JPH08269690A - 被覆層形成用フィルムと被覆フィルム - Google Patents

被覆層形成用フィルムと被覆フィルム

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JPH08269690A
JPH08269690A JP10003995A JP10003995A JPH08269690A JP H08269690 A JPH08269690 A JP H08269690A JP 10003995 A JP10003995 A JP 10003995A JP 10003995 A JP10003995 A JP 10003995A JP H08269690 A JPH08269690 A JP H08269690A
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守 関口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜される被覆層のガス遮断性と耐剥離性に
優れた被覆層形成用フィルムとこれを用いた被覆フィル
ムを提供すること。 【構成】 この被覆層形成用フィルム1は二軸延伸され
たポリエステルフィルム10とこの上に設けられたポリ
シラザンから成る無機高分子層11とで構成され、ま
た、被覆フィルム2は上記ポリエステルフィルム10と
この上に設けられたポリシラザンから成る無機高分子層
11とこの上に設けられたアルミニウムから成る被覆層
(蒸着膜)12とで構成される。そして、ポリシラザン
から成る無機高分子層は、従来の水性樹脂等で構成され
る中間層に較べて耐熱性を有しかつポリエステルフィル
ムと被覆層(蒸着膜)に対して強い接着性を有するた
め、ガス遮断性と耐剥離性に優れた被覆(蒸着)フィル
ムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属若しくは金属化合
物(金属酸化物や合金等)から成る被覆層が蒸着、スパ
ッタリング等の気相成長法により成膜される被覆層形成
用フィルムとこれを用いた被覆フィルムに係り、特に、
成膜される被覆層のガス遮断性と耐剥離性に優れた被覆
層形成用フィルムとこれを用いた被覆フィルムの改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレートあるいはその共重合体を溶融押出し
法にて製膜することはよく知られている。そして、この
様にして得られた二軸延伸ポリエステルフィルムは、寸
法安定性、耐熱性、電気的特性、ガス遮断性、耐薬品性
等が他のフィルムに較べて優れているため、蒸着用フィ
ルムと一般に称される被覆層形成用フィルムとして広く
包装用資材として利用されている。
【0003】しかし、その使用目的によっては被覆層形
成用フィルムと被覆層との密着性が不十分なため耐剥離
性に劣ったり、被覆層形成用フィルムの製膜時に添加さ
れる無機添加剤、あるいは各種安定剤に起因して被覆層
形成用フィルム上に設けられた被覆層にピンホール等が
形成され易くそのガス遮断性に劣る欠点があった。
【0004】この様な欠点を改善するため、ゼラチン、
カゼイン、セルロースやセルロース誘導体、ポリビニル
アルコール、ポリビニルメチルエーテル等水に溶解する
水性樹脂、あるいはアクリルエマルジョンで代表される
各種エマルジョンを用いてオフライン又はインラインで
ポリエステルフィルム上に中間層を形成し、この中間層
の作用により被覆層との接着性を向上させる方法が提案
されている。
【0005】また、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処
理等の公知の方法によりポリエステルフィルムの極表層
のみを改質させて被覆層との接着性を改善する方法も試
みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、後者のポリエ
ステルフィルムの極表層のみを改質させる方法において
はその接着性の改善が不十分であり、かつ、製膜時に添
加される無機添加剤等に起因したガス遮断性の問題につ
いてはこれを改善することは困難であった。
【0007】他方、前者の水性樹脂あるいは各種エマル
ジョンで構成される中間層を設ける方法についても未だ
不十分であった。すなわち、成膜時の温度条件が高温に
設定される蒸着法やスパッタリング法にて上記中間層上
に金属などの被覆層を成膜した場合、被覆層形成用フィ
ルムへの熱的負荷が大きくフィルム本体が軟化・分解さ
れ易いと共に、上記中間層も軟化・分解されてこれ等中
間層やフィルム本体から低分子ガスが放出され易く、中
間層上に成膜される被覆層にピンホール等が形成されそ
のガス遮断性が改善されない問題点を有していた。更
に、中間層が水性樹脂にて構成される場合、真空内で中
間層から水蒸気が放出されて被覆層の表面平滑性が損な
われ易く、同様に被覆層のガス遮断性が改善されない問
題点を有していた。
【0008】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、成膜される被覆層
のガス遮断性と耐剥離性に優れた被覆層形成用フィルム
とこれを用いた被覆フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、金属若しくは金属化合物から成る被覆層が気
相成長法により成膜される被覆層形成用フィルムを前提
とし、二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムと、このフ
ィルムの少なくとも片面に形成された無機高分子層とで
構成されることを特徴とするものである。
【0010】そして、この発明に係る被覆層形成用フィ
ルムにおいては、二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルム
の少なくとも片面に無機高分子層が設けられており、こ
の無機高分子層は、従来技術において述べられた水性樹
脂や各種エマルジョンで構成された中間層に較べその耐
熱性に優れているため、この無機高分子層上に金属若し
くは金属化合物から成る被覆層が気相成長法により成膜
される際、無機高分子層の軟化・分解が起こり難く、か
つ、無機高分子層の断熱作用により二軸延伸された熱可
