JPH08290247A - コールドクルーシブル溶解用スターターおよび溶解方法 - Google Patents
コールドクルーシブル溶解用スターターおよび溶解方法Info
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- JPH08290247A JPH08290247A JP9409595A JP9409595A JPH08290247A JP H08290247 A JPH08290247 A JP H08290247A JP 9409595 A JP9409595 A JP 9409595A JP 9409595 A JP9409595 A JP 9409595A JP H08290247 A JPH08290247 A JP H08290247A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】活性金属合金鋳片を高歩留りで溶解、鋳造でき
るコールドクルーシブル溶解用スターターと、それを用
いる溶解方法の提供。 【構成】(1) 鋳造製品の主成分と同じ成分の金属素材ま
たは鋳造製品に類似する成分組成の金属素材から成る初
期溶解原料充填用の筒状容器2と、鋳造製品より高融点
の金属素材で作られ上記筒状容器に着脱自在に取り付け
られる引き抜き棒連結部3とで形成されていることを特
徴とするコールドクルーシブル溶解用スターター。 (2) 上記のスターターの筒状容器の内部に、この筒状容
器を構成する素材の成分組成と鋳造製品との成分組成の
差を補填する初期溶解原料を充填して溶解し、初期溶湯
プールを形成することを特徴とするコールドクルーシブ
ル溶解方法。 【効果】新規組成の合金も高歩留りで製造でき、コール
ドクルーシブル溶解法の適用合金種の範囲を広げること
ができる。
るコールドクルーシブル溶解用スターターと、それを用
いる溶解方法の提供。 【構成】(1) 鋳造製品の主成分と同じ成分の金属素材ま
たは鋳造製品に類似する成分組成の金属素材から成る初
期溶解原料充填用の筒状容器2と、鋳造製品より高融点
の金属素材で作られ上記筒状容器に着脱自在に取り付け
られる引き抜き棒連結部3とで形成されていることを特
徴とするコールドクルーシブル溶解用スターター。 (2) 上記のスターターの筒状容器の内部に、この筒状容
器を構成する素材の成分組成と鋳造製品との成分組成の
差を補填する初期溶解原料を充填して溶解し、初期溶湯
プールを形成することを特徴とするコールドクルーシブ
ル溶解方法。 【効果】新規組成の合金も高歩留りで製造でき、コール
ドクルーシブル溶解法の適用合金種の範囲を広げること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属、特に一般に市
場で入手することが困難な合金の鋳片をコールドクルー
シブル溶解法で製造する場合に用いる初期溶湯プール形
成用のスターターとそのスターターを使用する溶解方法
に関する。
場で入手することが困難な合金の鋳片をコールドクルー
シブル溶解法で製造する場合に用いる初期溶湯プール形
成用のスターターとそのスターターを使用する溶解方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】コールドクルーシブル溶解法はスリット
の入った水冷銅製るつぼの周りにコイルをセットし、高
周波誘導加熱によりるつぼ内の金属を溶解し、連続的に
引き抜いて冷却(鋳造)して鋳片を製造する方法である
(以下、このようにして製造されるものを「鋳造製品」
と記す)。この溶解法は、チタンやジルコニウム等の高
融点で化学的に活性な金属の溶解、鋳造に適し、スクラ
ップの有効利用が可能であるためにこれらの金属(合
金)の低コスト溶解法として注目されている。
の入った水冷銅製るつぼの周りにコイルをセットし、高
周波誘導加熱によりるつぼ内の金属を溶解し、連続的に
引き抜いて冷却(鋳造)して鋳片を製造する方法である
(以下、このようにして製造されるものを「鋳造製品」
と記す)。この溶解法は、チタンやジルコニウム等の高
融点で化学的に活性な金属の溶解、鋳造に適し、スクラ
ップの有効利用が可能であるためにこれらの金属(合
金)の低コスト溶解法として注目されている。
【0003】この溶解用の初期工程においては、まず、
るつぼ内に溶湯プールを形成させ引続き原料の投入、溶
解および引き抜きが行われる。その溶湯プールを形成さ
せるために、通常は製品と同一材のスターターを予め用
意し、溶解作業開始のときにそのスターターを加熱、溶
解する。この場合、スターター材は製品と同一材である
必要があるために、純Tiや純ZrあるいはTi-6Al-4V合金
のように市場流通性の高い素材を鋳造するときはスター
ター素材の入手に支障がない。しかし、一般に市場に流
通していない合金(例えば Ti-20V-4Al−1Sn 合金等)
の鋳造を行う場合はスターター用素材の購入が難しい。
そのため、コールドクルーシブル溶解法は、その適用範
囲が限られていた。
るつぼ内に溶湯プールを形成させ引続き原料の投入、溶
解および引き抜きが行われる。その溶湯プールを形成さ
せるために、通常は製品と同一材のスターターを予め用
意し、溶解作業開始のときにそのスターターを加熱、溶
解する。この場合、スターター材は製品と同一材である
必要があるために、純Tiや純ZrあるいはTi-6Al-4V合金
のように市場流通性の高い素材を鋳造するときはスター
ター素材の入手に支障がない。しかし、一般に市場に流
通していない合金(例えば Ti-20V-4Al−1Sn 合金等)
の鋳造を行う場合はスターター用素材の購入が難しい。
そのため、コールドクルーシブル溶解法は、その適用範
囲が限られていた。
【0004】1982年に米国鉱山局が提出したP.G.Clites
の報告 (「The Inductoslag Melting Process 」,U.S.D
epartment of the Interior, Bulletin 673 ) の14〜15
頁には、図6に示すように、主成分元素の金属ロッド材
