JPH0826898A - 人工格子の作製方法 - Google Patents

人工格子の作製方法

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JPH0826898A
JPH0826898A JP17971994A JP17971994A JPH0826898A JP H0826898 A JPH0826898 A JP H0826898A JP 17971994 A JP17971994 A JP 17971994A JP 17971994 A JP17971994 A JP 17971994A JP H0826898 A JPH0826898 A JP H0826898A
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和男 平田
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則昭 中山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のターゲットを用いるスパッタリング法
において、シャッターの開閉タイミングを制御すること
により、人工格子を構成する各層の膜厚を精密に制御す
る。 【構成】 窒素ガスの圧力を1Paにし、基板ホルダー
10を2rpmで回転する。バナジウムからなる第1タ
ーゲット12に185Wの電力を投入し、炭素からなる
第2ターゲット14に240Wの電力を投入する。基準
基板2aが、第1ターゲット12の手前にきたときに第
1シャッター16を開き、4回転したらこのシャッター
を閉じる。これで、6枚の基板に2.5nmの窒化バナ
ジウムが堆積する。次に、基準基板2aが第2ターゲッ
ト14の手前にきたときに第2シャッター18を開き、
1回転したらこれを閉じる。これで、さらに2.5nm
の窒化炭素が堆積し、1周期分が完成する。以上の作業
を30サイクル実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数のターゲットを
スパッタリングすることによって基板上に人工格子を作
製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2種類の物質(第1層物質と第2層物
質)を、それぞれ厚さλ1,λ2として、合計Λ(=λ
1+λ2)の周期長でN周期堆積した多層膜を人工格子
あるいは超格子と呼ぶ。各層を構成する物質の例として
は、単元素や、合金、化合物(窒化物、酸化物、半導体
など)がある。人工格子は天然に存在しない物質なの
で、特殊な機能が期待できる。最近では、人工格子を構
成する物質として、化合物半導体以外の金属や、炭化
物、窒化物、酸化物へと研究対象が拡大している。ま
た、応用面からも、それらの人工格子は、超高周波半導
体素子以外に、X線顕微鏡、モノクロメータ、ICマス
ク、超伝導素子、磁気抵抗素子、次世代光磁気ディスク
等々の多くの可能性がある。
【0003】人工格子の作製方法としては、スパッタリ
ング法やレーザーアブレーション法、イオンビームスパ
ッタ法等の種々の方法が試みられている。これらの作製
方法の中でスパッタリング法が量産化の観点から注目さ
れている。
【0004】石井等は2個(MoとSi)のターゲット
を用いるスパッタリング法で、周期長6.7nmの「M
o/Si」人工格子を作製し、軟X線で46%の反射率
を得ている。この人工格子は、直入射に近い条件で使用
する縮小露光用の光学鏡やマスクとして使用可能な反射
特性を備えている。(SR Science and Technology Info
rmation, Vol.1, No.1, 1991)
【0005】また、山本等も2個(MoとSi)のター
ゲットを用いるスパッタリング法で、「Mo/Si」の
161周期の人工格子を試作し、60〜80%の高い反
射率を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】人工格子の作製におい
て重要なポイントは、(1)第1層と第2層の膜厚が、
N周期にわたって、それぞれ一定であり、界面の凹凸も
ないこと。(2)量産化の観点から人工格子を一度に大
量に作製できること、の2点である。以下に、これらの
点を詳しく説明する。
【0007】(1)第1層と第2層の膜厚が、N周期に
わたって、それぞれ一定であり、界面の凹凸もないこ
と、について。特に光学用人工格子では、膜厚の誤差や
界面の凹凸があると、積層回数の増加に伴って乱れが累
積され、反射率が低下する。このような乱れによる界面
の位置の不確定性をΔzとすると、人工周期がΛである
とき、反射率の減衰因子はexp(−4π2 Δz2 /Λ
2 )となる。例えば、各層の膜厚がすべて2nm(Λ=
4nm)と仮定すると、減衰因子を80%にするにはΔ
zは0.2nmにする必要がある。このように、人工格
子の作製プロセスでは、界面の位置の不確定性をできる
だけ小さくする必要がある。
【0008】従来のスパッタリング法による人工格子の
作製プロセスでは、第1層堆積用のターゲットと第2層
堆積用のターゲットを同時に放電させて、同時にシャッ
ターを開放し、各ターゲットに順に対向するように基板
を回転させることにより、基板上に第1層と第2層を交
互に積層させている。この方法には次のような問題点が
ある。それぞれの膜の堆積速度は、まず、各ターゲット
に投入する電力に依存する。また、基板がターゲットの