塑性樹脂フィルムの熱的負荷も軽減させる。従って、成
膜時における上記熱可塑性樹脂フィルム等からの低分子
ガスの放出が抑制されるため、無機高分子層上に成膜さ
れる被覆層にピンホール等が形成され難く、かつ、その
表面平滑性も損なわれることがない。このため、被覆層
形成用フィルム上にガス遮断性と耐剥離性に優れた被覆
層を形成することが可能となる。
【0011】この様な技術的手段において上記無機高分
子層は炭素以外の単一又は複数種の元素が繰り返し結合
してできる無機高分子の被膜を意味しており、本発明に
おける無機高分子としては二軸延伸された熱可塑性樹脂
フィルムと金属若しくは金属化合物から成る被覆層の両
方に対し接着性を有する耐熱性材料が適用できる。
【0012】そして、上記無機高分子層は、二軸延伸さ
れた熱可塑性樹脂フィルム上に無機高分子あるいは無機
高分子前駆体が含まれる塗布液を塗布し、この塗布液を
加熱・乾燥させてあるいは塗布液内の無機高分子前駆体
を硬化・重合させて形成される。ここで、本発明におい
て適用できる無機高分子前駆体を含有する塗布液として
は、主鎖にSi−Nを、側鎖に水素またはアルキル基を
有する構造(SiHlmn で代表され、加熱若しくは
低温プラズマ処理により硬化・重合されるポリシラザン
の前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を含有
する塗布液が例示される。また、無機高分子を含有する
塗布液としては、H3Si(NHSiH2nNHSiH3
で示される一連のケイ素化合物又はその誘導体を含有す
る塗布液等が例示される。また、上記無機高分子又はそ
の前駆体等を溶解若しくは分散させる溶媒としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロキシフラン、塩化メチレン、四塩化炭素等から
選ばれた単一成分あるいは混合溶媒が適用される。一
方、これ等塗布液が塗布される二軸延伸された熱可塑性
樹脂フィルムとしてはポリエステルフィルムが適してい
るが、これ以外のナイロン、ポリプロピレンフィルム等
の適用も可能である。そして、二軸延伸された熱可塑性
樹脂フィルムとしてポリエステルフィルムを、また無機
高分子の前駆体としてポリシラザン前駆体若しくはこの
変性体又はこれ等の混合体等を適用した場合、二軸延伸
された熱可塑性樹脂フィルムと無機高分子層との接着性
並びに無機高分子層と金属若しくは金属化合物から成る
被覆層との接着性が良好でかつ無機高分子層の耐熱性も
優れているためその特性に優れた被覆層形成用フィルム
とすることができる。請求項2に係る発明はこの様な理
由により二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムと無機高
分子層の種類を特定した発明に関する。
【0013】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る被覆層形成用フィルムを前提とし、
二軸延伸された上記熱可塑性樹脂フィルムがポリエステ
ルフィルムにより構成され、かつ、上記無機高分子層が
ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混
合体を硬化・重合させて形成された酸化ケイ素系若しく
は窒化ケイ素系又はこれ等の混合系により構成されてい
ることを特徴とするものである。
【0014】この請求項2に係る発明において熱可塑性
樹脂フィルムを構成するポリエステルフィルムとは、二
塩基酸成分とグリコール成分とで構成される熱可塑性樹
脂フィルムである。そして、上記二塩基酸としては、テ
レフタール酸、イソフタール酸、フタール酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等の
芳香族性ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族
性ジカルボン酸等が例示される。また、上記グリコール
成分を構成する材料としては、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−ジクロロヘキサンジメタノー
ル、p−キシレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール等が例示される。また、上記ポ
リエステルフィルムについては、有機あるいは無機系の
滑剤、紫外線吸収剤、各種の添加剤等の助剤が配合され
ていてもよい。
【0015】尚、本発明の被覆層形成用フィルムが、二
軸延伸されたポリエステルフィルムと、ポリシラザン前
駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を硬化・重
合させて形成された酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系
又はこれ等の混合系等から成る無機高分子層とで構成さ
れる場合、配向結晶が完了する前のポリエステルフィル
ムに対し上記ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又
はこれ等の混合体が含まれる塗布液を塗布して無機高分
子層を形成するとポリエステルフィルムと無機高分子層
とが強固に接着された被覆層形成用フィルムにすること
ができる。請求項3〜7に係る発明はこの様な技術的理
由により特定された発明に関する。
【0016】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
2記載の発明に係る被覆層形成用フィルムを前提とし、
配向結晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なく
とも片面に、ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又
はこれ等の混合体を含有する塗布液が塗布され、かつ、
加熱処理により上記ポリシラザン前駆体若しくはこの変
性体又はこれ等の混合体を硬化・重合させて酸化ケイ素
系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上
記無機高分子層が形成されていることを特徴とする。
