JPH08295286A - タンカーのタンク構造 - Google Patents
タンカーのタンク構造Info
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- JPH08295286A JPH08295286A JP12701595A JP12701595A JPH08295286A JP H08295286 A JPH08295286 A JP H08295286A JP 12701595 A JP12701595 A JP 12701595A JP 12701595 A JP12701595 A JP 12701595A JP H08295286 A JPH08295286 A JP H08295286A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 倒れ止め肘板の増設を必要とすることなく、
接液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を
図る経済的なタンカーのタンク構造。 【構成】 液体を貯溜もしくは運搬するタンカーの上甲
板1とそのタンク内隔壁2との両部材にわたって外端が
溶接された横鉛直平面上に延びるタンク内構材3と、上
記3部材1,2,3に沿って平行的に延びる3辺がそれ
ぞれ同タンク内隔壁,同タンク内構材及びタンク内構材
内端コーミングに溶接された複数段の水平長方形防撓材
5により形成されたタンクにおいて、同タンク内構材3
の上部コーミングの左右の隅角部の若干下方にそれぞれ
固着され竪管部7の下端に前後方向に延びるほぼ同径の
水平管部8の一端が連通的に接続されてなり上端が閉塞
され下端が開口するL字型管を具え、タンカーの動揺の
際に、同L字型管に動吸振器としての作用を行わせる。
接液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を
図る経済的なタンカーのタンク構造。 【構成】 液体を貯溜もしくは運搬するタンカーの上甲
板1とそのタンク内隔壁2との両部材にわたって外端が
溶接された横鉛直平面上に延びるタンク内構材3と、上
記3部材1,2,3に沿って平行的に延びる3辺がそれ
ぞれ同タンク内隔壁,同タンク内構材及びタンク内構材
内端コーミングに溶接された複数段の水平長方形防撓材
5により形成されたタンクにおいて、同タンク内構材3
の上部コーミングの左右の隅角部の若干下方にそれぞれ
固着され竪管部7の下端に前後方向に延びるほぼ同径の
水平管部8の一端が連通的に接続されてなり上端が閉塞
され下端が開口するL字型管を具え、タンカーの動揺の
際に、同L字型管に動吸振器としての作用を行わせる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンカーのタンク構造
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】タンカーのタンク構造では、従来、図6
(A)横断面に示すようなシングルハル,同図(B)に
示すようなダブル ハルがそれぞれ採用されている。い
ずれのタンク構造においても、タンクに搭載する貨液の
液圧を考慮して設計されており、その外板,タンク内隔
壁,タンク内構材の寸法や防撓材の寸法はタンク下部の
方がタンク上部よりも大きく、振動し難くなっており、
タンク上部の方は相対的に振動しやすくなっている。こ
こで、外板(上甲板)とタンク内隔壁との取り合い部VI
I 部は、図7拡大図に示すように、上甲板1,タンク内
隔壁2とタンク内構材3から構成される。上甲板1やタ
ンク内隔壁2には防撓材4が配設され、またタンク内構
材3にも防撓材5や倒れ止め肘板6が配設されている。
この種のタンカーにおいては、タンク内構材3の横倒れ
固有円振動数は、一般に空液時には十分高く、問題ない
のであるが、貨液満載時には接液効果による重量増加の
ため低下し、船舶の推進装置の起振力振動数域に存在す
る場合があるので、タンク内構材3が横倒れ振動におい
て共振を起こしてタンク構造が損傷する惧れもしばしば
ある。このようなタンク構造の損傷を防止するために、
タンク内構材3の横倒れ固有円振動数を船舶の推進装置
の起振力振動数域から引き離す工夫が必要であり、従来
は、図7に示すように、防撓材5間に倒れ止め肘板6を
増設して剛性を増加することで固有円振動数の上昇を図
っている。
(A)横断面に示すようなシングルハル,同図(B)に
