JPH08280384A - 有核細胞を含む試料から核酸または蛋白質を回収する方法 - Google Patents

有核細胞を含む試料から核酸または蛋白質を回収する方法

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JPH08280384A
JPH08280384A JP7092623A JP9262395A JPH08280384A JP H08280384 A JPH08280384 A JP H08280384A JP 7092623 A JP7092623 A JP 7092623A JP 9262395 A JP9262395 A JP 9262395A JP H08280384 A JPH08280384 A JP H08280384A
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nucleic acid
protein
nucleated cells
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JP7092623A
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English (en)
Inventor
Hideji Shibata
秀司 柴田
Hidehiko Sakurai
秀彦 桜井
Takuya Ishibashi
石橋  卓也
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠心分離、濾過などの方法を使用することな
く、血液などの試料から、有核細胞、例えば白血球を回
収し、この有核細胞中に存在する核酸または蛋白質を取
り出す方法を提供する。 【構成】 有核細胞を吸着するが核を持たない細胞は吸
着しない性質を有する極細繊維集合体、例えば極細繊維
の糸径が1〜5μm、極細繊維集合体の容器に対する充
填率が0.1〜0.4g/立方cmであるポリエステ
ル、ポリプロピレン、またはナイロンの極細長繊維集合
体を用いて、有核細胞を含む試料から有核細胞を吸着し
た後、有核細胞中の核酸または蛋白質を回収することを
特徴とする有核細胞を含む試料から核酸または蛋白質を
回収する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有核細胞を含む試料から
核酸または蛋白質を効率良く回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然に存在する細胞には有核細胞と核を
持たない細胞があり、これらは通常、生体内、例えば動
物では血液、尿、髄液、喀痰、体液などに混在して存在
する。これらの細胞には核酸や蛋白質が存在し、それぞ
れの重要な働きを有している。これらの細胞内の核酸ま
たは蛋白質を回収することは、各種分野で頻繁に用いら
れている。例えば、動物、植物あるいは微生物の細胞か
ら遺伝子を取り出し、その配列を解析する、または遺伝
子をクローニングする、また新たなヌクレオチドあるい
はヌクレオシドを生産する原料とすることがよく行われ
ている。また、これらの天然の細胞から蛋白質を回収す
ることは、酵素、ホルモンなどの有用物質を生産する場
合など、多くの分野で行われている。
【0003】血液、尿、髄液、喀痰、体液、細胞浮遊
液、細胞培養液、またはそれらの処理液などの試料中に
存在する細胞から核酸または蛋白質を回収する方法とし
て、試料からまず、細胞を分離した後、その細胞を溶解
し、または破砕して細胞内の核酸、蛋白質を回収する方
法が一般的である。試料から細胞を分離する方法として
は、遠心分離、濾過などの物理的方法が一般に用いられ
る。しかしながら、例えば血液などでは、赤血球が多量
に存在し、白血球(即ち有核細胞)中に存在する核酸ま
たは蛋白質を回収する場合、白血球を試料から分離する
と同時に、赤血球からも分離する必要があり、二重の操
作を要する。具体的には比重遠心法、塩化マグネシウム
により赤血球除去法、フリーサイトメトリーによる分離
法などがあるが、赤血球のコンタミを除去することが不
都合な場合などでは、細心の注意を要する。またフリー
サイトメトリーでは高額な装置を必要とし一般的でな
い。他方、濾過により細胞を分離する一般的な方法で
は、細胞を大きさを基準に分離する。
【0004】一方、PCRによりヒト遺伝子を増幅した
