JPH08292302A - 光学薄膜およびその製造方法 - Google Patents

光学薄膜およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08292302A
JPH08292302A JP7099099A JP9909995A JPH08292302A JP H08292302 A JPH08292302 A JP H08292302A JP 7099099 A JP7099099 A JP 7099099A JP 9909995 A JP9909995 A JP 9909995A JP H08292302 A JPH08292302 A JP H08292302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
film
thin film
optical thin
sputtering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7099099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3776479B2 (ja
Inventor
Nobuaki Mitamura
宣明 三田村
Hiroshi Ikeda
浩 池田
Nobuyoshi Toyohara
延好 豊原
Takeshi Kawamata
健 川俣
Toshiaki Oimizu
利明 生水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP09909995A priority Critical patent/JP3776479B2/ja
Publication of JPH08292302A publication Critical patent/JPH08292302A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3776479B2 publication Critical patent/JP3776479B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 擦傷性の高い光学薄膜をスパッタリング法に
より高速で形成することのできる光学薄膜の製造方法を
提供することを目的としている。 【構成】 粒径0.1〜10mmの顆粒状のMgF2 をタ
ーゲットとし、少なくとも酸素を含むガスを導入しなが
ら、2W/cm2 以上の高周波電力をターゲットに投入し
てターゲット上にプラズマを発生せしめ、前記プラズマ
により前記ターゲット表面の温度を上昇させ、前記ター
ゲットおよび前記ターゲットからの蒸気の双方をスパッ
タリングすることにより基板上に膜を形成する工程と、
前記膜上に、少なくともSiO2 又はAl2 3 のいず
れかを含む材料からなり、光学的膜厚にして1〜70nm
の表面保護層をスパッタリングにより形成する工程とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリング法を用
いて形成する光学薄膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜を形成する場合、手法の容易
さや成膜速度の速さなどの点から、真空蒸着法が多く用
いられてきた。反射防止膜やハーフミラー、エッジフィ
ルタなどの光学薄膜を形成する場合にもこれは同じであ
る。一方、近年になり、光学薄膜やその他の薄膜におい
ても、真空蒸着法に比較して自動化・省力化・大面積基
板への適用性などの点で有利なスパッタリング法による
コーティングの要求が高まってきた。しかし、スパッタ
リング法は真空蒸着法と比較して成膜速度が遅いという
点で工業的な普及がやや遅れがちであった。
【0003】光学薄膜にスパッタリング法を適用した例
としては、例えば特開平4−223401(ニコン)が
ある。ここでは、スパッタリングすると光吸収のでやす
いMgF2 にSiを添加したものをターゲットとするな
どにより、光吸収のほとんどない低屈折率膜を形成する
ことに成功したと述べている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述の従来技
術では、2.8W/cm2 の高周波電力を投入しても成膜
速度は最高で10nm/分以下であり、成膜速度が遅いと
いうスパッタリング法の欠点を解消できていない。
【0005】そこで発明者は上記問題点を解決すべく研
究を重ね、粒径0.1〜10mmの顆粒状のMg2 をター
ゲットとし、少なくとも酸素を含むガスを導入しなが
ら、2W/cm2 以上の高周波電力をターゲットに投入し
