JPH08267280A - サブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系焼成型フラックス - Google Patents
サブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系焼成型フラックスInfo
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- JPH08267280A JPH08267280A JP7560095A JP7560095A JPH08267280A JP H08267280 A JPH08267280 A JP H08267280A JP 7560095 A JP7560095 A JP 7560095A JP 7560095 A JP7560095 A JP 7560095A JP H08267280 A JPH08267280 A JP H08267280A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 フラックス中からのガス発生を伴うことなし
にバインダーの添加量を効果的に低減することによって
溶接金属中への水素の混入を有利に防止し、ひいては下
向きサブマージアーク溶接において高能率で美麗なビー
ド外観を得る。 【構成】 造粒性改善剤として粒子径が45μm 以下の M
n3O4を5〜35wt%の割合で添加配合したフラックス原料
粉末を、造粒後、 500〜700 ℃の低温で焼成して得たフ
ラックス。
にバインダーの添加量を効果的に低減することによって
溶接金属中への水素の混入を有利に防止し、ひいては下
向きサブマージアーク溶接において高能率で美麗なビー
ド外観を得る。 【構成】 造粒性改善剤として粒子径が45μm 以下の M
n3O4を5〜35wt%の割合で添加配合したフラックス原料
粉末を、造粒後、 500〜700 ℃の低温で焼成して得たフ
ラックス。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サブマージアーク溶
接用のSiO2−MnO 系焼成型フラックスに関し、とくに建
築用鉄骨の梁などに用いられる溶接組立式H型部材の隅
肉継手溶接を高速サブマージアーク溶接で行う場合等に
用いて好適なものである。
接用のSiO2−MnO 系焼成型フラックスに関し、とくに建
築用鉄骨の梁などに用いられる溶接組立式H型部材の隅
肉継手溶接を高速サブマージアーク溶接で行う場合等に
用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】建築鉄骨のH型鋼の隅肉溶接には、下向
きサブマージアーク溶接が高能率でビード外観が美麗で
あることから広く用いられており、またフラックスとし
ては、通常溶融型のフラックスが使用される。中でも、
SiO2, MnO を主成分とする溶融型フラックスは、ビード
外観が美麗なだけでなく、適用速度限界が高く、しかも
取り扱いが簡単なことから広く一般的に適用されてい
る。しかしながら、この溶融型フラックスは、電気炉で
溶解する必要があることから大型の設備を必要とするた
め製造ロットが大きくなり、また製造コストも嵩むとい
う不利があった。
きサブマージアーク溶接が高能率でビード外観が美麗で
あることから広く用いられており、またフラックスとし
ては、通常溶融型のフラックスが使用される。中でも、
SiO2, MnO を主成分とする溶融型フラックスは、ビード
外観が美麗なだけでなく、適用速度限界が高く、しかも
取り扱いが簡単なことから広く一般的に適用されてい
る。しかしながら、この溶融型フラックスは、電気炉で
溶解する必要があることから大型の設備を必要とするた
め製造ロットが大きくなり、また製造コストも嵩むとい
う不利があった。
【0003】この点、原料粉に水ガラスなどのバインダ
ーを加えたのち、造粒・焼成して製造するいわゆる焼成
型フラックスは、比較的簡単な設備で製造可能なためコ
ストが低いだけでなく、合金元素を添加して溶接金属成
分を調整できるなどの利点がある。しかしながら、SiO2
−MnO 系の焼成型フラックスでは、酸化Mnが溶鋼と還元
反応を起こしてCOガスが発生するため、ビード外観が劣
化し易いという問題があった。
ーを加えたのち、造粒・焼成して製造するいわゆる焼成
型フラックスは、比較的簡単な設備で製造可能なためコ
ストが低いだけでなく、合金元素を添加して溶接金属成
