JPH08281155A - 液体を微粒子に噴射する方法とノズル - Google Patents

液体を微粒子に噴射する方法とノズル

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JPH08281155A
JPH08281155A JP8054066A JP5406696A JPH08281155A JP H08281155 A JPH08281155 A JP H08281155A JP 8054066 A JP8054066 A JP 8054066A JP 5406696 A JP5406696 A JP 5406696A JP H08281155 A JPH08281155 A JP H08281155A
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晃次 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体を極めて小さい微粒子に噴射できる。種
々の液体を詰まらない状態で微粒子に噴射する。単位時
間当りの噴射量を多くして、微細な液滴に噴射する。 【解決手段】 本発明の方法は、液体を傾斜面7に供給
し、傾斜面7に供給された液体を、傾斜面7に沿って高
速流動させる空気流で薄く引き伸ばして薄膜流8とし、
薄膜流8を傾斜面7の先端から気体中に噴射して微粒子
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体を微粒子に噴射
する方法とノズルに関し、とくに、液体を極めて小さい
微粒子に噴射できる方法とノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】液体を超微粒子にするノズルは種々の用
途に使用されている。たとえば、薬液を空気中に噴霧し
て超微粒子とする用途に使用すると、人体に吸収されや
すい薬剤を製造できる。
【0003】液体を超微粒子に噴霧するノズルとして、
図1と図2に示すものが開発されている。図1に示すノ
ズルは、液体を加圧して円筒状の空気路1に供給し、空
気路1で空気と混合して先端から噴射して一次ミスト2
とする。噴射された一次ミスト2は、互いに衝突されて
二次ミスト3となり、さらに微細な粒子となる。この構
造のノズルは、液体を10μm以下の微細な粒子に噴射
できる。
【0004】図2に示すノズルは、二重管をしており、
中心孔4から液体を、液体の周囲から加圧空気を噴射す
る。この構造のノズルは、中心から噴射された液体が周
囲の空気に削られて小さい液滴となる。空気による削り
は次第に液の中心部分に進んでいくが、このとき空気の
スピードは徐々に低下して液滴が大きくなる。中央部に
噴射される液体は、周囲の液滴が邪魔をして空気との混
合が悪くなり、液滴が大きくなってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図1と図2に示すノズ
ルは、加圧空気で噴霧される液体を微細な液滴にできる
特長がある。しかしながら、図1に示すノズルは、水の
ように付着性のない液体には使用できるが、付着性のあ
る液体には使用できない。それは、数分も使用すると、
ノズルの先端に噴霧された液滴が付着して乾燥し、しか
もこれが次第に堆積して詰まってしまう欠点があった。
このため、図1に示すノズルは、噴射する液体が特定さ
れ、種々の液体を微細な粒子で噴霧できない欠点があ
る。
【0006】図2に示すノズルは、液滴を微細な粒子と
するために、中心孔4を極めて小さくして、液体を非常
に細く噴射する必要がある。中心孔を太くすると、噴射
される液滴が大きくなってしまうからである。このた
め、この構造のノズルは、液滴を小さくするためには、
時間当りの噴霧量を極めて小さくする必要があり、処理
量と液滴の微細化とは互いに相反する特性となり、両特
性を満足できない欠点がある。ちなみに、粒子径を10
μm以下とするノズルは、中心孔の内径を0.2mm以
下とする必要がある。この内径のノズルの噴霧量は、乾
燥重量で1時間に15gにすぎない。このように小さい
ノズルは極めて詰まりやすい欠点もある。
【0007】さらに、図1と図2に示すノズルは、いず
れも、噴射される液滴がフルコーンで噴霧され、ホロコ
ーンでは噴射できない。ホロコーンとは、液滴を筒状に
噴射する状態であって、内部全体が液滴で充満されない
状態である。これに対して、フルコーンは、筒状に噴射
される液滴が内部まで充満される状態である。液体を微
細な液滴に噴射するノズルは、空気中に噴射された液滴
を急速乾燥し、あるいは空気中に気化させる用途に多く
使用される。この用途に使用されるノズルは、液体をホ
ロコーンで噴射するのがよい。フルコーンの液滴は、内
部全体が液滴で満たされるので、中心部分の液滴を速や
かに乾燥できず、あるいは、空気中に気化できないから
である。
【0008】本発明は、従来のこれ等の欠点を解決する
ことを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的
は、液体を極めて小さい微粒子に噴射できると共に、種
々の液体を詰まらない状態で使用できる液体を微粒子に
噴射する方法とノズルを提供することにある。
【0009】さらに、本発明の他の重要な目的は、単位
時間当りの噴射量を多くして、しかも微細な液滴に噴射
できる液体を微粒子に噴射する方法とノズルを提供する
ことにある。
【0010】さらにまた、本発明の他の重要な目的は、
必要ならば液体をホロコーンに噴射することも可能で、
ホロコーンに噴射すると液体を、能率よく乾燥し、ある
いは気化できる液体を微粒子に噴射する方法とノズルを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記の目的を
達成するために、図3に示す構造のノズルを試作した。
この図のノズルは、中心から液体を噴射するのではな
く、液体をリング状に噴射するために三重管構造として
いる。中心と外周から空気を噴射し、中間の供給口5か
らリング状に液体を噴射する。この構造のノズルを使用
して、中心からは6.5kg/cm2のアトマイズエア
ーを、外周からは1kg/cm2のスプレッディングエ
アーを噴射して、粒子径を5μmとする微粒子を得るこ
とに成功した。しかしながら、この構造のノズルは、液
体を噴射する供給口5の調整が極めて難しく、調整がず
れると微粒子の粒子径は20〜30μm以上に急激に大
きくなった。供給口5は、内側リングと中間リングの相
対位置で調整される。
【0012】本発明者はさらにこの欠点を解消するため
に、図4に示す構造のノズルを開発した。この図のノズ
ルは、アトマイズエアーとスプレッディングエアーとを
鋭角に衝突させて、微細な液滴を得ようして開発した。
この構造のノズルは、アトマイズエアーとスプレッディ
ングエアーの衝突角を25度に設計すると、10μm以
下の微粒子が得られる。しかしながら、このことを実現