対向位置を通過するときに堆積する膜厚は、基板回転速
度にも依存する。したがって、基板が1回転する間に所
定の膜厚を堆積させようとすれば、投入電力と基板回転
速度とを調節する必要があり、この投入電力と基板回転
速度は独立して任意の値にすることはできない。また、
スパッタリング法では、投入電力によって膜質がかなり
変化することが知られている。さらに、堆積速度によっ
ては人工格子中の界面の凹凸が変化することも考えられ
る。したがって、投入電力の最適条件はかなり限定され
る。一方、基板回転速度のゆらぎは膜厚誤差を引き起こ
すことになるが、基板回転機構についても、回転速度の
ゆらぎを生じにくいような最適な速度条件が存在しう
る。つまり、基板が1回転する間に所定の膜厚が堆積で
きるような投入電力と基板回転速度に調節してみても、
その投入電力と基板回転速度は、必ずしも、膜厚誤差や
界面凹凸の少ない良質な人工格子を作製するための最適
条件とはなっていないという問題がある。
【0009】特に、光学用人工格子では、第1層と第2
層の膜厚がほぼ等しい場合に高い反射率が得られるの
で、第1層と第2層の膜厚を等しくする、という条件が
さらに加わり、プロセスパラメータに対する制約はより
大きくなる。例えば、スパッタ率の大きく異なる2種類
の材料の組み合わせ(例えば重金属と炭素)で人工格子
を作製する場合、基板が1回転する間に第1層と第2層
を同じ膜厚だけ堆積しようとすると、スパッタ率の高い
方のターゲットの投入電力を、スパッタ率の低い方のタ
ーゲットよりも極端に低くする必要がある。このように
すると、投入電力を極端に低くした方のターゲットでは
放電が不安定にになりやすく、その堆積層では、膜厚や
膜質の再現性が得られなくなる。
【0010】また、最近、界面の平滑性を高めるため
に、窒化物や、炭化物、酸化物などからなる人工格子が
検討されているが、これらの人工格子では、反応性スパ
ッタリング法が用いられるため、ターゲット投入電力の
最適条件に対する制約はさらに大きくなる。
【0011】(2)量産化の観点から人工格子を一度に
大量に作製できること、について。前述したスパッタリ
ング法の文献は、研究試作的なデータだけを述べてい
て、実際に量産化する場合の問題には触れていない。従
来技術では、基板を各ターゲットに順に対向するように
回転させながら、2個のターゲットを同時に放電させ
て、同時にシャッターを開放しており、この状態で、基
板上に人工格子を作製している。基板上には第1層と第
2層を交互に積層する必要があるが、同時にシャッター
を開けた場合には、基板と各ターゲットとの相対位置関
係が問題になり、基板ホルダーに取り付け可能な基板の
個数が少なくなり、一度に大量に人工格子を作製するの
が難しい。この点を、図面を用いて説明する。
【0012】図11の(A)は、円筒型の回転基板ホル
ダー10の円筒面上に6枚の基板2a〜2fを取り付け
て、2個のターゲット12、14を用いて人工格子を作
製する従来方法の平面図である。二つのターゲット1
2、14を同時に放電させて、二つのシャッター16、
18を同時に開くと、基板ホルダー10が1回転する間
に、6枚の基板のそれぞれに、ターゲット12による第
1層とターゲット14による第2層とが堆積し、N回転
すれば、N周期の人工格子が完成する。ところで、この
図面に示す基板位置のときに二つのシャッター12、1
4を同時に開くと、基板2aは最初にターゲット12に
対向して第1層の方から堆積が開始するのに対して、基
板2dは最初にターゲット14に対向して第2層の方か
ら堆積が開始する。結局、基板2a〜2cの3枚は、基
板上に第1層物質から堆積が開始し、基板2d〜2fの
3枚は第2層物質から堆積が開始する。すなわち、全く
同じ人工格子とはならない。そして、第1層物質と第2
層物質のどちらが基板に接触するかによって人工格子の
品質が異なる場合があり得る。例えば、基板に接触する
膜と基板との相性によって、相互拡散の度合いが異なっ
たり、基板と膜との密着性が異なったりする。このよう
に、二つの層のうちの特定の層を必ず基板に接触させる
ような要求がある場合、図11の(A)に示すような基
板配置ではうまくいかない。同様に、人工格子の最上層
(表面層)を特定の層で終わらせるような要求がある場
合にも、同時に二つのシャッターを閉じる方法では、や
はり、うまくいかない。
【0013】これに対して、図11の(B)のように、
3枚の基板2a〜2cだけにすると、二つのシャッター
16、18の同時開閉でも、すべての基板について第1
層と第2層の配列を全く同じにすることができる。ただ
し、基板の処理枚数は少なくならざるを得ない。
【0014】そこで、この発明の目的は、人工格子を構
成する各層の膜厚を精密に制御できて、かつ、一度に大
量の人工格子薄膜を作製できるような方法を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の人工格子の作
製方法は、シャッターの開閉制御を主体とすることに特
徴がある。すなわち、この発明は、2種類の堆積層が周
期的に繰り返す人工格子を、複数のターゲットをスパッ
タリングすることによって基板上に作製する方法におい
て、まず、複数のターゲットに順番に対向しながら基板
が循環して運動するように基板を一定の速度で移動させ
るとともに、第1層堆積用ターゲットのためのシャッタ
ー(以下、第1シャッターという。)と第2層堆積用タ
ーゲットのためのシャッター(以下、第2シャッターと
