JPH08269642A - 内燃機関の排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼 - Google Patents
内燃機関の排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼Info
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- JPH08269642A JPH08269642A JP7167873A JP16787395A JPH08269642A JP H08269642 A JPH08269642 A JP H08269642A JP 7167873 A JP7167873 A JP 7167873A JP 16787395 A JP16787395 A JP 16787395A JP H08269642 A JPH08269642 A JP H08269642A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性に優れ,且つ耐高温塩腐食特性および
粒界腐食感受性も合せて改善した内燃機関の排ガス浄化
システム用オーステナイト系耐熱鋼を得る。 【構成】 C:0.06%以下,Si:4%を越え10
%以下,Mn:2.0%以下,Ni:12〜20%,C
r:16%を越え23%以下を含有し,必要に応じ,N
bとTiの1種または2種を0.1〜1.0%を含有し,
かつNb/(C+N)≧8,Ti/(C+N)≧4また
は(Ti+0.5Nb)/(C+N)≧4を満足し,さ
らに,希土類元素もしくはYの1種または2種以上を0
.001〜0.1%を含有し,残部がFeおよび製鋼上の
不可避的不純物よりなる排ガス浄化システム用オーステ
ナイト系耐熱鋼。
粒界腐食感受性も合せて改善した内燃機関の排ガス浄化
システム用オーステナイト系耐熱鋼を得る。 【構成】 C:0.06%以下,Si:4%を越え10
%以下,Mn:2.0%以下,Ni:12〜20%,C
r:16%を越え23%以下を含有し,必要に応じ,N
bとTiの1種または2種を0.1〜1.0%を含有し,
かつNb/(C+N)≧8,Ti/(C+N)≧4また
は(Ti+0.5Nb)/(C+N)≧4を満足し,さ
らに,希土類元素もしくはYの1種または2種以上を0
.001〜0.1%を含有し,残部がFeおよび製鋼上の
不可避的不純物よりなる排ガス浄化システム用オーステ
ナイト系耐熱鋼。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排ガス浄化シ
ステム用オーステナイト系耐熱鋼に関する。
ステム用オーステナイト系耐熱鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排気ガス浄化システムなどの厳
しい腐食環境下で使用される耐熱鋼に要求される特性と
しては高温強度特性,耐高温酸化特性,酸化スケールの
剥離抵抗などの一般的耐熱性に加えて,燃焼雰囲気での
高温ガス腐食あるいはPbO,V2O5などの各種酸化
物,PbCl2,NaCl,MgCl2,KClなどの塩
化物などを含む雰囲気での耐高温塩腐食および高温での
溶融塩腐食抵抗がある。さらに,例えば,冷却時には凝
縮水による湿食の問題もある。このような厳しい環境の
下では耐熱性表面処理鋼板ではもたず,耐熱用ステンレ
ス鋼が用いられ,このうち,耐熱性以外に加工性および
溶接性が要求される用途ではオーステナイト系ステンレ
ス鋼が選択される。
しい腐食環境下で使用される耐熱鋼に要求される特性と
しては高温強度特性,耐高温酸化特性,酸化スケールの
剥離抵抗などの一般的耐熱性に加えて,燃焼雰囲気での
高温ガス腐食あるいはPbO,V2O5などの各種酸化
物,PbCl2,NaCl,MgCl2,KClなどの塩
化物などを含む雰囲気での耐高温塩腐食および高温での
溶融塩腐食抵抗がある。さらに,例えば,冷却時には凝
縮水による湿食の問題もある。このような厳しい環境の
下では耐熱性表面処理鋼板ではもたず,耐熱用ステンレ
ス鋼が用いられ,このうち,耐熱性以外に加工性および
溶接性が要求される用途ではオーステナイト系ステンレ
ス鋼が選択される。
【0003】SUS304で代表されるオーステナイト
系耐熱鋼は,大気中で繰り返し加熱・冷却を受けるとフ
ェライト系耐熱鋼に比べスケールが剥離するという問題
があり,これはオーステナイト系耐熱鋼の熱膨張が大き
く加熱・冷却を受けると素地とスケールとの熱膨張差に
よってスケールに亀裂を生じ剥離するもので,これが大
きな欠点となっていた。これに対し,例えば特公昭56