から成るコールドクルーシブル溶解スターター21の上に
添加成分元素の初期溶解原料22を載置し、これらを加
熱、溶解して初期溶湯プールを形成する方法が示されて
いる。この様な方法で配合による初期溶湯プールの形成
を行う場合、初期溶解原料22として細粒のものを載置す
ると次の様な問題が生ずる。
の報告 (「The Inductoslag Melting Process 」,U.S.D
epartment of the Interior, Bulletin 673 ) の14〜15
頁には、図6に示すように、主成分元素の金属ロッド材
から成るコールドクルーシブル溶解スターター21の上に
添加成分元素の初期溶解原料22を載置し、これらを加
熱、溶解して初期溶湯プールを形成する方法が示されて
いる。この様な方法で配合による初期溶湯プールの形成
を行う場合、初期溶解原料22として細粒のものを載置す
ると次の様な問題が生ずる。
【0005】すなわち、図7に示すように、スターター
21が加熱、溶解されている過程でスターター未溶解部21
a が傾倒し、その上面に積載されている細粒の初期溶解
原料がスターター上面からスターター21とセグメント構
造とるつぼ24の内壁面との隙間(0.5mm〜2.0 mm) を通し
て下方にこぼれていく。その結果、形成される初期溶湯
プールの成分組成が目標値から外れることになり、製品
の歩留りが悪化する。
21が加熱、溶解されている過程でスターター未溶解部21
a が傾倒し、その上面に積載されている細粒の初期溶解
原料がスターター上面からスターター21とセグメント構
造とるつぼ24の内壁面との隙間(0.5mm〜2.0 mm) を通し
て下方にこぼれていく。その結果、形成される初期溶湯
プールの成分組成が目標値から外れることになり、製品
の歩留りが悪化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
市場にあまり流通していない活性金属の合金鋳片をコー
ルドクルーシブル溶解法で製造する際にも、初期溶湯プ
ールを鋳造製品と同等の成分組成として、製品歩留りを
高くすることができるコールドクルーシブル溶解用スタ
ーターおよびそれを用いる溶解方法を提供することにあ
る。
市場にあまり流通していない活性金属の合金鋳片をコー
ルドクルーシブル溶解法で製造する際にも、初期溶湯プ
ールを鋳造製品と同等の成分組成として、製品歩留りを
高くすることができるコールドクルーシブル溶解用スタ
ーターおよびそれを用いる溶解方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1) のコー
ルドクルーシブル溶解用スターターおよび (2)の溶解方
法を要旨とする。
ルドクルーシブル溶解用スターターおよび (2)の溶解方
法を要旨とする。
【0008】(1) コールドクルーシブル溶解法によって
金属を溶解し鋳造する方法で使用する初期溶湯プール形
成用のスターターであって、鋳造製品の主成分と同じ成
分の金属素材または鋳造製品に類似する成分組成の金属
素材から成る初期溶解原料充填用の筒状容器と、鋳造製
品の融点以上の融点を持つ金属素材で作られ、上記筒状
容器に着脱自在に取り付けられる引き抜き棒連結部とで
形成されていることを特徴とするコールドクルーシブル
溶解用スターター。
金属を溶解し鋳造する方法で使用する初期溶湯プール形
成用のスターターであって、鋳造製品の主成分と同じ成
分の金属素材または鋳造製品に類似する成分組成の金属
素材から成る初期溶解原料充填用の筒状容器と、鋳造製
品の融点以上の融点を持つ金属素材で作られ、上記筒状
容器に着脱自在に取り付けられる引き抜き棒連結部とで
形成されていることを特徴とするコールドクルーシブル
溶解用スターター。
【0009】(2) 上記(1) のスターターの筒状容器の内
部に、この筒状容器を構成する素材の成分組成と鋳造製
品との成分組成の差を補填する初期溶解原料を充填して
溶解し、初期溶湯プールを形成することを特徴とするコ
ールドクルーシブル溶解方法。
部に、この筒状容器を構成する素材の成分組成と鋳造製
品との成分組成の差を補填する初期溶解原料を充填して
溶解し、初期溶湯プールを形成することを特徴とするコ
ールドクルーシブル溶解方法。
【0010】上記(1) のスターターの筒状容器は、鋳造
製品の主成分と同じ成分の金属素材または鋳造製品に類
似する成分組成の金属素材から作られる。例えば、鋳造
製品が、 Ti-20V-4Al−1Sn 合金である場合は、筒状容
器は、Ti、または Ti-20V-4Al−1Sn 合金に類似の入手
しやすい合金で製造される。そして、このスターターを
用いて初期溶湯プールを形成するときには、筒状容器の
成分組成と鋳造製品の目標成分組成との相違を無くする
ように配合した初期溶解原料を筒状容器の内部に充填し
て溶解作業を開始する。そうすると、筒状容器と充填原
料とが溶け合って、目標とする鋳造製品の組成となり、
初期溶解プールが冷却・凝固した部分も製品となり、歩
留りが大きく向上する。
製品の主成分と同じ成分の金属素材または鋳造製品に類
似する成分組成の金属素材から作られる。例えば、鋳造
製品が、 Ti-20V-4Al−1Sn 合金である場合は、筒状容
器は、Ti、または Ti-20V-4Al−1Sn 合金に類似の入手
しやすい合金で製造される。そして、このスターターを
用いて初期溶湯プールを形成するときには、筒状容器の
成分組成と鋳造製品の目標成分組成との相違を無くする
ように配合した初期溶解原料を筒状容器の内部に充填し
て溶解作業を開始する。そうすると、筒状容器と充填原
料とが溶け合って、目標とする鋳造製品の組成となり、
初期溶解プールが冷却・凝固した部分も製品となり、歩
留りが大きく向上する。
【0011】
【作用】本発明を図面を用いて説明する。
【0012】図1は、本発明のコールドクルーシブル溶
解用スターター(以下、単に「スターター」と記す)
を、説明する一部破断斜視図である。
解用スターター(以下、単に「スターター」と記す)
を、説明する一部破断斜視図である。
