JPH08269873A - 衣料用化学繊維及びその製造方法 - Google Patents
衣料用化学繊維及びその製造方法Info
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- JPH08269873A JPH08269873A JP7297095A JP7297095A JPH08269873A JP H08269873 A JPH08269873 A JP H08269873A JP 7297095 A JP7297095 A JP 7297095A JP 7297095 A JP7297095 A JP 7297095A JP H08269873 A JPH08269873 A JP H08269873A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 化学繊維の単繊維表面に架橋剤により架橋さ
れている酵素蛋白質からなる被覆層を形成した衣料用化
学繊維、及び酵素蛋白質を含む溶液中に化学繊維を浸漬
して該繊維の単繊維表面に上記酵素蛋白質を吸着させ、
次いで架橋剤によって該酵素蛋白質を架橋することによ
り衣料用化学繊維を製造する。 【効果】 本発明によれば、化学繊維の単繊維内部構造
に変化を生じさせることなく、単繊維表面に酵素蛋白質
の均一な被覆層を形成した衣料用化学繊維を得ることが
できる。
れている酵素蛋白質からなる被覆層を形成した衣料用化
学繊維、及び酵素蛋白質を含む溶液中に化学繊維を浸漬
して該繊維の単繊維表面に上記酵素蛋白質を吸着させ、
次いで架橋剤によって該酵素蛋白質を架橋することによ
り衣料用化学繊維を製造する。 【効果】 本発明によれば、化学繊維の単繊維内部構造
に変化を生じさせることなく、単繊維表面に酵素蛋白質
の均一な被覆層を形成した衣料用化学繊維を得ることが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料用化学繊維に関
し、更に詳しくは、化学単繊維表面に酵素蛋白質含有被
覆層を形成した新規な衣料用化学繊維に関するものであ
る。
し、更に詳しくは、化学単繊維表面に酵素蛋白質含有被
覆層を形成した新規な衣料用化学繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】化学繊
維は、ビスコースレーヨン等の再生繊維と、ポリエステ
ル、アクリル、ナイロン等の合成繊維に分けられる。こ
のうち再生繊維は、着用と家庭等での洗濯を繰り返して
いるうちに、単繊維表面の割繊状態(フィブリル化)が
生じ、その結果としていわゆる毛羽立ちやピリングが生
じることがある。この毛羽立ちやピリングが原因となっ
て、布での風合いの変化、場合によっては布の硬化等に
よる風合いの劣化が生じ、また、光沢の低下等が生じ
る。再生繊維の風合い低下及び光沢低下を防止するため
には、毛羽立ちやピリングを防止し、更にその原因とな
るフィブリル化を抑制させることが必要である。
維は、ビスコースレーヨン等の再生繊維と、ポリエステ
ル、アクリル、ナイロン等の合成繊維に分けられる。こ
のうち再生繊維は、着用と家庭等での洗濯を繰り返して
いるうちに、単繊維表面の割繊状態(フィブリル化)が
生じ、その結果としていわゆる毛羽立ちやピリングが生
じることがある。この毛羽立ちやピリングが原因となっ
て、布での風合いの変化、場合によっては布の硬化等に
よる風合いの劣化が生じ、また、光沢の低下等が生じ
る。再生繊維の風合い低下及び光沢低下を防止するため
には、毛羽立ちやピリングを防止し、更にその原因とな
るフィブリル化を抑制させることが必要である。
【0003】従来、フィブリル化を抑制させる技術とし
ては、苛性アルカリ水溶液中に布を浸漬するアルカリ処
理によって繊維を膨潤させる方法、布を繊維素反応型樹
脂(尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン系樹脂、グリオ
キザール系樹脂)で処理する加工方法(特開昭62−8
5082号公報)などがある。
ては、苛性アルカリ水溶液中に布を浸漬するアルカリ処
理によって繊維を膨潤させる方法、布を繊維素反応型樹
脂(尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン系樹脂、グリオ
キザール系樹脂)で処理する加工方法(特開昭62−8
5082号公報)などがある。
【0004】しかしながら、上記のごとき方法では、再
生繊維の単繊維のフィブリル化を抑制させ、光沢の耐久
性を与える効果はあるが、繊維素反応型樹脂による処理
で単繊維内部の繊維素間の架橋による構造変化とそれに
伴う風合い変化、場合によっては風合いの劣化が生じ、
風合いの点において満足できるものではなかった。この
ことから、再生繊維の単繊維上フィブリル化抑制と、風
合い維持とを同時に行う場合、単繊維内部の構造を変え
ず、単繊維表面のみが改質された再生繊維及びその改質
方法が望まれている。
生繊維の単繊維のフィブリル化を抑制させ、光沢の耐久
性を与える効果はあるが、繊維素反応型樹脂による処理
で単繊維内部の繊維素間の架橋による構造変化とそれに
伴う風合い変化、場合によっては風合いの劣化が生じ、
風合いの点において満足できるものではなかった。この
ことから、再生繊維の単繊維上フィブリル化抑制と、風
合い維持とを同時に行う場合、単繊維内部の構造を変え
ず、単繊維表面のみが改質された再生繊維及びその改質
方法が望まれている。
【0005】一方、合成繊維は、羊毛や絹等の天然繊維
と比べると、着用時において、風合い・触感的に身体に
馴染み難い繊維である。その原因の一つとして、合成繊
維の中で石油系の原料から製造されたものには、表面が
疎水性であるために強度等は優れていても、天然繊維に
みられるような吸水性及び吸湿性がないことが考えられ
る。これらの問題点を解決するために合成繊維に親水性
を付与することを目的として化学的処理が行われてい
る。その例として、化学反応により水酸基、アミノ基、
カルボキシル基等の親水基を単繊維表面に導入する方法
やプラズマ処理により単繊維表面を多孔質化する方法が
ある。しかし、前者では単繊維表面を処理する際の制御
が困難であるため、反応が進み過ぎることがあり、この
ため繊維の強度が著しく低下する。後者においては処理
装置が大型になるという問題点を有していた。また、親
