JPH08269831A - 異繊度太細ポリエステル混繊糸 - Google Patents

異繊度太細ポリエステル混繊糸

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JPH08269831A
JPH08269831A JP7074969A JP7496995A JPH08269831A JP H08269831 A JPH08269831 A JP H08269831A JP 7074969 A JP7074969 A JP 7074969A JP 7496995 A JP7496995 A JP 7496995A JP H08269831 A JPH08269831 A JP H08269831A
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yarn
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thick
filament group
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JP7074969A
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Tetsuo Tsukamoto
哲男 塚本
Tokuharu Fukazawa
徳春 深澤
Yoshiaki Sato
慶明 佐藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 艶消し剤を含有した太繊度太細糸と細繊度太
細糸からなる混繊糸であって、混繊糸のウースタムラ、
沸収率、連続湿熱収縮応力値およびその変動率を規定し
た異繊度太細ポリエステル混繊糸。 【効果】 自然なムラと防透け性、ドライタッチ感、落
ち感を有し、衣料用素材、インテリア製品素材、車両内
装資材などに適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異繊度で太細斑がある
フィラメントからなるポリエステル混繊糸に関する。さ
らに詳しくは、布帛にした時に絹紡調の表面感覚が発現
される自然な外観および風合を有することができるポリ
エステル混繊糸に関する。
【0002】特に布帛を晒し加工や白色染色加工および
淡色染色加工にした場合に自然な外観および風合を付与
できる糸条として有効に使用できるものである。
【0003】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、機械的性質、化学
的性質、イージーケア性、光沢性等優れた特性から一般
衣料用や産資建装用として広く利用されている。特に最
近では、ポリエステル繊維の優れた特性を応用して他の
繊維にない独特な製品が開発されている。また、消費者
のニーズの多様化および個性化した感性のニーズの中で
新規な質感の繊維製品や新規な風合の繊維製品など、従
来にはない高品質ないろいろな性能が求められている。
【0004】最近のポリエステル繊維製品の中で高品質
の製品の多くは、用いられる繊維糸条として単なる1種
の繊維だけでなく、特性の異なった2種以上の繊維を複
合または混合したいわゆる複合糸または混繊糸を用いて
いる場合が多く、例えば異繊度混繊糸、異形状混繊糸、
異収縮混繊糸などの多くの技術が提案されている。マル
チフィラメントあるいはフィラメントの長さ方向に太細
を有する繊維糸条においても上述のような混繊糸の技術
が多く提案されている。
【0005】たとえば、特開昭57−77341号公報
には、高配向と低配向の2種のポリエステルマルチフィ
ラメントを用いて特殊な条件で延伸合糸し空気流体処理
を施すことによってソフトなタッチ、バルキ−な風合、
染色した時に霜降り調や杢調を呈し、合繊特有のワキシ
−感、平板感を解消することができる技術が開示されて
いる。この技術は、実質的には高配向のマルチフィラメ
ントが長手方向に均一化しており、低配向のマルチフィ
ラメントが不均斉なもの(すなわち太細糸)となってい
るものであり、両マルチフィラメント間には特性差が非
常に大きく延伸合糸工程でのタルミ発生やそれに伴う高
次工程でのトラブルや染色仕上げ工程での熱特性差によ
るシワ発生などが現れやすく、繊維製品としては満足す
るものが得られない。
【0006】特開昭55−16956号公報には、低配