後、各種の遺伝子検査を行うことが最近、頻繁に行われ
ている。しかしPCRに用いる耐熱性DNAポリメラー
ゼが赤血球由来のヘモグロビンなどにより阻害され、増
幅反応に支障をきたすことが知られており、検体から赤
血球を簡便に除去することが望まれている。
【0005】また、白血球分離フィルターにより、血液
から白血球を分離できることは古くから知られている。
そのひとつの方法として、特公昭58-54125号公報には白
血球分離フィルターにより、血液から白血球を回収する
方法が開示されるが、白血球の吸着率が低く、さらには
白血球の回収率が64%と低いため、白血球内の核酸、
酵素などの回収には充分とは言えない。またこの方法で
は、物理的外力により白血球を脱着するため、特殊な装
置が必要となり、多数の検体を処理する臨床検査のよう
な分野への応用には難がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの試料から細胞
を分離した後、その細胞を溶解し、または破砕して細胞
内の核酸または蛋白質を取り出す方法では、まず試料か
ら細胞を分離する方法として、遠心分離、濾過などの方
法が用いられる。例えば、血液などでは、赤血球が多量
に存在し、白血球(即ち有核細胞)中に存在する核酸ま
たは蛋白質を取り出す場合、白血球を試料液から分離す
ると同時に赤血球からも分離する必要があり、二重の操
作を要し、簡便でない。また、核酸を増幅するPCR増
幅などに赤血球のコンタミが影響する場合などでは、細
心の注意を要し、洗浄操作などを行うことで更に煩雑と
なる。また尿では存在する白血球、体細胞などが微量で
あり、目的を達成するために多量の試料を処理すること
が必要となり、装置的な問題も含め容易ではない。他
方、培養液などから濾過により、細胞を回収する一般的
な方法では細胞を大きさを基準に分離することから、フ
ィルターの目詰まりを起こしやすく多量の試料を処理す
る場合、適当ではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、細
胞吸着性極細繊維集合体を用いたフィルターが、白血球
を効率良く吸着することに着目し、更に、白血球以外の
他の体細胞、単細胞生物なども吸着する性質を見出し、
本発明を完成させるに到った。
【0008】すなわち本発明は、有核細胞を吸着するが
核を持たない細胞は吸着しない性質を有する物質を用い
て、有核細胞を含む試料から有核細胞を吸着した後、有
核細胞中の核酸または蛋白質を回収することを特徴とす
る有核細胞を含む試料から核酸または蛋白質を回収する
方法である。
【0009】本発明において、有核細胞を含む試料とし
ては、血液、尿、髄液、喀痰、体液、細胞浮遊液、細胞
培養液など、有核細胞を含有する試料なら、どのような
ものでもあってもよい。または、それらの試料に何らか
の処理をほどこした処理液であっても良い。処理の方法
としては、例えば喀痰のように、粘性の高い試料では喀
痰処理剤により喀痰を溶解したものであっても良い。本
発明において有核細胞としては、動物白血球、ヒト細胞
株、酵母などの真核性単細胞生物、細菌などがある。本
発明において、核を持たない細胞としては、赤血球など
がある。赤血球は本発明の極細繊維集合体に吸着される
ことはないから、これらの細胞と赤血球が混在する試料
から、これらの細胞のみの核酸、蛋白質を回収する目的
に特に有用である。
【0010】本発明において有核細胞を吸着するが核を
持たない細胞は吸着しない性質を有する物質とは、細胞
吸着性極細繊維集合体である。例えばポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トなど)、ポリプロピレン、ナイロンなどの細胞吸着性
のポリマーからメルトブロー法により得られる極細長繊
維集合体がある。これらのポリマーは不織布として使用
することも、綿状にして使用することも可能である。ま
たこのような不織布、綿をプレパックしたフィルターユ
ニットとして使用することも、また必要量を注射器のシ
リンジ部分につめて使用することも可能であり、使用の
形態は本発明の目的が達成されるならば、限定されるこ
とはない。特に、極細長繊維集合体は不織布または綿状
のフィルター状であることが好ましい。
【0011】更に、細胞を効率良く吸着させるには、繊
維集合体の密度、繊維の太さ、量などを選択する必要が
ある。該極細繊維の糸径は1〜5μm、容器に対する極