分を調整できるなどの利点がある。しかしながら、SiO2
−MnO 系の焼成型フラックスでは、酸化Mnが溶鋼と還元
反応を起こしてCOガスが発生するため、ビード外観が劣
化し易いという問題があった。
【0004】このような焼成型フラックスの問題につい
ては、従来から種々の改善が試みられていて、例えば特
公昭32-409号公報や特公昭44-13249号公報には、金属成
分の添加による改善策が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法では、バインダーとして含まれる水ガ
ラス等に起因して溶接金属中の水素濃度が高くなること
から、使用上吸湿対策が必要となるため、用途が限定さ
れるところに問題があった。
ては、従来から種々の改善が試みられていて、例えば特
公昭32-409号公報や特公昭44-13249号公報には、金属成
分の添加による改善策が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法では、バインダーとして含まれる水ガ
ラス等に起因して溶接金属中の水素濃度が高くなること
から、使用上吸湿対策が必要となるため、用途が限定さ
れるところに問題があった。
【0005】このため、焼成型フラックスでは、通常、
原料中に CaCO3等の炭酸塩を加え、溶接時に CO2ガスを
発生させることによって水素分圧を低下させることによ
り、溶接金属中の水素量の低減を図っている。しかしな
がら、フラックスからのガスの発生は高速溶接性を劣化
させるため、溶接速度が100cm/min を超えるような高速
溶接を行う場合にはこのような水素低減方法は使用でき
ない。また、フラックスの吸湿性改善策としては、バイ
ンダーの種類や量の低減等について例えば特公昭60-574
35号公報、特公平2-37833号公報等で検討されている
が、前者はバインダーのコスト上昇を招くため通常のフ
ラックスには適用できず、一方後者はアルミナを主成分
とするフラックスの造粒性の改善を意図したものである
ので、アルミナを主成分としないフラックスでは効果が
ない。
原料中に CaCO3等の炭酸塩を加え、溶接時に CO2ガスを
発生させることによって水素分圧を低下させることによ
り、溶接金属中の水素量の低減を図っている。しかしな
がら、フラックスからのガスの発生は高速溶接性を劣化
させるため、溶接速度が100cm/min を超えるような高速
溶接を行う場合にはこのような水素低減方法は使用でき
ない。また、フラックスの吸湿性改善策としては、バイ
ンダーの種類や量の低減等について例えば特公昭60-574
35号公報、特公平2-37833号公報等で検討されている
が、前者はバインダーのコスト上昇を招くため通常のフ
ラックスには適用できず、一方後者はアルミナを主成分
とするフラックスの造粒性の改善を意図したものである
ので、アルミナを主成分としないフラックスでは効果が
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、炭酸塩のようなフラックス
中からのガス発生を伴うことなしにバインダーの添加量
を効果的に低減することによって溶接金属中への水素の
混入を有利に防止し、ひいては下向きサブマージアーク
溶接において高能率で美麗なビード外観を得ることがで
きるSiO2−MnO 系焼成型フラックスを提案することを目
的とする。
題を有利に解決するもので、炭酸塩のようなフラックス
中からのガス発生を伴うことなしにバインダーの添加量
を効果的に低減することによって溶接金属中への水素の
混入を有利に防止し、ひいては下向きサブマージアーク
溶接において高能率で美麗なビード外観を得ることがで
きるSiO2−MnO 系焼成型フラックスを提案することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、この発明の解明経
緯について説明する。さて、前述したとおり、SiO2−Mn
O 系フラックスは、従来からサブマージアーク溶接用フ
ラックスの代表的な成分系として知られていて、溶融型
が主として用いられている。焼成型として用いる場合に
は、脱酸剤を添加できる利点はあるが、バインダーを低
減するために焼成温度を上げると脱酸剤が酸化消耗し、
一方、脱酸剤が消耗しない温度で焼成を行うと拡散性水
素量が高くなるという問題があるため、焼成型としては
ほとんど用いられていないのが現状である。