向の太繊度フィラメント群と高配向の細繊度フィラメン
ト群とを特殊な条件で合糸延伸し紡績糸様の自然な染差
斑を有する糸条を得ることができる技術が開示されてい
る。この技術では、高配向の細繊度フィラメント群が長
手方向に均一化しており、低配向の太繊度フィラメント
群が不均斉なもの(すなわち太細糸)となっているもの
であり、前述の特開昭57−77341号公報と同様な
問題点がある。
【0007】また、フィラメント繊度が異なる2種また
は2種以上のフィラメント群からなる糸条で両群ともに
長手方向に太細を有している糸条または糸条を得る技術
が多く開示されている。たとえば、特開昭60−224
810号公報には、染色濃淡差が自然で且つスパンライ
クな風合を呈する糸条を得る技術が開示されており、特
開昭59−76916号公報には、延伸時に発生する斑
を十分に分散させ、より自然な外観を呈する斑糸を得る
技術が開示されており、特開昭61−28042号公報
には、異染効果を有しながら風合効果、後加工性に優れ
た太細糸を得る技術が開示されており、特開平1−14
8825号公報には、太部と細部が高度に分散し、霜降
り外観を維持しイラツキを解消しかつ布帛の風合及び嵩
高性を向上できる糸条の技術が開示されている。これら
の技術の糸条は、染色に関して言えば染色濃淡差を利用
しその濃淡差をいかに自然の状態にするかの技術であ
り、濃色に染色することによってその効果が発揮できる
ものである。したがって、晒加工や白色または淡い染色
の場合にはその効果が明確に発揮できないものである。
【0008】色斑のない無地杢調の染色布を得る目的で
特殊な微粒子をポリエステルに含有させた異繊度混繊の
太細糸の技術として、特開平6−81210号公報や特
開平6−81212号公報などが開示されている。これ
らの技術も前述と同様に濃色に染色することによってそ
の効果が発揮できるものであり、したがって、晒加工や
白色または淡い染色の場合にはその効果が明確に発揮で
きないものである。
【0009】上述のように異繊度混繊の太細糸に関する
技術の開示は多くあるが、得られた布帛を晒し加工や白
色染色加工および淡色染色加工にした場合に絹紡調の表
面感覚として従来以上の良好な自然な外観および風合を
付与できる高品位の異繊度太細ポリエステル混繊糸は得
られていないのが実状である。
【0010】本発明の混繊糸から得られる布帛は、中近
東地方の民族衣装、特にアバヤ、ト−ブ、ディスタ−シ
ャとして該地方に特有の外衣として有効に使用できるも
のである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したように布帛にした時に絹紡調の表面感覚が発現され
る自然な外観および風合を有することができるポリエス
テル混繊糸を得るもので特に布帛を晒し加工や白色染色
加工および淡色染色加工にした場合に自然な外観および
風合を付与できる糸条として有効に使用できる糸条を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、長さ方向に太細を有し、艶消し剤を含有するフィラ
メント群A、および艶消し剤含有量がフィラメント群A
より少なく長さ方向に太細を有し、平均繊度がフィラメ
ント群Aより1.5デニ−ル以上低い繊度のフィラメン
ト群Bで構成されるポリエステル混繊糸であって、該混
繊糸のウ−スタムラが2%〜7%、沸騰水収縮率が10
%〜30%、連続湿熱収縮応力値(TA値)(但し、D
は異繊度太細ポリエステル混繊糸の繊度(デニ−ル)を
示す。)が0.04g/D〜0.10g/D、TA値の
変動率(TACV)が4.0%〜12.0%であること
を特徴とする異繊度太細ポリエステル混繊糸によって達
成できる。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。本発明の異
繊度太細ポリエステル混繊糸は、長さ方向に太細を有す
るフィラメントからなる群A(以下太繊度群と言う)お
よび艶消し剤含有量がフィラメント群Aより少なく長さ
方向に太細を有し平均繊度が群Aより少なくとも1.5
デニ−ル低い繊度のフィラメントからなる群B(以下細
繊度群と言う)で構成されている必要がある。
【0014】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸
は、前述のようにフィラメントの長さ方向に太細を有す
る太繊度群と細繊度群とから構成されたもので、太繊度
群によって張り腰、反発性を付与でき、細繊度群によっ
てソフトな触感を付与できるものであるが、太繊度群の
太細糸と細繊度群の太細糸とから構成されているのでバ
ルキ−な風合も付与でき、またシャリ感も付与できる。
【0015】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸の
太繊度群は、艶消し剤含有量が2.0重量%以上のフィ
ラメントからなっていることが好ましい。艶消し剤は、
太細の太部を強調できると共に防透け性を付与し、ドラ
イタッチ感や落ち感が付与でき風合を良好にするために
好適である。これらの特徴を満足するために艶消し剤含
有量は2.0重量%以上が好ましいでのあるが、含有量
が余りにも多いと溶融紡糸時に糸切れなどが発生しやす
く、また紡糸時のポリマ濾過において濾過材の目詰まり
が速くなり長時間の安定紡糸が困難となる、さらに糸強
度が低くなり延伸時の糸切れの原因となり、ひいては製
織、製編時に毛羽発生や糸切れが発生しやすくなるの
で、艶消し剤含有量は8.0重量%以下がより好まし
い。艶消し剤の効果は、前述したように防透け性、ドラ
イタッチ感、落ち感を付与できるものであるが太繊度群
に含有されていることによって特にその効果が強調で
き、また、晒加工や白色または淡色染色の場合でも太部
と細部を強調できるので良い。
【0016】本発明で艶消し剤としては、酸化チタン、
酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム等本発明の効果を発現し、ポリエステルに安定し
て分散できるものであればいずれでもかまわないが、分
散性の面から酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、炭酸
カルシウムが好ましく、酸化チタンが最も好ましい。酸
化チタンは、ポリエステルに安定して分散することから
良く用いられているが、本発明おいては、その平均粒径
は分散性の点から1ミクロン以下が好ましく、0.7ミ
クロン以下がより好ましい。また、製糸性の点から最大
粒径は5ミクロン以下が好ましく、3ミクロン以下がよ
り好ましい。
【0017】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸の
太繊度群のフィラメントの平均繊度は太細の太部を強調
すると共に防透け性を付与し、ドライタッチ感や落ち感
を強調するために2.5デニール以上が好ましく、3.
0デニール以上がより好ましい。
【0018】また、太繊度群のフィラメントは長手方向
に太部と細部を交互に有しているものであるが、その太
部の長さは少なくとも5mmであることが好ましく、ま
た太部の個数は1m当たり2個以上であることが好まし
い。
【0019】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸の
細繊度群は、そのフィラメントの平均繊度が太繊度群の
平均繊度より少なくとも1.5デニール低い繊度のフィ
ラメントからなっている。細繊度群は、混繊糸の触感を
ソフトにするために必要であり、そのフィラメントの平
均繊度が太繊度群の平均繊度より1.5デニール以上低
い繊度が必要であるが、その差が2.0デニール以上あ
ることが好ましい。また、細繊度群のフィラメントの平
均繊度は、ソフト感を重視する点から1.5デニール未
満であることが好ましい。さらに細繊度群の艶消し剤含
有量は、太繊度群の艶消し剤含有量よりも1.5重量%
以上低いことが太繊度群の太部を強調する点から好まし
く、細繊度群の艶消し剤含有量は0.5重量%以下であ
ることがより好ましい。
【0020】細繊度群のフィラメントは長手方向に太部
と細部を交互に有しているものであるが、その太部の長
さは少なくとも5mmであることが好ましく、また太部
の個数は1m当たり2個以上であることが好ましい。
【0021】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸の
太繊度群と細繊度群の比率は、2/1から1/2の範囲
が好ましい。ソフト感を維持するために、1/1から1
/2の範囲がより好ましい。
【0022】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸
は、糸条全体としても長手方向に太細を有し、その太細
の程度は後述するウ−スタムラ測定法で測定して、ウ−
スタムラが2〜7%であることが必要である。本発明の
ような異繊度で太細があるポリエステル混繊糸では、ウ
−スタムラが大き過ぎると糸条にタルミが発生したり、
高次加工工程で毛羽発生などのトラブルが発生しやす
く、また織物、編物の表面状態を悪化する。したがって
そのような問題が発生しないウ−スタムラが必要で、7
%以下が必要である。しかしながら、ウ−スタムラが余
りにも小さいと太部が少ないことを意味し本発明の目的
が達成できないので、ウ−スタムラは2%以上以上が必
要であり、好ましくは3〜6%である。
【0023】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸の
沸騰水収縮率(以下沸収と言う)は、10〜30%の範
囲であることが必要である。沸収が10%未満になると
織編物とした場合にふくらみ効果が出し難く、30%を
越えると織編物とした場合の精練や染色工程などの熱処
理をする際に異常に収縮し、風合が異常に硬いものしか
得られない。また、収縮が大きすぎて織編物を規定の幅
に仕上げることができない。ふくらみを良好にし、ソフ
ト感も良好にするためには沸収を12〜25%の範囲に
することが好ましい。また、沸収の変動率は小さいほど
安定した織編物を製造することができるので良く、該変
動率は5%以下が好ましい。本発明の異繊度太細ポリエ
ステル混繊糸の連続湿熱収縮応力値(以下TA値と言
う)およびTA値の変動率(以下TACVと言う)の程
度は後述する測定法で測定して、TA値が0.04g/
D〜0.10g/Dの範囲であること(但し、Dは混繊
糸の繊度(デニール)を示す)およびTACVが4.0
〜12.0%の範囲であることが必要である。本発明で
規定する上述の測定は、自動化された測定装置で測定す
るので人による個人差がなく精度の高い測定ができると
ともにその測定も糸条長手方向の微小な距離に対して連
続的に測定するので糸条本来の特性を正確に把握でき、
製造管理が精度良く安定してできる。したがって、糸条
の品質安定性も良好となり、得られる織編物の品質も安
定した良好なものが得られる。
【0024】上述のTA値およびTACVを規定するこ
とは、織編物の染色仕上げ工程における熱処理時に熱収
縮率の大きさだけでなく、熱収縮の力や変動率が規定す
る範囲にあることが織編物のふくらみや張り、腰、反発
性などを調節し、かつ織編物の外観をも良好にするため
に必要である。TA値は0.04g/D〜0.10g/
Dの範囲を満足せねばならないが、TA値が0.10g
/Dを越えるとふくらみの発現性は非常に高くなるが、
いわゆる「ふかつき」現象が発生し、織編物の風合を損
なうと同時に張り、腰、反発性などが低下し、また、織
編物に異常な凹凸が発生したり、スジ状の欠点が現れる
ので良くない。一方、TA値が0.04g/D未満で
は、ふくらみ発現性がほとんどなく、したがって織編物
のソフト感が不足して良好な製品が得られない。
【0025】また、TACVは4.0〜12.0%の範
囲を満足せねばならないが、該TACVが12.0%を
越えると織編物にした場合に、いわゆる「ヒケ」と言わ
れる現象が発生し織編物に大きなスジ状の欠点が現れる
ので良くない。また、TACVが4.0%未満ではふく
らみ発現性がほとんどなく、したがって織編物のソフト
感が不足して良好な製品が得られない。
【0026】本発明でのポリエステルとは、一般にポリ
エステル繊維として使用するポリエステルであればいず
れでもよいが、エチレンテレフタレ−ト単位を主たる構
成単位とするポリエステルが好適であり、該単位が90
モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好まし
い。しかしながら、10モル%未満の共重合成分を重合
したコポリエステルも用いることができる。共重合成分
としては、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂肪族ジカルボン
酸、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、
プロピレングリコ−ル、パラキシリレングリコ−ル等の
脂肪族脂環族ジオ−ル、パラヒドロキシ安息香酸等のオ
