JPH08278638A - 電子写真感光体の製造法 - Google Patents

電子写真感光体の製造法

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JPH08278638A
JPH08278638A JP8266895A JP8266895A JPH08278638A JP H08278638 A JPH08278638 A JP H08278638A JP 8266895 A JP8266895 A JP 8266895A JP 8266895 A JP8266895 A JP 8266895A JP H08278638 A JPH08278638 A JP H08278638A
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JP8266895A
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Fumio Jinno
文夫 神野
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機系電子写真感光体において、優れた感
度、表面性および層間接着性を有する積層型電子写真感
光体を提供する。 【構成】 本発明の電子写真感光体は、電荷発生層と電
荷輸送層を積層してなる電子写真用感光体において、何
れか1つが導電性の表面を持つ二つの支持体の一方の支
持体上に硬化性樹脂を含む電荷発生層を形成し、他方の
支持体上に硬化性樹脂を含む電荷輸送層を設けた後、両
者を貼り合わせて硬化し、導電性表面を持つ支持体を残
して他方の支持体を剥離することを含む、電子写真用感
光体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関する
ものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は優れ
た画像特性を有するとともに、良好な表面性を持つレー
ザー露光用電子写真感光体の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザープリンターで使用される
電子写真用感光体の感光層を形成するのに、基本構成が
電荷発生層と電荷輸送層の二層からなる積層型の有機系
電子写真感光体が、例えば、特開昭59ー71057号
公報等に開示されており、感度が良好で、感光体の設計
の容易さなどから広く用いられている。
【0003】通常、感光体ドラムにおいては電荷発生
層、電荷輸送層を浸漬塗工法などで作成するが、厚さを
制御する上ではバー塗工、ロール塗工などの方法が便利
である。このような塗工法を用いる場合では下層を塗工
した後、上層を塗工する際に通常溶剤が共通であること
が多いために上層を塗工する際に下層の溶解が起こり、
積層型としての機能を失うため、下層に耐溶剤性を何ら
かの形で持たせる必要があった。耐溶剤性を持たせる方
法の一つに硬化性の樹脂を用いる方法があるが、一般に
硬化した樹脂は架橋しているため親和性が低下し、上層
との接着性が損なわれるために繰り返し使用時での感度
低下、層間剥離の原因となっている。
【0004】これを解決する方法として、特開平1ー1
34365号公報に示されるように下層が半硬化の状態
で上層を塗工した後に完全に硬化させる方法が提案され
ている。しかし通常、電荷発生層は1μm以下の非常に薄
い層であるため、硬化の状態の僅かな変化で容易に溶解
するため、前記の方法は半硬化とする条件が非常に限ら
れる欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記積層型の
有機系電子写真感光体における前記の問題を解消し、良
好な電子写真特性を持つ積層型電子写真感光体を製造す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、電荷発生層と電荷
輸送層とを積層してなる電子写真用感光体において、何
れか一つが導電性の表面を持つ二つの支持体の一方の支
持体上に硬化性化合物を含む電荷発生層を形成し、もう
一方の支持体上に硬化性化合物を含む電荷輸送層を設け
た後、両者を張り合わせて硬化し、導電性表面を持つ支
持体を残して他方の支持体を剥離することによって達成
されることを見出し本発明を完成した。すなわち、本発
明に係わる電子写真感光体の製造法は、導電性支持体
と、この導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層と