するために、供給口5を構成するふたつのリング6の先
端が極めて先鋭な角度となり、製作が極めて難しくなっ
た。
【0013】本発明者は、微粒子を得るためには、二重
管のノズルのように、液体を細い尖状に噴射するか、あ
るいは薄い膜状に噴射して、これを空気で微粒子とする
ことが必須の構成要件と考えていた。たしかに、この構
造によって、液体を微細な液滴に噴霧できる。ただ、こ
の構造を実現するためには、液体を噴射する供給口を極
めて細くし、あるいはスリットを著しく狭くする必要が
あって、詰まりやすくて、時間当りの噴射能力が小さく
なる欠点がある。
【0014】本発明の液体を微粒子に噴射する方法とノ
ズルは、従来のこのような原理とは異なる新しい方法で
液体を微粒子にして噴射することに成功したものであ
る。本発明の液体を微粒子に噴射する方法は、この好ま
しい実施例を示す図5のように、供給口5から液体を傾
斜面7に供給する。傾斜面7に供給された液体は、傾斜
面7に沿って高速流動させる空気流で薄く引き伸ばされ
て薄膜流8となる。薄膜流8は空気流に加速されて傾斜
面7の先端から気体中に噴射されて微粒子の液滴9とな
る。
【0015】さらに、本発明の請求項2に記載される液
体を微粒子に噴霧する方法は、その好ましい実施例を示
す図6のように、尖鋭なエッジ7Aを境界としてその両
面に設けられたふたつの傾斜面7の途中に2種の異なる
液体を供給し、傾斜面7に供給された液体を、傾斜面7
に沿って高速流動させる空気流で薄く引き伸ばして薄膜
流8とし、さらにこの薄膜流8を傾斜面7の先端のエッ
ジから気体中に噴射して、2種の異なる液体を混合して
なる微粒子としている。
【0016】さらに、本発明の請求項3に記載される液
体を微粒子に噴射するノズルは、下記の構成を備えてい
る。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口5
と、この供給口5から噴射される液体を流動させる傾斜
面7と、この傾斜面7に加圧空気を噴射する空気口10
とを備える。 (b) 供給口5は所定幅のスリット状に形成されてい
る。 (c) 供給口5は、リング状に形成されている。 (d) 供給口5は傾斜面7の途中に開口されている。 (e) 供給口5の傾斜面7に対する角度αは鈍角に設
計されている。 (f) 傾斜面7は液体の流動方向に平滑面となってい
る。 (g) 空気口10は傾斜面7の途中に開口された供給
口5に向かって開口されている。
【0017】さらにまた、本発明の請求項4に記載され
る液体を微粒子に噴射するノズルは、請求項3の構成に
加えて、下記の構成を備える。 (a) 傾斜面7の先端に尖鋭なエッジ7Aが設けられ
ている。 (b) 空気口10がエッジ7Aの両面に開口されてお
り、エッジ7Aの両面に加圧空気が噴射されるように構
成されている。
【0018】さらにまた、本発明の請求項5に記載され
るノズルは、請求項3に記載するノズルに加えて、空気
口10を構成する部分に通気性部材18を設けている。
この通気性部材18は、空気口10に圧入される空気を
貫通させて表面から噴出させる通気性を有し、表面から
噴出する空気でもって、表面に噴霧されるミストが付着
するのを防止する。この通気性部材18は、空気口10
に圧入される空気を貫通させて表面から噴出させる通気
性を有し、表面から噴出する空気でもって、表面に噴霧
されるミストが付着するのを防止する。
【0019】さらにまた、本発明の請求項6に記載され
るノズルは、請求項3に記載するノズルに加えて、空気
路1にヘリカルリブ22を配設している。ヘリカルリブ
22は、空気口10から噴射される空気をスパイラル状
に回転して、均一に噴射される。
【0020】さらに、本発明の請求項7に記載されるノ
ズルは、請求項3に記載するノズルに加えて、液体路2
1に、軸方向に流動する液体をスパイラルに回転させる
ヘリカルリブ22を配設しており、供給口5から噴射さ
れる液体がヘリカルリブ22で回転されながら傾斜面7
に噴射される
【0021】さらに、本発明の請求項8のノズルは、請
求項4のノズルに加えて、エッジ7Aの両面に開口され
た空気口10に連通する空気路1に、軸方向に流動する
空気をスパイラルに回転させるヘリカルリブ22を配設
している。ヘリカルリブ22は、エッジ7A両面の空気
口10から噴射される空気を互いに反対方向に回転する
ように設けている。
【0022】さらにまた、本発明の請求項9に記載する
ノズルは、請求項3のノズルに加えて、ノズルの先端に
ミストが付着しないように、供給口5の内側でノズルの
先端面に空気剥離凹部19を設けている。空気剥離凹部
19は、貫通孔20を介して空気路1に連結している。
貫通孔20は噴射される空気が空気剥離凹部19で回転
される方向、すなわち、半径方向に対して接線方向に傾
斜して開口される。空気剥離凹部19の表面は平滑面
で、貫通孔20から空気口10に向かって滑らかに湾曲
している。貫通孔20から噴射される空気は、空気剥離
凹部19で回転しながらノズルの前面に沿って流動し、
流動する空気層が微粒子の付着を防止するように構成し
ている。
【0023】
【作用】本発明は、独特の状態で液体を微粒子にして噴
射する。すなわち、本発明の液体を微粒子に噴射する方
法は、図5に示すように、傾斜面7に沿って高速流動す
る空気流で、傾斜面7に送り出された液体を薄く引き伸
ばして薄膜流8とする。傾斜面7に沿って流動する薄膜
流8は、傾斜面7を離れるときに薄すぎて膜状態ではい
られなくなり、表面張力で粉々にちぎれて微粒子の液滴
9となる。本発明は、空気流で液体を薄膜流8として微
粒子の液体にして噴射する。このため、従来のように、
液体を薄膜状態で噴射することなく、液体を超微粒子に
できる特長がある。このことは、液体の供給口5の詰ま
りを有効に防止でき、さらに、供給口5の加工を簡単に
する。
【0024】さらに、図5に示すように、傾斜面7の先
端に尖鋭なエッジ7Aを設け、このエッジ7Aでアトマ
イズエアーとスプレッディングエアーとを衝突させる
と、空気を激しく振動できる。空気振動は液体をさらに
微粒子にする作用がある。
【0025】さらに、本発明のノズルは、傾斜面7の先
端にリング状のエッジ7Aを設け、このエッジ7Aから
液体を噴射させる構造として、ホロコーン状態で液滴を
微粒子に噴射できる。ホロコーンで噴射される液滴は、
効率よく乾燥、あるいは気化できる。
【0026】さらに、本発明の請求項5に記載されるノ
ズルは、空気口10を通気性部材18で構成する。通気
性部材18は、空気口10から噴射する空気の一部を表
面から噴射して表面にミストが付着するのを防止する。
空気口10から空気を高速で噴射すると、周囲の空気が
噴射された空気に引き込まれる。たとえば、図9に示す
ノズルの空気口10から高速で空気が噴射されると、中
心リング16の先端面や、外側リング13の先端部表面
の近傍の空気が引き込まれる、この部分の気圧が低下
し、この表面に向かう気流が発生する。この気流に乗っ