細繊維集合体の充填率が0.1〜0.4g/立方cmで
あることが好ましい。糸径が1μm未満の繊維は、メル
トブロー法によって得ることが困難であり、5μmを越
えるとフィルターによる細胞の吸着性が劣る。極細繊維
集合体の充填率が0.1g/立方cm未満では、集合体
に疎・蜜な部分ができやすく、体液を処理する際、チャ
ンネリング(偏流)が起きやすく好ましくない。0.4
g/立方を越えると、非細胞成分による目詰まりの危険
性が高くなり、また圧縮加工等の操作が必要となる。
【0012】本発明では、上記極細繊維集合体に試料を
通過させ、有核細胞を吸着させる。極細繊維集合体に
は、前以て、処理を施してもよい。試料は、そのまま前
処理することなく、極細繊維集合体に通過させることが
できるので、簡単であることが本発明の特徴の1つであ
る。しかし、喀痰などのように粘性が高いような試料で
はアルカリ処理、スプータザイムなどの酵素処理によ
り、喀痰を溶解する処理を施すことが好ましい。また尿
試料などのように無機物、有機物の結晶を含む場合、あ
るいはゴミなどを含むような試料では、それらが目詰ま
りの原因とならないよう、一般的なプレフィルターで除
去することが好ましい。
【0013】極細繊維集合体に試料を通過させるに当た
り、極細繊維集合体の表面積当たり、試料中の吸着細胞
が1.0×109 個/ 平方m未満であることが好まし
い。1.0×109 個/ 平方mを越えると、吸着細胞が
繊維集合体の吸着容量を越えてしまい、効率が低下した
り、必要な細胞を吸着できなくなってしまう場合があ
る。また極細繊維集合体の表面積は大きければ、吸着量
は大きくなるが、集合体の体積も大きくなり、回収率が
低下することがあるので、該集合体の必要量は使用する
試料に応じて変更することが好ましい。この吸着による
回収法では、試料の塩濃度、pHなどの影響をほとんど
受けないので、幅広い分野での使用が可能である。
【0014】本発明では、有核細胞を吸着した後、有核
細胞中の核酸または蛋白質を取り出す。核酸または蛋白
質を取り出す方法としては、吸着した細胞をそのまま極
細繊維集合体に結合したまま、細胞溶解液を通液して、
溶解するか、あるいは破砕などを行う。これらの方法と
しては一般に用いられる手法が適用可能である。具体例
としては、超音波による細胞破砕、界面活性剤、酵素に
よる細胞の溶解などがあり、動物細胞のような場合では
単に浸透圧を利用して細胞を破裂させることもできる。
【0015】物理的細胞破砕の方法としては、超音波に
よる方法が一般的で容易であるが、これに限定されるも
のではない。細胞溶解法としては、界面活性剤または酵
素による溶解法が一般的である。界面活性剤としては、
ノニオン性界面活性剤、例えばポリエチレングリコール
モノ−p−イソオクチルフェニルエーテル(トリトンX
−100)、イオン性界面活性剤、例えばSDS(ドデ
シル硫酸ナトリウム)、NLS(N−ラウロイル硫酸ナ
トリウム)などが知られているる。酵素としてはプロテ
イナーゼK、リゾチームなどがあり、細胞の種類によっ
ては細胞種に特異的によく作用するリゾスタフィン(ス
タフィロコッカス属)、β1,3−グルカナーゼ、マン
ナーゼ、キチナーゼなど(真菌類)などがある。また動
物細胞では低張液に接触させるだけで細胞を破裂させる
ことも可能である。これらの方法は、目的とする核酸ま
たは蛋白質の性質あるいは精製法などから、適当な方法
を選択し、あるいは組み合わせて用いることができる。
【0016】具体的な例として、生体試料中に真菌、細
菌などの外来の細胞が存在する場合、試料中の有核細胞
を極細繊維集合体に通過させて有核細胞を吸着した後、
まず低張液やマイルドな界面活性剤あるいはマイルドな
酵素で処理し、外来の細胞と同時に吸着された体細胞の
みを溶解し、洗浄した後、真菌、細菌などに特異的な酵
素、または強力な界面活性剤で処理することにより、外
来の細胞と体細胞性の有核細胞が混在する生体試料から
真菌、細菌由来の核酸、蛋白質のみを分画して取り出す
ことが可能である。取り出した核酸は通常のフェノール
・クロロホルム法により精製する。
【0017】
【発明の効果】本発明のポリマーを用いた吸着法により
血液、尿、培養液中の核酸、蛋白質を容易に取り出すこ
とが可能である。さらに吸着した細胞の選択的溶解によ
り、容易に特定の核酸または蛋白質を取り出すことが可
能である。また、本発明方法では、細胞吸着性のポリマ
ーが有核細胞を特異的に吸着する性質を利用する方法で
