JPH08301757A - Hsp47合成抑制剤 - Google Patents

Hsp47合成抑制剤

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JPH08301757A
JPH08301757A JP7136028A JP13602895A JPH08301757A JP H08301757 A JPH08301757 A JP H08301757A JP 7136028 A JP7136028 A JP 7136028A JP 13602895 A JP13602895 A JP 13602895A JP H08301757 A JPH08301757 A JP H08301757A
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JP
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hsp47
flavonoid
collagen
synthesis
extracellular matrix
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JP7136028A
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English (en)
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Toshimi Shiragami
俊美 白神
Yoichi Shobu
洋一 清輔
Masayoshi Morino
眞嘉 森野
Chikao Yoshikumi
親雄 吉汲
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Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子量47キロダルトンの熱ショックタンパ
ク質の合成抑制剤を提供する。 【構成】 フラボノイドを有効成分として含有する。 【効果】 コラーゲン合成を抑制するので、細胞外マト
リックス産生の亢進の病態を示す病気を治療することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラボノイドを有効成
分として含有する、分子量47キロダルトンの熱ショッ
クタンパク質(以下、HSP47と称する)の合成抑制
剤に関する。本発明のHSP47合成抑制剤は、特に、
臓器内のコラーゲンの合成を抑制することにより肝硬
変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥い
る疾患)、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に
生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は
関節リウマチなどの細胞外マトリックス(細胞外基質)
産生亢進の病態を示す病気の患者の生理学的状態を有効
に改善させ、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は
慢性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、
交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強皮
症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外マトリッ
クス産生亢進の病態を示す病気を効果的に治療すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】近年、コラーゲンなどの細胞外マトリッ
クスの産生の亢進の病態を示す病気が大きな問題となっ
ている。ここでいう細胞外マトリックス産生の亢進の病
態を示す病気とは、例えば、肝硬変、間質性肺疾患、慢
性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢痕
や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚
性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどを含
む。
【0003】例えば、死亡者がわが国だけでも年間約2
万人にものぼるといわれている肝硬変は、肝臓が結合組
織の増殖のため固くなる病気の総称で、種々の慢性肝疾
患の終末像であるといわれ、肝全体にわたるびまん性の
肝線維症である。すなわち、肝炎などの肝傷害が長期に
及ぶ慢性肝炎においては、線維芽細胞や伊東細胞などの
細胞外マトリックス(とくにI型コラーゲン)産生の著
しい亢進を伴い肝臓は線維化する。肝の線維化が慢性的
に進行すると、ますます正常な肝再生は妨害され、肝細
胞に置き換わり、線維芽細胞とI型コラーゲンを主体と
する細胞外マトリックスが肝組織のかなりの部分を占
め、多くの凝小葉からなる肝硬変に至る。肝硬変の進行
に伴い、線維隔壁が肝全体に進展し、その結果生じる血
流の異常は、肝実質細胞の変性をさらに押し進める一因
にもなり、肝硬変における悪循環が続くことになり、さ
らにはアルコール、ウイルス、自己免疫等種々の原因に
よって、肝臓中に多量の膠質線維が生成され、肝細胞の
壊死と機能消失とが生じ、肝硬変患者は遂には死に至
る。I型コラーゲンは正常肝では全タンパク質量の約2
%を占めるが、肝硬変となると10〜30%を占めるよ
うになる。
【0004】また、間質性肺疾患は、肺胞及び肺胞管の
みならず、しばしば呼吸細気管支や終末気管支も巻き込
む下部気道の慢性炎症(肺胞炎 alveolitis )とその結
果である間質の線維化と肺胞内線維化を特徴とする疾患
群である。ここでいう間質性肺疾患とは、例えば、間質
性肺炎、肺線維症などのびまん性間質性肺疾患、特発性
肺線維症、透過性肺水腫、膠原病肺、サルコイドーシス
等を含む。間質性肺疾患においては、線維化組織では細
胞外マトリックスの過剰な産生と蓄積が認められてい
る。すなわち、間質性肺疾患の肺線維化組織では、肥大
した間質に著明なI型及びIII 型コラーゲンの集積がみ
られており、とくにIII 型コラーゲンは、線維化の早期
に肥厚した肺胞中隔に集積し、病期が進行し、後期には
I型コラーゲンが増加し、主要なコラーゲンとなる。基
底膜は早期に破壊されており、肺胞腔側へのコラーゲン
線維の侵入が観察される。
【0005】また、慢性腎不全とは慢性腎炎症候群の結
果、腎機能の荒廃により体内の恒常性が維持できなくな
った状態である。慢性腎不全の進行を病理学的にみると
糸球体硬化と間質線維化の進行である。糸球体硬化症
は、メサンギウム領域を中心とした細胞外マトリックス
の増生である。メサンギウム硬化症の成分は正常と比較
し、著明にIV型コラーゲンなどの糸球体基底膜の成分が
増加し、また間質成分であるI型コラーゲンも硬化症部
位に一致して増生している。すなわち、慢性に経過する
糸球体硬化に対しては、細胞外マトリックスの産生亢進
が大きな要因である。ここで慢性腎不全に陥いる疾患と
は、例えばIgA腎症、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性
腎炎、糖尿病性腎症、慢性間質性腎炎、慢性糸球体腎炎