−25507号公報に開示されているように,高Si含
有のオーステナイト系ステンレス鋼が種々開発され,従
来のSUS304に比べスケールの剥離抵抗の著しい改
善がなされ,SUS310Sに匹敵するか,それ以上の
特性を示すようになった。しかしながら,最近になって
これらの鋼でもなお腐食が生じる問題が発生した。
系耐熱鋼は,大気中で繰り返し加熱・冷却を受けるとフ
ェライト系耐熱鋼に比べスケールが剥離するという問題
があり,これはオーステナイト系耐熱鋼の熱膨張が大き
く加熱・冷却を受けると素地とスケールとの熱膨張差に
よってスケールに亀裂を生じ剥離するもので,これが大
きな欠点となっていた。これに対し,例えば特公昭56
−25507号公報に開示されているように,高Si含
有のオーステナイト系ステンレス鋼が種々開発され,従
来のSUS304に比べスケールの剥離抵抗の著しい改
善がなされ,SUS310Sに匹敵するか,それ以上の
特性を示すようになった。しかしながら,最近になって
これらの鋼でもなお腐食が生じる問題が発生した。
【0004】すなわち,内燃機関の排ガス管などで使用
されている部材の一部に著しい高温腐食を生じている例
がみつかり問題となっている。これらの腐食事例を調査
した結果,共通した現象として粒界腐食型の加速酸化が
発生しており,高温で塩の付着した状態あるいは溶融塩
状態での腐食であり,特に塩化物を含む塩による高温腐
食が著しいことがわかった。この高温塩腐食に対しては
既存の耐熱用ステンレス鋼であるSUS304,SUS
302B,SUSXM15J1,SUS321,および
SUS310Sなどいずれも十分ではなく新たな材料開
発が望まれている。以下には溶融塩も含めて単に高温塩
腐食とよぶ。
されている部材の一部に著しい高温腐食を生じている例
がみつかり問題となっている。これらの腐食事例を調査
した結果,共通した現象として粒界腐食型の加速酸化が
発生しており,高温で塩の付着した状態あるいは溶融塩
状態での腐食であり,特に塩化物を含む塩による高温腐
食が著しいことがわかった。この高温塩腐食に対しては
既存の耐熱用ステンレス鋼であるSUS304,SUS
302B,SUSXM15J1,SUS321,および
SUS310Sなどいずれも十分ではなく新たな材料開
発が望まれている。以下には溶融塩も含めて単に高温塩
腐食とよぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記のよう
な実状に鑑み,耐熱性に優れ,特に耐高温塩腐食特性に
優れ,かつ粒界腐食感受性も合せて改善した内燃機関の
排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼を提供す
ることを課題とする。
な実状に鑑み,耐熱性に優れ,特に耐高温塩腐食特性に
優れ,かつ粒界腐食感受性も合せて改善した内燃機関の
排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前述の問
題点を改善すべく研究を行った結果,基本組成がC≦0
.06%,Si:4.0越え〜10%,Mn≦2.0%,
Ni:12〜20%,Cr:16越え〜23%を含有す
ることを特徴とし,さらに必要に応じて(C+N)%に
応じて適量のTiあるいはNbを添加すること,または
微量の希土類元素もしくはYが添加することで上記の目
的の材料が得られることがわかった。すなわち,本発明
の主題である耐高温塩腐食特性の改善に対しては,Si
量を従来の範囲から大きく高Si側に移行させ,さらに
必要に応じてSiとの複合で希土類元素もしくはYを添
加することによって高温塩腐食環境下での保護皮膜を補
強し,かつ適量のNbおよび/あるいはTiの添加によ
って使用時の鋭敏化を防止し,粒界浸食型の高温塩腐食
と休止時の湿食による粒界腐食をともに改善するもので
ある。
題点を改善すべく研究を行った結果,基本組成がC≦0
.06%,Si:4.0越え〜10%,Mn≦2.0%,
Ni:12〜20%,Cr:16越え〜23%を含有す
ることを特徴とし,さらに必要に応じて(C+N)%に
応じて適量のTiあるいはNbを添加すること,または
微量の希土類元素もしくはYが添加することで上記の目
的の材料が得られることがわかった。すなわち,本発明
の主題である耐高温塩腐食特性の改善に対しては,Si
量を従来の範囲から大きく高Si側に移行させ,さらに
必要に応じてSiとの複合で希土類元素もしくはYを添
加することによって高温塩腐食環境下での保護皮膜を補
強し,かつ適量のNbおよび/あるいはTiの添加によ
って使用時の鋭敏化を防止し,粒界浸食型の高温塩腐食