【0017】他方、請求項4に係る発明は、請求項2記
載の発明に係る被覆層形成用フィルムを前提とし、配向
結晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも
片面に、ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又はこ
れ等の混合体を含有する塗布液が塗布され、かつ、プラ
ズマ処理により上記ポリシラザン前駆体若しくはこの変
性体又はこれ等の混合体を硬化・重合させて酸化ケイ素
系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上
記無機高分子層が形成されていることを特徴とし、ま
た、請求項5に係る発明は、請求項4記載の発明に係る
被覆層形成用フィルムを前提とし、上記プラズマが、窒
素又は酸素の少なくとも一方のガスにて構成されている
ことを特徴とするものである。
【0018】更に、請求項6に係る発明は、請求項1記
載の発明に係る被覆層形成用フィルムを前提とし、配向
結晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも
片面に、H3Si(NHSiH2nNHSiH3で示され
るケイ素化合物又はその誘導体を含有する塗布液が塗布
され、かつ、この加熱・乾燥処理により酸化ケイ素系若
しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上記無
機高分子層が形成されていることを特徴とする。
【0019】これ等請求項3〜6に係る発明において配
向結晶が完了する前のポリエステルフィルムとは、上述
した二塩基酸成分とグリコール成分より成るポリエステ
ル樹脂を溶融押出し法にてフィルム状に製膜した後の未
延伸フィルム、あるいは、この未延伸フィルムを縦方向
若しくは横方向のいずれか一軸方向または両軸方向へ低
倍延伸配向させたフィルム等が対象となる。
【0020】また、ポリシラザン前駆体若しくはこの変
性体又はこれ等の混合体等を含有する塗布液をポリエス
テルフィルム上に塗布するタイミングについては、上述
したように塗布されるポリエステルフィルムの配向結晶
が完了する前である。具体的には、ロール延伸法により
一軸延伸されたポリエステルフィルムに上記塗布液の塗
布を行い、適当な乾燥工程を設けあるいはこの乾燥工程
を設けることなく先の延伸方向と直角の方向へ延伸し熱
処理して被覆層形成用フィルムを完成する方法等が例示
される。
【0021】尚、上記塗布液の塗布方式としては、公知
の塗布方法が適用でき特に限定されるものではない。例
えば、ロールコート法、グラビアコート法、スプレーコ
ート法、エアーナイフコート法等が挙げられる。
【0022】そして、請求項3に係る発明においては、
配向結晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なく
とも片面にポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又は
これ等の混合体を含有する塗布液が塗布された後、上記
ポリシラザン前駆体等が100℃〜300℃、好ましく
は200℃〜250℃で加熱処理され、この加熱により
ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混
合体が硬化・重合されて酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ
素系又はこれ等の混合系から成る上記無機高分子層が形
成される。尚、この加熱処理については、二軸延伸され
たポリエステルフィルムの製造工程中においてこのフィ
ルムに対し熱による寸法の収縮を安定させるために行わ
れる熱固定処理工程で代用することも可能である。
【0023】また、請求項4〜5に係る発明において
は、配向結晶が完了する前のポリエステルフィルムの少
なくとも片面にポリシラザン前駆体若しくはこの変性体
又はこれ等の混合体を含有する塗布液が塗布された後、
上記ポリシラザン前駆体等に対し水素を数パーセント含
む窒素、または、酸素のいずれか一方若しくは両方の成
分を含むガスにより発生された公知のプラズマ処理が施
され、このプラズマ処理によりポリシラザン前駆体若し
くはこの変性体又はこれ等の混合体が硬化・重合されて
酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系
から成る上記無機高分子層が形成される。尚、上記プラ
ズマについては、上述したガスにより数Torr〜1×10
-4Torr程度の真空度に維持された密閉系内に公知の電極
若しくは導波管を配置し、直流、交流、ラジオ波あるい
はマイクロ波等の電力を上記電極若しくは導波管を介し
て印加することにより任意のプラズマを発生させること
ができる。そして、発生されたプラズマのガス濃度の違
いにより硬化・重合後におけるポリシラザン前駆体若し
くはこの変性体又はこれ等の混合体の構造が、酸化ケイ
素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系と様々な
無機高分子となる。尚、プラズマ処理によりポリシラザ
ン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を硬化
・重合させる場合、加熱処理によりその硬化・重合を行
わせる場合に較べてポリエステルフィルムへの熱的なダ
メージがほとんど加わらないため、ポリエステルフィル
ムの熱劣化現象を回避できると共に、ポリシラザン前駆
体等の硬化・重合の際にポリエステルフィルム内に含ま
れる低分子ガスが放出され難くなり、被膜特性がより良
好な無機高分子層を形成できる利点を有する。
【0024】次に、ポリエステルフィルムの少なくとも
片面に塗布されるポリシラザン前駆体等を含有する塗布
液における塗布層の厚さdについては、0.001μm
<d<5μmの範囲より好ましくは0.001μmから
1μmの範囲に設定することが望ましい。上記厚さdが
0.001μm未満であると形成される無機高分子層の
機能が不十分となりこの上に成膜される被覆層にピンホ
ールやクラックが発生し易くなり、また、上記厚さdが
5μmを越えるとポリシラザン前駆体若しくはこの変性