緯について説明する。さて、前述したとおり、SiO2−Mn
O 系フラックスは、従来からサブマージアーク溶接用フ
ラックスの代表的な成分系として知られていて、溶融型
が主として用いられている。焼成型として用いる場合に
は、脱酸剤を添加できる利点はあるが、バインダーを低
減するために焼成温度を上げると脱酸剤が酸化消耗し、
一方、脱酸剤が消耗しない温度で焼成を行うと拡散性水
素量が高くなるという問題があるため、焼成型としては
ほとんど用いられていないのが現状である。
【0008】ところで、水素の発生源は前述したとおり
バインダーである。そこで発明者らは、SiO2−MnO 系焼
成型フラックスについて、その溶接作業性、拡散性水素
量および造粒性などについて幅広い検討を行い、フラッ
クスへの微粉状酸化Mnの添加がバインダー量に及ぼす影
響について調査した。その結果、SiO2−MnO 系焼成型フ
ラックスにおいては、Mn酸化物として、特定の粒度分布
を有する特定組成の酸化Mnを適正量添加すれば、バイン
ダーの必要量を効果的に低減することができ、脱酸剤の
消耗の少ない比較的低温での焼成によっても拡散性水素
量の低い溶接金属を得ることができ、ひいては溶融型並
みの取り扱いが可能になることの知見を得た。この発明
は、上記の知見に立脚するものである。
バインダーである。そこで発明者らは、SiO2−MnO 系焼
成型フラックスについて、その溶接作業性、拡散性水素
量および造粒性などについて幅広い検討を行い、フラッ
クスへの微粉状酸化Mnの添加がバインダー量に及ぼす影
響について調査した。その結果、SiO2−MnO 系焼成型フ
ラックスにおいては、Mn酸化物として、特定の粒度分布
を有する特定組成の酸化Mnを適正量添加すれば、バイン
ダーの必要量を効果的に低減することができ、脱酸剤の
消耗の少ない比較的低温での焼成によっても拡散性水素
量の低い溶接金属を得ることができ、ひいては溶融型並
みの取り扱いが可能になることの知見を得た。この発明
は、上記の知見に立脚するものである。
【0009】すなわち、この発明は、Mn量換算で3〜30
wt%のマンガン酸化物を含むサブマージアーク溶接用の
SiO2−MnO 系フラックスであって、該フラックスは、造
粒性改善剤として粒子径が45μm 以下の Mn3O4を5〜35
wt%の割合で添加配合したフラックス原料粉末を、造粒
後、 500〜700 ℃の低温焼成を施して得たものである、
サブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系焼成型フラックス
である。
wt%のマンガン酸化物を含むサブマージアーク溶接用の
SiO2−MnO 系フラックスであって、該フラックスは、造
粒性改善剤として粒子径が45μm 以下の Mn3O4を5〜35
wt%の割合で添加配合したフラックス原料粉末を、造粒
後、 500〜700 ℃の低温焼成を施して得たものである、
サブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系焼成型フラックス
である。
【0010】この発明において、フラックスの粒度につ
いては、粒子径:300 〜1000μm の粒子を50wt%以上含
む粒度分布とすることが好ましい。
いては、粒子径:300 〜1000μm の粒子を50wt%以上含
む粒度分布とすることが好ましい。
【0011】またこの発明において、フラックスとして
は、その成分が、 SiO2:40〜60wt%、 マンガン酸化物(Mn量換算で):
3〜30wt% MgO :5〜25wt%、 Al2O3 :2〜15wt% Siおよび/またはMn:0.5 〜10wt% を含む組成になるSiO2−MnO 系のサブマージアーク溶接
用焼成型フラックスが好適である。
は、その成分が、 SiO2:40〜60wt%、 マンガン酸化物(Mn量換算で):
3〜30wt% MgO :5〜25wt%、 Al2O3 :2〜15wt% Siおよび/またはMn:0.5 〜10wt% を含む組成になるSiO2−MnO 系のサブマージアーク溶接
用焼成型フラックスが好適である。
【0012】
【作用】以下、この発明を具体的に説明する。この発明
では、フラックス中に添加するMn酸化物につき、その添
加量もさることながら、Mn酸化物の組成および粒度が重
要で、次の要件を満足させることが慣用である。
では、フラックス中に添加するMn酸化物につき、その添
加量もさることながら、Mn酸化物の組成および粒度が重