水基を有する物質を架橋剤によって構成繊維の表面に固
定することにより、合成繊維を親水化する方法もある。
このような方法として、例えばポリアミノ酸と架橋剤を
用いて合成繊維の表面に皮膜を形成して親水化を行う方
法(特開平3−199471号公報)が提案されてい
る。
と比べると、着用時において、風合い・触感的に身体に
馴染み難い繊維である。その原因の一つとして、合成繊
維の中で石油系の原料から製造されたものには、表面が
疎水性であるために強度等は優れていても、天然繊維に
みられるような吸水性及び吸湿性がないことが考えられ
る。これらの問題点を解決するために合成繊維に親水性
を付与することを目的として化学的処理が行われてい
る。その例として、化学反応により水酸基、アミノ基、
カルボキシル基等の親水基を単繊維表面に導入する方法
やプラズマ処理により単繊維表面を多孔質化する方法が
ある。しかし、前者では単繊維表面を処理する際の制御
が困難であるため、反応が進み過ぎることがあり、この
ため繊維の強度が著しく低下する。後者においては処理
装置が大型になるという問題点を有していた。また、親
水基を有する物質を架橋剤によって構成繊維の表面に固
定することにより、合成繊維を親水化する方法もある。
このような方法として、例えばポリアミノ酸と架橋剤を
用いて合成繊維の表面に皮膜を形成して親水化を行う方
法(特開平3−199471号公報)が提案されてい
る。
【0006】しかしながら、上記のごとき方法では、ポ
リアミノ酸の重合・合成を制御して単一の分子量のポリ
アミノ酸からなる皮膜を形成することは難しく、分子量
の大きさにより単繊維表面のみならず、単繊維群
(糸)、更に布全体に及ぶ皮膜が形成されるため、例え
繊維を親水化することができても繊維の自由度が失われ
ることになり、その結果、繊維の硬化による風合いの劣
化が生じることになる。このことから、単繊維レベルで
の親水化処理が単繊維群より広い範囲に及ばないことが
重要であり、そのような改質された合成繊維及びその改
質方法が望まれている。
リアミノ酸の重合・合成を制御して単一の分子量のポリ
アミノ酸からなる皮膜を形成することは難しく、分子量
の大きさにより単繊維表面のみならず、単繊維群
(糸)、更に布全体に及ぶ皮膜が形成されるため、例え
繊維を親水化することができても繊維の自由度が失われ
ることになり、その結果、繊維の硬化による風合いの劣
化が生じることになる。このことから、単繊維レベルで
の親水化処理が単繊維群より広い範囲に及ばないことが
重要であり、そのような改質された合成繊維及びその改
質方法が望まれている。
【0007】以上のことから、風合いが損なわれること
なくフィブリル化が抑制された再生繊維、及び親水性が
付与された合成繊維を得ることができれば、衣料用化学
繊維として極めて付加価値の大きいものとなる。
なくフィブリル化が抑制された再生繊維、及び親水性が
付与された合成繊維を得ることができれば、衣料用化学
繊維として極めて付加価値の大きいものとなる。
【0008】従って、本発明の目的は、化学繊維の単繊
維表面のみが改質された化学繊維及びその製造方法を提
供することにある。
維表面のみが改質された化学繊維及びその製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者は、蛋白質、特に酵素蛋白質とこれを架橋
する架橋剤について鋭意研究を行った結果、特定の条件
において、酵素蛋白質を含む溶液中に化学繊維を浸漬
し、化学繊維の単繊維表面のみに酵素蛋白質を均一に吸
着させ、これを架橋することにより単繊維表面のみに被
覆層を形成することができ、この被覆層が再生繊維では
フィブリル化抑制の効果を、化学繊維では表面を親水化
する効果を発現することを見出した。また、洗濯などに
よっても被覆層が脱離することは殆どなく、長期にわた
ってその効果を持続させることができ、衣料用として好
適な化学繊維が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
て、本発明者は、蛋白質、特に酵素蛋白質とこれを架橋
する架橋剤について鋭意研究を行った結果、特定の条件
において、酵素蛋白質を含む溶液中に化学繊維を浸漬
し、化学繊維の単繊維表面のみに酵素蛋白質を均一に吸
着させ、これを架橋することにより単繊維表面のみに被
覆層を形成することができ、この被覆層が再生繊維では
フィブリル化抑制の効果を、化学繊維では表面を親水化
する効果を発現することを見出した。また、洗濯などに
よっても被覆層が脱離することは殆どなく、長期にわた
ってその効果を持続させることができ、衣料用として好
適な化学繊維が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0010】すなわち、本発明は、化学繊維の単繊維表
面に架橋剤により架橋されている酵素蛋白質からなる被
覆層を形成した衣料用化学繊維を提供するものである。
面に架橋剤により架橋されている酵素蛋白質からなる被
覆層を形成した衣料用化学繊維を提供するものである。
【0011】また、本発明は、酵素蛋白質を含む溶液中
に化学繊維を浸漬して該繊維の単繊維表面に上記酵素蛋
白質を吸着させ、次いで架橋剤によって該酵素蛋白質を
架橋することを特徴とする衣料用化学繊維の製造方法を
提供するものである。
に化学繊維を浸漬して該繊維の単繊維表面に上記酵素蛋
白質を吸着させ、次いで架橋剤によって該酵素蛋白質を
架橋することを特徴とする衣料用化学繊維の製造方法を
提供するものである。
【0012】本発明に適用する化学繊維とは再生繊維及
び合成繊維を意味するものであり、再生繊維としてはビ
スコースレーヨン、キュプラ、テンセル等が挙げられ、
合成繊維としてはポリエステル、アクリル、ナイロン、
ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ビニリデン、ポリウレタン、ベンゾエート等が挙
げられる。なお、これらの化学繊維を原糸、繊維物又は
不織布の形態として後述する酵素蛋白質の希釈溶液に浸
漬し、化学繊維の単繊維表面に酵素蛋白質を吸着させる
際に、上記原糸等には、天然繊維等の化学繊維以外の繊
維が混用されていても何ら問題はない。
び合成繊維を意味するものであり、再生繊維としてはビ
スコースレーヨン、キュプラ、テンセル等が挙げられ、
合成繊維としてはポリエステル、アクリル、ナイロン、
ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ビニリデン、ポリウレタン、ベンゾエート等が挙
げられる。なお、これらの化学繊維を原糸、繊維物又は
不織布の形態として後述する酵素蛋白質の希釈溶液に浸
漬し、化学繊維の単繊維表面に酵素蛋白質を吸着させる
際に、上記原糸等には、天然繊維等の化学繊維以外の繊
維が混用されていても何ら問題はない。
【0013】本発明に適用する酵素蛋白質とは、触媒作
用を持つための特定構造を有する蛋白質の総称を意味す
る。言い換えれば、触媒機能の発現有無にかかわらず、
触媒作用をもつための構造を有している蛋白質のすべて
が該当するものである。
用を持つための特定構造を有する蛋白質の総称を意味す
る。言い換えれば、触媒機能の発現有無にかかわらず、
触媒作用をもつための構造を有している蛋白質のすべて
が該当するものである。
【0014】酵素蛋白質は、生産する生命体によりその
起源が異なり、動物起源、植物起源、微生物起源のもの
があるが、本発明においてはすべての起源の酵素蛋白質
を使用することができる。
起源が異なり、動物起源、植物起源、微生物起源のもの
があるが、本発明においてはすべての起源の酵素蛋白質
を使用することができる。
【0015】このような酵素蛋白質としては、酵素の反
応性から分類すると、ヒドロラーゼ類、リラーゼ類、オ
キシドレクターゼ類、リガーゼ類、トランスフェラーゼ
類及びインメラーゼ類が挙げられ、そのすべてを用いる
ことができる。このうちヒドロラーゼ類を用いることが
好ましく、プロテアーゼ等のペプチターゼ、セルラー
ゼ、アミラーゼ等のグルコシダーゼ、リパーゼ等のエス
テラーゼなどを用いることができる。
応性から分類すると、ヒドロラーゼ類、リラーゼ類、オ
キシドレクターゼ類、リガーゼ類、トランスフェラーゼ
類及びインメラーゼ類が挙げられ、そのすべてを用いる
ことができる。このうちヒドロラーゼ類を用いることが
好ましく、プロテアーゼ等のペプチターゼ、セルラー
ゼ、アミラーゼ等のグルコシダーゼ、リパーゼ等のエス
テラーゼなどを用いることができる。
【0016】酵素蛋白質の分子量は1万以上であること
が好ましく、より好ましくは2万〜30万である。な
お、酵素蛋白質の分子量はその殆どが1万以上であり、
レーヨン等の再生繊維の単繊維内部に侵入することは殆
ど困難であり、合成繊維に関しては、単繊維内部の緻密
性から侵入することができない。すなわち、化学繊維に
おいて酵素が吸着する部位は単繊維表面のみに限定され
る。
が好ましく、より好ましくは2万〜30万である。な
お、酵素蛋白質の分子量はその殆どが1万以上であり、
レーヨン等の再生繊維の単繊維内部に侵入することは殆
ど困難であり、合成繊維に関しては、単繊維内部の緻密
性から侵入することができない。すなわち、化学繊維に
おいて酵素が吸着する部位は単繊維表面のみに限定され
る。
【0017】酵素蛋白質は1種又は2種以上を用いるこ
とができ、また、後述する蛋白質希釈溶液中に酵素蛋白
質以外の蛋白質が混合していても、酵素蛋白質が有する
吸着性のために優先的に酵素蛋白質が化学繊維の単繊維
表面に吸着されるため、精製された高価な酵素蛋白質を
用いる必要はない。
とができ、また、後述する蛋白質希釈溶液中に酵素蛋白
質以外の蛋白質が混合していても、酵素蛋白質が有する
吸着性のために優先的に酵素蛋白質が化学繊維の単繊維
表面に吸着されるため、精製された高価な酵素蛋白質を
用いる必要はない。
【0018】本発明に適用する架橋剤は、主として蛋白
質中の官能基と反応性を有するものであり、蛋白質分子
間及び蛋白質分子内における反応で架橋を生じるもので
あれば特に制限されない。例えば、「新生化学実験講座
1 タンパク質IV 構造機能相関 13章 架橋、P2
07〜254((株)東京化学同人)」や「生物化学実
験法13 蛋白質の化学修飾(下) VI章 架橋反応、
P81〜113、大野素徳著((株)学会出版センタ
ー)」などに記載されている公知の架橋剤を利用するこ
とができる。特に、アルデヒド化合物、エポキシ化合
物、イソシアネート化合物などが反応性に富んでいるた
め、好ましく使用できる。アルデヒド化合物としては従
来公知のものを広く使用でき、例えば、ホルムアルデヒ
ド、及びグリオキサール、マロンアルデヒド、グルタル
アルデヒド等のジアルデヒドを挙げることができる。エ
ポキシ化合物としては、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリグリセ
ロール、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)、イソシアヌレート、トリメチロールプロパ
ン、ネオペンチルグリコール、フェノールエチレンオキ
サイド、及びラウリルアルコールエチレンオキサイドの
モノ並びにポリグリシジルエーテル、エポキシ基含有カ
ップリング剤が挙げられる。これらのエポキシ化合物は
水に溶解して使用するが、溶解度が低い場合には少量の
有機溶剤、例えばジオキサン又はイソプロピルアルコー
ルと水との混合溶媒に溶解して用いることが好ましい。
質中の官能基と反応性を有するものであり、蛋白質分子
間及び蛋白質分子内における反応で架橋を生じるもので
あれば特に制限されない。例えば、「新生化学実験講座
1 タンパク質IV 構造機能相関 13章 架橋、P2
07〜254((株)東京化学同人)」や「生物化学実
験法13 蛋白質の化学修飾(下) VI章 架橋反応、
P81〜113、大野素徳著((株)学会出版センタ
ー)」などに記載されている公知の架橋剤を利用するこ
とができる。特に、アルデヒド化合物、エポキシ化合
物、イソシアネート化合物などが反応性に富んでいるた
め、好ましく使用できる。アルデヒド化合物としては従
来公知のものを広く使用でき、例えば、ホルムアルデヒ
ド、及びグリオキサール、マロンアルデヒド、グルタル
アルデヒド等のジアルデヒドを挙げることができる。エ
ポキシ化合物としては、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリグリセ
ロール、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)、イソシアヌレート、トリメチロールプロパ
ン、ネオペンチルグリコール、フェノールエチレンオキ
サイド、及びラウリルアルコールエチレンオキサイドの