と休止時の湿食による粒界腐食をともに改善するもので
ある。
【0007】すなわち,本発明によれば,重量%で,
C:0.06%以下Si:4%を越え10%以下,M
n:2.0%以下 Ni:12〜20% Cr:16%を越え23%以下を含有し,必要に応じ,
NbとTiの1種または2種を0.1〜1.0%を含有
し,かつ,Nb/(C+N)≧8,Ti/(C+N)≧
4または(Ti+0.5Nb)/(C+N)≧4を満足
し,さらに,希土類元素もしくはYの1種または2種以
上を0.001〜0.05%を含有し,残部がFeおよび
製鋼上の不可避的不純物よりなる排ガス浄化システム用
オーステナイト系耐熱鋼を提供するものである。
C:0.06%以下Si:4%を越え10%以下,M
n:2.0%以下 Ni:12〜20% Cr:16%を越え23%以下を含有し,必要に応じ,
NbとTiの1種または2種を0.1〜1.0%を含有
し,かつ,Nb/(C+N)≧8,Ti/(C+N)≧
4または(Ti+0.5Nb)/(C+N)≧4を満足
し,さらに,希土類元素もしくはYの1種または2種以
上を0.001〜0.05%を含有し,残部がFeおよび
製鋼上の不可避的不純物よりなる排ガス浄化システム用
オーステナイト系耐熱鋼を提供するものである。
【0008】
【作用】以下には本発明を具体的に説明する。本発明の
合金組成ならびに各添加元素の添加目的ならびに組成範
囲の限定理由を述べる。
合金組成ならびに各添加元素の添加目的ならびに組成範
囲の限定理由を述べる。
【0009】C:強力なオーステナイト形成元素であ
り,高温強度を得るためには必要な元素であるが,Cは
高温でCr元素と結合し,粒界にCr23C6として析出
し,粒界近傍にCr欠乏層を形成するので高温塩腐食の
進行を助長するとともに,エンジン休止時に凝縮水によ
る粒界腐食が生じるので低い方が好ましく,このために
上限を0.06%とした。
り,高温強度を得るためには必要な元素であるが,Cは
高温でCr元素と結合し,粒界にCr23C6として析出
し,粒界近傍にCr欠乏層を形成するので高温塩腐食の
進行を助長するとともに,エンジン休止時に凝縮水によ
る粒界腐食が生じるので低い方が好ましく,このために
上限を0.06%とした。
【0010】Si:耐酸化性および耐高温塩腐食性を改
善する上で最も重要な元素で4%以下,場合によっては
5%以下では耐高温塩腐食性に十分な効果が得られず,
一方10%以上では高温で多量のσ相を析出し,靱性が
劣化する。また,δフェライトが増し熱間加工性が問題
となり,さらに,硬さが増す為,加工性が低下するので
上限を10%とした。
善する上で最も重要な元素で4%以下,場合によっては
5%以下では耐高温塩腐食性に十分な効果が得られず,
一方10%以上では高温で多量のσ相を析出し,靱性が
劣化する。また,δフェライトが増し熱間加工性が問題
となり,さらに,硬さが増す為,加工性が低下するので
上限を10%とした。
【0011】Mn:熱間加工性改善に有効であるが耐酸
化性を低下させるので上限を2.0%とする。
化性を低下させるので上限を2.0%とする。
【0012】Ni:オーステナイト系ステンレス鋼の基
本的合金元素であり,また合金元素として耐酸化性,耐
高温塩腐食特性の改善に有効である。本発明では耐高温
湿塩腐食の点から高Siを含有するため,熱間加工性を
阻害するδフェライトを生成しやすいので,成分バラン
スを考慮してNiの下限を12%とした。一方,多量の
Niは製品原価を上げるため好ましくないので上限を2
0%とした。
本的合金元素であり,また合金元素として耐酸化性,耐
高温塩腐食特性の改善に有効である。本発明では耐高温
湿塩腐食の点から高Siを含有するため,熱間加工性を
阻害するδフェライトを生成しやすいので,成分バラン
スを考慮してNiの下限を12%とした。一方,多量の
Niは製品原価を上げるため好ましくないので上限を2
0%とした。
【0013】Cr:ステンレス鋼の耐食性および耐酸化
性を維持するために最も基本的な元素であり,本発明の
対象とする用途では16%以下では十分な効果が得られ
ない。一方,23%を越えて添加すると,Si含有量と
の関係からδフェライトを多量に生成するので上限を2
3%とした。
性を維持するために最も基本的な元素であり,本発明の
対象とする用途では16%以下では十分な効果が得られ
ない。一方,23%を越えて添加すると,Si含有量と
の関係からδフェライトを多量に生成するので上限を2
3%とした。
【0014】Nb:本発明鋼では粒界浸食型の高温塩腐
食およびエンジン休止時の凝縮水による湿食を防止する
ためにCを0.06%以下に抑えているが,これでも不
