JPH0827828A - コンクリート構造物に対する防汚被覆工法 - Google Patents

コンクリート構造物に対する防汚被覆工法

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JPH0827828A
JPH0827828A JP18411594A JP18411594A JPH0827828A JP H0827828 A JPH0827828 A JP H0827828A JP 18411594 A JP18411594 A JP 18411594A JP 18411594 A JP18411594 A JP 18411594A JP H0827828 A JPH0827828 A JP H0827828A
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antifouling
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JP18411594A
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Kiyomi Saito
清美 斉藤
Shinkichi Nakazawa
真吉 中沢
Akinori Ito
昭則 伊藤
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NAKABOOTEC KK
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
NAKABOOTEC KK
Tokyo Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防汚塗料を用いてコンクリート構造物の表面
への海生物の付着を防止するに当って、確実、容易、か
つ安全な施工と工程期間の短縮を可能としたコンクリー
ト構造物に対する防汚被覆工法を提供する。 【構成】 海水環境中に構築されたコンクリート構造物
に防汚塗料による海生物の付着を防止するにあたって、
対象コンクリート構造物の海水と接する表面にガイドフ
レームを取付け、該ガイドフレームを介して防汚塗料を
塗布したパネルを張り巡らせることを特徴とするコンク
リート構造物に対する防汚被覆工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海水中で使用されるコ
ンクリート構造物、例えば取水路、スクリーン室、ポン
プ室、橋台、橋梁等の表面または壁面(以下、表面と総
称する)への、防汚塗料による海生物の付着防止に関
し、詳しくは防汚塗料の該構造物表面への施工方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】海水中で使用されるコンクリート構造物
の表面に着生、成育する海生物の付着を防止するために
防汚塗料が広く使用されるようになってきた。
【0003】コンクリート構造物の表面に防汚塗料を塗
布する工事は、例えば取水路についてみると、通常定期
点検の解放時、すなわち施設内の水を排水して空になっ
た状態において実施されるが、施設内の環境は極めて悪
く(各種の海生物の付着に伴う汚れ、悪臭、塩分や湿気
あるいは温度等)、排水後直ちに塗装工事に着手できる
状態になく、塗装工事に入る前に多くの準備作業が必要
である。
【0004】現今、無公害方防汚塗料として需要が増し
ているシリコーン樹脂系防汚塗料で使用した場合の取水
路の壁面に対する塗装手順について考察してみると、
(1)コンクリート構造物の表面清掃(海生物の除去、
回収、搬出等)、(2)コンクリート構造物の表面下地
処理(清掃、脱塩、乾燥等)、(3)コンクリート構造
物の表面下地塗装(プライマー、エポキシ樹脂、プライ
マー、ビニル樹脂系塗料の塗布)、(4)防汚塗料の塗
布(3〜4回塗り)、の順序で行なわれるのが標準であ
る。完成した塗膜に充分その性能を発揮させるために
は、構造物の表面に均質一様な塗膜を形成させる必要が
あり、それには塗装工事に適した技術と施工能力、環境
と十分な工事期間を確保することが肝要である。
【0005】上記した標準工程のうち、(1)および