体又はこれ等の混合体等が加熱されあるいはプラズマ処
理されて無機高分子層等が形成される際、体積収縮に伴
う塗膜の割れや脱落が生じて良好な無機高分子層が形成
されなくなるからである。請求項7に係る発明はこの様
な理由により上記塗布層の厚さdを特定した発明に関す
る。
【0025】すなわち、請求項7に係る発明は、請求項
3〜6記載の発明に係る被覆層形成用フィルムを前提と
し、ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等
の混合体を含有する塗布液、又は、H3Si(NHSi
2nNHSiH3で示されるケイ素化合物又はその誘
導体を含有する塗布液の塗布層の厚さdが、0.001
μm < d < 5μm の範囲に設定されていることを
特徴とするものである。
【0026】また、請求項8に係る発明は、ポリシラザ
ン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体等の加
熱若しくはプラズマ処理によりこれ等ポリシラザン前駆
体等を硬化・重合させて形成される無機高分子層の種類
をポリシラザンに特定した発明に関し、このポリシラザ
ンは酸化ケイ素系あるいは酸化ケイ素系と窒化ケイ素系
との混合系に係る他の無機高分子と較べてその耐熱性が
良好でかつ二軸延伸されたポリエステルフィルム並びに
金属若しくは金属化合物から成る被覆層に対してより良
好な接着性を有する。
【0027】すなわち、請求項8に係る発明は、請求項
1〜7記載の発明に係る被覆層形成用フィルムを前提と
し、上記無機高分子層が、一般式(SiHlmn [但
し、l=1〜3,m=0.1,n=600〜2100であ
る]で示されるポリシラザンにより構成されていること
を特徴とするものである。
【0028】尚、これ等の技術的手段においてポリエス
テルフィルム等熱可塑性樹脂フィルムの延伸条件、配向
結晶化条件については、従来から知られている条件を適
宜利用できる。また、ポリエステルフィルム等熱可塑性
樹脂フィルム上に上述の塗布液を塗布する直前に、コロ
ナ処理、アーク処理、または、プラズマ処理等の公知の
表面活性か処理を施してもよい。
【0029】次に、請求項9〜20に係る発明は上述し
た被覆層形成用フィルムを適用して構成される被覆フィ
ルムに関する。
【0030】すなわち、請求項9に係る発明は、二軸延
伸された熱可塑性樹脂フィルムと、この少なくとも片面
に気相成長法により成膜された金属若しくは金属化合物
から成る被覆層とで構成される被覆フィルムを前提と
し、上記熱可塑性樹脂フィルムと被覆層との間に無機高
分子層が設けられていることを特徴とし、また、請求項
10に係る発明は、請求項9記載の発明に係る被覆フィ
ルムを前提とし、上記無機高分子層がポリシラザン前駆
体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を硬化・重合
させて形成された酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又
はこれ等の混合系により構成されていることを特徴とす
るものである。
【0031】また、請求項11〜請求項16に係る発明
は、上述した請求項3〜請求項8に係る被覆層形成用フ
ィルムと同様の理由から被覆フィルムの構成を特定した
発明に関する。
【0032】すなわち、請求項11に係る発明は、請求
項10記載の発明に係る被覆フィルムを前提とし、上記
熱可塑性樹脂フィルムである配向結晶が完了する前のポ
リエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリシラザン
前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を含有す
る塗布液が塗布され、かつ、加熱処理により上記ポリシ
ラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を
硬化・重合させて酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又
はこれ等の混合系から成る上記無機高分子層が形成され
ていることを特徴とし、また、請求項12に係る発明
は、上記熱可塑性樹脂フィルムである配向結晶が完了す
る前のポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリ
シラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体
を含有する塗布液が塗布され、かつ、プラズマ処理によ
り上記ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ
等の混合体を硬化・重合させて酸化ケイ素系若しくは窒
化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上記無機高分子
層が形成されていることを特徴とし、請求項13に係る
発明は、請求項12記載の発明に係る被覆フィルムを前
提とし、上記プラズマが、窒素又は酸素の少なくとも一
方のガスにて構成されていることを特徴とし、請求項1
4に係る発明は、請求項9記載の発明に係る被覆フィル
ムを前提とし、上記熱可塑性樹脂フィルムである配向結
晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも片
面に、H3Si(NHSiH2nNHSiH3で示される
ケイ素化合物又はその誘導体を含有する塗布液が塗布さ
れ、かつ、この加熱・乾燥処理により酸化ケイ素系若し
くは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上記無機
高分子層が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0033】また、請求項15に係る発明は、請求項1
1〜14のいずれかに記載の発明に係る被覆フィルムを
前提とし、ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又は
これ等の混合体を含有する塗布液、又は、H3Si(N
HSiH2nNHSiH3で示されるケイ素化合物又は
その誘導体を含有する塗布液の塗布層の厚さdが、0.
