原材料の配合割合等により容易に焼結形態を制御する
ことができる。しかも10mm径を超える大きい真珠核
の生産も容易であるので、真珠核を工業的に安定に供給
することができる。
【0024】
【実施例】以下実施例及び比較例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【実施例1】炭酸カルシウム((株)カルシード製、商
品名「高純度炭酸カルシウムCS」)98重量部及びフ
ッ化リチウム(片山化学工業(株)製、試薬特級、商品
名「18-1490-56」)2重量部を原材料とし、該原材料
に、バインダー樹脂としてポリエチレングリコール(P
EG)(片山化学工業(株)製、商品名「ポリエチレン
グリコール1000 24-3640-51」)10重量%を含む水溶
液20mlを加え、乳鉢で十分均一になるまで混合し
た。次いで600kg/cm2の圧力で、直径10mm
の球形にプレス成形した。得られた球形の成形体を、雰
囲気調整可能な電気炉で、大気雰囲気において50℃/
時間の割合で525℃まで昇温仮焼した。次に525℃
に到達した時点で炭酸ガス(CO2)を4リットル/
分、空気1リットル/分の流量の混合ガスを電気炉内に
注入し、1時間保持した後、10℃/時間の割合で70
0℃まで昇温して6時間保持した。炉内は大気圧とし、
炭酸ガス分圧は0.8気圧であった。その後50℃/時
間の割合で500℃まで降温し、500℃以降は室温ま
で放冷して焼結体を得た。得られた焼結体を研磨加工
し、直径6.0mm、真球度5/100、表面粗さ10
μmの合成真珠核を作製した。
【0026】得られた合成真珠核について、嵩密度、吸
水率をJIS C2141により測定し、外観、色相、
光沢を目視で評価した。結果を表2に示す。尚、外観、
色相及び光沢の評価は以下の規準に従って行った。 外観:○;良好、×;汚れや凹凸が確認できる 色相:○;白色、×;色むらがある 光沢:○;艶が有り良好、×;艶なし
【0027】
【実施例2及び3】原材料として表1に示す組成を用い
た以外は実施例1と同様に合成真珠核を得、それぞれの
測定及び評価を実施例1と同様に行った。結果を表2に
示す。
【0028】
【実施例4〜9】原材料として表1に示す組成を用い、
電気炉内での炭酸ガス注入後の昇温温度700℃を80
0℃に(実施例4、5、6、8及び9)又は600℃に
(実施例7)変えた以外は、実施例1と同様に合成真珠
核を得、それぞれの測定及び評価を実施例1と同様に行
った。結果を表2に示す。
【0029】
【比較例1〜3】原材料として表1に示す組成を用い、
525℃到達後の電気炉内への炭酸ガス注入を行わず、
大気雰囲気のまま525℃で48時間保持して焼成した
以外は、実施例1と同様に合成真珠核を得、それぞれの
測定及び評価を実施例1と同様に行った。結果を表2に
示す。
【0030】
【比較例4及び5】原材料として表1に示す組成を用
い、525℃到達後の電気炉内への炭酸ガス注入を行わ
ず、大気雰囲気のまま10℃/時間の割合で600℃に
昇温し、この温度にて6時間保持して焼成した以外は、
実施例1と同様に合成真珠核を得、それぞれの測定及び
評価を実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0031】
【比較例6及び7】原材料として表1に示す組成を用
い、電気炉内での炭酸ガス注入後の昇温温度700℃を
600℃に変えた以外は、実施例1と同様に合成真珠核
を得、それぞれの測定及び評価を実施例1と同様に行っ
た。結果を表2に示す。
【0032】
【比較例8及び9】原材料として表1に示す組成を用
い、電気炉内での炭酸ガス注入後の昇温温度700℃を
800℃に(比較例8)又は900℃に(比較例9)に
変えた以外は、実施例1と同様に合成真珠核を得、それ
ぞれの測定及び評価を実施例1と同様に行った。結果を
表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【実施例10】炭酸カルシウム59.50重量部、炭酸
マグネシウム40重量部及び炭酸リチウム(片山化学工
業(株)製、試薬特級、商品名「18-1390-51」)0.5
0重量部を原材料として、該原材料100重量部にバイ
ンダー樹脂としてポリビニルアルコール(PVA)(片
山化学工業(株)製、商品名「ポリビニルアルコール110
0 24-3750-51」)2重量部及び水30重量部を加え、乳