十分な場合にはNbを添加して粒界へのCrの炭窒化物
の析出を防止する。このNbはC,Nと結合して微細な
Nb(C,N)を形成し,耐食性のみならず高温強度,
とりわけクリープ強度の改善に大きな効果を有する。C
r炭,窒化物の析出を防止するには重量比でNb/(C
+N)≧8のNbが必要であるが,さらに高温強度を向
上させる目的からも0.1%以上のNb添加が必要であ
る。一方,1.0%を越えるのNb添加はδフェライト
量を増加させるので熱間加工性を害し,またδ相の析出
を加速するので靱性が低下する。
食およびエンジン休止時の凝縮水による湿食を防止する
ためにCを0.06%以下に抑えているが,これでも不
十分な場合にはNbを添加して粒界へのCrの炭窒化物
の析出を防止する。このNbはC,Nと結合して微細な
Nb(C,N)を形成し,耐食性のみならず高温強度,
とりわけクリープ強度の改善に大きな効果を有する。C
r炭,窒化物の析出を防止するには重量比でNb/(C
+N)≧8のNbが必要であるが,さらに高温強度を向
上させる目的からも0.1%以上のNb添加が必要であ
る。一方,1.0%を越えるのNb添加はδフェライト
量を増加させるので熱間加工性を害し,またδ相の析出
を加速するので靱性が低下する。
【0015】Ti:Nbと同一の目的からTiの添加も
有効である。TiはC,Nと結合してTi(C,N)を
形成して,耐食性のみならずクリープ強度の改善に大き
な効果を有する。Cr炭,窒化物の析出を防止するには
重量比でTi/(C+N)≧4のTiが必要であるが,
さらに高温強度を向上させる目的からも0.1%以上の
Ti添加が必要である。一方,1.0%を越えるTi添
加はδフェライト量を増加させるので熱間加工性を害
し,またσ相の析出を加速するので靱性が劣化する。T
iはまた加工性の改善にも効果がある。
有効である。TiはC,Nと結合してTi(C,N)を
形成して,耐食性のみならずクリープ強度の改善に大き
な効果を有する。Cr炭,窒化物の析出を防止するには
重量比でTi/(C+N)≧4のTiが必要であるが,
さらに高温強度を向上させる目的からも0.1%以上の
Ti添加が必要である。一方,1.0%を越えるTi添
加はδフェライト量を増加させるので熱間加工性を害
し,またσ相の析出を加速するので靱性が劣化する。T
iはまた加工性の改善にも効果がある。
【0016】なお,NbとTiはいずれか一方を含むだ
けでもよいが,複合で添加する場合には(Ti+0.5
Nb)/(C+N)≧4を満足すればCr炭,窒化物の
析出防止に有効である。
けでもよいが,複合で添加する場合には(Ti+0.5
Nb)/(C+N)≧4を満足すればCr炭,窒化物の
析出防止に有効である。
【0017】希土類元素およびY:耐高温塩腐食に対す
る耐性は基本的にはCrとSiによって維持される。し
かしながら,これは高温での連続使用時では十分な保護
性を有するものの,断続的な加熱・冷却がある時にはス
ケール剥離などの為にしばしば腐食の進行を生じ,この
ために断続加熱・冷却ではスケールの剥離抵抗を高める
必要がある。このような問題に対しては耐高温塩腐食を
改善するために高Siとしたが,さらに,希土類元素も
しくはYの添加がより有効であることがわかった。すな
わち,希土類元素およびYは高温塩腐食環境下での加熱
・冷却時のスケール剥離抵抗の改善に有効であり,この
ためには,希土類およびYは少なくとも0.001%を
要し,0.05%を越えて含有しても,耐高温塩腐食が
改善されることはなく,かつ高価な元素であるため,0
.05%を上限とする。
る耐性は基本的にはCrとSiによって維持される。し
かしながら,これは高温での連続使用時では十分な保護
性を有するものの,断続的な加熱・冷却がある時にはス
ケール剥離などの為にしばしば腐食の進行を生じ,この
ために断続加熱・冷却ではスケールの剥離抵抗を高める
必要がある。このような問題に対しては耐高温塩腐食を
改善するために高Siとしたが,さらに,希土類元素も
しくはYの添加がより有効であることがわかった。すな
わち,希土類元素およびYは高温塩腐食環境下での加熱
・冷却時のスケール剥離抵抗の改善に有効であり,この
ためには,希土類およびYは少なくとも0.001%を
要し,0.05%を越えて含有しても,耐高温塩腐食が
改善されることはなく,かつ高価な元素であるため,0
.05%を上限とする。
【0018】
【実施例】つぎに,本発明鋼について実施例を挙げて説
明する。表1に各種試験に用いた鋼の化学成分を示す。
これらの鋼は本発明鋼,本発明に規定する範囲外の比較
鋼とJIS規格鋼である。これらの鋼は真空溶解炉で溶