モノ並びにポリグリシジルエーテル、エポキシ基含有カ
ップリング剤が挙げられる。これらのエポキシ化合物は
水に溶解して使用するが、溶解度が低い場合には少量の
有機溶剤、例えばジオキサン又はイソプロピルアルコー
ルと水との混合溶媒に溶解して用いることが好ましい。
【0019】イソシアネート化合物としては、トルエン
ジイソシアネート、ジイソシアン酸ジフェニルメタン、
ヘキサンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、ナリタリンジイソシアネートなどの1分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げ
られる。これらのイソシアネート化合物は、蛋白質との
架橋を可能とする公知の有機溶媒、例えば、クロロホル
ム、ヘキサン、トルエンなどに溶解して用いることが好
ましい。
ジイソシアネート、ジイソシアン酸ジフェニルメタン、
ヘキサンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、ナリタリンジイソシアネートなどの1分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げ
られる。これらのイソシアネート化合物は、蛋白質との
架橋を可能とする公知の有機溶媒、例えば、クロロホル
ム、ヘキサン、トルエンなどに溶解して用いることが好
ましい。
【0020】次に本発明の衣料用化学繊維の製造方法に
ついて説明する。まず、酵素蛋白質の希釈溶液に化学繊
維を浸漬する。この場合、酵素蛋白質の吸着効率を上げ
るために溶液を振盪あるいは攪拌することが好ましい。
ついて説明する。まず、酵素蛋白質の希釈溶液に化学繊
維を浸漬する。この場合、酵素蛋白質の吸着効率を上げ
るために溶液を振盪あるいは攪拌することが好ましい。
【0021】酵素蛋白質を希釈する溶媒としてはpH1〜
10の酸性緩衝液、中性緩衝液及び弱アルカリ性緩衝液
を用いることが好ましく、これらの緩衝液を用いて酵素
蛋白質を希釈すると同時に溶液のpHを調整する。希釈溶
液は、酵素蛋白質の化学繊維に対する吸着条件から、pH
3〜8の酸性ないし中性領域に調整することが好まし
い。希釈溶液の温度は、蛋白質が熱変性を起こさない6
0℃以下とすることが好ましく、特にセルラーゼなどの
セルロースを加水分解させる酵素を用いてレーヨンなど
の再生セルロース繊維を処理する場合、0〜5℃の低温
下で行うことが好ましい。希釈溶液のイオン強度は、緩
衝液のpH緩衝能を維持できる濃度の点から0.01以上
とすることが好ましく、特に0.05〜0.2とするこ
とが好ましい。本発明の方法においては、酵素蛋白質の
吸着によって化学繊維の単繊維表面に被覆層(吸着層)
を形成するので、希釈溶液中の酵素蛋白質濃度は低濃度
でよいが、単繊維に対する酵素蛋白質の吸着量が繊維表
面積当たり3〜15mg/m2となることが好ましい。
10の酸性緩衝液、中性緩衝液及び弱アルカリ性緩衝液
を用いることが好ましく、これらの緩衝液を用いて酵素
蛋白質を希釈すると同時に溶液のpHを調整する。希釈溶
液は、酵素蛋白質の化学繊維に対する吸着条件から、pH
3〜8の酸性ないし中性領域に調整することが好まし
い。希釈溶液の温度は、蛋白質が熱変性を起こさない6
0℃以下とすることが好ましく、特にセルラーゼなどの
セルロースを加水分解させる酵素を用いてレーヨンなど
の再生セルロース繊維を処理する場合、0〜5℃の低温
下で行うことが好ましい。希釈溶液のイオン強度は、緩
衝液のpH緩衝能を維持できる濃度の点から0.01以上
とすることが好ましく、特に0.05〜0.2とするこ
とが好ましい。本発明の方法においては、酵素蛋白質の
吸着によって化学繊維の単繊維表面に被覆層(吸着層)
を形成するので、希釈溶液中の酵素蛋白質濃度は低濃度
でよいが、単繊維に対する酵素蛋白質の吸着量が繊維表
面積当たり3〜15mg/m2となることが好ましい。
【0022】酵素蛋白質の希釈溶液に繊維を浸漬させる
時間は、吸着平衡に達するまでとすることができる。そ
して、浸漬は水溶液中の酵素蛋白質濃度と繊維への蛋白
質吸着量との関係において、単分子吸着を示すラングミ
ュア型吸着等温線の条件下で行うことが好ましい。酵素
蛋白質の吸着平衡時間を求めたり、吸着等温線をプロッ
トする場合、繊維への吸着により生じる溶液中の蛋白質
濃度変化を測定し、吸着前後の水溶液中蛋白質量(酵素
濃度)と処理した繊維の量と繊維の比表面積から下記式
(1)によって吸着量を概算することができる。また、
水溶液中の蛋白質量は、蛋白質定量法として最も代表的
なLowry法(DC−プロテインアッセイ法;BIO
−RAD社製)を用い、牛血清アルブミンを検量線とし
て求め、牛血清アルブミン換算とし、繊維の比表面積
は、クリプトン吸着によるBET多点法により算出す
る。繊維表面積当たりの蛋白質の吸着量をmg/m2 で表
す。
時間は、吸着平衡に達するまでとすることができる。そ
して、浸漬は水溶液中の酵素蛋白質濃度と繊維への蛋白
質吸着量との関係において、単分子吸着を示すラングミ
ュア型吸着等温線の条件下で行うことが好ましい。酵素
蛋白質の吸着平衡時間を求めたり、吸着等温線をプロッ
トする場合、繊維への吸着により生じる溶液中の蛋白質
濃度変化を測定し、吸着前後の水溶液中蛋白質量(酵素
濃度)と処理した繊維の量と繊維の比表面積から下記式
(1)によって吸着量を概算することができる。また、
水溶液中の蛋白質量は、蛋白質定量法として最も代表的
なLowry法(DC−プロテインアッセイ法;BIO
−RAD社製)を用い、牛血清アルブミンを検量線とし
て求め、牛血清アルブミン換算とし、繊維の比表面積
は、クリプトン吸着によるBET多点法により算出す
る。繊維表面積当たりの蛋白質の吸着量をmg/m2 で表
す。
【0023】
【数1】吸着量(mg/m2 )=〔(XA−XB)×(V/
W)〕/S×1000
W)〕/S×1000
【0024】ここで、W:繊維の使用量(g) V:酵素溶液量(l) XA :吸着前の酵素濃度(g/l) XB :吸着後の酵素濃度(g/l) S:使用した繊維の比表面積(m2 /g)
【0025】前記のようにして酵素蛋白質を化学繊維に
吸着させた後、架橋剤を用いて架橋処理を行う。架橋処
理は、酵素蛋白質吸着後、繊維を乾燥させずに同じ溶液
中で行うこともできるし、他の溶液中に移して行うこと
