JPH0827627A - デンプン繊維の製造方法 - Google Patents

デンプン繊維の製造方法

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JPH0827627A JP15467294A JP15467294A JPH0827627A JP H0827627 A JPH0827627 A JP H0827627A JP 15467294 A JP15467294 A JP 15467294A JP 15467294 A JP15467294 A JP 15467294A JP H0827627 A JPH0827627 A JP H0827627A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】繊維長を任意に制御することができるデンプン
繊維の製造方法を提供すること。 【構成】デンプンのコロイド分散液を紡糸することによ
ってデンプン繊維を製造する方法において、原料デンプ
ンとして曳糸性のあるデンプン(例えば馬鈴薯デンプ
ン)と曳糸性のないデンプン(例えばトウモロコシデン
プン)との混合物を使用し、両者の混合比率を変えるこ
とによりデンプン繊維の平均繊維長を任意に制御するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はデンプン繊維の製造方
法に関し、より詳しくは、用途に応じて任意の平均繊維
長を有するデンプン繊維を得ることができる、新規かつ
改良されたデンプン繊維の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】デンプンをパルプ状にしたデンプン繊維
は、例えば木材パルプの全部または一部の代替材料とし
て従来から使用されており、木材パルプに混合して抄紙
することにより紙の強度特性を改善したり、抄紙時に使
用する内添薬品の保持率を向上する等の効果が得られて
いる。またデンプン繊維の透明性を利用してグラシン紙
の製造に際しても木材パルプと混合使用されている。
【0003】かようなデンプン繊維の製造方法として
は、デンプンの水懸濁液を加熱あるいはアルカリ処理し
てデンプンのコロイド分散液とし、これを硫酸アンモニ
ウム等の水溶液からなる凝固浴中に糸状の流れにして押
出して凝固させる方法や、デンプン水懸濁液をジェット
・クッキング法により煮沸溶解したデンプンコロイド分
散液を凝固浴中で凝固させる方法等が種々提案されてい
る(例えば米国特許第4139699号、イタリア特許
出願91A000610号、特公昭60−35460号
等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の製造方
法で得られるデンプン繊維の繊維長としては、例えばイ
タリア特許出願91A000610号では1mm未満、
特公昭60−35460号では0.1〜3.0mmと記
載されている。しかしながら、デンプン繊維を例えば製
紙分野に利用する場合には、繊維長が極端に短ければ抄
紙時にワイヤーから抜けてしまい本来の目的が達成でき
ず、一方、繊維長が長すぎても繊維同志が結束したまま
抄き込まれてしまうという不都合が生じる。
【0005】また、デンプン繊維の透明性を利用する用
途の場合には、デンプン繊維の繊維長の違いによって得
られる透明性も変化してくることが考えられる。
【0006】このように、目的に応じて任意の繊維長を
有するデンプン繊維を使用できれば、本来の使用目的が
効果的に達成でき、さらには今まで考えられなかった効
果が生じることも期待できる。
【0007】そこでこの発明は、必要に応じて繊維長を
任意に制御することができるデンプン繊維の製造方法を
提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、天然のデンプンには曳糸性のある種とそうでない種
とがあり、それぞれ繊維長の長いデンプン繊維および短
いデンプン繊維をもたらすこと、さらに両方の種を適宜
割合に混合した原料を用いることにより、混合比率に応
じて特有の繊維長分布を有するデンプン繊維が得られる
ことを見いだし、この発明を完成させたものである。
【0009】すなわちこの発明は、デンプンのコロイド
分散液を紡糸することによってデンプン繊維を製造する
方法において、原料デンプンとして曳糸性のあるデンプ
ンと曳糸性のないデンプンとの混合物を使用し、両者の
混合比率を変えることによりデンプン繊維の平均繊維長
分布を制御することを特徴とするデンプン繊維の製造方
法である。
【0010】この発明において、曳糸性のあるデンプン
とは、下記の方法によりデンプン繊維を調製した場合
に、平均繊維長分布が約1mm以下のデンプン繊維が得
られるものをいい、曳糸性のないデンプンとは、平均繊
維長分布が約15mm以上のデンプン繊維が得られるも
のをいう。
【0011】曳糸性の有無を調べるためのデンプン繊維
の調製方法は、まずデンプンの10重量%水懸濁液を調
製し、これを95℃に加熱・膨潤させてデンプンのコロ
イド分散液とする。この分散液を55℃の一定温度とし
て、凝固浴中に設置した口径0.4mmのノズルから吐
