JPH0826879A - 化合物半導体の単結晶引上装置及び化合物半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

化合物半導体の単結晶引上装置及び化合物半導体単結晶の製造方法

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JPH0826879A
JPH0826879A JP18186694A JP18186694A JPH0826879A JP H0826879 A JPH0826879 A JP H0826879A JP 18186694 A JP18186694 A JP 18186694A JP 18186694 A JP18186694 A JP 18186694A JP H0826879 A JPH0826879 A JP H0826879A
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single crystal
cooler
heater
pulling
crystal
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JP18186694A
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Inventor
Michio Takahashi
道生 高橋
Yasuhiro Naka
恭宏 仲
Yukio Komura
幸夫 香村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 引き上げ長さの長い単結晶を引き上げる場合
でも単結晶の表面温度の上昇を確実に抑制できるように
工夫された単結晶引上装置及び製造方法を提供する。 【構成】 本装置10は、高解離圧元素を含む2種類以
上の元素からなる原料を収容する坩堝12と、坩堝内の
原料を加熱して原料融液にするにヒータ14と、昇降、
回転可能な上軸30とを備えている。本装置は、引き上
げられる単結晶を冷却するために単結晶Tの下端部周囲
を包囲するように坩堝上方に配置された冷却器40と、
冷却器に冷媒を供給する供給手段42、44とを備えて
いる。上軸30下端に種結晶Sを取り付け、結晶方位が
種結晶に合致した化合物半導体の単結晶を原料融液から
引き上げる。その際に、冷却器で単結晶を冷却しながら
冷却器の近傍に配置されているヒーターの出力を予め作
成したプログラムに従って単結晶引き上げ長さに応じて
調整することにより、単結晶の表面温度を所定温度に制
御する。これにより、表面荒れのない良質な単結晶を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧チャンバー内に配
置された坩堝に高解離圧元素を含む原料を収容し、ヒー
タで加熱、融解して原料融液を作り、次いで種結晶を原
料融液に浸し、結晶方位が種結晶に合致した単結晶を原
料融液から引き上げる化合物半導体の単結晶引上装置及
び化合物半導体単結晶の製造方法に関するものである。
ここで、高解離圧元素とは、例えばAs、Pである。
【0002】
【従来の技術】高解離圧元素を含む2種類以上の元素を
原料とした化合物半導体の代表的なものは、GaAs化
合物半導体である。GaAsを始めとする化合物半導体
は、電子移動度がシリコンよりも高速であるという利点
を活かして、IC、レーザー、ダイオード等に盛んに使
用されていて、近年その需要が急速に増大している。そ
こで、増大する需要に応えるために、大径かつ結晶長の
長い化合物半導体の単結晶が求められ、このような化合
物半導体単結晶の引き上げを効率良く行うための装置及
び方法の研究が盛んに行われている。
【0003】ところで、従来、化合物半導体の単結晶
は、図9に示すような化合物半導体の単結晶引上装置
(以下、簡単に引上装置と略称する)で製造されてい
る。従来の引上装置は、原料を収容する坩堝12と、坩