もできる。更に、一端溶液中から引き上げて乾燥させた
繊維に対して行うこともできる。架橋剤の濃度は、官能
基当量(分子量/官能基数)により異なるが、繊維重量
当たりの蛋白吸着量により官能基の総モル数を算出し、
それに応じて架橋剤の使用量を決定すればよい。架橋反
応を行うための触媒の温度は使用架橋剤により設定し、
溶液のpHを弱酸性から弱アルカリ性として行うのが好ま
しい。
吸着させた後、架橋剤を用いて架橋処理を行う。架橋処
理は、酵素蛋白質吸着後、繊維を乾燥させずに同じ溶液
中で行うこともできるし、他の溶液中に移して行うこと
もできる。更に、一端溶液中から引き上げて乾燥させた
繊維に対して行うこともできる。架橋剤の濃度は、官能
基当量(分子量/官能基数)により異なるが、繊維重量
当たりの蛋白吸着量により官能基の総モル数を算出し、
それに応じて架橋剤の使用量を決定すればよい。架橋反
応を行うための触媒の温度は使用架橋剤により設定し、
溶液のpHを弱酸性から弱アルカリ性として行うのが好ま
しい。
【0026】また、架橋は、その前段階である吸着状態
を損なわない条件で行うことが必要である。例えば、ア
ルデヒド化合物(架橋剤)は、蛋白質中のアミノ基と室
温で簡単に反応することができ、吸着状態のままで架橋
を形成することができる。これに対してエポキシ化合物
(架橋剤)は、蛋白質中のアミノ基、カルボキシル基と
の反応を促進する場合、加温又は加熱等の条件下に置
く。加温又は加熱することにより、蛋白質が熱変性する
場合がある。しかし、単繊維表面上の蛋白質被覆層の均
一性が失われない限りにおいては用いることができる。
架橋剤処理後は、常法に従って水洗浄、湯洗浄を充分に
行う。
を損なわない条件で行うことが必要である。例えば、ア
ルデヒド化合物(架橋剤)は、蛋白質中のアミノ基と室
温で簡単に反応することができ、吸着状態のままで架橋
を形成することができる。これに対してエポキシ化合物
(架橋剤)は、蛋白質中のアミノ基、カルボキシル基と
の反応を促進する場合、加温又は加熱等の条件下に置
く。加温又は加熱することにより、蛋白質が熱変性する
場合がある。しかし、単繊維表面上の蛋白質被覆層の均
一性が失われない限りにおいては用いることができる。
架橋剤処理後は、常法に従って水洗浄、湯洗浄を充分に
行う。
【0027】化学繊維の単繊維表面に架橋剤により架橋
されている酵素蛋白質からなる被覆層の酵素活性は、そ
の被覆層を形成した化学繊維が衣料用(着用)として用
いる時点で、活性を有しないことが好ましい。通常、架
橋段階において酵素活性のそのほとんどは失われるが、
酵素活性が残っている場合は、活性を失活させる手段を
用いることが好ましい。架橋された酵素蛋白質の被覆層
は、家庭用洗濯機で20回洗浄を繰り返しても蛋白質の
遊離が生じないことが、蛋白質染色用色素による染色で
確認され、架橋により耐洗濯性が得られることがわか
る。
されている酵素蛋白質からなる被覆層の酵素活性は、そ
の被覆層を形成した化学繊維が衣料用(着用)として用
いる時点で、活性を有しないことが好ましい。通常、架
橋段階において酵素活性のそのほとんどは失われるが、
酵素活性が残っている場合は、活性を失活させる手段を
用いることが好ましい。架橋された酵素蛋白質の被覆層
は、家庭用洗濯機で20回洗浄を繰り返しても蛋白質の
遊離が生じないことが、蛋白質染色用色素による染色で
確認され、架橋により耐洗濯性が得られることがわか
る。
【0028】このような処理がなされた化学繊維は、単
繊維内部の構造に変化を生じさせることなく、単繊維表
面のみが改質されたものであるため、この改質された表
面層(被覆層)に対して、化学的処理を行って化学的改
質をすることが可能である。すなわち、蛋白質由来の官
能基及び架橋剤の未反応状態の官能基に対して新機能を
持つ物質を反応させ、結合させることができる。例えば
蛋白質由来の官能基に対しては、吸着層(酵素蛋白質)
を架橋した後、羊毛、絹等の蛋白質系繊維を染色する染
料と反応させることにより、均一に染めることができ
る。また、単繊維表面に被覆層を形成することで、着用
や家庭用洗濯などの外部から加えられる物理的な力に対
して耐性を持ち、長期間の使用に耐えることが期待され
る。
繊維内部の構造に変化を生じさせることなく、単繊維表
面のみが改質されたものであるため、この改質された表
面層(被覆層)に対して、化学的処理を行って化学的改
質をすることが可能である。すなわち、蛋白質由来の官
能基及び架橋剤の未反応状態の官能基に対して新機能を
持つ物質を反応させ、結合させることができる。例えば
蛋白質由来の官能基に対しては、吸着層(酵素蛋白質)
を架橋した後、羊毛、絹等の蛋白質系繊維を染色する染
料と反応させることにより、均一に染めることができ
る。また、単繊維表面に被覆層を形成することで、着用
や家庭用洗濯などの外部から加えられる物理的な力に対
して耐性を持ち、長期間の使用に耐えることが期待され
る。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、化学繊維の単繊維内部
構造に変化を生じさせることなく、単繊維表面に酵素蛋
白質の均一な被覆層を形成した衣料用化学繊維を得るこ
とができる。
構造に変化を生じさせることなく、単繊維表面に酵素蛋
白質の均一な被覆層を形成した衣料用化学繊維を得るこ
とができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0031】実施例1 繊維の比表面積は、クリプトン吸着によるBET多点法
を用いて算出した。すなわち、測定装置として、日本ベ
ル社製の高精度全自動ガス吸着装置BELSORP36
を用い、吸着ガスとしてクリプトン(純度99.995
%)を用い、死容積をヘリウム(純度99.9999
%)で満たし、吸着温度77K、測定範囲は相対圧0.
01〜0.35(測定圧/吸着ガスの飽和蒸気圧)とし
た。平衡時間を各相対圧につき180秒とし、等温での
吸着でBET多分子吸着理論に基づく比表面積を計算し
た。ビスコースレーヨン布帛(平織り、帝人社製)の比
表面積は0.202m2 /gであった。
を用いて算出した。すなわち、測定装置として、日本ベ
ル社製の高精度全自動ガス吸着装置BELSORP36
を用い、吸着ガスとしてクリプトン(純度99.995
%)を用い、死容積をヘリウム(純度99.9999
%)で満たし、吸着温度77K、測定範囲は相対圧0.