001μm < d < 5μm の範囲に設定されている
ことを特徴とし、請求項16に係る発明は、請求項9〜
15のいずれかに記載の発明に係る被覆フィルムを前提
とし、上記無機高分子層が、一般式(SiHlmn
[但し、l=1〜3,m=0.1,n=600〜2100
である]で示されるポリシラザンにより構成されている
ことを特徴とするものである。
【0034】そして、これ等請求項9〜16に係る被覆
フィルムにおいては、二軸延伸された熱可塑性樹脂フィ
ルムと被覆層との間にポリシラザン前駆体等を硬化・重
合させて形成された酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系
又はこれ等の混合系等からなる無機高分子層が設けられ
ているため、この無機高分子層上に形成された金属若し
くは金属化合物から成る上記被覆層は、上記請求項1〜
8に係る被覆層形成用フィルムにおいて説明した理由と
同一の理由から優れたガス遮断性と耐剥離性を有してい
る。
【0035】尚、金属若しくは金属化合物から成る被覆
層の形成手段としては、蒸着法、イオンプレーティング
法、スパッタリング法等の物理的気相成長法や、プラズ
マCVD法等の化学的気相成長法等周知の成膜手段が適
用できる。
【0036】また、上記被覆層を構成する金属として
は、アルミニウム、カルシウム、クロム、コバルト、
銅、ガリウム、ゲルマニウム、金、銀、インジウム、
鉄、鉛、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデ
ン、ニッケル、白金、ケイ素、タンタル、錫、チタン、
タングステン、亜鉛、ジルコニウム等が例示され、又、
上記被覆層を構成する金属化合物としては、これ等金属
の酸化物、炭化物、窒化物等が例示され、更に、複数の
金属からなる合金や錫がドープされた酸化インジウム等
も適用できる。また、上記被覆層については単一材料か
ら成る被膜あるいは複数の混合材料から成る被膜でこれ
を構成してもよいし、場合によっては複数の薄膜で構成
される多層膜構造としてもよい。
【0037】そして、請求項17〜20に係る発明は、
被覆フィルムの用途に応じて被覆層を構成する材料を特
定した発明に関する。
【0038】すなわち、請求項17に係る発明は、請求
項9〜16記載の発明に係る被覆フィルムを前提とし、
上記被覆層を構成する金属化合物が、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素のいずれかである
ことを特徴とし、請求項18に係る発明は、上記被覆層
を構成する金属化合物が、酸化マグネシウム、酸化アル
ミニウム又は酸化ケイ素より選択された2種以上の混合
体であることを特徴とし、請求項19に係る発明は、上
記被覆層を構成する金属が、アルミニウムであることを
特徴とし、また、請求項20に係る発明は、上記被覆層
を構成する金属化合物が、錫をドープした酸化インジウ
ムであることを特徴とするものである。
【0039】
【作用】請求項1〜8記載の発明に係る被覆層形成用フ
ィルムによれば、二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルム
の少なくとも片面に無機高分子層が設けられており、こ
の無機高分子層は、従来技術において述べられた水性樹
脂や各種エマルジョンで構成された中間層に較べその耐
熱性に優れているため、この無機高分子層上に金属若し
くは金属化合物から成る被覆層が気相成長法により成膜
される際、無機高分子層の軟化・分解が起こり難く、か
つ、無機高分子層の断熱作用により二軸延伸された熱可
塑性樹脂フィルムの熱的負荷も軽減させる。
【0040】従って、成膜時における上記熱可塑性樹脂
フィルム等からの低分子ガスの放出が抑制されることか
ら無機高分子層上に成膜される被覆層にピンホール等が
形成され難く、かつ、その表面平滑性も損なわれないた
め、被覆層形成用フィルム上にガス遮断性と耐剥離性に
優れた被覆層を形成することが可能となる。
【0041】特に、請求項2に係る発明によれば、二軸
延伸された上記熱可塑性樹脂フィルムがポリエステルフ
ィルムにより構成され、かつ、上記無機高分子層がポリ
シラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体
を硬化・重合させて形成された酸化ケイ素系若しくは窒
化ケイ素系又はこれ等の混合系により構成されているた
め無機高分子層の耐熱性が大幅に改善されると共に、酸
化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系で
構成される無機高分子層はポリエステルフィルムと被覆
層の両方に対して接着性に優れているため耐剥離性が改
善される。
【0042】また、請求項3〜4に係る発明によれば、
配向結晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なく
とも片面にポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又は
これ等の混合体を含有する塗布液が塗布され、かつ、加
熱又はプラズマ処理により上記ポリシラザン前駆体若し
くはこの変性体又はこれ等の混合体を硬化・重合させて
酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系
から成る上記無機高分子層が形成されているため、無機
高分子層とポリエステルフィルムとの接着性が更に強固
となってその耐剥離性が大幅に改善される。
【0043】次に、請求項9〜20記載の発明に係る被
覆フィルムによれば、二軸延伸された熱可塑性樹脂フィ
ルムと被覆層との間に、ポリシラザン前駆体等を硬化・
重合させて形成された酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素
系又はこれ等の混合系等からなる無機高分子層が設けら
れていることから、この無機高分子層上に形成されてい
る被覆層は優れたガス遮断性と耐剥離性を有しているた
め、被覆フィルム全体として良好なガス遮断性と耐剥離
性を有している。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0045】[実施例1]まず、ポリシラザン前駆体
(東燃社製ポリシラザン 商品名TSX−448,20
重量%)をトルエンにより希釈してポリシラザン塗布液
を調製した。
【0046】一方、平均粒径が0.4μmの二酸化ケイ
素を650ppm含有する極限粘度0.62のポリエチ
レンテレフタレートを、285℃〜300℃の条件で溶
融押出し法にて製膜し、15℃の冷却ロールで抱きなが
