JPH0827545A - 巨大磁気ひずみ材料およびその製造方法 - Google Patents
巨大磁気ひずみ材料およびその製造方法Info
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- JPH0827545A JPH0827545A JP6186674A JP18667494A JPH0827545A JP H0827545 A JPH0827545 A JP H0827545A JP 6186674 A JP6186674 A JP 6186674A JP 18667494 A JP18667494 A JP 18667494A JP H0827545 A JPH0827545 A JP H0827545A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 磁気ひずみの飽和値の低下を抑制すると同時
に、結晶粒径の制御により、印加磁場が小さくとも大き
な磁気ひずみを発現させる材料。 【構成】 組成式(FexTb1−yDyy)
100−zMzを有し、MはSi/Alで、組成各元素
の原子比は、1.8≦x≦2.2、0<y≦0.7、1
≦z≦5で、更に20nm径以下の微細な結晶粒から成
る組織を有する巨大磁気ひずみ材料。
に、結晶粒径の制御により、印加磁場が小さくとも大き
な磁気ひずみを発現させる材料。 【構成】 組成式(FexTb1−yDyy)
100−zMzを有し、MはSi/Alで、組成各元素
の原子比は、1.8≦x≦2.2、0<y≦0.7、1
≦z≦5で、更に20nm径以下の微細な結晶粒から成
る組織を有する巨大磁気ひずみ材料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、巨大磁気ひずみ材料お
よびその製造方法に係り、特に低磁場域における特性の
優れた巨大磁気ひずみ材料およびその製造方法に関す
る。
よびその製造方法に係り、特に低磁場域における特性の
優れた巨大磁気ひずみ材料およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている磁気ひずみ材料は、
金属ではNi、合金ではFe−Co−V、フエライトで
はNiCu・Coフエライト等があるが、これらの従来
材料の磁気ひずみは10-6〜10-5程度と非常に小さい
ため、応用上大きく制限されていた。しかしながら、近
年、鉄−希土類系金属間化合物であるFe2Tb,Fe2
Sm合金で室温において、従来材料の約20倍の10-3
台の磁気ひずみを生じる化合物が発見された。巨大磁気
ひずみ材料をマイクロデバイスやアクチュエ−タ−等に
応用する上で求められる磁気特性としては、磁気ひずみ
値が大きいことは勿論のこと、磁化され易く、保磁力が
小さいことが挙げられるが、上記合金系については結晶
磁気異方性が大きいため磁化され難く、単結晶や一方向
凝固材として用いる以外、実用には不向きであった。こ
の結晶磁気異方性を小さくする手段として、合金を非晶
質化する方法と、磁気異方性定数の正負の符号の異なる
化合物を組み合わせる方法、例えば、Fe2TbとFe2
Dyを組み合わせる方法等がある。前者の方法において
は、磁気異方性は大きく減少するが、磁気ひずみも同じ
く大きく減少する。(IEEE、Trans、MAG−
10(1974)、807.)。一方、後者の方法によ
れば、低磁場域の磁気ひずみの増加量はFe2Tb合金
と比較して格段に大きくなる。(例えば、A.E.Cl
ark,Ferromagnetic Materia
ls,Ed.by E.P Whohlfarth,V
ol.1,North−Holland,Amster
dam,(1980),P.531)この他に、磁気異
方性を低減する手段として、結晶粒を微細化する方法が
ある。この方法は、軟磁性合金において、磁気ひずみを
小さくする手段として用いられている。最近、磁気異方
性の大きなFe−Tb−M系(M:Si,Al)、Fe
−Tb−B系、Fe−Tb−Dy−B系においても結晶
粒を微細化することにより、磁気異方性を低減する方法
が報告されている(Sci.Rep.RITU A39
(1994)pp.147−153.,日本応用磁気学
会誌17,267−270(1993):日本金属学会
春期大会講演概要(1993).154)。
金属ではNi、合金ではFe−Co−V、フエライトで
はNiCu・Coフエライト等があるが、これらの従来