(2)は塗装作業に直接関係がなくとも、仕上がり塗膜
の寿命に与える影響が大きく塗装の前処理作業として不
可避である。(3)および(4)は直接塗装作業そのも
のである。防汚塗膜完成までに少なくとも7〜8回の塗
り重ね作業があり、直接塗装作業の完成までに1週間は
必要である。
【0006】全塗装工事のための作業環境の適正化は、
物的あるいは人的資源の確保も重要であるが、塗膜の仕
上がりが気温、湿度に左右される上に、限られた工事期
間での完成が要求されることが多く、それゆえ塗装使用
に要求されるような理想的な作業条件の確保は望み得な
いのが実情である。塗装工事では多くの場合に天候や湿
度に悩まされ完成塗膜の性能にも影響を与えかねない。
しかも、現今の防汚塗料の塗布効果は2年前後が寿命で
あり、数年後には必ず塗り替え工事が必要となる。
【0007】防汚塗膜の品質、性能を左右する現場での
塗装作業や付属工事を削減することによって、工事管理
が容易になり工事費や工期が低減できることは容易に推
察される。
【0008】水中塗装型の塗料や充填剤の開発も進めら
れているが、現状ではエポキシ樹脂系の充填剤が市販さ
れている程度で、塗料については経済性、信頼性あるい
は作業性の点から実用域には達しておらず、防汚塗料に
ついては、実用化の目途も立っていないのが実情であ
る。
【0009】導電性塗料を塗布したパネルをコンクリー
ト構造物の表面に取付け外部直流電源の正極に接続し、
塗布面を陽極として通電して防汚作用を与える装置(特
開平3−169905号公報)、あるいは防汚塗料を塗
布したシートをマグネット含有接着剤を用いて水中鉄鋼
構造物に取付ける方法(特開平4−17137号公報、
特開平4−45616号公報)等も提案されている。
【0010】しかし、特開平3−169905号公報に
開示の導電塗料塗布パネルは、塗料自体が防汚性を有す
るものではなく、導電体が主として炭素系の顔料からな
り直流電流による電解で陽極として作用する塗料であ
る。海水を直流電流で電解して塩素あるいは次亜塩素酸
を生成させ、それらの毒性イオンにより海生物を死滅さ
せる防汚法である。従って、対象コンクリート構造物の
表面全体に該パネル電極を張り巡らせる必要はないが、
直流電源、導線回路および対極(陰極)等の付帯設備の
設置が必要であり、さらに装置の運転管理の煩わしさが
付随する。しかし、所詮毒性イオンによる防汚であるた
め、防汚効果はともかく、二次環境汚染と継続的運転管
理に多大の心労を費やす。導電性塗料を塗布したパネル
は、対象コンクリート構造物の表面に接着剤やプラスチ
ック製のボルトで取付けるとなっているが、接着剤の選
択、耐久性、取替えの容易性あるいはコンクリート構造
物表面の平滑度との適合性等の実用に当たっては解決さ
れなくてはならない課題が残されている。殊に、パネル
をコンクリート構造物の表面凹凸に馴染ませ、如何によ
り平滑に配置、取付けるかが実用化への重要要素の一つ
である。
【0011】防汚塗料を塗布したシート(裏面にマグネ
ット含有接着剤が塗布されている)も紹介されている
が、水中鉄鋼構造物の表面に水中作業で施工するために
開発されたものであるが、シートの可撓性と硬化塗膜の
可撓性との間に追従性が乏しく、運搬、取扱中に折り曲
げ作業が繰り返されるとシートと塗膜の密着性の低下あ
るいは塗膜の剥離につながる。殊に、水中作業で鉄鋼構
造物の表面にシートを貼合わせることは、水の抵抗、波
浪、潮流あるいは構造物の表面形状度等が作業性を左右
し、対象物に均一に貼合わせることは至難であり、構造
物の表面形状、凹凸に合わせて均一、平滑に仕上げるこ
とは事実上不可能である。
【0012】本発明の対象はコンクリート構造物であ
る。このコンクリート構造物の表面に直接防汚塗料を塗
布する方法は、前述の塗装作業工程の繁雑さと施工管理
の厳しさの前に大きな課題を抱えている。現今使用され
ている防汚塗料は、その大半が鉄鋼構造物、例えば船舶
外板用に開発されたもので、防錆塗装の上部への重ね塗
りを前提としている。コンクリート構造物用防汚塗料は
現在のところ実用化されていない。このためコンクリー
ト構造物の表面へ防汚塗料を塗布するためには、表面処
理後コンクリート用プライマーを塗布し、その上に下地
