JPH08288206A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法

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JPH08288206A
JPH08288206A JP7112521A JP11252195A JPH08288206A JP H08288206 A JPH08288206 A JP H08288206A JP 7112521 A JP7112521 A JP 7112521A JP 11252195 A JP11252195 A JP 11252195A JP H08288206 A JPH08288206 A JP H08288206A
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 倍率補正手段のみで、マスクの熱変形に起因
する光学特性の変化に対して良好な補正を行なう。 【構成】 主ブラインド52により露光光によって照射
されるレチクルR上の照射領域が設定され、この設定さ
れた照射領域に関する情報と既知のレチクルR上のパタ
ーンの分布情報とに基づいて、露光光の照射時にレチク
ルRの伸縮に関する物理量が、照射領域においてほぼ均
一となるように、赤外線照射コントローラ66では、副
ブラインド60調整した状態で赤外線を照射する。この
ようにしてレチクルRの伸縮が調整された状態で、倍率
調整機構18では、レチクルRの伸縮に関する物理量に
基づいて、ウエハ上に形成されるレチクルRのパターン
の像の倍率を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、露光装置及び露光方法
に係り、更に詳しくは、マスクに形成されたパターンの
像を感光基板上に形成する露光装置及び露光方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体集積回路や液晶基板の
製造用に供される投影露光装置では、投影光学系が露光
光を吸収することによって生じる結像特性(例えば、倍
率、焦点位置)の変化を補正するため、例えば、投影光
学系を構成する各レンズエレメントを光軸方向に移動さ
せたり、光軸に直交する面に対して傾けたり、あるいは
レンズエレメント間の気密空間の圧力を調整したりす
る、結像特性の補正手段が設けられている。例えば、結
像特性の変動特性に基づいて投影光学系が露光光を吸収
することによって生じる結像特性を良好に維持すること
は可能である(特開昭63−58349号公報等参
照)。
【0003】しかしながら、露光光線はマスクをも通過
するため、マスクが露光光の吸収によって熱変形し、こ
れによって結像特性の変化が生じるという問題がある。
かかる問題点を改善すべく、例えば、特開平4−192
317号公報には、照明光(露光光)の吸収によるマス
クの熱変形量を求め、これに基づいて結像状態の変化を
予測し、この予測結果を用いて上記結像状態の補正手段
を用いて結像状態の変動による影響を最小に抑えようと
する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たマスクの平均的な伸縮量を計算し、倍率補正手段によ
り倍率を補正する手法にあっては、ブラインドを用いて
露光光の照射領域を設定してマスクの一部を照射する場
合や、マスクのパターンの不均一により露光光吸収に場
所依存性がある場合、即ちマスクの伸縮量が不均一にな
る場合には、倍率補正が困難であるという不都合があっ
た。さらに、マスクのパターンが均一な場合であっても
マスクの中心から同心円に近い形で温度分布が発生して
マスクの伸縮量が線形にならないという不都合もあっ
た。
【0005】一方、上記特開平4−192317号公報
に記載の技術にあっては、マスクの熱変形量を求め、さ
らにこの熱変形量から光学計算あるいは実測に基づく定
式化によって結像状態の変化を求める(予測する)こと
が必要であることから、この結像状態の変化を求めるた
めに、複雑な演算を行なわなければならなかった。ま
た、上記公報に記載の技術では、結像状態の変化を正確
に求めることができたとしても、倍率のみでなく、投影
光学系の光軸に対して対称でない変形(ディストーショ
ン等)をも補正可能な複雑な構成の結像特性の補正手段
を具備していなければ、マスクの熱変形に起因する光学
特性の変化に対し十分な補正を行なうことができないと
いう不都合もあった。
【0006】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなされたもので、その目的は、結像状態の変化
を求めるための複雑な演算を行なうことなく、倍率変動
を補正するのみで、マスクの熱変形に起因する光学特性
の変化に対して良好な補正を行なうことができる露光装
置及び露光方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来のように、マスクの
熱変形による結像特性の変化を正確に演算により求める
のではなく、マスクの熱変形量を全体的に均一化する場
合には、マスクの熱変形に起因する光学特性の変化を倍
率補正手段のみで良好に補正することが可能である。即
ち、マスクの熱変形を自由にさせるのではなく、マスク
に意図的にマスクパターンの結像状態の変化を補正しや
すい熱変形を与えることにより、マスクの熱変形に起因
するマスクパターンの結像状態の変化を容易に補正でき
る。本発明は、かかる解決原理の下、以下の構成を有す
る。
【0008】請求項1記載の発明は、露光用の光源から
射出される第1の波長特性の光によりマスクを照射し、
当該マスク上のパターンの像を感光剤が塗布された基板
上に形成する露光装置であって、前記第1の波長特性の
光によって照射される前記マスク上の照射領域を設定す
る照射領域設定手段と;前記設定された照射領域に関す
る情報と既知の前記マスク上のパターンの分布情報とに
基づいて、前記第1の波長特性の光の照射時に前記マス
クの伸縮に関する物理量が、前記マスク全体においてほ
ぼ均一となるように、前記マスクの伸縮を調整する伸縮
調整手段と;前記マスクの伸縮に関する物理量に基づい
て、前記マスクのパターンの像の倍率を調整する倍率調
整系とを有する。
【0009】この場合において、前記伸縮調整手段は、