材料の磁気ひずみは10-6〜10-5程度と非常に小さい
ため、応用上大きく制限されていた。しかしながら、近
年、鉄−希土類系金属間化合物であるFe2Tb,Fe2
Sm合金で室温において、従来材料の約20倍の10-3
台の磁気ひずみを生じる化合物が発見された。巨大磁気
ひずみ材料をマイクロデバイスやアクチュエ−タ−等に
応用する上で求められる磁気特性としては、磁気ひずみ
値が大きいことは勿論のこと、磁化され易く、保磁力が
小さいことが挙げられるが、上記合金系については結晶
磁気異方性が大きいため磁化され難く、単結晶や一方向
凝固材として用いる以外、実用には不向きであった。こ
の結晶磁気異方性を小さくする手段として、合金を非晶
質化する方法と、磁気異方性定数の正負の符号の異なる
化合物を組み合わせる方法、例えば、Fe2TbとFe2
Dyを組み合わせる方法等がある。前者の方法において
は、磁気異方性は大きく減少するが、磁気ひずみも同じ
く大きく減少する。(IEEE、Trans、MAG−
10(1974)、807.)。一方、後者の方法によ
れば、低磁場域の磁気ひずみの増加量はFe2Tb合金
と比較して格段に大きくなる。(例えば、A.E.Cl
ark,Ferromagnetic Materia
ls,Ed.by E.P Whohlfarth,V
ol.1,North−Holland,Amster
dam,(1980),P.531)この他に、磁気異
方性を低減する手段として、結晶粒を微細化する方法が
ある。この方法は、軟磁性合金において、磁気ひずみを
小さくする手段として用いられている。最近、磁気異方
性の大きなFe−Tb−M系(M:Si,Al)、Fe
−Tb−B系、Fe−Tb−Dy−B系においても結晶
粒を微細化することにより、磁気異方性を低減する方法
が報告されている(Sci.Rep.RITU A39
(1994)pp.147−153.,日本応用磁気学
会誌17,267−270(1993):日本金属学会
春期大会講演概要(1993).154)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の報告例による
と、組成式(Fe2Tb0.5Dy0.5)100-XBXの試料に
おいては、添加元素であるBを7原子%以上添加するこ
とにより非晶質(アモルファス)が得られるとしてい
る。しかしながら、Bの添加により磁気ひずみの飽和値
が減少するだけでなく、B元素が非常に高価であるた
め、生産コストの面から考えて実用的とは言えなかっ
た。このFe−Tb−Dy系合金は、Fe−Tb系合金
に比べDyの割合が大きくなるに従い、磁気ひずみの飽
和値が小さくなるという問題点があった。また、室温で
磁気異方性が最小となるFe2Tb0.27Dy0.73組成
(原子比)は、磁化容易軸の異なるFe2Tb([11
1])とFe2Dy([100])の凝2元合金であ
り、温度変化によりスピン再配列を起し易く、磁気ひず
み特性が不安定になる問題点があった。本発明は、大き
な磁気異方性をもつFe−Tb−Dy系において、添加
元素Mとして比較的安価なSi又はAlを選択し、添加
元素M(Si又はAlのうち少くとも1元素以上)の添
加量とDyの割合を少なくして、磁気ひずみの飽和値の
低下を抑制すると同時に、結晶粒径の制御により、印加
磁場が小さくとも大きな磁気ひずみを発現させる材料と
その製造方法とを提供することを目的とする。
と、組成式(Fe2Tb0.5Dy0.5)100-XBXの試料に
おいては、添加元素であるBを7原子%以上添加するこ
とにより非晶質(アモルファス)が得られるとしてい
る。しかしながら、Bの添加により磁気ひずみの飽和値
が減少するだけでなく、B元素が非常に高価であるた
め、生産コストの面から考えて実用的とは言えなかっ
た。このFe−Tb−Dy系合金は、Fe−Tb系合金
に比べDyの割合が大きくなるに従い、磁気ひずみの飽
和値が小さくなるという問題点があった。また、室温で
磁気異方性が最小となるFe2Tb0.27Dy0.73組成
(原子比)は、磁化容易軸の異なるFe2Tb([11
1])とFe2Dy([100])の凝2元合金であ
り、温度変化によりスピン再配列を起し易く、磁気ひず
み特性が不安定になる問題点があった。本発明は、大き
な磁気異方性をもつFe−Tb−Dy系において、添加
元素Mとして比較的安価なSi又はAlを選択し、添加
元素M(Si又はAlのうち少くとも1元素以上)の添
