JPH08299904A - 無機多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents

無機多孔質膜及びその製造方法

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JPH08299904A
JPH08299904A JP7131093A JP13109395A JPH08299904A JP H08299904 A JPH08299904 A JP H08299904A JP 7131093 A JP7131093 A JP 7131093A JP 13109395 A JP13109395 A JP 13109395A JP H08299904 A JPH08299904 A JP H08299904A
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sol
inorganic porous
porous film
coating
film
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JP7131093A
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Taisuke Ando
泰典 安藤
Hisatomi Taguchi
久富 田口
Seiji Yamada
誠司 山田
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリ金属酸化物及びポリ金属水酸化物のコロイ
ド粒子のうちの1種以上が分散するゾルから成り、前記
コロイド粒子は、尿素を含有する金属塩化合物溶液にお
いて前記尿素の加水分解により得られる粒子である無機
多孔質膜形成用塗布液。 【効果】この塗布液によれば、塗膜をゲル化し乾燥し焼
成することにより無機多孔質膜を製造することができ
る。そして、製造された無機多孔質膜は、各種の膜分離
操作に好適に使用することができる。即ち、塗膜の塗
布、ゲル化、乾燥、焼成という一連の工程を一度だけ経
るという条件下においてもピンホ−ルやクラック等の欠
陥のない無機多孔質膜を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機多孔質膜形成用塗
布液、無機多孔質膜及びその膜の製造方法に関する。前
記無機多孔質膜は、各種の膜分離操作に使用することが
できる。特に、0.1 μm未満の平均細孔径を持つもの
や、分画分子量が数十万以下のものは、各種の膜分離操
作に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】無機多孔質膜のうち平均細孔径が0.1 μ
m以下のものの製膜は、一般的にゾル−ゲル法を用いて
行なわれる。
【0003】この方法では、金属アルコキシド等から加
水分解等により生成したゲルを硝酸等で解膠させた金属
酸化物粒子からなるゾルを調製する。このゾルにバイン
ダー、可塑剤などを添加し濾過膜コート用のゾル液とす
る。
【0004】このコート用ゾル液を用いて一層または多
層構造の支持体上に、支持体表面での濃度分極によりゲ
ル層を形成することによりゲル膜を担持する。
【0005】このように担持したゲル層を乾燥後焼成す
ることで多孔質膜を得ることができるが、通常は担持、
乾燥、焼成という上述の一連の工程を複数回繰り返し
て、欠陥のない濾過膜を製造していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】上記方法での濾過膜の製造方法としては、
特公昭63−36808 号公報に記載のものがあるが、使用す
る濾過膜コ−ト用ゾル液のゾル粒子の粒径が不均一であ
り、濾過膜製造過程でクラック等の欠陥が発生しやす
い。その理由は、この方法では金属アルコキシドを加水
分解し、一度ゲル化した後に解膠しゾルとするため、と
考えられる。
【0007】また特公平5−39652 号公報でも同様の方
法により作成したゾルを使用して得られた濾過膜を示し
ているが、上記と同様の理由から欠陥が生じやすい。な
お、同号報には、クラックのない膜を得るには、ゲルの
乾燥は完全、または部分的に超臨界的な条件で行われる
必要があるということが示されている。
【0008】また特開平5 −238845号公報には、80℃以