を、積層した構成からなる電子写真感光体を製造するに
際し、何れか一つが導電性の表面を持つ二つの支持体の
一方の支持体上に、電荷発生物質と熱、または紫外線、
あるいは電子線により硬化する不飽和硬化樹脂とを主成
分として含む電荷発生層を形成し、前記の他方の支持体
上に、電荷輸送物質と熱、または紫外線、あるいは電子
線により硬化する不飽和硬化樹脂を主成分として含む電
荷輸送層を形成した後、前記電荷発生層の面と前記電荷
輸送層の面とを貼り合わせ、この積層体を熱、または紫
外線、あるいは電子線照射により硬化し、この硬化した
積層体から導電性支持体を残して他方のシート状支持体
を剥離することを含む、電子写真感光体の製造法。
【0007】次に本発明方法の構成について詳説する。
本発明の電子写真感光体の好ましい層構成の実施態様と
しては、下記(1)〜(2)の層構成を挙げることがで
きる。(1)第1図に示すように上層より電荷輸送層、
電荷発生層、導電性支持体の順に構成されているもの、 (2)第2図に示すように上層より電荷発生層、電荷輸
送層、導電性支持体の順に構成されているものが好適で
ある。 また前記層構成において、必要に応じて導電性支持体と
電荷発生層または電荷輸送層との間に下引層(中間層、
接着層などの機能を有する層)を設けても良い。
【0008】上記支持体としてはシート状あるいはドラ
ム状の基材のいずれであっても良く、導電性支持体とし
ては導電性を有する種々の材料、例えば銅、アルミニウ
ム、銀、鉄、ニッケル等の金属単体、あるいは蒸着など
の手段によって前記金属、酸化インジウム、酸化スズ等
の導電層が形成されたポリエチレンテレフタレート、ナ
イロン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネー
ト等のフィルム、硬質紙、あるいはドラム状のものが使
用される。ただし、剥離する方の支持体はシート型でな
ければならない。
【0009】上記導電性基材のうち、感光層との密着性
を高めるために酸化物表面を有するもの、特に目立てし
た後にアルマイト処理されたアルミニウム、中でもアル
マイト処理層の膜厚が5〜12μmであるものが好適であ
る。これより薄いとアルマイト処理の効果がなく、厚い
と導電性が十分でなくなる。
【0010】本発明においては、接着性あるいは電気的
特性を向上するために導電性支持体上に下引層を設ける
ことが出来、該下引層に用いられる材料としては酸化ア
ルミニウム、酸化インジウム、酸化チタンなどの金属酸
化物やアクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリ
ビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体等の高分子材料、エチルセル
ロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース
類が挙げられ、それぞれ単独、あるいは二種以上組み合
わせて用いることが出来る。尚、下引層は、上記の材料
を適当な溶媒に溶解し、導電性支持体上に塗布すること
により所定の膜厚に形成される。塗布法としては、導電
性支持体がドラム状である場合には、浸漬法、スプレー
法、押し出し又はスライドホッパー法などが好ましく、
また導電性支持体がシート状である場合には、グラビア
コート法、ロール法、押し出し又はスライドホッパー法
などが好ましく採用される。
【0011】本発明の電荷発生層は、少なくとも電荷発
生物質を含有する層であり、この物質のみであるいはバ
インダーに分散せしめ、前記支持体上に塗布することが
望ましい。
【0012】本発明に用いられる電荷発生物質として
は、可視光を吸収して電荷を発生する次の代表例で示さ
れるような有機顔料がある。 (1)金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、及
びその誘導体等フタロシアニン系顔料 (2)モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔
料、ピラゾロンアゾ顔料、スチルベンアゾ顔料及びチア
ゾールアゾ顔料などのアゾ系顔料 (3)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリ
レン系顔料 (4)スクアリリウム系顔料 (5)インジゴ誘導体及びチオインジゴ誘導体などのイ
ンジゴイド系顔料 (6)ジフェニルメタン系顔料、トリフェニルメタン顔
料、キサンテン顔料及びアクリジン顔料などのカルボニ
ウム系顔料 (7)アジン顔料、オキサジン顔料及びチアジン顔料な