出圧力3Kg/cm2 で凝固浴中に吐出させる。凝固浴
中の凝固液には硫酸アンモニウムの40重量%水溶液を
使用し、凝固浴を撹拌してデンプン分散液の吐出方向と
凝固液の流れ方向が約45°の角度になるようにする。
【0012】デンプン繊維の平均繊維長分布の測定は以
下の方法により行った。上記のようにして調製したデン
プン繊維を凝固浴から取り出してプレパラート上に広
げ、乾燥固定した後、投影機で拡大してマップメーター
を用いて各繊維の長さを測定する。プレパラート1枚当
たり200本程度のデンプン繊維が固定され、1回の試
験で10枚のプレパラートを調製し、1種類のデンプン
について3回の試験を行った結果から平均繊維長分布を
計算により求める。
【0013】上記の方法によりデンプンからデンプン繊
維を実際に調製してみて、曳糸性のあるデンプン種と曳
糸性のないデンプン種とを区分することができる。本発
明者が行った結果から判明したデンプン種を例示すると
次のようになる。
【0014】曳糸性のあるデンプン種:ジャガイモ、キ
ャッサバ(タピオカ)、サトイモ、サツマイモ、ナガイ
モ、ダイジョ、ヤウテア、ハリイモ、ヤマノイモ、ギネ
アヤム、インドクワズイモ、キルトスベルマ等。
【0015】曳糸性のないデンプン種:トウモロコシ、
コムギ、イネ(コメ)、オオムギ、ライムギ、エンバ
ク、モロコシ、アワ、ヒエ、キビ等。
【0016】一般的には、植物の茎や根から得られるデ
ンプンは曳糸性のあるもの、穀物から得られるデンプン
は曳糸性のないものという傾向がみられるが、実際には
デンプン繊維を調製して判断する必要があろう。また上
記で例示したデンプンはいずれも天然デンプンである
が、この発明において使用できるデンプンは天然のもに
限らず、加工デンプン等の変性デンプンであっても上記
のような曳糸性の有無により区分できるものであれば使
用することができる。
【0017】この発明を実施するに際しては、先ず、曳
糸性のあるデンプンと曳糸性のないデンプンとを任意の
比率で混合したデンプン粒子を水に懸濁させて水懸濁液
を調製し、加熱・膨潤させてデンプンのコロイド分散液
とする。デンプン水懸濁液のデンプン濃度が低いと紡糸
時に凝集させる際の凝集力が低下し、デンプン濃度が高
いと膨潤後のデンプンコロイド分散液の流動性がなくな
り紡糸できなくなる。デンプン濃度はデンプンの種類等
により異なるため一概には決められないが、一般的には
5〜20重量%が好ましい。加熱の温度は、デンプンを
十分に膨潤させて糊化させ得る温度であればよく、一般
的には100℃以下の温度でよい。
【0018】膨潤してコロイド状態を呈するデンプンコ
ロイド分散液は冷却し所定の温度に維持して紡糸する
が、紡糸時のデンプンコロイド分散液の温度は50〜6
0℃に維持することが好ましい。分散液の温度が変化す
ると粘性が変化するため安定したデンプン繊維が得られ
ず、また著しく温度が低下するとデンプンの老化を引き
起こすことが知られている。
【0019】次に、所定の温度に維持したデンプンコロ
イド分散液を、密閉式容器に入れて一定圧力をかけ、任
意の数、口径および形状をもったノズル口から凝固浴中
に吐出させる、いわゆる湿式紡糸法によりデンプン繊維
に紡糸することができる。かような湿式紡糸法はビスコ
ース繊維等の紡糸法として従来から慣用されている方法
であり、従って既存の紡糸装置を利用することができ
る。デンプン繊維の直径(太さ)は、ノズルの口径を変
化させることにより調節することができる。
【0020】凝固浴中の凝固液としては硫酸アンモニウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、塩化アンモニウム等の水中で
電解質を生じる塩の水溶液が使用でき、硫酸アンモニウ
ムが特に好ましい。凝固液の濃度が低いと凝集効果が十
分得られず、一般的には約30〜40重量%濃度の塩水
溶液が好ましい。
【0021】凝固浴中の凝固液には常時撹拌を施して凝
固液に流れを生じさせておく。凝固液の流れの方向と速
度は、得られるデンプン繊維の繊維長や強度に影響を及
ぼす。すなわち、凝固液中に吐出されたデンプン分散液
が安定した糸状の流れとなるようにするには、デンプン
分散液の吐出方向と凝固液の流れの方向とを一致させる
ことが望ましいが、装置の設計上から一致させることが
できない場合には、吐出方向と凝固液の流れ方向とが9
0°以下の角度となるようにすればデンプン分散液に糸
状の流れを形成させることができる。また、凝固液の流
速をデンプン分散液の吐出速度より速くしてデンプンの
糸状物を延伸させることにより、デンプン繊維の水に対
する不溶化およびデンプン繊維の強度を向上させること
ができる。しかしながら凝固液の流速を過度に速くする
と、デンプンの糸状物が凝固浴中でちぎれてしまい、所
望の繊維長が得られない場合もある。上記の理由から、
凝固液の流れの方向や流速は、所望のデンプン繊維が得
られるような条件を予備実験により定めておく必要があ
る。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げてこの発明をさらに説明