いう。)とを閉じた状態で、第1層堆積用ターゲットと
第2層堆積用ターゲットにそれぞれ所定の電力を投入す
る。そして、このような状態において、次のようなシャ
ッター開閉制御を実施している。最初に、基板が第1層
堆積用ターゲットの対向位置にないときに第1シャッタ
ーを開き、基板が第1層堆積用ターゲットの対向位置を
所定回数だけ通過したのちに第1シャッターを閉じる。
これにより、基板上に第1層が所定の膜厚だけ堆積す
る。次に、基板が第2層堆積用ターゲットの対向位置に
ないときに第2シャッターを開き、基板が第2層堆積用
ターゲットの対向位置を所定回数だけ通過したのちに第
2シャッターを閉じる。これにより、第1層の上に、第
2層が所定の膜厚だけ堆積する。これで、1周期分の人
工格子が完成する。次に、このようなシャッター開閉制
御をN回だけ繰り返すと、N周期の人工格子が完成す
る。
【0016】第1層堆積用ターゲットは、1個に限ら
ず、2個以上のこともある。すなわち、同一種類の2個
のターゲットを使って堆積速度を増やすこともあるし、
異なる種類のターゲットを用いて基板上に複合材質層を
形成することも考えられる。第2層堆積用ターゲットに
ついても同様に、1個に限らない。
【0017】人工格子の作製においては、第1層と第2
層からなる周期をN周期だけ繰り返す必要があるので、
基板は複数のターゲットに順番に対向しながら循環して
運動する必要がある。この循環運動は、典型的には、基
板の回転運動で実現できる。例えば、円筒型や円形平板
型の基板ホルダーに基板を取り付けて、この基板ホルダ
ーを回転する。
【0018】シャッターの開閉タイミングは、基板がタ
ーゲットに対向していない時点にする必要がある。基板
上に膜が堆積する期間というのは、基板の一部がターゲ
ットに対向し始めてから、基板がターゲット対向位置か
ら完全に外れるまでの期間である。したがって、シャッ
ターを開くタイミングは、基板の一部がターゲットに対
向し始める以前とする。もし、基板の一部がターゲット
に対向し始めてからシャッターを開くと、そのときに堆
積し始めた堆積層は、目的の堆積膜厚より小さくなって
しまう。シャッターを閉じるタイミングも、同様に、基
板が完全にターゲット対向位置を通過したのちである。
【0019】基板が元の位置に戻るまでの経過時間を、
以下、循環所要時間と呼ぶことにすると、回転式の基板
ホルダーにあっては、循環所要時間は基板ホルダーが1
回転する時間に相当する。以下、回転基板ホルダーを例
にとって説明する。基板ホルダーが1回転する間に、基
板は第1層ターゲットの対向位置を1回だけ通過し、そ
の間に、所定の膜厚だけ第1層が堆積する。この堆積膜
厚が第1層必要膜厚に等しければ、基板ホルダーが1回
転したのちに第2層の堆積段階に移行すればよい。も
し、1回転する間の第1層堆積膜厚が第1層必要膜厚よ
り小さければ、基板ホルダーを2回転以上させて、必要
膜厚に達するまで第1層堆積段階を継続する必要があ
る。この説明から分かるように、基板ホルダーが1回転
する間に堆積する膜厚は、各層の必要膜厚の整数分の1
(必要膜厚に等しい場合を含む)にする必要がある。換
言すれば、このような条件を満足するように、基板の回
転速度とターゲット投入電力を調節する必要がある。基
板の回転速度と、ターゲット投入電力と、1回転する間
の堆積膜厚、との関係は、あらかじめ実験をして把握し
ておけばよい。
【0020】人工格子は、典型的には、2種類の層をN
周期だけ繰り返して作製するが、3種類以上の層をN周
期だけ繰り返すような人工格子を作製する場合にも、2
種類の層の場合と同様の方法で作製できる。
【0021】
【作用】回転基板ホルダーを使う場合を例にして作用を
説明する。まず、すべてのターゲットにそれぞれ所定の
電力を投入した状態で、基板ホルダーを一定速度で回転
させておく。最初に、第1シャッターを開いて基板ホル
ダーを1回転または2回転以上させてから第1シャッタ
ーを閉じることにより、基板上に所定の膜厚の第1層を
堆積する。次に、第2シャッターを開いて基板ホルダー
を1回転または2回転以上回転させてから第2シャッタ
ーを閉じることにより、基板上に所定の膜厚の第2層を
堆積する。これにより、1周期分の人工格子が完成す
る。このような第1層と第2層の堆積作業を、N回繰り
返すことにより、N周期の人工格子が完成する。
【0022】
【実施例】図1は、この発明の一実施例を示す平面配置
図であり、基板とターゲットとシャッターとの配置関係
を示している。この実施例は、2.5nmの厚さの窒化
バナジウムの層と、2.5nmの厚さの窒化炭素の層か
らなる1周期を、30周期だけ堆積した人工格子を作製
するものである。この人工格子を、[VNx (2.5n
m)/CNx (2.5nm)]30と表現することにす
る。
【0023】図1の(A)において、円筒型の基板ホル
ダー10の円筒面上には6個の基板2a〜2fが取り付
けられている。この基板ホルダー10は円筒面の中心線
の回りを2rpmの回転速度で回転する。第1ターゲッ
ト12はバナジウム、第2ターゲット14は炭素であっ
て、窒素ガス雰囲気中でこれらのターゲットをスパッタ
リングすることによって、基板上に窒化バナジウムと窒
化炭素を堆積することができる。まず、100%窒素ガ
スの圧力を1Paに保って、第1ターゲット12に18
5Wの高周波電力を投入し、第2ターゲット14に24
0Wの高周波電力を投入する。二つのシャッター16、
18は閉じた状態にある。
【0024】6個の基板のうちの特定の基板2a(この