製され,鍛造によって直径25mm(25mmφ)の丸棒お
よび厚さ40mm(40mmt)の板とした。各丸棒は10
50〜1150℃の範囲で溶体化熱処理後JISG05
67およびZ2272に規定される高温引張およびクリ
ープ破断試験片に加工した。鍛造板は抽出温度1200
℃で熱延し,4mmtとし,以降,通常の冷延・焼鈍によ
って1.5mmtの板を作製し,各種試験に供した。
明する。表1に各種試験に用いた鋼の化学成分を示す。
これらの鋼は本発明鋼,本発明に規定する範囲外の比較
鋼とJIS規格鋼である。これらの鋼は真空溶解炉で溶
製され,鍛造によって直径25mm(25mmφ)の丸棒お
よび厚さ40mm(40mmt)の板とした。各丸棒は10
50〜1150℃の範囲で溶体化熱処理後JISG05
67およびZ2272に規定される高温引張およびクリ
ープ破断試験片に加工した。鍛造板は抽出温度1200
℃で熱延し,4mmtとし,以降,通常の冷延・焼鈍によ
って1.5mmtの板を作製し,各種試験に供した。
【0019】
【表1】
【0020】以下に,実験結果を詳細に説明する。図1
はNaClの塗布試験による耐高温塩腐食特性に及ぼす
Siの影響を700℃×20時間の条件で示す。塗布試
験は学振法に準じて行った。即ち,アセトンにNaCl
を懸濁し,これを試験片に20mg/cm2の割合で均一に
塗布し,所定の炉温に保持された電気炉中に装入した。
はNaClの塗布試験による耐高温塩腐食特性に及ぼす
Siの影響を700℃×20時間の条件で示す。塗布試
験は学振法に準じて行った。即ち,アセトンにNaCl
を懸濁し,これを試験片に20mg/cm2の割合で均一に
塗布し,所定の炉温に保持された電気炉中に装入した。
【0021】この図から,Siを4%より多く添加する
と腐食減量は著しく低減しており,耐高温塩腐食特性と
して十分な特性を得るには4%を越えるSi添加が必要
であることがわかる。一般に,オーステナイト系ステン
レス鋼の優れた耐熱性はその表面に形成されるCr2O3
の保護性皮膜によるが,この皮膜は大気酸化に対しては
きわめて強固であるが,本発明の対象としている高温塩
腐食環境下では保護性が劣り,加速的に腐食が進行す
る。これに対し,Siを4%より多く添加することで,
高温塩腐食に強い保護性の皮膜が形成されたものと考え
られる。
と腐食減量は著しく低減しており,耐高温塩腐食特性と
して十分な特性を得るには4%を越えるSi添加が必要
であることがわかる。一般に,オーステナイト系ステン
レス鋼の優れた耐熱性はその表面に形成されるCr2O3
の保護性皮膜によるが,この皮膜は大気酸化に対しては
きわめて強固であるが,本発明の対象としている高温塩
腐食環境下では保護性が劣り,加速的に腐食が進行す
る。これに対し,Siを4%より多く添加することで,
高温塩腐食に強い保護性の皮膜が形成されたものと考え
られる。
【0022】図2は前記と同様の塗布法(20時間)に
よって高温塩腐食の温度依存性を調べたものである。6
00〜800℃の温度範囲において本発明鋼は腐食減量
が低いことがわかる。
よって高温塩腐食の温度依存性を調べたものである。6
00〜800℃の温度範囲において本発明鋼は腐食減量
が低いことがわかる。
【0023】図3は飽和NaCl溶液を用いて繰り返し
加熱−浸漬試験を行ったもので,5分間浸漬,120分
間650℃に加熱,5分間空冷のサイクルを40回繰り
返した場合の重量減少をみたものである。この図より,
市販のJIS規格鋼種では高温塩腐食の抵抗が本発明鋼
に比べ著しく低いことがわかる。
加熱−浸漬試験を行ったもので,5分間浸漬,120分
間650℃に加熱,5分間空冷のサイクルを40回繰り
返した場合の重量減少をみたものである。この図より,
市販のJIS規格鋼種では高温塩腐食の抵抗が本発明鋼
に比べ著しく低いことがわかる。
【0024】表2に600〜800℃における高温短時
間引張特性を示す。表2から本発明鋼は優れた高温強度
特性を有することがわかる。
間引張特性を示す。表2から本発明鋼は優れた高温強度
特性を有することがわかる。
【0025】表3に,700℃で,応力16,12,1
0Kg/mm2の条件でクリープ破断試験を行った結果を示
す。表3から本発明鋼はクリープ破断強度も高いことが
わかる。本発明の鋼の中で,Si単独添加の鋼は高温短
時間引張強さは高いがクリープ破断強度はそれ程高くは
ない。しかし,高SiでさらにNb,Tiを添加した鋼
は長時間強度が著しく改善されている。
0Kg/mm2の条件でクリープ破断試験を行った結果を示
す。表3から本発明鋼はクリープ破断強度も高いことが
わかる。本発明の鋼の中で,Si単独添加の鋼は高温短
