JPH08268825A - 青枯病防除資材 - Google Patents

青枯病防除資材

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JPH08268825A
JPH08268825A JP7099628A JP9962895A JPH08268825A JP H08268825 A JPH08268825 A JP H08268825A JP 7099628 A JP7099628 A JP 7099628A JP 9962895 A JP9962895 A JP 9962895A JP H08268825 A JPH08268825 A JP H08268825A
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泰三 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 農作物の青枯病による被害を軽減することに
より、環境保全下での農業の生産性の向上を図るための
資材を提供する。 【構成】 結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生能を有し、
かつ、抗生物質に対して耐性を示さない蛍光性細菌から
なる青枯病防除資材である。この資材によって農作物の
青枯病による被害を軽減し、農業の生産性の向上を図
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク
゛ルシノール産生能を有し、かつ、抗生物質に対して耐性を示
さない蛍光性細菌からなる青枯病防除資材に関し、農作
物の青枯病による被害を軽減することにより環境保全下
における農業の生産性の向上を図ることを目的とするも
のである。
【0002】
【従来の技術】土壌微生物病害の生物防除法として、こ
れまでに抗菌性物質あるいはシテ゛ロフォアを産生するシュート゛モナ
ス属の蛍光性細菌について数多くの検討が行われてきて
いる。最近ではシュート゛モナス・フ゜チタ゛(Pseudomonas putida)や
シュート゛モナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)を利用し
た生物防除に関する研究が注目され、シュート゛モナス・フルオレッセン
スに関する米国に於ける研究は、販売あるいは圃場での
効果確認試験の段階まで進展している。このシュート゛モナス・フ
ルオレッセンスは、古くからフェナシ゛ン系の抗菌性物質等を産生す
ることで知られていた。また、1953年には同菌による2,
4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールの産生が認められ抗生物質としての
作用が検定された。検定の結果、放線菌を含むク゛ラム陽性
菌及び糸状菌に対する抗生物質としての効果が認められ
た。
【0003】これらの知見から1980年代に入り、シュート゛モ
ナス・フルオレッセンスによる土壌伝染性糸状菌病害の生物防除へ
の利用が検討されるようになり1990年代に入って、in v
itroでの病原糸状菌に対する抗菌性からタハ゛コ黒根病、大
麦立枯病、苗立枯病、小麦葉枯病等の生物防除への利用
が提案された。一方、土壌伝染性細菌病害に対しては、
報告例は少ないが、E.Levyら(Plant Pathology,1992,4
1)により生菌体とその代謝物である2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノ
ールの双方がin vitroで植物病原細菌及び植物病原糸状菌
に対して抗菌性を示すことが報告された。この報告の中
でE.Levyらは、糸状菌病害だけではなく青枯病及び軟腐
病等の土壌伝染性細菌病害に対する生物防除法としても
シュート゛モナス・フルオレッセンスが利用できることを提案している。
しかし、これらはいずれもin vitroでの抗菌性試験の結
果に基づくものであり実用化を裏付ける技術には至って
いない。
【0004】ところで、わが国農業の野菜栽培における
土壌伝染性病害は被害の程度において糸状菌病害と細菌
病害に二分され、細菌病害の代表が青枯病である。これ
までに、化学農薬等により種々の対策がとられれきたに
もかかわらず対応が困難な病害であり環境保全の面から
も生物防除に対する期待が高まってきている。しかし、
作用機構に関する研究の遅れもあり実用化には至ってい
ないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
資材化が可能で、実圃場において再現性のある青枯病抑
制効果が発現し、かつ、効果の持続性を有する安全性の
確保された青枯病防除資材を開発するため種々検討した
結果、本発明を完成したものである。本発明者らは生物
防除資材への実用化が可能な微生物として、すでに開発
が行われた生物農薬に着目した。その中で一部の糸状菌
病に対する防除を目的に生物農薬として販売された実績
を有するシュート゛モナス・フルオレッセンスの青枯病防除資材としての
可能性について検討することとし、シュート゛モナス・フルオレッセンス
のなかでも青枯病菌に対して抗菌性を示す可能性のある