キシ酸等が挙げられる。
【0027】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸
は、例えば太繊度群用として艶消し剤として酸化チタン
が2.5%含有するポリエチレンテレフタレ−トを溶融
紡糸し、紡糸引取速度2000m/分で延伸後のフィラ
メントの繊度が3.3デニ−ルになる未延伸糸(120
デニ−ル−18フィラメント)を得、細繊度群用として
艶消し剤として酸化チタンが0.8%含有するポリエチ
レンテレフタレ−トを溶融紡糸し、紡糸引取速度160
0m/分で延伸後のフィラメントの繊度が1.0デニ−
ルになる未延伸糸(120デニ−ル−60フィラメン
ト)を得、ホットロ−ル−ホットプレ−ト系の延伸機を
用いて、両者の未延伸糸を合糸し、ホットロ−ル温度を
73℃、ホットプレ−ト温度を120℃として、通常の
糸条を製造する時の延伸倍率よりも約3割低い延伸倍率
(1.98倍)で延伸することにより得られる。得られ
た混繊糸は120デニ−ル78フィラメントの太細糸で
ある。この際、太繊度群用と細繊度群用の未延伸糸の自
然延伸倍率(NDR)はほぼ同じ値になるように紡糸巻
取速度を設定することが得られる混繊糸の毛羽やタルミ
の発生を防止する点から好ましい。
【0028】さらに延伸に際して、両者の未延伸糸を合
糸する方法としては未延伸糸巻取ドラムを長尺のペグに
同時に串差しの状態で差し、この際に太繊度群用のドラ
ムを奥側に、細繊度群用のドラムを手前側に差し、さら
に両者のドラムから未延伸糸を引き出す方法として片方
をS解舒、他方をZ解舒になるように引き出すことが、
延伸時の糸切れや毛羽・タルミの発生を防止し、ひいて
は混繊糸の長手方向に安定した特性を付与する点から好
ましい。
【0029】また、延伸系についてはホットピン−ホッ
トプレート系、ホットロール−ホットプレート系および
ホットロール−ホットロール系の延伸機を用いることが
できるが、ホットロール−ホットプレート系およびホッ
トロール−ホットロール系の延伸機を用いることが混繊
糸の毛羽・タルミの発生を防止し、混繊糸の太細発現を
安定にし全体として糸条長手方向に安定した特性を付与
する点から好ましい。また、糸条の高次加工工程通過性
を良好にするために糸条に交絡処理を施すことが好まし
い。交絡処理は、延伸・熱処理工程から巻上げ工程の間
で行うことが好ましい。交絡処理の度合いは、交絡点が
20個/m以上あることが好ましい。
【0030】実際の延伸に際しては、第一ホットロール
で65〜80℃に予備加熱しながら低倍率延伸し、ホッ
トプレートまたは第二ホットロ−ルで熱処理するもの
で、ホットプレートまたは第二ホットロールの温度は、
得ようとする糸条の目標収縮特性に合うように適宜設定
すればよい。
【0031】以上述べた通り、異繊度太細ポリエステル
混繊糸で太繊度群と細繊度群の艶消し剤含有量を特定の
値含有させ、太繊度群と細繊度群のフィラメントの繊度
に特定の差を有し、混繊糸のムラ、沸騰水収縮率および
連続湿熱収縮応力値を特定化することにより従来の異繊
度太細ポリエステル混繊糸にはない良好な絹紡調の表面
感覚の布帛が得られる。特に布帛を晒し加工や白色染色
加工および淡色染色加工にした場合に、従来以上の良好
な自然な外観および風合を付与できる高品位のポリエス
テル混繊糸を提供することができる。
【0032】本発明の混繊糸から得られる布帛は、自然
なムラがあり防透け性、ソフトでドライタッチ感、落ち
感がある良風合のものである。特に中近東地方の民族衣
装、特にアバヤ、トーブ、ディスターシャとして該地方
に特有の外衣として特に有効に使用できるものである。
【0033】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお実施例中の物性は次の様にして測定した。
【0034】A.ウースタムラ 測定機として、市販のUster Eveness T
ester(計測器工業株式会社製)を使用する。糸条
の繊度により、使用する測定スロットを選択し、糸速を
4m/minとし撚糸機で約1500rpmの回転を与
え撚糸しつつノルマルテストの条件にて測定する。ウ−
スタムラ(%)は、3分間を1回として、測定試料の任
意の5箇所について測定しその平均値で表す。
【0035】B.沸騰水収縮率(沸収) 糸条を0.1g/dの荷重下で試料長(L0 )を測定し