加量とDyの割合を少なくして、磁気ひずみの飽和値の
低下を抑制すると同時に、結晶粒径の制御により、印加
磁場が小さくとも大きな磁気ひずみを発現させる材料と
その製造方法とを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは次の如くである。 (1)組成式(FexTb1-yDyy)100-ZMZを有し、
該組成式において、M:Si、Alのうちから選ばれた
1種以上で、かつ、組成各元素の原子比が次の3式を満
足し、 1.8≦x≦2.2 0<y≦0.7 1≦z≦5 更に20nm径以下の微細な結晶粒から成る組織を有す
ることを特徴とする巨大磁気ひずみ材料。 (2)目標組成式を得るためのFe−Tb−Dy−M
(ただしMはSi、Alのうちから選ばれた1種以上)
系原料金属もしくは合金をアルゴン雰囲気中で溶解しノ
ズルを介して回転するロ−ル面上に射出して急速凝固せ
しめる液体急冷法により製造した非晶質合金もしくは微
細結晶を含む合金を該合金の結晶化温度Tx近傍の温度
で熱処理することを特徴とする巨大磁気ひずみ材料の製
造方法。 (3)前記液体急冷法による急冷速度を射出する回転ロ
−ルの周速度を制御することにより非晶質を経由せず直
接20nm径以下の微細な結晶粒組織を生成させる上記
(2)に記載の巨大磁気ひずみ材料の製造方法。 (4)前記熱処理温度は前記急冷体の昇温温度40℃/
minで測定した結晶化温度Txで行うことを最善と
し、少くともTxを中心として−50℃〜+50℃の範
囲の温度で行う上記(2)もしくは(3)に記載の巨大
磁気ひずみ材料の製造方法。
ろは次の如くである。 (1)組成式(FexTb1-yDyy)100-ZMZを有し、
該組成式において、M:Si、Alのうちから選ばれた
1種以上で、かつ、組成各元素の原子比が次の3式を満
足し、 1.8≦x≦2.2 0<y≦0.7 1≦z≦5 更に20nm径以下の微細な結晶粒から成る組織を有す
ることを特徴とする巨大磁気ひずみ材料。 (2)目標組成式を得るためのFe−Tb−Dy−M
(ただしMはSi、Alのうちから選ばれた1種以上)
系原料金属もしくは合金をアルゴン雰囲気中で溶解しノ
ズルを介して回転するロ−ル面上に射出して急速凝固せ
しめる液体急冷法により製造した非晶質合金もしくは微
細結晶を含む合金を該合金の結晶化温度Tx近傍の温度
で熱処理することを特徴とする巨大磁気ひずみ材料の製
造方法。 (3)前記液体急冷法による急冷速度を射出する回転ロ
−ルの周速度を制御することにより非晶質を経由せず直
接20nm径以下の微細な結晶粒組織を生成させる上記
(2)に記載の巨大磁気ひずみ材料の製造方法。 (4)前記熱処理温度は前記急冷体の昇温温度40℃/
minで測定した結晶化温度Txで行うことを最善と
し、少くともTxを中心として−50℃〜+50℃の範
囲の温度で行う上記(2)もしくは(3)に記載の巨大
磁気ひずみ材料の製造方法。
【0005】以下に本発明の詳細を説明する。本発明の
合金組成は、鉄(Fe)を基とし、テリビウム(T
b),ジスプロシウム(Dy)と添加元素Mから構成さ
れるものである。FeとTbおよびDyの比は、Fe2
R(R:TbおよびDy)の化合物が、最大の磁気ひず
みを示すことから、1.8≦Fe/(Tb+Dy)≦
2.2とすることが好ましい。Fe/(Tb+Dy)の
原子比が1.8未満または2.2より大きい場合、磁気
ひずみが小さくなるため、1.8以上、2.2以下の原
子比が好ましい。上記組成式で、Dyの割合が0.7<
yの領域では、温度変化によりスピン再配列を起こし易
く、磁気ひずみ特性が不安定になる。また磁気ひずみも
小さくなる。それ故、Dyの置換量yは、0<y≦0.
7とするのが好ましい。
合金組成は、鉄(Fe)を基とし、テリビウム(T
b),ジスプロシウム(Dy)と添加元素Mから構成さ
れるものである。FeとTbおよびDyの比は、Fe2
R(R:TbおよびDy)の化合物が、最大の磁気ひず
みを示すことから、1.8≦Fe/(Tb+Dy)≦
2.2とすることが好ましい。Fe/(Tb+Dy)の
原子比が1.8未満または2.2より大きい場合、磁気
ひずみが小さくなるため、1.8以上、2.2以下の原
子比が好ましい。上記組成式で、Dyの割合が0.7<
yの領域では、温度変化によりスピン再配列を起こし易
く、磁気ひずみ特性が不安定になる。また磁気ひずみも
小さくなる。それ故、Dyの置換量yは、0<y≦0.