【0013】図示のように、本発明のスターターは、溶
解して初期溶湯プールとなる管状容器2と、引き抜き棒
連結部3とから形成されており、両者はネジ式等の適当
な方法で脱着自在に接続されている。
解して初期溶湯プールとなる管状容器2と、引き抜き棒
連結部3とから形成されており、両者はネジ式等の適当
な方法で脱着自在に接続されている。
【0014】筒状容器2は製品の主成分と同じ成分の金
属部材、または製品に類似する成分組成の金属部材を加
工して作られる。図1は一体成形したものを示してい
る。しかし、市販のパイプ材、ロッド材が入手できる場
合は筒型容器2は必ずしも一体物である必要はなく、例
えば、図2に示すように、若干の機械加工を加えた金属
パイプ材2aと金属ロッド材2bを組み合わせて、スタータ
ー1 の筒状容器2を作製するのが制作コストを下げるの
に望ましい。ただし、実際の溶解を行う時は、金属パイ
プ材2aと金属ロッド材2bとで囲まれた凹部に、初期溶解
原料を充填して初期溶湯プールを形成するため、金属パ
イプ材2aの内周面と金属ロッド材2bの外周面との間の隙
間は、少なくとも細粒の初期溶解原料がその隙間を通し
て下方に落下しないように小さくする必要がある。
属部材、または製品に類似する成分組成の金属部材を加
工して作られる。図1は一体成形したものを示してい
る。しかし、市販のパイプ材、ロッド材が入手できる場
合は筒型容器2は必ずしも一体物である必要はなく、例
えば、図2に示すように、若干の機械加工を加えた金属
パイプ材2aと金属ロッド材2bを組み合わせて、スタータ
ー1 の筒状容器2を作製するのが制作コストを下げるの
に望ましい。ただし、実際の溶解を行う時は、金属パイ
プ材2aと金属ロッド材2bとで囲まれた凹部に、初期溶解
原料を充填して初期溶湯プールを形成するため、金属パ
イプ材2aの内周面と金属ロッド材2bの外周面との間の隙
間は、少なくとも細粒の初期溶解原料がその隙間を通し
て下方に落下しないように小さくする必要がある。
【0015】引き抜き棒連結部3は、鋳造製品と異なる
成分系の金属部材で作製しても構わないが、溶解時に溶
損しないように、少なくとも鋳造製品の融点以上の融点
を持つ材質である必要がある。また、溶解時は高温度に
なり引き抜き棒連結部3の上面と筒状容器2の底面との
界面で拡散結合が生じ、両部の離脱が困難になる恐れが
ある。従って、あらかじめ筒状容器2の底面との接触界
面に、酸化処理等の表面処理を施すのが望ましい。さら
にセグメント構造るつぼ(以下「るつぼ」と記す)の内
壁面とスターター1の外周面との隙間が 0.5mm以上の場
合(特に、1.5mm以上の場合)、溶解時に溶湯が下方に
垂れる、いわゆる湯垂れを生じ、引き抜き棒連結部3と
筒状容器2が離脱できなくなるおそれがある。このた
め、筒状容器2の外周面下部に垂れ湯堰止め用溝4を設
けるのが望ましい。なお、るつぼの内壁面とスターター
1の外周面との隙間を 0.5mm未満にすると、湯垂れは生
じないがスターター1をるつぼ内に設置するのがやや難
かしくなる。
成分系の金属部材で作製しても構わないが、溶解時に溶
損しないように、少なくとも鋳造製品の融点以上の融点
を持つ材質である必要がある。また、溶解時は高温度に
なり引き抜き棒連結部3の上面と筒状容器2の底面との
界面で拡散結合が生じ、両部の離脱が困難になる恐れが
ある。従って、あらかじめ筒状容器2の底面との接触界
面に、酸化処理等の表面処理を施すのが望ましい。さら
にセグメント構造るつぼ(以下「るつぼ」と記す)の内
壁面とスターター1の外周面との隙間が 0.5mm以上の場
合(特に、1.5mm以上の場合)、溶解時に溶湯が下方に
垂れる、いわゆる湯垂れを生じ、引き抜き棒連結部3と
筒状容器2が離脱できなくなるおそれがある。このた
め、筒状容器2の外周面下部に垂れ湯堰止め用溝4を設
けるのが望ましい。なお、るつぼの内壁面とスターター
1の外周面との隙間を 0.5mm未満にすると、湯垂れは生
じないがスターター1をるつぼ内に設置するのがやや難
かしくなる。
【0016】図3は、本発明のスターターの断面形状、
および設置位置を説明する断面図である。図中の
HV,T 、HV,M 、HV,B 、HC,U およびHC,L は下記の
高さ位置を示す。
および設置位置を説明する断面図である。図中の
HV,T 、HV,M 、HV,B 、HC,U およびHC,L は下記の
高さ位置を示す。
【0017】HV,T : 筒型容器2の上端面高さ位置(ま
たは、金属パイプ材2aの上端面高さ位置) HV,M :筒型容器2の凹部底面高さ位置(または、金属
ロッド材2bの上端面高さ位置) HV,B :筒型容器2の底面高さ位置(または、金属ロッ
ド材2bの底面高さ位置) HC,U :コイル最上端高さ位置 HC,L :コイル最下端高さ位置 コイル高さLcおよび筒型容器部2の凹部深さ(または金
属パイプ材2aと金属ロッド材2bの段差)Lvは下記(1) 式
および(2) 式で定義される。
たは、金属パイプ材2aの上端面高さ位置) HV,M :筒型容器2の凹部底面高さ位置(または、金属
ロッド材2bの上端面高さ位置) HV,B :筒型容器2の底面高さ位置(または、金属ロッ
ド材2bの底面高さ位置) HC,U :コイル最上端高さ位置 HC,L :コイル最下端高さ位置 コイル高さLcおよび筒型容器部2の凹部深さ(または金
属パイプ材2aと金属ロッド材2bの段差)Lvは下記(1) 式
および(2) 式で定義される。
【0018】Lc=HC,U −H C,L・・・(1) Lv=HV,T −H V,M・・・(2) HV,M およびH V,Bの条件は、下記(3) 式の範囲および
(4) 式を満たすものとする。
(4) 式を満たすものとする。
【0019】 HC,L <HV,M <HC,L + 2/3・Lc・・・(3) HV,B <HC,L ・・・・・・・(4) HV,M を少なくともHC,L よりも上方の高さ位置とし、
HV,B を少なくともHC,L よりも下方の高さ位置とす
る。理由は次のとおりである。すなわち、コールドクル
ーシブル溶解でスターター1を溶解して、初期溶湯プー