要で、次の要件を満足させることが慣用である。
【0013】Mn酸化物:Mn量換算で3〜30wt% 隅肉溶接用フラックスとしては、溶接速度が高くなって
もビード端部のなじみが良好であることが必要である。
このためにはMn酸化物を含有するスラグとすることが好
適であるが、添加量がMn量換算で3wt%に満たないとそ
の効果が認められず、一方30wt%を超えて含有されると
溶融池でのCO反応が激しくなる結果ビード外観が劣化す
る。それ故、Mn酸化物の添加量は、Mn量換算で3〜30wt
%の範囲に限定した。
もビード端部のなじみが良好であることが必要である。
このためにはMn酸化物を含有するスラグとすることが好
適であるが、添加量がMn量換算で3wt%に満たないとそ
の効果が認められず、一方30wt%を超えて含有されると
溶融池でのCO反応が激しくなる結果ビード外観が劣化す
る。それ故、Mn酸化物の添加量は、Mn量換算で3〜30wt
%の範囲に限定した。
【0014】粒子径が45μm 以下の Mn3O4量:5〜35wt
% 前述したとおり、発明者らの研究によって、SiO2−MnO
系焼成型フラックスでは、Mn酸化物として細粒の Mn3O4
を所定量用いると造粒性が著しく改善されることが究明
された。ここに、上記の効果を得るためには、まず粒径
については粒子径が45μm 以下のものを含むことが必要
であり、これにより造粒性改善効果を得てバインダー量
を低減するためには、該フラックスの少なくとも5wt%
を粒子径が45μm 以下のMn3O4 とする必要があることが
判明した。一方、35wt%を超えて多量に含有されると、
フラックスの固着強度が低下したり、フラックスの成品
率が低下する等の不都合が生じるので、かかる微粒Mn3O
4 の添加量は5〜35wt%の範囲に限定した。なお、この
微粒Mn3O4 が、フラックス中のMn酸化物としての役割を
併せ持つものであることはいうまでもない。
% 前述したとおり、発明者らの研究によって、SiO2−MnO
系焼成型フラックスでは、Mn酸化物として細粒の Mn3O4
を所定量用いると造粒性が著しく改善されることが究明
された。ここに、上記の効果を得るためには、まず粒径
については粒子径が45μm 以下のものを含むことが必要
であり、これにより造粒性改善効果を得てバインダー量
を低減するためには、該フラックスの少なくとも5wt%
を粒子径が45μm 以下のMn3O4 とする必要があることが
判明した。一方、35wt%を超えて多量に含有されると、
フラックスの固着強度が低下したり、フラックスの成品
率が低下する等の不都合が生じるので、かかる微粒Mn3O
4 の添加量は5〜35wt%の範囲に限定した。なお、この
微粒Mn3O4 が、フラックス中のMn酸化物としての役割を
併せ持つものであることはいうまでもない。
【0015】この発明では、SiO2−MnO 系焼成型フラッ
クスにおいて、Mn酸化物の組成および粒度について上記
の要件を満足させれば、所望の効果を得ることができる
が、SiO2−MnO 系フラックスのその他の代表組成につい
ては、次のとおりである。 SiO2:40〜60wt% まずSiO2は、造滓剤としてビード外観を良好に保つため
に必要であり、特に高速隅肉溶接のようにビード端部の
なじみが重要な場合には40wt%未満では良好なビード外
観を保持できず、60wt%を超えて多量に含まれると粘性
が高くなりすぎてかえってビード外観が乱れ易くなり、
またスラグ剥離性が劣化するなどの不具合が生じるの
で、40〜60wt%程度とするのが好ましい。
クスにおいて、Mn酸化物の組成および粒度について上記
の要件を満足させれば、所望の効果を得ることができる
が、SiO2−MnO 系フラックスのその他の代表組成につい
ては、次のとおりである。 SiO2:40〜60wt% まずSiO2は、造滓剤としてビード外観を良好に保つため
に必要であり、特に高速隅肉溶接のようにビード端部の
なじみが重要な場合には40wt%未満では良好なビード外
観を保持できず、60wt%を超えて多量に含まれると粘性
が高くなりすぎてかえってビード外観が乱れ易くなり、
またスラグ剥離性が劣化するなどの不具合が生じるの
で、40〜60wt%程度とするのが好ましい。
【0016】MgO :5〜25wt% MgO は、スラグの融点および粘性を調整し、スラグ剥離
性を確保するのに有用な成分ではあるが、5wt%未満で
は十分な効果が得られず、一方25wt%を超えると粘性が