7とするのが好ましい。
【0006】添加元素Mは、Si又はAlのうちから選
ばれた少なくとも1種以上の元素であり、非晶質合金を
得るために添加されるものである。また、添加元素M
は、Fe2R(R:TbおよびDy)化合物の結晶粒径
を20nm径以下に制御するためにも必要である。一
方、冷却速度を制御して、アモルファスを得ずに直接結
晶化させる場合も、添加元素Mは、結晶粒を20nm径
以下に制御する働きがある。結晶粒が20nm径を越え
て粗大化すると、磁気異方性となり保磁力が大きくな
り、低磁場域での磁気ひずみの特性が劣化する。そのた
め、実用上、結晶粒径を20nm径以下に制御する必要
がある。なお、磁気ひずみは3端子静電容量法、保磁力
はVSM、結晶粒径は透過型電子顕微鏡によって測定し
た。
ばれた少なくとも1種以上の元素であり、非晶質合金を
得るために添加されるものである。また、添加元素M
は、Fe2R(R:TbおよびDy)化合物の結晶粒径
を20nm径以下に制御するためにも必要である。一
方、冷却速度を制御して、アモルファスを得ずに直接結
晶化させる場合も、添加元素Mは、結晶粒を20nm径
以下に制御する働きがある。結晶粒が20nm径を越え
て粗大化すると、磁気異方性となり保磁力が大きくな
り、低磁場域での磁気ひずみの特性が劣化する。そのた
め、実用上、結晶粒径を20nm径以下に制御する必要
がある。なお、磁気ひずみは3端子静電容量法、保磁力
はVSM、結晶粒径は透過型電子顕微鏡によって測定し
た。
【0007】添加元素Mの添加量は、1原子%未満であ
るとアモルファス合金又は微細結晶を含む合金を製造す
ることが困難であり、また、5原子%より過剰に添加す
ると磁気ひずみ値の大幅な低下を招くことから、好まし
くは1原子%以上、5原子%以下とすることが良い。従
って1≦z≦5と限定した。熱処理温度は、急冷体の昇
温温度40deg/minで測定した結晶化温度Txに
対し、−50℃〜+50℃の範囲の温度で行うことと
し、特に、結晶化温度Txで熱処理を行うことにより最
も良い特性が得られることが判明した。熱処理温度は1
0分から10時間程度とする。熱処理温度は、低すぎる
と結晶質合金が得られず、また、熱処理温度が高すぎる
と、結晶粒が粗大化して磁気ひずみ特性の低下を招く。
熱処理雰囲気は、真空中、不活性ガス中のどちらでもよ
い。
るとアモルファス合金又は微細結晶を含む合金を製造す
ることが困難であり、また、5原子%より過剰に添加す
ると磁気ひずみ値の大幅な低下を招くことから、好まし
くは1原子%以上、5原子%以下とすることが良い。従
って1≦z≦5と限定した。熱処理温度は、急冷体の昇
温温度40deg/minで測定した結晶化温度Txに
対し、−50℃〜+50℃の範囲の温度で行うことと
し、特に、結晶化温度Txで熱処理を行うことにより最
も良い特性が得られることが判明した。熱処理温度は1
0分から10時間程度とする。熱処理温度は、低すぎる
と結晶質合金が得られず、また、熱処理温度が高すぎる
と、結晶粒が粗大化して磁気ひずみ特性の低下を招く。
熱処理雰囲気は、真空中、不活性ガス中のどちらでもよ
い。
【0008】
【実施例】次の実施例により、本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【実施例1】アルゴン雰囲気中、単ロ−ル液体急冷法に
より、ロ−ルの周速32m/secの条件で幅1mm、
厚さ20μmの組成式(Fe2Tb0.5Dy0.5)97.5S
i2.5の原子比のアモルファス薄帯を作製した。図1
に、アモルファスの試料、結晶化温度Tx=563℃よ
り70℃低温側の493℃で熱処理した試料、結晶化温
度Tx=563℃で熱処理した試料、そして結晶化温度
より70℃高温側の633℃で熱処理した試料の印加磁
場に対する磁気ひずみの変化を示す。熱処理を行った試
料は、結晶化による磁気ひずみの増加が確認された。特
に、結晶化温度Txで熱処理を行った試料は、低磁場側
の30〜50kA/mで磁気ひずみの急激な増加が見ら
れ、240kA/mの印加磁場においても627× 1
/106の磁気ひずみ値が得られた。透過型電子顕微鏡
による組織観察の結果、10〜20nm径の微細な結晶
粒集合体からなることが分かった。しかしながら、熱処
理温度が結晶化温度より高すぎると結晶粒が粗大化し、