あるから、吸着する細胞中に細胞と同程度の質量、体積
を有する不純物が存在していても、何ら問題はない。ま
た、それらによりフィルターが目詰まりするとか、遠心
分離による分画が困難な場合でも使用可能である。例え
ば、尿中における有機、無機の結晶、ゴミなどの存在が
あっても容易に目的が達成可能である。必要によりゴミ
取り用のプレフィルターを使用することも可能である。
【0018】本発明の大きな利点は、吸着した細胞をそ
のまま破砕、溶解処理することが可能なことである。本
発明方法では吸着した細胞を脱着することなく、吸着し
た細胞を破砕し、または溶解することから、吸着した細
胞を脱着する方法よりも容易に実施が可能である。また
破砕または溶解の方法を選択することにより、核酸また
は蛋白質のうち、ある種の成分を選択的に取り出すこと
が可能であり、簡便な方法で単なる取り出しでなく、精
製も行うことができる。
【0019】具体的には、試料中の有核細胞が白血球や
他の体細胞、単細胞生物などであり、核を持たない細胞
が赤血球であって、これらが混在している場合、または
細胞と同程度の無機、有機物の結晶、ゴミなどが共存す
る場合などに特に有用である。例えば血液などでは、赤
血球が多量に存在し、白血球(即ち有核細胞)中に存在
する核酸、蛋白質を取り出す場合、白血球を試料液から
分離すると同時に赤血球からも分離する必要があり、従
来の方法では、二重の操作を要し、簡便でなかった。ま
た、赤血球のコンタミがPCRなら、また次の核酸、蛋
白質の精製工程に不都合な場合などでも、本発明の方法
を用いれば、容易に赤血球を除去し、有核細胞のみを吸
着することができ、その後の核酸、蛋白質の取り出しを
迅速、簡便に行うことができる。また存在する白血球、
体細胞などが微量である尿でも、多量の尿検体を本発明
のフィルターで濾過するだけで、一般に濃度の低い白血
球、体細胞などを容易に吸着でき、その後の核酸、蛋白
質の取り出しを迅速、簡便に実施できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明す
る。なお、核酸回収率は、同じ試料を遠心分離して、白
血球を分離し、通常のフェノール・クロロホルム法によ
り精製した後の核酸量を100として、計算した。ま
た、白血球吸着率は、極細繊維集合体に通過させた前後
の試料中の白血球数をコールターカウンターにより計測
し、白血球の減少量吸着率として計算した。
【0021】実施例1各種ポリマーによる白血球の選択的吸着率と核酸の回収
率 下記表1に示される、メルトブロー法によって得られた
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレ
ン(PP)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)ま
たはナイロンの極細長繊維集合体(糸径3.5μm)
0.2gを綿状にして、5ml容量のディスポーザブル注
射器に詰めた(充填率0.2g/cm3)。ウシ血液5mlを流
して、赤血球を吸着することなく、白血球を吸着させ、
次いで等張液PBS10mlで洗浄した後、精製水2mlを
流し、白血球を破砕して、その中の核酸を取り出した。
取り出した核酸は、通常のフェノール・クロロホルム法
により精製した。その回収率を下記表1に示す。なお、
回収率は、ウシ血液を 同時に通過血液中の白血球数を
計数し、白血球の吸着率も確認した。白血球吸着率を表
1に示す。対照として天然綿(約10μm)を用いた。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2各種糸径の極細繊維集合体による白血球の選択的吸着率
と核酸の回収率 下記表2に示される、メルトブロー法によって得られた
ポリエチレンテレフタレートの極細繊維集合体、0.2
gを綿状にして、5ml容量のディスポーザブル注射器に
詰めた (充填率0.2g/cm3)。ウシ血液5mlを流して、
赤血球を吸着することなく、白血球を吸着させ、等張液
PBS10mlで洗浄した後、精製水2mlを流して、白血
球を破砕し、その中の核酸を取り出した。取り出した核
酸は通常のフェノール・クロロホルム法により精製した
(回収率を表2に示す)。同時に通過血液中の白血球数
を計数し、白血球の吸着率も確認した。下記表2から明
らかなように、5μm以下の糸径で良好な核酸回収率が