などを含む。その他、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、或いは
強皮症、動脈硬化等の細胞外マトリックス産生亢進の病
態を示す病気は、何らかの原因によりコラーゲン合成の
異常亢進が起こり、線維化が進んで組織の硬化変化を生
ずることが主要な成因と考えられている。
【0006】また、血管新生においても基底膜及び基底
膜中のコラーゲン合成が、重要な役割をはたすことが指
摘されている(Maragoudakis, E., Sarmonika, M., and
Panoutsacopoulous, M., "J. Pharmacol. Exp. The
r.", 244 : 729, 1988; Ingber,D. E., Madri, J. A.,
and Folkman, J., "Endocrinology",119 : 1768, 198
6)。血管新生による疾患としては、例えば、糖尿病性
網膜症、後水晶体線維増殖症、角膜移植に伴う血管新
生、緑内症、眼腫瘍、トラコーマ、幹せん、化膿性肉芽
腫、血管腫、線維性血管腫、肥大性はん痕、肉芽、リュ
ーマチ性関節炎、浮腫性硬化症、アテローム性動脈硬化
症、各種腫瘍などが知られている。このようにコラーゲ
ンなどの細胞外マトリックスの産生の亢進の病態を示す
病気が大きな問題となっているにもかかわらず、従来で
は副作用や薬理効果等の種々の面で満足すべき細胞外マ
トリックス合成抑制剤(例えば、コラーゲン合成抑制
剤)は未だ開発されていなかったのである。
【0007】一方、熱ショックタンパク質(heat shock
protein;HSP、ストレスタンパク質ともいう)は、
細胞に何らかのストレス、例えば熱、薬剤、放射線等を
加えることにより細胞に発現されるタンパク質である。
HSPは、その種類は多種多様であるが、分子量の大き
さから90ファミリー、70ファミリー、60ファミリ
ー、低分子ファミリーの4ファミリーに大別することが
できる。ストレスへの応答に加えて、これらのタンパク
質のいくつかは構成的に合成され、正常な環境のもと、
タンパク質のフォールディング、アンフォールディン
グ、タンパク質サブユニットの会合、タンパク質の膜輸
送のような、必須の生理的な役割を演じていることが示
されている。熱ショックタンパク質としてのこれらの機
能は、分子シャペロンと称される。
【0008】HSP47は、永田等によって1986年
に発見されたタンパク質で、分子量47キロダルトンの
塩基性タンパク質(pI=9.0)である。HSP47
の発現が増大するにつれて、コラーゲンの合成も増加す
ることが様々な細胞で示されている("J. Biol. Che
m.", 261: 7531, 1986; "Eur. J. Biochem.", 206: 32
3,1992; "J. Biol. Chem.", 265: 992, 1990; "J. Cli
n. Invest.", 94: 2481, 1994)。すなわち、HSP47
は、細胞内で小胞体内でのプロコラーゲンのプロセシン
グ、三重鎖ヘリックス形成、あるいは小胞体からゴルジ
装置へのプロコラーゲン輸送・分泌という局面で、コラ
ーゲンの特異的分子シャペロンとして機能しているとさ
れているので、増大したHSP47発現は、細胞外マト
リックスにおけるコラーゲン分子の蓄積を刺激する。こ
のようにコラーゲン結合熱ショックタンパク質であるH
SP47は、発現と同様に機能においても、細胞外マト
リックスタンパク質であるコラーゲンに密接に関連した
熱ショックタンパク質である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は慢
性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交
通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強皮症、
動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外マトリックス
産生亢進の病態を示す病気の患者の生理学的状態を有効
に改善させ、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は
慢性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、
交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強皮
症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外マトリッ
クス産生亢進の病態を示す病気を効果的に治療すること
のできる、細胞外マトリックス合成抑制剤を提供するた
めに、種々検討を重ねてきた。
【0010】上記したように、肝硬変、間質性肺疾患、
慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢
痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥
厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの
線維症は臓器内の細胞外マトリックスの著しく増加した
病態が主病変と理解されている。肝硬変、間質性肺疾
患、慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、術後
の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイド
や肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチな
どの細胞外マトリックス産生亢進の病態を示す病気に伴
う線維化は、コラーゲン生合成増加やコラーゲン分解能
の低下により生ずると考えられている。例えば、肝の線
維化において、I型、III 型、IV型コラーゲンの合成活
性化が起こるが、特に主要成分であるI型コラーゲンの
合成活性化が重要な意味をもつ。
【0011】こうした状況下で、本発明者らは、意外に
も、フラボノイドが、病態を示す組織の細胞におけるH
SP47の合成を特異的に抑制することを見出した。す
なわち、フラボノイドを投与することにより、細胞内で
のHSP47合成を抑制し、臓器内でのコラーゲン合成
を抑制し、ひいては肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全
(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢痕や熱傷性
瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、
強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外マト
リックス産生亢進の病態を示す病気の治療が可能である
ことを見出したのである。本発明はこうした知見に基づ
くものであり、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又
は慢性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢痕や熱傷性瘢
痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強
皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外マトリ