堝12内の原料を加熱し、融解する1個ないし複数個の
ヒータ14と、それらを格納する圧力容器16と、単結
晶の引き上げ機構18と、坩堝の回転/昇降機構20と
から構成されている。坩堝12及びヒータ14は、圧力
容器16内に配置されたホットゾーンと呼ばれる筒状の
カーボン部材22の内側に設置されている。坩堝の回転
/昇降機構20は、上端で坩堝12を固定している下軸
24と、下軸24の下端に連結されている回転装置26
と、昇降装置(図示せず)とから構成されている。坩堝
12は、下軸24を介して回転装置26により駆動され
て回転し、また昇降装置(図示せず)により駆動されて
回転装置26と一体的に昇降する。
【0004】一方、単結晶の引き上げ機構18は、種結
晶(シード)を取り付けるシードホルダー28と、シー
ドホルダー28を下端で固定している上軸30と、上軸
30の上端が連結された別の回転装置32と、別の昇降
装置(図示せず)とから構成されている。シードホルダ
ー28は、上軸30を介して回転装置32により駆動さ
れて回転し、また別の昇降装置(図示せず)により駆動
されて回転装置32と一体的に昇降する。
【0005】高解離圧元素を含む原料を坩堝12に収容
し、ヒーター14で化合物半導体の融点まで原料を加
熱、融解して、原料融液Rとする。一方、シードホルダ
ー28に種結晶Sを取り付け、種結晶Sを原料融液Rに
浸して馴染ませた後、上軸30を引き上げて単結晶Tを
製造する。このとき、As等の高解離圧元素が原料融液
から飛散するのを防ぐため、B2 3 融液を封止剤Hと
して使用して原料融液Rを被覆し、更にAr等の不活性
ガスで10気圧程度の圧力を融液表面に作用させてい
る。このようにして、例えば結晶サイズφ4”で120
mmの長さの単結晶を製造する。
【0006】ところで、結晶の表面温度は、結晶の引上
に伴って徐々に上昇して行く。例えば、GaAs単結晶
の製造を例にすると、結晶径4インチ、長さ200mmの
GaAs単結晶を15kgの原料から製造した場合、封止
剤として使用しているB2 3 融液直上の結晶表面温度
は、図7に実線で示すように、結晶引き上げ初期では約
950°C であるが、途中で950°C より高い温度に
なり、結晶引き上げの末期ではおよそ1050°C とな
る。それは、結晶引き上げに伴って坩堝内の原料融液が
減少し、結晶の質量が大きくなるに連れて熱容量も大き
くなり、そのため結晶の表面温度が上昇すると考えられ
る。尚、図10(a)、(b)及び(c)は、結晶引上
初期、中間期及び結晶引上の末期において単結晶の引き
上げ長さが長くなるに連れて原料融液が減少する様子を
それぞれ模式的に示していて、図7の実線で示す温度は
図10のA点での温度である。
【0007】引上中のGaAs結晶の表面温度が105
0°C を超えると、Ga−Asの結合が切れて結晶表面
からAsが離脱する。残されたGaは、融点がおよそ3
0°C であるため、液化して結晶表面から流れ出す。こ
の現象が進行すると、GaAs表面にくぼみが生じる。
これが結晶の肌荒れと一般に言われている結晶表面の欠
陥で、肌荒れの部分からラメラツイン、多結晶化という
結晶欠陥が発生して、均一に成長した単結晶が得られな
くなる。
【0008】通常、Arガスを導入して圧力容器内を高
圧に維持し、それにより高解離圧元素の飛散を抑制して
いるが、更に、単結晶の表面温度の上昇を防ぐ手段とし
て、Arガスより熱伝導度の高いガス、例えばN2 ガス
をArガスに混入したり、或いは単結晶の引上中の圧力
容器内の圧力を通常の圧力である10気圧よりも高くし
てガスの対流を増大させたりすることが、近年、提案さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、異種ガスとし
てN2 ガスを混合して表面温度の上昇を抑制しようとし
ても、効果があるのは、単結晶の引き上げ長さが180
mm以下であり、それ以上の長さになると結晶表面温度の
上昇を抑えきれず、肌荒れが発生する。加えて、結晶の