鉢で十分均一になるまで混合した。次いで600kg/
cm2の圧力で、直径10mmの球形にプレス成形し
た。得られた球形の成形体を、雰囲気調整可能な電気炉
で、大気雰囲気において50℃/時間の割合で525℃
まで昇温仮焼した。次に525℃に到達した時点で炭酸
ガス(CO2)を5リットル/分の流量で電気炉内に注
入し、1時間保持した。炭酸ガス分圧は約1気圧であっ
た。その後、10℃/時間の割合で800℃まで昇温し
て6時間保持した。その後50℃/時間の割合で500
℃まで降温し、500℃以降は室温まで放冷して焼結体
を得た。
【0036】得られた焼結体を実施例1と同様にして合
成真珠核とし、実施例1と同様に各測定及び評価を行っ
た。結果を表4に示す。
【0037】
【実施例11〜13、比較例10及び11】原材料とし
て表3に示す組成を用いた以外は実施例10と同様に合
成真珠核を得(比較例10)、また原材料として表3に
示す組成を用い、電気炉内での炭酸ガス注入後の昇温温
度800℃を700℃に変えた以外は、実施例10と同
様に合成真珠核を得(実施例11〜13及び比較例1
1)、それぞれの測定及び評価を実施例1と同様に行っ
た。結果を表4に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【実施例14】炭酸カルシウム98重量部及びフッ化リ
チウム2重量部を主原材料とし、酸化チタン20重量部
を副原材料として、該原材料にバインダーとしてシリカ
ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名「カタロイド S
I−3」)10重量%を含む水溶液20mlを加え、乳
鉢で十分均一になるまで混合した。次いで600kg/
cm2の圧力で、直径10mmの球形にプレス成形し
た。得られた球形の成形体を、ガス窯で、天然ガスを燃
料として、525℃までは酸素濃度約15%の雰囲気で
100℃/時間で昇温し、525℃に到達後、酸素濃度
約5%、炭酸ガス濃度約10%(分圧0.1気圧)で1
時間保持した後、50℃/時間の割合で650℃まで昇
温し、6時間保持した。その後、50℃/時間の割合で
500℃まで、燃焼を継続しながら(炭酸ガス分圧0.
1気圧)、50℃/時間の割合で降温し、500℃以降
は室温まで放冷して焼結体を得た。
【0041】得られた焼結体を実施例1と同様に合成真
珠核とし、実施例1と同様な測定及び評価を行った。結
果を表6に示す。
【0042】
【実施例15〜20】主原材料及び副原材料として表5
に示す組成を用いた以外は実施例14と同様に合成真珠
核を得、それぞれの測定及び評価を実施例1と同様に行
った。結果を表6に示す。
【0043】
【比較例12〜16】主原材料及び副原材料として表5
に示す組成を用い、ガス窯内での炭酸ガス注入後の昇温
温度650℃を700℃に変えた以外は実施例14と同
様に合成真珠核を得、それぞれの測定及び評価を実施例
1と同様に行った。結果を表6に示す。
【0044】尚、表5中の成分は以下のものを使用し
た。 酸化チタン:片山化学工業(株)製、試薬1級、商品名
「30-2740-51」 酸化アルミニウム:昭和電工(株)製、商品名「細粒ア
ルミナA−43−M」 酸化セリウム:片山化学工業(株)製、試薬1級、商品
名「05-2330-51」 酸化亜鉛:片山化学工業(株)製、試薬特級、商品名
「37-0470-51」 酸化錫:片山化学工業(株)製、化学用、商品名「30-2
610-51」
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】以上の結果より、炭酸カルシウムを比較的
に真比重の大きい炭酸マグネシウムに置換すると、嵩比
重は増加し、リチウム化合物の割合によって焼結性が異
なり、リチウム化合物の割合が0.5〜5.0重量%の
範囲で、吸水率が3%以下となるが、0.5重量%より
少ないと焼結不足により吸水率が大きくなり、また5.
0重量%を超えると炭酸化合物の結晶成長が進行して吸
水率が大きくなることが判る。焼成温度が高くなると吸
水率が小さくなる傾向にあり、焼結が進行していること
が判るが、空気雰囲気で焼結温度を525〜600℃に
した場合には吸水率が大きくなり、炭酸カルシウムある
いは炭酸マグネシウムの分解が生じていると推定され
る。焼結温度が800℃である実施例9の吸水率が0.