01〜0.35(測定圧/吸着ガスの飽和蒸気圧)とし
た。平衡時間を各相対圧につき180秒とし、等温での
吸着でBET多分子吸着理論に基づく比表面積を計算し
た。ビスコースレーヨン布帛(平織り、帝人社製)の比
表面積は0.202m2 /gであった。
【0032】酵素蛋白質としてバチルス属菌の生産する
セルラーゼ(微工研条寄第1485号)、トリコデルマ
属菌の生産するセルラーゼ(メイセラーゼ TP−6
0、明治製菓製)、バチルス属菌の生産するアミラーゼ
(微工研条寄第10886号)を硫安沈殿、透析及び凍
結乾燥したものを用いた。再生繊維として上記ビスコー
スレーヨン布帛を用い、油剤落としとしてクロロホル
ム:メタノール=1:1の混合溶媒を用いてソックスレ
ー抽出を6時間行った。
セルラーゼ(微工研条寄第1485号)、トリコデルマ
属菌の生産するセルラーゼ(メイセラーゼ TP−6
0、明治製菓製)、バチルス属菌の生産するアミラーゼ
(微工研条寄第10886号)を硫安沈殿、透析及び凍
結乾燥したものを用いた。再生繊維として上記ビスコー
スレーヨン布帛を用い、油剤落としとしてクロロホル
ム:メタノール=1:1の混合溶媒を用いてソックスレ
ー抽出を6時間行った。
【0033】使用した緩衝液は100mM酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH5.0)(和光純薬工業製 特級)で
あり、イオン強度を0.1に調整した。
リウム緩衝液(pH5.0)(和光純薬工業製 特級)で
あり、イオン強度を0.1に調整した。
【0034】まず、酵素蛋白質を緩衝液に希釈した。蛋
白質濃度は、Lowry法による蛋白質定量値の牛血清
アルブミン換算値で0〜1g/lの範囲とした。次に繊
維を蛋白質溶液に浸漬した。繊維は溶液1リットルに対
して50g加え、繊維全体が溶液中に浸漬する状態にし
た。溶液の温度は5℃とし、溶液を振盪しながら、平衡
吸着に達するまで浸漬を行った。吸着等温線を図1(代
表例としてバチルス属菌の生産セルラーゼ)に示す。吸
着等温線をプロットした結果、酵素蛋白質であるバチル
ス属菌の生産セルラーゼ、トリコデルマ属菌の生産セル
ラーゼ、バチルス属菌の生産アミラーゼのビスコースレ
ーヨン布帛に対する平衡吸着量として下記の値が得られ
た。
白質濃度は、Lowry法による蛋白質定量値の牛血清
アルブミン換算値で0〜1g/lの範囲とした。次に繊
維を蛋白質溶液に浸漬した。繊維は溶液1リットルに対
して50g加え、繊維全体が溶液中に浸漬する状態にし
た。溶液の温度は5℃とし、溶液を振盪しながら、平衡
吸着に達するまで浸漬を行った。吸着等温線を図1(代
表例としてバチルス属菌の生産セルラーゼ)に示す。吸
着等温線をプロットした結果、酵素蛋白質であるバチル
ス属菌の生産セルラーゼ、トリコデルマ属菌の生産セル
ラーゼ、バチルス属菌の生産アミラーゼのビスコースレ
ーヨン布帛に対する平衡吸着量として下記の値が得られ
た。
【0035】
【表1】
【0036】次に、架橋剤として、アルデヒド系架橋剤
のグルタルアルデヒド(約5%溶液、和光純薬工業製、
1級)、下記式(1)で示され、平均分子量が約100
0、平均エポキシ当量が172のエポキシ系架橋剤のポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールE
X−521、ナガセ化成工業製)をそれぞれ酢酸−酢酸
ナトリウム緩衝液に100mMになるように希釈し、酵素
蛋白質を吸着させた繊維を架橋剤希釈液1リットルに対
して50g加え浸漬した。
のグルタルアルデヒド(約5%溶液、和光純薬工業製、
1級)、下記式(1)で示され、平均分子量が約100
0、平均エポキシ当量が172のエポキシ系架橋剤のポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールE
X−521、ナガセ化成工業製)をそれぞれ酢酸−酢酸
ナトリウム緩衝液に100mMになるように希釈し、酵素
蛋白質を吸着させた繊維を架橋剤希釈液1リットルに対
して50g加え浸漬した。
【0037】
【化1】
【0038】グルタルアルデヒド溶液は20℃で1時間
振盪させ架橋反応を行った。デナコールEX−521溶
液は10分以内に20℃から90℃加温し、1時間振盪
させて反応を行った。架橋処理後、水洗浄を充分行い、
乾燥させた。
振盪させ架橋反応を行った。デナコールEX−521溶
液は10分以内に20℃から90℃加温し、1時間振盪
させて反応を行った。架橋処理後、水洗浄を充分行い、
乾燥させた。
【0039】バチルス属菌の生産するセルラーゼをビス
コースレーヨン布帛に吸着させ、吸着平衡に達した後、
架橋剤としてグルタルアルデヒド(100mM)を用い、
室温で1時間架橋反応を行ったものを本発明例1、バチ
ルス属菌の生産するセルラーゼをビスコースレーヨン布
帛に吸着させ、架橋剤としてデナコールEX−521
(100mM)を用い、90℃で1時間架橋反応を行った
ものを本発明例2、酵素蛋白質を吸着、架橋しなかった
ビスコースレーヨン布帛を比較例1、バチルス属菌の生
産するセルラーゼをビスコースレーヨン布帛に吸着さ
せ、吸着平衡に達した後、水洗浄を充分に行い、乾燥さ
せたものを比較例2、バチルス属菌の生産するセルラー
ゼをビスコースレーヨン布帛に吸着させ、吸着平衡に達
した後、90℃で1時間加温を行い、充分水洗浄し、乾
燥させたものを比較例3とした。
コースレーヨン布帛に吸着させ、吸着平衡に達した後、
架橋剤としてグルタルアルデヒド(100mM)を用い、
室温で1時間架橋反応を行ったものを本発明例1、バチ
ルス属菌の生産するセルラーゼをビスコースレーヨン布
帛に吸着させ、架橋剤としてデナコールEX−521
(100mM)を用い、90℃で1時間架橋反応を行った
ものを本発明例2、酵素蛋白質を吸着、架橋しなかった
ビスコースレーヨン布帛を比較例1、バチルス属菌の生
産するセルラーゼをビスコースレーヨン布帛に吸着さ
せ、吸着平衡に達した後、水洗浄を充分に行い、乾燥さ
せたものを比較例2、バチルス属菌の生産するセルラー
ゼをビスコースレーヨン布帛に吸着させ、吸着平衡に達
した後、90℃で1時間加温を行い、充分水洗浄し、乾
燥させたものを比較例3とした。
【0040】家庭洗濯後の繊維の風合い・触感、フィブ
リル化抑制の度合い、及び被覆層の安定性を調べるた
め、表2に示す組成のモデル洗剤を用いて家庭洗濯を行
った。
リル化抑制の度合い、及び被覆層の安定性を調べるた
め、表2に示す組成のモデル洗剤を用いて家庭洗濯を行
った。
【0041】
【表2】
【0042】洗剤を0.0833%(w/v)になるよ
うに水道水に溶かし、繊維との浴比が1:30、20℃
で家庭用洗濯機(静御前、日立製)で12分間洗浄、5
分間すすぎを行った後、脱水、乾燥を行った。この洗濯
を20回繰り返した。
うに水道水に溶かし、繊維との浴比が1:30、20℃
で家庭用洗濯機(静御前、日立製)で12分間洗浄、5
