JPH08283263A - 金属錯体化合物及び該化合物を用いた光記録媒体 - Google Patents

金属錯体化合物及び該化合物を用いた光記録媒体

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JPH08283263A
JPH08283263A JP7085485A JP8548595A JPH08283263A JP H08283263 A JPH08283263 A JP H08283263A JP 7085485 A JP7085485 A JP 7085485A JP 8548595 A JP8548595 A JP 8548595A JP H08283263 A JPH08283263 A JP H08283263A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モル吸光係数が高く、耐光性に優れた色素を
提供すること、そして、光記録装置に使用される半導体
レーザに適合した吸収を有し、モル吸光係数が高く、か
つ耐光性に優れた色素を用いることにより光記録特性、
保存安定性に優れた光記録媒体を提供する。 【構成】 下記一般式Iで示される金属錯体化合物及び
該化合物を用いた光記録媒体。 【化1】 式中、Yは置換位置に隣接して窒素原子、硫黄原子また
は酸素原子を有するヘテロ環基、Xはハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、または無置換のアシルアミノ
基を表す。Zはヒドロキシル基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アルコキシ基から選ばれる置換基をパラ位に有
するアリール基、ヘテロ環基を表す。R1、R2、R3
びR4は、各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキルスルホンアミ
ド基から選ばれる基を表す。M1はNi、Cu、Co、
Zn、Fe、Pd、Ptの塩を表す。nは2または3を
表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色素として優れた特性
を有する新規な金属錯体化合物及び該化合物を光吸収物
質として用いた光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】染料や顔料として知られている色素は、
繊維の染色材、樹脂や塗料の着色材、写真、印刷、複写
機、プリンターにおける画像形成材、カラーフィルター
の光吸収材等様々な用途で広範に利用されている。これ
ら色素の共通課題として吸収波長、波形の最適化、及び
モル吸光係数の向上、耐光性、耐熱性を始めとする保存
性の向上等が上げられる。フルカラー、または3原色を
形成するためにはイエロー、マゼンタ、シアンの3種の
色素が必要となるが、特に良好な吸収特性、及び保存安
定性を有するシアン色素が望まれている。
【0003】一方、近年、情報量の急速な増大に伴い、
大容量の光記録媒体が脚光を浴びている。安価な半導体
レーザにより容易に、かつ高密度に情報記録できる有機
光記録媒体には、赤色から近赤外領域の光を吸収する長
波長吸収色素が利用されている。従来、種々の色素の中
から吸収、反射特性に優れたシアニン色素がこの用途に
用いられてきたが、耐光性等の保存性が低いため、経時
で情報が失われたり、書き込めなくなる欠点があった。
【0004】このような問題を解決するために、例えば
米国特許第3,432,300号、同4,050,938号、公開特許公報
昭60-118748号、同昭63-199248号、同平2-300288号等に
光安定剤、あるいは光安定化方法が記載されているが、
十分な保存安定性を得るには至っていない。
【0005】また、公開特許公報昭64-44786号、同平2-
76884号、同平5-17701号には保存安定性に優れた金属キ
レート色素が記載されているが、吸収波長が長波長過ぎ
るため光記録媒体等の用途に用いることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、上記色素の課題、特にモル吸光係数が高く、耐光性
に優れた色素を提供することにある。本発明の第二の目
的は、光記録装置に使用される半導体レーザに適合した
吸収を有し、モル吸光係数が高く、かつ耐光性に優れた
色素を用いることにより光記録特性、保存安定性に優れ
た光記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の構成
により達成される。
【0008】1.下記一般式Iで示される金属錯体化合
物。
【0009】
【化3】
【0010】式中、Yは置換位置に隣接して窒素原子、