ックス産生の亢進の病態を示す病気を効果的に治療する
ことのできるHSP47の合成抑制剤であって、細胞内
でのコラーゲンの成熟及び輸送過程に重要な役割を果た
しているコラーゲン特異的な分子シャペロンであるHS
P47の合成抑制剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、フラ
ボノイドを有効成分として含有することを特徴とする、
HSP47の合成抑制剤に関する。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のHSP47合成抑制剤の有効成分として含有され
るフラボノイドは、特に限定されず、公知のフラボノイ
ドを用いることができる。本発明のHSP47合成抑制
剤において用いられるフラボノイドとしては、例えば、
カルコン類、フラバノン類、フラボン類、フラボノール
類、フラバノノール類、フラバノール類(カテキン
類)、イソフラボン類、又はアントシアン類等を挙げる
ことができる。フラボノイドは、単独で用いることもで
きるし、あるいは、異なる複数のフラボノイドを組み合
わせて同時に用いることもできる。
【0014】カルコン類としては、イソオカニン(Isoo
kanin )、イソカルタミン(Isocarthamin)、イソサリ
プルピン(Isosalipurpin )、イソブトリン(Isobutri
n )、イソリキリチン(Isoliquiritin )、オカニン
(Okanin)、カルコン(Chalcone)、カルタミン(Cart
hamin )、コレオプシン(Coreopsin )、スチロプシジ
ン(Stillopsidin)、ネオサクラニン(Neosakurani
n)、ブテイン(Butein)、ペジシン(Pedicin )、ペ
ジセリン(Pedicellin)、マレイン(Marein)、ランセ
オリン(Lanceolin )、又はランセオレチン(Lanceole
tin )等が例示される。
【0015】フラバノン類としては、アルピネチン(Al
pinetin )、イソカルタミジン(Isocarthamidin)、イ
ソサクラニン(Isosakuranin)、イソサクラネチン(Is
osakuranetin)、イソペジシン(Isopedicin)、エリオ
ジクチオール(Eriodictyol)、カルタミジン(Cartham
idin )、クリプトストロビン(Cryptostrobin )、サ
クラニン(Sakuranin )、サクラネチン(Sakuranetin
)、サリプルピン(Salipurpin)、ジヒドロオーゴニ
ン(Dihydrowogonin)、シルトミネチン(Cyrtomineti
n)、ストロボピニン(Strobopinin )、ナリンギン(N
aringin)、ナリンゲニン(Naringenin)、ネオカルタ
ミン(Neocarthamin)、ネオヘスペリジン(Neohesperi
din )、ピノストロビン(Pinostrobin )、ピノセンブ
リン(Pinocembrin )、ファルレロール(Farrerol)、
ブチン(Butin )、ブトリン(Butrin)、フラバノオカ
ニン(Flavanookanin )、フラバノマレイン(Flavanom
arein)、フラバノランセオレチン(Flavanolanceoleti
n)、フラバノン(Flavanone)、プルニン(Prunin)、
ヘスペリジン(Hesperidin)、ヘスペレチン(Hesperet
in)、ベレクンジン(Verecundin)、ホモエリオジクチ
オール(Homoeriodictyol )、ポンシリン(Ponciri
n)、マットイシノール(Matteucinol )、リキリチゲ
ニン(Liquiritigenin)、又はリキリチン(Liquiriti
n)等が例示される。
【0016】フラボン類としては、アカシイン(Acacii
n )、アカセチン(Acacetin)、アピイン(Apiin )、
アピゲニン(Apigenin)、オーゴニン(Wogonin )、オ
ロキシリン−A(Oroxylin-A)、ガルテオリン(Galute
olin)、クリシン(Chrysin)、クリソエリオール(Chr
ysoeriol )、グルコルテオリン(Glucoluteolin )、
ゲンカニン(Genkwanin )、コスモシイン(Cosmosiin
)、ジオスミン(Diosmin )、ジオスメチン(Diosmet
in )、スクテラリン(Scutellarin )、スクテラレイ
ン(Scutellarein)、ストロボクリシン(Strobochrysi
n )、テクトクリシン(Tectochrysin)、トリシン(Tr
icin)、トリンギン(Toringin)、ノビレチン(Nobile
tin )、バイカリン(Baicalin)、バイカレイン(Baic
alein )、フラボン(Flavone )、プリメチン(Primet
in)、ペクトリナリゲニン(Pectolinarigenin)、ペク
トリナリン(Pectolinarin)、ペダリイン(Pedalii
n)、ペダリチン(Pedalitin )、ポンカネチン(Ponka
netin)、リナリン(Linarin )、ルテオリン(Luteoli
n)、ロイホリン(Rhoifolin )、ロツシン(Lotusin
)、又はロトフラビン(Lotoflavin)等が例示され
る。
【0017】フラボノール類としては、アザレアチン
(Azaleatin )、アザレイン(Azalein )、アストラガ
リン(Astragalin)、アビクラリン(Avicularin)、ア
フゼリン(Afzelin )、アヤニン(Ayanin)、イカリイ
ン(Icariin )、イカリチン(Icaritin)、イザルピニ
ン(Izalpinin )、イソケルシトリン(Isoquercitri
n)、イソラムネチン(Isorhamnetin)、エリアンチン
(Erianthin )、オーラネチン(Auranetin )、カヌギ
ン(Kanugin )、ガランギン(Galangin)、カランジン
(Karanjin)、ガルデニン(Gardenin)、カンナビスシ
トリン(Cannabiscitrin)、キサントラムニン(Xantho
rhamnin )、クリソスプレネチン(Chrysosplenetin
)、ケルシツロン(Quercituron )、ケルシトリン(Q
uercitrin)、ケルシメリトリン(Quercimeritrin)、
ケルセタギトリン(Quercetagitrin)、ケルセタゲチン
(Quercetagetin )、ケルセチン(Quercetin )、ケヤ
キニン(Keyakinin )、ケンフェリド(Kaempferid)、
ケンフェリトリン(Kaempferitrin)、ケンフェロール
(Kaempferol)、ゴッシピトリン(Gossypitrin )、ゴ
ッシピン(Gossypin)、ゴッシペチン(Gossypetin)、
スピレオシド(Spiraeoside)、ダチスセチン(Datisce
tin)、タプシン(Thapsin )、タンゲリチン(Tangeri
tin)、タンブリン(Tambulin)、タンブレチン(Tambu
letin)、テルナチン(Ternatin)、トリホリン(Trifo
lin)、ナルシッシン(Narcissin )、ノルイカリイン
(Noricariin)、ノルイカリチン(Noricaritin )、パ
ツレチン(Patuletin )、ヒビスシトリン(Hibiscitri