ルを形成する際、溶湯上部はピンチ力によりるつぼ内壁
面と非接触であるが、溶湯下部はピンチ力が弱まり、溶
湯静圧がかかるため、溶湯とるつぼ内壁面とが接触状態
となり溶湯の抜熱が急速に促進され。従って、初期溶湯
プールの底面は、ピンチ力が急速に弱まるHC,L 近傍の
高さ位置に形成されることになる。従って、HV,B <H
C,Lとすることにより、引き抜き棒連結部3 が溶解する
のを阻止することができる。
HV,B を少なくともHC,L よりも下方の高さ位置とす
る。理由は次のとおりである。すなわち、コールドクル
ーシブル溶解でスターター1を溶解して、初期溶湯プー
ルを形成する際、溶湯上部はピンチ力によりるつぼ内壁
面と非接触であるが、溶湯下部はピンチ力が弱まり、溶
湯静圧がかかるため、溶湯とるつぼ内壁面とが接触状態
となり溶湯の抜熱が急速に促進され。従って、初期溶湯
プールの底面は、ピンチ力が急速に弱まるHC,L 近傍の
高さ位置に形成されることになる。従って、HV,B <H
C,Lとすることにより、引き抜き棒連結部3 が溶解する
のを阻止することができる。
【0020】ただし、HV,B をHC,L の位置より下げ過
ぎると、筒状容器2の未溶解部が増加するので、HC,L
の直下近傍位置とするのがよい。また、HV,M >HC,L
とすることにより、筒状容器2を溶解して初期溶湯プー
ルが形成されることになる。
ぎると、筒状容器2の未溶解部が増加するので、HC,L
の直下近傍位置とするのがよい。また、HV,M >HC,L
とすることにより、筒状容器2を溶解して初期溶湯プー
ルが形成されることになる。
【0021】さらに、HV,M を少なくともHC,L から垂
直上方への距離でLcの 2/3以下とする理由は次のとおり
である。すなわち、HV,M の位置がHC,L + 2/3・Lcの
位置より高くなると、溶湯プールの頂部位置が高くなり
すぎ、大きさも大きくなりすぎるため、電磁力による溶
湯プールの形状保持が不安定になる。
直上方への距離でLcの 2/3以下とする理由は次のとおり
である。すなわち、HV,M の位置がHC,L + 2/3・Lcの
位置より高くなると、溶湯プールの頂部位置が高くなり
すぎ、大きさも大きくなりすぎるため、電磁力による溶
湯プールの形状保持が不安定になる。
【0022】HV,T の条件は、下記(5)式を満たすもの
とする。
とする。
【0023】HV,T <HC,U ・・・(5) HV,T の上限をHC,U の位置とする理由は、筒状容器2
の最上端位置がコイル6 の最上端からはみ出すと加熱効
率が低下するからである。
の最上端位置がコイル6 の最上端からはみ出すと加熱効
率が低下するからである。
【0024】次に、Lvの下限は、筒状容器2の内部に初
期溶解原料7(図中、○印は主成分元素、△印は添加成
分元素の溶解原料を示す)を充填した時に初期溶解原料
7が筒状容器2の最上端からはみ出さない程度とする。
これにより、初期溶湯プール形成時に初期溶解原料7が
溶湯プール外にこぼれ出ることなく、それらを均一に混
合溶解させることができる。さらに、筒状容器部2の凹
部の側壁厚さは、少なくともるつぼ内径の1/10以上とす
る。一般に中、高周波加熱では被加熱体の外周部が加熱
されるため、スターター1はその外周部から溶けだして
いく。従って、筒状容器2の内部の側壁から溶け出した
溶湯は初期溶解原料7を溶湯外にはみ出さないように包
み込む効果がある。凹部の側壁厚さを上記のようにする
ことにより、この包み込み効果を損ねない溶湯量を得る
ことができる。
期溶解原料7(図中、○印は主成分元素、△印は添加成
分元素の溶解原料を示す)を充填した時に初期溶解原料
7が筒状容器2の最上端からはみ出さない程度とする。
これにより、初期溶湯プール形成時に初期溶解原料7が
溶湯プール外にこぼれ出ることなく、それらを均一に混
合溶解させることができる。さらに、筒状容器部2の凹
部の側壁厚さは、少なくともるつぼ内径の1/10以上とす
る。一般に中、高周波加熱では被加熱体の外周部が加熱
されるため、スターター1はその外周部から溶けだして
いく。従って、筒状容器2の内部の側壁から溶け出した
溶湯は初期溶解原料7を溶湯外にはみ出さないように包
み込む効果がある。凹部の側壁厚さを上記のようにする
ことにより、この包み込み効果を損ねない溶湯量を得る
ことができる。
【0025】上述のようにして作製された本発明のスタ
ーターを用いて、初期溶湯プールを形成する溶解方法を
以下に説明する。
ーターを用いて、初期溶湯プールを形成する溶解方法を
以下に説明する。
【0026】図4は、コールドクルーシブル溶解、鋳造
装置の一例を示す断面図である。図示のように、この装
置はスリットで分割された複数のセグメントからなる銅
製の水冷却式るつぼ5、るつぼ5の下部冷却装置、るつ
ぼ5の外周面を囲む誘導加熱用のコイル6、鋳造片を下
方へ引き抜く引き抜き棒11および溶解原料投入用ホッパ
ー12が、排気口を有するチャンバー(図示は省略)内に
配置されている。
装置の一例を示す断面図である。図示のように、この装
置はスリットで分割された複数のセグメントからなる銅
製の水冷却式るつぼ5、るつぼ5の下部冷却装置、るつ
ぼ5の外周面を囲む誘導加熱用のコイル6、鋳造片を下
方へ引き抜く引き抜き棒11および溶解原料投入用ホッパ
ー12が、排気口を有するチャンバー(図示は省略)内に
配置されている。
【0027】本発明の溶解方法は次のとおりである。
【0028】(1) 前記図3に示したように、スターター
1をるつぼ5内に設置し、筒状容器2の内部に筒状容器
の成分組成と鋳造製品の目標成分組成との差を補填する
ように配合した初期溶解原料7を充填する。初期溶解原
料7は粒状あるいはブロック状のものを用いるのが望ま
しいが、この原料が微粒状の場合は溶解前の排気時に微
粒添加原料が舞散らないようにするため、それらを覆う
様に粒状あるいはブロック状の原料を充填するのがよ
い。原料配合法は後述する。
1をるつぼ5内に設置し、筒状容器2の内部に筒状容器
の成分組成と鋳造製品の目標成分組成との差を補填する