硫黄原子または酸素原子を有するヘテロ環基、Xはハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、または無置換の
アシルアミノ基を表す。Zはヒドロキシル基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アルコキシ基から選ばれる置換
基をパラ位に有するアリール基、ヘテロ環基を表す。R
1、R2、R3及びR4は、各々水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル
スルホンアミド基から選ばれる基を表す。M1はNi、
Cu、Co、Zn、Fe、Pd、Ptの塩を表す。nは
2または3を表す。
【0011】2.上記一般式Iで示される化合物が下記
一般式IIで示されることを特徴とする前記1項記載の金
属錯体化合物。
【0012】
【化4】
【0013】式中、Xはハロゲン原子、アルキル基また
はアルコキシ基、または無置換のアシルアミノ基を表
す。R1、R2、R3、R4、R8、R9及びR10は各々水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシ
ルアミノ基、アルキルスルホンアミド基から選ばれる基
を表す。R5、R6及びR7は、各々水素原子またはアル
キル基を表す。M2はNiまたはCuの塩を表す。
【0014】3.基板上に一般式I、またはIIで示され
る金属錯体化合物の少なくとも1種を記録層として有す
ることを特徴とする光記録媒体。
【0015】4.光源として半導体レーザを用いて、基
板を通して書き込みと読みだしを行うことを特徴とする
前記3項記載の光記録媒体。
【0016】以下に本発明の金属錯体化合物について詳
細に説明する。
【0017】本発明の金属錯体化合物は2ないし3個の
色素分子と1個の2価金属塩との結合により形成され
る。結合の詳細は必ずしも明らかではないが、一般式I
において主環のイミダゾール環中のN原子の孤立電子対
とM1による2ないし3個の配位結合、更にヘテロ環基
中の窒素原子、硫黄原子または酸素原子とM1との間の
2ないし3個の配位結合により4配座または6配座の金
属錯体が形成されると考えられる。
【0018】本発明者らによる特開平7−33746号
には、類似の構造で、オルト位にスルホンアミド基等の
解離性置換基を有するフェニル基と金属原子間のイオン
結合、及び他の基と金属原子間の配位結合による6配座
の色素が記載されているが、本発明は上記解離性置換基
を排除し、Xに適当な置換基を導入することにより吸収
極大がより短波長で、かつモル吸光係数の更に高い色素
が得られる。
【0019】上記一般式Iにおいて、Yで表される、置
換位置に隣接して窒素原子、硫黄原子または酸素原子を
有するヘテロ環基の例としては、1-ピラゾリル基、2-ピ
リジル基、2-ベンズチアゾリル基、2-イミダゾリル基、
2-ピペラジル基、2-ベンズイミダゾリル基、2-オキサゾ
リル基等が挙げられる。Yの好ましくは、1-ピラゾリル
基、2-ピリジル基である。
【0020】Xで表される基がハロゲン原子である時の
例としては、塩素原子、フッ素原子等を挙げることがで
き、アルキル基である時の例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、i-プロピル基、i-ブチル基、t-ブチ
ル基等を挙げることができ、アルコキシ基である時の例
としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等を
挙げることができ、アシルアミノ基である時の例として
は、アセトアミド基、ベンズアミド基等を挙げることが
できる。
【0021】Zの例としては、4-ヒドロキシフェニル
基、3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル基、4-アミノ
フェニル基、4-(N-メチルアミノ)フェニル基、4-(N-エ
チルアミノ)フェニル基、4-(N-ヘキシルアミノ)フェニ
ル基、4-(N-ドデシルアミノ)フェニル基、4-(N,N-ジメ
チルアミノ)フェニル基、4-(N,N-ジエチルアミノ)フェ
ニル基、4-(N,N-ジヘキシルアミノ)フェニル基、4-(N-
エチル-N-メチルスルホンアミドエチルアミノ)フェニル
基、4-(N,N-ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル基、4-
(N,N-ジヘキシルアミノ)-2-メチルフェニル基、4-(N-エ
チル-N-メタンスルホンアミドエチルアミノ)-2-メチル
フェニル基、4-(N-エチル-N-ヒドロキシエチルアミノ)-
2-メチルフェニル基、4-(N-エチル-N-メトキシエチルア