ら冷却して厚さ120μmの未延伸フィルムを得た。こ
の未延伸フィルムを85℃に加熱された周速の異なる一
対のロール間で縦方向に3.5倍延伸し、かつ、このフ
ィルム上に上記ポリシラザン塗布液をロールコート方式
により塗布し、90℃の熱風で乾燥させ、次いでテンタ
ーで98℃の条件で横方向に3.5倍延伸させ、更に2
10℃〜220℃で熱固定処理を施してフィルム厚12
μm、塗布層の厚さ0.4μmの二軸延伸ポリエステル
フィルムから成る被覆層形成用フィルムを得た。
【0047】尚、図1(A)はこの被覆層形成用フィル
ム1の断面図で、ポリエステルフィルム10とこの上に
設けられたポリシラザンから成る無機高分子層11とで
構成されている。
【0048】そして、この様にして得られた被覆層形成
用フィルム1の無機高分子層11上に、巻取式蒸着装置
を用いて50nmのアルミニウムから成る被覆層を連続
的に蒸着して被覆フィルムを得た。
【0049】尚、図1(B)はこの被覆フィルム2の断
面図で、ポリエステルフィルム10と、このポリエステ
ルフィルム10上に設けられたポリシラザンから成る無
機高分子層11と、この無機高分子層11上に設けられ
たアルミニウムから成る被覆層12とで構成されてい
る。
【0050】[実施例2]蒸着材料としてアルミニウム
に代えて酸化ケイ素を用いた点を除き実施例1と同一の
方法により同様の被覆フィルムを得た。尚、被覆層を構
成する酸化ケイ素は、SiOX (x:0〜2)であっ
た。
【0051】[実施例3]蒸着材料としてアルミニウム
に代えて酸化マグネシウム(MgO)を用いた点を除き
実施例1と同一の方法により同様の被覆フィルムを得
た。
【0052】[実施例4]蒸着材料としてアルミニウム
に代えて酸化アルミニウムを用いた点を除き実施例1と
同一の方法により同様の被覆フィルムを得た。尚、被覆
層を構成する酸化アルミニウムは、AlOX (x:0〜
1.5)であった。
【0053】[実施例5]蒸着材料としてアルミニウム
に代えて酸化ケイ素と酸化マグネシウムの混合材料(2
0:80)を用いた点を除き実施例1と同一の方法によ
り同様の被覆フィルムを得た。尚、被覆層を構成する混
合材料(SiOX /MgO)の一方の酸化ケイ素はSi
X (x:0〜2)であった。
【0054】[実施例6]蒸着材料としてアルミニウム
に代えて酸化アルミニウムと酸化マグネシウムの混合材
料(50:50)を用いた点を除き実施例1と同一の方
法により同様の被覆フィルムを得た。尚、被覆層を構成
する混合材料(AlOX /MgO)の一方の酸化ケイ素
はAlOX (x:0〜1.5)であった。
【0055】[実施例7]蒸着材料としてアルミニウム
に代えて錫をドープした酸化インジウムを用いた点を除
き実施例1と同一の方法により同様の被覆フィルムを得
た。尚、被覆層を構成する酸化インジウムは、InOX
(x:0〜1.5)(Sn)であった。
【0056】[実施例8]実施例1においてポリシラザ
ン塗布液を塗布しない点を除き同様の方法にて二軸延伸
ポリエステルフィルムを得た。
【0057】次に、この二軸延伸ポリエステルフィルム
の片面に、実施例1において調製したポリシラザン塗布
液をグラビアコート法にて塗布層の厚さが0.4μmと
なるように塗布し、この塗布層に対して以下に示すプラ
ズマ処理条件にて連続的にプラズマ処理して無機高分子
層が形成された被覆層形成用フィルムを得た。
【0058】『プラズマ処理条件』 ガスの種類:空気 真空度 :1Torr 供給電力 :マイクロ波(2450MHz) 処理速度 :500m2・W/min そして、この様にして得られた被覆層形成用フィルムの
上記無機高分子層上に、巻取式蒸着装置を用いて50n
mのアルミニウムから成る被覆層を連続的に蒸着して被
覆フィルムを得た。
【0059】[実施例9]実施例8において二軸延伸ポ
リエステルフィルムの片面に塗布された塗布層に対し、
プラズマ処理でなしにオーブンの乾燥温度を90℃、1
00℃、110℃と順に上げて加熱処理を施し、この加
熱処理にて無機高分子層を形成した点を除き実施例8と
同様の被覆フィルムを得た。
【0060】[実施例10]実施例1においてポリシラ
ザン塗布液から成る塗布層の厚さが0.001μmであ
る点を除き実施例1と同一の方法で同様の被覆フィルム
を得た。
【0061】[実施例11]実施例8において適用した
二軸延伸ポリエステルフィルムに代えて20μm厚の二
軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、このフィルムの
片面に実施例1において調製したポリシラザン塗布液を
グラビアコート法にて塗布層の厚さが0.2μmとなる
ように塗布し、この塗布層に対して実施例8と同一のプ
ラズマ処理条件にて連続的にプラズマ処理し無機高分子
層が形成された被覆層形成用フィルムを得た。
【0062】そして、この様にして得られた被覆層形成
用フィルムの上記無機高分子層上に、巻取式蒸着装置を
用いて50nmのアルミニウムから成る被覆層を連続的
に蒸着して被覆フィルムを得た。
【0063】[実施例12]蒸着材料としてアルミニウ
ムに代えて酸化マグネシウム(MgO)を用いた点を除
き実施例11と同一の方法により同様の被覆フィルムを
得た。
【0064】[実施例13]蒸着材料としてアルミニウ
ムに代えて酸化ケイ素を用いた点を除き実施例11と同
一の方法により同様の被覆フィルムを得た。尚、被覆層
を構成する酸化ケイ素は、SiOX (x:0〜2)であ
った。
【0065】[比較例1]実施例1においてポリシラザ
ン塗布液から成る塗布層の厚さが5.0μmである点を
除き実施例1と同一の方法で同様の被覆フィルムを得
た。
【0066】[比較例2]実施例11においてポリシラ
ザン塗布液を塗布せずに20μm厚の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム上に50nmのアルミニウムから成る被
覆層を直接成膜した点を除き実施例11と同一の方法に
より同様の被覆フィルムを得た。
【0067】[比較例3]実施例12においてポリシラ
ザン塗布液を塗布せずに20μm厚の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム上に50nmの酸化マグネシウム(Mg
O)から成る被覆層を直接成膜した点を除き実施例12
と同一の方法により同様の被覆フィルムを得た。
【0068】[比較例4]実施例13においてポリシラ
ザン塗布液を塗布せずに20μm厚の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム上に50nmの酸化ケイ素(SiOX
x:0〜2)から成る被覆層を直接成膜した点を除き実