示すようなダブル ハルがそれぞれ採用されている。い
ずれのタンク構造においても、タンクに搭載する貨液の
液圧を考慮して設計されており、その外板,タンク内隔
壁,タンク内構材の寸法や防撓材の寸法はタンク下部の
方がタンク上部よりも大きく、振動し難くなっており、
タンク上部の方は相対的に振動しやすくなっている。こ
こで、外板(上甲板)とタンク内隔壁との取り合い部VI
I 部は、図7拡大図に示すように、上甲板1,タンク内
隔壁2とタンク内構材3から構成される。上甲板1やタ
ンク内隔壁2には防撓材4が配設され、またタンク内構
材3にも防撓材5や倒れ止め肘板6が配設されている。
この種のタンカーにおいては、タンク内構材3の横倒れ
固有円振動数は、一般に空液時には十分高く、問題ない
のであるが、貨液満載時には接液効果による重量増加の
ため低下し、船舶の推進装置の起振力振動数域に存在す
る場合があるので、タンク内構材3が横倒れ振動におい
て共振を起こしてタンク構造が損傷する惧れもしばしば
ある。このようなタンク構造の損傷を防止するために、
タンク内構材3の横倒れ固有円振動数を船舶の推進装置
の起振力振動数域から引き離す工夫が必要であり、従来
は、図7に示すように、防撓材5間に倒れ止め肘板6を
増設して剛性を増加することで固有円振動数の上昇を図
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のタンク構造では、本来、横倒れ防止の観点か
ら必要な倒れ止め肘板6に対して大幅に多くの倒れ止め
肘板6が必要となるので、タンク構造の重量増加を招く
とともに工作性が低下する。
うな従来のタンク構造では、本来、横倒れ防止の観点か
ら必要な倒れ止め肘板6に対して大幅に多くの倒れ止め
肘板6が必要となるので、タンク構造の重量増加を招く
とともに工作性が低下する。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みて提案され
たもので、倒れ止め肘板の増設を必要とすることなく、
接液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を
図る経済的なタンカーのタンク構造を提供することを目
的とする。
たもので、倒れ止め肘板の増設を必要とすることなく、
接液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を
図る経済的なタンカーのタンク構造を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明は、液体を貯溜もしくは運搬
するタンカーの上甲板とそのタンク内隔壁との両部材に
わたって外端が溶接された横鉛直平面上に延びるタンク
内構材と、上記3部材に沿って平行的に延びる3辺がそ
れぞれ同タンク内隔壁,同タンク内構材及びタンク内構
材内端コーミングに溶接された複数段の水平長方形防撓
材により形成されたタンクにおいて、同タンク内構材の
上部コーミングの左右の隅角部の若干下方にそれぞれ固
着され鉛直管部の下端に前後方向に延びるほぼ同径の水
平管部の一端が連通的に接続されてなり上端が閉塞され
下端が開口するL字型管を具え、タンカーの動揺の際
に、同L字型管に動吸振器としての作用を行わせること
を特徴とする。
るために、請求項1の発明は、液体を貯溜もしくは運搬
するタンカーの上甲板とそのタンク内隔壁との両部材に
わたって外端が溶接された横鉛直平面上に延びるタンク
内構材と、上記3部材に沿って平行的に延びる3辺がそ
れぞれ同タンク内隔壁,同タンク内構材及びタンク内構
材内端コーミングに溶接された複数段の水平長方形防撓
材により形成されたタンクにおいて、同タンク内構材の
上部コーミングの左右の隅角部の若干下方にそれぞれ固
着され鉛直管部の下端に前後方向に延びるほぼ同径の水
平管部の一端が連通的に接続されてなり上端が閉塞され
下端が開口するL字型管を具え、タンカーの動揺の際
に、同L字型管に動吸振器としての作用を行わせること
を特徴とする。
【0006】また、請求項2の発明は、請求項1におい
て、そのL字型管の竪管部の閉塞上端から下記式(1)
で定まる高さHだけ下方の位置に穿設された小孔を具え
たこと(ただし、 ω0 =√{[2G +K・(P0 +ρGD)2/ ρP0H]/(lL +aL/A) } ……(1) ここで、a:竪管部7の断面積 lL :竪管部7の液柱の長さ A:水平管部8の断面積 L:水平管部8の長さ D:タンク内の液体の液面からL字型管内に残留する液