て半乾燥状態のミストが、中心リング16や外側リング
13の表面に衝突して付着する。このような付着を防止
するために、空気口10を構成する中心リング16や外
側リング13等の一部を通気性部材18とする。通気性
部材18は、表面から空気を噴射してから表面にミスト
が付着するのを有効に防止する。
【0027】請求項6のノズルは、空気口10から均一
に空気を噴射する。それは、空気路1に設けたヘリカル
リブ22が、軸方向に流動する空気にスピンをかけるか
らである。スピンのかかった空気は、遠心力で管壁に押
し付けられて、円周上に拡がる。そして、リング状スリ
ットの空気口10に均一に流れ込み、均一に安定して噴
射される。
【0028】請求項7のノズルは、供給口5から均一に
液体を噴射する。それは、液体路21に設けたヘリカル
リブ22が、軸方向に流動する液体にスピンをかけるか
らである。スピンのかかった液体は、遠心力で管壁に押
し付けられて、円周上に拡がる。そして、リング状スリ
ットの供給口5に均一に流れ込んで均一に安定して噴射
される。
【0029】さらに、請求項8のノズルは、請求項4の
ノズルを改良したもので、エッジ7Aの両面に開口され
た空気口10に連通する空気路1に、軸方向に流動する
空気にスピンをかけるヘリカルリブ22を配設してい
る。エッジ7A両面の空気口10から噴射される空気は
互いに逆スピンとなって、エッジ7A先端でのミスト形
成時、両空気のひねり作用が加わって、微粒子粉砕効果
が上がり、より小さい微粒子を作る事ができる。
【0030】請求項9のノズルは、前面にミストが付着
するのを阻止するための独特の構成を備える。このノズ
ルは、供給口5の内側でノズルの先端面に空気剥離凹部
19を設けている。空気剥離凹部19は、貫通孔20を
介して空気路1に連結している。貫通孔20は、噴射さ
れる空気を空気剥離凹部19で回転する方向に開口され
ている。空気剥離凹部19の表面は平滑面で、貫通孔2
0から空気口10に向かって滑らかに湾曲している。貫
通孔20から噴射される空気は、空気剥離凹部19で回
転しながらノズルの前面に沿って流動して空気が流動す
る空気層を形成し、この空気層が微粒子の付着を防止す
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための液体を微粒子に噴射する
方法とノズルを例示するものであって、本発明は液体を
微粒子に噴射する方法とノズルを下記のものに特定しな
い。
【0032】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0033】図5に示す液体を微粒子に噴射するノズル
は、液体をリング状に噴射する供給口5と、この供給口
5から噴射される液体を流動させる傾斜面7と、この傾
斜面7に加圧空気を噴射する空気口10とを備えてい
る。
【0034】この図に示すノズルは、内側リング11
と、中間リング12と、外側リング13を備える。内側
リング11と中間リング12の間に供給口5を設け、内
側リング11の中心にアトマイズエアーの空気路14を
設け、中間リング12と外側リング13の間にスプレッ
ディングエアーの供給路15を設けている。
【0035】内側リング11は外形を円柱状とし、中間
リング12は内形を円柱状に加工し、内側リング11と
中間リング12の間に、所定の幅のスリット状の供給口
5を設けている。供給口5は、リング状に形成されてお
り、スリット幅は、液体が詰まらない幅に設計される。
本発明のノズルは、供給口5から液体を薄膜にして送り
出す必要がない。液体は傾斜面7で薄く引き伸ばされて
微粒子となって噴射されるからである。したがって、供
給口5のスリット幅は、送り出される液体の流量、傾斜
面7の長さ、傾斜面7に噴射されるアトマイズエアーの
流速、供給口5の内径等を考慮して最適値に設計され
る。たとえば、供給口5のスリット幅は、0.2〜1.
5mm、好ましくは0.4〜1mm、最適には約0.8
mmに設計される。
【0036】供給口5の直径は、噴射する液体の流量、
スリット幅の寸法等を考慮して最適値に設計される。供
給口5の直径は、たとえば、1000g/分の液体を噴
射するノズルにおいて、約50mmφに設計される。流
量が大きくなると、供給口5は直径を大きく、流量が少
なくなると直径を小さく設計する。
【0037】内側リング11の外周部と、中間リング1
2の先端面は、テーパー状に切削加工されて、傾斜面7
となっている。内側リング11と中間リング12の傾斜
面7は、内側リング11の傾斜面7に沿って噴射される
流動する空気が、内側リング11と中間リング12の境
界で乱流とならないように、同一平面に形成されてい
る。内側リング11と中間リング12の傾斜面7が同一
平面となるとは、内側リング11と中間リング12の傾
斜面7に段差ができず、内側リング11の傾斜面7から
中間リング12の傾斜面7に直線的に空気が流動される
状態を意味する。このように、内側リング11と中間リ
ング12の傾斜面7を同一平面のテーパー状に加工する
には、内側リング11と中間リング12を連結してテー
パー加工すればよい。さらに、傾斜面7は、ここに沿っ
て流動する液体が乱流とならないように、液体の流動方
向に沿って平滑面となっている。図に示すノズルの傾斜
面7は、円錐状で全体を平滑面に仕上げている。
【0038】内側リング11と中間リング12に傾斜面
7を設けることによって、傾斜面7の中間に供給口5が
開口される。内側リング11と中間リング12に設けら
れる傾斜面7の傾斜角αは、供給口5の傾斜面7に対す
る角度が鈍角となるように、たとえば、100〜170
度、好ましくは120〜160度、さらに好ましくは1
30〜160度、最適には約150度に設計される。傾
斜角αは大きい方が液の流出が安定する。しかしスリッ
ト幅により傾斜角αは最適値が変わる。傾斜角αは、好
ましくは、傾斜面7における供給口5の開口幅が2mm
を越えないように設計される。
【0039】内側リング11の先端には中心リング16
が配設され、この中心リング16と内側リング11との
間に空気口10が開口されている。中心リング16は、
図示しないが内側リング11に固定して所定の位置に配
設されている。中心リング16は、外周面を内側リング
11の傾斜面7に沿うテーパー状に加工している。中心
リング16と内側リング11の間に形成される空気口1
0はスリット状で、ここから加圧空気を層流状態に噴射
して、傾斜面7に沿って高速流動させる。
【0040】内側リング11の空気路14は加圧空気源
Fに連結されている。空気口10は傾斜面7に沿って流
動するアトマイズエアーを噴射する。空気源Fは、たと
えば3〜20kg/cm2、好ましくは4〜15kg/
cm2、さらに好ましくは4〜10kg/cm2、最適に
は約6.5kg/cm2の空気を空気口10に供給す
る。アトマイズエアーの空気圧を高くすると、傾斜面7
に沿って高速流動する空気の流速が速くなって、液体を
