JPH08302464A - スパッタリングカソード及びスパッタリング装置 - Google Patents
スパッタリングカソード及びスパッタリング装置Info
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- JPH08302464A JPH08302464A JP13612595A JP13612595A JPH08302464A JP H08302464 A JPH08302464 A JP H08302464A JP 13612595 A JP13612595 A JP 13612595A JP 13612595 A JP13612595 A JP 13612595A JP H08302464 A JPH08302464 A JP H08302464A
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スパッタ粒子の回り込みや侵入がないスパッ
タリングカソード、及びスパッタリング装置を提供す
る。 【構成】 ターゲット81,82と、誘導結合RFコイル31,
32と、開閉可能なシャッター121,122とがこの順で配置
された薄膜源181,182の、前記誘導結合RFコイル31,32
にプラズマの電位を制御するプラズマ電位制御装置32を
接続する。プラズマ電位を下げられるので、前記薄膜源
181,182周囲にカソードカバー91,92を設けることがで
き、基板表面に不純物が付着しなくなる。また、一つの
成膜室内に異なる成分のターゲットを有するスパッタリ
ングカソードを複数配置してもクロスコンタミネーショ
ンが発生しなくなる。前記カソードカバーに、前記プラ
ズマを構成するスパッタリングガスの導入孔を設け、ス
パッタ圧力を下げると、基板にプラズマダメージを与え
ないようにできる。
タリングカソード、及びスパッタリング装置を提供す
る。 【構成】 ターゲット81,82と、誘導結合RFコイル31,
32と、開閉可能なシャッター121,122とがこの順で配置
された薄膜源181,182の、前記誘導結合RFコイル31,32
にプラズマの電位を制御するプラズマ電位制御装置32を
接続する。プラズマ電位を下げられるので、前記薄膜源
181,182周囲にカソードカバー91,92を設けることがで
き、基板表面に不純物が付着しなくなる。また、一つの
成膜室内に異なる成分のターゲットを有するスパッタリ
ングカソードを複数配置してもクロスコンタミネーショ
ンが発生しなくなる。前記カソードカバーに、前記プラ
ズマを構成するスパッタリングガスの導入孔を設け、ス
パッタ圧力を下げると、基板にプラズマダメージを与え
ないようにできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパッタリング装置にか
かり、特に誘導結合RFコイルを使用したスパッタリン
グ装置に関する。
かり、特に誘導結合RFコイルを使用したスパッタリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スパッタリング装置はターゲッ
トをスパッタリングして基板上に薄膜を作るための装置
であり、特に誘導結合RFコイルを備えたものは、プラ
ズマ密度が高く、高効率のスパッタリングを行えること
から近年注目されている。
トをスパッタリングして基板上に薄膜を作るための装置
であり、特に誘導結合RFコイルを備えたものは、プラ
ズマ密度が高く、高効率のスパッタリングを行えること
から近年注目されている。
【0003】しかしながら従来技術のRF誘導結合コイ
ルが設けられたスパッタリング装置では、基板上に成膜
される薄膜が汚染されてしまうことがあった。その原因
を、図面を用いて簡単に説明すると、図7を参照し、1
02は従来技術のスパッタリング装置であり、成膜室1
05を備えている。該成膜室105内には2つのターゲ
ットホルダー1111、1112が配置されており、該タ
ーゲットホルダー1111、1112上には、異なる成分
の物質から成るターゲット1081、1082と、誘導結
合RFコイル1031、1032と、開閉可能なシャッタ
ー1121、1122とがこの順で配置されて、前記ター
ゲット1081、1082と、前記誘導結合RFコイル1
031、1032と、前記シャッター1121、1122と
で、成膜源1041、1042を構成している。
ルが設けられたスパッタリング装置では、基板上に成膜
される薄膜が汚染されてしまうことがあった。その原因
を、図面を用いて簡単に説明すると、図7を参照し、1
02は従来技術のスパッタリング装置であり、成膜室1
05を備えている。該成膜室105内には2つのターゲ
ットホルダー1111、1112が配置されており、該タ
ーゲットホルダー1111、1112上には、異なる成分
の物質から成るターゲット1081、1082と、誘導結
合RFコイル1031、1032と、開閉可能なシャッタ
ー1121、1122とがこの順で配置されて、前記ター
ゲット1081、1082と、前記誘導結合RFコイル1
031、1032と、前記シャッター1121、1122と
で、成膜源1041、1042を構成している。
【0004】前記ターゲット1081、1082の裏面位
置には、マグネトロン放電用磁石1071、1072がそ
れぞれ設けられており、前記ターゲットホルダー111