表面に窒素化合物が強固に付着するという問題があっ
た。また、圧力容器内の圧力を高くする方法は、圧力の
変化により結晶育成場の温度環境が全体的に変動すると
いう欠点があって、そのため結晶育成場の全体的温度条
件を所定の温度に制御することが実際には難しく、その
実用化が困難であった。一方、生産性の向上を図るため
に、単結晶の引上げ長さを従来の170mmから長くする
ことが要求されており、200mm、更には400mm、5
00mmが必要とされる時代になりつつあるが、この要求
に応えるには、単結晶の表面温度の上昇を確実に抑制で
きる手段を開発することが先決となる。
【0010】そこで、本発明は、引き上げ長さの長い単
結晶を引き上げる場合でも、単結晶の表面温度の上昇を
確実に抑制できるように工夫された単結晶引上装置及び
製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の方法
に変わる別の手段として、圧力容器内に冷却器を設け、
冷水等の冷媒を流して単結晶を冷却し、それによって単
結晶の表面温度の上昇を抑えることに着目した。しかし
ながら、圧力容器内に冷却器を設け、その冷却器の冷却
作用により結晶の表面温度の上昇を抑制しようとする研
究、提案は、従来行われていなかった。そこで、本発明
者は、引き上げている単結晶を囲むような配置で円筒状
の冷却器を設けて実験を重ねた末、冷媒を流して冷却す
るだけでは、単結晶の表面温度を所望温度に制御するこ
とは実際には極めて難しいことが判った。それは、単結
晶の表面温度が丁度所望温度になるように冷却器を設計
することは事実上不可能であり、また冷媒の流量或いは
冷媒の入口温度を調節して冷却作用を制御しようとして
も、単結晶の表面温度変化に対する応答性が良くない等
の問題があって、実際には冷却作用を調節することが難
しいからであった。そこで、本発明者は、冷却作用とは
別個に温度制御を行うことに着眼し、本発明を完成する
に至った。
【0012】上記目的を達成するために、本発明に係る
化合物半導体の単結晶引上装置は、昇降、回転可能な上
軸及び下軸と、下軸上端に取り付けられ、高解離圧元素
を含む化合物半導体原料を収容する坩堝と、坩堝の周囲
に配設されたヒータとを備え、上軸下端に種結晶を取り
付け、結晶方位が種結晶に合致した単結晶を原料融液か
ら引き上げていく化合物半導体の単結晶引上装置におい
て、引き上げ中の前記単結晶を冷却するために単結晶の
周囲の少なくとも一部を包囲するように坩堝上方に配置
された冷却器と、冷却器に冷媒を供給する供給手段とを
備え、更に、前記ヒータを上下に配置された複数個のヒ
ータで構成し、かつ冷却器に近い方のヒータを出力可変
式にして、冷却器で単結晶を冷却しながら、出力可変式
ヒーターの出力を予め作成したプログラムに従って単結
晶引き上げ長さに応じて調整することにより単結晶の表
面温度を所定温度に制御することを特徴としている。
【0013】単結晶を冷却するために必要な冷却器の所
要冷却能力Qは、単結晶の密度をBg/cm3 、単結晶の比
熱をCkcal/g・°C 、単結晶の直径をDcm、単結晶の引
き上げ速度をFcm/Hr 、単結晶の封止剤Hを出たところ
での最高温度をT°C 、単結晶の所定表面温度をTS °
C とすると、 Q=π・(D/2)2 ・F・B・C・(T−TS )kcal/Hr (1) である。本発明で使用する冷却器は、上式(1)で得た
冷却能力Q以上の冷却能力を有する冷却器であって、冷
却器を所定の設計条件で運転しつつヒータによる加熱に
よって過剰な冷却能力を相殺することにより、温度を調
節する。冷却器に流す冷媒は、既知の冷媒であって、例
えば冷水、水銀或いはガリウム等の冷却液体金属等を使
用できる。
【0014】本発明で予め設定するプログラムは、一定
条件の冷却作用の下で単結晶の引き上げ長さに応じてヒ
ータの出力を低下させる関係を示すものであって、本発
明に係る単結晶引上装置とダミー結晶とを使用して、実
際の運転条件に合致する条件下で単結晶引き上げの模擬