下の温度で加水分解を行うことで、均一な微小粒子アル
ミナゾルを得る方法が示されているが、加水分解後、液
が懸濁している場合に、遠心分離により一部生じた大き
い粒子を分離する工程が必要となることからもわかるよ
うに、粒子の均一性にはなお問題があるといえる。
【0009】金属アルコキシドを加水分解後酸等で解膠
する従来のゾル製造方法では、アルコキシド中に水を加
えると同時に加水分解が起きる。即ち、加水分解を反応
系全体にわたって均一に行うことが難しく、ゾルの一部
にゲルの沈殿物が生じてしまう等の好ましくない現象を
抑制することが困難である。そのため、このように生成
したゲルを酸で解膠してゾルを合成せねばならないの
で、ゾルの分子量、粒径、濃度等の均一性は低いと考え
られる。
【0010】従って、限外濾過膜を形成する際にコ−ト
用ゾル液の膜厚が厚くなり過ぎると焼成終了時までにク
ラック等の欠陥が生じやすいので、限外濾過膜として十
分な膜厚を得るためには焼成終了時までにクラックが発
生しない程度の薄いゾル液の膜を支持体にコ−トし、ゲ
ル化し、乾燥させ、焼成するという一連の工程を3回以
上繰り返して行なう必要があった。また乾燥条件(恒温
恒湿)を厳密に制御する必要もあり、工業的に完成度の
低い方法であった。
【0011】要するに、従来の金属アルコキシドの加水
分解を利用したゾル合成方法は、加水分解の制御が難し
く分散粒子の径が均一なゾルを合成することは困難であ
った。その結果、クラック、剥離等の欠陥なしに製造で
きる多孔質膜は、最大厚さが極めて薄く、ピンホール等
の欠陥を伴っていた。従って、ピンホール等の欠陥を無
くすためには、前記多孔質膜の表面にさらにクラック、
剥離等の欠陥のない多孔質膜を2層以上積層して膜厚を
厚くする必要があった。即ち、ゾルのコーティング、ゲ
ル化、乾燥及び焼成という一連の工程を3回以上繰り返
さなければならなかった。
【0012】その上、場合によっては、膜にクラック等
の欠陥が生じないようにするために、さらに乾燥条件
(恒温恒湿等)を厳密に制御する必要があった。
【0013】本発明の目的の一つは、新規の無機多孔質
膜形成用塗布液、無機多孔質膜及び無機多孔質膜の製造
方法を提供することである。
【0014】また、本発明の他の目的は、上記従来技術
の問題点を解決する無機多孔質膜形成用塗布液、無機多
孔質膜及び無機多孔質膜の製造方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、次の無
機多孔質膜形成用塗布液、無機多孔質膜及び無機多孔質
膜製造方法により上記課題を解決することができる。
【0016】 ポリ金属酸化物及びポリ金属水酸化物
のコロイド粒子のうちの1種以上が分散するゾルから成
り、前記コロイド粒子は、尿素を含有する金属塩化合物
溶液において前記尿素の加水分解により得られる粒子で
ある無機多孔質膜形成用塗布液(請求項1)。
【0017】ポリ金属酸化物及びポリ金属水酸化物の
コロイド粒子のうちの1種以上が分散するゾルから成
り、コロイド粒子は、平均粒子径が10nm以下の微細
粒子であることを特徴とする無機多孔質膜形成用塗布液
(請求項2)。
【0018】上記無機多孔質膜形成用塗布液のゲル化
物の乾燥膜の焼成体である無機多孔質膜(請求項3)。
【0019】前記焼成体は、好ましくは、平均細孔径が
0.1μm未満で純水透過水量が1×10-4l/min
・m2・Pa以下にする(請求項4)。
【0020】上記無機多孔質膜形成用塗布液の塗膜を
ゲル化し乾燥し焼成する無機多孔質膜の製造方法(請求
項5)。
【0021】好ましくは、前記塗膜をゲル化し乾燥し焼
成するという一連の工程を2回以下含む(請求項6)。
【0022】好ましくは、前記塗布液のコロイド粒子の
濃度は、焼成により得られる金属酸化物換算で0.5〜
3重量%にする(請求項7)。
【0023】好ましくは400〜1000℃の温度で焼
成する(請求項8)。
【0024】
【好適な実施態様】
(無機多孔質膜形成用塗布液)本発明の塗布液は、ポリ
金属酸化物のコロイド粒子及びポリ金属水酸化物のコロ
イド粒子のうちの1種以上が分散媒に分散するゾルから
成り、前記コロイド粒子は、尿素を含有する金属塩化合
物溶液において前記尿素の加水分解により得られる粒子
であるか、又は、平均粒子径が10nm以下の微細粒子
である。
【0025】本発明におけるポリ金属酸化物及びポリ金