どのキノニミン系顔料 (8)シアニン顔料及びアゾメチン顔料等のメチン系顔
料 (9)キノリン系顔料 (10)ニトロ系顔料 (11)ニトロソ系顔料 (12)ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料 (13)ナフタルイミド系顔料 (14)ビスベンズイミダゾール誘導体等のペリノン系
顔料
【0013】前記電荷発生物質のうち、本発明の目的達
成のため特に好適なものとしては、フタロシアニン系顔
料、アゾ系顔料、スクアライン系顔料、ペリレン系顔料
があげられる。またその粒子径は一次粒子で0.01μm〜1
μmであることが好ましい。これより細かいと微粒化す
る際に結晶形が変わる恐れがあり、これより粗いと分散
が悪くなる。
【0014】本発明における電荷発生層のバインダー樹
脂としては、それ自体公知の硬化性樹脂の全てを使用で
きる。
【0015】適当な硬化性樹脂の例は、これに限定され
るものではないが、熱硬化性樹脂の例としてアクリル樹
脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シ
リコン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等が例示され
る。これらは単独でも、混合して用いても良く、また共
重合体でも使用可能である。好ましい組み合わせの例と
しては、シリコン−メラミン系、ポリエステル−メラミ
ン系、メタクリル酸−メラミン系、エポキシ−メラミン
系或いはポリエステル−尿素系、メタクリル酸−尿素系
などが挙げられる。また、光硬化樹脂、電子線硬化樹脂
としては、エポキシ樹脂とアクリル酸またはスチレン−
アクリル共重合体などのエポキシ基との反応性基および
不飽和結合基とを有する化合物との付加反応により得ら
れるエポキシ(スチレン)アクリレート、トリレンジイ
ソシアネートなどのポリイソシアネート化合物と2-ヒ
ドロキシエチルアクリレートなどのイソシアネート基と
の反応性基および不飽和結合基とを有する化合物と、必
要に応じてポリオール成分との反応により得られるウレ
タンアクリレート、多価カルボン酸と多価アルコールと
前記アクリル酸または2-ヒドロキシエチルアクリレー
トとの反応により得られるポリエステルアクリレートお
よびこれらに対応するメタクリレートなどが例示され
る。上記硬化性樹脂は一種または二種以上混合して使用
できる。
【0016】上記硬化性樹脂は、樹脂の種類に応じて従
来慣用の硬化剤を用いて硬化させることが出来る。ま
た、光硬化性樹脂は従来慣用の光重合開始剤を用いて硬
化させることが出来る、重合膜の特性を調整するため、
エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレートやこれらの対応
するメタクリレートなどの光重合性モノマーを併用して
も良い。
【0017】また、上記熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、
電子線硬化性樹脂は膜の特性を損なわない範囲で、熱可
塑性樹脂、例えば飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネー
ト、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエス
テル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等を一種、
または二種以上混合しても良い。
【0018】電荷発生物質の分散手段としては使用され
る樹脂の種類に応じて適当な溶媒あるいはバインダーの
溶液に前記電荷発生物質を加え、ミキサー、サンドミ
ル、ボールミル、ペイントシェーカー、アトライター、
超音波分散などの分散手段を用いることが出来る。適当
な溶媒としては1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、1,
1,1-トリクロロエタン、ジクロロメタン、アセトン、ジ
オキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テ
トラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジ
エチルエーテルなどが挙げられる。また、樹脂の種類に
よっては有機溶媒を用いなくても良い。
【0019】さらに、電荷輸送層との貼り合わせの際
に、電荷発生層の膜厚をコントロールするためのスペー
