JPH08284126A - 岸壁の修復方法及び岸壁構造体 - Google Patents

岸壁の修復方法及び岸壁構造体

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JPH08284126A
JPH08284126A JP9249095A JP9249095A JPH08284126A JP H08284126 A JPH08284126 A JP H08284126A JP 9249095 A JP9249095 A JP 9249095A JP 9249095 A JP9249095 A JP 9249095A JP H08284126 A JPH08284126 A JP H08284126A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間占有する岸壁の背部の作業領域を低減
して、復旧作業中でも岸壁の背部の地盤面を沿岸施設と
して有効利用することができるとともに、安定した岸壁
を経済的かつ効率良く再構築することのできる岸壁の修
復方法及び岸壁構造体を提供する。 【構成】 既設岸壁10を撤去して再構築することによ
り岸壁の復旧を行なう岸壁の修復方法であって、既設岸
壁10と間隔を置いてこれの背面側の地盤中に、例えば
深層混合処理工法により地盤を固化させて自立構造体と
しての改良地盤12を造成し、造成した改良地盤12と
既設岸壁10との間の地盤19を掘削除去するとともに
既設岸壁10を撤去し、撤去した既設岸壁10の基礎部
分を整備して再構築する岸壁の基礎15を造成し、しか
る後にこの造成した基礎15の上にケーソン11からな
る岸壁本体構造物を据え付け、さらに据え付けたケーソ
ン11と造成した改良地盤12との間の空隙部分19’
を、固化材を用いて事前混合処理を行った土砂を使用し
て埋戻し地盤19”として埋戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、岸壁の修復方法及び
岸壁構造体に関し、特に、既設岸壁を撤去して再構築す
ることにより岸壁の復旧を行なうための岸壁の修復方
法、及び地震等の自然条件に対しても安定した構造を有
する岸壁構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶を繋留して、船荷の積下し、船客の
乗降り、船舶の停泊などを行なうことを目的として構築
される繋船施設としての岸壁は、内陸部と海との境界線
上に設けられるもので、船荷の積下しや船舶の離岸や接
岸を支障無く能率的に行なうことができるように、対象
とする船舶が離着し、繋留されるのに十分な水深(バー
ス水深)と、水際線延長を持ち、かつその水際線は天端
から海底まで直立壁となっているのが通常である。ま
た、岸壁の背後の内陸沿岸部分は、船荷などを積下しし
たり、運搬したり、荷さばきするのに便利なように、十
分に整地する必要があり、またコンクリートなどで適宜
舗装して用いられている。
【0003】そして、かかる岸壁は、船舶によって人や
貨物等を移動する際の重要な施設であるとともに、付近
の地域の経済活動と密接に関連するため、その機能を損
なわないように、長年の間に発生する地震や波浪等の自
然条件や、船荷、荷役機械等の載荷重に対しても十分耐
えうるような安定した構造を備えるものでなければなら
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、このように強固
に構築された岸壁であっても、例えば、設計強度を上回
る予想外の大地震等が生じた時などにおいては、岸壁が
損傷する場合があり、このような場合には、損傷した既
設の岸壁を迅速に復旧しその機能を回復する必要があ
る。
【0005】また、未だ損傷していない岸壁について
も、より過酷な自然条件にも耐え得るように、その構造
をさらに安定したものに復旧する必要を生じる場合があ
る。
【0006】そして、損傷した岸壁を復旧したり、既設
岸壁をより強固な構造のものに再構築する際の一般的な
方法として、例えば図4に示すように、まず損傷した既
設岸壁50の背部の地盤52を、地表面からこの既設岸
壁50の基礎53に至る深さまで、掘削後の側面の地山
が自立し得るような緩い傾斜の法面、例えば1:2程度
の勾配の法面を形成しつつ、例えば水中掘削作業により
掘削し、次いで既設岸壁50を撤去してこれの基礎53
を整備し、さらに、整備した基礎53の上に、ケーソン
等からなる岸壁の本体構造物51を据え付けた後に、本