てターゲット上にプラズマを発生せしめ、プラズマによ
りターゲット表面の温度を上昇させ、ターゲットおよび
ターゲットからの蒸気の双方をスパッタリングすること
により基板上に膜を形成すれば、良好な光学薄膜を高速
で形成できることを見いだした。
【0006】しかしながら、このようにして形成した膜
は、通常の使用ではなんら問題はないものの、過酷な使
用、例えばスチールウールのような金属などで過酷に擦
られたりすると、膜に傷が入ったり摩耗したりすること
があった。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、特に擦傷性の高い光学薄膜をスパッタリング法によ
り高速で形成することのできる方法を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の光学薄膜の製造方法は、粒径0.1〜10
mmの顆粒状のMgF2 をターゲットとし、少なくとも酸
素を含むガスを導入しながら、2W/cm2 以上の高周波
電力をターゲットに投入してターゲット上にプラズマを
発生せしめ、プラズマによりターゲット表面の温度を上
昇させ、ターゲットおよびターゲットからの蒸気の双方
をスパッタリングすることにより基板上に膜を形成する
工程と、膜上に、少なくともSiO2 、またはAl2
3 を含む材料からなり、光学的膜厚にして1〜70nmの
表面保護層をスパッタリングにより形成する工程とを有
する。
【0009】また請求項2に記載した本発明の光学薄膜
は、請求項1記載の製造方法により製造する。
【0010】
【作用】従来のスパッタリング法では固体(板)状のM
gF2 をターゲットとしてスパッタするが、イオンがタ
ーゲットに衝突した際、ターゲット内の原子・分子間結
合を切ってターゲットから原子・分子を飛び出させる必
要があり、加速されたイオンのエネルギーの一部は原子
・分子間結合を切ることに費やされてしまうために、ス
パッタ収率が低くなり、その結果、成膜速度が遅くなる
という欠点があった。
【0011】一方本発明では、粒径を0.1〜10mmと
した顆粒状のMgF2 をターゲットとしており、2W/
cm2 以上の高周波電力をターゲットに投入してターゲッ
ト上にプラズマを発生している。ここで顆粒の場合、多
量のエッジが存在しこのエッジ部に電場・磁場が集中す
るので加熱されやすく(エッジ作用)、さらに顆粒は熱
伝導が悪いために、温度が上昇しやすい(断熱作用)。
このため、金属酸化物などに比べて一般に蒸発温度の低
いMgF2 は、温度上昇により蒸発する。本発明では、
このようにプラズマにより加熱されて発生した原料の上
部に存在する蒸気にイオンを衝突させることになるの
で、加速されたイオンのエネルギーは全てスパッタリン
グに使われるためにスパッタ収率が高くなり、その結
果、従来法と比較して成膜速度を著しく速くすることが
できる。
【0012】尚、このとき顆粒の大きさは、あまり小さ
すぎるとチャンバ内で舞い上がりパーティクルとなるた
め、粒径0.1mm以上の方がよく、望ましくは0.5mm
以上が良い。また、顆粒が大きすぎるとエッジ部が少な
くなり電場・磁場の集中による効果が小さくなるため、
粒径10mm以下、望ましくは5mm以下が良い。顆粒の大
きさ、形状は均一である必要はない。
【0013】また、高周波の投入電力とターゲットの温
度とは相関があり、2W/cm2 以上の高周波電力を投入
したとき、MgF2 顆粒の温度は700℃以上になり蒸
気圧が十分に高まるので、この状態でスパッタリングを
行うようにすると良い。尚、このとき、蒸気だけでな
く、ターゲットである顆粒状のMgF2 も同時にスパッ
タリングされることになるが、成膜速度という点では特
に問題はない。
【0014】また、光学的な用途には光吸収が小さいこ
とが望ましいが、固体状のMgF2をスパッタリングし
た場合にその大部分はMgとFとに解離し、基板上には
Fが不足した状態の膜が形成され、光吸収が生じてしま
う。一方、加熱されて発生した蒸気はMgF2 分子の状
態となっており、分子に加速されたイオンが衝突した場
合にその分子の大部分は解離することなく分子状のまま
基板上に到達するので、形成された薄膜に光吸収が生じ
にくい。本発明のように、蒸気だけでなく顆粒状のMg
2 も同時にスパッタリングされる場合、多少光吸収が
生じるので、実用上問題ないレベルまで光吸収を減らす
ために、酸素を含むガスを導入しながらスパッタリング
すると良い。このとき、酸素は解離したMgと結びつ
き、光吸収を減らす作用を有する。
【0015】さらに本発明では、膜上にSiO2 又はA
2 3 を含む材料からなり、光学的膜厚にして1〜7
0nmの表面保護層をスパッタリングにより形成する。こ