1、1112は、それぞれマッチングボックス1151、
1152を介してRF電源1161、1162に接続さ
れ、前記誘導結合RFコイル1031、1032は、内部
にマッチングボックスを有するコイル用高周波電源12
11、1212にそれぞれ接続されている。
置には、マグネトロン放電用磁石1071、1072がそ
れぞれ設けられており、前記ターゲットホルダー111
1、1112は、それぞれマッチングボックス1151、
1152を介してRF電源1161、1162に接続さ
れ、前記誘導結合RFコイル1031、1032は、内部
にマッチングボックスを有するコイル用高周波電源12
11、1212にそれぞれ接続されている。
【0005】また、前記成膜室105内には、基板ホル
ダー110が前記各ターゲット1081、1082に面す
るように設けられており、該基板ホルダー110に成膜
対象である基板を保持させると、その成膜面が、前記各
ターゲット1081、1082に向けられるように構成さ
れている。
ダー110が前記各ターゲット1081、1082に面す
るように設けられており、該基板ホルダー110に成膜
対象である基板を保持させると、その成膜面が、前記各
ターゲット1081、1082に向けられるように構成さ
れている。
【0006】このRFスパッタリング装置102によ
り、前記2つのターゲット1081、1082を順次スパ
ッタリングし、前記ターゲット1081を構成する物質
の薄膜と前記ターゲット1082を構成する物質の薄膜
とをこの順で成膜し、前記基板ホルダー110に保持さ
せたシリコン基板113表面に多層膜を形成する場合を
例にとって説明する。
り、前記2つのターゲット1081、1082を順次スパ
ッタリングし、前記ターゲット1081を構成する物質
の薄膜と前記ターゲット1082を構成する物質の薄膜
とをこの順で成膜し、前記基板ホルダー110に保持さ
せたシリコン基板113表面に多層膜を形成する場合を
例にとって説明する。
【0007】先ず、前記成膜室105に接続された図示
しない真空ポンプを起動して、該成膜室105内を高真
空状態にした後、前記各誘導結合コイル1031、10
32上に配置されたシャッター1121、1122を閉じ
た状態にして、前記成膜室105に設けられたガス導入
孔119からArガスから成るスパッタリングガスを1
0-1Pa程度の圧力まで導入し、1層目の薄膜を成膜す
るために、前記RF電源1161と前記コイル用高周波
電源1211とを起動し、前記マグネトロン放電用磁石
1071と前記誘導結合RFコイル1031とが作る磁束
により、最初にスパッタリングするターゲット1081
上に高密度のスパッタリングガスプラズマを発生させ、
シャッター1121は閉じた状態で数分間プレスパッタ
リングを行い、前記ターゲット1081表面に付着した
酸化物等の不純物をクリーニングした後、他方のターゲ
ット1082のシャッター1122は閉じたままでこのタ
ーゲット1081のシャッター1121を開けて、前記シ
リコン基板113表面への1層目の薄膜の成膜を開始す
る。
しない真空ポンプを起動して、該成膜室105内を高真
空状態にした後、前記各誘導結合コイル1031、10
32上に配置されたシャッター1121、1122を閉じ
た状態にして、前記成膜室105に設けられたガス導入
孔119からArガスから成るスパッタリングガスを1
0-1Pa程度の圧力まで導入し、1層目の薄膜を成膜す
るために、前記RF電源1161と前記コイル用高周波
電源1211とを起動し、前記マグネトロン放電用磁石
1071と前記誘導結合RFコイル1031とが作る磁束
により、最初にスパッタリングするターゲット1081
上に高密度のスパッタリングガスプラズマを発生させ、
シャッター1121は閉じた状態で数分間プレスパッタ
リングを行い、前記ターゲット1081表面に付着した
酸化物等の不純物をクリーニングした後、他方のターゲ
ット1082のシャッター1122は閉じたままでこのタ
ーゲット1081のシャッター1121を開けて、前記シ
リコン基板113表面への1層目の薄膜の成膜を開始す
る。
【0008】所望膜厚の薄膜が成膜されたら、前記シャ
ッター1121を閉じるとともに、前記RF電源1161
と前記コイル用高周波電源1211とを停止させて1層
目の薄膜の成膜作業を終了させる。次いで、2層目の薄
膜のターゲット1082上に配置されたシャッター11
22を閉じたまま、前記RF電源1162と前記コイル用
高周波電源1212を起動させてプレスパッタリングを
行い、2層目の薄膜のターゲット1082表面の不純物
をクリーニングした後、前記シャッター1122を開
け、前記1層目の薄膜上に前記ターゲット1082の成
分から成る2層目の薄膜の成膜を行う。
ッター1121を閉じるとともに、前記RF電源1161
と前記コイル用高周波電源1211とを停止させて1層
目の薄膜の成膜作業を終了させる。次いで、2層目の薄
膜のターゲット1082上に配置されたシャッター11
22を閉じたまま、前記RF電源1162と前記コイル用
高周波電源1212を起動させてプレスパッタリングを
行い、2層目の薄膜のターゲット1082表面の不純物
をクリーニングした後、前記シャッター1122を開
け、前記1層目の薄膜上に前記ターゲット1082の成
分から成る2層目の薄膜の成膜を行う。
【0009】所望膜厚の2層目の薄膜が得られたら前記
シャッター1122を閉じるとともに、前記RF電源1