時間引張強さは高いがクリープ破断強度はそれ程高くは
ない。しかし,高SiでさらにNb,Tiを添加した鋼
は長時間強度が著しく改善されている。
【0026】表4に,650℃で2時間の鋭敏化熱処理
後,JIS G0575に準じて硫酸・硫酸銅腐食試験
を行い粒界腐食感受性を調査した。表4より本発明鋼は
比較鋼に比べ粒界腐食感受性はきわめて低いことがわか
る。
後,JIS G0575に準じて硫酸・硫酸銅腐食試験
を行い粒界腐食感受性を調査した。表4より本発明鋼は
比較鋼に比べ粒界腐食感受性はきわめて低いことがわか
る。
【0027】表5に室温における機械的性質および硬さ
を示す。表5よりTiあるいはNbの添加によって伸び
の向上が認められ,特にTiは軟質化に有効であり,ま
たCuの複合添加によって軟質化と同時に伸びも向上す
る。
を示す。表5よりTiあるいはNbの添加によって伸び
の向上が認められ,特にTiは軟質化に有効であり,ま
たCuの複合添加によって軟質化と同時に伸びも向上す
る。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】以上の実施例が示すように,従来,高温
塩腐食あるいは溶融塩腐食環境下では既存のオーステナ
イト系ステンレス鋼では十分実用に耐えうる鋼がなく,
そのために内燃機関の排ガス浄化システム用途において
は材料温度の低減あるいは部材の早期交換によって対応
せざるを得なかったが,本発明鋼はステンレス系耐熱鋼
として十分な耐熱性を有しかつ,製造性および加工性に
も優れていることにより,本発明鋼は時代の要請に答え
るものとして技術的,社会的,経済的に大きな効果を示
すものと思われる。
塩腐食あるいは溶融塩腐食環境下では既存のオーステナ
イト系ステンレス鋼では十分実用に耐えうる鋼がなく,
そのために内燃機関の排ガス浄化システム用途において
は材料温度の低減あるいは部材の早期交換によって対応
せざるを得なかったが,本発明鋼はステンレス系耐熱鋼
として十分な耐熱性を有しかつ,製造性および加工性に
も優れていることにより,本発明鋼は時代の要請に答え
るものとして技術的,社会的,経済的に大きな効果を示
すものと思われる。
【図1】図1は塗布法によるNaCl高温塩腐食特性を
700℃×20時間でみたもので,腐食減量に及ぼすS
i添加の影響を示す。
700℃×20時間でみたもので,腐食減量に及ぼすS
i添加の影響を示す。
【図2】図2は塗布法によるNaCl高温塩腐食特性を
600℃〜800℃×20時間でみたもので,腐食減量
と試験温度の関係を本発明鋼と比較鋼およびJIS規格
鋼について示す。
600℃〜800℃×20時間でみたもので,腐食減量
と試験温度の関係を本発明鋼と比較鋼およびJIS規格
鋼について示す。
【図3】図3は飽和NaCl溶液(20℃)を用いて,
5分間浸漬,120分間650℃に加熱,5分間空冷の
サイクルを40回繰り返した場合の重量減少を示す。
5分間浸漬,120分間650℃に加熱,5分間空冷の
サイクルを40回繰り返した場合の重量減少を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】 表5に室温における機械的性質および硬
さを示す。表5よりTiあるいはNbの添加によって伸
びの向上が認められ、特にTiは軟質化に有効である。
さを示す。表5よりTiあるいはNbの添加によって伸
びの向上が認められ、特にTiは軟質化に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 32/00 B01D 53/36 ZABG (72)発明者 清水 勇 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社鉄鋼研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.06%以下、Si:4%
を越え10%以下、Mn:2.0 %以下、Ni:12〜20%、C
r:16%を越え23%以下、を含有し,残部がFeおよび製
鋼上の不可避的不純物よりなる内燃機関の排ガス浄化シ
ステム用オーステナイト系耐熱鋼。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.06%以下、Si:4%
を越え10%以下、Mn:2.0 %以下、Ni:12〜20%、C
r:16%を越え23%以下、NbまたはTiの1種または2
種を 0.1〜1.0%含有し、かつ、Nb/(C+N)≧8、Ti/(C
+N)≧4または (Ti+0.5Nb)/(C+N)≧4を満足し、 残部がFeおよび製鋼上の不可避的不純物よりなる内燃