体構造物51の背面の掘削部分52を埋戻し、その表面
55を整地し舗装する方法が考えられている。
【0007】しかしながら、かかる従来の方法では、既
設岸壁50の背部に、掘削作業のための相当の幅の作業
領域を必要とし、しかもかかる広範囲の作業領域は、新
たに岸壁の本体構造物51が据え付けられてその背部が
埋戻されるまでの長い期間、船荷の運搬や荷さばき等を
行うための沿岸施設として利用することができないとい
う課題があった。
【0008】また、かかる従来の方法によって再構築さ
れた岸壁によれば、前面の海からの波浪や背面の地盤か
らの土圧のほとんどを、本体構造物51の構造のみによ
って支持する構成となっているため、例えば予想外の大
きな地震力等に対しても安定した構造とするためには、
本体構造物51自体を非常に大がかりものとする必要が
あり、したがって、このような安定した岸壁を経済的か
つ効率良く構築することが困難であるという課題があっ
た。
【0009】そこで、この発明は、このような従来の課
題に着目してなされたもので、長期間占有することにな
る岸壁の背部の作業領域を低減して、復旧作業中でも岸
壁の背部の地盤面を沿岸施設として有効利用することが
できるとともに、安定した岸壁を経済的かつ効率良く再
構築することのできる岸壁の修復方法を提供することを
目的とするものである。
【0010】また、この発明は、大規模な地震等に対し
て効率良く抵抗することのできる安定した構造を有する
岸壁構造体を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、その要旨は、既設岸壁
を撤去して再構築することにより岸壁の復旧を行なう岸
壁の修復方法であって、既設岸壁と間隔を置いてこれの
背面側の地盤中に自立構造体を造成する工程と、造成し
た自立構造体と既設岸壁との間の地盤を掘削除去すると
ともに、前記既設岸壁を撤去する工程と、撤去した既設
岸壁の基礎部分を整備して、再構築する岸壁の基礎を造
成する工程と、該造成した基礎上にケーソン等からなる
岸壁本体構造物を据え付ける工程と、据え付けた岸壁本
体構造物と前記自立構造体との間を埋戻す工程とからな
ることを特徴とする岸壁の修復方法にある。
【0012】ここで、この発明の岸壁の修復方法は、前
記自立構造体を、深層混合処理工法により地盤を固化さ
せて造成することが好ましい。
【0013】また、この発明の岸壁の修復方法は、前記
自立構造体を、前記岸壁本体構造物の延長方向に延長す
るフラット壁と、このフラット壁の背面側に突出形成さ
れたリブ壁とからなるスーパーリブ構造を地中に設ける
ことにより造成しても良い。
【0014】さらに、この発明の岸壁の修復方法は、前
記据え付けた岸壁本体構造物と前記自立構造体との間を
埋戻す工程を、固化材を用いて事前混合処理を行った土
砂を使用して行なうことが好ましい。
【0015】そして、この発明の他の要旨は、岸壁の前
端部分において海底面に造成された基礎上に据え付けら
れる、ケーソン等からなる岸壁本体構造物と、該岸壁本
体構造物の背面側に造成される自立構造体とからなるこ
とを特徴とする岸壁構造体にある。
【0016】なお、この発明の岸壁構造体は、上記岸壁
の修復方法によって再構築されるものに限定されるもの
ではない。
【0017】ここで、この発明の岸壁構造体は、前記自
立構造体を、深層混合処理工法により地盤を固化させて
造成した改良地盤によって構成することが好ましい。
【0018】また、この発明の岸壁構造体は、前記自立
構造体を、前記岸壁本体構造物の延長方向に延長するフ
ラット壁と、このフラット壁の背面側に突出形成された
リブ壁とからなるスーパーリブ構造によって構成するこ
とができる。
【0019】さらに、この発明の岸壁構造体は、前記岸
壁本体構造物とこれの背面側に造成した前記自立構造体
との間には、固化材を用いて事前混合処理を行った土砂
からなる埋戻し地盤を造成することが好ましい。
【0020】
【作用】そして、この発明の岸壁の修復方法によれば、
既設岸壁を撤去すべく行なう、既設岸壁の背面の地盤を
掘削除去する作業に先立って、既設岸壁と間隔を置いて
これの背面側の地盤中に自立構造体を造成する。すなわ
ち、かかる自立構造体は、それ自身で自立してこれの背
面の地盤からの土圧を支持し、また海からの波浪等によ
って容易に浸食することがなく、したがってその壁面を
垂直ないしは急勾配として、既設岸壁の撤去作業のため
の背面の地盤の掘削領域を低減することができるととも
に、自立構造体を造成した後は、これの上部あるいはこ
れの背面上部の地盤は、安定した沿岸施設のための地盤