前記感光剤を感光しない第2の波長特性の光を射出する
光源と、前記設定された照射領域に関する情報と既知の
前記マスク上のパターンの分布情報とに基づいて前記第
2の波長特性の光によって照射される前記マスク上の照
射領域を設定する第2の照射領域設定手段とを含んで構
成することができる。
【0010】あるいは、前記伸縮調整手段は、前記マス
クの周辺部に配置されたヒータと、前記設定された照射
領域に関する情報と前記マスク上のパターンの分布情報
とに基づいて前記ヒータの温度を調整する温度制御系と
を含んで構成しても良い。
【0011】また、前記倍率調整系は、前記第1の波長
特性の光のエネルギを入力する入力手段と、前記マスク
のパターンの像の倍率を変化させる倍率調整機構と、前
記入力された第1の波長特性の光のエネルギと前記マス
クの伸縮に関する物理量とに基づいて前記倍率調整機構
を制御する制御系とを含んで構成することができる。
【0012】さらに、前記マスクのパターンの像は投影
光学系を介して前記感光基板上に形成されても良く、か
かる場合は、前記倍率調整系は、前記投影光学系のエネ
ルギ吸収によって変化する前記投影光学系の結像特性の
変化を調整する手段であることが望ましい。
【0013】請求項6記載の発明は、薄膜と枠部材とを
有するマスク保護部材が装着されたマスクを露光光によ
り照射し、該マスク上のパターンの像を感光基板上に形
成する露光装置であって、前記マスク保護部材と前記マ
スクとで形成される空間若しくは前記マスク保護部材の
温度を検出する温度センサと;前記温度センサの出力に
基づいて、前記空間若しくは前記マスク保護部材の温度
を調整する温度調整機構とを有する。
【0014】請求項7記載の発明は、マスクを露光光に
よって照射し、前記マスク上のパターンの像を感光基板
上に形成する露光方法において、前記マスクの伸縮に関
する物理量が少なくとも前記マスク上の前記露光光の照
射領域内においてほぼ均一となるように前記マスクの伸
縮を調整した状態で、前記パターンの像を前記感光基板
上に形成すること特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明によれば、照射領域設定手
段では、第1の波長特性の光(露光光)によって照射さ
れるマスク上の照射領域を設定する。伸縮調整手段で
は、設定された照射領域に関する情報と既知のマスク上
のパターンの分布情報とに基づいて、第1の波長特性の
光の照射時にマスクの伸縮に関する物理量(例えば、マ
スクの温度、伸縮量、あるいは温度の伸縮量への変換値
等)が、少なくともマスク上の照射領域においてほぼ均
一となるようにすることにより、マスクの伸縮を調整す
る。このようにしてマスクの伸縮が調整された状態で、
倍率調整系では、マスクの伸縮に関する物理量に基づい
て、マスクのパターンの像の倍率を調整する。
【0016】この状態で露光用の光源から射出される第
1の波長特性の光によりマスクが照射されると、当該マ
スク上のパターンの像の倍率が調整されて感光剤が塗布
された基板(以下、「感光基板」という)上に形成され
る。
【0017】これによれば、マスクの伸縮が調整(一様
な伸縮量となるように調整)された段階で倍率調整系に
よりパターンの像の倍率が調整されるので、結像状態の
変化を求めるための複雑な演算を行なうことなく、且つ
倍率変動を補正するのみで、マスクの熱変形に起因する
マスクパターンの結像状態の変化に対して良好な補正が
可能となる。
【0018】請求項6記載の発明によれば、温度センサ
では、マスク保護部材とマスクとで形成される空間若し
くはマスク保護部材の温度を検出する。温度調整機構で
は、温度センサの出力に基づいて、前記空間若しくはマ
スク保護部材の温度を調整する。
【0019】このため、露光光の照射によりマスク保護
部材とマスクとで形成される空間若しくはマスク保護部
材の温度がマスクの他の部分より温度が上昇した場合
に、当該空間若しくはマスク保護部材の温度が他の部分
とほぼ等しくなるように、温度調整機構により調整され
る。
【0020】請求項7記載の発明によれば、マスクの伸
縮に関する物理量が少なくともマスク上の露光光の照射
領域内においてほぼ均一となるようにマスクの伸縮を調
整した状態で、パターンの像が感光基板上に形成され
る。従って、形成されるパターンの像の倍率補正のみを
行なうだけで、マスクの熱変形に起因する光学特性の変
化に対して良好な補正が可能となり、マスクのパターン
を感光基板上のパターンに正確に重ね合わせることがで
きる。
【0021】
【実施例】
《第1実施例》以下、本発明の第1実施例を図1ないし
図3に基づいて説明する。図1には、第1実施例に係る
露光装置としての投影露光装置10の概略構成が示され
ている。
【0022】この投影露光装置10は、図1における紙
面直交面内(XY平面内)を2次元移動するウエハステ
ージ12と、このウエハステージ12の移動面に直交し
て光軸AXが配置された投影光学系としての投影レンズ
PLと、投影レンズPLの上方に配置されたマスクとし
てのレチクルRと、第1の波長特性の光(露光光)を射
出する露光用の光源としての主光源14と、第2の波長
特性の光を射出する光源としての副光源16と、露光光
ILの照射光学系と、第2の波長特性の光の照射光学系
と、倍率調整機構18と、これらの制御系等を備えてい
る。
【0023】ウエハステージ12には図示しないモータ
を含んで構成されるステージ駆動部20が併設されてい
る。このウエハステージ12の移動位置は図示しない光
波干渉計により検出されるようになっており、この光波
干渉計の出力に基づいてステージ駆動部20が主制御部
22に駆動制御されることにより、ウエハステージ12
がX、Y座標軸上を2次元移動する構成となっている。
このウエハステージ12上にはウエハホルダ24が設け
られており、このウエハホルダ24上に感光基板として
のウエハWが真空吸着により保持されている。
【0024】また、ウエハステージ12には照射量セン
サ26が設置されている。この照射量センサ26の受光
面(計測面)とウエハWの表面とはほぼ同じ高さであ
る。照射量センサ26により投影レンズPLを介してウ
エハWに照射される露光光ILのパワー(エネルギ)を
測定できるようになっている。
【0025】投影レンズPLとしては、本実施例では両
側テレセントリックな投影レンズが使用されており、こ