得られた。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3ポリマー量による白血球の選択的吸着率と核酸の回収率
(充填量との対応) メルトブロー法によって得られたPETの極細繊維
(3.5μm)集合体のポリマー量0.2gを綿状にし
て5ml容量のディスポーザブル注射器に詰め(充填率は
表3に記載)、ウシ血液5mlを流して、実施例1と同様
の検討を実施した。その結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】充填率0.5g/cm3 では溶血が起こり、洗
浄不十分で溶出した純度が不良でありった。表3から明
らかなように、充填率が0.4g/cm3 を越えた0.5g/
cm3 では溶血がおこり、その後の核酸溶出に支障をきた
す。また0.1g/cm3 に達しない0.08g/cm3 では白
血球の結合が悪く、回収率が低下した。
【0028】実施例4ヒト由来細胞株の吸着率と核酸の回収率 メルトブロー法によって得られたPETの極細長繊維
(1.5μm)集合体0.1gを用いて、綿状にして5
ml容量のディスポーザブル注射器に詰め、癌細胞由来細
胞株を用いて、実施例1と同様の検討を実施した (充填
率0.1g/cm3)。すなわちヒト肺癌偏平上皮癌細胞株
(SQ−5)を培養した後、トリプシン処理して細胞浮
遊液(2.1×106 /ml)5mlを得た。これを実施例1
と同じフィルターで濾過したところ、99.5%以上の
細胞が吸着したことを確認した。生理食塩水で洗浄した
後、細胞を溶解液 (0.5% Triton X-100, 0.5% Nonidet
P-40) で溶解し、細胞溶解液を得た。この液を通常のフ
ェノール・クロロホルム処理して、細胞内核酸の回収を
行った。回収率は93%であった。
【0029】実施例5ヒト血液を用いた白血球からの蛋白質の回収率 メルトブロー法によって得られたPETの極細長繊維
(1.5μm)集合体0.1gを用いて、綿状にして5
ml容量のディスポーザブル注射器に詰め、ヒト血液を用
いて、実施例1と同様の検討を実施した (充填率0.1
g/cm3)。すなわちヒト血液10mlを実施例1と同じフィ
ルターで濾過したところ、99%以上の白血球が吸着し
たことを確認した。生理食塩水で洗浄した後、白血球を
溶解液 (50mM Tris HCl pH7.5, 1% Tween 20, 1% Trito
n X-100, 1% Nonidet P-40) で溶解し、白血球内の蛋白
質の回収を行った。回収率は86%であった。
【0030】実施例6パン酵母の吸着率とヘキソキナーゼの回収率 実施例5のフィルターを用いて、試料としてパン酵母を
用いて同様の検討を実施した。すなわちパン酵母を培養
し、OD660 での吸収が約8の培養液を得た。この培養
液を実施例1と同じフィルターに通液したところ、10
mlを通液しても濾液は透明であり、OD660 は0.0
2以下であった。吸着したフィルターにノボザイム(ノ
ボ社)酵素液を加え、37℃、1時間反応して、細胞を
溶解処理し、ヘキソキナーゼの回収を試みたところ、7
7%のヘキソキナーゼが回収された。
【0031】実施例7大腸菌の吸着率とβガラクトシダーゼの回収率 メルトブロー法によって得られたPETの極細長繊維
(1.5μm)集合体0.2gを用いて、綿状にして5
ml容量のディスポーザブル注射器に詰め、試料として大
腸菌を用いて、実施例1と同様の検討を実施した (充填
率0.2g/cm3)。すなわち大腸菌を培養し、OD660 で
の吸収が約22の培養液を得た。この培養液を実施例1
と同じフィルターに3mlを通液したところ、濾液はO
D660 は0.3であった。吸着したフィルターに溶解液
(0.05%SDS+0.05%デオキシコール酸)を
加え、1時間反応して溶菌処理した。溶菌液からのβ−
ガラクトシダーゼの回収を試みたところ、68%のβ−
ガラクトシダーゼが回収された。
【0032】実施例8パン酵母を含むヒト血液からのパン酵母核酸の選択的回
収 率 実施例5のフィルターを用いて、試料としてパン酵母を
含むヒト血液検体を用いて同様の検討を実施した。すな
わちヒト血液5mlにパン酵母103 cfu(colony f
orming unit )を加え、実施例1と同じフィルターに通
液した。ヒト白血球と同時にパン酵母も吸着したことを
確認した。生理食塩水で洗浄した後、白血球を溶解液
(50mM TrisHCl pH7.5, 1% Tween 20, 1% Triton X-100,