ミノ)-2-メチルフェニル基、4-(N,N-ジメトキシエチル
アミノ)-2-メチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、
3,5-ジクロロ-4-メトキシフェニル基、3,5-ジクロロ-4-
オクチルオキシフェニル基、4-アニリノフェニル基、4-
アセトアミドフェニル基、4-イソプロピルアミドフェニ
ル基、4-ベンズアミドフェニル基、4-メチルスルホンア
ミドフェニル基、4-オクチルスルホンアミドフェニル
基、2-(3-メチル-5-N,N-ジエチルアミノ)ピリジル基等
を挙げることができる。Zの好ましくは、4-(N,N-ジエ
チルアミノ)-2-メチルフェニル基、4-(N-エチル-N-メタ
ンスルホンアミドエチルアミノ)-2-メチルフェニル基、
4-(N-エチル-N-メトキシエチルアミノ)-2-メチルフェニ
ル基等のパラフェニレンジアミン誘導体構造を有するも
のである。
【0022】R1、R2、R3及びR4で表される基がハロ
ゲン原子である時の例としては、塩素原子、フッ素原子
等を挙げることができ、アルキル基である時の例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、
i-ブチル基、t-ブチル基等を挙げることができ、アルコ
キシ基である時の例としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基等を挙げることができ、アシルアミノ
基である時の例としては、アセトアミド基、ベンズアミ
ド基等を挙げることができ、アルキルスルホンアミド基
である時の例としては、メチルスルホンアミド基、エチ
ルスルホンアミド基、トリフルオロメチルスルホンアミ
ド基等を挙げることができる。
【0023】上記X、Y及びZは必要に応じて更に他の
置換基を有することが可能である。
【0024】M1がNi、Cu、Co、Zn、Fe、P
d、Ptから選ばれる金属原子の塩であるときの例とし
ては、上記金属原子の酢酸塩、過塩素酸塩、ハロゲン
塩、フッ化ホウソ塩、フッ化リン塩、アセチルアセトン
塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩等が挙げられ
る。nの好ましくは2である。
【0025】本発明の金属錯体化合物の中でも色素とし
ての吸収・反射特性、保存安定性、錯体形成の容易性等
から一般式IIに示す構造が更に好ましい。
【0026】一般式IIにおいてXで表される基は一般式
I中のXで表される基と同様の例を挙げることができ
る。Xの好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコ
キシ基である。更に好ましくはハロゲン原子である。
【0027】R1、R2、R3、R4、R8、R9及びR10
表される基がハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アシルアミノ基、アルキルスルホンアミド基から選
ばれる基を表すときの例としては、一般式I中のR1
2、R3及びR4で示した各基と同様の例を挙げること
ができる。R1、R2、R3及びR4で表される基の好まし
くは、全てが水素原子であるか、またはいずれか一つが
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基で、他は水素
原子である時であり、R2がハロゲン原子で他は水素原
子である時が更に好ましい。
【0028】R8、R9、及びR10で表される基の好まし
くは、R8、R9及びR10の全てがアルキル基である時、
またはR8、R10がアルキル基で、かつR9が水素原子で
ある時である。R8、R10がアルキル基で、かつR9が水
素原子である時が更に好ましい。R5、R6及びR7で表
される基がアルキル基である時の例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、i-ブチル
基、t-ブチル基等を挙げることができる。更にこれらに
置換基を有する場合の例としては、メトキシエチル基、
メチルスルホンアミドエチル基等が挙げられる。R5
好ましくはメチル基である。R6及びR7の好ましくはエ
チル基、または更に置換基を有するエチル基である。
【0029】M2で表されるNiまたはCuの塩として
は酢酸塩、過塩素酸塩、ハロゲン塩、フッ化ホウソ塩、
フッ化リン塩、アセチルアセトン塩、ベンゼンスルホン
酸塩、安息香酸塩等が挙げられる。過塩素酸塩、フッ化
ホウソ塩、フッ化リン塩、アセチルアセトン塩が好まし
く、更にNiの塩が好ましい。
【0030】本発明の金属錯体化合物は分子量あたりの
吸光度が高いことが利点であるため、分子量としては15