の投影レンズPLは、実際には光軸AX方向(Z方向)
に沿って配置された複数のレンズエレメント(いずれも
図示省略)を含んで構成されている。
【0026】レチクルRは、投影レンズPLの光軸AX
と直交する面内でX、Y、θ方向に微動するレチクルス
テージ28上に保持されている。このレチクルRのパタ
ーン面は、投影レンズPLに関しウエハWの表面と共役
となっている。
【0027】主光源14は、例えば、超高圧水銀ラン
プ、エキシマレーザ(KrF、ArF)、YAGレーザ
等を含み、g線、i線、エキシマ光(波長248nm:
KrF、193nm:ArF)、YAGレーザの高調波
(波長200nm以下)等のウエハW上に塗布された感
光剤としてのレジストを感光する第1の波長特性の光
(露光光)ILを発生する。
【0028】露光光ILをレチクルR上に照射する照射
光学系は、主光源14から出射された露光光ILを反射
して水平に折曲げるミラー30と、このミラー30によ
り反射された露光光ILの進行方向先に順次配置された
オプチカルインテグレータ(フライアイレンズ)等を含
むフライアイ光学系32、リレー光学系34と、レチク
ルRの上方にほぼ45度で斜設されたダイクロイックミ
ラー36と、このダイクロイックミラー36とレチクル
Rとの間に配置されたメインコンデンサレンズ38と、
を含んで構成されている。主光源14とミラー30との
間には、露光光ILの光路を開閉するシャッター40が
設けられており、このシャッター40は駆動部42を介
してシャッター制御回路44によって駆動されるように
なっている。また、フライアイ光学系32の出口には、
照明系絞り46が配置されている。更に、この照明系絞
り46と前述したリレー光学系34との間には、ハーフ
ミラー(ビームスプリッタ)48が配置されており、こ
のハーフミラー48で反射された露光光ILの一部がP
INフォトダイオード等のインテグレータセンサ(パワ
ーモニタ)50で測定され、露光光ILのパワー(エネ
ルギー)がモニタされるようになっている。
【0029】また、リレー光学系34の中には、レチク
ルR上の露光光ILの入射領域を設定するための主ブラ
インド52が設けられており、この主ブラインド52は
レチクルRのパターン面と共役に配置されている。この
主ブラインド52は主ブラインド駆動部54により駆動
される。本第1実施例では、主ブラインド52と主ブラ
インド駆動部54とによって、照射領域設定手段が構成
されている。
【0030】副光源16としては、レジストを感光しな
い第2の波長特性の光、本実施例では赤外線IRを射出
する光源が使用されている。
【0031】この赤外線IRをレチクルRに照射する照
射光学系は、光学系56と、リレー光学系58と、前述
したメインコンデンサレンズ38とを含んで構成されて
いる。リレー光学系58の中には、レチクルRのパター
ン面と共役となる位置に副ブラインド60が設けられて
いる。この副ブラインド60は、例えば図2に示される
ような16行16列のマトリクス状に配置された液晶素
子やフォトクロミック素子等の光電素子(以下、「液晶
素子」という)60Aから成る。各液晶素子60Aは、
副ブラインド駆動部62からの電気信号により独立にオ
ン・オフ(ON/OFF)されるようになっている。従
って、副ブラインド駆動部62では、副光源16から出
た赤外線IRを副ブラインド60の任意の位置で透過さ
せたり、不透過にしたりすることが可能である。
【0032】倍率調整機構18は、投影レンズPLの露
光光(具体的にはレチクルRを透過した光)ILの入射
による光学特性(倍率)の変動を補正するためのもので
ある。この倍率調整機構18としては、本実施例では投
影レンズPLを構成する特定のレンズエレメント間の気
密空間の圧力を増減するものが使用されている。なお、
この倍率調整機構として例えば、投影レンズPLを構成
する一部のレンズエレメントを圧電素子、磁歪素子等の
駆動素子により光軸AX方向に駆動させたり、傾けた
り、回転させたりするものを使用してもよい。
【0033】この投影露光装置10の制御系は、前述し
たシャッター制御回路44、倍率補正コントローラ6
4、赤外線照射コントローラ66及び装置全体を制御す
る主制御部22等から構成されている。
【0034】この内、赤外線照射コントローラ66は、
マイクロコンピュータ等から構成されている。この赤外
線照射コントローラ66には、シャッタ制御回路44か
らのシャッタ開閉制御信号と、インテグレータセンサ5
0で検出されたエネルギ値と、主ブラインド駆動部54
で設定されたレチクルR上の露光光ILの照射領域の情
報とが入力されるようになっている。また、この赤外線
照射コントローラ66の内部メモリにはレチクルR上の
パターンの分布情報が予め格納されている。
【0035】このレチクルR上のパターンの分布情報と
しては、例えば、照射量センサ26をフォトダイオード
アレー等から構成し、この照射量センサ26を用いてレ
チクルRのパターン領域を多数ブロックに分割した各ブ
ロックの露光光ILのレチクル透過率を、レチクルRが
ある状態での照射量センサ26の値とない状態での照射
量センサ26の値との比をとることによって予め測定
し、各ブロック毎のパターンの存在率を求め、これをパ
ターンの分布情報とすることができる。あるいは、照射
量センサ26の受光面を各分割されたブロックに対応す
る面積に設定してこの照射量センサ26が投影レンズP
Lの下方で2次元走査されるようにウエハステージ12
を移動制御して、レチクルRがある状態での照射量セン
サ26の値とない状態での照射量センサ26の値との比
をとることによって各ブロック毎のパターンの存在率を
求めてもよい。
【0036】赤外線照射コントローラ66では、主ブラ
インド駆動部54で設定されたレチクルR上の露光光I
Lの照射領域の情報と、内部メモリ内に格納されたパタ
ーン分布情報とに基づいて、露光光ILの照射によりレ
チクルRに生じる伸縮量(熱変形量)の分布を露光前に
予測し、この予測した伸縮量の分布に基づいて後述する
ようにして副ブラインド駆動部62を制御する。
【0037】倍率補正コントローラ64には、シャッタ
制御回路44からシャッタ開閉制御信号が入力されてい
る。この倍率コントローラ64の具体的な制御動作につ
いては後述する。また、主制御部22には、レチクルR
のパターンを形成するクロム等の遮光部材の種類、熱吸
収率、熱膨張係数等がキーボード等から予め入力され、