2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生菌を研究対象とした。
【0006】2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールを産生するシュート゛モナス
・フルオレッセンスについては、他の研究者らにより遺伝子レベ
ルでの研究も進められている。シュート゛モナス・フルオレッセンスを生
物的防除資材として利用するためには、少なくともin v
itroにおいて2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールを安定的に産生する
菌株を検索することが必要である。前述のE.Levyらの報
告では、シュート゛モナス・フルオレッセンスのハ゛イオハ゛ーのI(Bergeyらの
分類による)<Bergey'smanual of systematic bacteriol
ogy>を親株として抗生物質による耐性選抜菌を作出した
結果、選抜菌は最大で約70μg/mlの2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノ
ールを産生したと述べられている。本発明者らは、種々の
分離源から検索した2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生菌の菌学
的特性と植物体を用いた発病抑制試験について詳細な検
討を行った。
【0007】一連の検討により、土壌及び根表面等から
分離した2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生菌は、E.Levyらの方
法に準じて検討した場合、培養液等の培養物から溶媒抽
出により2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールを確認せざるを得ない少
量産生菌株と、結晶性の2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールを産生す
る菌株とに分類されることを見出した。前者は根面及び
根圈土壌から多く分離され、2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生
量が最大で約100μg/mlとE.Levyらの耐性菌と同程度で
あった。後者は主に、作物根内から分離された。
【0008】分取した2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールは、共にin
vitroにおいて病原糸状菌、放線菌を含むク゛ラム陽性菌及
びク゛ラム陰性細菌に対して抗菌性を示した。しかし、産生
菌そのものの発病抑制効果には大きな相違が認められ
た。両者を個々に接種した植物体を育苗後、青枯病発病
土壌に定植し発病抑制試験を実施した結果、前者の菌株
は発病土壌及び作物根内での生育は殆ど認められず、発
病抑制効果も些少であった。しかし、後者の菌株は作物
根内での生育と顕著な発病抑制効果が認められた。しか
も前者の菌株は、2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールを比較的多く産
生する菌株であっても継代培養等による保存では、産生
能及び増殖能が極端に低下する菌株が多く認められ培養
及び品質管理上に大きな問題を残すものであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる検討結果をもと
に、結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生能を有する蛍光性
細菌について、実圃場での効果確認試験を実施し鋭意検
討を重ねた結果、本発明に到達したものである。即ち、
本発明は結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生能を有し、か
つ、抗生物質に対して耐性を示さない蛍光性細菌からな
る青枯病防除資材に関する。
【0010】
【作用】以下に本発明について更に詳記する。先ず本発
明に於いて、結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生能を有す
る蛍光性細菌とは、キングB寒天平板培地あるいはポテ
トデキストロース寒天平板培地に、菌株を接種後、15〜
35℃の温度で培養し、紫外線(365nm)を照射した場合、
肉眼で確認できる結晶性の2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールを、培
養後4週間以内に産生する菌を云う。また、抗生物質に
対して耐性を示さない菌とは、ストレプトマイシン100
μg/ml、ナリジキシン酸50μg/ml及びリファンピシン50
μg/mlを含有するキングB培地に菌株を接種後、15〜40
℃の温度で培養し、2週間後においても生育の認められ
ない菌を云う。このような本発明の菌株は、特にトマ
ト、ナス、キュウリ、ピーマン等の蔬菜の根内に多く生
育する。従って、本発明菌株はこれら蔬菜の根を良く水
洗し、これをホモジナイズして培養し、培養物に紫外線
を照射することにより容易に検索することができる。