00以下が好ましく、更に好ましくは1300以下である。
【0031】以下に本発明の金属錯体化合物の具体例を
示す。
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】本発明の化合物は、例えばBeilstein2
3、24、25巻、及びBerichte34巻639、同29
巻2103、同92巻550等に記載されているイミダ
ゾールの合成法を参考にして、Mと結合可能な置換基を
導入したイミダゾール誘導体を合成し、更にパラ−アミ
ノフェノール、パラ−フェニレンジアミン誘導体等との
酸化カップリング反応等によりアゾメチン色素を得る。
【0043】適当な溶媒に前記アゾメチン色素を溶解し
金属塩、例えば酢酸Ni、酢酸Cu、塩化Ni、塩化C
u、アセチルアセトンNi塩等の無機塩あるいは有機塩
を加えることにより本発明の金属錯体化合物が得られ
る。
【0044】本発明の金属錯体化合物は必要に応じ重合
可能な置換基を導入することにより高分子とすることが
できる。また、構造式中に油溶性基、親水性基の導入に
より、色素溶液、LB(ラングミュアーブロジェット)膜
形成、オイルを用いた分散、あるいはマイクロカプセル
等さまざまな形態に加工することが可能である。
【0045】本発明の化合物は単独または併用、あるい
は他の色素と組み合わせて光記録媒体、繊維の染色剤、
樹脂や塗料の着色材、印刷インキ、カラー複写機、カラ
ープリンター、感熱記録材料等における画像形成材、個
体撮像管やカラー液晶のフィルター染料等様々な用途に
使用できる。
【0046】本発明の金属錯体化合物に種々の保存性改
良材を加えて保存性を更に改良することも可能である。
例えば、ベンズトリアゾリルフェノール誘導体等の紫外
線吸収材、β-カロテン、トコフェロール誘導体、ハイ
ドロキノン誘導体、スピロインダン誘導体、フェノール
誘導体、アミン誘導体、チオエーテル誘導体、Niジチオ
ール誘導体、Niフェナンスロリン誘導体、Niベンジリデ
ンアニリン誘導体等の酸化防止材、及び光安定材が挙げ
られ、単独でも2種以上を混合して添加してもよい。
【0047】次に、本発明の金属錯体化合物を用いた光
記録媒体について説明する。
【0048】本発明の光記録媒体を構成する基板として
は、記録・再生に用いるレーザ光の波長領域(700〜900
nm)において実質的に透明(透過率が80%以上)である
ことが必要とされる。基板の形状としては、通常のコン
パクトディスクとして用いる場合において、厚さ1.2mm
程度、直径80〜120mm程度とされる。基板を構成する材
料としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ア
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リサルフォン樹脂、メチルペンテンポリマー等の透明性
樹脂、ガラスなどが挙げられる。
【0049】なお、基板の外表面、内表面、内・外周面
には、必要に応じて酸素遮断性被膜が形成されていても
よい。
【0050】また、記録層が形成される基板上には、ト
ラッキング用のグルーブが形成されていることが好まし
い。
【0051】本発明の金属錯体化合物を用いた記録層
は、レーザ光の波長領域における消衰係数kが光記録媒
体の記録層として好ましいものとなり、記録のために好
適な光吸収性と再生のために好適な反射率とを兼ね備え
たものとなる。ここに、レーザ光の波長領域における記
録層の消衰係数kが過大である場合には、反射率の低下
を招き、反射光による再生を十分良好に行うことができ
ない。また、消衰係数kが過小である場合には、通常の
記録パワーによって記録を行うことが困難となる。消衰
係数kの好ましくは0.01から0.1である。
【0052】一方、レーザ光の波長領域における記録層
の屈折率n(複素屈折率の実部)としては1.8〜4.0であ
ることが好ましい。
【0053】なお、本発明の光記録媒体を構成する記録
層には、他の種類の色素化合物、各種樹脂、界面活性
材、帯電防止剤、分散材、酸化防止剤、架橋材などが含
まれていてもよい。
【0054】記録層は、基板の一面上に形成されていて
もよく、基板の両面上に形成されていてもよい。また、
記録層の厚さとしては、通常500〜3000Åが好ましい。
【0055】基板上に記録層を形成するための方法とし
ては特に限定されるものではなく、例えばスピンコーテ
ィング法、浸せきコーティング法、スプレーコーティン
グ法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング
法、ビードコーティング法、マイヤーコーティング法、
カーテンコーティング法など各種の方法を適用すること
ができる。
【0056】また、記録層の形成にあたって用いる溶媒