162と前記コイル用高周波電源1212を停止させ、多
層膜の成膜作業を終了する。
シャッター1122を閉じるとともに、前記RF電源1
162と前記コイル用高周波電源1212を停止させ、多
層膜の成膜作業を終了する。
【0010】このように、プレスパッタリングの際にシ
ャッターを閉じておくのは、ターゲット表面から除去さ
れた不純物が基板表面に付着しないようにするためであ
り、また、一方のターゲットをスパッタリングする際、
他方のターゲット上のシャッターを閉じておくのは、ス
パッタリングを行っていないターゲットに、スパッタリ
ングされた異なる成分のターゲット物質が付着しないよ
うにするためである。
ャッターを閉じておくのは、ターゲット表面から除去さ
れた不純物が基板表面に付着しないようにするためであ
り、また、一方のターゲットをスパッタリングする際、
他方のターゲット上のシャッターを閉じておくのは、ス
パッタリングを行っていないターゲットに、スパッタリ
ングされた異なる成分のターゲット物質が付着しないよ
うにするためである。
【0011】しかしながら、前記ターゲット1081、
1082上には、それぞれ前記誘導結合RFコイル10
31、1032が配置されているため、各シャッター11
21、1122を閉じた状態にしても、各シャッター11
21、1122と各ターゲット1121、1122の間には
40mm程度の隙間1181、1182ができてしまう。
1082上には、それぞれ前記誘導結合RFコイル10
31、1032が配置されているため、各シャッター11
21、1122を閉じた状態にしても、各シャッター11
21、1122と各ターゲット1121、1122の間には
40mm程度の隙間1181、1182ができてしまう。
【0012】従って、一方のターゲットをスパッタリン
グして基板表面へ薄膜を成膜している際、そのターゲッ
ト粒子が隙間から侵入し、他方のターゲット表面に不純
物として付着してしまう場合がある。
グして基板表面へ薄膜を成膜している際、そのターゲッ
ト粒子が隙間から侵入し、他方のターゲット表面に不純
物として付着してしまう場合がある。
【0013】従って、各ターゲットを使用して基板への
成膜を行う前に、そのターゲットをプレスパッタリング
し、他のターゲット粒子のクリーニングを行うことが必
要となるが、このプレスパッタリングの際に、隙間から
ターゲット粒子が漏れだし、アルゴンとの衝突を繰り返
して基板表面まで到達してしまい、不純物として付着し
てしまう場合がある(回り込み現象)。このような回り込
み現象が生じると、薄膜の特性が低下したり、歩留りが
低下したりする等の基板汚染の問題が発生し、解決が望
まれていた。
成膜を行う前に、そのターゲットをプレスパッタリング
し、他のターゲット粒子のクリーニングを行うことが必
要となるが、このプレスパッタリングの際に、隙間から
ターゲット粒子が漏れだし、アルゴンとの衝突を繰り返
して基板表面まで到達してしまい、不純物として付着し
てしまう場合がある(回り込み現象)。このような回り込
み現象が生じると、薄膜の特性が低下したり、歩留りが
低下したりする等の基板汚染の問題が発生し、解決が望
まれていた。
【0014】このような回り込みは、ターゲットとシャ
ッターの間に隙間があることに起因するため、前記誘導
結合RFコイル周囲にカソードカバーを設けて隙間をな
くす対策も考えられるが、単にカソードカバーを設けた
だけでは、カソードカバー表面や周辺構成部品表面がス
パッタリングされ、かえって不純物が増えてしまい、実
用化に到らなかった。
ッターの間に隙間があることに起因するため、前記誘導
結合RFコイル周囲にカソードカバーを設けて隙間をな
くす対策も考えられるが、単にカソードカバーを設けた
だけでは、カソードカバー表面や周辺構成部品表面がス
パッタリングされ、かえって不純物が増えてしまい、実
用化に到らなかった。
【0015】また、従来技術のRFスパッタリング装置
では、プラズマが成膜室内いっぱいに広がるため、シャ
ッター等のターゲット以外の部材がスパッタリングされ
てしまい、薄膜中に不純物として混入したり、また、成
膜対象の基板がプラズマに曝されて薄膜の結晶性が低下
する等、プラズマダメージによる膜質の劣化、組成ずれ
等の不都合も生じていた。
では、プラズマが成膜室内いっぱいに広がるため、シャ
ッター等のターゲット以外の部材がスパッタリングされ
てしまい、薄膜中に不純物として混入したり、また、成
膜対象の基板がプラズマに曝されて薄膜の結晶性が低下
する等、プラズマダメージによる膜質の劣化、組成ずれ
等の不都合も生じていた。
【0016】更に、従来の装置では、1×10-1Pa以
下程度のスパッタ圧力にすると放電が不安定となるた
め、安定した成膜を行うためにはそれ以上の圧力にしな
ければならず、スパッタされた成膜物質が散乱されて成
膜速度が極端に遅くなり、それを避けるため基板とター
ゲットとを近接させると基板がプラズマダメージを受け
やすくなる等の基板ダメージの問題があり、解決が望ま
れていた。
下程度のスパッタ圧力にすると放電が不安定となるた
め、安定した成膜を行うためにはそれ以上の圧力にしな
ければならず、スパッタされた成膜物質が散乱されて成
膜速度が極端に遅くなり、それを避けるため基板とター
ゲットとを近接させると基板がプラズマダメージを受け
やすくなる等の基板ダメージの問題があり、解決が望ま
れていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記不都合を
解決するために創作されたものであり、その目的は、高
純度、高精度で結晶性のよい薄膜を成膜できるスパッタ
リングカソード、及びスパッタリング装置を提供するこ
とにある。
解決するために創作されたものであり、その目的は、高
純度、高精度で結晶性のよい薄膜を成膜できるスパッタ
リングカソード、及びスパッタリング装置を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、ターゲットと、誘導結合RF
コイルと、開閉可能なシャッターとがこの順で配置され
た薄膜源を有するスパッタリングカソードであって、前
記薄膜源の周囲にカソードカバーが設けられ、前記誘導
結合RFコイルには、前記ターゲットのスパッタリング
を行うプラズマの電位を制御するプラズマ電位制御装置
が接続されたことを特徴とし、
に請求項1記載の発明は、ターゲットと、誘導結合RF
コイルと、開閉可能なシャッターとがこの順で配置され
た薄膜源を有するスパッタリングカソードであって、前
記薄膜源の周囲にカソードカバーが設けられ、前記誘導
結合RFコイルには、前記ターゲットのスパッタリング
を行うプラズマの電位を制御するプラズマ電位制御装置
が接続されたことを特徴とし、
【0019】請求項2記載の発明は、請求項1記載のス
パッタリングカソードであって、前記プラズマ電位制御
装置は、前記誘導結合RFコイルの一端を直列接続され
たコイルと抵抗とを介して接地させ、前記抵抗の値を調
節して前記プラズマの電位を制御するように構成された
ことを特徴とし、
パッタリングカソードであって、前記プラズマ電位制御
装置は、前記誘導結合RFコイルの一端を直列接続され
たコイルと抵抗とを介して接地させ、前記抵抗の値を調
節して前記プラズマの電位を制御するように構成された
ことを特徴とし、
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2のいずれか1項記載のスパッタリングカソードであ
って、前記カソードカバーに、前記ターゲットをスパッ
タリングするスパッタリングガスの導入孔が設けられた
ことを特徴とし、
項2のいずれか1項記載のスパッタリングカソードであ
って、前記カソードカバーに、前記ターゲットをスパッ
タリングするスパッタリングガスの導入孔が設けられた
ことを特徴とし、
【0021】請求項4記載の発明は、スパッタリング装
置であって、カソード電位に置かれる成膜室内に請求項
1又は請求項3のいずれか1項記載のスパッタリングカ
ソードが複数配置されたことを特徴とする。
置であって、カソード電位に置かれる成膜室内に請求項
1又は請求項3のいずれか1項記載のスパッタリングカ
ソードが複数配置されたことを特徴とする。
【0022】
【作用】ターゲットと、誘導結合RFコイルと、開閉可
能なシャッターとをこの順で配置して薄膜源とし、該薄
膜源をスパッタリングカソードの成膜室内に位置する部
分に設け、前記ターゲットをスパッタリングするスパッ
タリングガスを導入し、前記誘導結合RFコイルで磁界
を発生させ、前記成膜室と前記スパッタリングカソード
との間に負電圧を印加すれば、前記ターゲット上に高密
度のプラズマが発生させることができ、効率の良いスパ
ッタリングを行うことができる。
能なシャッターとをこの順で配置して薄膜源とし、該薄
膜源をスパッタリングカソードの成膜室内に位置する部
分に設け、前記ターゲットをスパッタリングするスパッ
タリングガスを導入し、前記誘導結合RFコイルで磁界
を発生させ、前記成膜室と前記スパッタリングカソード
との間に負電圧を印加すれば、前記ターゲット上に高密
度のプラズマが発生させることができ、効率の良いスパ
ッタリングを行うことができる。
【0023】このスパッタリングカソードを、図5(a)
に示すカソード電極203で模式的に表すと、スパッタ
リングの際には成膜室がアノード電極204となり、前
記カソード電極203の面積に比べると前記アノード電
極204の面積が大きくなる。この場合、スパッタリン
グの際のカソード電極・アノード電極間の電位分布は、
アノード電位をグラウンド電位とすると、同図(b)のグ
ラフように表すことができ、高密度プラズマのセルフバ
イアスVS1(正電圧)は小さい値となる。
に示すカソード電極203で模式的に表すと、スパッタ
リングの際には成膜室がアノード電極204となり、前
記カソード電極203の面積に比べると前記アノード電
極204の面積が大きくなる。この場合、スパッタリン
グの際のカソード電極・アノード電極間の電位分布は、
アノード電位をグラウンド電位とすると、同図(b)のグ
ラフように表すことができ、高密度プラズマのセルフバ
イアスVS1(正電圧)は小さい値となる。
【0024】ところが、薄膜源の周囲に、カソードカバ
ーを設け、これを接地させた場合には、図6(a)に模式
的に示したように、このカソードカバーがアノード電極
214となり、成膜室全体がアノード電極であった場合
に比べると、アノード電極面積が非常に小さくなり、接
地面積が減少してしまう。
ーを設け、これを接地させた場合には、図6(a)に模式
的に示したように、このカソードカバーがアノード電極
214となり、成膜室全体がアノード電極であった場合