実験を行い、得たデータに基づいて単結晶の表面温度が
所定温度になるようにヒータの出力が定められる。後述
するように、単結晶の表面温度は上方に行くにつれて単
調に低下しており、かつ結晶欠陥を防止するために封止
剤融液直上の表面温度を規制することが効果的であるか
ら、冷却器は、坩堝上方であって出来るだけ封止剤融液
の表面に近い位置に配置して単結晶下端部を冷却するの
が好ましい。
【0015】本発明で使用する冷却器は、既知の構造の
冷却器であって、例えば、冷却管をラセン状に巻回し冷
却管に冷媒を流すようにしたコイル式冷却器、円周上に
縦方向に冷却管を多数配置した多管式冷却器、2重円筒
で形成された環状空間に冷媒を流すようにした円筒状冷
却器、更には冷却管或いは円筒面にフィンを付したフィ
ン付き冷却器等、種々の冷却器を使用することができ
る。冷却器は単結晶の全周にわたり包囲するように構成
されている方が望ましいが、単結晶は回転しつつ引き上
げられるので、単結晶の少なくとも一部を包囲している
ように配置されておれば、本発明の効果を奏することが
できる。
【0016】本発明に係る別の単結晶引上装置は、昇
降、回転可能な上軸及び下軸と、下軸上端に取り付けら
れ、高解離圧元素を含む化合物半導体原料を収容する坩
堝と、坩堝の周囲に配設されたヒータとを備え、上軸下
端に種結晶を取り付け、結晶方位が種結晶に合致した単
結晶を原料融液から引き上げていく化合物半導体の単結
晶引上装置において、引き上げ中の前記単結晶を冷却す
るために単結晶の周囲の少なくとも一部を包囲するよう
に坩堝上方に配置された冷却器と、冷却器に冷媒を供給
する供給手段と、単結晶下端部の表面温度を計測できる
温度測定器と、制御装置とを備え、更に、前記ヒータを
上下に配置された複数個のヒータで構成し、かつ冷却器
に近い方のヒータを出力可変式にし、温度測定器による
計測温度に基づいて出力可変式ヒーターの出力を制御装
置により調整し、単結晶下端部の表面温度を所定温度に
制御することを特徴としている。
【0017】本発明で使用する温度測定器は、単結晶周
囲の高温領域の温度を計測できる温度計であって、好適
にはサファイアロッドを赤外線導波路に使用した放射温
度計である。
【0018】本発明の望ましい実施態様は、前記坩堝を
加熱するヒータとは別個に前記単結晶と前記冷却器との
間にヒータを介在させ、このヒータが出力可変式である
ことを特徴としている。
【0019】また、本発明に係る単結晶の製造方法は、
引き上げ中の単結晶の周囲の少なくとも一部を包囲する
ように坩堝上方に配置された冷却器と、冷却器に冷媒を
供給する供給手段と、単結晶下端部の表面温度を計測で
きる温度測定器とを備える化合物半導体の単結晶引上装
置を使用し、B2 3 を封止剤として使用して化合物半
導体単結晶を引き上げるに際し、加圧の下で、冷却器に
より単結晶を冷却しつつ冷却器の近傍に配置されている
ヒーターの出力を調整して、封止剤融液直上の単結晶表
面温度を単結晶引上中にわたって900°C 〜1,05
0°C 、好ましくは950〜1,050°C に制御する
ことを特徴としている。
【0020】
【作用】請求項1の発明では、冷却器により一定の冷却
能力で単結晶を冷却しつつ過剰の冷却量を相殺するため
に、冷却器の近傍に配置されているヒーターの出力を予
め作成したプログラムに従って単結晶引き上げ長さに応
じて調整することにより単結晶の表面温度を所定温度に
制御する。請求項2の発明では、冷却器により一定の冷
却能力で単結晶を冷却しつつ過剰の冷却量を相殺するた
めに、単結晶下端部の表面温度を計測できる温度測定器
と、ヒータの出力を調節する制御装置とを備え、単結晶
下端部の計測温度に基づいて冷却器の近傍に配置されて
いるヒーターの出力を調節することにより単結晶の表面
温度を所定温度に制御する。請求項1及び2では、冷却
器の出力を直接調整する方式に比べて遙に応答の速いヒ
ータの出力を調整しているので、単結晶の表面温度の制
御が容易であり、かつ精密に制御できる。表面温度を制