としては、例えばシクロヘキサノン等のケトン系溶媒、
酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチルセロソルブ等の
エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、トルエン等の芳香
族系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒などを挙げること
ができる。
【0057】記録層上には反射層が形成されていてもよ
い。反射層としては、例えばAu、Al−Mg合金、A
l−Ni合金、Ag、PtおよびCu等の反射率の高い
金属を用い、蒸着、スパッタ等の手段によって形成する
ことができる。反射層の厚さは500Å以上であることが
好ましい。
【0058】反射層上には、例えば紫外線硬化樹脂等か
らなる保護膜が形成されていてもよい。保護膜の厚さと
しては0.1〜100μm程度とされ、その硬度が25
℃における鉛筆硬度でH〜8Hであることが好ましい。
【0059】記録層と反射層の間には、これらを密着さ
せるための接着層が設けられていてもよい。接着層の厚
さは10〜300Åであることが望ましい。
【0060】本発明の光記録媒体の記録、再生を行う光
源としては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半
導体レーザが考えられるが、コンパクトディスクに見ら
れるように安価、小型、低消費電力等の観点から半導体
レーザが好ましい。
【0061】本発明の化合物は特に高い記録感度を有し
ていることから、630nmないし830nmの半導体レーザが好
適である。
【0062】
【実施例】以下に本発明の金属錯体化合物の合成例及び
本発明の化合物を光記録媒体に用いた実施例を示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】実施例1 合成例1(例示化合物(12)の合成) (反応スキーム)
【0064】
【化15】
【0065】原料のアミジン(1)80gとブロムアセ
トフェノン(2)40gをクロロホルム100mlに溶
解し2時間加熱還流を行った。水洗、乾燥後溶媒を留去
し、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒から再結晶を行い
目的の中間体(3)を22g得た。NMR、MASSス
ペクトルにより目的物であることを確認した。20gの
中間体(3)、及び20gの4−(N,N−ジエチルア
ミノ)−2−メチルアニリンを酢酸エチル200mlに
溶解した。これに炭酸カリウム40gを水100mlに
溶解した溶液を加えた後、20gの過硫酸アンモニウム
を溶解した50mlの水溶液を滴下した。1時間反応後
析出した結晶を減圧濾過し更に水洗、メタノール洗浄後
乾燥し9gの目的物色素(4)を得た。NMR、MAS
Sスペクトルにより目的物であることを確認した。メタ
ノール30mlに5gの色素(4)を溶解し、更に1.
7gの酢酸Ni4水和物を加えた後に、更に0.8gの
テトラフルオロボレートナトリウム塩を加えた。溶媒を
留去後、メタノールから再結晶を行い目的物金属錯体の
例示化合物(12)を4g得た。IR、及び元素分析値
から目的物であることを確認した。
【0066】以下に本発明の金属錯体化合物の分光吸収
特性を示す。
【0067】(分光吸収特性)本発明の金属錯体化合物
(1)、(5)、(12)及び比較として下記の特開平
7−33746号に記載されたイミダゾール系金属錯体
色素(A)のアセトン中での分光吸収特性を表1に示
す。
【0068】
【化16】
【0069】
【表1】
【0070】表1から明らかなように本発明の例示化合
物は比較と比べ、いずれも吸収極大がシアン色素として
より好ましい波長域にあり、かつ、εの大きい優れた色
素であることが分かる。
【0071】実施例2 (光記録媒体としての評価)以下に示す手順で薄膜での
吸収極大、耐光性、光記録特性等の評価を行った。
【0072】(1)記録層の形成 本発明の例示化合物(1)、(5)、(12)及び下記
の示す比較化合物(B)、(C)を各1g秤量し、50
mlのシクロヘキサノンに溶解した。塗布液を、スピン
コーティング法によりガラス基板(厚さ1.1mm、直
径80mm)上に塗布し、80℃で30分間乾燥するこ
とにより当該ガラス基板上に厚さ1000Å前後の記録
層を形成した。
【0073】
【化17】
【0074】(2)耐光性試験 キセノンフェードメータ(スガ試験機 製)を用い、各
試料の記録層にキセノン光を照射し、照射後における色
素残存率を測定した。ここで、照射条件としては、記録
層表面の照度を7万ルクス、照射時の温度を43℃、照