として短期間に利用することが可能になる。
【0021】また、造成された自立構造体は、岸壁本体
構造物が新たに据え付けられ埋戻しを行って岸壁の修復
作業が完了した後においても、背後の地盤中に残置さ
れ、岸壁本体構造物とともに土圧や波浪等による荷重を
支持するので、岸壁本体構造物は、自立構造体によって
補強されて、大規模な地震等の自然条件に対してより安
定した岸壁を構成にすることになる。
【0022】なお、自立構造体を造成する作業は、岸壁
背後の内陸沿岸部分における作業に適した工法として、
深層混合処理工法により地盤を固化させて造成する方法
や、あるいは岸壁本体構造物の延長方向に延長するフラ
ット壁と、このフラット壁の背面側に突出形成されたリ
ブ壁とからなるスーパーリブ構造を地中に設けることに
より造成する方法を用いて容易に行なうことができる。
【0023】また、据え付けた岸壁本体構造物と前記自
立構造体との間を埋戻す工程を、固化材を用いて事前混
合処理を行った土砂を使用して行なえば、これを固化さ
せて支持強度を発揮させるとともに、自立構造体と岸壁
本体構造物との一体化を図って、復旧した岸壁を大規模
な地震等に対してさらに安定した構成にすることができ
る。
【0024】そして、この発明の岸壁構造体によれば、
ケーソン等からなる岸壁本体構造物と、この岸壁本体構
造物の背面側に造成される自立構造体とからなるので、
岸壁本体構造物のみならず自立構造体によっても周囲の
地盤からの土圧や波浪等による荷重を支持することがで
き、これによって、岸壁本体構造物は、自立構造体によ
って強固に補強されて、大規模な地震等の自然条件に対
して安定した岸壁を構成することができる。
【0025】また、岸壁本体構造物を補強する自立構造
体は、深層混合処理工法による改良地盤や、フラット壁
とリブ壁とからなるスーパーリブ構造等によって、岸壁
背後の内陸沿岸部分の地盤中に容易に設けることができ
るとともに、岸壁本体構造物と自立造体との間の埋戻し
地盤を、固化材を用いて事前混合処理を行った土砂によ
って造成すれば、かかる埋戻し地盤に支持強度を発揮さ
せ、かつ自立構造体と岸壁本体構造物との一体化を図っ
て、より安定した岸壁を提供することが可能になる。
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面を参照し
つつ詳細に説明するが、この発明は、これらの各実施例
の態様のものに限定されるものではない。
【0027】図1はこの発明の第1実施例を示すもの
で、一例として、所定の海域を埋め立てて造成した地盤
20の沿岸部分に構築された既設岸壁10が、例えば大
規模の激震により損傷した場合に、かかる損傷した既設
岸壁10を復旧すべく、これを撤去して、新たに、岸壁
本体構造物としてのケーソン11と、自立構造体として
の、深層混合処理工法により造成した改良地盤12とか
らなる岸壁構造体13を形成する際に、この発明の岸壁
の復旧方法を採用したものである。
【0028】すなわち、この実施例によれば、既設岸壁
10の背面側の地盤を掘削除去する作業を行なう前に、
予め、既設岸壁10の背面との間に例えば7〜8m程度
の間隔をおいて、深層混合処理工法を用いて、既設岸壁
10と並行して延長する改良地盤12を例えば15m程
度の幅で造成する。
【0029】ここで、この実施例で用いる深層混合処理
工法は、地盤改良工法中の固結工法の一種で、地盤に石
灰、セメントなどの安定材を混合撹拌し、土砂を化学的
に固結させる工法として知られるもので、例えばDM工
法等として知られる公知の種々の工法を採用することが
できる。そして、この工法によれば、安定材を高圧で噴
射しながら地盤を撹拌する噴射ロッドや、撹拌翼で地盤
と安定材とを機械的に撹拌するオーガロッド等を、改良
地盤12を造成すべき領域内において、地表面から地中
所定深度に至るまで、縦横に整列させて多数挿入し、地
盤の土砂と安定材とを順次混合して行くことにより、一
体となった改良地盤12を迅速かつ容易に形成すること
ができる。
【0030】なお、この造成された改良地盤12は、埋
立て地盤20の液状化対策を兼ねることもできるもので
ある。すなわち、この改良地盤12によれば、埋立地盤
20を構成する土材料、すなわちレキ、砂質土、及び粘
性土を、石灰、セメントなどの安定材で固化することに
より強度が増加し、地震力による土粒子間の構造変化、
すなわち体積変化による過剰間隙水圧の上昇を防止する
ことにより、埋立て地盤20の液状化を容易に防止する
ことができる。
【0031】また、この改良地盤12は、これが造成固