に比べると、アノード電極面積が非常に小さくなり、接
地面積が減少してしまう。
【0025】そのため、カソードカバーを設けたときの
カソード電極・アノード電極間の電位分布は、同図(b)
に示すように、プラズマのセルフバイアスVS2は図5
(b)の場合に比べて大きくなり、プラズマは高エネルギ
ー状態となって、スパッタリングガスプラズマがアノー
ド電極214やその周辺部材に入射しやすくなってしま
う。このような入射が起こると、該アノード電極214
や誘導結合RFコイルを含む周辺部材がスパッタリング
され、不純物粒子となってしまう。
カソード電極・アノード電極間の電位分布は、同図(b)
に示すように、プラズマのセルフバイアスVS2は図5
(b)の場合に比べて大きくなり、プラズマは高エネルギ
ー状態となって、スパッタリングガスプラズマがアノー
ド電極214やその周辺部材に入射しやすくなってしま
う。このような入射が起こると、該アノード電極214
や誘導結合RFコイルを含む周辺部材がスパッタリング
され、不純物粒子となってしまう。
【0026】このような不純物粒子の発生は、プラズマ
のセルフバイアスが高いことに起因するため、前記誘導
結合RFコイルにプラズマの電位を制御するプラズマ電
位制御装置を接続し、プラズマのセルフバイアスを小さ
くすれば、アノード電極がスパッタリングされることが
なくなる。
のセルフバイアスが高いことに起因するため、前記誘導
結合RFコイルにプラズマの電位を制御するプラズマ電
位制御装置を接続し、プラズマのセルフバイアスを小さ
くすれば、アノード電極がスパッタリングされることが
なくなる。
【0027】また、このようなスパッタリングカソード
では、シャッターを閉じてプレスパッタを行うと、シャ
ッター裏面とカソードカバー内周面にスパッタされたタ
ーゲット粒子が付着し、スパッタリングカソード外部に
漏れ出すことはなくなるので、薄膜中に不純物が混入し
ないようになり、また、一つの成膜室内に複数のスパッ
タリングカソードを設けた場合でも、クロスコンタミネ
ーションが発生しなくなる。
では、シャッターを閉じてプレスパッタを行うと、シャ
ッター裏面とカソードカバー内周面にスパッタされたタ
ーゲット粒子が付着し、スパッタリングカソード外部に
漏れ出すことはなくなるので、薄膜中に不純物が混入し
ないようになり、また、一つの成膜室内に複数のスパッ
タリングカソードを設けた場合でも、クロスコンタミネ
ーションが発生しなくなる。
【0028】また、前記カソードカバーに、前記プラズ
マを構成するスパッタリングガスの導入孔を設けておく
と、ターゲット表面に直接スパッタリングガスを供給す
ることができるので、低い圧力でも放電が安定し、ター
ゲットと基板との距離を大きくとることができる。ま
た、プラズマが広がらないこと、及びターゲットと基板
の距離が大きいことから基板がプラズマに曝されなくな
り、基板が受けるダメージが少なくなる。
マを構成するスパッタリングガスの導入孔を設けておく
と、ターゲット表面に直接スパッタリングガスを供給す
ることができるので、低い圧力でも放電が安定し、ター
ゲットと基板との距離を大きくとることができる。ま
た、プラズマが広がらないこと、及びターゲットと基板
の距離が大きいことから基板がプラズマに曝されなくな
り、基板が受けるダメージが少なくなる。
【0029】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。図
1を参照し、2は本発明の一実施例のスパッタリング装
置であり、本発明の一実施例のスパッタリングカソード
41、42が設けられた成膜室5を備えている。
1を参照し、2は本発明の一実施例のスパッタリング装
置であり、本発明の一実施例のスパッタリングカソード
41、42が設けられた成膜室5を備えている。
【0030】前記スパッタリングカソード41、42のう
ち、前記成膜室5内に位置する部分にはターゲットホル
ダー111、112がそれぞれ設けられており、各ターゲ
ットホルダー111、112上には異なる材料から成るタ
ーゲット81、82が取り付けられている。
ち、前記成膜室5内に位置する部分にはターゲットホル
ダー111、112がそれぞれ設けられており、各ターゲ
ットホルダー111、112上には異なる材料から成るタ
ーゲット81、82が取り付けられている。
【0031】前記ターゲット81、82の裏面位置にはマ
グネトロン放電用磁石71、72が設けられており、前記
ターゲットホルダー111、112は、それぞれマッチン
グボックス151、152を介してRF電源161、162
に接続されている。前記ターゲット81、82のおもて面
上には、誘導結合RFコイル31、32と、開閉可能なシ
ャッター121、122とがこの順で配置されており、該
ターゲット81、82と、該誘導結合RFコイル31、32
と、該シャッター121、122とで、薄膜源181、1
82が構成されている。
グネトロン放電用磁石71、72が設けられており、前記
ターゲットホルダー111、112は、それぞれマッチン
グボックス151、152を介してRF電源161、162
に接続されている。前記ターゲット81、82のおもて面
上には、誘導結合RFコイル31、32と、開閉可能なシ
ャッター121、122とがこの順で配置されており、該
ターゲット81、82と、該誘導結合RFコイル31、32
と、該シャッター121、122とで、薄膜源181、1