こで、スパッタリングで形成したSiO2 又はAl2
3 は、透明で光吸収がない上、特に膜が緻密で硬度が高
いために、MgF2 膜表面を保護する働きがある。ここ
で、SiO2 又はAl2 3 に他の酸化物やフッ化物な
どを少量混ぜたりしても、透明性、膜の緻密さや硬度を
損なわない範囲ならば特に問題はない。
【0016】尚、このときSiO2 又はAl2 3 を含
む材料の光学的膜厚は、あまり薄すぎると表面保護の働
きが不十分となるため、少なくとも1nm以上、望ましく
は10nm以上が良い。また、逆に光学的膜厚があまり厚
すぎると光学特性への影響が無視できなくなるため、少
なくとも70nm以下、望ましくは30nm以下が良い。ま
た、SiO2 膜やAl2 3 膜は、SiO2 やAl2
3 をターゲットとしてスパッタリングして形成しても良
いし、SiやAlをターゲットとして酸素との反応性ス
パッタリングを行って形成しても良い。
【0017】請求項2における本発明の光学薄膜は、光
吸収が少なく、SiO2 又はAl23 を含む材料の表
面保護の働きにより、特に耐擦傷性が高い。
【0018】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明に係る光学
薄膜およびその製造方法の実施例を説明する。なお、図
面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複
する説明を省略する。
【0019】(実施例1)
【0020】まず図1を参照して本実施例で用いる成膜
装置について説明する。真空槽1内の上方には屈折率
1.70のガラスからなる基板2が設置されており、自
転可能になっている。膜原料である粒径0.1〜10mm
のMgF2 顆粒3は、直径4インチ(約100mm)の石
英製の皿4に入れてマグネトロンカソード5上に載置さ
れている。カソード5はスパッタリング用RF電源6と
接続されている。カソード5の近くにはガス導入口7が
ある。もう一方のマグネトロンカソード10上には、A
2 3 からなる直径4インチの板状ターゲット9が載
置されている。カソード10はスパッタリング用RF電
源11と接続されている。カソード10の近くにはガス
導入口12,13がある。
【0021】次に本実施例の光学薄膜およびその製造方
法を説明する。まず、不図示のヒータにより、基板2を
100℃に加熱しながら、1×10-4Paまで真空槽1内
を排気する。その後、O2 ガスをガス導入口7から1×
10-1Paまで導入する。RF電源6から157W(約2
W/cm2 に相当)の電力をマグネトロンカソード5に供
給し、プラズマを発生させる。このプラズマにより、M
gF2 顆粒3は加熱され、約700℃になり、顆粒3の
上方近傍にMgF2 蒸気が発生する。このMgF2 の蒸
気がプラズマ中の加速されたイオンによって叩かれ、分
子の状態のまま上方に飛び出している。この状態で、基
板2を回転させ、シャッタ8を開閉することにより、基
板2上に光学的膜厚にして130nmのMgF2 膜(屈折
率1.39)を形成する。この条件ではMgF2 の成膜
速度は約30nm/分であり、成膜に要する時間は約4分
であった。
【0022】次に、ガス導入口7からガス導入を止め、
ガス導入口13からArガスを0.07Paの圧力で導入
する。次にRF電源11から600Wの電力をマグネト
ロンカソード10に供給し、Al2 3 をスパッタリン
グする。ここでシャッタ14を開閉して、MgF2 膜上
に光学的膜厚1nmのAl2 3 膜(屈折率1.62)を
形成する。この条件ではAl2 3 の成膜速度は約10
nm/分で、成膜に要する時間は約6秒であった。
【0023】以上の工程により本実施例の光学薄膜が製
造される。得られた光学薄膜の分光反射特性を図2に示
すが、可視域(400〜700nm)で2%以下と反射が
低く、反射防止膜として良好な特性であった。また、光
学薄膜の光吸収も1%以下であり、実用上の問題はなか
った。
【0024】また、得られた光学薄膜について、#00
00のスチールウールを加重100gf/cm2 で100往
復擦り付ける方法で擦傷性を評価したところ、傷や摩耗
の発生はまったくなく、耐擦傷性が高かった。
【0025】(実施例2)
【0026】本実施例も前記実施例1と同様の装置、お
よび基板を用いた。但し、本実施例ではカソード5と同
形状のカソード10上にSiO2 からなる同形状のター
ゲットが載置されている点が前記実施例1と異なってい
る。
【0027】以下、本実施例の光学薄膜およびその製造
方法を説明する。まず、実施例1と同様に、基板2を設
置した後、基板を加熱しながら、真空槽1を排気する。
その後、ガス導入口7からCO2 ガスを1×10-1Paま