御することにより、高解離圧を有する元素の飛散が防止
され、単結晶の肌あれが防止される。請求項3の発明で
は、坩堝を加熱する主ヒータとは別個に設けたヒータに
より調整しているので、主ヒータの作用に影響すること
なく、精密に単結晶下端部の表面温度を制御できる。
【0021】
【実施例】以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて
本発明をより詳細に説明する。実施例1 図1は、本発明に係る化合物半導体の単結晶引上装置
(以下、簡単に引上装置と略称する)の実施例1の構成
を示す断面側面図、及び図2(a)(b)(c)はそれ
ぞれ冷却器の斜視図である。図1の部品、部位のうち図
9と同じものには同じ符号を付してその説明を省略す
る。本実施例の引上装置10は、図9で説明した構成に
加えて、冷却器40と、その冷却器40に冷媒を供給す
る供給管42と、冷却器40から冷媒を排出する排出管
44とを備えている。更に、ヒータ14は、上下に配置
された3個のヒータ14A、B及びCで構成され、少な
くとも上段のヒータ14Aは他のヒータ14B、Cとは
独立してその出力が制御できるようになっている。
【0022】冷却器40は、図2(a)に例示したコイ
ル式冷却器であって、坩堝12の直上で単結晶下端部の
周囲を包囲するような配置で設けてある。これによっ
て、単結晶は、封止剤融液を出た後、直ぐに冷却器で冷
却されることができる。例えば、坩堝径250mmの坩堝
を使用している場合には、冷却器40は、坩堝12の約
50mm〜150mm上に配置させるのが好ましい。図2
(a)に示す冷却器は、冷却管48をラセン状に巻回し
たコイル式冷却器でコイルの上端が供給管42に下端が
排出管44に接続され、冷媒は矢印の方向に上端から入
り、下端から排出される。他の例として、図2(b)に
示す冷却器は、2重円筒式の冷却器で内部に形成された
環状流路には隔壁50(破線で表示)が設けてあり、冷
媒は隔壁に沿って矢印方向に流れる。図2(c)に示す
冷却器は、上部及び下部のリングヘッダ52、54とそ
の間に設けられた多数の冷却管48とから形成され、冷
媒は冷却管48内を矢印のように流下する。
【0023】伝熱面積を増大して伝熱効率を高めるため
に、冷却器の冷却管48には、図3に示すように、フィ
ン56を植設しても良い。また、図4は、伝熱面積を増
大して伝熱効率を高める別の手段を示す断面図である。
図4では、図2(a)に示すコイル式冷却器の冷却管4
8の内側に円筒板58を取り付け、それによって伝熱面
積を増大している。引き上げる結晶長に応じて変わる
が、本実施例で使用する冷却器40は、前述の式1で計
算した所要冷却能力Qより概ね10%以上大きい能力の
冷却器であって、単結晶の表面温度が所定温度に冷却さ
れるように、冷却器40に隣接するヒータ14Aの出力
を調整する。
【0024】本実施例では、単結晶の引き上げ長さが長
くなるのに応じて封止剤の直上の表面温度が図7の破線
に示す温度以下で950°C 以上になるように、単結晶
の引き上げ長さとヒータ14Aの出力との関係を予め定
めたプログラムを作成し、そのプログラムに従ってヒー
タ14Aの出力を調整する。
【0025】実施例2 実施例1は予め定めたプログラムに従ってヒータ14A
の出力を調整しているが、本実施例では、オンラインで
結晶表面温度を測定しながらヒータ14Aの出力を調整
している。本実施例の引上装置60では、図5に示すよ
うに、実施例1の構成に、単結晶周囲の温度を測定する
温度計62と、その計測温度に基づいてヒータ14Aの
出力を調整し、それによって単結晶周囲の温度を制御す
る制御装置64とを備えている。
【0026】本実施例では、測温領域が高温であること
を考慮してサファイアロッド式放射温度計を温度計62
として使用している。この放射温度計は、サファイアロ
ッド66の先端をB2 3 融液直上の単結晶表面に近接
させ、サファイアロッド66を導波路にして系外に赤外
光を取り出し、その赤外光をスペクトル分析してB2