分間すすぎを行った後、脱水、乾燥を行った。この洗濯
を20回繰り返した。
【0043】風合い・触感の官能評価を行い、洗濯を1
度も行わなかった布帛を洗濯前とし、20回繰り返し洗
濯を行った布帛を洗濯後として、下記の基準で判定し
た。結果を表3に示す。
度も行わなかった布帛を洗濯前とし、20回繰り返し洗
濯を行った布帛を洗濯後として、下記の基準で判定し
た。結果を表3に示す。
【0044】(官能評価の基準) ○:洗濯前の比較例1と比べて良好である。 △:洗濯前の比較例1と同等である。 ×:洗濯前の比較例1より劣る。
【0045】布帛を走査型電子顕微鏡で単繊維表面を観
察し、下記の基準によりフィブリル化の発生度を判定
し、フィブリル化の抑制効果を調べた。なお、観察は、
布帛試料を白金パラジウムによりスパッタリング処理
し、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM S−4
00、日立製)で加速電圧5kVにて行った。結果を表3
に示す。
察し、下記の基準によりフィブリル化の発生度を判定
し、フィブリル化の抑制効果を調べた。なお、観察は、
布帛試料を白金パラジウムによりスパッタリング処理
し、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM S−4
00、日立製)で加速電圧5kVにて行った。結果を表3
に示す。
【0046】(フィブリル化発生の判定基準) ○:単繊維表面にフィブリルが観察されない。 △:単繊維表面にフィブリルがわずかに観察される。 ×:単繊維表面にフィブリルがかなり観察される。
【0047】単繊維表面に酵素蛋白質吸着、架橋により
形成された被覆層の洗濯に対する安定性は、蛋白質染色
用色素クマシーブリリアントブルー(電気泳動用クイッ
クCBB、和光純薬工業製)で洗濯前後の布帛を染色
し、その染色度の差により、蛋白質の残留性を判定する
ことで調べ、下記判定基準で評価した。結果を表3に示
す。
形成された被覆層の洗濯に対する安定性は、蛋白質染色
用色素クマシーブリリアントブルー(電気泳動用クイッ
クCBB、和光純薬工業製)で洗濯前後の布帛を染色
し、その染色度の差により、蛋白質の残留性を判定する
ことで調べ、下記判定基準で評価した。結果を表3に示
す。
【0048】(被覆層の洗濯に対する安定性の判定基
準) ◎:洗濯前の布帛の染色性と同等である。 ○:洗濯前の布帛の染色性に比べ若干劣る。 △:洗濯前の布帛の染色性に比べかなり劣る。 ×:染色性なし(比較例1の洗濯前の染色度と同等)。
準) ◎:洗濯前の布帛の染色性と同等である。 ○:洗濯前の布帛の染色性に比べ若干劣る。 △:洗濯前の布帛の染色性に比べかなり劣る。 ×:染色性なし(比較例1の洗濯前の染色度と同等)。
【0049】
【表3】
【0050】なお、トリコデルマ属菌の生産セルラー
ゼ、バチルス属菌の生産アミラーゼを用いた場合も同様
の結果が得られた。
ゼ、バチルス属菌の生産アミラーゼを用いた場合も同様
の結果が得られた。
【0051】本発明例1、2から、再生繊維の風合い・
触感が洗濯前後において損なわない。単繊維表面に酵素
蛋白質を吸着させた被覆層が洗濯に対して安定であり、
この被覆層がフィブリル発生を抑制することで、毛羽立
ち、繊維の硬化が防止され、風合い・触感が損なわれな
いものと思われる。
触感が洗濯前後において損なわない。単繊維表面に酵素
蛋白質を吸着させた被覆層が洗濯に対して安定であり、
この被覆層がフィブリル発生を抑制することで、毛羽立
ち、繊維の硬化が防止され、風合い・触感が損なわれな
いものと思われる。
【0052】実施例2 実施例1と同様の処理を行った。合成繊維としてポリエ
ステル布帛(パレス平織り、旭化成製)を用い、油剤落
としとしてクロロホルム:メタノール=1:1の混合溶
媒を用い、ソックスレー抽出を6時間行った。クリプト
ン吸着によるBET多点法を用いて算出したポリエステ
ル布帛の比表面積は0.205mg/m2であった。
ステル布帛(パレス平織り、旭化成製)を用い、油剤落
としとしてクロロホルム:メタノール=1:1の混合溶
媒を用い、ソックスレー抽出を6時間行った。クリプト
ン吸着によるBET多点法を用いて算出したポリエステ
ル布帛の比表面積は0.205mg/m2であった。
【0053】ポリエステル布帛に対する酵素蛋白質の吸
着等温線を図2(代表例としてバチルス属菌の生産セル
ラーゼ)を示す。吸着等温線のプロットした結果から、
酵素蛋白質であるバチルス属菌の生産セルラーゼ、トリ
コデルマ属菌の生産セルラーゼ、バチルス属菌の生産ア
ミラーゼのポリエステル布帛に対する平衡吸着量として
下記の値が得られた。
着等温線を図2(代表例としてバチルス属菌の生産セル
ラーゼ)を示す。吸着等温線のプロットした結果から、
酵素蛋白質であるバチルス属菌の生産セルラーゼ、トリ
コデルマ属菌の生産セルラーゼ、バチルス属菌の生産ア
ミラーゼのポリエステル布帛に対する平衡吸着量として
下記の値が得られた。
【0054】
【表4】
【0055】バチルス属菌の生産するセルラーゼをポリ
エステル布帛に吸着させ、平衡吸着に達した後、架橋剤
としてグルタルアルデヒド(100mM)を用い、室温で
1時間架橋反応を行ったものを本発明例3、バチルス属
菌の生産するセルラーゼをポリエステル布帛に吸着さ
せ、平衡吸着に達した後、架橋剤としてデナコール E
X−521(100mMを用い、90℃で1時間)架橋反
応を行ったものを本発明例4、酵素蛋白質を吸着、架橋
しなかったポリエステル布帛を比較例4、バチルス属菌
の生産するセルラーゼをポリエステル布帛に吸着させ、
吸着平衡に達した後、水洗浄を充分行い乾燥させたもの
を比較例5、バチルス属菌の生産するセルラーゼをポリ
エステル布帛に吸着させ、吸着平衡に達した後、90℃
で1時間加温を行い、充分水洗浄し、乾燥させたものを
比較例6とした。
エステル布帛に吸着させ、平衡吸着に達した後、架橋剤
としてグルタルアルデヒド(100mM)を用い、室温で
1時間架橋反応を行ったものを本発明例3、バチルス属
菌の生産するセルラーゼをポリエステル布帛に吸着さ
せ、平衡吸着に達した後、架橋剤としてデナコール E
X−521(100mMを用い、90℃で1時間)架橋反
応を行ったものを本発明例4、酵素蛋白質を吸着、架橋
しなかったポリエステル布帛を比較例4、バチルス属菌
の生産するセルラーゼをポリエステル布帛に吸着させ、
吸着平衡に達した後、水洗浄を充分行い乾燥させたもの
を比較例5、バチルス属菌の生産するセルラーゼをポリ
エステル布帛に吸着させ、吸着平衡に達した後、90℃
で1時間加温を行い、充分水洗浄し、乾燥させたものを
比較例6とした。
【0056】実施例1と同様の家庭洗濯を行い、風合い
触感の官能評価は、実施例1と同様に下記の基準で行っ
た。結果を表5に示す。
触感の官能評価は、実施例1と同様に下記の基準で行っ
た。結果を表5に示す。