1% Nonidet P-40) で溶解し、同液で充分に洗浄した。
このフィルターにノボザイム(ノボ社)酵素液を加え、
37℃、1時間反応して、細胞を溶解処理した後、溶解
液(1%SDS+プロテイナーゼK)で37℃、1時間
反応して、酵母細胞を溶解処理し、酵母溶解液を得た。
PCRにより18SリボゾーマルRNA遺伝子を増幅
し、電気泳動、エチジウムブロマイド染色して増幅産物
を検出した。所定の位置に増幅産物のバンドを検出する
ことができた。ここで使用したPCRプライマーはヒト
リボゾーマルRNA遺伝子も同時に増幅する配列である
が、ヒト由来のバンドは見られず、特異的にパン酵母由
来の核酸を回収できたことが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 21/04 C07H 21/04 Z C07K 1/22 8517−4H C07K 1/22 G01N 33/48 G01N 33/48 P B // C12N 1/18 8828−4B C12N 1/18 1/20 8828−4B 1/20 Z 5/06 G01N 33/49 A G01N 33/49 9281−4B C12N 5/00 E

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有核細胞を吸着するが核を持たない細胞
    は吸着しない性質を有する物質を用いて、有核細胞を含
    む試料から有核細胞を吸着した後、有核細胞中の核酸ま
    たは蛋白質を回収することを特徴とする有核細胞を含む
    試料から核酸または蛋白質を回収する方法。
  2. 【請求項2】 有核細胞を吸着するが核を持たない細胞
    は吸着しない性質を有する物質が、細胞吸着性極細繊維
    集合体である請求項1記載の有核細胞を含む試料から核
    酸または蛋白質を回収する方法。
  3. 【請求項3】 細胞吸着性極細繊維集合体が、ポリエス
    テル、ポリプロピレン、またはナイロンの極細長繊維集
    合体である請求項2記載の有核細胞を含む試料から核酸
    または蛋白質を回収する方法。
  4. 【請求項4】 容器に充填した細胞吸着性極細繊維集合
    体を使用し、極細繊維の糸径が1〜5μm、極細繊維集
    合体の容器に対する充填率が0.1〜0.4g/立方c
    mである請求項2記載の有核細胞を含む試料から核酸ま
    たは蛋白質を回収する方法。
  5. 【請求項5】 極細繊維集合体がフィルター状である請
    求項2記載の有核細胞を含む試料から核酸または蛋白質
    を回収する方法。
  6. 【請求項6】 極細繊維集合体が不織布または綿状であ
    る請求項2記載の有核細胞を含む試料から核酸または蛋
    白質を回収する方法。
  7. 【請求項7】 有核細胞を含む試料が血液、尿、髄液、
    喀痰、体液、細胞浮遊液、細胞培養液、またはそれらの
    処理液である請求項1記載の有核細胞を含む試料から核
    酸または蛋白質を回収する方法。
  8. 【請求項8】 有核細胞を含む試料中の有核細胞が白血
    球であり、核を持たない細胞が赤血球である請求項1記
    載の有核細胞を含む試料から核酸または蛋白質を回収す
    る方法。
  9. 【請求項9】 有核細胞を吸着した後、吸着した細胞を
    溶解または破砕することにより、核酸または蛋白質を回
    収する請求項1記載の有核細胞を含む試料から核酸また
    は蛋白質を回収する方法。
  10. 【請求項10】 極細繊維の糸径が1〜5μmである、
    メルトブロー法により得られたポリエステル、ポリプロ
    ピレンまたはナイロンの極細長繊維集合体を、極細長繊
    維集合体の容器に対する充填率が0.1〜0.4g/立
    方cmであるように充填した容器に、有核細胞を含む試
    料を、極細長繊維集合体の繊維表面積当たりの吸着細胞
    が1.0×104 〜1.0×109 個/平方mである条
    件にて通過させ、有核細胞を吸着した後、吸着した細胞
    を溶解または破砕することにより、核酸または蛋白質を
    回収することを特徴とする有核細胞を含む試料から核酸
    または蛋白質を回収する方法。
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