3 融液直上の結晶表面温度を測定する。温度計62とし
て、例えばジャパン・エナジー(株)が販売しているラ
イトパイプセンサ(近接式)を利用したシステムを使用
できる。制御装置64は、ヒータ14Aの出力装置68
の出力を調整して、所定温度になるように単結晶下端部
の表面温度をフィードバック制御する。この方法によれ
ば、引上中の結晶の表面温度をリアルタイムで制御でき
るので、更に容易かつ厳密に単結晶の表面温度を制御で
きる。
【0027】実施例3 図6は、本発明に係る引上装置の実施例3の要部を示す
側面断面図である。本実施例の引上装置70は、実施例
1の引上装置10及び実施例2の引上装置60の構成に
加えて、更に冷却器40の内側に坩堝加熱用のヒータ1
4Aとは別に温度調節用のヒータ72を備えている。ヒ
ータ72の出力を調整することにより、坩堝12の加熱
に影響を与えることなく、冷却器40の冷却作用をきめ
細かく調整し、単結晶の表面温度を所定温度に維持する
ことができる。
【0028】実験例 先ず、ダミー結晶と図9に示す従来の引上装置とを使用
し、成長条件を模擬して、単結晶の冷却を行わない場合
のB2 3 融液直上の結晶表面温度を測定した。それに
は、結晶長がそれぞれ0、30、120、及び200mm
で、結晶の表面に熱電対を配置したダミー結晶を使い、
単結晶がその長さになった場合の原料融液量、ヒーター
温度を実際の引上条件と対応するように模擬条件を設定
し、ダミー結晶の表面温度を測定した。その結果が図7
に実線で示してある。この図から、単結晶の結晶長が約
180mm以上になると、B2 3 融液直上の結晶表面温
度が1050°C を越える。従って、単結晶の引き上げ
長さが180mmを越えると、結晶欠陥が発生することが
判る。
【0029】一方、原料が坩堝12内で完全に融液状態
になっている時では、引上前の坩堝上方の温度分布は、
図8に示すようになっている。従って、良質な単結晶を
製造するためには、B2 3 融液直上の単結晶の表面温
度を900°C 以上、好ましくは950°C 以上とする
ことが必要である。また、上記実験の結果から表面温度
が1050°C 以下であることが必要である。図8か
ら、B2 3 上方では単調に温度が減少することがわか
り、結晶欠陥を発生させないためにはB2 3 融液直上
の単結晶の表面温度を規制すれば良いことがわかる。
【0030】従って、肌荒れのない単結晶を得るために
は、B2 3 融液直上の単結晶の表面温度が900°C
以上1050°C 以下であるようにすることが必要であ
る。そこで、実施例1の引上装置10を使用して、冷却
器40に冷却水を10l/min流し、結晶が長くなるに従
って徐々にヒーター14Aの出力を下げつつ、上述と同
様にしてダミー結晶を使用した模擬実験を行い、表面温
度を測定した。試行錯誤によりヒータ14Aの出力を調
整した結果、結晶長が200mmであっても、図7の点線
に示すように、引き上げ中、単結晶のB2 3 融液直上
の表面温度を950°C 以上でかつ1050°C 以下に
することができた。実際には、結晶長が200mmの時点
で表面温度は1030°C であった。冷却器40の条
件、単結晶引き上げ長さとヒータ14Aの出力との関係
等を始めとして、引上装置10のこの時の運転条件をプ
ログラムとして作成した。
【0031】次に、実施例1の引上装置10使用して単
結晶の引き上げを行い、引上装置の性能を評価した。先
ず、GaとAsを引上後の単結晶の組成比が1:1とな
るように配合して約15kgの化合物半導体原料を調製し
た。この原料を直径25cmのpBN(窒化硼素)製の坩
堝12に収容し、ヒーター14によってGaAsの融点
(1238°C )まで原料を加熱、融解して、融液Rに
した。この時、Asの飛散を防ぐため、封止剤Hとして
2 3 を使用して原料融液を覆い、また圧力容器16
内にArガスを導入して内圧を70kg/cm2 g にした。
この後、圧力を10kg/cm2gにしてから、シードホルダ