【0011】このようにして検索された本発明の菌株
は、E.Levyらの作出した菌株とは根本的に相違する。即
ち、E.Levyらの作出した菌株は、ストレプトマイシン(2
50μg/ml)、ナリジキシン酸(250μg/ml)及びリファンピ
シン酸(75μg/ml)含有培地中で生育するのに対し、本発
明の菌株はこのような高濃度の抗生物質培地中では到底
生育せず、この濃度の約1/10以下で僅かに増殖が認めら
れる点である。本発明の結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産
生能を有し、抗生物質に対して耐性を示さない蛍光性細
菌は、これを継代培養した場合に於いても結晶性2,4-シ゛
アセチルフロロク゛ルシノールの産生能の極度の低下は認められず、保
存あるいは培養が可能であり、青枯病防除資材として利
用可能なることを確認した。
【0012】本発明の青枯病防除資材について述べれ
ば、前述の如くして検索した菌株を液体培養あるいは固
体培養により大量培養を行った培養菌体を含む培養液を
資材として使用することもできるし、培養菌体のみを集
菌してこれを資材として使用することもできる。またこ
れらを液状で使用しても良いし、乾燥して使用しても良
い。更に別の態様としては、菌体含有液状物あるいは乾
燥物を培土、ロックウール資材、シリカ、ゼオライト、
バーミキュライト、珪藻土、砂等の土壌改良剤と混合し
て使用することもできる。このように本発明の菌体を土
壌改良剤等他の担体と混合して使用する場合、菌体安定
性あるいは効果の維持継続の点から106cfu/g以上菌体を
含有させることが必要である。
【0013】本発明の青枯病防除資材は、菌体の活性低
下を防止するため、調製後脱酸素を行った窒素等の不活
性ガスで置換して密封保存するか、10℃以下の低温で保
存することが望ましい。本発明青枯病防除資材の適用方
法について云えば、例えば、本発明資材を種子に適用す
る場合、菌体含有液に種子を浸漬する浸種法、菌を担体
と混合した微粉末を種子と攪拌混合する種皮磨傷法ある
いは減圧下に浸種法を行う浸種減圧法等を利用すること
ができる。またプラグ苗への適用方法としては、本発明
資材である菌体含有液あるいは微粉末をプラグ培土に添
加混合して利用することができる。更にまた、植物定植
前にあっては本発明資材を予め土壌に添加混合しても良
いし、定植後にあっては本発明資材を散布しても良い。
【0014】本発明青枯病防除資材に於ける菌体濃度に
関して云えば、担体と混合して使用する場合106cfu/g以
上が必要であり、液状物にあっては106cells/ml以上が
望ましい。また本発明資材の使用量は、作物の種類、使
用時期、資材の形態等により異なるが、種子処理の場
合、種子1mlに対して本発明菌体108cells/mlの菌体懸濁
液10ml程度に浸種処理することが望ましく、プラグ苗培
土に添加混合する場合、培土1g当たり本発明菌体106cfu
以上になるように添加することが効果の点から望まし
い。また定植後の土壌に添加する場合は、根圏土壌1g当
たり本発明菌体104cfu以上が効果持続の点から望まし
い。
【0015】
【実施例】以下、実施例により更に詳記するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。また、実施例に於
いて%は特に断らない限り全て重量%を示す。
【0016】(実施例1)兵庫県下の施設栽培圃場より
栽培中のトマト(A)、ナス(B)、キュウリ(C)、ピーマン
(D)と、露地栽培のチンゲンサイ(E)、ネギ(F)及びゴル
フ場の芝(G)について、根圈土壌及び植物体を採取し
た。採取した植物体は根部を水洗後、約5cmに裁断し、
約10gの裁断根を各50mlの滅菌水及び0.005%エアロソ゛ル OT
(アメリカンサイアナミット゛社製)液を用いてスクリューミキサーで
撹拌洗浄を行った。洗液は、混合して根面微生物分離源
とした。撹拌洗浄根を80%エタノール溶液に1分間浸漬
し、さらに1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬し根
表面の殺菌処理を行った後、滅菌水で洗浄し根内微生物
分離源とした。
【0017】根圈土壌、混合洗液、表面殺菌根を微生物
分離源として分離操作を行った。根圈土壌は、100倍量
の滅菌水で10分間振盪、1分間静置後の上澄液をさらに1
00倍希釈し、その1mlをポテトデキストロース培地(寒天
1.5%)9mlで混釈合しペトリ皿に流し込んだ(混釈法)。
植物体採取時の地温に応じて15℃から40℃で培養を行っ
た。混合洗液についても、その1mlを同混釈法により同
様に培養を行った。表面殺菌根は、その1gを5mm程度に
さらに裁断後、20mlの滅菌水に入れ、10000rpmで15分間
ホモジナイズを行い、磨砕液の1mlを同混釈法により同
様に培養を行った。各培養共に72時間後にキングB寒天
培地及びシュードモナス選択分離P-1寒天培地の各平板
培養基にレプリカし、15℃から40℃で72時間培養後、36
5nmの紫外線を照射して、蛍光性色素を産生するコロニ
ーを識別した。蛍光性色素を産生するコロニーを再びキ
ングB液体培地及びポテトデキストロース液体培地に接