基板を基準基板と呼ぶことにする。)が、第1ターゲッ
ト12に対向し始める手前の位置にきたときに、第1シ
ャッター16を開く。すると、この基板2aがターゲッ
ト12の対向位置を通過する間に、基板2aには窒化バ
ナジウムが0.625nmの厚さで堆積する。その次の
基板2bがターゲット12の対向位置を通過する間に
も、同様に、この基板2bに窒化バナジウムが同じ厚さ
だけ堆積する。このようにして、基準基板2aが図1の
(A)に示す元の位置に戻るまでの間(すなわち基板ホ
ルダー10が1回転する間)に、6枚の基板2a〜2f
のそれぞれに0.625nmの厚さの窒化バナジウムが
堆積する。
【0025】このような状態で、基板ホルダー10をさ
らに3回転(すなわち、合計4回転)させると、6枚の
基板のそれぞれに、0.625×4=2.5nmの窒化
バナジウムが堆積する。これで第1層の堆積が終了す
る。そして、基板ホルダー10が4回転して、図1の
(A)に示す基板位置(以下、A位置と呼ぶ。)に戻っ
たときに、第1シャッター16を閉じる。
【0026】次に、上述のA位置から基板ホルダー10
がさらに半回転(180度)だけ回転すると、図1の
(B)に示す基板位置(以下、B位置と呼ぶ。)とな
る。このB位置では、基準基板2aが、第2ターゲット
14に対向し始める手前の位置にある。このときに第2
シャッター18を開く。基板2aがターゲット14の対
向位置を通過する間に、基板2aには窒化炭素が2.5
nmの厚さで堆積する。その次の基板2bがターゲット
14の対向位置を通過する間にも、この基板2bに窒化
炭素が同じ厚さだけ堆積する。このようにして、基準基
板2aがB位置に戻るまでの間(すなわち基板ホルダー
10が1回転する間)に、6枚の基板2a〜2fのそれ
ぞれに2.5nmの厚さの窒化炭素が堆積する。そし
て、基準基板2aがB位置に戻ったときに、第2シャッ
ター18を閉じる。これで、第2層の堆積が終了する。
【0027】第2層の堆積が終了した時点のB位置か
ら、さらに基板ホルダー10が半回転すると、基板位置
はA位置に戻る。これで、1周期分の堆積作業が完了し
て、1サイクルが終了する。1周期分の堆積作業におい
て、基板ホルダーの回転回数は、第1層堆積作業の4回
転と、A位置からB位置に移る半回転と、第2層の堆積
作業の1回転と、B位置からA位置に戻るまでの半回
転、の合計で6回転となる。以上の第1層と第2層の堆
積作業を30回繰り返すことにより、目的の人工格子
[VNx (2.5nm)/CNx (2.5nm)]30
完成する。
【0028】図2は、上述した手順をグラフ化したタイ
ミングチャートである。バナジウムターゲットのシャッ
ター(Vシャッター)は基板ホルダーがA位置からA位
置まで4回転する間だけ開いており、また、炭素ターゲ
ットのシャッター(Cシャッター)は基板ホルダーがB
位置からB位置まで1回転する間だけ開いている。スタ
ートしてから最初の4回転の間に、窒化バナジウムが
2.5nmだけ堆積する。また、基板ホルダーが4.5
回転目から5.5回転目の間に窒化炭素が2.5nmだ
け堆積する。このようにして基板ホルダーが6回転する
ことで1周期分の作業(1サイクル)が終了する。これ
を30サイクル実施するので、基板ホルダーの回転回数
は合計で180回転となる。基板ホルダーの回転速度は
2rpmなので、全体の所要時間は90分である。
【0029】ところで、図2において、膜厚の増加グラ
フの時間軸は、基準基板2aの膜厚について示してあ
る。その次の基板2bについては、破線20で示すよう
に、基準基板より6分の1回転だけ遅れて膜が堆積して
いく。いずれにしても、基準基板がA位置からA位置に
戻る1回転の間に、6枚の基板すべてについて、いずれ
かの時点で膜が堆積する。
【0030】次に、シャッターを開閉するタイミングに
ついて詳しく説明する。図1の(A)において、第1タ
ーゲット12に対向する領域Lでは、ターゲットでスパ
ッタリングされた粒子が多く飛来する。したがって、こ
の領域Lに基板が存在しないような基板位置のときに、
第1シャッター16を開閉する必要がある。もし、この
領域Lに基板の一部でも入っているときに、第1シャッ
ター16を開いたり閉じたりすると、この基板が第1タ
ーゲット16の対向位置を通過する間に基板上に堆積す
る窒化バナジウムの膜厚は、予定した0.625nmよ
りも小さくなってしまう。これは、第2シャッターの開
閉タイミングについても同様である。
【0031】この実施例では、基板ホルダー10に6枚
の基板を等配で取り付けているので、どの基板を基準基
板としても、A位置とB位置とにおいて、すべての基板
がターゲット対向位置に存在しないような配置となる。
もし基準基板を特定の基板2aだけに限定すれば、基準
基板2aとその手前の基板2fとの間を領域L以上に離
しておきさえすれば、その他の基板間隔は領域Lよりも
狭くしても構わない。こうすれば、より多くの基板を基
板ホルダーに取り付けることができ、量産性が向上す
る。
【0032】なお、図1の(A)では領域Lをほぼター
ゲットの寸法と同程度に描いてあるが、実際には、領域
Lはターゲットの寸法よりもある程度大きくする必要が
ある。スパッタリングされた粒子はターゲットの正面以
外の方向にも飛んでいくからである。結局、ターゲット
対向位置の領域Lは、膜厚制御に実質的に影響を及ぼす
だけの粒子量が飛来する領域、と言うことができる。
【0033】図3は人工格子作製装置の全体構成を示す