属水酸化物のコロイド粒子は、ほぼ完全なアモルファス
であるが、結晶性が皆無ではない。即ち、一般的にアモ
ルファス及び結晶の定義は、相対的なもので、アモルフ
ァス性と結晶性の程度によって分類されるのであって、
数値による厳密な境目が存在するわけではないからであ
る。またその判断は、XRD(X線回折法)によって行
われるが、この結果からアモルファスであると判断した
場合でも、結晶性が皆無とは断言できない。
【0026】好ましくは、前記ゾルに、純水等の水、バ
インダ−、可塑剤を添加する。それにより、塗布液の粘
度及び前記コロイド粒子の濃度を調整して塗布すること
ができる。
【0027】即ち、バインダー及び可塑剤は、塗布液の
粘度を調節し、毛管凝縮による溶媒の支持体(塗布液が
塗布された支持体)へ吸収される速度を調節するととも
に、塗布後の膜の性状を保つことができる。塗布液の粘
度は、好ましくは5〜200mPa・sにする。
【0028】粒子濃度は、膜厚をコントロールするため
に調節する。バインダーとしては、有機バインダ(特に
加熱により消失性のもの)、例えばPVA(ポリビニル
アルコ−ル)、ポリエチレングリコール、メチルセルロ
ース等を適宜使用できる。
【0029】可塑剤としては、例えばグリセリンを使用
することができ、また、ポリアルキレングリコール類、
ポリオキシアルキレングリコール類も使用できる。
【0030】塗布液におけるバインダーの濃度は、好ま
しくは0.5〜10重量%であり、可塑剤の濃度は、好
ましくは1〜10重量%である。
【0031】ポリ金属酸化物のコロイド粒子及びポリ金
属水酸化物のコロイド粒子のうちの1種以上が分散媒に
分散する前記特定のゾルは、例えば特開平4 −220468号
公報に示される方法により製造することができる。
【0032】前記公報に示される硝酸安定化無機酸化物
アモルファスゾルは、本発明で特定する前記ゾルに該当
するものであり、その製造方法は次の通りである。
【0033】前記ゾルは、いわゆる均一沈澱法の1種で
ある下記反応式で示される、尿素の加水分解を利用した
中和反応により金属水酸化物の沈澱が生じる以前に、こ
の加水分解を停止せしめてゾル状態にとどめ、次いでこ
のようにして得られたゾルを限外ろ過装置によりゾル中
の不純物イオンを除去して製造するものである。 (NH22+H2O→2NH3+CO2 NH3+H2O→NH4 ++OH-
【0034】すなわち、アルミニウム、チタン、ジルコ
ニウム、スズ、イットリウムなどの硝酸塩水溶液に尿素
を添加して溶解させる。次いで、この水溶液を90℃以
上に加熱しながら攪拌し、尿素の加水分解を行いつつ中
和反応を継続する。この水溶液のpHは、反応初期は通
常2以下であるが、反応が進行するにつれて徐々に上昇
し、沈澱が生じる前のpHが6以下、好ましくは5以下
で反応を停止する。この時の硝酸塩水溶液の金属塩濃度
は0.01〜3モル/リットル、好ましくは0.02〜
2モル/リットルであり、3モル/リットル以上になる
とゾル粘度が高くなり取り扱いが困難になる。また、尿
素の添加量は、金属に対して0.3〜5モル倍、好まし
くは0.5〜3モル倍である。
【0035】このようにして得られたゾルを冷却後、限
外ろ過膜に通すことによって、水とともにゾル中の不純
物イオン類を系外に排出し洗浄、濃縮する。この時に使
用する限外瀘過膜の細孔径(平均細孔径)は、好ましく
は3nm〜50nmにする。濃縮後もゾル中の不純物イ
オン類濃度が高い場合は、ゾルに純水を加え洗浄・濃縮
工程を繰り返すか、あるいはイオン交換樹脂を用いて不
純物イオン類を除去する。限外ろ過膜により洗浄、濃縮
されて得られたゾル濃度は、金属塩の酸化物換算で10
〜20重量%程度である。塗布液の成分としてはゾル濃
度が高いほうが取り扱いやすいため、このゾルに硝酸を
添加し、ゾルを80℃以下、好ましくは60℃以下の温
度で加熱することにより、酸化物換算で50重量%程度
まで濃縮することも可能である。
【0036】金属塩の種類は限定されないが、塗膜強
度、化学的安定性からジルコニアゾルが好ましく、特に
硝酸安定化アモルファスジルコニアゾルが最も好まし
い。
【0037】より詳細な例は、次のとおりである。酸化
ジルコニウムとして18重量%の硝酸ジルコニル水溶液
30kgと尿素3kgとを純水200リットルに加え
た。次いで、この水溶液を6時間加熱沸騰して透明性の