82が構成されている。
【0032】前記薄膜源181、182の周囲には、ステ
ンレスから成る導電性のカソードカバー91、92がそれ
ぞれ設けられており、該カソードカバー91、92は前記
成膜室5とともにグラウンド電位に置かれるように接続
されている。
ンレスから成る導電性のカソードカバー91、92がそれ
ぞれ設けられており、該カソードカバー91、92は前記
成膜室5とともにグラウンド電位に置かれるように接続
されている。
【0033】前記成膜室5内の前記各ターゲット81、
82に面する位置には、基板ホルダー10が設けられて
おり、成膜対象であるシリコン基板を保持させるとその
成膜面が前記各ターゲット81、82に面するように構成
されている。
82に面する位置には、基板ホルダー10が設けられて
おり、成膜対象であるシリコン基板を保持させるとその
成膜面が前記各ターゲット81、82に面するように構成
されている。
【0034】前記誘導結合RFコイル31、32の両端
は、接続点a1、b1と接続点a2、b2とで、それぞれコ
イル用高周波電源211、212に接続されており、該コ
イル用高周波電源211、212は、接続点c1、c2でそ
れぞれグラウンド電位に置かれている。
は、接続点a1、b1と接続点a2、b2とで、それぞれコ
イル用高周波電源211、212に接続されており、該コ
イル用高周波電源211、212は、接続点c1、c2でそ
れぞれグラウンド電位に置かれている。
【0035】この接続点a1、a2には、図2(a)の回路
ブロック図に示すように、マッチング装置31内のコイ
ルL2の一端が接続され、該コイルL2の他端は可変容量
コンデンサC3を介して、並列接続された高周波電圧ソ
ース33と可変容量コンデンサC4の一端に接続されて
おり、該高周波電圧ソース33と該可変容量コンデンサ
C4の他端は、前記各接続点c1、c2でグラウンド電位
に置かれるように接続されている。
ブロック図に示すように、マッチング装置31内のコイ
ルL2の一端が接続され、該コイルL2の他端は可変容量
コンデンサC3を介して、並列接続された高周波電圧ソ
ース33と可変容量コンデンサC4の一端に接続されて
おり、該高周波電圧ソース33と該可変容量コンデンサ
C4の他端は、前記各接続点c1、c2でグラウンド電位
に置かれるように接続されている。
【0036】前記接続点b1、b2は、プラズマ電位制御
装置32が有するコンデンサC1(4500pF)を介し
てグラウンド電位に置かれており、該コンデンサC1で
高周波成分が接地されるように構成されており、また、
該接続点b1、b2には、高周波コイルL1(9μH)の一
端が接続されており、該高周波コイルL1の他端は、並
列接続された抵抗R1(800Ω)とコンデンサC2(15
00pF)を介して前記接続点c1、c2でグラウンド電
位に置かれるように構成されており、前記コンデンサC
2で前記抵抗R1のインピーダンスが調節され、前記高周
波コイルL1で直流成分が接地されるように構成されて
いる。
装置32が有するコンデンサC1(4500pF)を介し
てグラウンド電位に置かれており、該コンデンサC1で
高周波成分が接地されるように構成されており、また、
該接続点b1、b2には、高周波コイルL1(9μH)の一
端が接続されており、該高周波コイルL1の他端は、並
列接続された抵抗R1(800Ω)とコンデンサC2(15
00pF)を介して前記接続点c1、c2でグラウンド電
位に置かれるように構成されており、前記コンデンサC
2で前記抵抗R1のインピーダンスが調節され、前記高周
波コイルL1で直流成分が接地されるように構成されて
いる。
【0037】前記カソードカバー91、92には、各ター
ゲット81、82をスパッタリングするスパッタリングガ
スの導入孔61、62が設けられており、ここではアルミ
ニウムから成る前記ターゲット81のスパッタリングを
行うために、前記基板ホルダー10にシリコン基板13
1を保持させ、前記成膜室5に設けられた図示しない真
空ポンプを起動して該成膜室5内を高真空状態にした
後、前記導入孔61からArガスから成るスパッタリン
グガスを10-2〜10-1Pa程度の圧力まで導入した。
ゲット81、82をスパッタリングするスパッタリングガ
スの導入孔61、62が設けられており、ここではアルミ
ニウムから成る前記ターゲット81のスパッタリングを
行うために、前記基板ホルダー10にシリコン基板13
1を保持させ、前記成膜室5に設けられた図示しない真
空ポンプを起動して該成膜室5内を高真空状態にした
後、前記導入孔61からArガスから成るスパッタリン
グガスを10-2〜10-1Pa程度の圧力まで導入した。
【0038】次に、前記シャッター121を閉じた状態
で、前記RF電源161により13.56MHzの高周
波電圧を印加するとともに前記コイル用高周波電源21
1を起動したところ、前記マグネトロン放電用磁石71と
前記誘導結合RFコイル31とが作る磁界により、前記
ターゲット81上には高密度のスパッタリングガスプラ
ズマが発生し、RFスパッタリングが開始された。
で、前記RF電源161により13.56MHzの高周
波電圧を印加するとともに前記コイル用高周波電源21
1を起動したところ、前記マグネトロン放電用磁石71と
前記誘導結合RFコイル31とが作る磁界により、前記
ターゲット81上には高密度のスパッタリングガスプラ