で導入する。RF電源6から400W(約5.1W/cm
2 に相当)の電力をマグネトロンカソード5に供給し、
プラズマを発生させる。このプラズマにより、MgF2
顆粒3は加熱され、約800℃になり、顆粒3の上方近
傍にMgF2 蒸気が発生する。ここで、実施例1と同様
にMgF2 の蒸気がプラズマ中の加速されたイオンによ
って叩かれ、分子の状態のまま上方に飛び出しており、
この状態で、基板2を回転させ、シャッタ8を開閉する
ことにより、基板2上に光学的膜厚にして120nmのM
gF2 膜(屈折率1.39)を形成する。この条件では
MgF2 の成膜速度は約240nm/分と速く、膜に要す
る時間は約30秒であった。
【0028】次に、ガス導入口7からガス導入を止め、
ガス導入口13からArガスを0.07Paの圧力で導入
する。次にRF電源11から500Wの電力をマグネト
ロンカソード10に供給し、SiO2 をスパッタリング
する。ここでシャッタ14を開閉して、MgF2 膜上に
光学的膜厚10nmのSiO2 膜(屈折率1.46)を形
成する。この条件ではSiO2 の成膜速度は約20nm/
分で、成膜に要する時間は約30秒であった。
【0029】以上の工程により本実施例の光学薄膜が製
造される。得られた光学薄膜の分光反射特性を図3に示
すが、可視域(400〜700nm)で反射が2%以下と
低く、反射防止膜として良好な特性であった。また、光
学薄膜の光吸収も0.7%以下であり、実用上の問題は
なかった。
【0030】また、得られた光学薄膜について、#00
00のスチールウールを加重300gf/cm2 で100往
復擦り付ける方法で擦傷性を評価したところ、傷や摩耗
の発生はまったくなく、耐擦傷性が非常に高かった。
【0031】(実施例3)
【0032】本実施例も実施例1と同様の装置、および
基板を用いた。但し、本実施例ではカソード10上にS
iからなる同形状のターゲットが載置されている。
【0033】以下、本実施例の光学薄膜およびその製造
方法を説明する。まず、実施例1と同様に、基板2を設
置した後、真空槽1を排気する。本実施例では基板の加
熱は行わなかった。その後、ガス導入口7からO2 ガス
を1Paまで導入する。RF電源6から600W(約7.
6W/cm2 に相当)の電力をマグネトロンカソード5に
供給し、プラズマを発生させる。このプラズマにより、
MgF2 顆粒3は加熱され、約950℃になり、顆粒3
の上方近傍にMgF2 蒸気が発生する。ここで、実施例
1と同様にMgF2 の蒸気がプラズマ中の加速されたイ
オンによって叩かれ、分子の状態のまま上方に飛び出し
ており、この状態で、基板2を回転させ、シャッタ8を
開閉することにより、基板2上に光学的膜厚にして50
nmのMgF2 膜(屈折率1.39)を形成する。この条
件ではMgF2 の成膜速度は約1000nm/分と非常に
速く、成膜に要する時間は約3秒であった。
【0034】次に、ガス導入口7からガス導入を止め、
ガス導入口13からArガスを3.9Paの圧力で導入
し、さらにガス導入口12からO2 ガスを0.1Paの圧
力で導入する。次にRF電源11から700Wの電力を
マグネトロンカソード10に供給し、Siをスパッタリ
ングする。ここで、スパッタリングされたSiは上方に
向かう途中で酸素と結合し、酸化されてSiO2 となる
(酸素反応性スパッタリング)。ここでシャッタ14を
開閉して、MgF2 膜上に光学的膜厚70nmのSiO2
膜(屈折率1.46)を形成する。この条件ではSiO
2 の成膜速度は約120nm/分で、成膜に要する時間は
約35秒であった。
【0035】以上のような工程により本実施例の光学薄
膜が製造される。得られた光学薄膜の分光反射特性を図
4に示すが、可視域(400〜700nm)で2.2%以
下と反射が低く、反射防止膜として実用的に十分な特性
であった。また、光学薄膜の光吸収も0.3%以下であ
り、実用上なんら問題はなかった。
【0036】また、得られた光学薄膜について、#00
00のスチールウールを加重300gf/cm2 で100往
復擦り付ける方法で擦傷性を評価したところ、傷や摩耗
の発生はまったくなく、耐擦傷性が非常に高かった。
【0037】(比較例1)
【0038】本発明の効果を確認するため、実施例1〜
3と同様の装置および基板を用いた比較実験を行った。
本比較例ではカソード10上にMgF2 からなる直径4
インチの板状のターゲット9が載置されている。
【0039】以下、本比較例の光学薄膜およびその製造
方法を説明する。まず、実施例3と同様に、基板2を設
置した後、真空槽1を排気する。本比較例では基板の加
熱は行わなかった。その後、ガス導入口12からO2
スを1Paまで導入し、RF電源6から600W(約7.