となるエポキシ樹脂系塗料を塗布し、さらに防汚塗料と
なじみのよいビニル樹脂系の塗料を施してから、防汚塗
料(鉄鋼用)を塗布するような極めて手間と時間を要す
る煩雑な作業を実施している。それ故、早期にコンクリ
ート構造物用の防汚塗料の出現が望まれるところであ
る。
【0013】水中にあるコンクリート構造物の防汚を目
的とした防汚塗料は、現今市販されていないので、取水
路、スクリーン室、ポンプ室、橋脚、橋台等のコンクリ
ート構造物に防汚塗料を施す場合には、前述のごとく鉄
鋼構造物用の防汚塗料を使用する以外にない。
【0014】塗膜の性能は、塗料の性能と施工管理の良
否に左右されるが、実質的には施工管理が支配的であ
る。塗装の対象となる構造物は、工事中常に海洋環境に
晒され、天候、温湿度を考慮しなければならない厳しい
環境下である上に、さらに表面に付着した海生物の除
去、清掃の下地処理等の作業と安全対策等の付帯作業、
工事日程等の多くの制約下で塗装工事を進めなくてはな
らない。
【0015】かかる環境条件下で、限られた予算と日時
内で標準作業を確実に遂行するための施工管理は至難と
いわざるを得ない。これらの条件を克服して塗装工事が
完了したとしても、防汚塗料の効果が2年前後で消滅す
るとなると、2年後には再度の工事が必要となり、以後
も同じサイクルで工事が繰返されることになる防汚工事
が施設を稼働期間中健全で安全に操業させるために不可
避作業であるとはいえ、非能率で経済的にも負担の大き
い作業であることは言を待たない。
【0016】防汚塗装は、防錆を目的とした塗装と異な
り、被塗物の表面を周囲の腐食環境から直接完全に遮断
して保護する必要はなく、対象物の表面近傍に存在させ
ることによってもその機能を発揮できるので、予め防汚
塗料をシートやボードに塗布して対象構造物の表面に設
置することによっても目的を達成することができる。シ
ートやボードは接着剤やマグネット、ボルト等の手段で
対象物に取付けることが開示されている。しかし、下記
の問題点が実用化を阻害している。
【0017】(1)シート工法の問題点 a)変形する(可撓性がある)ため搬送、施工時の取扱
が難しい。 b)コンクリート構造物の表面固定用ボルトやマグネッ
トの埋込み精度の確保が難しい。 c)水圧や波浪、潮流の影響(変形)を排除するのが難
しい。 d)端部や隅部の潮流によるバタツキや剥離防止のため
の確実な固定が難しい。 e)対象物との間に隙間があると海生物が着生、成育し
てシートの剥離の原因となる。
【0018】(2)ボード工法の問題点 a)多量の固定用埋込みボルトの設置が必要。 b)固定用埋込みボルトの設置精度の確保が難しい。 c)コンクリート構造物の表面に凹凸があると平滑で確
実な設置が難しい。 d)対象物の表面に凹凸があるとボード相互の接続が難
しい。 e)対象物の表面凹凸は、塗膜の剥離およびボードのバ
タツキや剥離の原因になる。 f)端部や隅部の潮流によるバタツキや剥離防止のため
の確実な固定が難しい。 g)対象物との間に隙間があると海生物が着生成育して
ボードの剥離の原因となる。
【0019】両工法とも試験施設や小規模な試験施工は
可能であっても上記の問題が完全に解決されていないた
め、実用施設への適用は極めて困難で使用例は殆ど見聞
していない。
【0020】コンクリート構造物の表面に直接防汚塗料
を塗布する方法は、実用面では、塗装塗膜の仕上がり、
品質性能の点から厳しい施工管理が要求され、加えて工
程管理面から期限の制約もある。この両者の管理を簡易
化しない限り、費用もさりながら、きつい、汚い、危険
といったいわゆる3K作業ゆえに作業者の確保もままな
らず作業の進行に対する心労は絶えない。
【0021】防汚塗料を塗布したシートやボードの使用
が提案されているが、シートやボードの基材について十
分な配慮がなされていない上、前述の課題が残され試験
と開発途上の域を出ていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の課題を解消し、防汚塗料を用いてコンクリート構
造物の表面への海生物の付着を防止するに当って、確
実、容易、かつ安全な施工と工程期間の短縮を可能とし
たコンクリート構造物に対する防汚被覆工法を提供する
ことにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】コンクリート構造物の表
面に直接防汚塗料を塗布する作業をなくすることができ
れば、塗装工事の実施前に必要な各種の事前作業を割愛
できる上に、工期の短縮が容易であり、繁雑な工程管理
も大幅に削減できる。その手段として、防汚塗料を塗布
したパネルを別途品質管理と塗装工程管理の整備した工
場で製作し、このパネルを対象となるコンクリート構造
物の表面のごく近傍に取付ける工法を検討した結果、本
発明に至った。
【0024】すなわち、本発明は、海水環境中に構築さ
れたコンクリート構造物に防汚塗料による海生物の付着
を防止するにあたって、対象コンクリート構造物の海水
と接する表面にガイドフレームを取付け、該ガイドフレ
ームを介して防汚塗料を塗布したパネルを張り巡らせる
ことを特徴とするコンクリート構造物に対する防汚被覆
工法にある。
【0025】パネルをコンクリート構造物の表面の凹凸
に追従して突起のない一様な面としていかに張り巡らせ
るかが本発明の防汚被覆工法の特徴である。
【0026】基材としてのボードは、金属製、非金属製
のいずれでもよい。本発明の工法で使用する積層防汚パ
ネルは、図1に示す断面構造を有するものである。同図
において、1は積層防汚パネル、2は防汚塗装、3は基
材、4は接着剤、5はクッション材をそれぞれ示す。ま
た、以下の図において、同一の符号は同様のものを示
す。
【0027】積層防汚パネル1の基材3は、剛性のある
FRPあるいはポリアセタール(POM)、ポリアミド
イミド(PAI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)で代表されるエンジニ
アプラスチックを用いる。または、少量のMg、Mnお
よびSiの1種あるいは2種以上を含有するアルミニウ
ム合金(JIS H 4000の3000番、5000
番、6000番台の合金)および鉄鋼等も用いることが
できるが、海水による腐食対策を考慮すると金属製より
もプラスチック製のほうがよい。基材3の裏面は、コン
クリート構造物表面の凹凸にナジミ接触を持たせるため
に約10〜20mm厚の発泡プラスチック、例えば10
倍発泡ポリエチレン等からなる弾力性のあるクッション
材5接着剤4を介して裏打ちしてある。これによって、
構造物の表面の凹凸を吸収して積層防汚パネル1を構造
物の表面に密着させると共に、均一、かつ平滑な面を確
保できる。基材3とクッション材5からなる積層パネル
の表面は、所定の防汚塗料が塗布される。防汚塗装2
は、天候、作業者の技能あるいは工期などに左右される
現地作業ではなく、別途の工場において、防汚塗料メー
カの指針に基づいた塗装工程管理下で仕上げられる。従
って、仕上った積層防汚パネル1は、防汚塗料の性能を
遺憾なく発揮させることができる。しかも、本発明の防
汚被覆工法は、積層防汚パネルを用いることによって対
象コンクリート構造物表面に直接防汚塗装する方法に比
して塗装工程の短縮、塗装環境条件管理の不要および塗
装技能者の確保が不要等のメリットがある。
【0028】次に、対象となるコンクリート構造物の表
面に積層防汚パネルを如何に効率よく、確実に固定する
かにある。種々検討を行ない、建具関係の窓や扉の開閉
用型枠方式すなわちスライディング方式を採用すること
とした。
【0029】すなわち、T字断面を有するガイドフレー
ムをパネル取付け前に対象コンクリート構造物の表面に
アンカーボルトで固定する。ガイドフレームは、対象構
造物の形状、大きさ、面積、海中浸漬深さ、潮流あるい
はパネルの大きさや数量等によって使用長さ、数量ある
いは取付け位置を決定する。基本的取付けは図2に示
す。積層防汚パネル1は防汚塗装面2(海水側に面して
いる)、基材3(FRP、エンジニアリングプラスチッ
ク等)およびクッション材5からなる積層体である。T
字断面を有するFRPあるいはエンジニアリングプラス
チックから構成されたガイドフレーム6と、コンクリー
ト構造物表面との間隙(袖部)にパネル1を挿入して、
ガイドフレーム6に予め取付けたアンカーボルト7で締
付けて固定する。アンカーボルト7の締付けナット部は