体12の液面までの深さ G:重力加速度 H:竪管部7の上端から小孔10までの深さ K:空気の比熱比 P0:大気圧 ρ:液体12の密度 ω0 :L字型管内の液柱の固有円振動数である)を特徴
とする。
て、そのL字型管の竪管部の閉塞上端から下記式(1)
で定まる高さHだけ下方の位置に穿設された小孔を具え
たこと(ただし、 ω0 =√{[2G +K・(P0 +ρGD)2/ ρP0H]/(lL +aL/A) } ……(1) ここで、a:竪管部7の断面積 lL :竪管部7の液柱の長さ A:水平管部8の断面積 L:水平管部8の長さ D:タンク内の液体の液面からL字型管内に残留する液
体12の液面までの深さ G:重力加速度 H:竪管部7の上端から小孔10までの深さ K:空気の比熱比 P0:大気圧 ρ:液体12の密度 ω0 :L字型管内の液柱の固有円振動数である)を特徴
とする。
【0007】
【作用】このような構成によれば、L字型管を配設した
ことにより、タンク内に液体を貯溜する場合、下端開口
からL字型管に液体が流入するとともに、その各竪管部
の上端部には空気が封入されるので、このL字型管は、
船体のピッチングの際に動吸振器としての効果が発生す
る。したがって、このL字型管に作用する力の反力によ
ってタンク内構材の横倒れ方向の振動を抑制することが
できる。
ことにより、タンク内に液体を貯溜する場合、下端開口
からL字型管に液体が流入するとともに、その各竪管部
の上端部には空気が封入されるので、このL字型管は、
船体のピッチングの際に動吸振器としての効果が発生す
る。したがって、このL字型管に作用する力の反力によ
ってタンク内構材の横倒れ方向の振動を抑制することが
できる。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、図1はそのタンク内構材の上端コーナ部を示す正面
図、図2は図1のII−II矢視側面図、図3は図2のL字
型管による動吸振器としての作用を示す説明図、図4は
図1の各部材に作用する力学的諸量の経時的変化を示す
線図、図5は図1のL字型管による振動数とタンク内構
材の振動加速度との関係を示す線図である。
と、図1はそのタンク内構材の上端コーナ部を示す正面
図、図2は図1のII−II矢視側面図、図3は図2のL字
型管による動吸振器としての作用を示す説明図、図4は
図1の各部材に作用する力学的諸量の経時的変化を示す
線図、図5は図1のL字型管による振動数とタンク内構
材の振動加速度との関係を示す線図である。
【0009】上図において、図7と同一の符号はそれぞ
れ同図と同一の部材を示し、まず、図1〜図2におい
て、左舷側,右舷側の各L字型管はそれぞれ等長の1本
の竪管部7と、その各下端開口に一端開口が連通的に固
着され他端が開口するほぼ同径の水平管部8とから構成
されており、竪管部7はタンク内構材3の頂部付近にて
タンク内構材3の縦鉛直面上に固定されている。
れ同図と同一の部材を示し、まず、図1〜図2におい
て、左舷側,右舷側の各L字型管はそれぞれ等長の1本
の竪管部7と、その各下端開口に一端開口が連通的に固
着され他端が開口するほぼ同径の水平管部8とから構成
されており、竪管部7はタンク内構材3の頂部付近にて
タンク内構材3の縦鉛直面上に固定されている。
【0010】ここで、竪管部7の上端はそれぞれ閉塞さ
れている。また、竪管部7や水平管部8には、図2に示
すように、小孔10が設けられている。小孔は、基本的
には、同図に示すように、竪管部7と水平管部8との外
側連通部や竪管部7の中間位置に設けられるが、必要に
応じてその他の場所にも設けることができる。このよう
なタンクに液体9を貯溜すると、水平管部8の開口端か
ら液体9がL字型管内に流入する。しかし、竪管部の上
端は閉塞されているので、空気は竪管部7の上端内部に
残留するとともに、液体9の液圧によって圧縮され竪管
部7の上端部に封入される。
れている。また、竪管部7や水平管部8には、図2に示
すように、小孔10が設けられている。小孔は、基本的
には、同図に示すように、竪管部7と水平管部8との外
側連通部や竪管部7の中間位置に設けられるが、必要に
応じてその他の場所にも設けることができる。このよう
なタンクに液体9を貯溜すると、水平管部8の開口端か
ら液体9がL字型管内に流入する。しかし、竪管部の上
端は閉塞されているので、空気は竪管部7の上端内部に
残留するとともに、液体9の液圧によって圧縮され竪管