そのメモリ内に格納されている。
【0038】次に、上述のようにして構成された本第1
実施例の作用を説明する。
【0039】レチクルRのパターンをウエハWに転写す
る工程において、実際のウエハWの露光ショットの露光
に先立ち、主制御部22からの命令に基づいて主ブライ
ンド駆動部54により所定の開口となるように主ブライ
ンド52が駆動され、露光光ILの照射領域が設定され
ると、この設定された照射領域の情報(主ブラインド5
2の開口情報)が赤外線照射コントローラ66に送られ
る。また、赤外線照射コントローラ66には、インテグ
レータセンサ50の出力も常時入力されるようになって
いる。また、インテグレータセンサ50の出力は主制御
部22にも出力される。主制御部22は、インテグレー
タセンサ50の出力に基づいて露光量(ブラインドの開
時間)を制御する。
【0040】赤外線照射コントローラ66では、照射領
域の情報と既知のパターンの分布情報とに基づいて露光
光ILの吸収によりレチクルRに生じる伸縮量(熱変形
量)の分布を演算する。
【0041】例えば、レチクルR上のパターンが一様分
布である場合には、露光光ILの照射される領域内では
レチクルRは大きく膨張し、露光光ILが照射されない
領域ではレチクルRはあまり膨張しないと予測される。
そこで、赤外線照射コントローラ66では、この予測結
果に基づいて副ブラインド駆動部62を制御して主ブラ
インド52の開口と反転するように副ブラインド60の
透過部を設定する。例えば、主ブラインド52の開口を
介してレチクルRの中心部(図2の黒ぬりで示された領
域)に露光光ILが照射される場合には、図2に示され
るように、中心部(図2に黒ぬりで示された領域)60
Bが不透過、外周部(図2のマトリクスで示された領
域)60Cが透過となるように副ブラインド60の透過
部を設定する。これにより、実際の露光時には、露光光
ILが照射されない領域部分に赤外線が照射されること
となり、レチクルRの伸縮量(膨張量)が全体的に等方
かつ均一に近い状態となる。
【0042】また、例えば、レチクルRの中心部(図3
の黒ぬりで示された領域60B1 と斜線で示された領域
60D1 )に露光光が照射され、図3のレチクルRのパ
ターン領域内の右上部分60D1 のパターンの存在率が
小さいようなパターン分布である場合には、該部分の膨
張量も非常に小さいと予測されるので、赤外線照射コン
トローラ66では、この部分60D1 に露光光ILと共
に赤外線IRを照射し、及び前述の外周部60C1 に赤
外線IRが照射されるように、副ブラインド駆動部62
を制御する。すなわち、外周部60C1 と右上部分60
1 が透過となるように副ブラインド60の透過部を図
3に示されるように設定する。この場合にも、実際の露
光時に露光光ILとともに赤外線IRがレチクルRに照
射された場合には、レチクルRの伸縮量(膨張量)が全
体的に等方かつ均一に近い状態となる。このように、本
第1実施例では、副ブラインド60、副ブラインド駆動
部62及び赤外線照射コントローラ66によって、第2
の照射領域設定手段が構成され、更に、この第2の照射
領域設定手段と副光源16とによって伸縮調整手段が構
成されている。
【0043】以上のように赤外線IRをレチクルRに照
射することにより、レチクルRの伸縮量(あるいは熱分
布)がレチクルの全体においてほぼ均一となる。
【0044】レチクルRの伸縮量(あるいは熱分布)が
レチクルの全体でほぼ均一となるので、レチクルの熱膨
張によるレチクルのパターンの投影像はほぼ等方的に倍
率変化(レチクルの中心を基準として点対称となるよう
に変化)する。従って、レチクルRの伸縮量(あるいは
熱分布)がレチクルの全体でほぼ均一となった後は、レ
チクルのパターンの投影像の倍率変化のみを補正すれば
よい。
【0045】レチクルRがほぼ均一に伸縮しているとみ
なせるので、倍率補正コントローラ64は、主制御部2
2のメモリ内に格納されたレチクルRのパターンの熱膨
張係数と露光光のエネルギによって、レチクルRの露光
時の伸縮量を算出する。
【0046】レチクルRのパターンの露光時の伸縮量と
レチクルパターンの投影像の倍率変化との関係を実験あ
るいは計算により予め求めておき、次にこのレチクルR
の実際の伸縮量に基づいて、レチクルパターンの投影像
の倍率変化を求める。
【0047】倍率調整機構18の制御量とレチクルのパ
ターンの投影像の変化との関係を実験あるいは計算等に
より予め求めておき、倍率補正コントローラ64はレチ
クルパターンの投影像の倍率変化がほぼ零となるよう
に、倍率調整機構18を制御する。具体的には、倍率調
整機構18は、例えば投影光学系PLの特定部分の各レ
ンズエレメント間の気体の屈折率を変えたり(気体の圧
力を変えたり)、レンズエレメントを投影光学系PLの
光軸に沿って、あるいは光軸と垂直な平面内で移動、回
転するものである。
【0048】また、露光光がレチクルRに入射した時の
レチクルRの伸縮量を、フラインド22によって設定さ
れた照射領域とパターンの分布情報とパターンの熱膨張
係数とに基づいてレチクルRの実際の伸縮量を求めて、
この実際の伸縮量に基づいて主制御部22は伸縮調整手
段と倍率調整機構18との両方を制御する。
【0049】なお、本第1実施例の場合は、赤外線照射
コントローラ66には、インテグレータセンサ50の出
力も常時入力されていることから、露光光ILの強度が
わかる。この露光光の強度を使って赤外線照射コントロ
ーラ66では、例えば、特開平4−192317号に開
示されているような手法により、レチクルRのパターン
を形成するクロム等の遮光部材の種類、熱吸収率をも考
慮し、数値計算によってレチクルR内の代表的な数点の
熱変形量を求めるようにして、レチクルRの実際の伸縮
量を求めるようにしても良い。このようにする場合に
は、赤外線照射コントローラ66がレチクルRの伸縮量
の分布をより一層厳密に予測することができるので、副
ブラインド60を16行16列以上に細分化し、伸縮量
の分布に応じて当該副ブラインド60を構成する各液晶
素子60Aのオン・オフ制御をより緻密に行なうように
することが望ましい。
【0050】ウエハWの露光ショットの露光開始前に、
主ブラインド52と副ブラインド60とが前述した手順
で設定された後、主制御部22は、照射量センサ26が
投影レンズPLの下方に位置するようにウエハステージ