低磁場域の磁気ひずみ特性が劣化する。一方、熱処理温
度が、結晶化温度より低すぎると、結晶化が進行せず、
大きな磁気ひずみを得られない。
より、ロ−ルの周速32m/secの条件で幅1mm、
厚さ20μmの組成式(Fe2Tb0.5Dy0.5)97.5S
i2.5の原子比のアモルファス薄帯を作製した。図1
に、アモルファスの試料、結晶化温度Tx=563℃よ
り70℃低温側の493℃で熱処理した試料、結晶化温
度Tx=563℃で熱処理した試料、そして結晶化温度
より70℃高温側の633℃で熱処理した試料の印加磁
場に対する磁気ひずみの変化を示す。熱処理を行った試
料は、結晶化による磁気ひずみの増加が確認された。特
に、結晶化温度Txで熱処理を行った試料は、低磁場側
の30〜50kA/mで磁気ひずみの急激な増加が見ら
れ、240kA/mの印加磁場においても627× 1
/106の磁気ひずみ値が得られた。透過型電子顕微鏡
による組織観察の結果、10〜20nm径の微細な結晶
粒集合体からなることが分かった。しかしながら、熱処
理温度が結晶化温度より高すぎると結晶粒が粗大化し、
低磁場域の磁気ひずみ特性が劣化する。一方、熱処理温
度が、結晶化温度より低すぎると、結晶化が進行せず、
大きな磁気ひずみを得られない。
【0009】表1に、熱処理温度の差異による低磁場域
の磁気ひずみ値と保磁力の値を示す。
の磁気ひずみ値と保磁力の値を示す。
【表1】 熱処理温度が、513〜613℃の範囲で行った試料に
おいて低磁場域の磁気ひずみ特性の優れた磁気ひずみ材
料が得られた。特に、結晶化温度Tx=563℃で熱処
理を行った試料は最も保磁力が低く、磁気ひずみ特性も
優れていた。またTx=563℃から−70℃の493
℃および+70℃の633℃で熱処理した試料は、それ
ぞれ−50℃の513℃および+50℃の613℃で熱
処理した試料よりも保磁力が著しく高く、磁気ひずみ特
性も劣ることが判明した。従って、結晶化温度Txで熱
処理を行うことを最善とし、少くともTxを中心として
−50℃〜+50℃の範囲の温度で熱処理すべきである
ことが判明した。
おいて低磁場域の磁気ひずみ特性の優れた磁気ひずみ材
料が得られた。特に、結晶化温度Tx=563℃で熱処
理を行った試料は最も保磁力が低く、磁気ひずみ特性も
優れていた。またTx=563℃から−70℃の493
℃および+70℃の633℃で熱処理した試料は、それ
ぞれ−50℃の513℃および+50℃の613℃で熱
処理した試料よりも保磁力が著しく高く、磁気ひずみ特
性も劣ることが判明した。従って、結晶化温度Txで熱
処理を行うことを最善とし、少くともTxを中心として
−50℃〜+50℃の範囲の温度で熱処理すべきである
ことが判明した。
【0010】
【実施例2〜9】アルゴン雰囲気中、単ロ−ル液体急冷
法により、ロ−ルの周速32m/secの条件で幅1m
m、厚さ20μmの組成式(Fe2Tb1-yDyy)100-z
Mzの原子比の非晶質または微細結晶を含む薄帯を作製
した。なお、z=2.5原子%の時、y=0.7の組成
においては、非晶質組織中に僅かであるが微細結晶を含
んでおり、Dyの割合が増加するに従い、非晶質組織が
得られ難くなる。また、Si,Alいずれかの添加元素
の場合についても、アモルファス形成能の大差は見られ
なかった。表2〜表5に、それぞれ印加磁場50,10
0,240(kA/m)における結晶化温度Txで熱処
理した試料の磁気ひずみの値を示す。
法により、ロ−ルの周速32m/secの条件で幅1m
m、厚さ20μmの組成式(Fe2Tb1-yDyy)100-z
Mzの原子比の非晶質または微細結晶を含む薄帯を作製
した。なお、z=2.5原子%の時、y=0.7の組成
においては、非晶質組織中に僅かであるが微細結晶を含
んでおり、Dyの割合が増加するに従い、非晶質組織が
得られ難くなる。また、Si,Alいずれかの添加元素
の場合についても、アモルファス形成能の大差は見られ
なかった。表2〜表5に、それぞれ印加磁場50,10
0,240(kA/m)における結晶化温度Txで熱処
理した試料の磁気ひずみの値を示す。
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【表5】
【0015】なお表2〜表5の実施例の材料およびy=