サーとして高絶縁性材料粒子を混合することもできる。
【0020】高絶縁性材料粒子としては、無機材料とし
てはアルミナ、高純度酸化チタン、雲母、酸化マグネシ
ウム、タルク、シリカ、カオリンなど、有機材料として
ポリスチレン、ベンゾグアナミン、ナイロン、スチレン
・アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ゴム、
エポキシ、尿素樹脂、シリコン樹脂あるいはそれらの架
橋物、縮合物など、体積抵抗が1012Ωm以上の材料であ
れば良く、これらの材料を合成段階で粉体化、または粉
砕などによって微粒子化したものを単独、または混合し
て用いる。高絶縁性材料粒子の平均粒子径は0.01〜1μm
で、好ましくは0.02〜0.8μmである。これより細かくて
もスペーサーとしての機能は不十分となる。
【0021】電荷発生物質とバインダーとの混合比率
は、電荷発生物質100重量部に対して、バインダーが10
〜500重量部が好ましく、より好ましくは30〜200重量部
である。バインダー樹脂の量がこの範囲より少なすぎる
と暗減衰の上昇や接着性が低下の原因となり、多すぎる
と感光体感度が低下する。
【0022】上記高絶縁性材料粒子を混合する場合は電
荷発生物質100重量部に対して5〜50重量部の範囲である
ことが好ましく、より好ましくは10〜30重量部である。
この範囲より少ないとスペーサーとしての機能が十分で
なく、また多すぎると電荷発生層の接着性が低下して層
間剥離の原因となる。
【0023】電荷発生層を形成する際には、電荷発生層
塗布液をバー塗工、ロール塗工などの手段を用いて基材
上に塗布した後、上記硬化性樹脂の硬化が起こらないよ
うな温度中で送風乾燥、あるいは真空乾燥などの手段で
乾燥させることが必要である。電荷発生層の膜厚は0.01
〜1μmが好ましく、より好ましくは0.02〜0.08μmであ
る。この厚さが0.01μm未満であると、電荷発生層を均
一に形成するのが困難になりやすく、1μmを越えると電
子写真特性が低下する傾向がある。
【0024】本発明の電荷輸送層に用いられる電荷輸送
物質としては、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、
トリフェニルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導
体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、イン
ドリン誘導体、カルバゾール誘導体等が挙げられる。
【0025】電荷輸送層に用いられる結着剤樹脂として
は電荷発生層用に列挙した樹脂を用いることが出来る。
本発明において好ましい電荷輸送物質の例としては、下
記構造式(1)〜(10)に示されるような化合物およ
びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】電荷輸送層塗布液の調製に際しては、使用
される電荷輸送物質、樹脂の種類に応じて適当な有機溶
媒を使用することが出来る。適当な有機溶媒としては上
記電荷発生層に用いた有機溶媒を適宜用いることが出来
る。通常電荷輸送層では電荷輸送物質が分子分散状態で
あるために電荷輸送物質、結着剤樹脂を有機溶媒に溶解
して塗布する方法が一般的である。また、上記塗布液を
調整する際に感光体繰り返し特性、分散性、塗工性を改
善する目的で酸化防止剤、界面活性剤、レベリング剤な
どを混合しても良い。電荷輸送層塗布液の分散は上記電
荷発生層と同様な手段を用いて達成される。
【0029】電荷輸送物質とバインダーとの混合比率
は、バインダー100重量部に対して、電荷輸送物質30〜1
50重量部が好ましく、より好ましくは50〜100重量部で
ある。30重量部より少ないと感度が十分でなく、150重
量部以上では電荷輸送物質が結晶化する恐れがある。
【0030】電荷輸送層を形成する際には、バー塗工、
ロール塗工などの手段を用いて電荷発生層の支持体とは
異なる支持体上に塗布した後、上記硬化性樹脂の硬化が
起こらないような温度中で送風乾燥、あるいは真空乾燥
などの手段で乾燥させる。電荷輸送層の膜厚は2〜100μ
mが好ましく、より好ましくは5〜30μmである。2μm以
下では初期帯電電位が低くなりすぎ、100μm以上では電
子写真特性が低下する傾向がある。このように形成され
た電荷発生層と電荷輸送層を貼り合わせる手段として塗
布面同士を合わせて加圧ローラーを通す方法が一般的で
ある。その際に加温する方がより効果的に接着性を向上
することが出来る。加温する方法としては加圧ローラー