ズマが発生し、RFスパッタリングが開始された。
【0039】この状態の前記ターゲット81のプレスパ
ッタリングを1時間30分行い、前記成膜室から前記シ
リコン基板131を取り出し、EPMA(Electron Probe
Micro Analyzer:電子探針微小部分分析装置)により表
面の分析を行ったところ、前記ターゲット81の成分
や、前記誘導結合RFコイル31や前記カソードカバー
91の成分(鉄、クロム、銅等)は観察されなかった。
ッタリングを1時間30分行い、前記成膜室から前記シ
リコン基板131を取り出し、EPMA(Electron Probe
Micro Analyzer:電子探針微小部分分析装置)により表
面の分析を行ったところ、前記ターゲット81の成分
や、前記誘導結合RFコイル31や前記カソードカバー
91の成分(鉄、クロム、銅等)は観察されなかった。
【0040】これは、前記高周波コイルL1は高周波成
分を遮断して直流成分を接地し、プラズマから前記誘導
結合RFコイル31に流れ込む電子電流の経路を作って
いるが、前記高周波コイルL1とグラウンド電位との間
に前記抵抗R1を挿入したため、その電流経路のインピ
ーダンスが大きくなり、電子電流が流れずらくなり、ス
パッタリングガスプラズマから前記誘導結合RFコイル
31に流れ込む電子が少なくなってプラズマ中の電子量
が増加し、セルフバイアスが小さくなった結果、前記誘
導結合RFコイルL1やカソードカバー91がスパッタさ
れなくなったためである。
分を遮断して直流成分を接地し、プラズマから前記誘導
結合RFコイル31に流れ込む電子電流の経路を作って
いるが、前記高周波コイルL1とグラウンド電位との間
に前記抵抗R1を挿入したため、その電流経路のインピ
ーダンスが大きくなり、電子電流が流れずらくなり、ス
パッタリングガスプラズマから前記誘導結合RFコイル
31に流れ込む電子が少なくなってプラズマ中の電子量
が増加し、セルフバイアスが小さくなった結果、前記誘
導結合RFコイルL1やカソードカバー91がスパッタさ
れなくなったためである。
【0041】一方、従来技術のスパッタリング装置10
2では、図2(b)に示すように、誘導結合コイルの一端
はマッチング装置31を介して高周波電圧ソース33に
接続され、他端はそのまま接地されており、前記プラズ
マ電位制御装置32を有していない。このスパッタリン
グ装置102の前記基板ホルダー110にシリコン基板
を保持させ、上記実施例と同様に、前記シャッター11
21を閉じ、前記ターゲット1081のプレスパッタリン
グを1時間行ってEPMAで表面を測定したところ、1
10nmの厚みの析出物が堆積されているのが検出され
た。この結果を次の表1にまとめて記す。
2では、図2(b)に示すように、誘導結合コイルの一端
はマッチング装置31を介して高周波電圧ソース33に
接続され、他端はそのまま接地されており、前記プラズ
マ電位制御装置32を有していない。このスパッタリン
グ装置102の前記基板ホルダー110にシリコン基板
を保持させ、上記実施例と同様に、前記シャッター11
21を閉じ、前記ターゲット1081のプレスパッタリン
グを1時間行ってEPMAで表面を測定したところ、1
10nmの厚みの析出物が堆積されているのが検出され
た。この結果を次の表1にまとめて記す。
【0042】
【表1】
【0043】次に、前記基板ホルダー10に前記シリコ
ン基板131とは別のシリコン基板132を保持させ、前
記成膜室5内を高真空状態にした後、前記各シャッター
121、122を閉じて前記導入孔61からアルゴンから
成るスパッタリングガスを導入し、0.67Paの圧力
で安定した後、前記ターゲット81のプレスパッタリン
グを数分間行い、次いで、前記シャッター121を開
け、前記シリコン基板132表面へのAl薄膜(アルミニ
ウム薄膜)の成膜を開始した。該Al薄膜の成膜を2時
間行った後、前記成膜室5から前記シリコン基板132
を取り出し、その表面のAl薄膜をEPMAによって分
析した。
ン基板131とは別のシリコン基板132を保持させ、前
記成膜室5内を高真空状態にした後、前記各シャッター
121、122を閉じて前記導入孔61からアルゴンから
成るスパッタリングガスを導入し、0.67Paの圧力
で安定した後、前記ターゲット81のプレスパッタリン
グを数分間行い、次いで、前記シャッター121を開
け、前記シリコン基板132表面へのAl薄膜(アルミニ
ウム薄膜)の成膜を開始した。該Al薄膜の成膜を2時
間行った後、前記成膜室5から前記シリコン基板132
を取り出し、その表面のAl薄膜をEPMAによって分
析した。
【0044】また、別のシリコン基板133を用い、同
様に、前記各シャッター121、122を閉じ、アルゴン
から成るスパッタリングガスを導入し、0.05Paの
圧力で数分間のプレスパッタリングを行った後、前記シ
ャッター121を開けて、前記シリコン基板133表面へ
のAl薄膜の成膜を開始した。この条件でのAl薄膜の
成膜を1.5時間行った後、前記成膜室5から前記シリ
コン基板133を取り出して、表面のAl薄膜をEPM
Aにより分析した。
様に、前記各シャッター121、122を閉じ、アルゴン
から成るスパッタリングガスを導入し、0.05Paの
圧力で数分間のプレスパッタリングを行った後、前記シ
ャッター121を開けて、前記シリコン基板133表面へ