【0057】(官能評価の判定基準) ○:洗濯前の比較例4と比べて良好である。 △:洗濯前の比較例4と同等である。 ×:洗濯前の比較例4より劣る。
【0058】繊維の吸湿性を下記の方法で評価した。測
定対象の繊維を20℃、65%RHの雰囲気中又は20
℃、90%RHに2時間維持した後の重量を測定し、こ
の測定値をAとし、次に吸湿後の重量が確認された繊維
に対して、105℃、2時間処理し絶乾した後に重量を
測定し、この測定値をBとし、吸湿率を次式より算出し
た。結果を表4に示す。
定対象の繊維を20℃、65%RHの雰囲気中又は20
℃、90%RHに2時間維持した後の重量を測定し、こ
の測定値をAとし、次に吸湿後の重量が確認された繊維
に対して、105℃、2時間処理し絶乾した後に重量を
測定し、この測定値をBとし、吸湿率を次式より算出し
た。結果を表4に示す。
【0059】
【数2】吸湿率(%)=(A−B)/B×100
【0060】単繊維表面に酵素蛋白質吸着、架橋により
形成された被覆層の洗濯に対する安定性は、蛋白質染色
用色素クマシーブリリアントブルーで洗濯前後の布帛を
染色し、その染色度の差により、蛋白質の残留性を下記
基準で判定した。結果を表5に示す。
形成された被覆層の洗濯に対する安定性は、蛋白質染色
用色素クマシーブリリアントブルーで洗濯前後の布帛を
染色し、その染色度の差により、蛋白質の残留性を下記
基準で判定した。結果を表5に示す。
【0061】(被覆層の洗濯に対する安定性の判定基
準) ◎:洗濯前の布帛の染色性と同等である。 ○:洗濯前の布帛の染色性に比べ若干劣る。 △:洗濯前の布帛の染色性に比べかなり劣る。 ×:染色性なし(比較例4の洗濯前の染色度と同等)。
準) ◎:洗濯前の布帛の染色性と同等である。 ○:洗濯前の布帛の染色性に比べ若干劣る。 △:洗濯前の布帛の染色性に比べかなり劣る。 ×:染色性なし(比較例4の洗濯前の染色度と同等)。
【0062】
【表5】
【0063】なお、トリコデルマ属菌の生産セルラー
ゼ、バチルス属菌の生産アミラーゼを用いても同様の結
果が得られた。
ゼ、バチルス属菌の生産アミラーゼを用いても同様の結
果が得られた。
【0064】本発明例3、4から、合成繊維の風合い・
触感が改善されていることがわかる。これは繊維の単繊
維表面に酵素蛋白質を吸着させて被覆層を形成すること
により、合成繊維に吸湿性を向上させることにより風合
い・触感が向上したものと思われる。更に、被覆層が洗
濯に対して安定であるため、これらの性質が長期的に維
持されることが期待される。
触感が改善されていることがわかる。これは繊維の単繊
維表面に酵素蛋白質を吸着させて被覆層を形成すること
により、合成繊維に吸湿性を向上させることにより風合
い・触感が向上したものと思われる。更に、被覆層が洗
濯に対して安定であるため、これらの性質が長期的に維
持されることが期待される。
【図1】本発明の実施例1における蛋白質濃度と酵素蛋
白質の吸着量との関係を示す図である。
白質の吸着量との関係を示す図である。
【図2】本発明の実施例2における蛋白質濃度と酵素蛋
白質の吸着量との関係を示す図である。
白質の吸着量との関係を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 化学繊維の単繊維表面に架橋剤により架
橋されている酵素蛋白質からなる被覆層を形成した衣料
用化学繊維。 - 【請求項2】 被覆層を形成する酵素蛋白質が、分子量
が1万以上の1種又は2種以上のものである請求項1記
載の衣料用化学繊維。 - 【請求項3】 化学繊維の単繊維がビスコースレーヨ
ン、ポリエステル、アクリル又はナイロンである請求項
1又は2記載の衣料用化学繊維。 - 【請求項4】 酵素蛋白質を含む溶液中に化学繊維を浸
漬して該繊維の単繊維表面に上記酵素蛋白質を吸着さ
せ、次いで架橋剤によって該酵素蛋白質を架橋すること
を特徴とする衣料用化学繊維の製造方法。 - 【請求項5】 上記酵素蛋白質を含む溶液のpHが酸性な
いし中性領域にあることを特徴とする請求項4記載の衣
料用化学繊維の製造方法。 - 【請求項6】 化学繊維の単繊維に対する酵素蛋白質の
吸着量が繊維表面積当たり3〜15mg/m2 である請求
項4又は5記載の衣料用化学繊維の製造方法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7297095A JPH08269873A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 衣料用化学繊維及びその製造方法 |
| US08/476,581 US5593779A (en) | 1994-06-15 | 1995-06-07 | Fiber for clothing and production method therefor |
| EP95109230A EP0687729A1 (en) | 1994-06-15 | 1995-06-14 | Fiber for clothing and production method therefor |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7297095A JPH08269873A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 衣料用化学繊維及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08269873A true JPH08269873A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=13504761
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7297095A Pending JPH08269873A (ja) | 1994-06-15 | 1995-03-30 | 衣料用化学繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08269873A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009544781A (ja) * | 2006-07-27 | 2009-12-17 | チバ ホールディング インコーポレーテッド | ポリオレフィンの生体触媒的な親水化 |
-
1995
- 1995-03-30 JP JP7297095A patent/JPH08269873A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009544781A (ja) * | 2006-07-27 | 2009-12-17 | チバ ホールディング インコーポレーテッド | ポリオレフィンの生体触媒的な親水化 |
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