種し、3週間25℃で静置培養を行った。
【0018】培養終了後、培養液に365nmの紫外線を照
射し、黄緑色から黄色の蛍光性物質の産生が認められた
培養液と青白色蛍光を有する結晶の産生が認められた培
養液について以下の操作を行った。結晶の産生が認めら
れた培養液については、5A濾紙(Toyo製)で濾別した。そ
の他の培養液については凍結乾燥し、乾燥物からクロロ
ホルム−アセトン(1:1)混合溶媒に可溶な成分を抽出し
た。結晶物及び抽出物を乾燥後、少量の水及びメタノー
ルに懸濁させて、不溶物を濾別後乾燥し秤量した。乾燥
物を、薄層クロマト(シリカケ゛ルフ゜レート,ヘ゛ンセン:クロロホルム:メタノール=
4:2:1)分析に供し、Rf値が0.5〜0.53のスポットを有す
る乾燥物について、核磁気共鳴装置及び質量分析装置に
よる測定を行った。その結果、抽出物については2,4-シ゛
アセチルフロロク゛ルシノールが主成分であり、結晶物は2,4-シ゛アセチルフロ
ロク゛ルシノールであることを確認した。
【0019】次に、2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノールの産生の認め
られた菌株の抗生物質に対する耐性をストレプトマイシ
ン、ナリジキシン酸、リファンピシンを用いて検定し
た。(以下、三重耐性という)ストレプトマイシンを100
μg/ml、ナリジキシン酸を50μg/ml及びリファンピシン
を50μg/mlとなるようにキングB寒天培地に混合後、ペ
トリ皿に流し込んだ。寒天表面の余剰水を除いてから産
生菌を画線接種し、25℃で3週間培養を行い、生育の有
無を調査した。表1に2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生菌の産
生量及び三重耐性を示した。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例2)表1に示した2,4-シ゛アセチルフロロク
゛ルシノール産生菌について、青枯病菌に対する抗菌性を検定
した。トマト青枯病菌としてシュート゛モナス・ソラナセアラム(Pseudom
onas solanacearum,MAFF-03-01485)を、ポテトデキスト
ロース斜面培養基で35℃で72時間培養し指示菌とした。
2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生菌は、ポテトデキストロース
斜面培養基で25℃で96時間培養し検定菌とした。指示菌
を1白金耳100mlの滅菌水に懸濁させ、その1mlをポテト
デキストロース寒天培地9mlで混釈してペトリ皿に流し
込んだ。ペトリ皿の表面の余剰水を除いた後、検定菌を
約1cmに画線接種し30℃で48時間培養し、検定菌の周縁
で形成した阻止円径(画線に対して垂直方向の径)を測定
した。その結果、表1に示した検定菌はすべて青枯病菌
に対して生育阻止円を形成し、R-3,7,8,9,RS-16では12m
m以下、その他の検定菌の阻止円径は35mmから49mmの範
囲であった。
【0022】(実施例3)表1に示した2,4-シ゛アセチルフロロク
゛ルシノール産生菌のうち、R-3,7,8,9,RS-16を除く菌株を実
施例2と同操作により検定菌とした。検定菌の青枯病発
病抑制試験を上層が0.8%寒天5ml、中層が海砂3ml、下
層が蔗糖を除くホワイト寒天培地15mlの三層からなる外
径2.5cm、高さ15cmの栓付き培養瓶で行った。先ずこの
培養瓶に、80%エタノール溶液と1%次亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液により殺菌したトマト種子(品種:大型福寿)
を播種した。28℃で4日間、暗所で発芽させた後、人工
気象器に移し30℃で栽培を3日間行った。
【0023】この培養瓶に検定菌を107cells/mlに調製
した菌体懸濁液0.5mlを接種した。接種後、30℃で栽培
を3日間行った後に、実施例2の青枯病菌を108cells/ml
に調製した菌体懸濁液0.5mlを接種した。接種後は35℃
に変更し、人工気象器中で栽培を継続した。青枯病菌接
種後30日の罹病程度を測定し防除価を算出し、表2に示
した。対照区として、青枯病菌のみを接種した区を設け
た。各試験区は1区3株の3反復で行った。また、各区の
苗の根部を種子殺菌と同方法により表面殺菌し、根部を
約2cmの長さに裁断してキングB寒天平板及びクリスタ
ルバイオレットを5mg/l含有するポテトデキストロース
寒天平板に置床した。25℃で7日間培養を行い、キング
B寒天平板では、365nmの紫外線照射下でコロニー周辺
の蛍光性物質産生で検定菌の生息部位を検定し、ポテト
デキストロース寒天平板では、紫外線照射下で蛍光性結
晶産生で生息部位を検定した。検定菌の根内定着状態を
ライン交差法による全根長に対する生息部位の根長比を
根内定着度として表示した。結果を表2に示した。尚、
罹病程度及び防除価の算出は以下の方法で行った。 罹病程度=[(Σ罹病指数×株数)/(10×全株数)]×100 罹病指数:枯死,10;全身萎凋,5;部分萎凋,3;黄変,2 防除価=[(対照区罹病程度−検定菌接種区罹病程度)/対
照区罹病程度]×100