n )、ヒビスセチン(Hibiscetin)、ヒペリン(Hyperi
n )、フィセチン(Fisetin )、フラボノール(Flavon
ol)、ペルシカリン(Persicarin)、ヘルバシトリン
(Herbacitrin )、ヘルバセチン(Herbacetin)、ミケ
リアニン(Miquelianin )、ミリシトリン(Myricitri
n)、ミリセチン(Myricetin )、メラチン(Meratin
)、メリシンプリン(Melisimplin )、メリシンプレ
キシン(Melisimplexin )、メリテルナチン(Melitern
atin)、メリテルニン(Meliternin)、モリン(Morin
)、ラムナジン(Rhamnazin )、ラムネチン(Rhamnet
in )、ラムノシトリン(Rhamnocitrin)、ルチン(Rut
in )、レイノウトリン(Reynoutrin)、ロビニン(Rob
inin )、又はロビネチン(Robinetin )等が例示され
る。
【0018】フラバノノール類としては、アスチルビン
(Astilbin)、アルピノン(Alpinon )、アロマデンド
リン(Aromadendrin)、アンペロプチン(Ampelopti
n)、イソエンゲリチン(Isoengelitin)、エンゲリチ
ン(Engelitin )、ケヤキノール(Keyakinol )、ジヒ
ドロロビネチン(Dihydrorobinetin)、ストロボバンク
シン(Strobobanksin )、タキシホリン(Taxifolin
)、ピノバンクシン(Pinobanksin )、フェラムリン
(Phellamurin )、フェラムレチン(Phellamuretin
)、又はフスチン(Fustin)等が例示される。
【0019】フラバノール類(カテキン類)としては、
アフゼレキン(Afzelechin)、エピアフゼレキン(Epia
fzelechin )、エピカテキン(Epicatechin )、エピカ
テキンガレート(Epicatechin gallate )、エピガロカ
テキン(Epigallocatechin)、エピガロカテキンガレー
ト(Epigallocatechin gallate)、カテキン(Catechi
n)、カテキンガレート(Catechin gallate)、ガロカ
テキン(Gallocatechin)、又はガロカテキンガレート
(Gallocatechin gallate )等が例示される。
【0020】イソフラボン類としては、イソフラボン
(Isoflavon )、イリゲニン(Irigenin)、イリジン
(Iridin)、オサジン(Osajin)、オノニン(Ononi
n)、ゲニスチン(Genistin)、ゲニステイン(Geniste
in )、サンタール(Santal)、ソホラビオシド(Sopho
rabioside)、ソホリコシド(Sophoricoside )、ダイ
ジン(Daidzin )、ダイゼイン(Daidzein)、テクトリ
ゲニン(Tectorigenin)、テクトリジン(Tectoridi
n)、ビオカニンA(Biochanin A )、プソイドバプチ
ゲニン(Pseudobaptigenin)、プソイドバプチシン(Ps
eudobaptisin)、プルヌセチン(Prunusetin)、プルネ
チン(Prunetin)、ポミフェリン(Pomiferin )、又は
ホルムオノネチン(Formononetin)等が例示される。
【0021】アントシアン類としては、アオバニン(Aw
obanin)、イデイン(Idaein)、イリシシアニン(Ilic
icyanin )、エニン(Oenin )、クリサンテミン(Chry
santhemin )、ゲスネリン(Gesnerin)、ゲスネリジン
(Gesneridin)、ケラシアニン(Keracyanin)、サルビ
アニン(Salvianin )、シアニジン(Cyanidin)、シア
ニン(Cyanin)、デルフィニジン(Delphinidin )、デ
ルフィニン(Delphinin )、デルフィン(Delphin )、
ネグレテイン(Negretein )、ビオラニン(Violani
n)、ヒルスチジン(Hirsutidin)、ヒルスチン(Hirsu
tin)、プリムリン(Primulin)、プルニシアニン(Pru
nicyanin )、ペオニジン(Paeonidin )、ペオニン(P
aeonin )、ペツニジン(Petunidin )、ペツニン(Pet
unin )、ペラルゴニジン(Pelargonidin)、ペラルゴ
ニン(Pelargonin)、マルビジン(Malvidin)、又はマ
ルビン(Malvin)等が例示される。
【0022】本発明のHSP47合成抑制剤において用
いられるフラボノイドとしては、特に好ましくは、ケル
セチン〔すなわち、2−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン〕、ルチン(すなわち、ケルセチン−
3−ルチノシド)、バイカレイン(すなわち、5,6,
7−トリヒドロキシ−2−フェニル−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オン)、又はカテキン類を挙げることがで
きる。本発明のHSP47合成抑制剤において有効成分
として用いるカテキン類としては、(+)カテキン、
(+)ガロカテキン、(+)カテキンガレート、(+)
ガロカテキンガレート、(−)エピカテキン、(−)エ
ピガロカテキン、(−)エピカテキンガレート、(−)
エピガロカテキンガレートが好ましい。なお、本発明の
HSP47合成抑制剤において有効成分として用いるフ
ラボノイドとしては、純粋な立体異性体又はそれらの混
合物を用いることができる。
【0023】本発明のHSP47合成抑制剤に含有され
るフラボノイドは、化学合成によって、又は天然物から
抽出して精製することによって、調製することができ
る。あるいは、市販品を用いてもよい。また、本発明の
HSP47合成抑制剤において有効成分として用いるカ
テキン類は、主に茶カテキン類として知られており、天
然物から抽出して精製する場合、これに限定するもので
はないが、茶から抽出することが好ましい。
【0024】前記のように、茶には茶カテキン類が含ま
れているので、茶抽出物を本発明のHSP47合成抑制
剤の有効成分として用いることもできる。本明細書にお
いて、「茶」とは、茶(Cammellia sine
nsis,(L)O.Kuntze)の全草若しくはそ
の一部分、例えば葉、木部、根、実等の生若しくは乾燥
物のそのまま若しくは部分発酵物又は完全発酵物を意味
し、それらの部分を単独で、又は任意に組み合わせて使
用することができる。抽出原料として茶葉を用いる場
合、各種形態のものがあり、たとえば茶生葉から仕上げ
茶(乾燥茶)まで、通常の製茶工程のいずれの段階のも
のでもよく、かつ発酵の程度に関係なく、紅茶などの発
酵茶、ウーロン茶などの半発酵茶、緑茶などの不発酵茶
のいずれをも使用することができる。
【0025】本発明によるHSP47合成抑制剤の有効
成分である茶抽出物は、前記の茶カテキン類を含有して
いればよく、従って、茶の粗抽出物を用いることができ
る。この茶粗抽出物は、茶を温水(好ましくは熱湯)に
よって抽出するか、又は有機溶媒を用いて抽出すること
により、得ることができる。有機溶媒としては、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール若しくはブチル