の温度を上げる方法、ヒーターなどを加圧ローラーなど
の前に置いて貼り合わせ直前に加熱する方法、貼り合わ
せの系全体を加温した環境下に置く方法などがある。感
光体の結着剤樹脂に熱硬化性樹脂を用いた場合では、貼
り合わせの工程と硬化の工程を組み合わせることも可能
である。
【0031】貼り合わせた感光体を硬化する工程では用
いた硬化性樹脂の種類に応じて適当な硬化条件を設定し
て硬化処理を行う。熱硬化性樹脂の場合では生産効率を
高めるために樹脂の硬化温度以上の温度で適宜時間加熱
するのが好ましく、光硬化、電子線硬化の場合は十分な
量の光照射、あるいは電子線照射することにより行われ
る。光照射の光源としては白色蛍光灯、ハロゲンラン
プ、水銀灯など、光硬化用光源として使用されるものが
何れも使用できる。電子線照射装置は走査型、カーテン
型などのどのようなものでも良い。電子線照射の際の加
速電圧は200kV以下が好ましく、これより高い加速電圧
では支持体が損傷を受ける可能性がある。光照射、電子
線照射の場合、十分な照射量を得るために支持体に照射
を阻害しないような適当な材料を用いる必要がある。
【0032】また、硬化処理後に一方の支持体を剥離す
るため、用いるバインダー樹脂と支持体の組合せを適当
に選定する必要がある。支持体とバインダー樹脂の組合
せの例として、導電性支持体にポリエステル(PET)
フィルムにアルミ蒸着したものを用い、下引き層のバイ
ンダー樹脂としてアルミとの接着性の良好なポリビニル
ブチラール樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂などを
選択する。一方、剥離する側の支持体としてPET,ポ
リプロピレン等のフィルムを用い、バインダー樹脂とし
てウレタン変性スチレンーアクリル共重合体、ポリエス
テルアクリレートなどの硬化性樹脂およびこれらの混合
物などを用いる。即ちこの場合剥離する側に用いる硬化
性樹脂と剥離する支持体の接着力は、導電性支持体とし
て用いる側の硬化性樹脂と導電性支持体との接着力より
低くなければならない。
【0033】さらに、感光体の表面は平滑である方がク
リーニングを効率的に行うことが出来るため、剥離する
方の支持体の触針粗さ計による表面粗さはRa値で0.1μm
以下であることが好ましく、特に好ましくは0.05μm以
下である。
【0034】これらの一連の工程全てを
【図3】に示す。
【0035】以上のような方法を用いて製造された感光
体は、硬化樹脂を用いているために表面強度に優れ、か
つ表面平滑性が高いためにクリーニング特性、耐摩耗性
に優れている。また、硬化性樹脂を用いた場合の欠点と
して電荷発生層/電荷輸送層の層間接着の弱さは貼り合
わせ後に硬化させるために非常に強固に接着させること
が出来る。従って、本発明は複写機、レーザープリンタ
などで使用される電子写真用感光体を製造する上で有用
である。
【0036】
【実施例】本発明を下記実施例により説明するが、本発
明の範囲はこれらにより限定されるものではない。尚、
下記実施例において、下記テストを行った。
【0037】電子写真感光体感度の評価方法 電子写真感光体の感度は電子写真用感度測定器(商標:
シンシア30、GENTEC製)で測定した。測定条件
は光源に近赤外単色光(波長780nm、強度0.01mW
/cm2)、帯電電圧6.5KV、暗減衰時間10秒、光照射
時間40秒の条件で行った。評価する性能は帯電した直
後の帯電電位 Vs(V)、帯電10秒後の暗減衰率 DD(%)、
電子写真学会標準の感度Eh(V・cm2/erg) (光照射時の表
面電位の半分を半減露光量で割ったもの)とする。
【0038】層間接着性の評価方法 感光体を支持体表面まで切れ目が入るように1mm角10
×10の碁盤目にカットした後、十分密着するように粘
着テープを貼り、一定速度で粘着テープを剥がした際に
支持体上に剥離しないで残った感光体の碁盤目の数で接
着性を評価する。
【0039】実施例1 アルコール可溶性ナイロン樹脂(商標: CM-8000、東レ
製)10重量部をエタノール 490重量部に溶解し、アルミ
蒸着した厚さ75μmのPETフィルムにワイヤーバーを用い
て塗工して約0.2μmの下引き層を形成した。次にY型チ
タニルフタロシアニン3重量部、オリゴエステルアクリ
レート(商標:アロニックスM-8060、東亞合成化学工業
製)3重量部、シクロヘキサノン94重量部をボールミ
ルで4時間ミリングし電荷発生層塗布液を調製した。得
られた塗布液を下引層を設けた導電性支持体上にワイヤ
ーバーを用いて塗工し、85℃で1時間乾燥して膜厚約0.