ジルコニアゾルを得た。このゾルを室温まで冷却した
後、限外ろ過装置に導き、酸化ジルコニウムとして10
重量%まで濃縮した。さらに、この濃縮後のゾルに純水
を加えて濃縮前のジルコニア濃度とし、再度限外ろ過装
置を用いて濃縮、洗浄した。この希釈・濃縮・洗浄操作
を5回繰り返し、5回目洗浄後の酸化ジルコニウムとし
て10重量%のジルコニアゾルに硝酸を添加した後、こ
のゾルを真空下50℃に保ちながら加熱、濃縮して25
重量%の透明性硝酸安定化ジルコニアゾルを得た。
【0038】このゾルにおいて、pHは1.5、粘度は
50センチポイズ(cp)、コロイド粒子はアモルファ
ス、その平均粒子径は3nm以下であり、またこのゾル
は長時間安定であった。
【0039】尿素含有液からの加水分解法では、尿素の
加水分解反応を利用してポリ金属酸化物又はポリ金属水
酸化物を合成するため、反応が溶液全体で均一に進行す
る。このため合成したゾルは分散するコロイド粒子の径
が均一で微細(10nm以下)であるとの特徴を有する。特
に、平均粒子径が3nm以下の極微小のアモルファス粒
子からなる、外観が透明性の硝酸安定化アモルファスゾ
ルがそれ自身優れたバインダー効果と沈澱の生成防止、
液相分離の防止の効果を有し好適に使用される。
【0040】本発明の塗布液を限外濾過膜の製造に使用
する場合には、コロイド粒子の最大粒子径は、好ましく
は100nm以下にする。
【0041】前記方法により、ポリ水酸化ジルコニウム
ゾル(ポリ水酸化ジルコニウムのコロイド粒子が分散す
るゾル)を製造する場合は、次の通りである。
【0042】金属塩化合物の溶液である硝酸ジルコニル
溶液に尿素を添加し溶解させ、この水溶液を90℃以上に
加熱しながら攪拌し、尿素の加水分解による中和反応を
行う。この反応を、水酸化物の沈殿が生じるpHになる
前に停止する。これによりゲル状態を経ることなく、ポ
リ水酸化ジルコニウムゾルとすることができる。
【0043】前記ゾルの合成のより詳細な手順は、次の
通りである。
【0044】硝酸ジルコニル溶液に尿素を添加し溶解さ
せる。次いで、この水溶液を90℃以上に加熱し攪拌し、
尿素の加水分解による中和反応を行う。この反応を、金
属水酸化物の沈殿が生じる前に停止する(pH=6以
下、好ましくはpH=5以下)ことでゾルを合成する。
【0045】このようにして得たゾルを冷却後、限外濾
過膜による濾過で、ゾル中の不純物を除去し洗浄、濃縮
を行う。前記ゾルを10重量%(ジルコニア換算)まで濃
縮し、硝酸を添加した後、真空下、50℃で濃縮を行う。
以上の方法により、濃度が25〜30重量%(ジルコニア換
算)、pH1〜3、平均粒子径が10nm以下のアモルファ
スな微粒子の水分散体が得られる。
【0046】前記硝酸ジルコニル溶液の代わりに、アル
ミニウム、チタン、スズ、イットリウム等の金属の塩
(例えば硝酸塩)の溶液(例えば水溶液)を用い、上記
方法に準じる手順によれば、それぞれのポリ金属酸化物
又は水酸化物を得ることができる。
【0047】(無機多孔質膜)本発明の無機多孔質膜
は、前記無機多孔質膜形成用塗布液のゲル化物の乾燥膜
の焼成体である。
【0048】本発明の無機多孔質膜は、クラックやピン
ホールを有しておらず、気孔径は均一である。
【0049】前記焼成体は、好ましくは、金属酸化物で
あり、例えばジルコニア、チタニア、アルミナ等であ
る。
【0050】(無機多孔質膜の製造方法)塗膜は、本発
明の塗布液を支持体に塗布して形成することができる。
【0051】支持体に対する本発明の塗布液の塗布量
は、1回の焼成によって好ましくは3.8×10-4g/
cm2以下(より好ましくは、1.5×10-4g/cm2
程度)の密度で無機多孔質膜(例えばジルコニア多孔質
膜)が得られる塗布量にする。
【0052】支持体として、単層もしくは多層構造であ
るセラミックス質支持体を使用することができる。
【0053】限外濾過膜として使用できる無機多孔質膜
を製造する場合の好適な態様は次の通りである。
【0054】限外濾過膜として使用できる無機多孔質膜
を形成する場合の当該無機多孔質膜(上層)を形成しよ
うとする支持体(下層)の平均細孔径は、好ましくは、
0.1μm以下であり、支持体の限外濾過膜を形成する部
分のみに本発明の塗布液を塗布し公知の方法でゲル層を
担持する。
【0055】このゲル層を空気中で乾燥した後、400 〜