アルコール等の低級アルコール、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル若しくは酢酸ブチル等の低級エステ
ル、又はアセトン若しくはメチルイソブチルケトン等の
ケトン類を用いることができ、これらの有機溶媒を単独
又は適宜組み合わせ、更には無水又は好ましくは含水状
態で用いることができる。
【0026】水抽出及び有機溶媒抽出の方法としては、
通常の生薬抽出に用いられる方法を用いることができ、
例えば、(乾燥)茶葉1重量部に対し、水又は有機溶媒
5〜20重量部を用いて、攪拌しながら、その沸点以下
の温度で加熱還流することが望ましい。抽出工程は、通
常は5分〜7日間、好ましくは10分〜24時間実施
し、必要に応じて、攪拌等の補助的手段を加えることに
より、抽出時間を短縮することができる。水又は有機溶
媒抽出液は、濾過又は遠心分離等の適当な方法により、
不溶物を分離することができる。常法による熱水抽出物
又は有機溶媒抽出物の他に、これらの抽出液を各種有機
溶媒又は吸着剤等により、更に処理した生成物も、本発
明のHSP47合成抑制剤の有効成分として用いること
ができる茶抽出物に含まれる。これらの茶抽出物は、必
要に応じて、濃縮や乾燥して粉末化したり、さらには冷
水より結晶化して精製することができる。
【0027】こうして得られた茶抽出物は、茶(特に茶
葉)に含まれるカテキン類、すなわち、茶カテキン類
(例えば、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エ
ピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレ
ート、エピガロカテキンガレート、又はガロカテキンガ
レート)を混合物として含み、同時に原料茶に由来する
不純物を含んでいる。
【0028】本発明のHSP47合成抑制剤は、前記の
ケルセチン、ルチン、バイカレイン若しくはカテキン類
等のフラボノイド又は茶抽出物を、それ単独で、又は好
ましくは製剤学的に許容することのできる通常の担体と
共に投与することができる。投与剤型としては、特に限
定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプ
セル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エキス
剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射剤、外用液剤、
軟膏剤、坐剤、局所投与のクリーム若しくは点眼薬など
の非経口剤を挙げることができる。
【0029】これらの経口剤は、例えば、ゼラチン、ア
ルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳
糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロ
ース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコー
ル、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸などの賦形剤、結
合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希
釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿
剤、防腐剤、酸化防止剤等を用いて、常法に従って製造
することができる。例えば、カテキン1重量部と乳糖9
9重量部とを混合して充填したカプセル剤などである。
【0030】非経口投与方法としては、注射(皮下、静
脈内等)、直腸投与等が例示される。これらのなかで、
注射剤が最も好適に用いられる。例えば、注射剤の調製
においては、有効成分としてのフラボノイドの他に、例
えば、生理食塩水、滅菌水リンゲル液等の水溶性溶剤、
植物油、脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖、
塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、
防腐剤、懸濁化剤、乳化剤等を任意に用いることができ
る。具体的に一例を示すと、(+)カテキン10mgと
マンニトール50mgとを蒸留水に溶解して10mlと
し、常法で除菌した後、2mlづつを注射用小瓶に分注
し、又はそのまま凍結乾燥して注射剤とする。使用に際
して、生理食塩水で希釈して注射液とする。また、本発
明のHSP47合成抑制剤は、徐放性ポリマーなどを用
いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例え
ば、本発明のHSP47合成抑制剤をエチレンビニル酢
酸ポリマーのペレットに取り込ませて、このペレットを
治療すべき組織中に外科的に移植することができる。
【0031】本発明のHSP47合成抑制剤は、これに
限定されるものではないが、フラボノイド又はその医薬
上許容される塩を0.01〜99重量%、好ましくは
0.1〜80重量%の量で含有することができる。ま
た、茶抽出物を有効成分として含有する本発明のHSP
47合成抑制剤は、その中に含まれるフラボノイドが前
記の量範囲になるように適宜調整して、調製することが
できる。なお、茶抽出物を有効成分として含有するHS
P47合成抑制剤を、経口投与用製剤とする場合には、
製剤学的に許容することのできる担体を用いて、製剤化
することが好ましい。本発明のHSP47合成抑制剤を
用いる場合の投与量は、病気の種類、患者の年齢、症状
の程度、投与方法などにより異なり、特に制限はない
が、フラボノイド量として通常成人1人当り1mg〜10
g程度を、1日1〜4回程度にわけて、経口的に又は非
経口的に投与する。さらに、用途も医薬品に限定される
ものではなく、種々の用途、例えば、機能性食品や健康
食品として飲食物等の形で与えることも可能である。
【0032】なお、本発明のHSP47合成抑制剤に用
いられるフラボノイドのうち、ケルセチンの急性毒性
(LD50)は、マウス経口投与の場合、160mg/kgで
あり(ザ・メルク・インデックス、11版、メルク社、
1278頁)、ルチンの急性毒性(LD50)は、マウス
静脈注射の場合、950mg/kgである(ザ・メルク・イ
ンデックス、11版、メルク社、1319頁)。また、
本発明のHSP47合成抑制剤に用いる茶カテキン類に
毒性は特に認められなかった。
【0033】
【作用】上記したように、本発明のHSP47合成抑制
剤に含有されるフラボノイドは、細胞内のHSP47合
成を特異的に抑制する作用があるので、前記フラボノイ
ドを投与すると細胞内でのHSP47生合成が特異的に
減少し、コラーゲンの生合成が抑制される。その結果、
細胞外マトリックス産生も抑制されることになる。従っ
て、前記フラボノイドは、コラーゲンの増加を伴う細胞
外マトリックス産生亢進の病態を示す病気、例えば肝硬
変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥い
る疾患)、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に
生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は
関節リウマチなどの予防及び治療に使用することができ
る。すなわち、本発明のHSP47合成抑制剤は、コラ