より効果的に薄く引き伸ばして液体を小さい微粒子の液
滴9にできる。ただ、空気圧を高くすると特殊なコンプ
レッサーを必要とし、さらに消費エネルギーも大きくな
るので、要求される液滴の粒子径と、消費エネルギーと
を考慮して最適値に設計される。
【0041】さらに、図5に示すノズルは、アトマイズ
エアーに加えて、傾斜面7の外周にスプレッディングエ
アーを噴射している。ただ、スプレッディングエアーは
必ずしも噴射する必要はない。スプレッディングエアー
を噴射しないで、アトマイズエアーで液体を微粒子の液
滴にして噴射できるからである。アトマイズエアーとス
プレッディングエアーを噴射するノズルは、アトマイズ
エアーとスプレッディングエアーとを傾斜面7のエッジ
7Aで衝突させて、液滴9をより小さい微粒子の液体に
できる特長がある。さらに、スプレッディングエアーで
もってホロコーンの角度を調整することもできる。また
液体の性質によっては、エッジ7Aでの離れが悪く、ス
プレッディングエアー側に液逆流を起こす場合があり、
スプレッディングエアーでもってこれを防ぐこともでき
る。
【0042】スプレッディングエアーは、中間リング1
2と外側リング13の間に設けられるスプレッディング
エアー噴射口17から噴射される。スプレッディングエ
アーはアトマイズエアーに比較して低圧空気である。た
とえば、アトマイズエアーを約6.5kg/cm2とす
るとき、スプレッディングエアーは約1kg/cm2
することができる。スプレッディングエアーは、アトマ
イズエアーのように液体を強制的に薄く引き伸ばす必要
がないので、たとえば、0.5〜3kg/cm2の範囲
に設定できる。
【0043】アトマイズエアーとスプレッディングエア
ーの両方を噴射するノズルは、傾斜面7の先端を尖鋭な
エッジ7Aとしている。中間リング12は先端面に傾斜
面7を設け、先端の外周を円筒状に加工して、傾斜面7
の先端にエッジ7Aを設けている。この形状の中間リン
グ12は、傾斜面7の先端に(180度−傾斜角α)の
尖鋭なエッジ7Aを形成できる。ただ、ノズルは、図示
しないが、中間リング12の外周をテーパー状に加工し
て、エッジ7Aの角度を調整することもできる。
【0044】図5に示すノズルは、下記の状態で液体を
微粒子の液体にして噴射する。 内側リング11の中心に設けた空気路14に加圧し
たアトマイズエアーを供給し、中間リング12と外側リ
ング13の間のスプレッディングエアー噴射口17にス
プレッディングエアーを供給して、供給口5から液体を
傾斜面7に送り出す。 傾斜面7に供給された液体は、傾斜面7に沿って高
速流動するアトマイズエアーで薄く引き伸ばされて薄膜
流8となる。たとえば、傾斜面7に沿ってアトマイズエ
アーをマッハ1.5の流速で流動させて供給口5に液体
を送り出し、薄膜流8の先端部での流速をアトマイズエ
アーの1/20とすれば、25.5m/sとなる。傾斜
面7の先端に設けたエッジ7Aの直径を50mmとすれ
ば、液体を1リットル/分で供給して薄膜流8の膜圧は
4μmとなる。
【0045】 4μmの薄膜流8は、傾斜面7のエッ
ジ7Aを過ぎると薄すぎて膜状態でいられなくなり、表
面張力で粉々にちぎられて微粒子の液滴9となる。
【0046】 微粒子の液滴9は、エッジ7Aでアト
マイズエアーとスプレッディングエアーが衝突し、摩擦
して振動して液滴9をさらに小さい微粒子とする。
【0047】 微粒子の液滴9は、アトマイズエアー
とスプレッディングエアーによって放射状に運ばれる。
この状態をホロコーンという。ホロコーンのコーン角度
は傾斜面7の角度で決定されるが、アトマイズエアーと
スプレッディングエアーの噴射圧でも調整できる。
【0048】ホロコーンの状態で噴射された液滴9は、
乾燥されて微粒子の微粉末となり、あるいは、空気中に
気化される。液滴を微粉末にするか、あるいは気化させ
るかは、噴射する液体の種類で特定する。たとえば、液
体に乾燥させると固体になる薬液を使用すると、微粒子
の粉末となる。液体に水のように気化させると気体にな
るものを使用すると、噴霧された液体は気化される。
【0049】図6は、A液とB液を混合して微粒子の微
粉末とするノズルを示す。この図に示すノズルは、図5
に示すノズルの中間リング12を、内側中間リング12
Aと外側中間リング12Bの二重管構造としている。内
側中間リング12Aと外側中間リング12Bの間にB液
の供給口5を設けている。リング状の内側中間リング1
2Aは、内側面と外側面にテーパー状の傾斜面7を設け
てその先端を尖鋭なエッジ7Aとしている。外側中間リ
ング12Bの先端面もテーパー状に加工して傾斜面7と
している。外側中間リング12Bの傾斜面7は、内側中
間リング12Aの傾斜面7と同一平面に連結している。
【0050】図6に示すノズルは、内側中間リング12
Aの内側面と外側面に傾斜面7を有し、内側に設けられ
た傾斜面7にA液の供給口5を、外側の傾斜面7にB液
の供給口5を設けている。A液とB液の両方を、アトマ
イズエアーで傾斜面7に薄く引き延ばしできるように、
内側リング11の空気口10と、外側中間リング12B
及び外側リング13の間のスプレッディングエアー噴射
口17の両方から高圧のアトマイズエアーを噴射する。
【0051】この構造のノズルは、液体の状態では混合
されないA液とB液とを噴射して、A液とB液を均一に
分散させることができる。たとえば、A液には水に溶け
ない塩化メチレンベースの液体を、B液には水ベースの
結合液を噴射することができる。ただ、この構造のノズ
ルは、同じ液体を分岐してふたつの供給口から噴射する
こともできる。同じ液体をふたつに分岐して噴射する
と、片方の供給口から噴射する液体の流量を半分にでき
る。このため、傾斜面の液体をより薄い薄膜流として微
細な微粒子とすることができる。
【0052】この図のノズルから、互いに混合しないA
液とB液を同時に噴射すると、図7に示すようになる。 A液は水ベースのB液とは溶け合わない。したがっ
て、A液とB液の両方の液滴9が同時にできる。 液滴9を60℃の熱風中に噴霧すると、A液の塩化
メチレンが蒸発してA液の液滴9は乾燥して微粉末にな
る。 A液の液滴9が乾燥する状態になっても、B液の液
滴9はまだ乾燥しない。B液は、水の一部が気化して濃
度の高い液滴9の状態にある。そして、A液とB液の微
粒子は互いに均一に分散している。 その後、B液の液滴9がA液の微粉末に付着し、あ
るものはA液の微粉末表面を覆い、またあるものはA液
の微粉末を結合させる。 B液にコーティングされたA液の微粉末は互いに結
合されてさらに大きな粒子に成長して造粒される。 このように使用すると、図6に示すノズルは液体のスプ
レードライと、造粒とを同時にできる。しかも、A液と
B液とを均一に分散して造粒できる特長がある。
【0053】また、以下のようにして、薬品Aと薬品B
の固体分散体を作ることができる。固体分散体とは、一
次粒子を構成する成分が2種以上の物でこの成分である
分子が混じり合って、固体を形成している物である。