たのち無荷重の状態で15分間沸騰水処理を行う。
【0036】沸騰水処理後0.1g/dの荷重下で試料
長(L1 )を測定し、次式により算出した。
【0037】 沸騰水収縮率=((L0 −L1 )/L0 )×100 (%) C.連続湿熱収縮応力値(TA値)およびTA値の変動
率(TACV) 測定装置は、東レエンジニアリング社製「熱収縮むら測
定装置」(FTA−500)を用いる。測定方法は糸供
給ローラと糸引き出しローラの間にある100℃湿熱処
理部で糸条を連続的に湿熱処理し、糸条の熱収縮による
応力(g)を湿熱処理部の入り口手前にある張力測定器
で連続的に測定する。測定頻度は糸長1cm当たり6回
測定し、その平均値を1データとして1000個のデ−
タを採取する。得られた1000個のデータの平均値を
「連続湿熱収縮応力値(TA値)」とし、1000個の
データの変動率を「TA値の変動率(TACV)」とす
る。本装置ではこの計算をコンピューターで実施してい
る。なお、糸速度は10m/minで糸供給ローラと糸
引き出しロ−ラの間で2%の収縮が起こるように糸供給
ローラでオーバーフィードし、100℃湿熱処理時間は
1秒、測定試料長は10mである。
【0038】実施例1 艶消し剤として平均粒径0.5ミクロンで最大粒径2ミ
クロンの二酸化チタンを用い、その含有量を変更した5
水準のポリエチレンテレフタレート(固有粘度を0.6
6に調整したもの)を使用し太繊度群用の未延伸糸を、
および上記二酸化チタンを用い、その含有量を0.48
重量%および1.5重量%に調整したポリエチレンテレ
フタレート(固有粘度を0.66に調整したもの)を使
用し細繊度用の未延伸糸を紡糸温度290℃で種々の吐
出孔数を有する口金から吐出した後に、冷却風をあてて
冷却し、油剤を付着した後に夫々の紡速で巻取った。
【0039】得られた未延伸糸を各種組み合せてホット
ロールーホットプレート系の延伸機にて第1ホットロー
ルを73℃として予備加熱し、ホットプレートの温度を
125℃として延伸糸伸度が60±5%となる延伸倍率
で延伸しながら熱処理し、巻取速度800m/minで
巻き上げ、異繊度太細ポリエステル混繊糸を得た。な
お、実験水準の一部で巻き上げ前に公知の交絡処理装置
を用いて、交絡点が25個/mになる交絡処理を施し
た。
【0040】得られた糸条を経糸、緯糸として、織密
度;経90本/インチ、緯75本/インチとして製織し
た。
【0041】得られた糸条の内容、糸条の特性および晒
し加工した織物の評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 本発明の実験No.1〜7および10〜12の織物は、
太繊度群の酸化チタン含有量が細繊度群の酸化チタン含
有量よりも多く、フィラメント繊度差が1.5デニール
以上のもので、自然なムラ感が良好であり、防透け性も
良好で、ドライタッチで落ち感がありソフト感も良かっ
た。この中でも細繊度群のフィラメントの繊度が1.5
デニール未満の水準ではソフト感が極めて良好であっ
た。なお、実施例1、2は酸化チタン含有量の差が少な
く、太部の強調が弱く、綿紡調の外観がやや悪いもので
あった。実験No.12は、前述の織物特性は良好では
あるものの溶融紡糸時の濾過層の目詰まりによる濾圧上
昇が大きく、糸切れが若干発生し、しかも糸条の強度が
低いものであった。
【0043】実験No.8〜9(比較例)の織物は、太
繊度群の酸化チタン含有量は細繊度群の酸化チタン含有
量よりも多いものであるがフィラメント繊度差が1.5
デニール未満のもので、自然なムラ感が不良であり、実
験No.9は、太繊度群のフィラメントの繊度が1.6
7デニールと小さいために織物のハリ腰が不足であっ
た。
【0044】実施例2 実施例1の実験No.4の未延伸糸2種を使用し、延伸
時の延伸倍率および延伸温度(第1ホットロール)を変
更した以外は実施例1に準じ、ウースタムラを変更した
異繊度太細ポリエステル混繊糸を製造した。得られた糸
条を実施例1に準じて製織し、実施例1と同様に評価し
た。糸条の特性および織物の評価結果を表2に示す。
【表2】 実験No.14〜16(本発明)の織物は、適度なウー
スタムラを示し自然なムラ感が概ね良好であった。しか
し、実験No.14は、ウースタムラが小さめであり自
然なムラ感の効果が他よりも小さかった。この結果か
ら、ウースタムラは3%〜6%が好ましい。実験No.