ように配合した初期溶解原料7を充填する。初期溶解原
料7は粒状あるいはブロック状のものを用いるのが望ま
しいが、この原料が微粒状の場合は溶解前の排気時に微
粒添加原料が舞散らないようにするため、それらを覆う
様に粒状あるいはブロック状の原料を充填するのがよ
い。原料配合法は後述する。
【0029】(2) 誘導加熱用のコイル6に中波あるいは
高周波の交流電流を印加すると、るつぼ5の壁面がセグ
メントに分割されているので交番磁場がるつぼ5内のス
ターター1中に電流を誘導しスターター1はその外周部
から加熱溶解される。前述のように、筒状容器2の凹部
の側壁厚さがるつぼ内径の1/10以上に厚くされているの
で、初期溶解原料7は溶湯外にはみ出すことなく溶解さ
れる。
高周波の交流電流を印加すると、るつぼ5の壁面がセグ
メントに分割されているので交番磁場がるつぼ5内のス
ターター1中に電流を誘導しスターター1はその外周部
から加熱溶解される。前述のように、筒状容器2の凹部
の側壁厚さがるつぼ内径の1/10以上に厚くされているの
で、初期溶解原料7は溶湯外にはみ出すことなく溶解さ
れる。
【0030】(3) スターター1の溶解を進行させて、図
4に示すように、初期溶湯プール8を形成する。このと
き初期溶湯プール8の表面に作用する電磁力(ピンチ
力)によって、初期溶湯プール8の表面とるつぼ5の内
壁面との間に間隙が形成され、るつぼ5と非接触の状態
で溶解がなされる。また、初期溶湯プール8の内部は誘
導電流により攪拌されるので、初期溶解原料7は溶湯プ
ール内に均一に拡散溶解される。
4に示すように、初期溶湯プール8を形成する。このと
き初期溶湯プール8の表面に作用する電磁力(ピンチ
力)によって、初期溶湯プール8の表面とるつぼ5の内
壁面との間に間隙が形成され、るつぼ5と非接触の状態
で溶解がなされる。また、初期溶湯プール8の内部は誘
導電流により攪拌されるので、初期溶解原料7は溶湯プ
ール内に均一に拡散溶解される。
【0031】一方、初期溶湯プール8の底部では、ピン
チ力が弱まり溶湯静圧がかかるので、水冷るつぼ5の内
壁面と接触状態となり、溶湯の抜熱が急速に促進され
る。従って、ピンチ力が急速に弱まるコイル最下端(H
C,L の位置)近傍に初期溶湯プール8の底面が形成さ
れ、それより下方では未溶解筒状容器9となる。
チ力が弱まり溶湯静圧がかかるので、水冷るつぼ5の内
壁面と接触状態となり、溶湯の抜熱が急速に促進され
る。従って、ピンチ力が急速に弱まるコイル最下端(H
C,L の位置)近傍に初期溶湯プール8の底面が形成さ
れ、それより下方では未溶解筒状容器9となる。
【0032】筒状容器2の底面(HV,B の位置)をH
C,L の下方近傍に設けておけば、未溶解筒状容器9を小
さくすることができる。
C,L の下方近傍に設けておけば、未溶解筒状容器9を小
さくすることができる。
【0033】(4) 初期溶湯プール8を安定に形成した
後、その上方に設けた溶解原料投入用ホッパー12から鋳
造製品の目標組成となるように配合した原料を投下して
溶解し、溶湯プールの位置が一定になるように投入原料
量にバランスさせて引き抜き棒11を降下させ、鋳片を製
造する。
後、その上方に設けた溶解原料投入用ホッパー12から鋳
造製品の目標組成となるように配合した原料を投下して
溶解し、溶湯プールの位置が一定になるように投入原料
量にバランスさせて引き抜き棒11を降下させ、鋳片を製
造する。
【0034】(5) 溶解、鋳造が完了した後、引き抜き棒
連結部3と未溶解筒状容器9とを離脱させ、鋳片を取り
出すとともに、引き抜き棒連結部3は再使用する。スタ
ーターに垂れ湯堰止め用溝4を設けておけば、初期溶湯
プール形成時に生ずる垂れ湯10が引き抜き棒連結3まで
流下してこない。従って、上記の離脱は容易に行うこと
ができる。
連結部3と未溶解筒状容器9とを離脱させ、鋳片を取り
出すとともに、引き抜き棒連結部3は再使用する。スタ
ーターに垂れ湯堰止め用溝4を設けておけば、初期溶湯
プール形成時に生ずる垂れ湯10が引き抜き棒連結3まで
流下してこない。従って、上記の離脱は容易に行うこと
ができる。
【0035】なお、初期溶解原料7の配合に際しては、
前述したように、初期溶湯プール8の底面がHC,L の高
さ位置に形成されるようにし、それより上方の筒状容器
の重量が溶解されるとする。そして、筒状容器の成分組
成を考慮して初期溶湯プール8の成分組成が製品の成分
組成と等しくなるように、添加成分元素の溶解原料また
は添加成分元素と主成分元素の溶解原料を配合すればよ
い。さらに正確に初期溶湯プール8の成分組成を製品と
同一に合わせるには、実験で初期溶湯プール8の底面位
置または容積を予め確認するのが望ましい。
前述したように、初期溶湯プール8の底面がHC,L の高
さ位置に形成されるようにし、それより上方の筒状容器
の重量が溶解されるとする。そして、筒状容器の成分組
成を考慮して初期溶湯プール8の成分組成が製品の成分
組成と等しくなるように、添加成分元素の溶解原料また
は添加成分元素と主成分元素の溶解原料を配合すればよ
い。さらに正確に初期溶湯プール8の成分組成を製品と
同一に合わせるには、実験で初期溶湯プール8の底面位
置または容積を予め確認するのが望ましい。
【0036】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳
細に説明する。
細に説明する。
【0037】
【実施例】前記の図4に示したコールドクルーシブル溶
解、鋳造装置を用いて連続的にTi- 20V-4Al-1Sn合金の
鋳片を溶製する連続引き抜き溶解実験を行った。この溶
解実験を行う前に、あらかじめ初期溶湯プール底面高さ
位置と溶湯プール容積を実験で把握し、初期溶湯プール
成分が Ti-20V-4Al-1Sn合金に一致するように、純チタ
ン製筒状容器の内部に初期溶解原料を配合して充填し
た。実験は下記の手順で行ない、最終的に直径70mm、長
さ200 mmの鋳片を製造した。
解、鋳造装置を用いて連続的にTi- 20V-4Al-1Sn合金の
鋳片を溶製する連続引き抜き溶解実験を行った。この溶