6W/cm2 に相当)の電力をマグネトロンカソード5に
供給し、プラズマを発生させる。しかし、板状のMgF
2 ターゲット9の温度は、約500℃以下であり、上方
近傍にMgF2 蒸気はほとんど発生していない。ここ
で、固体状のMgF2 はプラズマ中の加速されたイオン
によって叩かれ、MgとFとに解離した状態で上方に飛
び出しており、この状態で、基板2を回転させ、シャッ
タ8を開閉することにより、基板2上に光学的膜厚にし
て130nmのMgF2 膜(屈折率1.39)を形成す
る。この条件では通常の固体のスパッタリングが起こる
だけなのでMgF2 の成膜速度は約5nm/分と非常に遅
く、成膜に要する時間は約26分を要した。
【0040】以上の工程により本比較例の光学薄膜が製
造されるが、スパッタリングされる際、多くのHgF2
がHgとFに解離してしまうので、O2 を導入していて
も、光学薄膜の光吸収が10%以上あり、実用的ではな
かった。
【0041】(比較例2)
【0042】本比較例も実施例1と同様の装置および基
板を用いた。また、実施例1と同様に、膜原料である粒
径0.1〜10mmのMgF2 顆粒3が直径4インチ(約
100mm)の石英製の皿4に入れられてマグネトロンカ
ソード5上に載置されている。
【0043】以下、本実施例の光学薄膜およびその製造
方法を説明する。まず、実施例3と同様に、基板2を設
置した後、真空槽1を排気する。本比較例では基板の加
熱は行わなかった。その後、ガス導入口7からO2 ガス
を1Paまで導入する。RF電源6から600W(約7.
6W/cm2 に相当)の電力をマグネトロンカソード5に
供給し、プラズマを発生させる。このプラズマにより、
MgF2 顆粒3は加熱され、約950℃になり、顆粒3
の上方近傍にMgF2 蒸気が発生する。ここで、実施例
1と同様にMgF2 の蒸気がプラズマ中の加速されたイ
オンによって叩かれ、分子の状態のまま上方に飛び出し
ており、この状態で、基板2を回転させ、シャッタ8を
開閉することにより、基板2上に光学的膜厚にして13
0nmのMgF2 膜(屈折率1.39)を形成する。この
条件ではMgF2 の成膜速度は約1000nm/分と非常
に速く、成膜に要する時間は約8秒であった。
【0044】尚、本比較例ではMgF2 膜上には何も形
成しなかった。
【0045】以上の工程により本実施例の光学薄膜が製
造される。得られた光学薄膜の分光反射特性を図5に示
すが、可視域(400〜700nm)で2%以下と反射が
低く、反射防止膜として良好な特性であった。また、光
学薄膜の光吸収も0.3%以下であり、実用上なんら問
題はなかった。
【0046】しかし、得られた光学薄膜について、#0
000のスチールウールを加重100f/cm2 で100
往復擦り付ける方法で擦傷性を評価したところ、表面に
保護層がないために傷や摩耗が発生しており、耐擦傷性
が低かった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学薄膜
の製造方法によれば、粒径0.1〜10mmの顆粒状のM
gF2 をターゲットとし、少なくとも酸素を含むガスを
導入しながら、2W/cm2 以上の高周波電力をターゲッ
トに投入してターゲット上にプラズマを発生せしめ、プ
ラズマによりターゲット表面の温度を上昇させ、ターゲ
ットおよびターゲットからの蒸気の双方をスパッタリン
グすることにより基板上に膜を形成する工程と、膜上
に、少なくともSiO2 、またはAl2 3 を含む材料
からなり、物理的膜厚にして1〜70nmの表面保護層を
スパッタリングにより形成する工程とを有しているの
で、特に耐擦傷性の高い光学薄膜を、スパッタリング法
により高速で形成することができる。
【0048】また、本発明の光学薄膜によれば、請求項
1記載の製造方法により製造しているので、特に耐擦傷
性が高い薄膜を、スパッタリング法により高速で形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いる成膜装置の断面を模式
的に示す正面図である。
【図2】実施例1により得られた光学薄膜の分光反射特
性を示すグラフである。
【図3】実施例2により得られた光学薄膜の分光反射特
性を示すグラフである。
【図4】実施例3により得られた光学薄膜の分光反射特
性を示すグラフである。
【図5】比較例2により得られた光学薄膜の分光反射特
性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 真空槽 2 基板 3 MgF2 顆粒 4 皿 5 マグネトロンカソード 6 スパッタリング用RF電源 7 ガス導入口 8 シャッタ 9 板状ターゲット 10 マグネトロンカソード 11 スパッタリング用RF電源 12 ガス導入口 13 ガス導入口 14 シャッタ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/28 G02B 5/28 (72)発明者 川俣 健 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 生水 利明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.1〜10mmの顆粒状のMgF2
    をターゲットとし、少なくとも酸素を含むガスを導入し
    ながら、2W/cm2 以上の高周波電力をターゲットに投
    入してターゲット上にプラズマを発生せしめ、前記プラ
    ズマにより前記ターゲット表面の温度を上昇させ、前記
    ターゲットおよび前記ターゲットからの蒸気の双方をス
    パッタリングすることにより基板上に膜を形成する工程
    と、前記膜上に、少なくともSiO2 又はAl2 3
    いずれかを含む材料からなり、光学的膜厚にして1〜7
    0nmの表面保護層をスパッタリングにより形成する工程
    とを有することを特徴とする光学薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により製造され