平面断面図である。この装置は、いわゆるカルーセル型
の回転基板ホルダー10を備えるものであり、基板とタ
ーゲットとシャッターとの配置関係は上述の図1に示し
た通りである。この装置は、直径3インチの円形ターゲ
ット12,14を、円周上の180度離れた位置に、対
向して配置している。各ターゲットには、整合回路22
と高周波電源24が接続されている。ターゲット12,
14と基板ホルダー10の間には、それぞれ独立にシャ
ッター16,18があり、シャッター駆動機構26,2
8によって駆動されて開閉する。シャッター駆動機構2
6,28は、5kgf/cm2 の圧縮空気の制御により
駆動される。
【0034】基板2を取り出すときは、基板搬送機構3
0を用いることにより、処理室すなわち真空容器32を
大気にすることなく、基板2を外部に取り出すことがで
きる。スパッタリングガスとしては、2種類のガスを使
用できる構造になっており、例えば、アルゴンガスか窒
素ガス、または両方の混合ガスを用いることができる。
スパッタリングガスは、マスフローメーター(図示せ
ず)で流量制御しながら、リング状パイプ34に供給す
ることができ、このリング状パイプ34の複数のガス吹
き出し孔から真空容器32内にガスが導入される。
【0035】この装置を用いて上述のような人工格子を
作製するには、まず、真空容器32内を10-5Pa以下
の真空状態に排気してから、100%の窒素ガスを導入
し、マスフローメーターと主排気系メインバルブを調整
することにより真空容器32内の圧力を1Pに保つ。基
板回転速度は2rpmに保つ。この状態で、上述のよう
なシャッター開閉制御を実施して人工格子を作製する。
【0036】図4はシャッター開閉制御系を示した分解
斜視図である。基板回転モータ36の回転は回転導入機
38に伝達され、この回転導入機38の下端に固定され
た円筒型の基板回転ホルダー10は、矢印38の方向に
回転する。この基板ホルダー10には上述のように6枚
の基板2が取り付けられている。さらに、回転導入機3
8には円板40が固定され、この円板40には1本のセ
ンサー棒42が固定されている。したがって、このセン
サー棒42も基板ホルダー10と同じ回転速度で回転す
る。一方、真空容器に固定された中空円板44には、2
組のフォトセンサー46,48が、円周上で180度の
角度だけ離れて設置されている。センサー棒42がフォ
トセンサー46,48を通過すると、そのことがフォト
センサーで検知されるようになっている。そして、図1
の(A)に示す基板位置(A位置)のときに、ちょうど
センサー棒42が第1のフォトセンサー46を通過する
ように、センサー棒42と基板ホルダー10の位置関係
が定められている。また、図1の(B)に示す基板位置
(B位置)のときには、センサー棒42が第2のフォト
センサー48を通過する。
【0037】フォトセンサー46,48の出力は、基板
位置検出装置50に送られて基板位置が検出される。こ
の基板位置検出装置50の出力は、コンピュータ52に
送られ、そのディスプレイ上には、センサー棒42の位
置が表示されるようになっている。ディスプレイ上の円
周上の黒点54はセンサー棒42の位置を示している。
基板ホルダー10が回転すると、この黒点54もディス
プレイ上を円運動する。また、コンピュータ52は、基
板位置検出装置50の出力をもとにして、基板ホルダー
10の回転速度と回転回数を計算して、これを表示する
ことができる。
【0038】コンピュータ52からはシャッター開閉信
号がシャッター制御装置56に出力され、このシャッタ
ー制御装置56は電磁弁58にオンオフ信号を送ってい
る。これにより、電磁弁58で空気圧制御が実施され
て、図3のシャッター駆動機構26,28が開閉制御さ
れる。このようにして、基板ホルダー10の回転と、シ
ャッター16,18の開閉とのタイミングが制御され
る。
【0039】次に、ターゲット投入電力の決定方法につ
いて説明する。3d遷移金属元素の窒化物の層と窒化炭
素の層からなる人工格子は、軟X線光学材料への応用が
有望視されており、図5のグラフは、この種の人工格子
を作製する場合に使われる各種の窒化物の堆積速度を示
したものである。スパッタリング条件は、図3に示す装
置において、100%窒素ガスの圧力を1Paにして、
基板ホルダーの回転速度を2rpmとした。ターゲット
として、Cu,Cr,V,C,Niの5種類について実
験をし、回転する基板上にそれぞれの窒化物が堆積する
ときの堆積速度を測定した。なお、堆積速度は、基板が
ターゲットに対向しているときと対向していないときの
すべての時間を含んだ場合での平均値である。図5の横
軸がターゲット投入電力、縦軸が堆積速度である。
【0040】ところで、人工格子の第1層または第2層
として、ある窒化物層を2.5nmだけ堆積させるに
は、基板の1回転当たりの堆積厚さを、2.5nmか、
あるいはその整数分の1にする必要がある。これを堆積
速度に換算すると、基板は1分間に2回転するから、堆
積速度を5.0nm/minか、あるいはその整数分の
1にする必要がある。図5において、堆積速度が5.0
nm/minのところに破線を引いてある。窒化物層を
2.5nmとする場合には、これより大きい堆積速度は
使えないことになる。したがって、5.0nm/min
と同じか、その整数分の1の堆積速度となるように、タ
ーゲット電力を選択すればよい。例えば、バナジウムタ
ーゲットの場合、185Wの高周波電力を投入すると、
1.25nm/minの堆積速度が得られ、これは5.