【0054】薬品Aと薬品Bを混合した固体分散体を作
る通常の方法は、薬品Aと薬品Bを、溶媒Cと溶媒Dの
混液に溶解した溶液をスプレードライして得られる。し
かし、薬品Aは溶媒Dによってゆっくりではあるが、分
解を起こす性質があり、また薬品Bは、溶媒Cと溶媒D
の混液でないと溶解できないとする。そこで、薬品Aの
分解を無くするために薬品Aを溶媒Cで溶かしてA液と
し、薬品Bを溶媒Cと溶媒Dの混液で溶かしてB液と
し、A液とB液を前記のノズルで噴霧する。エッジ7A
の両側に供給されたA液とB液は、エッジ7Aで混合さ
れてミストとなって飛んでいく、そしてこのミストは、
熱風中に噴霧されると、加熱されて沸騰蒸発を起こす。
この時沸騰振動で2液は完全に混合され、そして乾燥し
超微粉の固体分散体が得られる。この場合薬品Aが溶媒
Dに出会うのは、ミスト状態でいる一瞬であるから分解
は起こらず、品質の良い薬品Aと薬品Bの固体分散体が
得られる。
【0055】図6に示すノズルは、内側中間リング12
Aの内側と外側の両面に傾斜面7を設け、内側と外側の
傾斜面7に2種の異なる液体を供給している。図8に示
すノズルは、傾斜面7の途中に複数の供給口5を設けて
いる。この構造のノズルは、複数の供給口5から数種の
異質の液体を供給して、同時に噴霧することができる。
供給口5に供給する液体の組合せによって、新しい特性
をもった多機能複合粒子の製造が可能である。たとえ
ば、あらかじめ加熱溶融した数種の液体を冷風中に同時
噴霧したり、数種の溶け合う溶媒、または溶け合わない
溶媒を用いて作った数種の溶液を熱風中に同時に噴霧す
る。このように、溶質、溶媒の選択、乾燥空気の温度設
定により、目的にあった多機能複合粒子が製造できる。
【0056】さらに、図9と図10は、より微細な微粒
子にできるノズルを示す。これ等の図に示すノズルは、
図6に示すノズルと同じように、中間リング12を、内
側中間リング12Aと外側中間リング12Bの二重管構
造としている。内側中間リング12Aと外側中間リング
12Bの間にB液の供給口5を設けている。リング状の
内側中間リング12Aは、内側面と外側面の両面にテー
パー状の傾斜面7を設けてその先端を尖鋭なエッジ7A
としている。外側中間リング12Bの先端面もテーパー
状に加工して傾斜面7としている。
【0057】傾斜面の拡大図を図11に示す。この図に
示すように、内側中間リング12Aの傾斜面7は、供給
口5の近傍において、その両側に位置する外側中間リン
グ12Bと内側リング11の傾斜面7の延長線に対して
多少段差を設けて低く設計している。この形状の傾斜面
を有するノズルは、矢印で示すように傾斜面7に沿って
流動する高速空気流が、供給口5から液体をスムーズに
排出する特長がある。それは、内側中間リング12Aの
傾斜面7が、両側の傾斜面7から突出しないからであ
る。図示しないが、内側中間リング12Aの傾斜面7
が、両側に位置する傾斜面7の延長線から突出すると、
突出部に空気が衝突してスムーズに液体を排出できなく
なる。
【0058】さらに、図11の拡大図に示すノズルは、
内側中間リング12Aの傾斜面7を湾曲させて、先端部
分を、隣接する傾斜面7の延長線から突出するように形
成している。この形状をしている内側中間リング12A
の傾斜面7は、傾斜面7に沿って矢印の方向に高速流動
する空気流が、先端部分で傾斜面7に強く押し付けられ
て、傾斜面7を流動する液体の薄膜流をより薄く引き延
ばしできる。このため、この構造のノズルは、液体を極
めて微細な、たとえば1〜5μmの微粒子として噴射で
きる特長がある。
【0059】この図に示すノズルは、外側中間リング1
2Bと、内側中間リング12Aと、内側リング11先端
の角度を図に示すように設計すると、液体をホロコーン
で噴射できる。
【0060】図5、図6及び図9に示すノズルは、スプ
レッディングエアー噴射口17と、空気口10を構成す
る中心リング16及び外側リング13の先端部分を通気
性部材18で構成している。通気性部材18は、空気口
10に圧入される空気を貫通して表面から噴射させる通
気性を有する。通気性部材18は、たとえば、平均粒子
径が約1μmであるステンレス製の焼結金属である。通
気性部材18は、空気口10から噴射する空気の一部を
表面から噴射して、中心リング16と外側リング13先
端部分の表面にミストが付着するのを防止する効果があ
る。
【0061】さらに、図12は、ホロコーンとフルコー
ンの両方に微粒子を噴射できるノズルを示す。この図の
ノズルの先端部の要部拡大図を図13に示す。このノズ
ルも、図6に示すノズルと同じように、中間リング12
を、内側中間リング12Aと外側中間リング12Bの二
重管構造としている。内側中間リング12Aと外側中間
リング12Bの間にB液の供給口5を設けている。リン
グ状の内側中間リング12Aは、内側面と外側面の両面
にテーパー状の傾斜面7を設けてその先端を尖鋭なエッ
ジ7Aとしている。外側中間リング12Bの先端面はス
トレートな傾斜面7としている。
【0062】内側中間リング12Aに設けた傾斜面7の
拡大図を図14に示す。この図に示すノズルも、図11
に示すノズルと同じように、内側中間リング12Aの傾
斜面7を、供給口5の近傍において、その両側に位置す
る外側中間リング12Bと内側リング11の傾斜面7の
延長線に対して多少段差を設けて低く設計している。こ
の形状の傾斜面7を有するノズルも、矢印で示すように
傾斜面7に沿って流動する高速空気流が、供給口5から
液体をスムーズに排出する。
【0063】さらに、図14に示すノズルは、内側中間
リング12Aの傾斜面7の傾斜角を途中で変更して、先
端部分を、隣接する傾斜面7の延長線から突出するよう
に形成している。この形状をしている内側中間リング1
2Aの傾斜面7は、傾斜面7に沿って矢印の方向に高速
流動する空気流が、先端部分で傾斜面7に強く押し付け
られて、傾斜面7を流動する液体の薄膜流を薄く引き延
ばしできる。このため、この構造のノズルは、液体をよ
り微細な微粒子として噴射できる特長がある。
【0064】さらに、この図に示すノズルは、外側リン
グ13と、外側中間リング12Bと、内側中間リング1
2Aと、内側リング11先端の角度を図に示すように設
計して、液体をホロコーンとフルコーンの両方で噴射で
きる。液体をホロコーンに噴射させるには、中心リング
16と内側リング11の間の空気口10から噴射される
アトマイズエアーの噴射圧を、外側中間リング12Bと
外側リング13との間の空気口10から噴射するアトマ
イズエアーの噴射圧よりも強くする。反対に、外側中間
リング12Bと外側リング13との間の空気口10から
噴射するアトマイズエアーの噴射圧を、中心リング16
と内側リング11の間の空気口10から噴射されるアト
マイズエアーの噴射圧よりも強くすると、液体をフルコ
ーン状態に噴射できる。
【0065】図12に示すノズルも、図9に示すノズル
と同様に、空気口10を構成する中心リング16と外側