機関の排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼。 - 【請求項3】 重量%で、C:0.06%以下、Si:4%
を越え10%以下、Mn:2.0 %以下、Ni:12〜20%、C
r:16%を越え23%以下、希土類元素およびYの1種ま
たは2種以上を合計で 0.001〜0.05%、を含有し,残部
がFeおよび製鋼上の不可避的不純物よりなる内燃機関
の排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7167873A JPH08269642A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 内燃機関の排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7167873A JPH08269642A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 内燃機関の排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08269642A true JPH08269642A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=15857667
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7167873A Pending JPH08269642A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 内燃機関の排ガス浄化システム用オーステナイト系耐熱鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08269642A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014522724A (ja) * | 2011-08-08 | 2014-09-08 | ユニヴェルシテット・ヤジェロンスキ | 酸化窒素の直接分解のための触媒、およびその触媒の製造方法 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS49135812A (ja) * | 1973-05-04 | 1974-12-27 | ||
| JPS5138216A (ja) * | 1974-09-30 | 1976-03-30 | Nippon Steel Corp | Tainetsuko |
| JPS5456018A (en) * | 1977-10-12 | 1979-05-04 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Austenitic steel with superior oxidation resistance for high temperature use |
-
1995
- 1995-06-12 JP JP7167873A patent/JPH08269642A/ja active Pending
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS49135812A (ja) * | 1973-05-04 | 1974-12-27 | ||
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| JPS5456018A (en) * | 1977-10-12 | 1979-05-04 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Austenitic steel with superior oxidation resistance for high temperature use |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2014522724A (ja) * | 2011-08-08 | 2014-09-08 | ユニヴェルシテット・ヤジェロンスキ | 酸化窒素の直接分解のための触媒、およびその触媒の製造方法 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
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