0nm/minの4分の1となる。したがって、このタ
ーゲット電力で窒化バナジウムを堆積すると、基板が1
回転する間に、0.625nmだけ堆積し、4回転で
2.5nmの厚さとなる。また、炭素ターゲットの場
合、240Wの高周波電力を投入すると5.0nm/m
inの堆積速度が得られる。したがって、このターゲッ
ト電力で窒化炭素を堆積すると、基板が1回転する間に
2.5nmの厚さとなる。このようなターゲット電力を
用いて[VNx (2.5nm)/CNx (2.5n
m)]30の人工格子を作製したのが、上述の図2に示し
た実施例である。
【0041】次に、第2実施例として、[CrNx
(2.5nm)/CNx (2.5nm)]30の人工格子
を作製する手順を説明する。図1において、ターゲット
12をクロムとし、これに190Wの高周波電力を投入
して、窒化クロムの堆積速度を2.5nm/minに設
定した。また、ターゲット14を炭素として、これに2
40Wの高周波電力を投入して、窒化炭素の堆積速度を
5.0nm/minに設定した。窒素ガスの圧力や基板
回転速度は第1実施例と同じである。図6はこの場合の
手順を示すタイミングチャートである。A位置でクロム
ターゲットのシャッターを開き、2回転したらこのシャ
ッターを閉じる。これにより、1回転当たり1.25n
mの窒化クロムが堆積し、2回転で合計2.5nmとな
る。次に、B位置で炭素ターゲットのシャッターを開
き、1回転して元のB位置に戻ったら、このシャッター
を閉じる。これにより2.5nmの窒化炭素が堆積す
る。これで1周期分の人工格子が出来上がる。この作業
を30サイクル実施する。この実施例では、基板ホルダ
ーが4回転して1サイクルとなるので、全体の所要時間
は60分である。
【0042】次に、第3実施例として、[Cu3x
(2.5nm)/CNx (2.5nm)]30の人工格子
を作製する手順を説明する。図1において、ターゲット
12を銅とし、これに65Wの高周波電力を投入して、
窒化銅の堆積速度を5.0nm/minに設定した。ま
た、ターゲット14を炭素として、これに240Wの高
周波電力を投入して、窒化炭素の堆積速度を5.0nm
/minに設定した。窒素ガスの圧力や基板回転速度は
第1実施例と同じである。図7はこの場合の手順を示す
タイミングチャートである。A位置で銅ターゲットのシ
ャッターを開き、1回転して元のA位置に戻ったら、こ
のシャッターを閉じる。これにより、2.5nmの窒化
銅が堆積する。次に、B位置で炭素ターゲットのシャッ
ターを開き、1回転して元のB位置に戻ったら、このシ
ャッターを閉じる。これにより2.5nmの窒化炭素が
堆積する。これで1周期分の人工格子が出来上がる。こ
の作業を30サイクル実施する。この実施例では、基板
ホルダーが3回転して1サイクルとなるので、全体の所
要時間は45分である。
【0043】次に、第4実施例として、[NiNx
(2.5nm)/CNx (2.5nm)]30の人工格子
を作製する手順を説明する。図1において、ターゲット
12をニッケルとし、これに165Wの高周波電力を投
入して、窒化ニッケルの堆積速度を5.0nm/min
に設定した。また、ターゲット14を炭素として、これ
に240Wの高周波電力を投入して、窒化炭素の堆積速
度を5.0nm/minに設定した。窒素ガスの圧力や
基板回転速度は第1実施例と同じである。シャッター開
閉手順は図7に示した場合と全く同じになり、A位置か
らA位置までの1回転で窒化ニッケルが2.5nmだけ
堆積し、B位置からB位置までの1回転で窒化炭素が
2.5nmだけ堆積する。したがって、全体の所要時間
は、第3実施例と同じで45分である。
【0044】次に、第5実施例として、[CrNx
(2.5nm)/CNx (2.5nm)]30の人工格子
を作製する手順を説明する。この人工格子は、第2実施
例(図6のタイミングチャート)で作製したものと同じ
であるが、クロムターゲットを2個使う点が異なってい
る。図8は、第5実施例におけるターゲットと基板とシ
ャッターの配置関係を示す平面図である。図1の配置と
異なる点は、2個のターゲット12,14のほかに、第
3のターゲット13が配置されている点である。このタ
ーゲット13は、ターゲット12に対して円周上で60
度だけ離れた位置にある。当然、センサー棒を検出する
ための第3のフォトセンサーも、A位置を検出するため
のフォトセンサーから60度離れた位置に、追加して設
置してある。
【0045】ターゲット12と13はクロムであり、そ
の両方に190Wの高周波電力を投入して、個々のクロ
ムターゲットによる窒化クロムの堆積速度を2.5nm
/minに設定した。また、ターゲット14は炭素であ
り、これに240Wの高周波電力を投入して、窒化炭素
の堆積速度を5.0nm/minに設定した。窒素ガス
の圧力は1Paであり、基板回転速度は2rpmであ
る。まず、3個のシャッター16,17,18を閉じた
状態にしておく。
【0046】最初に、図8の(A)において、基準基板
2aがA位置にきたときに第1シャッター16を開き、
この基準基板2aが第1ターゲット12の対向位置を通
過する間に、窒化クロムを1.25nmの厚さで堆積す
る。そして、すぐその後に、(C)に示すように、基準
基板2aが第3ターゲット13の手前にきたとき(この
位置をC位置と呼ぶことにする。)に第3シャッター1
7も開いて、この基準基板2aに、引き続いて窒化クロ