2%であるのに対して、同一配合組成で焼結温度が90
0℃である比較例9の吸水率が4.8%であることか
ら、焼結温度が900℃になると吸水率が大きくなる傾
向が見られ、炭酸ガス雰囲気が1気圧以下では、炭酸カ
ルシウムあるいは炭酸マグネシウムの分解が生じる領域
になったと考えられる。
【0048】
【実施例21及び比較例17】表7に示す前記実施例及
び比較例で作製した合成真珠核を、アコヤ貝に挿入し、
海中で約半年間養殖した。その後真珠を取り出し、表面
外観、色相及び光沢を目視で観察し、真珠膜の接着性並
びに110℃加熱後、真珠膜の形態を観察した。また真
珠膜の接着性を観察するために、真珠断面の微構造を電
子顕微鏡により測定した。結果を表7に示す。尚、外
観、色相及び光沢、更には真珠断面の微構造の評価は以
下の規準に従って行った。 外観:○;良好、×;汚れ又は凹凸が確認できる。
【0049】色相:○;白色、×;色むらがある 光沢:○;艶が有り良好、×;艶なし 真珠断面の微構造:○;クラックなし、△;一部クラッ
ク有り、×;クラック有り
【0050】
【表7】
【0051】
【比較例18】比較例3、4、10、11及び14で作
製した合成真珠核を実施例21と同様に、アコヤ貝に挿
入し、海中で養殖したところ、いずれも養殖中に合成真
珠核の脱離が生じ、真珠膜の形成ができなかった。
【0052】
【実施例22及び比較例19】表8に示す前記実施例及
び比較例で作製した焼結体に、表8に示す有機物を含浸
させ硬化させた。得られた硬化物を研磨加工し、実施例
1と同様に合成真珠核を作製し、また実施例21と同様
に真珠の養殖を行って各測定及び評価をした。結果を表
8に示す。
【0053】尚、有機物の含浸は、まず焼結体と有機物
とを容器に入れ、1mmHg以下になるように真空脱気
し、次に1500kg/cm2で加圧して、10分間保
持し有機物を焼結体に含浸させ、その後焼結体を取り出
して焼結体同士又は焼結体と容器が有機物により接合し
ないように配置し、容器を表8に示す硬化温度で24時
間加熱して硬化させた。
【0054】
【表8】
【0055】表8より有機物を含浸させると、空隙が樹
脂で充填された分だけ嵩密度が増加し、吸水率が低下さ
せることができることが判る。これらを真珠養殖した結
果、吸水率が3.0%以下に減少し、嵩密度が2.5〜
2.9g/cm3であるものは良好な外観で、良好な真
珠膜を形成するが、有機物を含浸しても吸水率が3%を
超えるものあるいは嵩密度が2.5g/cm3未満の場
合は、真珠養殖中に脱離が生じ、真珠膜を形成すること
ができないことが判る。
【0056】
【実施例23】実施例8と同様な組成を、直径12mm
の金型で、600kg/cm2の圧力で成形して球と
し、実施例8と同様な条件で焼成した。焼成収縮率は約
15%で、直径10.2mmの焼結球が得られた。吸水
率は0.7%、嵩密度2.7g/cm3で、白色で良好
な表面状態であった。次いで得られた焼結球を研磨加工
し、直径8.0mm、真球度5/100、表面粗さ10
μmの球とし、アコヤ貝に挿入し、海中で約1年間養殖
した。その後、真珠を取り出し、表面外観、色相、光沢
を目視により観察した。その結果、白色で良好な外観の
真珠膜が形成されていた。また真珠断面の微構造を電子
顕微鏡で観察した結果も合成真珠核と真珠膜の境界には
クラック等の欠陥は認められず、良好な真珠膜が観察さ
れた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシ
    ウムからなる炭酸化合物95.0〜99.5重量%と、
    該炭酸化合物の焼結助剤として作用しうるリチウム化合
    物0.5〜5.0重量%とからなる主原材料を含む原材
    料を用いて焼成した焼結体から構成され、嵩密度が2.
    5〜2.9g/cm3、吸水率が3%以下であることを
    特徴とする養殖真珠用合成真珠核。
  2. 【請求項2】 前記原材料が、副原材料として酸化アル
    ミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、
    酸化セリウム又はこれらの混合物を更に含有することを
    特徴とする請求項1記載の養殖真珠用合成真珠核。
  3. 【請求項3】 前記焼結体に有機物を含浸させ、該有機
    物を硬化させて、嵩密度2.5〜2.9g/cm3の範
    囲内において、吸水率を低下させたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の養殖真珠用合成真珠核。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の養殖真珠用合成真珠核の
    製造法であって、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネ
    シウムからなる炭酸化合物95.0〜99.5重量%
    と、該炭酸化合物の焼結助剤として作用しうるリチウム
    化合物0.5〜5.0重量%とからなる主原材料を含む
    原材料を所望形状に成型した後、炭酸ガス分圧下で52
    5℃以上、900℃未満において焼成する工程と、研磨
    加工する工程とを行うことを特徴とする養殖真珠用合成
    真珠核の製造法。
  5. 【請求項5】 前記炭酸ガス分圧下で525℃以上、9
    00℃未満において焼成する工程の前に、大気雰囲気下
    で525℃以下において仮焼する工程を行うことを特徴
    とする請求項4記載の養殖真珠用合成真珠核の製造法。
  6. 【請求項6】 前記炭酸ガス分圧下で525℃以上、9
    00℃未満において焼成する工程における圧力が1気圧
    以下であることを特徴とする請求項4又は5記載の養殖
    真珠用合成真珠核の製造法。
  7. 【請求項7】 前記炭酸ガス分圧下で525℃以上、9
    00℃未満において焼成する工程により得られた焼結体
    に、有機物を含浸させ、該有機物を硬化させて、嵩密度
    2.5〜2.9g/cm3の範囲内において、吸水率を
    低下させることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1
    項記載の養殖真珠用合成真珠核の製造法。
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