JPH08268756A - 強誘電性セラミックスの製造方法 - Google Patents

強誘電性セラミックスの製造方法

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JPH08268756A
JPH08268756A JP7418695A JP7418695A JPH08268756A JP H08268756 A JPH08268756 A JP H08268756A JP 7418695 A JP7418695 A JP 7418695A JP 7418695 A JP7418695 A JP 7418695A JP H08268756 A JPH08268756 A JP H08268756A
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zro
pbo
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powder
calcining
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JP7418695A
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Tatsuya Hatanaka
達也 畑中
Kazumasa Takatori
一雅 鷹取
Nobuo Kamiya
信雄 神谷
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的強度の高いPZTを容易に製造できる製
造方法を提供することを目的とする。 【構成】ZrO2 の析出分を見込んでPb量を不足とし
た組成になるように、PbO、TiO2 およびZrO2
の原料粉末を調製する工程と、原料粉末を混合し、Pb
Oの昇華による離散がない条件で、混合粉末を仮焼する
仮焼工程と、PbOの昇華による離散がない条件で、仮
焼生成物を900〜1200℃の温度で焼成すると同時
に、微細なZrO2 をPb(Zrx Ti1-x )O
3 (0.4≦x≦0.6)中に分散析出させる本焼成工
程と、からなることを特徴とする強誘電性セラミックス
の製造方法。Pb(Zrx Ti1-x )O3 (0.4≦x
≦0.6)マトリックスに平均粒径は1μm以下のZr
O2 が分散析出した強誘電性セラミッスが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い機械的負荷がかか
るアクチュエータ等に使用することが可能な強誘電性セ
ラミックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】圧電素子に用いられる圧電材料として、P
ZT系酸化物よりなるセラミックスが知られている。こ
のPZT(Pb(Zrx Ti1-x )O3 ;0≦x≦1)
は、特にx=0.53付近の組成で高い電気機械変換効
率を示す特性を有し、センサー、アクチュエータなどと
して広く用いられている。
【0003】PZTは、誘電率、圧電定数等の電気的特
性が良好であるが、機械的強度が弱いため、アクチュエ
ータとして使用する場合に問題となる。この機械的強度
を向上する方法として、結晶粒径を微細化する方法や、
他の高強度セラミックス材料と複合する方法(特開平3
−109263号等)があるが、いずれも電気的特性が
低下するデメリットがある。
【0004】電気的特性を低下させない従来の技術とし
て、PZT粉末に微細なAl2 O 3 粉末を混合し焼成
する方法(特開平4−124887号)や、PZT表
面にAl2 O3 ゾルを浸透させる方法(特開平5−90
54号)がある。の方法は、PZT粉末にAl2 O3
粉末を0.5〜20重量%混合し、1100℃で焼成す
る方法である。この方法は、nmオーダーの微粉末を必
要とするため、コストが高い等の問題がある。
【0005】また、の方法は、PZTの表面よりAl
2 O3 ゾルを浸透させて、表面強化層を形成する方法で
ある。この方法はAl2 O3 ゾルを浸透させる工程が加
わるため、製造工程が複雑であること等の問題点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、機械的強度
の高いPZTを容易に製造できる製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】PZTは、PbO、Ti
O2 およびZrO2 各粉末を混合し、この混合粉末を電
気炉によって加熱・焼成して製造する。加熱・焼成の際
の反応は以下のようであると推定される。 (i)PbOの一部とTiO2 が反応し、PbTiO3
が生成、(ii)ついで、PbOの一部とZrO2 が反応
し、PbZrO3 が生成、(iii)PbTiO3 とPb