0の組成のものについては、20nm径以下に結晶粒を
制御されており、参考例の結晶粒が制御されていないF
e2Tbと比較して、〜100kA/mの印加磁場領域
で磁気ひずみの大幅な増加が見られる。実施例2〜9の
結果より、添加元素がSi,Alいずれの場合において
も、Dyの置換量の増加に伴い、240kA/mでの磁
気ひずみは、減少する傾向にある。しかしながら、低磁
場領域の印加磁場においては、参考例のアモルファス材
と比較しても遜色ない優れた磁気ひずみ特性を示してい
る。また、実施例2〜9の試料においても、実施例1と
同様に、熱処理を結晶化温度Txに対し、−50℃〜+
50℃の範囲の温度で行なったが、結晶化温度で熱処理
したものと比較して、僅かに特性は劣るものの、優れた
特性が得られた。
0の組成のものについては、20nm径以下に結晶粒を
制御されており、参考例の結晶粒が制御されていないF
e2Tbと比較して、〜100kA/mの印加磁場領域
で磁気ひずみの大幅な増加が見られる。実施例2〜9の
結果より、添加元素がSi,Alいずれの場合において
も、Dyの置換量の増加に伴い、240kA/mでの磁
気ひずみは、減少する傾向にある。しかしながら、低磁
場領域の印加磁場においては、参考例のアモルファス材
と比較しても遜色ない優れた磁気ひずみ特性を示してい
る。また、実施例2〜9の試料においても、実施例1と
同様に、熱処理を結晶化温度Txに対し、−50℃〜+
50℃の範囲の温度で行なったが、結晶化温度で熱処理
したものと比較して、僅かに特性は劣るものの、優れた
特性が得られた。
【0016】添加元素Mの添加量を1原子%未満とした
場合、アモルファス又は微細結晶を含む薄帯を得ること
が困難となり、結晶粒を均一に20nm以下に制御する
ことができなくなる。それ故、低磁場領域の磁気ひずみ
特性が劣化する。しかし、添加元素Mの添加量を1原子
%未満としても、さらに冷却速度を上げることにより、
アモルファス合金又は微細結晶を含む合金を製造するこ
とは可能であると考える。
場合、アモルファス又は微細結晶を含む薄帯を得ること
が困難となり、結晶粒を均一に20nm以下に制御する
ことができなくなる。それ故、低磁場領域の磁気ひずみ
特性が劣化する。しかし、添加元素Mの添加量を1原子
%未満としても、さらに冷却速度を上げることにより、
アモルファス合金又は微細結晶を含む合金を製造するこ
とは可能であると考える。
【0017】
【実施例10】アルゴン雰囲気中、単ロ−ル液体急冷法
により、ロ−ルの周速を10〜21m/secに制御し
た条件で幅1mm、厚さ20μmの組成式(Fe2Tb
0.75Dy0.25)97.5Si2.5の原子比の急冷薄帯を作製
した。ロ−ルの周速21m/secの急冷速度で作製し
た急冷薄帯はアモルファス相の中に10nm以下の微細
な結晶粒組織を含んでいる。一方、16m/secおよ
び21m/secの周速で作製した薄帯は、どちらも結
晶質であり、周速の低下により結晶組織は粗大化する傾
向がある。しかし、周速を10m/sec以上の条件で
行うことにより、20nm径以下の微細結晶が生成する
ことが確認された。表6に、印加磁場の強さがそれぞれ
50,100,240kA/mにおけるロ−ル周速の差
異による磁気ひずみ値の変化の一例を示す。
により、ロ−ルの周速を10〜21m/secに制御し
た条件で幅1mm、厚さ20μmの組成式(Fe2Tb
0.75Dy0.25)97.5Si2.5の原子比の急冷薄帯を作製
した。ロ−ルの周速21m/secの急冷速度で作製し
た急冷薄帯はアモルファス相の中に10nm以下の微細
な結晶粒組織を含んでいる。一方、16m/secおよ
び21m/secの周速で作製した薄帯は、どちらも結
晶質であり、周速の低下により結晶組織は粗大化する傾
向がある。しかし、周速を10m/sec以上の条件で
行うことにより、20nm径以下の微細結晶が生成する
ことが確認された。表6に、印加磁場の強さがそれぞれ
50,100,240kA/mにおけるロ−ル周速の差
異による磁気ひずみ値の変化の一例を示す。
【0018】
【表6】
【0019】実施例2の同一組成と比較して、印加磁場
50kA/mにおける磁気ひずみは、10〜15m/s
ecの周速条件において、僅かに劣るものの、100,
240kA/mの印加磁場に至っては、ほぼ同等の磁気