部7の上端部に封入される。
【0011】このようなL字型管には、図3に示すよう
に、この残留した封入空気11をばね要素,L字型管内
の液体12を質量要素とする1自由度振動系が形成され
る。この振動系の固有円振動数ω0 は簡単のため左右対
称構造とすると、式(1)で与えられる。 ω0 =√{[2G +K・(P0 +ρGD)2/ ρP0H]/(lL +aL/A) } ……(1) ここで、a:竪管部7の断面積 lL :竪管部7の液柱の長さ A:水平管部8の断面積 L:水平管部8の長さ D:タンク内の液体の液面からL字型管内に残留する液
体12の液面までの深さ G:重力加速度 H:竪管部7の上端から小孔10までの深さ K:空気の比熱比 P0:大気圧 ρ:液体12の密度 ω0 :L字型管内の液柱の固有円振動数である)。 式(1)により、L字型管の固有振動数がタンク内構材
3の横倒れ振動の固有振動数と一致するように、竪管部
7や水平管部8の寸法,小孔10の位置及びタンク液位
が決定されている。また、Hは式(1)において、設定
固有振動数ω0が決まれば、逆算して求めることができ
る。ここで、小孔10の位置Hは、0<H<Hmax
(図3)の範囲で選定される。しかしながら、この小孔
の位置は封入空気の初期容積を定めることになり、これ
によってL字型管の液柱の共振周波数を決めることがで
きる重要な作用効果を奏する。
に、この残留した封入空気11をばね要素,L字型管内
の液体12を質量要素とする1自由度振動系が形成され
る。この振動系の固有円振動数ω0 は簡単のため左右対
称構造とすると、式(1)で与えられる。 ω0 =√{[2G +K・(P0 +ρGD)2/ ρP0H]/(lL +aL/A) } ……(1) ここで、a:竪管部7の断面積 lL :竪管部7の液柱の長さ A:水平管部8の断面積 L:水平管部8の長さ D:タンク内の液体の液面からL字型管内に残留する液
体12の液面までの深さ G:重力加速度 H:竪管部7の上端から小孔10までの深さ K:空気の比熱比 P0:大気圧 ρ:液体12の密度 ω0 :L字型管内の液柱の固有円振動数である)。 式(1)により、L字型管の固有振動数がタンク内構材
3の横倒れ振動の固有振動数と一致するように、竪管部
7や水平管部8の寸法,小孔10の位置及びタンク液位
が決定されている。また、Hは式(1)において、設定
固有振動数ω0が決まれば、逆算して求めることができ
る。ここで、小孔10の位置Hは、0<H<Hmax
(図3)の範囲で選定される。しかしながら、この小孔
の位置は封入空気の初期容積を定めることになり、これ
によってL字型管の液柱の共振周波数を決めることがで
きる重要な作用効果を奏する。
【0012】さて、タンカーの航行中のピッチングによ
る貨液の動揺により、タンク内構材3の横倒れ固有振動
数が共振した場合を考えると、この場合の起振力をFと
すると、起振力Fとタンク内構材3の振動変位yの関係
は、図4(A),(B)に示すように、振動変位yは起
振力Fに対してその位相が90°遅れる。
る貨液の動揺により、タンク内構材3の横倒れ固有振動
数が共振した場合を考えると、この場合の起振力をFと
すると、起振力Fとタンク内構材3の振動変位yの関係
は、図4(A),(B)に示すように、振動変位yは起
振力Fに対してその位相が90°遅れる。
【0013】次に、タンク内構材3の振動変位によって
発生するL字型管内の液体12の振動変位xも、前述の
振動系により同図(C)に示すように、タンク内構材3
の振動変位yに対してさらに位相は90°遅れる。この
ときL字型管内の液体12に発生する慣性力F1 の反作
用として作用力Fc がタンク内構材3に作用する。 ここで、FI =M・〔d(dx/dt)/(dt)〕 ・・・・・(2) Fc =−FI ・・・・・(2) ただし、M:L字型管内の液体12の有効質量 x=L字型管内の液体12の振動変位 式(2)より Fc =−FI =−M・[d(dx/dt)/(dt)] =Mω2 x ・・・・・(3) ただし、ω=タンク内構材3の横倒れ固有円振動数 すなわち、式(3)より作用力Fc と連通管内の液体1
2の振動変位xとは同位相であることがわかる(同図
(D)参照)。
発生するL字型管内の液体12の振動変位xも、前述の
振動系により同図(C)に示すように、タンク内構材3
の振動変位yに対してさらに位相は90°遅れる。この
ときL字型管内の液体12に発生する慣性力F1 の反作