12をステージ駆動部20を介して駆動する。次いで、
主制御部22は、シャッタ制御回路44を介してシャッ
タ40を開くと、このシャッタ40の開閉制御信号に基
づいて赤外線照射コントローラ66により副光源16が
オンされて露光光ILと共に赤外線IRがレチクルR及
び投影レンズPLを介して照射量センサ26に照射され
る。照射量センサ26ではレチクルR及び投影レンズP
Lを透過する光量を測定する。この照射量センサ26の
出力は、主制御部22に入力される。主制御部22で
は、この照射量センサ26の測定値をメモリに記憶する
と共に、主制御部22から赤外線照射コントローラ66
にも送られるようになっている。主制御部22は常時、
インテグレータセンサ50の出力をモニタしているの
で、インテグレータセンサ50の出力値と照射量センサ
26の出力値との比を一定とするように、赤外線照射コ
ントローラ66は赤外線IRのエネルギ(光量)を補正
する。この結果、主光源14の劣化などによる像面パワ
ーの経時変化をキャンセルできる。
【0051】このようにして事前準備が完了すると、主
制御部22により、ウエハステージ12が、ウエハWの
ショット配列座標に基づいてウエハW上のファーストシ
ョットが投影レンズPLの投影視野内に位置決めされる
ように駆動され、シャッタ制御回路44が制御されてフ
ァーストショット上にレチクルのパターンが転写(露
光)される。この転写工程の露光が始まると、赤外線照
射コントローラ66では、シャッター40の開閉に同期
して副光源16からの赤外線IRがレチクルRに照射さ
れるように、副光源16のオンオフをも管理する。
【0052】露光中、主光源14を出た露光光ILは、
シャッター14が開状態にあるとき、ミラー30で反射
され、フライアイ光学系32、リレー光学系54を通っ
てダイクロイックミラー36で反射され、コンデンサレ
ンズ38で集光されてレチクルRに入射する。このと
き、レチクルRのパターン領域にほぼ一致するように露
光光ILの照射領域が主ブラインド52によって設定さ
れているものとすれば、レチクルR上に形成されたパタ
ーンが投影レンズPLを介して共役位置にあるウエハW
に転写される。そして、ウエハステージ12の移動と露
光とを繰り返すことにより、ウエハW上にレチクルのパ
ターンが逐次転写される。
【0053】このようにして、主制御部22によってい
わゆるステップ・アンド・リピート方式でレチクルRの
パターンがウエハ上に転写されるが、この露光中、上記
のようにして赤外線照射コントローラによりレチクルR
の伸縮量が均一となるように調整される。これと共に倍
率コントローラ64により、公知の方法、例えば、特開
昭60−78454号公報や、特開昭62−13682
1号公報等に開示されているような以下の方法で露光光
IL及び赤外線IRの吸収による投影レンズPLの熱変
形による結像特性,例えば投影レンズの光学特性(倍
率)の変動補正がなされる。
【0054】即ち、この倍率補正コントローラ64の内
部メモリには、投影レンズPLの倍率変動特性上の時定
数(減衰特性)、先に測定された投影レンズPLを透過
した主として露光光ILの全体的な光量(エネルギ)、
及び圧力調整量に対する倍率変化(係数)等のデータが
予め記憶されている。即ち、本実施例では、露光光のエ
ネルギ(値)を予め記憶する内部メモリが入力手段の役
目を果たしている。露光光のエネルギを予め測定した
後、入力手段としてキーボード等を設けてキー入力して
もよい。
【0055】倍率補正コントローラ64では、シャッタ
ー制御回路44からシャッター40の開状態と閉状態と
の単位時間(サンプリング時間)内におけるデューティ
比を表わす信号を入力して結像特性の変動の現時点にお
ける予測情報を作り出し、これと圧力調整量に対する倍
率変化との関係とに基づいて倍率調整機構18を制御す
る。
【0056】これを更に詳述すると、この倍率補正コン
トローラ64では、露光光のエネルギと、デューティ比
と、予め実験等で求めておいた比例定数を用いて単位時
間内において入射した露光光ILの積算的なエネルギー
量に対応した変動量を算出し、前回の単位時間の終了時
における変動量の単位時間の経過後の減衰値をメモリか
ら読み出し、これらの合計値として変動量を算出する。
なお、上記の減衰値の算出に際しては、前述の倍率変動
特性上の時定数(減衰特性)が用いられる。
【0057】そして、倍率補正コントローラ64では、
上で求められた変動量に基づいて投影レンズPLへの露
光光IL及び赤外線IRの入射により生じた変動分のみ
を補正するように倍率調整機構18を制御して、投影レ
ンズPLを構成する特定のレンズエレメント間の気密空
間の圧力を制御する。
【0058】倍率補正コントローラ64では、このよう
な倍率補正制御を露光が終了するまで単位時間間隔毎に
繰り返す。これにより、倍率調整機構18により、時事
刻々に倍率変動が補正される。このように、本第1実施
例では、倍率調整機構18と倍率補正コントローラ64
とによって、投影レンズPLのエネルギ吸収によって変
化する投影レンズPLの結像特性の変化までも補正す
る。
【0059】以上説明したように、本第1実施例による
と、前述したようにして赤外線照射コントローラ66に
より、シャッタ14の開閉に同期してレチクルRへの赤
外線IRの照射制御がなされ、露光光ILの吸収による
レチクルRの伸縮量が全体的に等方かつ均一となるよう
に副光源16から赤外線IRがレチクルRに照射される
ので、レチクルRに不均一な熱変形が生ずることがな
い。このため、上述したような手法により倍率補正コン
トローラが投影倍率の補正を行なうだけで、レチクルR
の熱変形に起因する光学特性を良好に補正することがで
きる。
【0060】なお、実施に当たっては、照射した赤外線
IRが投影レンズPLに吸収されることによる投影レン
ズPLの結像特性に影響が極力発生しないように、照射
した赤外線IRが投影レンズPLに入射しないような光
学系の構成、例えば赤外線を斜めの方からマスクに照射
するような構成にすることが一層望ましい。
【0061】また、副光源16側にもシャッタやインテ
グレータセンサを設置することによりきめ細かな制御が
可能である。
【0062】《第2実施例》次に、本発明の第2実施例
を図4ないし図6に基づいて説明する。ここで、前述し
た第1実施例と同一若しくは同等の構成部分については