解実験を行う前に、あらかじめ初期溶湯プール底面高さ
位置と溶湯プール容積を実験で把握し、初期溶湯プール
成分が Ti-20V-4Al-1Sn合金に一致するように、純チタ
ン製筒状容器の内部に初期溶解原料を配合して充填し
た。実験は下記の手順で行ない、最終的に直径70mm、長
さ200 mmの鋳片を製造した。
【0038】純チタン製筒状容器の内部に粒状のAl−
V母合金(Al:15%,V:85%) 、粉状の純Sn、小片状の純Al
および粒状のスポンジTiを充填。
V母合金(Al:15%,V:85%) 、粉状の純Sn、小片状の純Al
および粒状のスポンジTiを充填。
【0039】スターターの筒状容器を加熱、溶解して
初期溶湯プールを形成。
初期溶湯プールを形成。
【0040】個別に設けられた溶解原料投入用ホッパ
ーからダライ粉状の純Tiスクラップ、Al−V母合金、純
Snおよび純Alを連続投入し、 Ti-20V-4Al-1Sn合金鋳片
の連続鋳造を開始。引き抜き速度は 10mm/分とした。
ーからダライ粉状の純Tiスクラップ、Al−V母合金、純
Snおよび純Alを連続投入し、 Ti-20V-4Al-1Sn合金鋳片
の連続鋳造を開始。引き抜き速度は 10mm/分とした。
【0041】 200mm引き抜いたところで実験終了。
【0042】使用したるつぼは内径70mm、外径90mm、ス
リット数14本であり、使用したコイルは内径 100mm、コ
イル巻数4、コイル高さ(Lc)90mmである。コイルのセッ
トはコイル最上端とるつぼ最上端が一致するようにし
た。コイルに印加される高周波電流の周波数は 25kHz
で、溶解電力は70kwであった。
リット数14本であり、使用したコイルは内径 100mm、コ
イル巻数4、コイル高さ(Lc)90mmである。コイルのセッ
トはコイル最上端とるつぼ最上端が一致するようにし
た。コイルに印加される高周波電流の周波数は 25kHz
で、溶解電力は70kwであった。
【0043】スターターは直径68mm、高さ120 mm、筒状
容器部高さ100 mm、引き抜き棒連結部高さ20mmであり、
筒状容器部の純Tiパイプ材の上端面高さHV,T 、純Tiロ
ッド材の上端面高さHV,M と底面高さHV,B 、純Tiパイ
プ材と純Tiロッド材の段差Lvおよび純Tiパイプ材の肉厚
(筒状容器部の凹部の側影厚さ)を変えて実験を行っ
た。
容器部高さ100 mm、引き抜き棒連結部高さ20mmであり、
筒状容器部の純Tiパイプ材の上端面高さHV,T 、純Tiロ
ッド材の上端面高さHV,M と底面高さHV,B 、純Tiパイ
プ材と純Tiロッド材の段差Lvおよび純Tiパイプ材の肉厚
(筒状容器部の凹部の側影厚さ)を変えて実験を行っ
た。
【0044】なお、純チタンの棒状スターターの上端面
にAl−V母合金(Al:15%,V:85%) 、純Snおよび純Alを載
置して初期溶湯プールを形成する従来法の実験も従来例
として行った。
にAl−V母合金(Al:15%,V:85%) 、純Snおよび純Alを載
置して初期溶湯プールを形成する従来法の実験も従来例
として行った。
【0045】最終的に得られた直径70mm、長さ200 mmの
鋳片軸方向の成分分析を行って鋳片引き抜き軸方向の均
一性を評価し、本発明による鋳片製造歩留りの向上効果
について調査した。また、引き抜き棒連結部と未溶解筒
状容器の離脱性を調査した。
鋳片軸方向の成分分析を行って鋳片引き抜き軸方向の均
一性を評価し、本発明による鋳片製造歩留りの向上効果
について調査した。また、引き抜き棒連結部と未溶解筒
状容器の離脱性を調査した。
【0046】調査結果の評価方法は、下記のとおりであ
る。
る。
【0047】(A)本発明の歩留り向上効果の評価鋳片
上端部から200 mmまでを下記のように4分割した。
上端部から200 mmまでを下記のように4分割した。
【0048】鋳片上端から50mmまで・・・鋳片上部、 50mm〜100 mm ・・・・・・鋳片中央部−1 、 100 mm〜150 mm ・・・・・鋳片中央部−2 、 150 mm〜200 mm ・・・・・鋳片下部。
【0049】図5に示すように、各ブロックの中部2点
からサンプルを取り鋳片引き抜き棒方向の成分組成分布
を調査した。サンプルの分析結果から、各ブロックの中
部2点の成分組成(重量%表示)がともに目標成分の±
10%の範囲内にある場合はそのブロックを合格「○」と
し、中部2点のいずれかの成分組成が上記の範囲外であ
る場合は不合格「×」とした。なお、図5中の点線は初
期溶湯プール形成時に溶解した筒状容器の断面形状を示
す。
からサンプルを取り鋳片引き抜き棒方向の成分組成分布
を調査した。サンプルの分析結果から、各ブロックの中
部2点の成分組成(重量%表示)がともに目標成分の±
10%の範囲内にある場合はそのブロックを合格「○」と
し、中部2点のいずれかの成分組成が上記の範囲外であ
る場合は不合格「×」とした。なお、図5中の点線は初
期溶湯プール形成時に溶解した筒状容器の断面形状を示
す。
【0050】(B)本発明のスターターの引き抜き棒連
結部の離脱性の評価 引き抜き棒連結部の表面に酸化膜付与処理を施した場
合、および施してない場合の溶解鋳造実験を行った。実
験終了後に、鋳片下端に残存する未溶解筒状容器部と引
き抜き棒連結部とが、パイプレンチを用いて簡単に離脱
できた場合を合格「○」、簡単には離脱できない場合を
不合格「×」とし、離脱できたがやや困難であった場合
を「△」とした。
結部の離脱性の評価 引き抜き棒連結部の表面に酸化膜付与処理を施した場
合、および施してない場合の溶解鋳造実験を行った。実
験終了後に、鋳片下端に残存する未溶解筒状容器部と引
き抜き棒連結部とが、パイプレンチを用いて簡単に離脱
できた場合を合格「○」、簡単には離脱できない場合を
不合格「×」とし、離脱できたがやや困難であった場合
を「△」とした。
【0051】また、筒状容器の下部外周面全周の2段の
垂れ湯堰止め用溝(深さ:2mm、幅:5mm)を付与した場
合、および付与してない場合の溶解、鋳造実験を2回行
った。