用として作用力Fc がタンク内構材3に作用する。 ここで、FI =M・〔d(dx/dt)/(dt)〕 ・・・・・(2) Fc =−FI ・・・・・(2) ただし、M:L字型管内の液体12の有効質量 x=L字型管内の液体12の振動変位 式(2)より Fc =−FI =−M・[d(dx/dt)/(dt)] =Mω2 x ・・・・・(3) ただし、ω=タンク内構材3の横倒れ固有円振動数 すなわち、式(3)より作用力Fc と連通管内の液体1
2の振動変位xとは同位相であることがわかる(同図
(D)参照)。
【0014】以上をまとめると、図4に示すように、作
用力Fc は起振力Fと逆位相になる。すなわち、作用力
FC は起振力Fを打ち消す方向に作用するから、本タン
ク構造への有効起振力F+FC は、同図(E)の実線に
示すように、破線で示す起振力Fに比べて十分小さくす
ることができる。したがって、本タンク構造の振動応答
はL字型管がない場合に比べて十分小さくすることがで
きるのである。
用力Fc は起振力Fと逆位相になる。すなわち、作用力
FC は起振力Fを打ち消す方向に作用するから、本タン
ク構造への有効起振力F+FC は、同図(E)の実線に
示すように、破線で示す起振力Fに比べて十分小さくす
ることができる。したがって、本タンク構造の振動応答
はL字型管がない場合に比べて十分小さくすることがで
きるのである。
【0015】このような本発明の効果を従来のタンク構
造の効果と比較すると、図5に示すようになる。すなわ
ち、同図の破線13は図7に示した従来の未対策構造の
タンク内構材3の振動加速度を表す曲線であり、一点鎖
線14は同図において倒れ止め肘板6を増設した従来対
策構造の場合、実線15は図1に示した本発明のタンク
構造の場合をそれぞれ示す。図7に示した従来構造で
は、その固有振動数を上昇させるために、多数の倒れ止
め肘板6を必要とする上に、新たな固有振動数が別の起
振力と共振する可能性が残った。これに対して、本発明
のタンク構造では、その振動応答を全体的に抑制するこ
とができ、別起振力との共振現象の懸念もなくなる。
造の効果と比較すると、図5に示すようになる。すなわ
ち、同図の破線13は図7に示した従来の未対策構造の
タンク内構材3の振動加速度を表す曲線であり、一点鎖
線14は同図において倒れ止め肘板6を増設した従来対
策構造の場合、実線15は図1に示した本発明のタンク
構造の場合をそれぞれ示す。図7に示した従来構造で
は、その固有振動数を上昇させるために、多数の倒れ止
め肘板6を必要とする上に、新たな固有振動数が別の起
振力と共振する可能性が残った。これに対して、本発明
のタンク構造では、その振動応答を全体的に抑制するこ
とができ、別起振力との共振現象の懸念もなくなる。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明タンク構造は、
上端を閉塞したL字型管を配設することにより、タンク
内構材の振動応答を抑制することができるので、従来の
構造に比べて簡易な構造で、しかも高い信頼性でタンク
内構材の共振現象による損傷発生を防止することができ
る。
上端を閉塞したL字型管を配設することにより、タンク
内構材の振動応答を抑制することができるので、従来の
構造に比べて簡易な構造で、しかも高い信頼性でタンク
内構材の共振現象による損傷発生を防止することができ
る。
【0017】要するに請求項1の発明によれば、液体を
貯溜もしくは運搬するタンカーの上甲板とそのタンク内
隔壁との両部材にわたって外端が溶接された横鉛直平面
上に延びるタンク内構材と、上記3部材に沿って平行的
に延びる3辺がそれぞれ同タンク内隔壁,同タンク内構
材及びタンク内構材内端コーミングに溶接された複数段
の水平長方形防撓材により形成されたタンクにおいて、
同タンク内構材の上部コーミングの左右の隅角部の若干
下方にそれぞれ固着され鉛直管部の下端に前後方向に延
びるほぼ同径の水平管部の一端が連通的に接続されてな
り上端が閉塞され下端が開口するL字型管を具え、タン
カーの動揺の際に、同L字型管に動吸振器としての作用
を行わせることにより、倒れ止め肘板の増設を必要とす
ることなく、接液時の固有円振動数の低下を防止して、
重量の低減を図る経済的なタンカーのタンク構造を得る
から、本発明は産業上極めて有益なものである。
貯溜もしくは運搬するタンカーの上甲板とそのタンク内
隔壁との両部材にわたって外端が溶接された横鉛直平面
上に延びるタンク内構材と、上記3部材に沿って平行的
に延びる3辺がそれぞれ同タンク内隔壁,同タンク内構