    た光学薄膜。
JP09909995A 1995-04-25 1995-04-25 光学薄膜およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3776479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09909995A JP3776479B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 光学薄膜およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09909995A JP3776479B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 光学薄膜およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08292302A true JPH08292302A (ja) 1996-11-05
JP3776479B2 JP3776479B2 (ja) 2006-05-17

Family

ID=14238418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09909995A Expired - Lifetime JP3776479B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 光学薄膜およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3776479B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11246968A (ja) * 1998-03-05 1999-09-14 Olympus Optical Co Ltd 光学薄膜の製造方法
JP2000178728A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Olympus Optical Co Ltd 光学薄膜の製造装置及び光学薄膜の製造方法
CN114277343A (zh) * 2020-09-28 2022-04-05 天津工业大学 一种宽带高透过Al2O3/MgF2双层减反射膜的制备方法
JP2022157713A (ja) * 2021-03-31 2022-10-14 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11246968A (ja) * 1998-03-05 1999-09-14 Olympus Optical Co Ltd 光学薄膜の製造方法
JP2000178728A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Olympus Optical Co Ltd 光学薄膜の製造装置及び光学薄膜の製造方法
CN114277343A (zh) * 2020-09-28 2022-04-05 天津工业大学 一种宽带高透过Al2O3/MgF2双层减反射膜的制备方法
CN114277343B (zh) * 2020-09-28 2024-06-11 天津工业大学 一种宽带高透过Al2O3/MgF2双层减反射膜的制备方法
JP2022157713A (ja) * 2021-03-31 2022-10-14 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3776479B2 (ja) 2006-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3808917B2 (ja) 薄膜の製造方法及び薄膜
EP0636702B1 (en) Methods for producing functional films
EP2302423A2 (en) Infrared reflecting coatings
CA2157070C (en) Optical lens of transparent plastic
CN113862616A (zh) 一种增透抗uv车载显示面板的一次镀膜成型方法
JPH08292302A (ja) 光学薄膜およびその製造方法
CN101259989A (zh) 可回火的玻璃涂层
JP2002371355A (ja) 透明薄膜の製造方法
JP3585276B2 (ja) 光学薄膜の製造方法およびこの光学薄膜を有する基板
JP3079580B2 (ja) 光学部品用薄膜及びこれを有する光学部品及びその製造方法
CA2525061C (en) Process for applying in particular optical coatings
JPH1036962A (ja) 光学薄膜の製造装置および製造方法
JPH08109471A (ja) 薄膜の製造方法
JP3933218B2 (ja) 光学薄膜の製造方法及び光学薄膜
JPH09263936A (ja) 薄膜の製造方法および薄膜
JPH0941134A (ja) 薄膜の製造方法
JP4060898B2 (ja) 合成樹脂製眼鏡レンズの製造方法
JP3670697B2 (ja) 光学薄膜の製造方法
JPH09243802A (ja) 光学薄膜の成膜方法および成膜装置
JPH09302463A (ja) 光学薄膜の製造装置及び製造方法
JPH09249968A (ja) 光学薄膜の製造方法及び製造装置
JPH0931644A (ja) 薄膜の製造方法及び薄膜
CN118545918A (zh) 玻璃面板的硬度提升处理方法及其玻璃面板
JPH08190003A (ja) 合成樹脂製光学部材の製造方法
JPH0511053B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060223

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 7