垂れ湯堰止め用溝(深さ:2mm、幅:5mm)を付与した場
合、および付与してない場合の溶解、鋳造実験を2回行
った。
【0052】実験終了後に、未溶解筒状容器と引き抜き
棒連結部とが2回の実験ともパイプレンチを用いて簡単
に離脱できた場合を合格「○」とし、垂れ湯により上記
の両部が溶着してパイプレンチを用いて簡単に離脱でき
ない場合で、2回の実験とも離脱不可の場合を不合格
「×」とし、実験2回中、1回は簡単に離脱できた場合
を「△」とした。
棒連結部とが2回の実験ともパイプレンチを用いて簡単
に離脱できた場合を合格「○」とし、垂れ湯により上記
の両部が溶着してパイプレンチを用いて簡単に離脱でき
ない場合で、2回の実験とも離脱不可の場合を不合格
「×」とし、実験2回中、1回は簡単に離脱できた場合
を「△」とした。
【0053】表1に、本発明例および比較例の溶解、鋳
造実験に用いたスターターの断面形状および設置位置の
実験条件を示す。また、表2に、鋳片軸方向の成分組成
分布および引き抜き棒連結部の離脱性の評価結果を示
す。
造実験に用いたスターターの断面形状および設置位置の
実験条件を示す。また、表2に、鋳片軸方向の成分組成
分布および引き抜き棒連結部の離脱性の評価結果を示
す。
【0054】表1および表2から、下記のことが判明し
た。 (1) 本発明例のケース1〜3と比較例のケース15、16の
結果から;本発明の歩留り向上効果を損ねないために
は、筒状容器のTiロッド材上端面位置(HV,M ) として
少なくともコイル最下端(HC,L ) より高い位置に設置
する必要がある。また、HV,M が高すぎると、初期溶湯
プール高さ位置が高くなり溶湯プールの電磁力保持が不
安定となるので、好ましくない。
た。 (1) 本発明例のケース1〜3と比較例のケース15、16の
結果から;本発明の歩留り向上効果を損ねないために
は、筒状容器のTiロッド材上端面位置(HV,M ) として
少なくともコイル最下端(HC,L ) より高い位置に設置
する必要がある。また、HV,M が高すぎると、初期溶湯
プール高さ位置が高くなり溶湯プールの電磁力保持が不
安定となるので、好ましくない。
【0055】(2) 本発明例のケース2,4 と比較例のケー
ス17の結果から;Tiパイプ材の肉厚(筒状容器の凹部の
側壁厚さ)がるつぼ内径の1/10以下(7mm以下) になる
と、スターターの加熱、溶解途中で筒状容器の内部に充
填された初期溶解原料がスターターの溶湯外にこぼれ出
るので、初期溶湯プールの成分組成が目標から外れ、切
り捨てによる鋳片歩留り低下が大きくなる。
ス17の結果から;Tiパイプ材の肉厚(筒状容器の凹部の
側壁厚さ)がるつぼ内径の1/10以下(7mm以下) になる
と、スターターの加熱、溶解途中で筒状容器の内部に充
填された初期溶解原料がスターターの溶湯外にこぼれ出
るので、初期溶湯プールの成分組成が目標から外れ、切
り捨てによる鋳片歩留り低下が大きくなる。
【0056】(3) 本発明例のケース1〜5 と比較例のケ
ース18の結果から;Tiパイプ材とTiロッド材の段差(筒
状容器の凹部深さ)が小さすぎると、初期溶解原料が凹
部内に充填しきれず、その一部が凹部内からはみ出す。
このため、スターターの加熱、溶解途中で筒状容器の凹
部に充填された初期溶解原料がスターターの溶湯外にこ
ぼれ出て、初期溶湯プール成分組成が目標から外れ切り
捨てによる鋳片歩留り低下が大きくなる。
ース18の結果から;Tiパイプ材とTiロッド材の段差(筒
状容器の凹部深さ)が小さすぎると、初期溶解原料が凹
部内に充填しきれず、その一部が凹部内からはみ出す。
このため、スターターの加熱、溶解途中で筒状容器の凹
部に充填された初期溶解原料がスターターの溶湯外にこ
ぼれ出て、初期溶湯プール成分組成が目標から外れ切り
捨てによる鋳片歩留り低下が大きくなる。
【0057】(4) 本発明例のケース1 〜5 と従来例の結
果から;従来法に比べて本発明の筒状容器を備えたスタ
ーターが鋳片歩留り向上に大きく効果がある。
果から;従来法に比べて本発明の筒状容器を備えたスタ
ーターが鋳片歩留り向上に大きく効果がある。
【0058】(5) 本発明例のケース2,5 の結果から;引
き抜き棒連結部に表面処理(酸化処理)を施すことによ
り、同部と未溶解筒状容器の接合面が拡散結合するのが
防止され、両部が離脱しやすくなる。
き抜き棒連結部に表面処理(酸化処理)を施すことによ
り、同部と未溶解筒状容器の接合面が拡散結合するのが
防止され、両部が離脱しやすくなる。
【0059】(6) 本発明例のケース2, 6〜13の結果か
ら;スターターとるつぼ内壁面間の間隙幅が1.5 mm以上
になると湯垂れにより筒状容器と引き抜き棒連結部の外
周面が溶着して、両部を離脱しにくくなる。従って、筒
状容器の下部外周面に垂れ湯堰止め用溝を設けるのが好
ましい。
ら;スターターとるつぼ内壁面間の間隙幅が1.5 mm以上
になると湯垂れにより筒状容器と引き抜き棒連結部の外
周面が溶着して、両部を離脱しにくくなる。従って、筒
状容器の下部外周面に垂れ湯堰止め用溝を設けるのが好
ましい。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明のスターターおよびそのスタータ
ーを用いるコールドクルーシブル溶解方法によれば、従
来のスターターでは困難であった鋳造製品と同等の成分
組成の初期溶湯プールの形成が可能となり、市場にあま
り流通していない新規素材の合金鋳片を高い歩留りで製
造することができる。従って、コールドクルーシブル溶
解法の適用合金種の範囲が拡げられ、特に新規素材の合
金鋳片を安価に製造できるという大きな効果がある。
ーを用いるコールドクルーシブル溶解方法によれば、従
来のスターターでは困難であった鋳造製品と同等の成分
組成の初期溶湯プールの形成が可能となり、市場にあま
り流通していない新規素材の合金鋳片を高い歩留りで製
造することができる。従って、コールドクルーシブル溶
解法の適用合金種の範囲が拡げられ、特に新規素材の合
金鋳片を安価に製造できるという大きな効果がある。