低下しすぎたり、融点が上昇しすぎてビード外観が劣化
しがちとなるので、5〜25wt%程度とするのが望まし
い。
性を確保するのに有用な成分ではあるが、5wt%未満で
は十分な効果が得られず、一方25wt%を超えると粘性が
低下しすぎたり、融点が上昇しすぎてビード外観が劣化
しがちとなるので、5〜25wt%程度とするのが望まし
い。
【0017】Al2O3 :2〜15wt% Al2O3 は、スラグの粘性および融点を調整する上で重要
な成分であるが、2wt%未満ではこれらの効果に乏し
く、一方15wt%を超えると融点が上昇しすぎてビード形
状の劣化を招くので、含有量は2〜15wt%程度とするの
が望ましい。
な成分であるが、2wt%未満ではこれらの効果に乏し
く、一方15wt%を超えると融点が上昇しすぎてビード形
状の劣化を招くので、含有量は2〜15wt%程度とするの
が望ましい。
【0018】Siおよび/またはMn:1〜10wt% 以上のスラグ構成成分に加えて、脱酸剤の添加が必要で
ある。脱酸剤は、溶接金属中の酸素を低減しCO反応を抑
制してビード外観を良好に保つために必要な成分であ
る。ここに、かかる脱酸剤としてはSiおよびMnが好適で
あるが、含有量が1wt%に満たないとその添加効果に乏
しく、一方10wt%を超えて含有されると溶接アークが絞
られ気味になりビード外観が劣化するきらいがあるの
で、1〜10wt%程度とするのが好ましい。
ある。脱酸剤は、溶接金属中の酸素を低減しCO反応を抑
制してビード外観を良好に保つために必要な成分であ
る。ここに、かかる脱酸剤としてはSiおよびMnが好適で
あるが、含有量が1wt%に満たないとその添加効果に乏
しく、一方10wt%を超えて含有されると溶接アークが絞
られ気味になりビード外観が劣化するきらいがあるの
で、1〜10wt%程度とするのが好ましい。
【0019】以上、代表的なフラックス組成について説
明したが、その他にも、通常フラックスに用いられてい
る成分を添加しても差し支えない。かような成分として
は、TiO2, BaO, CaO, ZrO, B2O3, CO2, Ti, Alなどがあ
り、TiO2は10wt%以下、BaO,CaO, ZrO, CO2は5wt%以
下、B2O3は1wt%以下の範囲でそれぞれ添加することが
できる。ここに、TiO2は、溶接中に還元反応により溶接
金属に移行して溶接金属の靱性を向上させる効果を有す
るが、高価であるため必要に応じて添加する。BaO, CaO
およびZrO は、スラグの塩基度および融点を調整するの
に有効な成分であるが、5wt%を超える添加はビード外
観やスラグ剥離性を害する。CO2 は、溶接中の炭酸塩の
分解によって生じ水素分圧をさげて溶接金属中の水素量
を低減するのに有効な成分であるが、5wt%を超えると
ガスの発生によるビード外観の劣化が著しくなる。B2O3
は、溶接中に還元反応により溶接金属中に移行して溶接
金属の靱性改善に寄与する有効成分であるが、1wt%を
超える添加は溶接金属の凝固割れを助長するので好まし
くない。TiおよびAlは、脱酸剤として有用であり、溶接
金属の靱性改善に有効に寄与するが、高価であるため、
必要に応じて添加する。
明したが、その他にも、通常フラックスに用いられてい
る成分を添加しても差し支えない。かような成分として
は、TiO2, BaO, CaO, ZrO, B2O3, CO2, Ti, Alなどがあ
り、TiO2は10wt%以下、BaO,CaO, ZrO, CO2は5wt%以
下、B2O3は1wt%以下の範囲でそれぞれ添加することが
できる。ここに、TiO2は、溶接中に還元反応により溶接
金属に移行して溶接金属の靱性を向上させる効果を有す
るが、高価であるため必要に応じて添加する。BaO, CaO
およびZrO は、スラグの塩基度および融点を調整するの
に有効な成分であるが、5wt%を超える添加はビード外
観やスラグ剥離性を害する。CO2 は、溶接中の炭酸塩の
分解によって生じ水素分圧をさげて溶接金属中の水素量
を低減するのに有効な成分であるが、5wt%を超えると
ガスの発生によるビード外観の劣化が著しくなる。B2O3
は、溶接中に還元反応により溶接金属中に移行して溶接
金属の靱性改善に寄与する有効成分であるが、1wt%を
超える添加は溶接金属の凝固割れを助長するので好まし
くない。TiおよびAlは、脱酸剤として有用であり、溶接
金属の靱性改善に有効に寄与するが、高価であるため、
必要に応じて添加する。
【0020】以上、フラックスの好適組成について説明