同一の符号を付すと共に、その説明を簡略にし若しくは
省略するものとする。
【0063】図4には、第2実施例に係る露光装置とし
ての投影露光装置70の構成が概略的に示されている。
この実施例は、第1実施例における副光源16及びその
周辺の構成部分が省略され、赤外線照射コントローラ6
6に代えて温度制御手段としてのレチクル温調コントロ
ーラ72及び複数(ここでは、8つ)のヒータ74a、
74b、74c、74d、74e、74f、74g、7
4h(図5参照)が設けられている点に特徴を有する。
【0064】前記ヒータ74a〜74hは、図5に示さ
れるように、レチクルステージ28のプラテン部28A
の4角と各辺の中央部にそれぞれ各一つ配置され、これ
らのヒータ74a〜74hによってレチクルRが加熱
(加温)される構成になっている。これらのヒータ74
a〜74hは、レチクル温調コントローラ72によって
独立に制御されるようになっている。なお、本実施例で
は8ヵ所で温調しているが精度との兼合いで温調箇所は
任意に選択すればよい。
【0065】次に、レチクル温調コントローラ72によ
るレチクルRの温調制御について説明する。
【0066】まず、露光前に、レチクル温調コントロー
ラ72では、主ブラインド駆動部54からの照射領域情
報と既知のレチクルR上のパターン分布情報とからレチ
クルRの伸縮量の分布を推定する。この伸縮量の分布
は、調整時に数種のレチクルRと焼付け結果からモデル
を数パターン求めて、実露光時は数パターンの中から最
も近いものを選択するようにしてもよい。
【0067】この伸縮量の分布は、レチクルRの温度分
布と比例すると考えられるので、レチクル温調コントロ
ーラ72では、レチクルR上の温度が全体的に均一とな
るように、即ち伸縮量がレチクルR全面で等方かつ均一
となるようにヒータ74a〜74hの制御を行なう。
【0068】図6には、図5のO−A断面における実際
の温度分布曲線(温度分布モデル)と温度調節のための
補正温度曲線との関係が示されている。この図6を用い
て本実施例の温調制御について更に詳述する。
【0069】まず、レチクル温調コントローラ72で
は、O−A断面付近のパターン分布情報とレチクルRの
照射領域情報とに基づいて露光光ILの吸収によるレチ
クルRの温度分布曲線RT1 を演算によって予め求める
(推定する)。
【0070】次に、この推定した温度分布曲線RT1 に
基づいて、補正後に温度分布曲線RT2 のようにO−A
断面で温度が一定となるような補正温度分布曲線HTを
演算して求め、この補正温度分布曲線HTと同様な温度
補正がなれるようにヒータ74dを制御する。以上のよ
うなモデル計算、及びヒータの制御を全てのヒータ74
a〜74hに対して実行することにより、レチクルRの
温度分布が全面で均一に近い状態となり、伸縮量が第1
実施例と同様に等方かつ均一に近い状態となる。
【0071】例えば、図3の場合のように、レチクルR
の右上部分をより高温にする必要がある場合には、ヒー
タ74b、74c、74dの温度を他よりも高く設定す
ることにより、所望の温調効果が得られる。
【0072】その他の部分の構成及び作用は第1実施例
と同一である。これまでの説明から明らかなように、本
第2実施例ではヒータ74a〜74hとレチクル温調コ
ントローラ72とによって伸縮調整手段が構成されてい
る。
【0073】以上説明したように、本第2実施例による
と、第1実施例と同等の効果を得られる他、第1実施例
のように赤外線がレチクルRを透過して投影レンズPL
に照射されることがないので、投影レンズPL等は通常
温度からの変化が小さくなり、投影レンズPLの赤外線
吸収による結像性能(アスや湾曲など他の収差)が悪化
せず、しかも温調後の温度分布曲線RT2 からレチクル
Rの膨脹量が計算できるので、第1実施例と同様の手法
によって一層正確な倍率補正が可能となる。
【0074】なお、上記第1、第2実施例では、投影レ
ンズPL(投影光学系)を介してレチクルR(マスク)
上のパターンをウエハ(感光基板)上に転写する投影露
光装置に本発明が適用される場合を例示したが、本発明
の適用範囲はこれに限定されるものではなく、投影光学
系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用
できる。これらの場合であっても、露光光がマスク上の
一部に照射される場合には、マスクの熱変形量が均一と
ならず、従ってマスクの伸縮量を均一にする必要はある
からである。かかる場合には、マスク上の露光光の照射
領域の情報とマスク上のパターンの分布情報とがわかれ
ば、これらに基づいて、上記実施例で説明したような赤
外線の照射や、ヒータによる温調によりマスクの伸縮を
均一にすることができる。そして、マスクの熱変形(均
一な熱変形)によって生じる倍率変化分をマスクとウエ
ハの間隔を変えることにより補正すればよい。
【0075】また、上記第1実施例では、倍率調整機構
18と倍率補正コントローラ64にとによって、投影レ
ンズPLのエネルギ吸収によって変化する投影レンズP
Lの結像特性の変化までも補正する倍率補正系が構成さ
れる場合を例示したが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。感光基板上に形成されるマスク上のパターン
の像の倍率を変化させる倍率調整機構と、この倍率調整
機構を、露光光のエネルギとマスクの伸縮に関する物理
量、例えばマスクの温度とに基づいて制御する制御系と
によって、倍率補正系を構成した場合であっても、感光
基板上に形成されるマスク上のパターンの像の倍率の調
整は十分正確に行なうことができる。従って、マスクの
伸縮が均一化された後の状態では、このような倍率調整
系の構成もも有効である。
【0076】更に、上記第1、第2実施例で説明したよ
うなレチクルRの伸縮量の均一化のための調整は、レチ
クルR上の露光光ILの照射領域内で行なわれていれば
足り、必ずしもレチクルR全面で行なう必要はない。
【0077】また、上記第1、第2実施例の装置におい
て、図1、図4にそれぞれ仮想線で示されるように、ミ
ラー(ダイクロイックミラー)36の上方にレチクルR
の熱分布を計測するセンサ(温度分布センサ)200を
設け、このセンサ200により計測されるレチクルRの
熱分布に応じて副ブラインド60を構成する各液晶素子