ZrO3 が反応し、Pb(Zrx Ti1-x )O3 が生成
する。
【0008】これらの反応では、雰囲気のPbO分圧が
低い場合には、反応が進行する前にPbOが昇華してP
b不足状態になるので、例えば、次に示す反応式(1)
のように、ZrO2 が析出し、組成がずれて電気的特性
が低下する問題点があった。 PbO+0.530ZrO2 +0.470TiO2 →0.950Pb(Zr0. 505 Ti0.495 )O3 +0.05ZrO2 +0.05PbO↑──(1) そこで、通常はPbOが昇華しないように、炉中にPb
ZrO3 等を配置し、雰囲気のPbO分圧を高めて焼成
する等の工夫がなされている。
【0009】本発明者等は、PbOが昇華しないように
工夫するとともに、電気的特性を低下させずに機械的強
度を向上させるため、自己発生的にマトリックスからZ
rO 2 を析出させ、マトリックス中にZrO2 を微細に
分散させるアイデアを考え本発明をなすに至ったもので
ある。すなわち、本発明の強誘電性セラミックスの製造
方法は、ZrO2 の析出分を見込んでPb量を不足とし
た組成になるように、PbO、TiO2 およびZrO 2
の原料粉末を調製する工程と、原料粉末を混合し、Pb
Oの昇華による離散がない条件で、混合粉末を仮焼する
仮焼工程と、PbOの昇華による離散がない条件で、仮
焼生成物を900〜1200℃の温度で焼成すると同時
に、微細なZrO2 をPb(Zrx Ti1-x )O
3 (0.4≦x≦0.6)中に分散析出させる本焼成工
程と、からなることを特徴とする。
【0010】ZrO2 の析出分を見込んでPb量を不足
とした組成になるように、PbO、TiO2 およびZr
O2 の原料粉末を調製するとは、製造される強誘電性セ
ラミックスの組成が析出したZrO2 と反応生成したP
b(Zrx Ti1-x )O3 (0.4≦x≦0.6)との
混合体となるように、析出するZrO2 と反応すべきP
bOが不足している状態に原料粉末を調製することをい
う。言葉を変えると、原料粉末のTiO2 のモル数とZ
rO2 のモル数を加えたTiO2 とZrO2 の合計モル
数よりPbOのモル数が少ない状態となるように原料粉
末を調製するものである。
【0011】具体的には、例えば、x=0.525のP
ZTを得たい場合には、反応式(2)のような出発組成
とすればよい。 0.950PbO+0.550ZrO2 +0.450TiO2 →0.950P b(Zr0.525 Ti0.475 )O3 +0.05ZrO2 ──反応式(2) すなわち、モル比で、PbO:TiO2 :ZrO2 =
0.950:0.550:0.450となる配合とすれ
ばよいことになる。
【0012】仮焼工程は調製された原料粉末を混合し、
PbOの昇華による離散がない条件で、加熱し、少なく
とも一部の原料粉末を反応させPbTiO3 、PbZr
O3あるいはPb(Zrx Ti1-x )O3 とする工程で
ある。通常仮焼工程は750〜850℃で2〜6時間加
熱してなされる。なお、仮焼工程で、原料粉末の全ての
ZrO2 と一部のPbOとを仮焼してPbZrO3 とす
るかもしくは市販等の既にPbZrO3 となっているも
のを使用し、その後得られたPbZrO3 と残されたT
iO2 および残部のPbOとを混合し仮焼してもよい。
【0013】仮焼して得られた仮焼物は再度粉砕混合す
るのが望ましい。これにより組成分布がより均一とな
る。粉砕された粉末はプレス成形され、所定形状のグリ
ーンコンパクトとなる。本焼成工程は、仮焼物を900
〜1200℃で1〜8時間加熱する工程である。この工
程で全てのPbO成分がPb(Zrx Ti1-x )O3 と
なり、一部のZrO2 がPb(Zrx Ti1-x )O3 の
マトリックス中に均一に析出する。この析出するZrO
2 は1μm以下の微細な結晶として析出するものが良
い。
【0014】900℃より低い温度、あるいは1時間未
満の焼成では、反応が十分進まず、電気的特性が低下す
るので好ましくない。1200℃より高い温度、あるい
は8時間以上の焼成では、粒成長が進み、機械的強度が
低下するので好ましくない。
【0015】
【作用】本発明の強誘電セラミックスの製造方法によっ
て、電気的特性が従来のPZTと同等以上で機械的強度
に優れた強誘電性セラミックスが製造できる理由は以下
の通りであると推定される。PbO、TiO2 およびZ
rO2 を混合した混合粉末を仮焼した段階で、一部のZ
rO2 はPbOと反応してPbZrO3 が生成し、焼成
の段階で組成の均一化が進む際には、PbZrO3 から
過剰のZrが、ZrO2 (正方晶)となって析出する。
そのため緻密な構造となる。
【0016】析出したZrO2 は、正方晶(高温)−単
斜相(低温)の相転移(冷却中〜500℃)に伴う体積
膨張により、PZTに圧縮応力を付与する。圧縮応力を
受けながら、PZTは立方晶(高温)−正方晶(低温)