したが、この発明では、フラックスの大きさも重要であ
り、フラックスの粒度につき、粒子径が 300〜1000μm
の粒子を50wt%以上含む粒度分布とすることが望まし
い。すなわち、Mn酸化物を含有する焼成型フラックスの
場合、前述したとおり、COガスの発生が不可避であるた
め、フラックスの粒径がガス抜けの面から重要であり、
この面から 300〜1000μm の比較的粗い粒子を50wt%以
上含有させることが重要である。というのは、かかる好
適粒径の粒子量が50wt%に満たないと、フラックスの充
填率が上がってガスの通気性が低下し、ビード外観が劣
化するからであり、特に300 μm より細かい粒子が多く
なると、ガスの通気性が悪くなりビード幅が狭くなって
外観が劣化しがちになり、一方1000μm より粗い粒子が
多くなると、波目が粗くなりアバタ(ポックマーク)も
出易くなるからである。
したが、この発明では、フラックスの大きさも重要であ
り、フラックスの粒度につき、粒子径が 300〜1000μm
の粒子を50wt%以上含む粒度分布とすることが望まし
い。すなわち、Mn酸化物を含有する焼成型フラックスの
場合、前述したとおり、COガスの発生が不可避であるた
め、フラックスの粒径がガス抜けの面から重要であり、
この面から 300〜1000μm の比較的粗い粒子を50wt%以
上含有させることが重要である。というのは、かかる好
適粒径の粒子量が50wt%に満たないと、フラックスの充
填率が上がってガスの通気性が低下し、ビード外観が劣
化するからであり、特に300 μm より細かい粒子が多く
なると、ガスの通気性が悪くなりビード幅が狭くなって
外観が劣化しがちになり、一方1000μm より粗い粒子が
多くなると、波目が粗くなりアバタ(ポックマーク)も
出易くなるからである。
【0021】さて、上記の好適組成および好適粒度分布
に調整されたフラックス原料粉末は、造粒後、焼成して
製品フラックスとする。ここに、造粒法については、特
に制限はなく、常法に従い例えば転動式や押し出し式造
粒機を用いて造粒し、ダストの除去や粗大粒の解砕整粒
を行って、粒子径:0.075 〜1.4 mm程度の大きさの粒子
とする。
に調整されたフラックス原料粉末は、造粒後、焼成して
製品フラックスとする。ここに、造粒法については、特
に制限はなく、常法に従い例えば転動式や押し出し式造
粒機を用いて造粒し、ダストの除去や粗大粒の解砕整粒
を行って、粒子径:0.075 〜1.4 mm程度の大きさの粒子
とする。
【0022】また、焼成温度については、上述したとお
り、この発明では、バインダーの量を効果的に低減でき
るので、脱酸剤の消耗が少ない 700℃以下の温度で焼成
しても吸湿後の拡散性水素量の混入を大幅に低減するこ
とができる。しかしながら、焼成温度が 500℃を下回る
と、乾燥が不十分となり、水分の除去が不完全となる問
題が生じるので、焼成温度は 500〜700 ℃の範囲に限定
した。なお、バインダーとしては、従来から用いられて
いるモル比:1〜3の水ガラスで十分である。また、バ
インダー使用量については、従来: 原料粉末:1kg当た
り 150ccを必要としたが、この発明では2/3以下の90
cc程度まで低減することができる。
り、この発明では、バインダーの量を効果的に低減でき
るので、脱酸剤の消耗が少ない 700℃以下の温度で焼成
しても吸湿後の拡散性水素量の混入を大幅に低減するこ
とができる。しかしながら、焼成温度が 500℃を下回る
と、乾燥が不十分となり、水分の除去が不完全となる問
題が生じるので、焼成温度は 500〜700 ℃の範囲に限定
した。なお、バインダーとしては、従来から用いられて
いるモル比:1〜3の水ガラスで十分である。また、バ
インダー使用量については、従来: 原料粉末:1kg当た
り 150ccを必要としたが、この発明では2/3以下の90
cc程度まで低減することができる。
【0023】
実施例1 表1に示すフラックス原料に、SiO2:28wt%、Na2O:13
wt%、 K2O:4wt%からなる39ボーメの水ガラスを原料
1kg当り80〜150 cc添加し、5分間攪拌混合後、造粒
し、ついで 600℃で焼成して、焼成型フラックスを作製
した。水ガラス配合量をパラメータとして粒子径が45μ
m 以下の Mn3O4の含有量と造粒性との関係について調べ
た結果を、図1に示す。なお、造粒性は、フラックスを
上が12メッシュ(9.4mm) 下が 200メッシュ(75μm)のふ