ーゲン特異的シャペロンであるHSP47の合成を抑制
することによりコラーゲンの合成を抑制する。
【0034】また、前記のように、血管新生において
も、基底膜及び基底膜中のコラーゲン合成が重要な役割
をはたすことが指摘されているので、本発明のHSP4
7合成抑制剤は、血管新生の異常増殖に基づく多くの疾
患の予防治療薬として極めて有用であり、先に述べたよ
うな各疾患、すなわち糖尿病性網膜症、後水晶体線維増
殖症、角膜移植に伴う血管新生、緑内症、眼腫瘍、トラ
コーマ、乾せん、化膿性肉芽腫、血管腫、線維性血管
腫、肥大性はん痕、肉芽、リューマチ性関節炎、浮腫性
硬化症、アテローム性動脈硬化症及び各種腫瘍などに用
いることができる。さらに、I型コラーゲンとフィブロ
ネクチンを基本骨格とする間質(interstitial stroma
)が癌の転移において、離脱した癌細胞が近傍の脈管
に侵入するまでのガイド役を果たすことが、明らかとな
っているので〔"BIOTHERAPY", 7 (8): 1181, 1993 〕、
本発明のHSP47合成抑制剤を投与することにより、
癌の転移を抑制することも可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:抗HSP47ポリクローナル抗体の作製 (1)抗HSP47ポリクローナル抗体の調製 ヒトHSP47のN末端から2〜16番目のアミノ酸配
列に対応するアミノ酸15個からなるペプチド〔以下、
ヒトHSP47ペプチド(2−16)と称する;ラット
のHSP47の相当する部分と共通アミノ酸配列を示
す〕を自動ペプチド合成装置(PSSM−8システム,
島津制作所)を用いて作製し、スクシニミジル4−(p
−マレイミドフェニル)ブチレート〔SMPB:Succin
imidyl 4-(p-maleimidophenyl)butyrate〕を架橋剤とし
て用い、常法("Biochemistry", 18: 690, 1979 )によ
りラクトグロブリンと結合させ、感作抗原を作製した。
この感作抗原150μgを含むリン酸緩衝生理食塩水
〔組成:KCl=0.2g/l,KH2 PO4 =0.2
g/l,NaCl=8g/l,Na2 HPO4 (無水)
=1.15g/l:以下PBS(−)と称する:コスモ
バイオ,カタログ番号320-01〕0.2mlと、等量のフ
ロイント完全アジュバント(ヤトロン,カタログ番号RM
606-1 )とを混和し、得られた混合液0.2mlを、ル
ーラット(6週齢,雌性:日本クレア)の皮下に投与
し、免疫した。同様の方法で第2次及び第3次免疫を繰
り返した後、アジュバント(Hunter's TiterMax ;CytR
x Corporation ,米国ジョージア州)を用いて6回免疫
感作を行った。感作動物より採血し、常法により血清を
分離して採取し、以下に示す酵素抗体法(ELISA
法)及びウェスタンブロット法によって血清中の抗体価
を測定した。
【0036】(2)酵素抗体法(ELISA法)による
抗HSP47ポリクローナル抗体特性の評価 前項(1)で調製したヒトHSP47ペプチド(2−1
6)をPBS(−)に溶解し、10μg/mlの濃度の
ペプチド溶液を調製し、リジットアセイプレート(ファ
ルコン,カタログ番号3910)の各ウェルに前記ペプチド
溶液を50μlずつ滴下した。最も外側のウェルにはP
BS(−)50μlのみを入れ、湿潤下で4℃にて一晩
放置した後、前記ペプチド溶液を捨て、PBS(−)を
用いて各ウェルを洗浄した後、1%ウシ血清アルブミン
(以下、BSAと略称する)を含むPBS(−)100
μlを各ウェルに入れ、室温下で1時間放置した。PB
S(−)で3回洗浄した後、前項(1)で取得したルー
ラット血清50μlを各ウェルに入れ、1時間室温にて
放置した。PBS(−)で3回洗浄した後、各ウェルに
2次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗ラットIgG5
0μlを入れ、室温下で1時間放置した。PBS(−)
で2回洗浄した後、過酸化水素水4μlを加えた0.1
Mクエン酸バッファー(pH4.5)10mlにo−フ
ェニレンジアミン(OPD)タブレット(シグマ,カタ
ログ番号P8287 )1個(10mg)を溶解して調製した
基質液100μlずつを各ウェルに滴下し、室温にて遮
光下で30分間放置した後、各ウェルの492nmの吸
光度をマイクロプレートリーダー(東ソー,MPR−A
4i型)にて測定した。抗体価の上昇が確認された血清
を抗ヒトHSP47ポリクローナル抗体として以下の実
施例に用いた。
【0037】(3)ウェスタンブロット法による抗HS
P47ポリクローナル抗体特性の評価 Laemmliのバッファー系(Laemmli, N. K., "Nat
ure", 283 : pp.249-256, 1970)を用いて、HeLa細
胞のライセートのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を、以下の方法に従って
行った。濃縮ゲルの調製は次のように行った。蒸留水
6.1ml、0.5Mトリス(バイオ・ラッド,カタロ
グ番号161-0716)−HCl(pH6.8)2.5ml、
10%SDS(バイオ・ラッド,カタログ番号161-030
1)100μl、及び30%アクリルアミド(バイオ・
ラッド,カタログ番号161-0101)/N,N’−メチレン
ビスアクリルアミド(バイオ・ラッド,カタログ番号16
1-0201)1.3mlを混合して、15分間脱気し、10
%過硫酸アンモニウム(バイオ・ラッド,カタログ番号
161-0700)50μl及びN,N,N’,N’−テトラメ
チルエチレンジアミン(以下、TEMEDと略称する)
(バイオ・ラッド,カタログ番号161-0800)10μlを
加えて、濃縮ゲルを調製した。
【0038】また、分離ゲルの調製は次のように行っ
た。蒸留水4.045ml、1.5Mトリス−HCl
(pH8.8)2.5ml、10%SDS100μl、
及び30%アクリルアミド/N,N’−メチレンビスア
クリルアミド3.3mlをゆっくり混合して、15分間
アスピレータで脱気し、10%過硫酸アンモニウム50
μl、及びTEMED5μlを加えた。
【0039】泳動バッファーとしては、トリス9.0
g、グリシン(バイオ・ラッド,カタログ番号161-071
7)43.2g、及びSDS3.0gに蒸留水を加えて
600mlにし、この溶液を蒸留水で5倍希釈したもの
を用いた。サンプルバッファーは、蒸留水2ml、2M
トリス−HCl(pH6.8)500μl、SDS0.
32g、β−メルカプトエタノール800μl、及び
0.05%(w/v)ブロモフェノールブルー(バイオ
・ラッド,カタログ番号161-0404)400μlを混合し
たものを用いた。
【0040】後述する実施例2に示す方法に基づいてH
eLa細胞を培養し、そのライセートを調製した。得ら
れたHeLa細胞ライセートのSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動を行った後、0.45μmニトロセル
ロース膜(Schleicher & Schuell,カタログ番号40119
6)にゲルを密着させ、タンパク質転写装置(Trans-Blo
t Electrophoretic Transfer Cell:バイオ・ラッド)
を用いて、室温にて100Vで、3時間ブロッティング
を行った。ブロッティングバッファーとしては0.02
5Mトリス及び0.192MグリシンよりなりpH8.