60Aのオン・オフ制御を行なうようにしてもよい。こ
の場合において、熱分布を計測するセンサ200が、例
えば16行16列以上の分解能を有する場合は、副ブラ
インド60を16行16列以上に細分化して各液晶素子
60Aのオン・オフを制御すればよい。
【0078】《第3実施例》次に、本発明の第3実施例
について図7ないし図9に基づいて説明する。この第3
実施例は、第1実施例において副光源16及びその周辺
の構成部分が省略されるとともに、レチクルRに後述す
るマスク保護部材としてのペリクル80が装着され、更
にこのペリクル80内の温度を検出する温度センサ82
(図9参照)と、この温度センサ82の出力に基づいて
ペリクル80内が所定の温度となるように調整する温度
調節手段とが、設けられている点に特徴を有し、その他
の構成部分は第1実施例と同一である。従って、ここで
は上記の特徴部分についてのみ説明する。
【0079】図7には、レチクルRにペリクル80が装
着された状態が示されている。ここで、ペリクル80
は、ウエハ上に異物の像が形成されるのを避けるための
もので、透明の保護膜(薄膜)と所定の高さを有し保護
膜をレチクルから投影光学系の光軸方向に所定距離だけ
離して装備するための枠部材とをもつ構成体である。こ
の保護膜としては、露光光に対して透過性を持つ薄膜
(g線用又はi線用のもの)が使用されている。このペ
リクル80によってレチクルRに異物が付着することを
防止するとともに、保護膜上がレチクルから光軸方向に
所定距離だけデフォーカスしているので、保護膜上に付
着した異物の像はウエハ上に形成されない。
【0080】図7に示されるようにレチクルRにペリク
ル80を装着した状態で露光を行なうと、ペリクル80
内に熱がこもりレチクルRの温度が上昇し(実験ではペ
リクルの無い場合に比較して1.5倍の温度上昇を示し
た)、レチクルRの温度分布のむらが大きくなってしま
う。
【0081】本実施例では、図7に示されるように、ペ
リクル80の枠部材としてのフレームの相互に対向する
位置に吸気用の孔84A、排気用の孔84Bがそれぞれ
設けられている。また、レチクルステージ28上には、
孔84A、84Bの外側に、吸気ノズル88、排気ノズ
ル90がそれぞれ設けられている。これらの吸気ノズル
88、排気ノズル90は、矢印A、B方向又はこれと反
対方向に駆動部86(図9参照)により駆動され、孔8
4A、84Bの内部に挿入・離脱可能となっている。
【0082】図9には、これの吸気ノズル88、排気ノ
ズル90を含んで構成される温度調整手段100の構成
が示されている。
【0083】この温度調整手段100は、マイクロコン
ピュータから成るペリクル温調コントローラ92を中心
として構成されている。このペリクル温調コントローラ
92の入力側には、圧力センサ94及び前述した温度セ
ンサ82が接続されている。これらのセンサ94、82
は、排気ノズル90の先端に設けられている。
【0084】ペリクル温調コントローラ92の出力側に
は、駆動部86が接続され、さらにこの駆動部86には
吸気ノズル88、排気ノズル90が接続されている。従
って、吸気ノズル88、排気ノズル90は駆動部86を
介して図示しないペリクル温調コントローラにより前記
の如く駆動制御されるようになっている。さらに、この
ペリクル温調コントローラ92の出力側には、図示しな
いコンプレッサ、排気系、吸気系等を含んで構成される
吸排気装置96が接続されている。排気系、吸気系に
は、吸気弁、排気弁がそれぞれ設けられている。
【0085】このようにして構成された本第3実施例の
作用を説明する。図示しないレチクルローダによりペリ
クル80が装着されたレチクルRが搬送され、図7に示
されるように、レチクルステージ28上に移載される。
この場合、レチクルRは、レチクルステージ28の4角
の部分にそれぞれ設けられた図示しないレチクル保持部
材によって4点支持されている。レチクルステージ28
上にレチクルRが移載されると、図示しないレチクルア
ライメント系からの信号に基づいてレチクルステージが
X,Y、θ方向に微動され、レチクルアライメントが行
なわれる。
【0086】このレチクルアライメントが終了すると、
ペリクル温調コントローラ92では、駆動部86を介し
て吸気ノズル88、排気ノズル90を矢印A、B方向に
それぞれ駆動する。これにより、孔84A、84Bをそ
れぞれ介して吸気ノズル88、排気ノズル90の先端が
ペリクル80の内部に挿される(図8参照)。
【0087】この状態で、露光が始まると次第にペリク
ル80内の温度が上昇するので、ペリクル温調コントロ
ーラ92では温度センサ82の出力に基づいて吸排気装
置96を起動する。このとき、吸気弁、排気弁が開放さ
れる。これにより、排気ノズル90から冷却空気がペリ
クル80内に排出されると共に吸気ノズル88によりペ
リクル80内の空気が吸入され外部へ排出される。この
結果、ペリクル80内が冷却されてレチクルRの他の部
分との温度差が緩和されて、レチクルRの温度分布が一
様分布に近い状態となる。
【0088】従って、前述した第1、第2実施例と同様
にして倍率調整機構18によりレチクルRの熱変形によ
り生じる光学特性(倍率)の補正が可能となる。
【0089】なお、本第3実施例では温度センサ82の
出力に基づいてペリクル80内を冷却する場合について
例示したが、前述した第1、第2実施例で説明したよう
なレチクル伸縮モデル(あるいは温度上昇モデル)を作
成し、これに基づいて冷却空気の温度を計算で求めるよ
うにしてもよい。
【0090】厳密に言えば、ペリクル内の空気とレチク
ルRとの間には熱伝達により温度差が生じているので、
意識的に温度差をキャンセルするようにペリクル80内
温度を下げてレチクルRの部分的熱膨脹を抑さえるよう
にすれば、レチクルRの温度分布がより一層一様分布に
近い状態となる。
【0091】なお、上記第3実施例では、温度センサ8
2によりペリクル80の内部空間(レチクルRとペリク
ル80とで形成される空間)の温度を検出する場合を例
示したが、温度センサ82によりペリクル80そのもの
の温度(例えば、ペリクル80の枠部材の温度)を検出
するようにしても良い。
【0092】なお、実施に当たっては、ペリクル80の
フレームに設けられた孔84A、84Bの内側に開閉可
能な蓋を設け、この蓋を常時ばねにより外側に付勢する
ような構造にすることが、ペリクル本来の目的であるレ