リング13の先端部分を通気性部材18として、中心リ
ング16と外側リング13の表面にミストが付着するの
を防止している。
【0066】さらに、図15に示すノズルは、通気性部
材を使用しないで、ミストの付着を防止する独特の構造
をしている。この図のノズルは、中心リング16の先端
面に空気剥離凹部19を設けて、供給口5の内側であっ
てノズルの先端面に空気剥離凹部19を設けている。空
気剥離凹部19は、中心リング16に設けた貫通孔20
を介して、内側リング11と中心リング16との間の空
気路1に連結されている。貫通孔20は、図16に示す
ように、噴射される空気を空気剥離凹部19で回転させ
る方向、すなわち、半径方向から接線方向に傾斜して開
口されている。空気剥離凹部19の表面は、空気を乱す
ことなく層流状態で流動できる平滑面としている。さら
に、空気剥離凹部19の外周部分は、飛行機の翼と同じ
ような流線形となって、空気口10に向かって滑らかに
湾曲している。
【0067】この構造のノズルは、加圧された空気を、
貫通孔20から接線方向に空気剥離凹部19に噴射する
と、空気は、テーパー状の空気剥離凹部19の内面に衝
突し、薄く拡がりながら旋回流となる。この時、空気剥
離凹部19のテーパー角度(θ)により、空気剥離凹部
19の出口方向(図において上方)に向かう気流の割合
を変えることができる。テーパー角度(θ)を、図に示
すように15度とすると、出口方向に向かう旋回気流
は、70%であり、残り30%は空気剥離凹部19の底
方向に向かう旋回気流となり、底に達した後に風速を弱
めて、出口方向へ向かう。そして、前述の70%高速旋
回気流に巻き込まれて、空気剥離凹部19から排出され
る。
【0068】空気剥離凹部19の内面にそって流動する
空気の高速旋回気流は、テーパー面と翼型の流線形部分
の斜面を登り、先端に達した所で、翼型表面に沿って流
動して、内側リング11と中心リング16の間に設けた
空気路1から噴射されるアトマイズエアーに引き込まれ
る。流線形の翼型部分は、空気口10に向かって滑らか
に湾曲しているので、空気が表面に沿って流動し、中心
リング16の前面に流動する空気層を作る。
【0069】中心リング16の前面の全てを、この流動
する空気層で覆うので、供給口5から噴射されるミスト
が付着することはない。貫通孔20は、空気剥離凹部1
9から均一に空気を噴射できるように、好ましくは6個
程度とするのがよい。ただ、貫通孔をさらに多くするこ
ともできる。さらに、貫通孔の形状をスリット状にして
横幅を広くすると、5個よりも少ない貫通孔で空気剥離
凹部から均一に空気を吹き出すことができる。
【0070】この構造ノズルは、ノズルの前面が空気層
で覆われているので、飛来したミストが表面に付着する
ことなく、流動する空気層である流線気流によって吹き
飛ばされる。また、この構造のノズルは、前記の通気性
部材18によるエアレイションで粉付着を防止する方法
よりも、少ないエアー量で、同等の効果を得る事ができ
る。
【0071】さらに、図17に示すノズルは、空気口1
0と供給口5から、空気と液体を均一に噴射するノズル
を示す。この図のノズルは、空気路1と液体路21にヘ
リカルリブ22を配設している。空気路1や液体路21
には、各リングを組み立てる時の芯出のため、すなわ
ち、全てのリングの中心を正確に一致させるために、各
リングの間にリブを設けている。リブの先端を接触させ
ることにより、各リングは芯出しして正確に組み立られ
る。
【0072】リブは、図18に示すように、リングの間
に均等に設けられる。この図のノズルは、4個のリブを
設けているが、リブはリング間隔の全周を均等にするた
めのものであるから、少なくとも三つ設けられる。この
図に示すように、リブを流体の流動方向に延長したスト
レートリブ23にすると、流体は直進して、リブの間を
通過する。ストレートリブ23を通過した流体は、粗、
密のむらができる。ストレートリブ23の部分は粗、ス
トレートリブ23の間は密になる。
【0073】この現象を解消するために、図19に示す
ように、ストレートリブを螺旋状に変形するヘリカルリ
ブ22にすると、ヘリカルリブ22の間を通過する流体
はスピンがかかり、スピンのかかった流体は遠心力で管
壁に押し付けられて、円周上に拡がって均一になる。図
19において、空気路1に設けられるヘリカルリブ22
の傾斜角αは、好ましくは約30度とする。傾斜角αは
ヘリカルリブ22の中心線に対する角度である。空気は
流速が速いので傾斜角αを小さくして十分にスピンをか
けることができる。傾斜角αを大きくすると、スピンは
よくかかるが、空気の通過抵抗が増加する。ヘリカルリ
ブ22の傾斜角αは、空気のスピンと通過抵抗とを考慮
して、たとえば、10〜45度、好ましくは15〜40
度、さらに好ましくは20〜35度とする。
【0074】図17のノズルは、エッジ7Aの両面に開
口された空気口10に連通する空気路1に、軸方向に流
動する空気にスピンをかけてスパイラルに回転させるヘ
リカルリブ22を配設している。エッジ7A両面の空気
口10から噴射される空気は互いに反対方向に回転しな
がらエッジ7Aに向かって噴射される。この構造のノズ
ルは、エッジ7Aの両面に流動されるアトマイズエアー
を互いに逆スピンとし、エッジ7A先端でのミスト形成
時に、両エアーのひねり作用が加わって、ミスト粉砕効
果が上がり、より小さいミストを作る事ができる。
【0075】ただ、本発明のノズルは、必ずしも、エッ
ジの両面に流動するアトマイズエアーを逆スピンとする
必要はなく、エッジ両面のアトマイズエアーを同じ方向
にスピンをかけることもできる。さらに、複数の空気口
を有するノズルにおいては、すべての空気口から噴射さ
れる空気にスピンをかける必要もない。したがって、特
定の空気路にのみヘリカルリブを設けることもできる。
【0076】さらに、図17に示すノズルは、液体路2
1にもヘリカルリブ22を配設している。液体は空気に
比較して流速が遅いので、ヘリカルリブ22の傾斜角α
を約60度と大きくしている。傾斜角αは、たとえば、
30〜70度、好ましくは45〜65度の範囲とするこ
とができる。液体路21のヘリカルリブ22の傾斜角α
も、空気路1のヘリカルリブ22と同じように、大きく
すると液体のスピンを強くできるが、液体の流動抵抗が
大きくなる。このため、ヘリカルリブ22の傾斜角α
は、液体の流動抵抗とスピンとを考慮して最適値に設計
される。
【0077】
【発明の効果】本発明の液体を微粒子に噴射する方法と
ノズルは、下記の優れた特長がある。 液体を極めて小さい微粒子に噴射できると共に、種
々の液体を詰まらない状態で長時間連続噴射できる。そ
れは、本発明が液体を、極めて小さい孔や、極めて狭い
スリットから噴射して微粒子に噴射するのではなく、傾
斜面にそって高速流動する空気流で、液体を傾斜面に沿
って薄く引き延ばしてから微粒子にして噴射すると共
に、液体が傾斜面を絶えず自己洗浄しているからであ
る。本発明は、液体を薄膜流に引き伸ばして微粒子の液