ー28を介して上軸30下端に6mm角のGaAs種結晶
Sを取り付けて、原料融液Rに種結晶Sを浸し、十分に
馴染ませた後、上軸30を10mm/Hrの引き上げ速度で
引き上げた。この時、上軸28、下軸22の回転数は、
各々10、20rpm とした。
【0032】前述したプログラムに従って単結晶の引き
上げ長さに応じてヒータ14Aの出力を調整しつつ単結
晶を引き上げた。その結果、単結晶の引き上げ中、結晶
長200mmの全長にわたって、表面温度は950°C 以
上かつ1050°C 以下であった。これによって、肌荒
れのない直径4インチの結晶長200mmのGaAs単結
晶を原料融液Rから引き上げることができた。
【0033】本引上装置10、60及び70によれば、
ガス圧力、ガスの種類を変える従来の方法と異なり、結
晶育成場のガス環境或いは圧力を変えることはないの
で、単結晶の表面温度の制御が容易であり、品質良好な
単結晶を製造できる。
【0034】
【発明の効果】本発明の構成によれば、冷却器を一定条
件で運転しつつヒータの出力を調整することにより、単
結晶の表面温度を制御している。ヒータの出力の調整
は、冷却器の冷却能力を調整する方法として、冷却器の
出力を直接調整する方式に比べて遙に応答が速くかつ精
密に制御できるので、単結晶の表面温度を容易にかつ正
確に制御でき、これによって高解離圧元素の飛散を防止
して、肌荒れのない単結晶を製造することができる。本
発明装置及び製造方法を適用して表面温度を所定温度に
制御することにより、現在では製造困難である200mm
より長尺の単結晶を結晶欠陥なく製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化合物半導体の単結晶引上装置の
実施例1の構成を示す断面側面図である。
【図2】図2(a)(b)(c)は、それぞれ型式が異
なる冷却器の斜視図である。
【図3】フィンが植設された冷却管の部分断面図であ
る。
【図4】円筒壁を設けた冷却器の断面図である。
【図5】本発明に係る化合物半導体の単結晶引上装置の
実施例2の構成を示す断面側面図である。
【図6】本発明に係る化合物半導体の単結晶引上装置の
実施例3の要部の構成を示す断面側面図である。
【図7】単結晶の結晶長と封止剤直上の結晶表面温度と
の関係を示すグラフである。
【図8】単結晶の長手方向に沿った結晶表面温度を示す
グラフである。
【図9】従来の単結晶引上装置の構成を示す断面側面図
である。
【図10】図10(a)、(b)及び(c)は、それぞ
れ単結晶の引き上げに伴い坩堝内の融液の減少を示す説
明図である。
【符号の説明】
10 本発明に係る引上装置の実施例1 12 坩堝 14 ヒータ 16 圧力容器 18 引き上げ機構 20 坩堝の回転/昇降機構 22 カーボン部材 24 下軸 26 回転装置 28 シードホルダー 30 上軸 32 別の回転装置 40 冷却器 42 供給管 44 排出管 48 冷却管 50 隔壁 52、54 リングヘッダ 56 フィン 58 円筒板 60 本発明に係る引上装置の実施例2 62 温度計 64 制御装置 66 サファイアロッド 68 ヒータの出力装置 70 本発明に係る引上装置の実施例3 72 温度調節用のヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇降、回転可能な上軸及び下軸と、下軸
    上端に取り付けられ、高解離圧元素を含む化合物半導体
    原料を収容する坩堝と、坩堝の周囲に配設されたヒータ
    とを備え、上軸下端に種結晶を取り付け、結晶方位が種
    結晶に合致した単結晶を原料融液から引き上げていく化
    合物半導体の単結晶引上装置において、 引き上げ中の前記単結晶を冷却するために単結晶の周囲
    の少なくとも一部を包囲するように坩堝上方に配置され
    た冷却器と、冷却器に冷媒を供給する供給手段とを備
    え、 更に、前記ヒータを上下に配置された複数個のヒータで