化された後は、これの表面を強固かつ安定した地盤面と
して、後述する掘削作業や、既設岸壁10及びケーソン
11の撤去あるいは据付け作業等を行なう際の作業ヤー
ドとして有効に利用することができる他、船荷の運搬や
荷さばき等を行うための沿岸施設として、岸壁の復旧作
業中においても引き続き使用することができる。
【0032】そして、既設岸壁10の背面側に改良地盤
12を造成したら、既設岸壁10と改良地盤12との間
の地盤19を掘削除去するとともに、損傷した既設岸壁
10を撤去する作業を行なう。すなわち、かかる掘削作
業は、例えば造成した改良地盤12上に移動配置したバ
ックフォー、クラムシェル等の掘削重機を用いることに
より、既設岸壁10の基礎が位置する深さまで、容易に
行なうことができる。
【0033】なお、かかる掘削作業は、海面以下の深さ
では、水中掘削作業になるとともに、掘削作業先立って
造成された改良地盤12を山留め部材として、掘削側壁
面の崩壊が防止されることになるので、背後になだらか
な法面を形成しつつ掘削して掘削領域及び掘削土量を過
大にすることなく、これらを必要最小限のものに留めつ
つ効率良く掘削作業を行なうことができる。
【0034】一方、既設岸壁10を撤去する作業は、レ
ッカーやクレーン船等の吊上げ重機などを使用しつつ容
易に行なうことができる。
【0035】既設岸壁10を撤去したら、次に、新たに
製作したケーソン11を岸壁本体構造物として据え付け
るための基礎15を、岸壁の前端部分に位置する海底面
に造成する作業を行なう。かかる基礎15の造成作業
は、既設岸壁10の基礎として用いられていたものを整
備してそのまま使用することができ、この実施例では、
既設岸壁10の基礎部分及びこれの下方の置換砂16を
整備した後、この置換砂16の上面に新たに基礎15を
造成する。
【0036】ここで、基礎15の造成作業は、基礎捨石
17や被覆石18を海中に投入した後、潜水夫等による
水中作業によって、表面を平らにしたり、所定の法面勾
配で海底面にすり付けたりすることによって行われ、ま
た適宜水中コンクリートを打設して、その表面を平坦に
仕上げることもできる。
【0037】なお、上記置換砂16は、地震力により液
状化の恐れがある場合でも、サンドコンパクション等の
締固め工法あるいは深層混合等の固化工法などの地盤改
良工法により、これの液状化を容易に防止することがで
きる。
【0038】そして、基礎15を造成したら、これの上
面に、岸壁本体構造物としてのケーソン11を、岸壁の
延長線に沿って多数据え付ける作業を行なう。すなわ
ち、かかる据え付け作業は、例えば海上や沿岸部に設け
たドック内で製作したプレキャスト部材としての、幅1
0m高さ15m程度の大きさの断面を有するケーソン1
1を、造成した基礎15の上方まで各々曳航運搬した
後、これの内部に注水等を行って沈設することにより行
なうことができる他、ケーソン11が小規模のものであ
る場合には、陸上を経て運搬してきたケーソン11をレ
ッカーやクレーン等の吊上げ重機等を使用して吊り上げ
ながら沈設することにより、容易に基礎15の上に据え
付けることもできる。なお、据え付けたケーソン11の
内部には中詰め土砂を充填し、これの重量によってケー
ソン11を安定させる。
【0039】ケーソン11の据え付け作業が終了した
ら、さらに、ケーソン11とこれの背後に造成した改良
地盤12との間の空隙部分19’を埋戻す作業を行な
う。かかる埋戻し作業は、この実施例では、セメントや
石灰等の固化材を用いて事前混合処理を行った土砂を上
記空隙部分19’に投入するとともに、投入作業が進ん
で埋戻し土砂が水面より上方に堆積してきたら、ブルド
ーザなどの締固重機等を使用して、埋戻し地盤19”を
十分に締め固めることにより行なう。
【0040】埋戻し作業が終了したら、最後に、構築さ
れた岸壁構造体13の上面を整地舗装するとともに、使
用した工事用の資機材を撤去して、岸壁の修復作業を終
了する。
【0041】そして、この実施例の岸壁の修復方法によ
れば、既設岸壁10の撤去及び再構築の作業中でも、内
陸沿岸部分の地盤25は自立構造体としての改良地盤1
2よって強固に防護されるとともに、背後の地盤25か
らの土圧を改良地盤12を山留め部材として支持するこ
とにより、既設岸壁10の背面の掘削領域19を必要最
小限の範囲に留め、かつ改良地盤12の表面を安定した
強固な地盤として、これが固化するまでの短期間の後、
沿岸施設として使用することを可能にすることができ
る。
【0042】また、この実施例により構築された岸壁構