滴とするので、傾斜面に沿って流動させる空気の流速
で、液滴を極めて小さい微粒子として噴射できる特長が
ある。
【0078】 単位時間当りの噴射量を多くして、し
かも微細な液滴に噴射できる。それは、本発明の液体を
微粒子に噴射する方法とノズルが、リング状のスリット
から液体を傾斜面に供給して微粒子にできるからであ
る。ちなみに、本発明者が試作したノズルは、1分間に
1000gの液体を噴射して、粒子径を10μm以下の
微粒子の液滴を噴射することに成功した。
【0079】 必要ならば液体をホロコーンに噴射す
ることも可能である。液体をホロコーンに噴射して能率
よく乾燥し、あるいは気化できる特長がある。ただ、本
発明の液体を微粒子に噴射する方法とノズルは、液体を
フルコーンに噴射することもできる。すなわち、用途に
最適なように、フルコーンとホロコーンの両方の状態に
噴射できる。
【0080】 エッジの両面に傾斜面を設け、ふたつ
の傾斜面に異なる液体を供給して、固体分散体の微粒子
とすることもできる。 空気口を通気性部材で構成して、ミストの付着を有
効に防止できる。空気口に連通された通気性部材は、特
別に空気を供給する必要がなく、空気口から噴射される
空気の一部を噴射して、ミストの付着を有効に防止でき
る。 また、必要ならばスプレードライと造粒とを同時に
行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液体を微粒子に噴射するノズルの断面図
【図2】従来の他の実施例の液体を微粒子に噴射するノ
ズルの概略断面図
【図3】本発明者が先に開発した液体を微粒子に噴射す
るノズルの断面図
【図4】本発明者が図3のノズルに続いて開発したノズ
ルの断面図
【図5】本発明の実施例にかかる液体を微粒子に噴射す
るノズルの断面図
【図6】本発明の他の実施例にかかる液体を微粒子に噴
射するノズルの断面図
【図7】図6のノズルから噴射される液滴が乾燥して造
粒される状態を示す工程図
【図8】さらに本発明の他の実施例にかかる液体を微粒
子に噴射するノズルの断面図
【図9】さらに本発明の他の実施例にかかる液体を微粒
子に噴射するノズルの断面図
【図10】図9に示すノズルの要部拡大断面図
【図11】図10に示すノズルの内側中間リング先端部
分を示す拡大断面図
【図12】さらに本発明の他の実施例にかかる液体を微
粒子に噴射するノズルの断面図
【図13】図12に示すノズルの要部拡大断面図
【図14】図12に示すノズルの内側中間リング先端部
分を示す拡大断面図
【図15】さらに本発明の他の実施例にかかる液体を微
粒子に噴射するノズルの断面図
【図16】図15に示す空気剥離凹部の平面図
【図17】さらに本発明の他の実施例にかかる液体を微
粒子に噴射するノズルの断面図
【図18】従来のリング間に設けるストレートリブの正
面図及び平面図
【図19】図17に示すリング間に設けるヘリカルリブ
の正面図及び平面図
【符号の説明】
1…空気路 2…一次ミスト 3…二次ミスト 4…中心孔 5…供給口 6…リング 7…傾斜面 7A…エッジ 8…薄膜流 9…液滴 10…空気口 11…内側リング 12…中間リング 12A…内側中間リング 12
B…外側中間リング 13…外側リング 14…アトマイズエアーの空気路 15…スプレッディングエアーの供給路 16…中心リング 17…スプレッディングエアー噴射口 18…通気性部材 19…空気剥離凹部 20…貫通孔 21…液体路 22…ヘリカルリブ 23…ストレートリブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 博行 徳島県小松島市金磯町8−106 藤崎電機 株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給口(5)から液体を傾斜面(7)に供給
    し、傾斜面(7)に供給された液体を、傾斜面(7)に沿って
    高速流動させる空気流で薄く引き伸ばして薄膜流(8)と
    し、薄膜流(8)を傾斜面(7)の先端から気体中に噴射して
    微粒子とする液体を微粒子に噴霧する方法。
  2. 【請求項2】 尖鋭なエッジ(7A)を境界としてその両面
    に設けられたふたつの傾斜面(7)の途中に2種の異なる
    液体を供給し、傾斜面(7)に供給された液体を、傾斜面
    (7)に沿って高速流動させる空気流で薄く引き伸ばして
    薄膜流(8)とし、薄膜流(8)を傾斜面(7)先端のエッジ(7
    A)から気体中に噴射して、2種の異なる液体を混合して
    なる微粒子とする液体を微粒子に噴霧する方法。
  3. 【請求項3】 下記の全ての構成を有する液体を微粒子
    に噴射するノズル。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口
    (5)と、この供給口(5)から噴射される液体を流動させる
    傾斜面(7)と、この傾斜面(7)に加圧空気を噴射する空気
    口(10)とを備える。 (b) 供給口(5)は所定幅のスリット状に形成されて
    いる。 (c) 供給口(5)は、リング状に形成されている。 (d) 供給口(5)は傾斜面(7)の途中に開口されてい
    る。 (e) 供給口(5)の傾斜面(7)に対する角度αは鈍角に
    設計されている。 (f) 傾斜面(7)は液体の流動方向に平滑面となって
    いる。 (g) 空気口(10)は傾斜面(7)の途中に開口された供
    給口(5)に向かって開口されている。
  4. 【請求項4】 下記の全ての構成を有する液体を微粒子
    に噴射するノズル。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口
    (5)と、この供給口(5)から噴射される液体を流動させる
    傾斜面(7)と、この傾斜面(7)に加圧空気を噴射する空気
    口(10)とを備える。 (b) 供給口(5)は所定幅のスリット状に形成されて
    いる。 (c) 供給口(5)は、リング状に形成されている。 (d) 供給口(5)は傾斜面(7)の途中に開口されてい
    る。 (e) 供給口(5)の傾斜面(7)に対する角度αは鈍角に
    設計されている。 (f) 傾斜面(7)は液体の流動方向に平滑面となって
    いる。 (g) 空気口(10)は傾斜面(7)の途中に開口された供
    給口(5)に向かって開口されている。 (h) 傾斜面(7)の先端に尖鋭なエッジ(7A)が設けら
    れている。 (i) 空気口(10)がエッジ(7A)の両面に開口されてお
    り、エッジ(7A)の両面に加圧空気が噴射されるように構
    成されている。
  5. 【請求項5】 下記の全ての構成を有する液体を微粒子
    に噴射するノズル。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口