ひずみ値を示した。また、ロ−ルの周速を21m/se
cとした場合、50kA/mの印加磁場での磁気ひずみ
は、著しく優れていた。さらにロ−ルの周速を32m/
secとすると、アモルファスとなるため、磁気ひずみ
は減少する。この結果より、急冷条件を制御すること
で、任意の磁気ひずみ特性を得ることができ、実施例1
〜9と同様に磁気ひずみ特性の優れた材料が得られる。
実施例1〜9と同様に、添加元素Mの添加量を1原子%
未満とした場合、結晶粒を20nm径以下に制御できな
くなり、低磁場域の磁気ひずみ特性の低下を招く。しか
し、添加元素Mの添加量を1原子%未満としても、さら
に冷却速度を上げることにより、結晶粒を20nm径以
下に制御できれば、さらに磁気ひずみ値の大きな材料が
得られるであろう。なお、上記実施例の急冷方法は、単
ロ−ル法とは限らない。
50kA/mにおける磁気ひずみは、10〜15m/s
ecの周速条件において、僅かに劣るものの、100,
240kA/mの印加磁場に至っては、ほぼ同等の磁気
ひずみ値を示した。また、ロ−ルの周速を21m/se
cとした場合、50kA/mの印加磁場での磁気ひずみ
は、著しく優れていた。さらにロ−ルの周速を32m/
secとすると、アモルファスとなるため、磁気ひずみ
は減少する。この結果より、急冷条件を制御すること
で、任意の磁気ひずみ特性を得ることができ、実施例1
〜9と同様に磁気ひずみ特性の優れた材料が得られる。
実施例1〜9と同様に、添加元素Mの添加量を1原子%
未満とした場合、結晶粒を20nm径以下に制御できな
くなり、低磁場域の磁気ひずみ特性の低下を招く。しか
し、添加元素Mの添加量を1原子%未満としても、さら
に冷却速度を上げることにより、結晶粒を20nm径以
下に制御できれば、さらに磁気ひずみ値の大きな材料が
得られるであろう。なお、上記実施例の急冷方法は、単
ロ−ル法とは限らない。
【0020】
【発明の効果】本発明による巨大磁気ひずみ材料は、F
e−Tb−Dy−M(ただしMはSi−Alのうちから
選ばれた一種以上の元素)系合金であって、組成式(F
exTb1-yDyy)100-zMzを有し、かつ組成各元素の
原子比が次の3式を満足し、 1.8≦x≦2.2 0<y≦0.7 1≦z≦5 更に20nm径以下の微細な結晶粒から成る組成を有す
る合金である。しかして、その製造方法は原料金属もし
くは合金をアルゴン雰囲気中で溶解しノズルを介して回
転するロ−ル面上に射出して急速冷却せしめる、いわゆ
る液体急冷法によって非晶質合金もしくは微細結晶を含
む合金を製造し、該合金の結晶化温度Txもしくはその
近傍の−50℃≦Tx≦+50℃の温度範囲で熱処理を
行うことによって製造されるが、本発明の材料は、従来
材料の約20倍の10-3台の磁気ひずみ材料であって、
磁気異方性が小さく磁化され易く、かつ保磁力が小さ
く、印加磁場が小さくとも巨大な磁気ひずみ量が得られ
るので、マイクロデバイスやアクチエ−タ−等に適応で
きる優れた磁気特性を有する。
e−Tb−Dy−M(ただしMはSi−Alのうちから
選ばれた一種以上の元素)系合金であって、組成式(F
exTb1-yDyy)100-zMzを有し、かつ組成各元素の
原子比が次の3式を満足し、 1.8≦x≦2.2 0<y≦0.7 1≦z≦5 更に20nm径以下の微細な結晶粒から成る組成を有す
る合金である。しかして、その製造方法は原料金属もし
くは合金をアルゴン雰囲気中で溶解しノズルを介して回
転するロ−ル面上に射出して急速冷却せしめる、いわゆ
る液体急冷法によって非晶質合金もしくは微細結晶を含
む合金を製造し、該合金の結晶化温度Txもしくはその
近傍の−50℃≦Tx≦+50℃の温度範囲で熱処理を
行うことによって製造されるが、本発明の材料は、従来
材料の約20倍の10-3台の磁気ひずみ材料であって、
磁気異方性が小さく磁化され易く、かつ保磁力が小さ
く、印加磁場が小さくとも巨大な磁気ひずみ量が得られ
るので、マイクロデバイスやアクチエ−タ−等に適応で
きる優れた磁気特性を有する。
【図1】 本発明による実施例のアモルファス合金にお
ける、該アモルファス合金を結晶化温度を中心とする様
々な温度で熱処理した時の異なる印加磁場に対する磁気
ひずみの変化を示した線図である。
ける、該アモルファス合金を結晶化温度を中心とする様
々な温度で熱処理した時の異なる印加磁場に対する磁気