造体13によれば、造成された改良地盤12は、岸壁の
修復作業が終了した後においても、背後の地盤中に残置
され、岸壁本体構造物としてのケーソン11とともに土
圧や波浪等による荷重を支持するので、ケーソン11
は、改良地盤12によって補強されて、大規模な地震等
の自然条件に対しても、より安定した岸壁を構成するこ
とになる。
【0043】さらに、この実施例では、ケーソン11と
これの背後に造成した改良地盤12との間の空隙部分1
9’を埋戻す作業を、セメントや石灰等の固化材を用い
て事前混合処理を行った土砂をこの空隙部分19’に投
入することによって行なうので、かかる埋戻し地盤1
9”が固化することにより、支持強度を発揮することに
なり、また、ケーソン11と改良地盤12とを一体化し
て、復旧した岸壁をさらに安定した構造とすることがで
きる。
【0044】一方、図2は、この発明の第2実施例を示
すものであり、この実施例は、上記自立構造体を、岸壁
の延長方向に延長するフラット壁30と、このフラット
壁の背面側に突出形成されたリブ壁31とからなるスー
パーリブ構造32によって構成する点のみが第1実施例
と相違するものである。
【0045】ここで、スーパーリブ構造32とは、大型
自立山留め壁を構成する地中壁体の構造として従来より
公知のもので、図3に示すように、いわゆる剛接ジョイ
ント工法を用いて構築された山留め壁としてのフラット
壁30すなわちフラットパネルと、このフラットパネル
30の剛接部分33に構築される、フラットパネル30
の後方に突出するT字型杭を併用したリブ壁31すなわ
ちリブパネルとからなり、かかるスーパーリブ構造32
の平面形状に即して、岸壁の延長方向に沿って地中に掘
削形成した連続溝に、鉄筋篭34を挿入した後コンクリ
ートを打設して固化させることにより、迅速かつ容易に
強固な自立構造体を造成することができるものである。
【0046】そして、この第2実施例にかかるスーパー
リブ構造32からなる自立構造体によっても、第1実施
例の場合と同様に、既設岸壁10の背面の掘削領域を必
要最小限の範囲に留め、かつこれの背面の地盤を短期間
で沿岸施設として使用することを可能にすることがで
き、また岸壁の修復作業が終了した後は、このスーパー
リブ構造32からなる自立構造体がケーソン11を補強
して、より安定した岸壁を構成することができる。
【0047】なお、上記いずれの実施例の場合において
も、自立構造体の背面には、さらに地盤改良35を造成
して人工地盤の液状化対策を行なうことができる。
【0048】また、この発明で造成する自立構造体は、
上記各実施例のものに限定されるものではなく、これら
の他にも、例えば、鋼製の矢板を間隔をおいて2列に打
ち込み、これの上端部分を巾止めして、鋼製の矢板とこ
れによって挟まれる地盤とによって自立構造体とするこ
ともできる。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
岸壁の修復方法によれば、既設岸壁の背面側に自立構造
体を造成して復旧作業を行なうので、かかる復旧作業を
行なうために長期間占有することになる岸壁の背部の作
業領域を低減して、復旧作業中でも岸壁の背部の地盤面
を沿岸施設として短期間で有効利用することを可能にす
るとともに、岸壁の修復が完了した後は、この自立構造
体によって岸壁本体構造物を補強して、安定した岸壁を
経済的かつ効率良く再構築することができる。
【0050】また、自立構造体を造成する作業は、岸壁
背後の内陸沿岸部分における作業に適した工法として、
深層混合処理工法により地盤を固化させて造成する方法
や、あるいは岸壁本体構造物の延長方向に延長するフラ
ット壁と、このフラット壁の背面側に突出形成されたリ
ブ壁とからなるスーパーリブ構造を地中に設けることに
より造成する方法を用いて容易に行なうことができると
ともに、据え付けた岸壁本体構造物と前記自立構造体と
の間を埋戻す工程を、固化材を用いて事前混合処理を行
った土砂を使用して行なえば、これを固化させて支持強
度を発揮させるとともに、自立構造体と岸壁本体構造物
との一体化を図って、復旧した岸壁をさらに安定した構
成とすることができる。
【0051】そして、この発明の岸壁構造体によれば、
ケーソン等からなる岸壁本体構造物と、この岸壁本体構
造物の背面側に造成される自立構造体とからなり、岸壁
本体構造物のみならず自立構造体によっても、周囲の地
盤からの土圧や波浪等による荷重を支持することができ
るので、岸壁本体構造物が、自立構造体によって強固に