施例13と同一の方法により同様の被覆フィルムを得
た。
【0069】[比較例5]水性樹脂から成る中間層が設
けられた従来の被覆層形成用フィルム(ユニチカ社製
商品名PTJ)を用いた点を除き実施例1と同一の方法
で同様の被覆フィルムを得た。
【0070】『評価試験』次に、得られた各実施例に係
る被覆フィルムと比較例に係る被覆フィルムについてそ
のガス遮断性(酸素透過度)と耐剥離性(密着性)を評
価するための試験を行った。
【0071】(1)ガス遮断性(酸素透過度)試験 JISK7126の等圧法による酸素ガスの透過度を測
定した。
【0072】測定器 :MoconOxtran 50/1
00 (ModernControll) 測定条件:27℃−100%RH これ等の結果を下記の表1に示す。尚、表では数値のみ
表示されているがその単位は(cc/m2/day/a
tm)である。
【0073】(2)耐剥離性(密着性)試験 成膜された各被覆層(蒸着膜)と実施例で適用されたポ
リエステルフィルムあるいはポリプロピレンフィルムと
の密着性を調べるため、JISK7127に基づき、そ
の実用的な方法としてウレタン系の二液硬化型接着剤を
用い上記被覆層(蒸着膜)と厚さ60μmの未延伸ポリ
プロピレンフィルムとをラミネートし、その後、上記未
延伸ポリプロピレンフィルムを剥がしてそのピール強度
をテンシロン試験機で測定し、被覆層(蒸着膜)がポリ
エステルフィルムあるいはポリプロピレンフィルムにど
の程度残存しているかを評価した。
【0074】評価基準 ランク1:被覆層(蒸着膜)がまったく残っていない。
【0075】ランク2:被覆層(蒸着膜)が40%未満
残っている。
【0076】ランク3:被覆層(蒸着膜)が40以上8
0%未満残っている。
【0077】ランク4:被覆層(蒸着膜)が80%以上
100%未満残っている。
【0078】ランク5:被覆層(蒸着膜)が100%残
っている。
【0079】これ等の結果を下記の表1に示す。
【0080】
【表1】 『確認』表1のデータから、各実施例のガス遮断性(酸
素透過度)については比較例のそれに較べて大幅に改善
されていることが確認できる。また、耐剥離性(密着
性)試験については実施例9〜10が比較例5より若干
劣っているがそれでもランク3を示しており、上記ガス
遮断性(酸素透過度)との総評価で従来より優れている
ことが確認される。
【0081】尚、比較例1において酸素透過度が空欄に
なっているのは、ポリシラザン塗布液から成る塗布層に
クラックが入ったために測定ができなかったことによ
る。
【0082】
【発明の効果】請求項1〜8の発明によれば、金属若し
くは金属化合物から成る被覆層を被覆層形成用フィルム
上へ気相成長法で成膜する際、無機高分子層の作用によ
り熱可塑性樹脂フィルム等からの低分子ガスの放出が抑
制され無機高分子層上に成膜される被覆層にピンホール
等が形成され難く、かつ、その表面平滑性も損なわれな
いため、被覆層形成用フィルム上にガス遮断性と耐剥離
性に優れた被覆層を形成できる効果を有する。
【0083】また、請求項9〜20に係る発明によれ
ば、二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムと被覆層との
間に設けられた無機高分子層の作用によりこの無機高分
子層上に形成された被覆層は優れたガス遮断性と耐剥離
性を有している。
【0084】従って、ガス遮断性と耐剥離性に優れた被
覆フィルムを提供できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は実施例に係る被覆層形成用フィル
ムの断面図、図1(B)は実施例に係る被覆フィルムの
断面図である。
【符号の説明】
1 被覆層形成用フィルム 2 被覆フィルム 10 ポリエステルフィルム 11 無機高分子層 12 被覆層

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属若しくは金属化合物から成る被覆層が
    気相成長法により成膜される被覆層形成用フィルムにお
    いて、 二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムと、このフィルム
    の少なくとも片面に形成された無機高分子層とで構成さ
    れることを特徴とする被覆層形成用フィルム。
  2. 【請求項2】二軸延伸された上記熱可塑性樹脂フィルム
    がポリエステルフィルムにより構成され、かつ、上記無
    機高分子層がポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又
    はこれ等の混合体を硬化・重合させて形成された酸化ケ
    イ素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系により
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の被覆層
    形成用フィルム。
  3. 【請求項3】配向結晶が完了する前のポリエステルフィ
    ルムの少なくとも片面に、ポリシラザン前駆体若しくは
    この変性体又はこれ等の混合体を含有する塗布液が塗布
    され、かつ、加熱処理により上記ポリシラザン前駆体若
    しくはこの変性体又はこれ等の混合体を硬化・重合させ
    て酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合
    系から成る上記無機高分子層が形成されていることを特
    徴とする請求項2記載の被覆層形成用フィルム。
  4. 【請求項4】配向結晶が完了する前のポリエステルフィ
    ルムの少なくとも片面に、ポリシラザン前駆体若しくは
    この変性体又はこれ等の混合体を含有する塗布液が塗布
    され、かつ、プラズマ処理により上記ポリシラザン前駆
    体若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を硬化・重合
    させて酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の
    混合系から成る上記無機高分子層が形成されていること
    を特徴とする請求項2記載の被覆層形成用フィルム。
  5. 【請求項5】上記プラズマが、窒素又は酸素の少なくと
    も一方のガスにて構成されていることを特徴とする請求
    項4記載の被覆層形成用フィルム。
  6. 【請求項6】配向結晶が完了する前のポリエステルフィ
    ルムの少なくとも片面に、H3Si(NHSiH2n
    HSiH3で示されるケイ素化合物又はその誘導体を含