5に調整されたトリスグリシンバッファー(Tris Gly R
unning and Blotting Buffer;Enprotech,米国マサチ
ューセッツ州,カタログ番号SA100034)にメタノールを
20%になるように加えて調製したバッファーを用い
た。
【0041】ブロッティング後、5%スキムミルク(雪
印乳業)を含むPBS(−)溶液にニトロセルロース膜
を室温にて30分間浸し、ブロッキングを行った。ブロ
ッキング後、スクリーナーブロッター(サンプラテッ
ク)を用いて、前項(1)で取得したルーラット血清を
1次抗体として、1次抗体反応を行った。1次抗体反応
は、2%スキムミルク(雪印乳業)を含むPBS(−)
にて10倍希釈した前記ルーラット血清200μlで、
室温にて120分間行った。1次抗体反応終了後、スロ
ー・ロッキング・シェイカーを用いて、PBS(−)で
5分間の振盪を2回、0.1%Tween20(バイオ
・ラッド,カタログ番号170-6531)を含むPBS(−)
溶液で15分間の振盪を4回、更にPBS(−)で5分
間の振盪を2回行うことにより、ニトロセルロース膜を
洗浄した。
【0042】洗浄終了後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗
ラットIgG抗体(Southern Biotechnology,カタログ
番号3030-05 )を、2%スキムミルクを含むPBS
(−)溶液で5000倍に希釈した溶液5mlを用い
て、2次抗体反応を2時間行った。反応終了後、PBS
(−)溶液、及び0.1%Tween20を含むPBS
(−)溶液で、1次抗体反応後の洗浄と同じ条件下にて
ニトロセルロース膜の洗浄を行った。余分なPBS
(−)溶液を除去した後、ウェスタンブロッティング検
出試薬(ECL Western blotting detection reagent;ア
マーシャム,カタログ番号RPN2106 )をニトロセルロー
ス膜上に振りかけ、1分間室温にて静置した後、余分な
検出試薬を除去し、ニトロセルロース膜をラップに包
み、反応面をX線フィルム(コダック X-OMAT, AR カタ
ログ番号165 1454)に密着させて露光させた。現像後、
HSP47に相当する分子量47キロダルトン付近のバ
ンドを測定することによって、抗HSP47ポリクロー
ナル抗体の反応性の検討を行った。抗体価の上昇が確認
された血清を、抗ヒトHSP47ポリクローナル抗体と
して、以下の実施例に用いた。
【0043】実施例2:ヒト培養癌細胞のHSP発現量
の測定 (1)ヒト培養癌細胞の培養 以下の各種ヒト培養癌細胞を、5%二酸化炭素条件下
で、熱ショック処理時以外は、37℃で培養した。肺癌
細胞株H69(ATCC HTB 119)及び大腸癌
細胞株COLO 205(ATCC CCL 222)
は、10%非働化ウシ胎児血清(以下、FBSと略称す
る)を含むRPMI1640培地中で培養した。腎癌細
胞株ACHN(ATCC CRL 1611)、及び子
宮癌細胞株HeLa S3(ATCC CCL 2.
2)は、10%非働化FBSを含むMEM培地にて培養
した。神経腫瘍細胞株(神経芽細胞腫)SK−N−MC
(ATCC HTB 10)は、非必須アミノ酸(L−
アラニン8.9mg/l、L−アスパラギン・H2 O1
5mg/l、L−アスパラギン酸13.3mg/l、L
−グルタミン酸14.7mg/l、グリシン7.5mg
/l、L−プロリン11.5mg/l及びL−セリン1
0.5mg/l)及び10%非働化FBSを含むMEM
培地にて培養した。
【0044】(2)フラボノイド処理及び熱ショック処
理 播種2日後の前記各種ヒト培養癌細胞の培地中に、以下
のフラボノイドのうちのいずれか1つを添加し、24時
間培養した。用いたフラボノイドの添加後の培地中での
濃度は、ケルセチン(ナカライテスク)100μM、ル
チン100μM、カテキン[(+)−Catechi
n;フナコシ Code No. 0952 :EXTRASYNTH
ESE社製,フランス]100μM、バイカレイン10
μMであった。その後、45℃にて15分間熱ショック
処理をしてから、37℃にて終夜培養した。対照試験
は、フラボノイドを添加しないこと以外は前記と同様に
実施した。
【0045】(3)ヒト培養癌細胞でのHSP発現量の
測定 前項(2)で処理した各細胞を、以下に示す方法により
ホモジナイズし、HSP発現量をウェスタンブロット法
にて測定した。すなわち、前項(2)で処理した細胞を
PBS(−)で洗浄した後、ライシスバッファー(ly
sis buffer)[1.0%NP−40、0.1
5M塩化ナトリウム、50mMトリス−HCl(pH
8.0)、5mM−EDTA、2mM−N−エチルマレ
イミド、2mMフェニルメチルスルホニルフルオリド、
2μg/mlロイペプチン及び2μg/mlペプスタチ
ン]1mlを加え、氷上で20分間静置した。その後、
4℃で12000rpmにて、20分間、遠心を行っ
た。遠心後の上清10μlをPBS(−)790μlに
加え、更にプロテインアッセイ染色液(Dye Reagent Co
ncentrate :バイオラッド,カタログ番号500-0006)2
00μlを加えた。5分間、室温にて静置した後、59
5nmで吸光度を測定してタンパク質定量を行った。
【0046】タンパク質定量を行った試料を用いて、L
aemmliのバッファー系にて、等量のタンパク質を
含むライセートのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動を行った。電気泳動後、実施例1で述べた方法に従っ
て、ブロッティング及びそれに続くブロッキングを行っ
た。すなわち、タンパク質転写装置(Trans-Blot Elect
rophoretic Transfer Cell:バイオ・ラッド)を用い
て、室温にて100Vにて、0.45μmニトロセルロ
ース膜(Schleicher & Schuell,カタログ番号401196)
にゲルを密着させ、3時間ブロッティングを行った。ブ
ロッティングバッファーとしては、前記実施例1(3)
で用いたバッファーと同じものを用いた。ブロッティン
グ後、ニトロセルロース膜を10%スキムミルク(雪印
乳業)−PBS(−)溶液に室温にて30分間、インキ
ュベートし非特異的結合をブロックした。
【0047】ブロッキング後、スクリーナーブロッター