の相転移(冷却中〜350℃)をおこし、応力を緩和す
るような分域構造を形成する。このように内部応力場が
複雑に影響して、電気的特性が従来のPZTと同等以上
で機械的強度に優れたPZTが製造されると推定され
る。
【0017】
【発明の効果】本発明の強誘電性セラミックスの製造方
法によって、電気的特性が従来のPZTと同等以上で機
械的強度に優れた強誘電性セラミックスが、簡便かつ安
価に製造できる利点がある。
【0018】
【実施例】
(1)試料の作成 以下に一例として、5mol%のZrO2 が分散析出し
たx=0.525の組成のPZTの製造方法を示す。P
bO、ZrO2 およびTiO2 の各粉末(粒度1〜5μ
m)を、総量250g、モル比で、Pb:Zr:Ti=
0.950:0.550:0.450となるように秤量
した。
【0019】上記の各粉末を家庭用ミキサーで混合後、
MgO容器に入れ、800℃で5時間仮焼を行った。こ
の仮焼粉末をZrO2 ボールとともにポリエチレンポッ
トにいれ、エタノールを加えて、24時間のボールミリ
ングを行った。ZrO2 ボールを取り去った後、エタノ
ールを湯浴蒸発させ、さらに80℃の恒温槽で20時間
乾燥した。
【0020】この仮焼粉末を家庭用ミキサーで粉砕後、
ポリビニルアルコールを0.25wt%加えて造粒粉末
とした。造粒粉末を2g秤量し、キャビティの直径がφ
18mmの金型に1tonの圧力を加えてプレス成形し
た。この成形体を600℃4時間の脱脂処理後、Al2
O3 容器中で、同組成の仮焼粉末を詰め粉とし、115
0℃で、1、2、4、8時間の各時間で焼成した(以
下、順に試料C1、C2、C3、C4とする)。
【0021】比較材として、モル比Pb:Zr:Ti=
1.00:0.525:0.475となるように秤量し
た混合粉末を出発組成とし、同じプロセスで作製した試
料(試料A)と、この組成の仮焼粉末に、ZrO2 粉末
を5mol%さらに加えて混合した後に、同じプロセス
で焼成した試料(試料B)を作製した。 2)試験試料の作製と評価 前記のようにして作製された各試料は、φ12mm、厚
さ0.5mmに研削加工(表面仕上げ#600)した
後、化学分析、X線回折による格子定数測定、化学分析
およびZrO2 からのX線回折強度の検量による析出Z
rO2 の定量分析、SEM観察による平均粒径の測定
(インターセプト法)、および、密度測定に供した。
【0022】電気的性質を代表して、誘電率とその温度
依存性、および、周期電界下での圧電変位量の測定をお
こなった。誘電率は、上記の研削加工の後、スパッタ法
により金電極を形成し、インピーダンスアナライザで1
kHzの測定をおこなった。温度依存性は、高温炉中で
100℃/hで昇温して測定した。変位量の測定は、電
極形成後、110℃のシリコンオイル中、2kV/mm
の電界下で10分間分極処理を行い、1日以上放置して
から、レーザー変位計を用いて、0.1Hz、−0.4
〜1.2kV/mmの電界下での変位量を、20MPa
の応力下で測定した。
【0023】機械的特性は、上記の研削加工した試料を
2軸曲げ試験をおこなうことで評価した。 3)評価結果 表1に化学分析、X線回折による格子定数測定、化学分
析およびZrO2 からのX線回折強度の検量による析出
ZrO2 の定量分析、SEM観察による平均粒径の測定
(インターセプト法)、および、密度測定の各結果を示
す。試料Aと比較して、他の試料のTiの分析値がほぼ
等しいことと格子定数がほぼ等しいことから、PZTの
組成としてPb(Zr0.525 Ti0.475 )O3 が得られ
ていることがわかる。
【0024】一方、化学分析およびX線回折によるZr
O2 からの回折線強度の検量結果を併せて考えると、試
料BおよびC1〜C4では約5mol%のZrO2 が析
出し、所望の試料が得られていることがわかる。実際に
これらの試料では、SEM観察によって、粒径1μm以
下の微細なZrO2 が確認された。また、平均粒径は焼
結時間とともにわずかに増加するが、密度と同様、大差
なかった。
【0025】表2に、各試料の誘電率の測定結果を示
す。室温および相転移温度での誘電率は、試料Bのみ小
さく、ZrO2 が複合された結果として理解できるが、
試料C1〜C4ではその低下が見られなかった。一方、
試料C1〜C4は、相転移温度が数℃低下している。P
ZTの実験結果によれば、圧縮応力下では相転移温度が
低下することが知られている。したがって、電気的性質
の違いが圧縮応力によるものであることが推定される。
【0026】図1に変位量の測定結果を示す。本発明に
よる実施例の試料C1〜C4は、比較例の試料Aと比べ
て、比較例の試料Bほどの変位量の低下は見られず、ほ
ぼ同等あるいはそれ以上の性能を示すことがわかる。図
2に2軸曲げ強度の測定結果を示す。本発明による実施
例の試料C1〜C4は、比較例の試料Aよりも強度が向