【図1】本発明のスターターを説明する一部破断斜視図
である。
である。
【図2】本発明のスターターの他の例を示す断面図であ
る。
る。
【図3】本発明のスターターの断面形状および設置位置
を説明する断面図である。
を説明する断面図である。
【図4】コールドクルーシブル溶解、鋳造装置の一例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図5】合金鋳片の成分組成外れを評価するための分析
試料採取位置を示す断面図である。
試料採取位置を示す断面図である。
【図6】従来のコールドクルーシブル溶解法におけるス
ターターを説明する断面図である。
ターターを説明する断面図である。
【図7】従来のコールドクルーシブル溶解法における初
期溶湯プール形成状況を示す断面図である。
期溶湯プール形成状況を示す断面図である。
1. スターター 2.筒状容器 2
a.金属パイプ材 2b. 金属ロッド材 3.引き抜き棒連結部
4.垂れ湯堰止め用溝 5. るつぼ 6.コイル
7.初期溶解原料 8. 初期溶湯プール 9.筒状容器未溶解部 1
0.垂れ湯 11. 引き抜き棒 12.原料投入用ホッパー 1
3.合金鋳片 21. コールドクルーシブル溶解用スターター 21
a.スターター未溶解部 22. 初期溶解原料 23.コイル 2
4.セグメント構造るつぼ 25. 引き抜き棒 26.溶湯プール
a.金属パイプ材 2b. 金属ロッド材 3.引き抜き棒連結部
4.垂れ湯堰止め用溝 5. るつぼ 6.コイル
7.初期溶解原料 8. 初期溶湯プール 9.筒状容器未溶解部 1
0.垂れ湯 11. 引き抜き棒 12.原料投入用ホッパー 1
3.合金鋳片 21. コールドクルーシブル溶解用スターター 21
a.スターター未溶解部 22. 初期溶解原料 23.コイル 2
4.セグメント構造るつぼ 25. 引き抜き棒 26.溶湯プール
Claims (2)
- 【請求項1】コールドクルーシブル溶解法によって金属
を溶解し鋳造する方法で使用する初期溶湯プール形成用
のスターターであって、鋳造製品の主成分と同じ成分の
金属素材または鋳造製品に類似する成分組成の金属素材
から成る初期溶解原料充填用の筒状容器と、鋳造製品の
融点以上の融点を持つ金属素材で作られ上記筒状容器に
着脱自在に取り付けられる引き抜き棒連結部とで形成さ
れていることを特徴とするコールドクルーシブル溶解用
スターター。 - 【請求項2】請求項1に記載のスターターの筒状容器の
内部に、この筒状容器を構成する素材の成分組成と鋳造
製品との成分組成の差を補填する初期溶解原料を充填し
て溶解し、初期溶湯プールを形成することを特徴とする
コールドクルーシブル溶解方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9409595A JPH08290247A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | コールドクルーシブル溶解用スターターおよび溶解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9409595A JPH08290247A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | コールドクルーシブル溶解用スターターおよび溶解方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08290247A true JPH08290247A (ja) | 1996-11-05 |
Family
ID=14100902
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9409595A Pending JPH08290247A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | コールドクルーシブル溶解用スターターおよび溶解方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08290247A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009113061A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Kobe Steel Ltd | TiAl基合金の鋳塊製造方法 |
| JP2009113062A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Kobe Steel Ltd | TiAl基合金の鋳塊製造方法 |
| JP2011169538A (ja) * | 2010-02-19 | 2011-09-01 | Asahi Seiren Co Ltd | 金属製スクラップ付着夾雑物除去装置及び金属製スクラップ付着夾雑物除去方法 |
-
1995
- 1995-04-20 JP JP9409595A patent/JPH08290247A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009113061A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Kobe Steel Ltd | TiAl基合金の鋳塊製造方法 |
| JP2009113062A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Kobe Steel Ltd | TiAl基合金の鋳塊製造方法 |
| JP2011169538A (ja) * | 2010-02-19 | 2011-09-01 | Asahi Seiren Co Ltd | 金属製スクラップ付着夾雑物除去装置及び金属製スクラップ付着夾雑物除去方法 |
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