    構成し、かつ冷却器に近い方のヒータを出力可変式にし
    て、 冷却器で単結晶を冷却しながら、出力可変式ヒーターの
    出力を予め作成したプログラムに従って単結晶引き上げ
    長さに応じて調整することにより単結晶の表面温度を所
    定温度に制御することを特徴とする化合物半導体の単結
    晶引上装置。
  2. 【請求項2】 昇降、回転可能な上軸及び下軸と、下軸
    上端に取り付けられ、高解離圧元素を含む化合物半導体
    原料を収容する坩堝と、坩堝の周囲に配設されたヒータ
    とを備え、上軸下端に種結晶を取り付け、結晶方位が種
    結晶に合致した単結晶を原料融液から引き上げていく化
    合物半導体の単結晶引上装置において、 引き上げ中の前記単結晶を冷却するために単結晶の周囲
    の少なくとも一部を包囲するように坩堝上方に配置され
    た冷却器と、冷却器に冷媒を供給する供給手段と、単結
    晶下端部の表面温度を計測できる温度測定器と、制御装
    置とを備え、 更に、前記ヒータを上下に配置された複数個のヒータで
    構成し、かつ冷却器に近い方のヒータを出力可変式に
    し、 温度測定器による計測温度に基づいて出力可変式ヒータ
    ーの出力を制御装置により調整し、単結晶下端部の表面
    温度を所定温度に制御することを特徴とする化合物半導
    体の単結晶引上装置。
  3. 【請求項3】 前記坩堝を加熱するヒータとは別個に前
    記単結晶と前記冷却器との間にヒータを介在させ、この
    ヒータが出力可変式であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の化合物半導体の単結晶引上装置。
  4. 【請求項4】 引き上げ中の単結晶の周囲の少なくとも
    一部を包囲するように坩堝上方に配置された冷却器と、
    冷却器に冷媒を供給する供給手段と、単結晶下端部の表
    面温度を計測できる温度測定器とを備える化合物半導体
    の単結晶引上装置を使用し、B2 3 を封止剤として使
    用して化合物半導体単結晶を引き上げるに際し、 加圧の下で、冷却器により単結晶を冷却しつつ冷却器の
    近傍に配置されているヒーターの出力を調整して、封止
    剤融液直上の単結晶表面温度を単結晶引上中にわたって
    900°C 〜1,050°C 、好ましくは950〜1,
    050°C に制御することを特徴とするGaAs単結晶
    の製造方法。
JP18186694A 1994-07-11 1994-07-11 化合物半導体の単結晶引上装置及び化合物半導体単結晶の製造方法 Pending JPH0826879A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997030195A1 (en) * 1996-02-14 1997-08-21 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Apparatus and method for producing crystals by the czochralski method and crystals produced by this method

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US6071337A (en) * 1996-02-14 2000-06-06 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd Apparatus and method for producing crystals by the czochralski method and crystals produced by this method

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