るいでふるい分けし、通過したものはダストとし、下ふ
るい上に残った比率で評価した。
wt%、 K2O:4wt%からなる39ボーメの水ガラスを原料
1kg当り80〜150 cc添加し、5分間攪拌混合後、造粒
し、ついで 600℃で焼成して、焼成型フラックスを作製
した。水ガラス配合量をパラメータとして粒子径が45μ
m 以下の Mn3O4の含有量と造粒性との関係について調べ
た結果を、図1に示す。なお、造粒性は、フラックスを
上が12メッシュ(9.4mm) 下が 200メッシュ(75μm)のふ
るいでふるい分けし、通過したものはダストとし、下ふ
るい上に残った比率で評価した。
【0024】
【表1】
【0025】同図より明らかなように、粒子径が45μm
以下の Mn3O4の配合量がフラックスの5wt%以上になる
と、造粒性が格段に改善されている。たとえば、 Mn3O4
の配合量が5wt%の場合には、水ガラス配合量:80 cc/
kgで含有しない場合の水ガラス配合量:150 cc/kg と同
程度以上の造粒性を示している。
以下の Mn3O4の配合量がフラックスの5wt%以上になる
と、造粒性が格段に改善されている。たとえば、 Mn3O4
の配合量が5wt%の場合には、水ガラス配合量:80 cc/
kgで含有しない場合の水ガラス配合量:150 cc/kg と同
程度以上の造粒性を示している。
【0026】実施例2 表2に示すフラックス原料に、上述の水ガラスを適切量
添加し、5分間攪拌混合後、造粒し、ついで 600℃で焼
成して、表3に示す成分組成の焼成型フラックスを作製
した。得られたフラックスと2%Mn系ワイヤ(4.0φ) を
用い、表4に示す溶接条件下で、SM400 相当の鋼板に対
して下向き隅肉溶接を行い、溶接金属中の拡散性水素量
およびビード外観について調査した。得られた結果を、
表5に示す。なお、溶接金属中の拡散性水素量はJIS Z
3118に従って測定した。
添加し、5分間攪拌混合後、造粒し、ついで 600℃で焼
成して、表3に示す成分組成の焼成型フラックスを作製
した。得られたフラックスと2%Mn系ワイヤ(4.0φ) を
用い、表4に示す溶接条件下で、SM400 相当の鋼板に対
して下向き隅肉溶接を行い、溶接金属中の拡散性水素量
およびビード外観について調査した。得られた結果を、
表5に示す。なお、溶接金属中の拡散性水素量はJIS Z
3118に従って測定した。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表5から明らかなように、フラックスとし
て、この発明に従い得られたNo.1〜7を用いた場合には
いずれも、拡散性水素量を低く抑えることができただけ
でなく、良好なビード外観を得ることができた。これに
対し、No.8〜9のフラックスは、細粒の Mn3O4が含まれ
ていないため、造粒に多量のバインダーを必要とした結
果、拡散性水素量が多く、吸湿後のフラックスではピッ
トが発生した。また、NO.10 は、脱酸剤が含まれてな
く、 No.11〜14はフラックス組成がこの発明の適正範囲
を逸脱しているため、No.15 は粒度構成が適正範囲から
外れているため、いずれもビード外観が不良であった。
て、この発明に従い得られたNo.1〜7を用いた場合には
いずれも、拡散性水素量を低く抑えることができただけ
でなく、良好なビード外観を得ることができた。これに
対し、No.8〜9のフラックスは、細粒の Mn3O4が含まれ
ていないため、造粒に多量のバインダーを必要とした結
果、拡散性水素量が多く、吸湿後のフラックスではピッ
トが発生した。また、NO.10 は、脱酸剤が含まれてな
く、 No.11〜14はフラックス組成がこの発明の適正範囲
を逸脱しているため、No.15 は粒度構成が適正範囲から
外れているため、いずれもビード外観が不良であった。
【0032】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、バインダ
ー量を低減して造粒を行うことができるので、脱酸剤の
消耗の少ない比較的低温の焼成でも、耐吸湿性に優れた
フラックスを得ることができ、ひいてはサブマージアー
ク溶接に適用した場合に、溶接金属中への拡散性水素量
を低減できるだけでなく、優れたビード外観を得ること
ができる。
ー量を低減して造粒を行うことができるので、脱酸剤の
消耗の少ない比較的低温の焼成でも、耐吸湿性に優れた