上し、最大で約10%の向上が認められた。
【0027】図3に2軸曲げ強度と変位量との相関を示
す。アクチュエータ等に求められる特性は矢印で示した
右上の方向であるが、本発明で得られた実施例のC1〜
C4が、比較例のA、Bを凌駕していることがわかる。
以上のように、電気的特性が従来のPZTと同等以上で
機械的強度に優れた強誘電性セラミックスを、簡便かつ
安価に製造できることがわかる。 表 1 測定に用いた試料の特性 ──────────────────────────────────── 特性 A B C1 C2 C3 C4 ──────────────────────────────────── 化学組成 ZrO2(mol 比) 52.7 57.5 58.5 58.2 58.5 58.2 TiO2(mol 比) 47.3 47.3 47.4 47.4 47.4 47.4 PbO (mol 比) 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 格子定数 a(Å) 4.044 4.040 4.044 4.044 4.044 4.044 c(Å) 4.144 4.140 4.140 4.144 4.140 4.140 過剰ZrO2(mol%) 化学分析より ─ 4.8 5.8 5.5 5.8 5.7 X線回折より ─ 6.5 5.7 5.4 5.9 6.3 平均粒径( μm) 3.3 3.3 3.1 3.5 3.8 4.1 密度(g/cm3) 7.84 7.82 7.86 7.86 7.86 7.82 ─────────────────────────────────── 表 2 各試料の誘電率の測定結果 ──────────────────────────────────── 特性 A B C1 C2 C3 C4 ──────────────────────────────────── 相転移温度 349.5 348.7 346.6 347.0 345.0 345.0 誘電率 室温 1230 1140 1220 1240 1230 1240 相転移温度 25600 16700 25100 27000 27500 28800 ────────────────────────────────────
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の各試料の変位量の測定結
果を示す図である。
【図2】実施例および比較例の各試料の2軸曲げ強度の
測定結果を示す図である。
【図3】実施例および比較例の各試料の2軸曲げ強度と
変位量との相関を示す図である。
【符号の説明】
A…比較例の試料 B…比較例の試
料 C1…実施例の試料 C2…実施例の
試料 C3…実施例の試料 C4…実施例の
試料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZrO2 の析出分を見込んでPb量を不足
    とした組成になるように、PbO、TiO2 およびZr
    O2 の原料粉末を調製する工程と、 原料粉末を混合し、PbOの昇華による離散がない条件
    で、混合粉末を仮焼する仮焼工程と、 PbOの昇華による離散がない条件で、仮焼生成物を9
    00〜1200℃の温度で焼成すると同時に、微細なZ
    rO2 をPb(Zrx Ti1-x )O3 (0.4≦x≦
    0.6)中に分散析出させる本焼成工程と、 からなることを特徴とする強誘電性セラミックスの製造
    方法。
  2. 【請求項2】Pb(Zrx Ti1-x )O3 (0.4≦x
    ≦0.6)に分散析出するZrO2 の平均粒径は1μm
    以下であることを特徴とする請求項1記載の強誘電性セ
    ラミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】仮焼工程は原料粉末のZrO2 と一部のP
    bOとを仮焼してPbZrO2 とし、その後得られたP
    bZrO3 と残されたTiO2 および残部のPbOとを
    混合し仮焼する工程であることを特徴とする請求項1記
    載の強誘電性セラミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】仮焼工程は原料粉末を混合し加熱してPb
    1-a (Zr1-b Tib)O3 (ここでaおよびbはcそ
    れぞれ1未満の正数)とする工程であり、本焼成工程は
    得られたPb1-a (Zr1-b Tib )O3 よりaZrO
    2 をPb1-a (Zr1-b Tib-a )O3 マトリックス中
    に分散析出させる工程である請求項1記載の強誘電性セ
    ラミックスの製造方法。
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