13(比較例)の織物は、ウースタムラが小さいために
自然なムラ感がなかった。実験No.17(比較例)の
織物は、ウ−スタムラが大きいために自然なムラ感はあ
るものの糸条にタルミや毛羽があるために織物表面が不
良で商品価値が低いものであった。また、糸条の沸収は
28%と大きめのものあった。
【0045】実施例3 実施例1の実験No.4の未延伸糸2種を用い、ホット
プレ−トの温度を変更した以外は実施例1に準じ、沸収
を変更した異繊度太細ポリエステル混繊糸を得た。得ら
れた糸条を実施例1に準じて製織し、実施例1と同様に
評価した。糸条の特性および織物の評価結果を表3に示
す。
【0046】
【表3】 実験No.19〜21(本発明)の織物は、良好なふく
らみ、良好なソフト感があった。実験No.18(比較
例)の織物は、糸条の沸収が小さいためにふくらみおよ
びソフト感が不良であった。糸条のTA値も0.10と
大きかった。実験No.22(比較例)の織物は、糸条
の沸収が大き過ぎて織物表面が凹凸となり、ソフト感も
なく風合が硬く良い商品ではなかった。糸条のTACV
も11.0と大きめであった。この結果から、沸収は1
2%〜25%の範囲にすることが好ましい。
【0047】実施例4 実施例1の実験No.4の未延伸糸2種を用い、ホット
ローラの温度および延伸倍率を変更した以外は実施例1
に準じ、TA値およびTACVを変更した異繊度太細ポ
リエステル混繊糸を得た。得られた糸条を実施例1に準
じて製織し、実施例1と同様に評価した。糸条の特性お
よび織物の評価結果を表4に示す。
【0048】
【表4】 実験No.24、26、28(本発明)の織物は、良好
なふくらみ、良好なソフト感があった。実験No.23
(比較例)の織物は、TA値が小さいためにふくらみ不
足、ソフト感不足であり、実験No.25(比較例)の
織物は、TACVが小さくふくらみ不足、ソフト感不足
であった。また、実験No.27(比較例)の織物は、
TACVが大き過ぎるためにスジ状欠点があり商品価値
の低いものであった。実験No.29(比較例)の織物
は、TA値が大きいために「ふかつき」があり、張り
腰、反発性不足であり、異常な凹凸もあり商品価値の低
いものであった。
【0049】
【発明の効果】上述した様に本発明の異繊度太細ポリエ
ステル混繊糸は、艶消し剤含有量を特定の量以上含有
し、長さ方向に太細を有する太いフィラメントと細いフ
ィラメントの2種類のフィラメントからなり、混繊糸の
ウースタムラ(太さムラ)を特定値以下とし、沸騰水収
縮率を特定の範囲、連続湿熱収縮応力値およびその変動
率を特定の範囲とすることにより良好な自然なムラと防
透け性、ドライタッチ感、落ち感を有する絹紡調の風合
の布帛を提供することができる。
【0050】本発明の異繊度太細ポリエステル混繊糸
は、衣料用素材、インテリア製品素材、車両内装資材な
どとして活用できる。特に中近東地方の民族衣装、特に
アバヤ、トーブ、ディスターシャとして該地方特有の外
衣として特に有効に使用できるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 301 D01F 6/92 301M // D03D 15/00 D03D 15/00 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に太細を有し、艶消し剤を含有
    するフィラメント群A、および艶消し剤含有量がフィラ
    メント群Aより少なく、長さ方向に太細を有し、平均繊
    度がフィラメント群Aより1.5デニール以上低い繊度
    のフィラメント群Bで構成されるポリエステル混繊糸で
    あって、該混繊糸のウースタムラが2%〜7%、沸騰水
    収縮率が10%〜30%、連続湿熱収縮応力値(TA
    値)が0.04g/D〜0.10g/D(但し、Dは異
    繊度太細ポリエステル混繊糸の繊度(デニール)を示
    す。)、TA値の変動率(TACV)が4.0%〜1
    2.0%であることを特徴とする異繊度太細ポリエステ
    ル混繊糸。
  2. 【請求項2】 フィラメント群Aの艶消し剤含有量がフ
    ィラメント群Bよりも1.5重量%以上多いい請求項1
    記載の異繊度太細ポリエステル混繊糸。
  3. 【請求項3】 フィラメント群Aの艶消し剤含有量が
    2.0重量%以上である請求項1または2記載の異繊度
    太細ポリエステル混繊糸。
  4. 【請求項4】 フィラメント群Bの艶消し剤含有量が
    0.5重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項記
    載の異繊度太細ポリエステル混繊糸。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017214682A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 東レ株式会社 ポリエステル太細糸

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