フラックスを得ることができ、ひいてはサブマージアー
ク溶接に適用した場合に、溶接金属中への拡散性水素量
を低減できるだけでなく、優れたビード外観を得ること
ができる。
【図1】水ガラス配合量をパラメータとして粒子径が45
μm 以下の Mn3O4の含有量と造粒性との関係について示
したグラフである。
μm 以下の Mn3O4の含有量と造粒性との関係について示
したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 Mn量換算で3〜30wt%のマンガン酸化物
を含むサブマージアーク溶接用のSiO2−MnO 系フラック
スであって、該フラックスは、造粒性改善剤として粒子
径が45μm 以下の Mn3O4を5〜35wt%の割合で添加配合
したフラックス原料粉末を、造粒後、 500〜700 ℃の低
温焼成を施して得たものである、サブマージアーク溶接
用SiO2−MnO 系焼成型フラックス。 - 【請求項2】 請求項1において、フラックス粒度が、
粒子径:300 〜1000μm の粒子を50wt%以上含む粒度分
布になるサブマージアーク溶接用SiO2−MnO系焼成型フ
ラックス。 - 【請求項3】 請求項1または2において、フラックス
成分が、 SiO2:40〜60wt%、 マンガン酸化物(Mn量換算で):
3〜30wt% MgO :5〜25wt%、 Al2O3 :2〜15wt% Siおよび/またはMn:0.5 〜10wt% を含む組成になるサブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系
焼成型フラックス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7560095A JPH08267280A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | サブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系焼成型フラックス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7560095A JPH08267280A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | サブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系焼成型フラックス |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08267280A true JPH08267280A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=13580866
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7560095A Pending JPH08267280A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | サブマージアーク溶接用SiO2−MnO 系焼成型フラックス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08267280A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11254183A (ja) * | 1998-03-16 | 1999-09-21 | Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd | サブマージアーク溶接用ボンドフラックス及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7560095A patent/JPH08267280A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11254183A (ja) * | 1998-03-16 | 1999-09-21 | Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd | サブマージアーク溶接用ボンドフラックス及びその製造方法 |
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