材及びタンク内構材内端コーミングに溶接された複数段
の水平長方形防撓材により形成されたタンクにおいて、
同タンク内構材の上部コーミングの左右の隅角部の若干
下方にそれぞれ固着され鉛直管部の下端に前後方向に延
びるほぼ同径の水平管部の一端が連通的に接続されてな
り上端が閉塞され下端が開口するL字型管を具え、タン
カーの動揺の際に、同L字型管に動吸振器としての作用
を行わせることにより、倒れ止め肘板の増設を必要とす
ることなく、接液時の固有円振動数の低下を防止して、
重量の低減を図る経済的なタンカーのタンク構造を得る
から、本発明は産業上極めて有益なものである。
【0018】請求項2の発明によれば、請求項1におい
て、そのL字型管の竪管部の閉塞上端から下記式(1)
で定まる高さHだけ下方の位置に穿設された小孔を具え
たことを特徴とするタンカーのタンク構造(ただし、 ω0 =√{[2G +K・(P0 +ρGD)2/ ρP0H]/(lL +aL/A) } ……(1) ここで、a:竪管部7の断面積 lL :竪管部7の液位 A:水平管部8の断面積 L:水平管部8の長さ D:タンク内の液体の液面からL字型管内に残留する液
体12の液面までの深さ G:重力加速度 H:竪管部7の上端から小孔10までの深さ K:空気の比熱比 P0:大気圧 ρ:液体12の密度 ω0 :L字型管内の液柱の固有円振動数である) により、倒れ止め肘板の増設を必要とすることなく、接
液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を図
る経済的なタンカーのタンク構造を得るから、本発明は
産業上極めて有益なものである。
て、そのL字型管の竪管部の閉塞上端から下記式(1)
で定まる高さHだけ下方の位置に穿設された小孔を具え
たことを特徴とするタンカーのタンク構造(ただし、 ω0 =√{[2G +K・(P0 +ρGD)2/ ρP0H]/(lL +aL/A) } ……(1) ここで、a:竪管部7の断面積 lL :竪管部7の液位 A:水平管部8の断面積 L:水平管部8の長さ D:タンク内の液体の液面からL字型管内に残留する液
体12の液面までの深さ G:重力加速度 H:竪管部7の上端から小孔10までの深さ K:空気の比熱比 P0:大気圧 ρ:液体12の密度 ω0 :L字型管内の液柱の固有円振動数である) により、倒れ止め肘板の増設を必要とすることなく、接
液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を図
る経済的なタンカーのタンク構造を得るから、本発明は
産業上極めて有益なものである。
【図1】本発明の一実施例のタンク構造を示す部分正面
図である。
図である。
【図2】図1のII−II矢視側面図である。
【図3】図2のL字型管の力学的諸量を示す同じく側面
図である。
図である。
【図4】図1の各部材に作用する力学的諸量の経時的変
化を示す線図である。
化を示す線図である。
【図5】本発明による振動数とタンク内構材の加速度と
の関係を示す線図である。
の関係を示す線図である。
【図6】従来のタンカーのタンクを示す横断面図であ
る。
る。
【図7】図6の上甲板と縦通隔壁との取り合い部VII の
構造を示す拡大図である。
構造を示す拡大図である。
1 外板(上甲板) 2 タンク内隔壁 3 タンク内構材 4 防撓材 5 防撓材 6 倒れ止め肘板 7 竪管部 8 水平管部 9 液体 10 小孔 11 封入空気(空気室) 12 L字型管内液体 13 図7の従来構造のタンク内構材の振動応答曲線 14 図7の従来構造のタンクで肘板を増設した場合の
内構材の振動応答曲線 15 図1の本発明構造のタンク内構材の振動応答曲線
内構材の振動応答曲線 15 図1の本発明構造のタンク内構材の振動応答曲線
Claims (2)
- 【請求項1】 液体を貯溜もしくは運搬するタンカーの
上甲板とそのタンク内隔壁との両部材にわたって外端が
溶接された横鉛直平面上に延びるタンク内構材と、上記
3部材に沿って平行的に延びる3辺がそれぞれ同タンク
内隔壁,同タンク内構材及びタンク内構材内端コーミン
グに溶接された複数段の水平長方形防撓材により形成さ
れたタンクにおいて、同タンク内構材の上部コーミング
の左右の隅角部の若干下方にそれぞれ固着され鉛直管部
の下端に前後方向に延びるほぼ同径の水平管部の一端が
連通的に接続されてなり上端が閉塞され下端が開口する
L字型管を具え、タンカーの動揺の際に、同L字型管に