5μmの電荷発生層を形成した。
【0040】一方、構造式(1)で示される電荷輸送物
質10重量部、ウレタン変性スチレン−アクリル共重合
体(商標:KU-543、荒川化学工業製)10重量部、トル
エン60重量部を混合、攪拌し、電荷輸送層塗布液を調
製した。
【0041】得られた塗布液を厚さ75μm、表面粗さがR
a値で0.01μmのPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗
工し、85℃で1時間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を
形成した。
【0042】得られた電荷発生層と電荷輸送層を貼り合
わせながら線圧10Kg/cm2、ローラー温度100℃の加圧ロ
ーラー間を通して両層を完全に接着させた後に、加速電
圧175kV、ビーム電流7mAのカーテン式電子線加速器を用
いて電荷発生層側から5Mradの吸収線量になるように電
子線照射を行った。得られた感光体から電荷輸送層側の
PETフィルムを剥離して電子写真感光体を作製した。
【0043】実施例2 実施例1の電荷発生層のオリゴエステルアクリレート
(商標:アロニックスM-8060、東亞合成化学工業製)
3重量部の代わりにウレタン変性スチレン−アクリル共
重合体(商標:KU-543、荒川化学工業製) 3重量部を
用いて実施例1と同様な手順により電子写真感光体を作
製した。
【0044】実施例3 実施例1の電荷発生層のオリゴエステルアクリレート
(商標:アロニックスM-8060、東亞合成化学工業製)3
重量部の代わりにペンタエリスリトールアクリレート
(商標:ビームセット710 、荒川化学工業製)3重量
部、重合開始剤(商標:ダロキュアー1173、メルク社
製)0.1重量部を用い、電荷輸送層のウレタン変性ス
チレン−アクリル共重合体(商標:KU-543、荒川化学工
業製)10重量部にも重合開始剤(商標:ダロキュアー
1173、メルク社製)0.3重量部を添加し、電子線照射
する代わりに80W/cmの水銀ランプを用いて10cmの高さに
設定し、ベルトスピード2.5m/min(192mJ) で照射を行っ
た。それ以外は実施例1と同様な手順により電子写真感
光体を作製した。
【0045】実施例4 実施例1の電荷輸送層のウレタン変性スチレン−アクリ
ル共重合体(商標:KU-543、荒川化学工業製)10重量
部の代わりにオリゴエステルアクリレート(商標:アロ
ニックスM-8060、東亞合成化学工業製)10重量部を用
い、電荷輸送物質(1)10重量部の代わりに電荷輸送
物質(2)10重量部を用いて実施例1と同様な手順に
より電子写真感光体を作製した。
【0046】実施例5 実施例1の電荷発生層にポリメチルシロキサン樹脂粒子
(商標:TSP-105、東芝シリコン製)0.5重量部を添加
し、実施例1と同様な手順により電子写真感光体を作製
した。
【0047】実施例6 アルコール可溶性ナイロン樹脂(商標: CM-8000、東レ
製)10重量部をエタノール 490重量部に溶解し、アルミ
蒸着した厚さ75μmのPETフィルムにワイヤーバーを用い
て塗工して約0.2μmの下引き層を形成した。
【0048】次に構造式(1)で示される電荷輸送物質
10重量部、ウレタン変性スチレン−アクリル共重合体
(商標:KU-543、荒川化学工業製)10重量部、トルエ
ン60重量部を混合、攪拌し、電荷輸送層塗布液を調製
した。得られた塗布液を下引層を設けた導電性支持体上
にワイヤーバーを用いて塗工し、85℃で1時間乾燥して
膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0049】一方、Y型チタニルフタロシアニン3重量
部、オリゴエステルアクリレート(商標:アロニックス
M-8060、東亞合成化学工業製)3重量部、シクロヘキサ
ノン94重量部をボールミルで4時間ミリングし電荷発
生層塗布液を調製した。
【0050】得られた塗布液を厚さ75μm、表面粗さがR
a値で0.01μmのPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗
工し、85℃で1時間乾燥して膜厚約0.5μmの電荷発生層
を形成した。
【0051】得られた電荷発生層と電荷輸送層を貼り合
わせながら線圧10Kg/cm2、ローラー温度100℃の加圧ロ
ーラー間を通して両層を完全に接着させた後に、加速電
圧175kV、ビーム電流7mAのカーテン式電子線加速器を用
いて電荷発生層側から5Mradの吸収線量になるように電
子線照射を行った。得られた感光体から電荷発生層側の
PETフィルムを剥離して電子写真感光体を作製した。
【0052】この感光体は電荷発生層が上になっている
ために、帯電電位は正帯電で感度を評価する。
【0053】比較例1 アルコール可溶性ナイロン樹脂(商標: CM-8000、東レ
製)10重量部をエタノール490重量部に溶解し、アル