    (5)と、この供給口(5)から噴射される液体を流動させる
    傾斜面(7)と、この傾斜面(7)に加圧空気を噴射する空気
    口(10)と、この空気口(10)を構成する通気性部材(18)と
    を備える。 (b) 供給口(5)は所定幅のスリット状に形成されて
    いる。 (c) 供給口(5)は、リング状に形成されている。 (d) 供給口(5)は傾斜面(7)の途中に開口されてい
    る。 (e) 供給口(5)の傾斜面(7)に対する角度αは鈍角に
    設計されている。 (f) 傾斜面(7)は液体の流動方向に平滑面となって
    いる。 (g) 空気口(10)は傾斜面(7)の途中に開口された供
    給口(5)に向かって開口されている。 (h) 通気性部材(18)は、空気口(10)に圧入される空
    気を貫通して表面から噴射させる通気性を有する。
  6. 【請求項6】 下記の全ての構成を有する液体を微粒子
    に噴射するノズル。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口
    (5)と、この供給口(5)に液体を供給する筒状の液体路(2
    1)と、供給口(5)から噴射される液体を流動させる傾斜
    面(7)と、この傾斜面(7)に加圧空気を噴射する空気口(1
    0)と、この空気口(10)に空気を供給する空気路(1)とを
    備える。 (b) 供給口(5)は所定幅のスリット状に形成されて
    いる。 (c) 供給口(5)は、リング状に形成されている。 (d) 供給口(5)は傾斜面(7)の途中に開口されてい
    る。 (e) 供給口(5)の傾斜面(7)に対する角度αは鈍角に
    設計されている。 (f) 傾斜面(7)は液体の流動方向に平滑面となって
    いる。 (g) 空気口(10)は傾斜面(7)の途中に開口された供
    給口(5)に向かって開口されている。 (h) 空気路(1)に、軸方向に流動する空気をスパイ
    ラルに回転させるヘリカルリブ(22)を配設しており、空
    気口(10)から噴射される空気がスパイラル状に回転しな
    がら傾斜面(7)に沿って噴射されるように構成されてい
    る。
  7. 【請求項7】 下記の全ての構成を有する液体を微粒子
    に噴射するノズル。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口
    (5)と、この供給口(5)に液体を供給する筒状の液体路(2
    1)と、供給口(5)から噴射される液体を流動させる傾斜
    面(7)と、この傾斜面(7)に加圧空気を噴射する空気口(1
    0)と、この空気口(10)に空気を供給する空気路(1)とを
    備える。 (b) 供給口(5)は所定幅のスリット状に形成されて
    いる。 (c) 供給口(5)は、リング状に形成されている。 (d) 供給口(5)は傾斜面(7)の途中に開口されてい
    る。 (e) 供給口(5)の傾斜面(7)に対する角度αは鈍角に
    設計されている。 (f) 傾斜面(7)は液体の流動方向に平滑面となって
    いる。 (g) 空気口(10)は傾斜面(7)の途中に開口された供
    給口(5)に向かって開口されている。 (h) 液体路(21)に、軸方向に流動する液体をスパイ
    ラルに回転させるヘリカルリブ(22)を配設しており、供
    給口(5)から噴射される液体がヘリカルリブ(22)で回転
    されながら傾斜面(7)に噴射されるように構成されてい
    る。
  8. 【請求項8】 下記の全ての構成を有する液体を微粒子
    に噴射するノズル。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口
    (5)と、この供給口(5)から噴射される液体を流動させる
    傾斜面(7)と、この傾斜面(7)に加圧空気を噴射する空気
    口(10)と、この空気口(10)に空気を供給する空気路(1)
    とを備える。 (b) 供給口(5)は所定幅のスリット状に形成されて
    いる。 (c) 供給口(5)は、リング状に形成されている。 (d) 供給口(5)は傾斜面(7)の途中に開口されてい
    る。 (e) 供給口(5)の傾斜面(7)に対する角度αは鈍角に
    設計されている。 (f) 傾斜面(7)は液体の流動方向に平滑面となって
    いる。 (g) 空気口(10)は傾斜面(7)の途中に開口された供
    給口(5)に向かって開口されている。 (h) 傾斜面(7)の先端に尖鋭なエッジ(7A)が設けら
    れている。 (i) 空気口(10)がエッジ(7A)の両面に開口されてお
    り、エッジ(7A)の両面に加圧空気が噴射されるように構
    成されている。 (j) エッジ(7A)の両面に開口された空気口(10)に連
    通する空気路(1)に、軸方向に流動する空気をスパイラ
    ルに回転させるヘリカルリブ(22)を配設しており、エッ
    ジ(7A)両面の空気口(10)から噴射される空気が互いに反
    対方向に回転しながらエッジ(7A)に向かって噴射される
    ように構成されている。
  9. 【請求項9】 下記の全ての構成を有する液体を微粒子
    に噴射するノズル。 (a) ノズルは、液体をリング状に噴射する供給口
    (5)と、この供給口(5)から噴射される液体を流動させる
    傾斜面(7)と、この傾斜面(7)に加圧空気を噴射する空気
    口(10)とを備える。 (b) 供給口(5)は所定幅のスリット状に形成されて
    いる。 (c) 供給口(5)は、リング状に形成されている。 (d) 供給口(5)は傾斜面(7)の途中に開口されてい
    る。 (e) 供給口(5)の傾斜面(7)に対する角度αは鈍角に
    設計されている。 (f) 傾斜面(7)は液体の流動方向に平滑面となって
    いる。 (g) 空気口(10)は傾斜面(7)の途中に開口された供
    給口(5)に向かって開口されている。 (h) 供給口(5)の内側でノズルの先端面に空気剥離
    凹部(19)が設けられている。 (i) 空気剥離凹部(19)は、貫通孔(20)を介して空気
    路(1)に連結されている。(j) 貫通孔(20)は、噴射
    される空気が空気剥離凹部(19)で回転される方向に開口
    されている。 (k) 空気剥離凹部(19)の表面は平滑面で、空気口(1
    0)に向かって滑らかに湾曲しており、貫通孔(20)から噴
    射される空気が、空気剥離凹部(19)で回転しながらノズ
    ルの前面に沿って流動し、流動する空気層が、噴射され
    たミストの付着を防止するように構成されている。
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