動吸振器としての作用を行わせることを特徴とするタン
カーのタンク構造。 - 【請求項2】 請求項1において、そのL字型管の竪管
部の閉塞上端から下記式(1)で定まる高さHだけ下方
の位置に穿設された小孔を具えたことを特徴とするタン
カーのタンク構造(ただし、 ω0 =√{[2G +K・(P0 +ρGD)2/ ρP0H]/(lL +aL/A) } ……(1) ここで、a:竪管部7の断面積 lL :竪管部7の液柱の長さ A:水平管部8の断面積 L:水平管部8の長さ D:タンク内の液体の液面からL字型管内に残留する液
体12の液面までの深さ G:重力加速度 H:竪管部7の上端から小孔10までの深さ K:空気の比熱比 P0:大気圧 ρ:液体12の密度 ω0 :L字型管内の液柱の固有円振動数である)。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12701595A JP3354748B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | タンカーのタンク構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12701595A JP3354748B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | タンカーのタンク構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08295286A true JPH08295286A (ja) | 1996-11-12 |
| JP3354748B2 JP3354748B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=14949583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12701595A Expired - Fee Related JP3354748B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | タンカーのタンク構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3354748B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014097459A1 (ja) * | 2012-12-20 | 2014-06-26 | 新日鐵住金株式会社 | タンカーの油槽 |
| JP2014131894A (ja) * | 2013-01-07 | 2014-07-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | タンカーの油槽 |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP12701595A patent/JP3354748B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014097459A1 (ja) * | 2012-12-20 | 2014-06-26 | 新日鐵住金株式会社 | タンカーの油槽 |
| CN104039643A (zh) * | 2012-12-20 | 2014-09-10 | 新日铁住金株式会社 | 油轮的油槽 |
| JP2014131894A (ja) * | 2013-01-07 | 2014-07-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | タンカーの油槽 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3354748B2 (ja) | 2002-12-09 |
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Legal Events
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| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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