    有する塗布液が塗布され、かつ、この加熱・乾燥処理に
    より酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混
    合系から成る上記無機高分子層が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の被覆層形成用フィルム。
  7. 【請求項7】ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又
    はこれ等の混合体を含有する塗布液、又は、H3Si
    (NHSiH2nNHSiH3で示されるケイ素化合物
    又はその誘導体を含有する塗布液の塗布層の厚さdが、 0.001μm < d < 5μm の範囲に設定されて
    いることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の
    被覆層形成用フィルム。
  8. 【請求項8】上記無機高分子層が、一般式(SiH
    lmn [但し、l=1〜3,m=0.1,n=600〜
    2100である]で示されるポリシラザンにより構成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載の被覆層形成用フィルム。
  9. 【請求項9】二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムと、
    この少なくとも片面に気相成長法により成膜された金属
    若しくは金属化合物から成る被覆層とで構成される被覆
    フィルムにおいて、 上記熱可塑性樹脂フィルムと被覆層との間に無機高分子
    層が設けられていることを特徴とする被覆フィルム。
  10. 【請求項10】上記無機高分子層がポリシラザン前駆体
    若しくはこの変性体又はこれ等の混合体を硬化・重合さ
    せて形成された酸化ケイ素系若しくは窒化ケイ素系又は
    これ等の混合系により構成されていることを特徴とする
    請求項9記載の被覆フィルム。
  11. 【請求項11】上記熱可塑性樹脂フィルムである配向結
    晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも片
    面に、ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ
    等の混合体を含有する塗布液が塗布され、かつ、加熱処
    理により上記ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又
    はこれ等の混合体を硬化・重合させて酸化ケイ素系若し
    くは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上記無機
    高分子層が形成されていることを特徴とする請求項10
    記載の被覆フィルム。
  12. 【請求項12】上記熱可塑性樹脂フィルムである配向結
    晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも片
    面に、ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体又はこれ
    等の混合体を含有する塗布液が塗布され、かつ、プラズ
    マ処理により上記ポリシラザン前駆体若しくはこの変性
    体又はこれ等の混合体を硬化・重合させて酸化ケイ素系
    若しくは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上記
    無機高分子層が形成されていることを特徴とする請求項
    10記載の被覆フィルム。
  13. 【請求項13】上記プラズマが、窒素又は酸素の少なく
    とも一方のガスにて構成されていることを特徴とする請
    求項12記載の被覆フィルム。
  14. 【請求項14】上記熱可塑性樹脂フィルムである配向結
    晶が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも片
    面に、H3Si(NHSiH2nNHSiH3で示される
    ケイ素化合物又はその誘導体を含有する塗布液が塗布さ
    れ、かつ、この加熱・乾燥処理により酸化ケイ素系若し
    くは窒化ケイ素系又はこれ等の混合系から成る上記無機
    高分子層が形成されていることを特徴とする請求項9記
    載の被覆フィルム。
  15. 【請求項15】ポリシラザン前駆体若しくはこの変性体
    又はこれ等の混合体を含有する塗布液、又は、H3Si
    (NHSiH2nNHSiH3で示されるケイ素化合物
    又はその誘導体を含有する塗布液の塗布層の厚さdが、 0.001μm < d < 5μm の範囲に設定されて
    いることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記
    載の被覆フィルム。
  16. 【請求項16】上記無機高分子層が、一般式(SiHl
    mn [但し、l=1〜3,m=0.1,n=600〜2
    100である]で示されるポリシラザンにより構成され
    ていることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記
    載の被覆フィルム。
  17. 【請求項17】上記被覆層を構成する金属化合物が、酸
    化マグネシウム、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素のい
    ずれかであることを特徴とする請求項9〜16のいずれ
    かに記載の被覆フィルム。
  18. 【請求項18】上記被覆層を構成する金属化合物が、酸
    化マグネシウム、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素より
    選択された2種以上の混合体であることを特徴とする請
    求項9〜16のいずれかに記載の被覆フィルム。
  19. 【請求項19】上記被覆層を構成する金属が、アルミニ
    ウムであることを特徴とする請求項9〜16のいずれか
    に記載の被覆フィルム。
  20. 【請求項20】上記被覆層を構成する金属化合物が、錫
    をドープした酸化インジウムであることを特徴とする請
    求項9〜16のいずれかに記載の被覆フィルム。
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