1000℃で焼成し、脱バインダー、脱可塑剤、ゲルの酸化
を行い、無機多孔質膜であるセラミックス質限外濾過膜
を得ることができる。
【0056】このようにして、細孔径が5〜数10nm
で、膜厚が少くとも数100nmの限外濾過膜を製膜す
ることができる。
【0057】また、膜の分画分子量(細孔径)の制御
は、焼成温度及び焼成時間のいずれか一方又は双方の調
節により行なうことができる。焼成温度を上昇させるこ
とにより、粒子が成長し(粒子径が大きくなり)、細孔
径を大きくすることができる。焼成時間を長くすること
により、粒子が成長し(粒子径が大きくなり)、細孔径
を大きくすることができる。
【0058】
【実施例】ジルコニアとして18重量%の硝酸ジルコニル
水溶液30gと尿素3gとを純水200ml に加えた。次い
で、この水溶液を6時間加熱沸騰して透明性のポリ水酸
化ジルコニウムゾルを得た。このゾルを室温まで冷却し
た後、限外濾過装置に導き、ジルコニアとして10重量%
まで濃縮した。さらに、この濃縮後のゾルに純水を加え
て濃縮前のジルコニア濃度とし、再び限外濾過装置を用
いて濃縮洗浄した。この希釈・濃縮・洗浄操作を5回繰
り返し、5回目の洗浄後のジルコニアとして10重量%ま
で濃縮したポリ水酸化ジルコニウムゾルに硝酸を添加し
た後、このゾルを真空下50℃に保ちながら加熱、濃縮し
て25重量%の透明性ポリ水酸化ジルコニウムゾルを得
た。
【0059】このポリ水酸化ジルコニウムゾルにバイン
ダーとしてPVA、可塑剤としてグリセリンを添加し、
純水を加え、酸化ジルコニウム量に換算して1重量%、
PVA3.5 重量%、グリセリン5重量%となるように調
製し、限外濾過膜コート用溶液(ゾル液)を得た。
【0060】平均細孔径10μmのアルミナ質管状支持体
内側に平均細孔径1μm、0.1 μmのアルミナ膜を順次
製膜したものをゾル液をコートするための支持体として
用いた。外壁にコート液(ゾル液)が触れないように外
面を仮に被覆した後、コート液に前記支持体をディップ
して、定速度で引き上げ支持体内面にゲル層を担持し
た。これを空気中室温で24時間乾燥した後、大気中、電
気炉を用い、5℃/minの昇温レートで昇温し、60
0℃で2時間保持して焼成し、脱有機成分、水酸化ジル
コニウムの酸化ジルコニウムへの転換を行い、ジルコニ
ア質限外濾過膜を管内壁に形成した管状濾過材を得た。
【0061】なお、前記支持体における前記平均細孔径
0.1μmのアルミナ膜の純水透過水量は、5×10-5
l/min・m2・Paなので、焼成後に得られる管状
濾過材の純水透水量は前記値を越えない。
【0062】得られた濾過膜をSEM(走査電子顕微
鏡)により観察したところ、クラックやピンホールは確
認されず、膜厚は約300 ナノメートルであった。前記管
状濾過材の分画分子量はポリエチレングリコール(PE
G)で約15000 であった。分画性能の測定は、各種分子
量のPEGの混合溶液を濾過し、阻止率が95%となる分
子量を測定した。
【0063】ゾル粒子濃度(ゾル中のコロイド粒子の濃
度)、コート回数(焼成回数)、焼成温度を変えてジル
コニア質限外濾過膜を形成して管状濾過材を得た場合の
管状濾過材の分画分子量の変化とジルコニア質限外濾過
膜の欠陥(ピルホール又はクラック)の有無を表1に示
した。本ゾルを用いても、粒子濃度が高すぎる場合には
クラックが発生し、低すぎる場合にはピンホールが残る
等の膜欠陥が発生する傾向があるが、ゾル粒子濃度を適
正範囲内にすること等で欠陥の発生は防止できた。適正
範囲は、ジルコニア換算での重量濃度でおよそ0.5 〜3
wt%の範囲であった。なお、コート液の塗布膜の厚さは
0.7μm以下にした。
【0064】
【表1】
【0065】上記実施例のゾル中のコロイド粒子は、X
RD(X線回折法)からアモルファスと判断できるが、
結晶性が皆無とは言い切れない。
【0066】
【発明の効果】請求項1〜2の無機多孔質膜形成用塗布
液は、ポリ金属酸化物及びポリ金属水酸化物のコロイド
粒子のうちの1種以上が分散するゾルから成り、前記コ
ロイド粒子は、尿素を含有する金属塩化合物溶液におい
て前記尿素の加水分解により得られる粒子であるか、又
は、平均粒子径が10nm以下の微細粒子であるので、
塗膜をゲル化し乾燥し焼成することにより無機多孔質膜
を製造することができる。そして、製造された無機多孔
質膜は、各種の膜分離操作に好適に使用することができ