突出し海側に露出するので、プラスチック製のボルトキ
ャップ8を被せて保護する。積層防汚パネル1のサイズ
は横縦比3:6(914W×1829Lmm)を標準と
して用いるが、対象物の構造や取扱の容易さ等によって
種々のサイズのものが用いられることは言うまでもな
い。パネル1はガイドフレーム7の袖部に挾み込んで支
持、固定されるが、より固定を確実にするため、パネル
1の表面の数ケ所をガイドフレーム6固定用とは別個の
アンカーボルト71(後述の図3および図5参照)とボ
ルトキャップ8で固定するのがよい。また、ガイドフレ
ーム6やボルトキャップ8の表面は、事前に防汚塗装を
施してもよいが取付けの際塗膜面が傷付くことがあるの
で、タッチアップ塗装9するのがよい。
【0030】本発明の防汚被覆工法の基本的手順を要約
すると、 (1)対象コンクリート構造物の構造と面積に合わせ
て、積層防汚パネル1の大きさと取付け数量を決定す
る。積層防汚パネル1は別途工場で製作する。 (2)FRP製ガイドフレーム6を構造物の表面に設置
する。 (3)ガイドフレーム6の袖部に積層防汚パネル1の両
端部を挿入して所定の位置に引き込む。 (4)ガイドフレーム6に取付けたアンカーボルト7を
締付けて積層防汚パネル1を支持、固定する。 (5)積層防汚パネル1の表面を別途アンカーボルト7
1を用いて締付け、固定する。 (6)アンカーボルト7,71の締付け部保護用キャッ
プ8およびガイドフレーム6の海水に接する部分は防汚
塗料のタッチアップ塗装9を施す。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明の工法を具体的
に説明する。
【0032】実施例1 図3〜4は、鋼矢板護岸のパラペット部(干満帯)に本
発明の防汚被覆工法を適用した正面図と断面図の一部を
示したものである。同図において、10は鋼矢板、11
はパラペット部をそれぞれ示す。
【0033】工事概要は下記の通りである。 a)防汚対象面積……約50m2(高さ1.0m、延長
50m) b)使用積層防汚パネル数……17枚(900w×36
00Lmm=3m2/枚) c)使用ガイドフレーム数……18本(100w×12
00Lmm) d)使用アンカーボルト数……54本
【0034】従来、潮位により乾湿が繰返すパラペット
部11は防汚塗装が不可能であり、塗料による海生物の
付着防止は行われていない。
【0035】本護岸のパラペット部は、コンクリートの
打設状態がよく平滑度も高く、本発明の防汚被覆工法を
採用した。工場で製作した積層防汚パネル1とガイドフ
レーム6は、現地に運び込んだ。この積層防汚パネルと
ガイドフレームは対象パラペット部に、次の手順で作業
を実施した。
【0036】作業足場の架設、測量、墨出し、ア
ンカーボルトの埋め込み、ガイドフレームの取付け、
積層防汚パネルの設置、固定ボルトの締結、竣工
検査、引き渡し。
【0037】工事は、海生物を除去したパラペット部に
FRP製のガイドフレーム6を垂直に取付け、ガイドフ
レーム6の両袖部に積層防汚パネル1を上方部から挿入
してアンカーボルト7で締付け固定した。積層防汚パネ
ル1は、風雨や波浪の衝撃に耐えるように埋め込みアン
カーボルト71で補強した。対象護岸パラペット部は、
干満帯に位置しているためタッチアップ塗装ができない
ので、ガイドフレーム6とアンカーボルト7,71、保
護用キャップ8(主としてFRP製)の海水に接する面
は事前に工場で防汚塗料を塗装したものを使用した。現
地に積層防汚パネル1とガイドフレーム6を搬入した以
降の作業は、3日間で完了した。従来行われている海洋
コンクリート構造物の海上垂直部の塗装作業(防汚塗装
とは限らない)に比して工期が大幅に短縮され、本発明
の防汚塗装工法が施工性に優れ、かつ経済性の高いもの
であることが判明した。
【0038】コンクリート護岸のパラペット部は、従来
から塗装不可能とされ海生物付着防止対策としての防汚
塗装は事実上実施されていない。本発明の防汚塗装工法
は、かかる点を解決した手段としても極めて優れた技術
である。
【0039】なお、本実施例での防汚効果は、防汚塗料
の塗装管理が行届いて行なわれたので、防汚塗料メーカ
の指示通りの成果を挙げることができた。