ミ蒸着した厚さ75μmのPETフィルムにワイヤーバーを用
いて塗工して約0.2μmの下引き層を形成した。
【0054】次にY型チタニルフタロシアニン3重量
部、オリゴエステルアクリレート(商標:アロニックス
M-8060、東亞合成化学工業製)3重量部、シクロヘキサ
ノン94重量部をボールミルで4時間ミリングし電荷発
生層塗布液を調製した。得られた塗布液を下引層を設け
た導電性支持体上にワイヤーバーを用いて塗工し、85℃
で1時間乾燥して膜厚約0.5μmの電荷発生層を形成し
た。形成した電荷発生層に加速電圧175kV、ビーム電流7
mAのカーテン式電子線加速器を用いて電荷発生層側から
5Mradの吸収線量になるように電子線照射を行った。
【0055】次に構造式(1)で示される電荷輸送物質
10重量部、ウレタン変性スチレン−アクリル共重合体
(商標:KU-543、荒川化学工業製)10重量部、トルエ
ン60重量部を混合、攪拌し、電荷輸送層塗布液を調製
した。
【0056】得られた塗布液を電荷発生層上にワイヤー
バーを用いて塗工し、85℃で1時間乾燥して膜厚25μm
の電荷輸送層を形成した。形成した電荷輸送層に、加速
電圧175kV、ビーム電流7mAのカーテン式電子線加速器を
用いて5Mradの吸収線量になるように電子線照射を行
い、電子写真感光体を作製した。
【0057】比較例2 比較例1の電荷発生層のオリゴエステルアクリレート
(商標:アロニックスM-8060、東亞合成化学工業製)3
重量部の代わりにウレタン変性スチレン−アクリル共重
合体(商標:KU-543、荒川化学工業製)3重量部を用い
て比較例1と同様な手順により電子写真感光体を作製し
た。
【0058】比較例3 比較例1の電荷発生層のオリゴエステルアクリレート
(商標:アロニックスM-8060、東亞合成化学工業製)3
重量部の代わりにペンタエリスリトールアクリレート
(商標:ビームッセット710、荒川化学工業製)3重量
部、重合開始剤(商標:ダロキュアー1173、メルク社
製)0.1重量部を用い、電荷輸送層のウレタン変性ス
チレン−アクリル共重合体(商標:KU-543、荒川化学工
業製)10重量部にも重合開始剤(商標:ダロキュアー
1173、メルク社製)0.3重量部を添加し、電子線照射
する代わりに80W/cmの水銀ランプを用いて10cmの高さに
設定し、ベルトスピード2.5m/min(192mJ)で照射を行っ
た。それ以外は比較例1と同様な手順により電子写真感
光体を作製した。
【0059】比較例4 比較例1の電荷輸送層のウレタン変性スチレン−アクリ
ル共重合体(商標:KU-543、荒川化学工業製)10重量
部の代わりにオリゴエステルアクリレート(商標:アロ
ニックスM-8060、東亞合成化学工業製)10重量部を用
い、電荷輸送物質(1)10重量部の代わりに電荷輸送
物質(2)10重量部を用いて比較例1と同様な手順に
より電子写真感光体を作製した。
【0060】各実施例、比較例中の電子写真感光体の感
度、接着性、表面平滑性の結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明による電子写真感光体は、表1に
明かに示されているように、比較例のものに比べ、感
度、層間接着性、表面平滑性が優れ、一般の複写機、レ
ーザープリンターおよび感光版材用として、実用上きわ
めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例の構成を示す
断面説明図。
【図2】 本発明の電子写真感光体の一例の構成を示す
断面説明図。
【図3】 本発明の電子写真感光体の貼り合せによる製
造法を示す説明図。
【符号の説明】
1──シート状支持体 2──導電層 3──下引層 4──電荷発生層 5──電荷輸送層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体と、この導電性支持体上に
    電荷発生層と電荷輸送層とを、積層した構成からなる電
    子写真感光体を製造するに際し、何れか一つが導電性の
    表面を持つ二つの支持体の一方の支持体上に、電荷発生
    物質と熱、または紫外線、あるいは電子線により硬化す
    る不飽和硬化樹脂とを主成分として含む電荷発生層を形
    成し、前記の他方の支持体上に、電荷輸送物質と熱、ま
    たは紫外線、あるいは電子線により硬化する不飽和硬化
    樹脂を主成分として含む電荷輸送層を形成した後、前記
    電荷発生層の面と前記電荷輸送層の面とを貼り合わせ、
    この積層体を熱、または紫外線、あるいは電子線照射に
    より硬化し、この硬化した積層体から導電性支持体を残
    して他方のシート状支持体を剥離することを含む、電子
    写真感光体の製造法。
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