補強されて、大規模な地震等の自然条件に対して効率良
く安定して抵抗することができる。
【0052】また、岸壁本体構造物を補強する自立構造
体は、深層混合処理工法による改良地盤や、フラット壁
とリブ壁とからなるスーパーリブ構造等によって、岸壁
背後の内陸沿岸部分の地盤中に容易に設けることができ
るとともに、岸壁本体構造物と自立構造体をとの間の埋
戻し地盤を、固化材を用いて事前混合処理を行った土砂
によって造成すれば、かかる埋戻し地盤に支持強度を発
揮させ、かつ自立構造体と岸壁本体構造物との一体化を
図って、より安定した岸壁を提供することが可能にな
る。
【0053】なお、この発明の岸壁構造体は、上記岸壁
の修復方法によって再構築されるものに限定されるもの
ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例にかかる岸壁の修復方法
及び岸壁構造体の施工状況を説明する横断面図である。
【図2】この発明の第2実施例にかかる岸壁の修復方法
及び岸壁構造体の施工状況を説明する横断面図である。
【図3】この発明の第2実施例にかかる岸壁の修復方法
及び岸壁構造体において造成される、スーパーリブ構造
による自立構造体の構成を示す概略斜視図である。
【図4】従来の岸壁の修復方法の施工状況を説明する横
断面図である。
【符号の説明】
10 既設岸壁 11 ケーソン(岸壁本体構造物) 12 改良地盤(自立構造体) 13 岸壁構造体 15 基礎 19 掘削地盤 19” 埋戻し地盤 20 埋立て地盤 30 フラット壁 31 リブ壁 32 スーパーリブ構造(自立構造体)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設岸壁を撤去して再構築することによ
    り岸壁の復旧を行なう岸壁の修復方法であって、既設岸
    壁と間隔を置いてこれの背面側の地盤中に自立構造体を
    造成する工程と、造成した自立構造体と既設岸壁との間
    の地盤を掘削除去するとともに、前記既設岸壁を撤去す
    る工程と、撤去した既設岸壁の基礎部分を整備して、再
    構築する岸壁の基礎を造成する工程と、該造成した基礎
    上にケーソン等からなる岸壁本体構造物を据え付ける工
    程と、据え付けた岸壁本体構造物と前記自立構造体との
    間を埋戻す工程とからなることを特徴とする岸壁の修復
    方法。
  2. 【請求項2】 前記自立構造体を、深層混合処理工法に
    より地盤を固化させて造成することを特徴とする請求項
    1に記載の岸壁の修復方法。
  3. 【請求項3】 前記自立構造体を、前記岸壁本体構造物
    の延長方向に延長するフラット壁と、このフラット壁の
    背面側に突出形成されたリブ壁とからなるスーパーリブ
    構造を地中に設けることにより造成することを特徴とす
    る請求項1に記載の岸壁の修復方法。
  4. 【請求項4】 前記据え付けた岸壁本体構造物と前記自
    立構造体との間を埋戻す工程を、固化材を用いて事前混
    合処理を行った土砂を使用して行なうことを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の岸壁の修復方
    法。
  5. 【請求項5】 岸壁の前端部分において海底面に造成さ
    れた基礎上に据え付けられる、ケーソン等からなる岸壁
    本体構造物と、該岸壁本体構造物の背面側に造成される
    自立構造体とからなることを特徴とする岸壁構造体。
  6. 【請求項6】 前記自立構造体が、深層混合処理工法に
    より地盤を固化させて造成した改良地盤によって構成さ
    れることを特徴とする請求項5に記載の岸壁岸壁構造
    体。
  7. 【請求項7】 前記自立構造体が、前記岸壁本体構造物
    の延長方向に延長するフラット壁と、このフラット壁の
    背面側に突出形成されたリブ壁とからなるスーパーリブ
    構造によって構成されることを特徴とする請求項5に記
    載の岸壁構造体。
  8. 【請求項8】 前記岸壁本体構造物とこれの背面側に造
    成した前記自立構造体との間には、固化材を用いて事前
    混合処理を行った土砂からなる埋戻し地盤が造成される
    ことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載
    の岸壁構造体。
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