(サンプラテック)を用いて、ニトロセルロース膜の上
で、実施例1にて製造した抗ヒトHSP47ラットポリ
クローナル抗体により、1次抗体反応を行った。その
後、PBS(−)で5分間づつ、溶液を取り替えて2回
の洗浄をスロー・ロッキング・シェイカーによって行
い、更にPBS(−)−0.1%Tween20(バイ
オ・ラッド,カタログ番号170-6531)溶液で15分間づ
つ、溶液を取り替えて4回の洗浄を行った。最終的に、
PBS(−)で5分間づつ、2回の洗浄を行った。
【0048】洗浄終了後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗
ラットIgG抗体(Southern Biotechnology,カタログ
番号3030-05 )を、2%スキムミルクを含むPBS
(−)溶液で5000倍に希釈して調製した抗体溶液5
mlを用いて、2時間、2次抗体反応を行った。反応終
了後、ニトロセルロース膜に関して、PBS(−)溶液
で5分間づつ溶液を変えて2回、更にPBS(−)−
0.1%Tween20溶液で15分間づつ溶液を変え
て5回の洗浄をスロー・ロッキング・シェイカーにより
行った。最後にPBS(−)溶液で5分間づつ2回の洗
浄を行った。余分なPBS(−)溶液を除去した後、ウ
ェスタンブロッティング検出試薬(ECL Western blotti
ng detection reagent;Amersham,カタログ番号RPN210
6 )をニトロセルロース膜上に振りかけ、1分間インキ
ュベートした後、余分な検出試薬を除去し、ニトロセル
ロース膜をラップに包み、反応面をX線フィルム(コダ
ック X-OMAT, AR ,カタログ番号165 1454)に密着させ
て露光し、現像してHSP47の有無の検討を行った。
結果を表1に示す。表中、「↓」は、対照に比べて、H
SP47発現量が減少したことを意味する。
【0049】
【表1】 癌種 癌細胞 ケルセチン ルチン カテキン バイカレイン 肺 H69 ↓ 子宮 HeLa S3 ↓ ↓ ↓ 大腸 COLO 205 ↓ ↓ 腎臓 ACHN ↓ 神経 SK−N−MC ↓ ↓
【0050】表1に示すとおり、カテキンは、肺癌細胞
株H69、子宮癌細胞株HeLaS3、大腸癌細胞株C
OLO 205、及び神経腫瘍SK−N−MCにおいて
HSP47の発現を抑制した。ケルセチンは、子宮癌細
胞株HeLa S3、大腸癌細胞株COLO 205、
及び腎臓癌細胞株ACHNにおいてHSP47の発現を
抑制した。ルチンは、神経腫瘍細胞株SK−N−MCに
おいてHSP47の発現を抑制した。バイカレインは、
子宮癌細胞株HeLa S3においてHSP47の発現
を抑制した。すなわち、カテキン、ケルセチン、ルチ
ン、及びバイカレインは、HSP47の発現を抑制する
HSP47合成抑制剤の活性を有するものと結論づけら
れ、この事実は、カテキン、ケルセチン、ルチン、バイ
カレイン等のフラボノイドが細胞外マトリックス産生の
亢進に抑制的に働くことを示している。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のHSP4
7合成抑制剤は、例えば、肝硬変、間質性肺疾患、慢性
腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、術後の瘢痕や
熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性
瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞
外マトリックス産生の亢進の病態を示す病気に罹患した
細胞にみられるコラーゲン合成亢進を改善する作用を有
する。従って、本発明によるHSP47合成抑制剤を投
与することにより、臓器、組織の線維化、硬化が阻止さ
れ、その結果、前記病気の患者の生理学的状態を有効に
改善させ、前記病気を効果的に治療することができる。
また、本発明のHSP47合成抑制剤は、血管新生の異
常増殖を伴う各種疾患の予防治療にも有用である。さら
に、I型コラーゲンとフィブロネクチンを基本骨格とす
る間質が、癌の転移において離脱した癌細胞が近傍の脈
管に侵入するまでのガイド役を果たすことが、明らかと
なっているので、本発明のHSP47合成抑制剤を投与
することにより、癌の転移を抑制することも可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/70 ACV A61K 31/70 ACV 35/78 ADA 35/78 ADAC // C07D 311/30 C07D 311/30 311/60 311/60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラボノイドを有効成分として含有する
    ことを特徴とする、分子量47キロダルトンの熱ショッ
    クタンパク質の合成抑制剤。
  2. 【請求項2】 フラボノイドがケルセチンである、請求
    項1に記載の分子量47キロダルトンの熱ショックタン
    パク質の合成抑制剤。
  3. 【請求項3】 フラボノイドがカテキン類である、請求
    項1に記載の分子量47キロダルトンの熱ショックタン
    パク質の合成抑制剤。
  4. 【請求項4】 カテキン類がエピガロカテキンガレー
    ト、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカ
    テキン及びこれらの異性体からなる群から選んだ化合物
    の少なくとも1種である、請求項3に記載の分子量47
    キロダルトンの熱ショックタンパク質の合成抑制剤。
  5. 【請求項5】 フラボノイドがルチンである、請求項1
    に記載の分子量47キロダルトンの熱ショックタンパク
    質の合成抑制剤。
  6. 【請求項6】 フラボノイドがバイカレインである、請
    求項1に記載の分子量47キロダルトンの熱ショックタ
    ンパク質の合成抑制剤。
JP7136028A 1995-05-10 1995-05-10 Hsp47合成抑制剤 Pending JPH08301757A (ja)

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