チクルRへの異物付着の防止、ウエハ上に異物の像が形
成されることを防止という点からは望ましい。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
結像状態の変化を求めるための複雑な演算を行なうこと
なく、且つ簡単な構成の倍率補正手段を具備するのみ
で、マスクの熱変形に起因する光学特性の変化に対して
良好な補正を行なうことができるという従来にない優れ
た効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る投影露光装置の概略構成を示
す図である。
【図2】図1の副ブラインドの一構成例を示す平面図で
あって、一様パターン分布の場合にレチクル中心部に露
光光が照射される場合の設定状態を示す図である。
【図3】一様でないパターン分布の場合の図2の副ブラ
インドの設定状態の一例を説明するための図である。
【図4】第2実施例に係る投影露光装置の概略構成を示
す図である。
【図5】図4のレチクルステージ上のヒータの配置を示
す平面図である。
【図6】第2実施例に係るレチクルの温調原理を説明す
るための線図である。
【図7】第3実施例の主要部の構成を示す概略斜視図で
ある。
【図8】ペリクル内に吸気ノズルと排気ノズルの先端が
挿入された状態のペリクル近傍の平面図である。
【図9】第3実施例に係る温度調節手段の概略構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
10 投影露光装置(露光装置) 14 主光源(露光用の光源) 16 副光源(第2の波長特性の光を射出する光源、伸
縮調整手段の一部) 18 倍率調整機構(倍率調整系の一部) 52 主ブラインド(照射領域設定手段の一部) 54 照射領域設定手段 60 副ブラインド(第2の照射領域設定手段の一部、
伸縮調整手段の一部) 62 副ブラインド駆動部(第2の照射領域設定手段の
一部、伸縮調整手段の一部) 64 倍率補正コントローラ(倍率調整系の一部) 66 赤外線照射コントローラ(第2の照射領域設定手
段の一部、伸縮調整手段の一部) 70 投影露光装置(露光装置) 72 レチクル温調コントローラ(温度制御系、伸縮調
整手段の一部) 74a〜74h ヒータ(伸縮調整手段の一部) 80 ペリクル(マスク保護部材) 82 温度センサ 100 温度調整手段 IL 露光光(第1の波長特性の光) IR 赤外線(第2の波長特性の光) R レチクル(マスク) PL 投影レンズ(投影光学系) W ウエハ(基板)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光用の光源から射出される第1の波長
    特性の光によりマスクを照射し、当該マスク上のパター
    ンの像を感光剤が塗布された基板上に形成する露光装置
    であって、 前記第1の波長特性の光によって照射される前記マスク
    上の照射領域を設定する照射領域設定手段と;前記設定
    された照射領域に関する情報と既知の前記マスク上のパ
    ターンの分布情報とに基づいて、前記第1の波長特性の
    光の照射時に前記マスクの伸縮に関する物理量が、前記
    マスクの全体においてほぼ均一となるように調整するこ
    とにより、前記マスクの伸縮を調整する伸縮調整手段
    と;前記マスクの伸縮に関する物理量に基づいて、前記
    マスクのパターンの像の倍率を調整する倍率調整系とを
    有する露光装置。
  2. 【請求項2】 前記伸縮調整手段は、前記感光剤を感光
    しない第2の波長特性の光を射出する光源と、前記設定
    された照射領域に関する情報と既知の前記マスク上のパ
    ターンの分布情報とに基づいて前記第2の波長特性の光
    によって照射される前記マスク上の照射領域を設定する
    第2の照射領域設定手段とを含むことを特徴とする請求
    項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記伸縮調整手段は、前記マスクの周辺
    部に配置されたヒータと、前記設定された照射領域に関
    する情報と前記マスク上のパターンの分布情報とに基づ
    いて前記ヒータの温度を調整する温度制御手段とを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記倍率調整系は、前記第1の波長特性
    の光のエネルギを入力する入力手段と、前記マスクのパ
    ターンの像の倍率を変化させる倍率調整機構と、前記入
    力された第1の波長特性の光のエネルギと前記マスクの
    伸縮に関する物理量とに基づいて前記倍率調整機構を制
    御する制御手段とを含むことを特徴とする請求項1記載
    の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記マスクのパターンの像は投影光学系
    を介して前記感光基板上に形成され、前記倍率調整系
    は、前記投影光学系のエネルギ吸収によって変化する前
    記投影光学系の結像特性の変化を調整することを特徴と
    する請求項1記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 薄膜と枠部材とを有するマスク保護部材
    が装着されたマスクを露光光により照射し、該マスク上
    のパターンの像を感光基板上に形成する露光装置であっ
    て、 前記マスク保護部材と前記マスクとで形成される空間若
    しくは前記マスク保護部材の温度を検出する温度センサ
    と;前記温度センサの出力に基づいて、前記空間若しく
    は前記マスク保護部材の温度を調整する温度調整手段と
    を有する露光装置。
  7. 【請求項7】 マスクを露光光によって照射し、前記マ
    スク上のパターンの像を感光基板上に形成する露光方法
    において、 前記マスクの伸縮に関する物理量が少なくとも前記マス
    ク上の前記露光光の照射領域内においてほぼ均一となる
    ように前記マスクの伸縮を調整した状態で、前記パター
    ンの像を前記感光基板上に形成すること特徴とする露光
    方法。
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