ムを1.25nmの厚さで堆積する。これにより、基準
基板2aは二つのターゲット12,13の対向位置を通
過することにより合計で2.5nmの厚さの窒化クロム
が堆積する。その後につづく基板にも同様にして窒化ク
ロムが堆積する。基準基板2aが1回転して元のA位置
に戻ったときに、第1シャッター16を閉じ、さらに基
準基板2aがC位置に移動したときに第2シャッター1
7も閉じる。これにより、すべての基板に2.5nmの
窒化バナジウムが堆積する。この状態から、基準基板2
aがさらに、(B)に示すB位置にきたときに、今度
は、第2シャッター18を開く。これにより、基準基板
2aが第2ターゲット14の対向位置を通過する間に窒
化炭素が2.5nmの厚さで堆積する。そして、基準基
板2aがB位置まで戻ってきたときに、第2シャッター
18を閉じる。この状態から、さらに基準基板2aがA
位置まで戻ったときに、1サイクルが終了する。この1
サイクルの間に、基板ホルダー10は合計3回転してい
る。図9は、この1サイクルの手順を示すタイミングチ
ャートである。この作業を30サイクル繰り返すことに
より目的の人工格子を作製できる。全体の所要時間は4
5分である。
【0047】以上のように、2個のクロムターゲットと
1個の炭素ターゲットを使う(図9のタイミングチャー
ト)と、1個のクロムターゲットと1個の炭素ターゲッ
トを使う場合(図6のタイミングチャート)に比べて、
全体の所要時間が60分から45分に短縮される。成膜
時間の短縮には、このようにターゲットの個数を増やす
のが効果的である。また、ターゲット投入電力を増加さ
せることで堆積時間を短縮することも当然可能であり、
その場合は、基板ホルダーが1回転することで必要膜厚
(またはその整数分の1)が堆積するように、基板ホル
ダーの回転数の方も増加させればよい。本実施例の装置
では、基板回転速度を8rpmまで増加させることがで
きる。
【0048】上述の各実施例で特徴的なことは、堆積速
度の比較的大きいターゲット(銅やニッケルや炭素)で
は、基板ホルダーの1回転だけで必要膜厚が堆積できる
ようにターゲット投入電力を設定し、一方、堆積速度の
比較的小さいターゲット(バナジウムやクロム)では、
基板ホルダーを複数回回転させることによって必要膜厚
が堆積できるようにターゲット投入電力を設定している
点である。これにより、すべてのターゲットに対して、
堆積速度が比較的安定した電力領域を使うことができ、
膜厚の精度を0.1nmのレベルで制御することが可能
となった。
【0049】この発明は上述の実施例に限定されず、次
のような変更が可能である。
【0050】(1)センサー棒を検出するためのフォト
センサーを2組または3組設けずに、1組だけとしても
よい。この場合、例えばA位置だけをフォトセンサーで
検出して、ほかのB位置またはC位置は、A位置から1
80度または60度だけ回転した位置にあるものとし
て、コンピュータで計算する。
【0051】(2)窒化物の人工格子に限らずに、ほか
の材料からなる人工格子の作製方法にも本発明は適用で
きる。
【0052】(3)3種類の層からなる人工格子を作製
する場合には、上述の第1層と第2層の堆積段階の後
に、第3層の堆積段階を加えて、これを1サイクルとす
ればよい。
【0053】(4)図10に示すように、円形の平板型
基板ホルダーを用いてもよい。この図示の例では、2個
のターゲット60,62と基板ホルダー64が平行に対
向していて、基板ホルダー64の回転軸が基板面に垂直
になる。基板ホルダー64には4個の基板66が取り付
けられ、この基板ホルダー64が矢印68の方向に一定
速度で回転する。ターゲット60,62と基板ホルダー
64の間には個別にシャッター(図示せず)が配置さ
れ、これらのシャッターの開閉を制御することによって
人工格子を作製することができる。その作製手順は、基
本的には、円筒型の基板ホルダーを用いた場合と同様で
ある。
【0054】
【発明の効果】この発明の人工格子の作製方法は、堆積
速度の大きく異なる2種類の層を交互に堆積する場合で
あっても、シャッターの開閉タイミングを制御すること
によって、すべてのターゲットについて、堆積速度の安
定した投入電力領域が使用でき、精密な膜厚制御が可能
となる。また、基板配置に制約が少なくなり、生産性も
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す平面配置図である。
【図2】この発明の一実施例の手順を示すタイミングチ
ャート。
【図3】人工格子作製装置の全体構成を示す平面断面図
である。
【図4】シャッター開閉制御系を示した分解斜視図であ
る。
【図5】人工格子を構成する各種の窒化物の堆積速度を
示すグラフである。
【図6】第2実施例の手順を示すタイミングチャートで
ある。
【図7】第3実施例の手順を示すタイミングチャートで
ある。
【図8】第5実施例におけるターゲットと基板とシャッ
ターの配置関係を示す平面図である。
【図9】第5実施例の手順を示すタイミングチャートで
ある。
【図10】平板型の基板ホルダーを用いる場合の斜視図
である。
【図11】従来方法を示す平面配置図である。
【符号の説明】
10 基板ホルダー 12 第1ターゲット 14 第2ターゲット 16 第1シャッター 18 第2シャッター 2a〜2f 基板 L ターゲット対向位置の領域