【0040】実施例2 図5〜6は開渠型取水路の壁面に本発明の防汚被覆工法
を実施した斜視図と正面図である。同図において、12
は壁面(側壁)、13は底面をそれぞれ示す。
【0041】a)防汚対象面積……約100m2(高さ
4.5m、長さ11m×2面) b)使用積層防汚パネル数……72枚(900w×18
00Lmm=1.5m2/枚) c)使用ガイドフレーム数……14本(100w×30
00Lmm) d)使用アンカーボルト数……120本
【0042】取水路内部は、定期点検で海生物を除去、
清掃し乾燥した状態にあった。工事概要は下記の通りで
ある。
【0043】作業足場の搬入、組立て、測量、墨出
し、アンカーボルトの埋め込み、ガイドフレームの
取付け、積層防汚パネルの設置、固定ボルトの締
結、ガイドフレームおよびボルトキャップの外面タッ
チアップ塗装、竣工検査、引渡し、足場の解体、撤
去。
【0044】現場での塗装作業は、タッチアップのみで
ある。海生物の付着防止に必要な防汚塗膜は、別途、工
場で製作した積層防汚パネルを取付けることによって形
成されるので、従来の塗装工事で必要であった現場作業
量が大幅に削減され、質的には均質、安定したものが提
供される。特に、作業環境、気象条件、作業者の技倆格
差等による仕上がり品質のムラが無くなる。
【0045】工事は海生物の除去清掃の終了した取水路
壁面12に、ガイドフレーム6を等間隔(ほぼ積層防汚
パネルの長さ)で垂直にアンカーボルト7を用いて取付
け、ガイドフレーム6の両袖部に積層防汚パネル1を上
方部から挿入し、前記アンカーボルト7を締付けて固定
する。この作業を繰り返し行なうことにより、対象コン
クリート製取水路の全壁面12に積層防汚パネル1から
なる防汚塗膜層が形成される。その後、ガイドフレーム
6や締付け、固定用アンカーボルト7,71の保護用キ
ャップ8の外面に同質の防汚塗料をタッチアップ塗装し
て防汚被覆作業は完了した。
【0046】タッチアップ塗装作業時を除き、通常の塗
装工事に必要な作業環境(温度、湿度、通気等)の管
理、塗料(調合、使用可能時間の管理、使用量等)の管
理は不要となり、天候や気象条件に左右されることな
く、工程計画通り作業は推進することができた。その結
果、工事費と工期は大幅に削減された。
【0047】本発明の防汚被覆工法を実施したことによ
り、防汚塗膜の均質化、工期の削減、技倆または技術格
差を是正、工事費の削減等のメリットが確認でき、昨今
の人手不足の現場工事には優れた工法であることを確信
した。
【0048】ちなみに、本実施例の工事における工事費
や工期は、通常の塗装工事のそれぞれ1/3と1/2前
後で終えた。
【0049】実施例3 図7〜8は、ボックスカルバート型取水路に本発明の防
汚被覆工法を実施した斜視図および正面図である。
【0050】工事概要は下記の通りである。 a)防汚対象面積 ……約190m2(3m角×20m
長さ) b)使用積層防汚パネル数……120枚(900mmw
×1800mmL=1.5m2/枚) …… 30枚(220mmw×1800mmL=0.3
6m2/枚) c)使用ガイドフレーム数……33本(100mmw×
2000mmL) d)使用アンカーボルト数……292本
【0051】ボックスカルバート型取水路は暗渠型であ
り、塗装工事には極めて不適当な環境の現場である。限
られた空間での作業であり、自然光が到達せず照明設備
が必要、工事用資材や機具類の搬出入が困難で、加えて
いわゆる3K(汚い、きつい、危険)作業が避けられず
塗装工事の条件としては最悪である。
【0052】作業者の肉体的あるいは精神的負担を軽減
し、工事の容易さ、安全かつ工期の短縮等を図るべく本
発明の防汚被覆工法を導入した。
【0053】工事は次の手順で行った。 作業用足場の搬入、組立て、測量、墨出し、アン
カーボルトの埋め込み、ガイドフレームの取付け、
積層防汚パネルの挿入、アンカーボルトの締結、ガ
イドフレームおよびボルトキャップのタッチアップ塗
装、竣工検査、引渡し、足場の解体、搬出。
【0054】工事はガイドフレーム6を取水路の延長方
向に等間隔(ほぼ積層防汚パネルの幅で本実施例では約
900mm)で設置し、ガイドフレーム6の両袖部分に
積層防汚パネル1を挿入して所定の位置に移動し、アン