【0024】
【表2】 注) 対照区の罹病程度は93であり、0.0は試験区におい
て対照区よりも罹病程度 の高い区を表示した。
【0025】尚、以下の実施例に於いて、実施例で使用
する本発明菌及び対照菌は、ポテトデキストロース斜面
培養基で25℃、96時間培養した菌体を用いた。
【0026】(実施例4)実施例3の表2中の本発明の
結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生菌としてER-32、対照
菌としてRS-19を含有する資材を調製し、青枯病発病土
壌における発病抑制試験を行った。市販の水稲用育苗培
土と園芸用培土を4:1に混合し、180℃で1時間乾熱殺菌
を行い室温に冷却後、直ちに本発明菌及び対照菌の108c
ells/ml、107cells/ml、106cells/mlの菌体懸濁液を熱
処理培土に対して25v/v%混合した。混合後、25℃で2週
間静置した。静置後、キングB寒天培地及び5mg/lのク
リスタルバイオレットを含有するポテトデキストロース
寒天培地を用いて、培土中の本発明菌及び対照菌の菌数
を測定した。本発明菌を使用した資材は、1g中に107cf
u、106cfu、105cfuの本発明菌を含有しており、対照菌
を使用した資材は1g中に108cfu、107cfu、106cfuの対照
菌を含有していた。また、培土を4:1に混合した培土(無
処理1)資材と、さらに熱処理を行った培土に滅菌水を2
5v/v%の割合で添加混合した培土(無処理2)を調製し
た。これらの培土をプラグ苗用トレイ(136穴)に充填
し、トマト種子(品種:桃太郎)を播種し、カ゛ラス温室(30℃
〜40℃)で2週間育苗した。尚、育苗期間中は自動灌水を
行った。育苗後、各プラグ苗を青枯病菌が土壌1gあたり
107cfu分離される青枯病発病土を充填したコンテナ(ハウス
桃太郎のフ゜ラク゛苗では、定植後2週間で全株が枯死する状
態)に定植した。定植後の罹病程度を調査した。調査方
法は、実施例3と同方法で行った。試験株数は、1区12
株の3反復で行った。結果を表3に示した。
【0027】
【表3】
【0028】(実施例5)実施例3の表2中のER-26を
使用して、108cells/mlの菌体懸濁液を調製した。この
菌体懸濁液10mlに1%次亜塩素酸ナトリウムと80%エタ
ノール水溶液により殺菌したトマト種子(品種:ハウス桃太
郎)1mlを浸漬し、室温で4時間浸種処理を行った。実施
例4で使用した熱処理培土をプラグ苗用トレイに充填し
滅菌水で充分に灌水後、浸種処理を行った処理種子を播
種し、28℃の人工気象器内で3週間育苗した。対照区と
して殺菌したトマト種子を同様に育苗した。育苗終了
後、実施例4と同じ青枯病発病土を充填したコンテナに
定植した。定植後の罹病程度を調査した。調査方法は、
実施例3と同方法で行った。試験株数は、1区6株の3反
復で行った。結果を表4に示した。
【0029】
【表4】
【0030】(実施例6)実施例3の表2中の本発明の
ER-71を使用して、5倍に希釈したポテトデキストロース
液体培地に接種し、28℃で2週間静置培養を行った。培
養後、滅菌水で100倍に希釈した。市販の育苗用培土を
用いて28℃の人工気象器内で4週間プラグ育苗したトマ
ト苗(品種:ハウス桃太郎)を実施例4と同じ青枯病発病土を
充填したコンテナにプラグ苗を定植する際の植穴に1穴
あたり50mlのER-71希釈培養液を灌注した。対照区とし
て滅菌水50mlを灌注した(1)区と5倍に希釈したポテトデ
キストロース液体培地50mlを灌注した(2)区を設けた。
灌注後、トマト苗を定植し定植後の罹病程度を調査し
た。調査方法は、実施例3と同方法で行った。試験株数
は、1区6株の3反復で行った。結果を表5に示した。
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】本発明の青枯病防除資材は、結晶性2,4-
シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生能を有し、かつ、抗生物質に対し
て耐性を示さない蛍光性細菌からなる青枯病防除資材で
あって、このような資材の使用によって農作物の青枯病
による被害を軽減することにより、環境保全下における
農業の生産性の向上を図ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 清水 克彦 兵庫県神戸市垂水区下畑町西下代161番地 の3 (72)発明者 前川 義雄 兵庫県三木市志染町東自由が丘3−491番 地 (72)発明者 秋山 泰三 兵庫県高砂市米田町神爪331−9番地 (72)発明者 林 佳徳 兵庫県加古郡稲美町国北2−50番地

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性2,4-シ゛アセチルフロロク゛ルシノール産生能を有
    し、かつ、抗生物質に対して耐性を示さない蛍光性細菌
    からなる青枯病防除資材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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