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類の堆積層が周期的に繰り返す人工
    格子を、複数のターゲットをスパッタリングすることに
    よって基板上に作製する方法において、 複数のターゲットに順番に対向しながら基板が循環して
    運動するように基板を一定の速度で移動させる段階と、 第1層堆積用ターゲットのためのシャッター(以下、第
    1シャッターという。)と第2層堆積用ターゲットのた
    めのシャッター(以下、第2シャッターという。)とを
    閉じた状態で、第1層堆積用ターゲットと第2層堆積用
    ターゲットにそれぞれ所定の電力を投入する段階と、 基板が第1層堆積用ターゲットの対向位置にないときに
    前記第1シャッターを開く段階と、 基板が第1層堆積用ターゲットの対向位置を所定回数だ
    け通過したのちに前記第1シャッターを閉じる段階と、 基板が第2層堆積用ターゲットの対向位置にないときに
    前記第2シャッターを開く段階と、 基板が第2層堆積用ターゲットの対向位置を所定回数だ
    け通過したのちに前記第2シャッターを閉じる段階と、 前記第1シャッターを開く段階から前記第2シャッター
    を閉じる段階までを所定回数だけ繰り返す段階とを備え
    ることを特徴とする人工格子の作製方法。
  2. 【請求項2】 移動可能な基板ホルダーに複数の基板を
    取り付けて、この複数の基板上に同時に人工格子を作製
    することを特徴とする請求項1記載の人工格子の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 すべての基板がいずれのターゲットにも
    対向しない状態が可能なように、前記基板ホルダーに複
    数の基板を取り付けることを特徴とする請求項2記載の
    人工格子の作製方法。
  4. 【請求項4】 基板が元の位置に戻るまでの経過時間
    (以下、循環所要時間という。)中に第1層堆積用ター
    ゲットによって基板上に堆積できる膜厚が第1層の必要
    膜厚の整数分の1となるように、かつ、前記循環所要時
    間中に第2層堆積用ターゲットによって基板上に堆積で
    きる膜厚が第2層の必要膜厚の整数分の1となるよう
    に、基板の移動速度と第1層堆積用ターゲットの投入電
    力と第2層堆積用ターゲットの投入電力とを調節するこ
    とを特徴とする請求項1記載の人工格子の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記循環所要時間中における第1層また
    は第2層の堆積膜厚が、その層の必要膜厚と等しくなる
    ように、基板の移動速度と第1層堆積用ターゲットの投
    入電力と第2層堆積用ターゲットの投入電力とを調節す
    ることを特徴とする請求項1記載の人工格子の作製方
    法。
  6. 【請求項6】 円筒型の基板ホルダーの円筒面に基板を
    取り付けて、この基板ホルダーを前記円筒面の中心線の
    回りに回転させることを特徴とする請求項1または2に
    記載の人工格子の作製方法。
  7. 【請求項7】 平板型の基板ホルダーに基板を取り付け
    て、この基板ホルダーをその平面に垂直な軸線の回りに
    回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の
    人工格子の作製方法。
  8. 【請求項8】 第1層堆積用ターゲットと第2層堆積用
    ターゲットの少なくとも一方が、複数のターゲットであ
    ることを特徴とする請求項1記載の人工格子の作製方
    法。
  9. 【請求項9】 n(nは3以上の整数)種類の堆積層が
    周期的に繰り返す人工格子を、複数のターゲットをスパ
    ッタリングすることによって基板上に作製する方法にお
    いて、 複数のターゲットに順番に対向しながら基板が循環して
    運動するように基板を一定の速度で移動させる段階と、 すべてのターゲットに対して、それぞれのシャッターを
    閉じた状態で、それぞれ所定の電力を投入する段階と、 基板が第1層堆積用ターゲットの対向位置にないときに
    第1層堆積用ターゲットのためのシャッター(以下、第
    1シャッターという。)を開く段階と、 基板が第1層堆積用ターゲットの対向位置を所定回数だ
    け通過したのちに前記第1シャッターを閉じる段階と、 第2層堆積用ターゲットから第n層堆積用ターゲットま
    でのそれぞれについて、順番に、上述の第1層堆積用タ
    ーゲットの場合と同様にシャッターを開く段階から閉じ
    る段階までを実施する段階と、 前記第1シャッターを開く段階から第n層堆積用ターゲ
    ットのためのシャッターを閉じる段階までを所定回数だ
    け繰り返す段階とを備えることを特徴とする人工格子の
    作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006124778A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Shincron:Kk 薄膜形成装置及び薄膜形成方法

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