カーボルト7,71で締付け、固定した。次いでガイド
フレーム6およびアンカーボルト7,71、保護用キャ
ップ8の外面に同質の防汚塗料でタッチアップ塗装をし
て防汚被覆工事は完了した。
【0055】ボックスカルバート型取水路内での塗装
は、閉所作業となるため、施工に当っては安全管理(照
明、転落防止、換気、火気等)と作業環境(温度、湿
度、通気等)の整備が重要な課題である。本発明の防汚
塗装工法では、現場における塗装作業が激減し、タッチ
アップ塗装のみであり、安全管理や塗装環境管理が容易
かつ工期も短縮でき、安全で確実に作業を終えることが
できた。
【0056】
【発明の効果】本発明の防汚被覆工法は、従来のコンク
リート構造物の表面に防汚塗料を塗装する作業と異な
る。従って、次のような効果を奏する。 長期間作業環境を調整、管理する必要がない。 専門技術者や技能者を必要としない。 作業が迅速である。 防汚塗膜の品質管理が容易である。 仕上がり塗膜の品質が均質で塗装工程に伴う塗膜の
性能不安が解消される。
【0057】このように、塗装工事作業の容易さ、工事
作業時間の短縮、品質性能の不安が解消されることか
ら、本発明は極めて工業的、経済的に優れた防汚被覆工
法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 積層防汚パネルの構造を示す断面図。
【図2】 積層防汚パネルのコンクリート構造物への被
覆方法を示す断面図。
【図3】 岸壁の干満帯(パラペット部)に対する施工
事例を示す正面図。
【図4】 岸壁の干満帯(パラペット部)に対する施工
事例を示す断面図。
【図5】 開渠型取水路壁面に対する施工事例を示す斜
視図。
【図6】 開渠型取水路壁面に対する施工事例を示す正
面図。
【図7】 ボックスカルバート型取水路壁面に対する施
工事例を示す斜視図。
【図8】 ボックスカルバート型取水路壁面に対する施
工事例を示す正面図)。
【符号の説明】
1:積層防汚パネル、2:防汚塗装、3:基材、4:接
着剤、5:クッション材、6:ガイドフレーム、7,7
1:アンカーボルト、8:ボルトキャップ、9:タッチ
アップ塗装、10:鋼矢板、11:パラペット部、1
2:壁面、13:底部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 昭則 千葉県市原市五井海岸1番地東京電力株式 会社五井火力発電所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海水環境中に構築されたコンクリート構
    造物に防汚塗料による海生物の付着を防止するにあたっ
    て、 対象コンクリート構造物の海水と接する表面にガイドフ
    レームを取付け、該ガイドフレームを介して防汚塗料を
    塗布したパネルを張り巡らせることを特徴とするコンク
    リート構造物に対する防汚被覆工法。
  2. 【請求項2】 前記ガイドフレームが、FRPあるいは
    エンジニャリングプラスチックからなり、該コンクリー
    ト構造物の表面にアンカーボルトで取付け、固定する請
    求項1に記載のコンクリート構造物に対する防汚被覆工
    法。
  3. 【請求項3】 前記パネルが、剛性のあるFRP、エン
    ジニャリングプラスチック、アルミニウム合金あるいは
    鉄鋼から選ばれる材料を基材とし、裏面にクッション材
    を装着した積層構造である請求項1に記載のコンクリー
    ト構造物に対する防汚被覆工法。
JP18411594A 1994-07-14 1994-07-14 コンクリート構造物に対する防汚被覆工法 Pending JPH0827828A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0778195A2 (en) 1995-12-04 1997-06-11 Chugoku Marine Paints, Ltd. Antifouling wall structure and method of constructing it
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