る。
【0067】即ち、塗膜の塗布、ゲル化、乾燥、焼成と
いう一連の工程を一度だけ経るという条件下においても
ピンホ−ルやクラック等の欠陥のない無機多孔質膜を製
造することができる。
【0068】例えば、前記条件下においても、数100 ナ
ノメートル(nm)までの厚さの膜を、欠陥なく形成す
る事が可能となった。特に、クラック等の欠陥なしに得
られる無機多孔質膜の最大厚さが厚いので、当該最大厚
さを越える厚みの無機多孔質膜を製造する場合でも、前
記一連の工程の繰り返し回数を少なくして製造できる。
【0069】従って、製造のために前記一連の工程で消
費されるエネルギ−、例えば焼成時のエネルギ−等を節
約して製造することができると共に製造時間を短縮する
ことができる。
【0070】請求項3〜4の無機多孔質膜は、前記無機
多孔質膜形成用塗布液のゲル化物の乾燥膜の焼成体であ
るので、各種の膜分離操作に好適に使用できる。
【0071】請求項5〜8の無機多孔質膜の製造方法
は、前記無機多孔質膜形成用塗布液の塗膜をゲル化し乾
燥し焼成するので、各種の膜分離操作に好適に使用する
ことができる無機多孔質膜を製造することができる。ま
た、臨界乾燥、恒温恒湿乾燥等のような厳密な乾燥条件
の制御を必須としないので、工業的生産に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01B 13/32 C01B 13/32 C04B 35/622 C04B 35/00 D (72)発明者 山田 誠司 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ金属酸化物及びポリ金属水酸化物のコ
    ロイド粒子のうちの1種以上が分散するゾルから成り、 前記コロイド粒子は、尿素を含有する金属塩化合物溶液
    において前記尿素の加水分解により得られる粒子である
    ことを特徴とする無機多孔質膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】ポリ金属酸化物及びポリ金属水酸化物のコ
    ロイド粒子のうちの1種以上が分散するゾルから成り、 コロイド粒子は、平均粒子径が10nm以下の微細粒子
    であることを特徴とする無機多孔質膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の無機多孔質膜形成
    用塗布液のゲル化物の乾燥膜の焼成体であることを特徴
    とする無機多孔質膜。
  4. 【請求項4】前記焼成体は、平均細孔径が0.1μm未
    満で純水透過水量が1×10-4l/min・m2・Pa
    以下であることを特徴とする請求項3に記載の無機多孔
    質膜。
  5. 【請求項5】請求項1又は2に記載の無機多孔質膜形成
    用塗布液の塗膜をゲル化し乾燥し焼成することを特徴と
    する無機多孔質膜の製造方法。
  6. 【請求項6】前記塗膜をゲル化し乾燥し焼成するという
    一連の工程を2回以下含むことを特徴とする請求項5に
    記載の無機多孔質膜の製造方法。
  7. 【請求項7】前記塗布液のコロイド粒子の濃度は、焼成
    により得られる金属酸化物換算で0.5〜3重量%であ
    ることを特徴とする請求項5又は6に記載の無機多孔質
    膜の製造方法。
  8. 【請求項8】400〜1000℃の温度で焼成すること
    を特徴とする請求項5、6又は7に記載の無機多孔質膜
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100756069B1 (ko) * 2006-11-29 2007-09-07 한국화학연구원 급냉-급건조 공정을 이용한 무기복합막의 제조방법
JP2010506700A (ja) * 2006-10-18 2010-03-04 日本碍子株式会社 セラミックフィルタの製造方法
JPWO2013031621A1 (ja) * 2011-08-26 2015-03-23 Tdk株式会社 ガス分離膜
CN115212729A (zh) * 2022-06-25 2022-10-21 镇江市和云工业废水处置有限公司 一种高稳定性水处理用超滤膜及其制备方法

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