する。馬鈴薯デンプンとトウモロコシデンプンの混合比
率を種々に変えたデンプン混合物の10重量%水懸濁液
を調製し、これを95℃に加熱・膨潤させてデンプンの
コロイド分散液とした。硫酸アンモニウムの40重量%
水溶液の凝固液からなる凝固浴中に口径0.4mmの丸
型ノズルを設置し、上記のデンプンコロイド分散液を5
5℃の一定温度として吐出圧力3Kg/cm2 でノズル
から凝固浴中に吐出させ、デンプン繊維を製造した。吐
出に際しては、凝固浴を撹拌してデンプン分散液の吐出
方向と凝固液の流れ方向が約45°の角度になるように
した。
【0023】馬鈴薯デンプン(ポテト)とトウモロコシ
デンプン(コーン)との混合比率と得られたデンプン繊
維の平均繊維長分布との関係を表1および図1に示す。
また、各実験で得られたデンプン繊維の顕微鏡写真も併
せて示す。
【0024】
【表1】 デンプン混合比率(重量%) 平均繊維長分布 顕微鏡写真 [ポテト/コーン] (mm) (倍率26倍) 0/100 0.9±0.18 図2 30/70 3.3±0.80 図3 50/50 4.9±0.57 図4 70/30 9.7±0.54 図5 100/0 18.2±2.2 図6
【0025】
【発明の効果】以上の説明からわかるようにこの発明に
よれば、曳糸性のあるデンプンと曳糸性のないデンプン
との混合比率を変化させた原料デンプンを使用すること
によって、任意の平均繊維長分布をもつデンプン繊維を
容易に製造することができる。かような繊維長の制御さ
れたデンプン繊維を用途に応じて使い分けることによっ
て、繊維長の制御されていない従来のデンプン繊維を使
用した場合には得られなかったような効果の発現が期待
でき、デンプン繊維の用途拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料デンプンにおける馬鈴薯デンプン(ポテ
ト)とトウモロコシデンプン(コーン)との混合比率と
得られたデンプン繊維の平均繊維長分布との関係を示す
グラフ。
【図2】ポテト/コーンの混合比率が0/100(コー
ンのみ)の原料デンプンから得られたデンプン繊維の顕
微鏡写真。
【図3】ポテト/コーンの混合比率が30/70の原料
デンプンから得られたデンプン繊維の顕微鏡写真。
【図4】ポテト/コーンの混合比率が50/50の原料
デンプンから得られたデンプン繊維の顕微鏡写真。
【図5】ポテト/コーンの混合比率が70/30の原料
デンプンから得られたデンプン繊維の顕微鏡写真。
【図6】ポテト/コーンの混合比率が100/0(ポテ
トのみ)の原料デンプンから得られたデンプン繊維の顕
微鏡写真。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】かようなデンプン繊維の製造方法として
は、デンプンの水懸濁液を加熱あるいはアルカリ処理し
てデンプンのコロイド分散液とし、これを硫酸アンモニ
ウム等の水溶液からなる凝固浴中に糸状の流れにして押
出して凝固させる方法や、デンプン水懸濁液をジェット
・クッキング法により煮沸溶解したデンプンコロイド分
散液を凝固浴中で凝固させる方法等が種々提案されてい
る(例えば米国特許第4139699号、イタリア特許
出願91A000610号、特公昭60−35480
等)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の製造方
法で得られるデンプン繊維の繊維長としては、例えばイ
タリア特許出願91A000610号では1mm未満、
特公昭60−35480号では0.1〜3.0mmと記
載されている。しかしながら、デンプン繊維を例えば製
紙分野に利用する場合には、繊維長が極端に短ければ抄
紙時にワイヤーから抜けてしまい本来の目的が達成でき
ず、一方、繊維長が長すぎても繊維同志が結束したまま
抄き込まれてしまうという不都合が生じる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】この発明において、曳糸性のないデンプン
とは、下記の方法によりデンプン繊維を調製した場合
に、平均繊維長分布が約1mm以下のデンプン繊維が得
られるものをいい、曳糸性のあるデンプンとは、平均繊
維長分布が約15mm以上のデンプン繊維が得られるも
のをいう。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デンプンのコロイド分散液を紡糸するこ
    とによってデンプン繊維を製造する方法において、原料
    デンプンとして曳糸性のあるデンプンと曳糸性のないデ
    ンプンとの混合物を使用し、両者の混合比率を変えるこ
    とによりデンプン繊維の平均繊維長を制御することを特
    徴とするデンプン繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 曳糸性のあるデンプンとして馬鈴薯デン
    プンを、曳糸性のないデンプンとしてトウモロコシデン
    プンを使用する請求項1記載のデンプン繊維の製造方
    法。
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