ひずみの変化を示した線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地川内住宅11 −806 (72)発明者 増本 健 宮城県仙台市青葉区上杉3丁目8番22号
Claims (4)
- 【請求項1】 組成式(FexTb1-yDyy)100-ZMZ
を有し、該組成式において、 M:Si、Alのうちから選ばれた1種以上で、かつ、
組成各元素の原子比が次の3式を満足し、 1.8≦x≦2.2 0<y≦0.7 1≦z≦5 更に20nm径以下の微細な結晶粒から成る組織を有す
ることを特徴とする巨大磁気ひずみ材料。 - 【請求項2】 目標組成式を得るためのFe−Tb−D
y−M(ただしMはSi、Alのうちから選ばれた1種
以上)系原料金属もしくは合金をアルゴン雰囲気中で溶
解しノズルを介して回転するロ−ル面上に射出して急速
凝固せしめる液体急冷法により製造した非晶質合金もし
くは微細結晶を含む合金を該合金の結晶化温度Tx近傍
の温度で熱処理することを特徴とする巨大磁気ひずみ材
料の製造方法。 - 【請求項3】 前記液体急冷法による急冷速度を射出す
る回転ロ−ルの周速度を制御することにより非晶質を経
由せず直接20nm径以下の微細な結晶粒組織を生成さ
せる請求項2に記載の巨大磁気ひずみ材料の製造方法。 - 【請求項4】 前記熱処理温度は前記急冷体の昇温温度
40℃/minで測定した結晶化温度Txで行うことを
最善とし、少くともTxを中心として−50℃〜+50
℃の範囲の温度で行う請求項2もしくは請求項3に記載
の巨大磁気ひずみ材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6186674A JPH0827545A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 巨大磁気ひずみ材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6186674A JPH0827545A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 巨大磁気ひずみ材料およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0827545A true JPH0827545A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=16192674
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6186674A Pending JPH0827545A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 巨大磁気ひずみ材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0827545A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6312530B1 (en) | 1997-10-23 | 2001-11-06 | Alps Electric Co., Ltd. | Magnetostrictive material |
| CN1296505C (zh) * | 2003-09-30 | 2007-01-24 | 包头稀土研究院 | 稀土中间合金制备稀土磁致伸缩材料的方法 |
-
1994
- 1994-07-15 JP JP6186674A patent/JPH0827545A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6312530B1 (en) | 1997-10-23 | 2001-11-06 | Alps Electric Co., Ltd. | Magnetostrictive material |
| CN1296505C (zh) * | 2003-09-30 | 2007-01-24 | 包头稀土研究院 | 稀土中间合金制备稀土磁致伸缩材料的方法 |
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