射時間を30時間とした。また、色素残存率は、色素の
最大吸収波長の光透過率をキセノン光照射前後で測定し
て下記の式から求めた。
【0075】式) 色素残存率=(100−T)/
(100−T0) 〔ただし、T0はキセノン光照射前の透過率、Tはキセ
ノン光照射後の透過率を表す。〕 結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】表2の結果から明らかなように、本発明の
金属錯体化合物を用いた記録媒体である試料No.1な
いし3はシアニン色素を使用した比較の試料4と同等の
吸収極大を有し、かつ比較に比べ色素残存率が高く、優
れた耐光性を有することが分かる。
【0078】一方、本発明とは異なる金属錯体化合物を
用いた試料5は吸収極大が長波長過ぎて光記録媒体とし
ては適さないことが分かる。
【0079】実施例3 (光記録媒体の製造、及び評価)直径5インチのグルー
ブつきポリカーボネート基板上に本発明の金属錯体化合
物(12)を用いて記録層を塗布し、反射層(Au、厚
さ1000Å)、保護膜(紫外線硬化樹脂、厚さ5μ
m)を定法にしたがって順次形成し、本発明の光記録媒
体(6)を製造した。
【0080】比較として、前記比較化合物(B)を記録
層に用いて同様に光記録媒体(7)を製造した。反射率
を測定したところ、光記録媒体(6)、及び(7)の両
者とも70%以上を示した。これらの試料に780nm
の半導体レーザによりパワーを変化させて情報記録し、
0.8mWで再生を行った。また、実施例2で用いたキ
セノンフェードメータを使用し、7万ルクス、30時間
の光曝射を行った後に同様の記録再生実験を行った。
【0081】表3にその結果を示す。
【0082】
【表3】
【0083】結果から明らかなように、本発明の光記録
媒体(6)はCD規格を満足する良好な記録・再生を行
うことができた他、特に耐光性に優れた安定した記録・
再生特性を有することが明らかとなった。
【0084】一方、比較の光記録媒体(7)はレーザの
再生光で反射率が低下し、再生不良を起こした他、キセ
ノンフェードメータによる光曝射でも記録できなくなる
現象がみられた。
【0085】
【発明の効果】本発明の金属錯体化合物は、モル吸光係
数が高く、耐光性に優れた色素であり、これらを光記録
媒体に用いることにより、使用される半導体レーザに適
合した吸収を有し、良好な記録・再生を行うことがで
き、特に耐光性に優れた安定した記録・再生特性が得ら
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/24 516 7416−2H B41M 5/26 Y

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式Iで示される金属錯体化合
    物。 【化1】 〔式中、Yは置換位置に隣接して窒素原子、硫黄原子ま
    たは酸素原子を有するヘテロ環基、Xはハロゲン原子、
    アルキル基、アルコキシ基、または無置換のアシルアミ
    ノ基を表す。Zはヒドロキシル基、アミノ基、アルキル
    アミノ基、アルコキシ基から選ばれる置換基をパラ位に
    有するアリール基、ヘテロ環基を表す。R1、R2、R3
    及びR4は、各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキルスルホン
    アミド基から選ばれる基を表す。M1はNi、Cu、C
    o、Zn、Fe、Pd、Ptの塩を表す。nは2または
    3を表す。〕
  2. 【請求項2】 上記一般式Iで示される化合物が下記一
    般式IIで示されることを特徴とする請求項1記載の金属
    錯体化合物。 【化2】 〔式中、Xはハロゲン原子、アルキル基またはアルコキ
    シ基、または無置換のアシルアミノ基を表す。R1
    2、R3、R4、R8、R9及びR10は各々水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ
    基、アルキルスルホンアミド基から選ばれる基を表す。
    5、R6及びR7は、各々水素原子またはアルキル基を
    表す。M2はNiまたはCuの塩を表す。〕
  3. 【請求項3】 基板上に一般式I、またはIIで示される
    金属錯体化合物の少なくとも1種を記録層として有する
    ことを特徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】 光源として半導体レーザを用いて、基板
    を通して書き込みと読みだしを行うことを特徴とする請
    求項3記載の光記録媒体。
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