のAl薄膜の成膜を開始した。この条件でのAl薄膜の
成膜を1.5時間行った後、前記成膜室5から前記シリ
コン基板133を取り出して、表面のAl薄膜をEPM
Aにより分析した。
【0045】更に、前記従来技術のスパッタリング装置
102とアルゴンガスから成るスパッタリングガスを用
い、前記シャッター1121を閉じてプレスパッタリン
グを行った後、0.67Paの圧力でシリコン基板表面
にAl薄膜の成膜を開始し、該Al薄膜の成膜を1.0
時間行った後、前記成膜室105から取り出し、そのA
l薄膜表面をEPMAにより分析した。それらの分析結
果を次の表2にまとめて記す。
102とアルゴンガスから成るスパッタリングガスを用
い、前記シャッター1121を閉じてプレスパッタリン
グを行った後、0.67Paの圧力でシリコン基板表面
にAl薄膜の成膜を開始し、該Al薄膜の成膜を1.0
時間行った後、前記成膜室105から取り出し、そのA
l薄膜表面をEPMAにより分析した。それらの分析結
果を次の表2にまとめて記す。
【0046】
【表2】
【0047】本発明のスパッタリング装置により成膜し
たAl薄膜では、銅やステンレス成分(SUS)等の不純
物は検出されなかった。一方、従来技術のスパッタリン
グ装置で成膜したAl薄膜では、数%程度の銅やステン
レス成分が検出されているが、この不純物は、高いセル
フバイアスのプラズマにより、シャッターや成膜室内壁
を構成するSUSや銅がスパッタされ、Al薄膜中に混
入してしまったものと考えられる。
たAl薄膜では、銅やステンレス成分(SUS)等の不純
物は検出されなかった。一方、従来技術のスパッタリン
グ装置で成膜したAl薄膜では、数%程度の銅やステン
レス成分が検出されているが、この不純物は、高いセル
フバイアスのプラズマにより、シャッターや成膜室内壁
を構成するSUSや銅がスパッタされ、Al薄膜中に混
入してしまったものと考えられる。
【0048】なお、本発明のスパッタリング装置では、
0.05Paと低いスパッタリングガス圧力でも安定し
た放電を維持できるが、従来技術のスパッタリング装置
では1×10-1Pa以下の圧力では放電が不安定とな
り、スパッタリングを行えないので、従来技術のスパッ
タリング装置ではスパッタリング圧力0.05Paでの
成膜実験は行えなかった。
0.05Paと低いスパッタリングガス圧力でも安定し
た放電を維持できるが、従来技術のスパッタリング装置
では1×10-1Pa以下の圧力では放電が不安定とな
り、スパッタリングを行えないので、従来技術のスパッ
タリング装置ではスパッタリング圧力0.05Paでの
成膜実験は行えなかった。
【0049】次に、前記基板ホルダー10にシリコン基
板134を保持させ、前記成膜室5内を排気し、前記導
入孔61からアルゴンガスを導入すると共に、前記成膜
室5に設けられたガス導入孔19から窒素ガスを導入
し、反応性スパッタリングを行い、前記シリコン基板1
34表面にAlN薄膜(窒化アルミニウム薄膜)を成膜し
た。そのシリコン基板134を前記成膜室5から取り出
してX線回折装置によってそのAlN薄膜の結晶性を分
析した。また、同じX線回折条件にて前記従来技術のス
パッタリング装置102で成膜したAlN薄膜の結晶性
を分析した。それらの結果を図3に示す。
板134を保持させ、前記成膜室5内を排気し、前記導
入孔61からアルゴンガスを導入すると共に、前記成膜
室5に設けられたガス導入孔19から窒素ガスを導入
し、反応性スパッタリングを行い、前記シリコン基板1
34表面にAlN薄膜(窒化アルミニウム薄膜)を成膜し
た。そのシリコン基板134を前記成膜室5から取り出
してX線回折装置によってそのAlN薄膜の結晶性を分
析した。また、同じX線回折条件にて前記従来技術のス
パッタリング装置102で成膜したAlN薄膜の結晶性
を分析した。それらの結果を図3に示す。
【0050】本発明のスパッタリング装置により成膜し
たAlN薄膜のX線強度(intensity)の方が従来技術の
AlN薄膜のX線強度よりも大きく、明らかに結晶性が
優れている。これは、本発明スパッタリング装置では、
プラズマが前記成膜室5内に広がらないために、AlN
薄膜がプラズマダメージ受けなかったためである。
たAlN薄膜のX線強度(intensity)の方が従来技術の
AlN薄膜のX線強度よりも大きく、明らかに結晶性が
優れている。これは、本発明スパッタリング装置では、
プラズマが前記成膜室5内に広がらないために、AlN
薄膜がプラズマダメージ受けなかったためである。
【0051】なお、上記実施例ではN2ガスを導入する
導入孔を成膜室5に設けたが、Arガスを導入する導入
孔とともにカソードカバーに設けてもよい。また、前記
実施例で設けたターゲット裏面位置のマグネトロン放電
用磁石はなくてもよい。
導入孔を成膜室5に設けたが、Arガスを導入する導入
孔とともにカソードカバーに設けてもよい。また、前記
実施例で設けたターゲット裏面位置のマグネトロン放電
用磁石はなくてもよい。
【0052】最後に、前記スパッタリング装置2でスパ
ッタリングを行っているときの、図2(a)に示したプラ
ズマ電位制御装置32の抵抗R1の両端の電圧値VBを測
定した。この電圧VBの値は、スパッタリング中のプラ
ズマの電位の大きさを反映しており、いわば、プラズマ
電位を間接的に測定していることになる。
ッタリングを行っているときの、図2(a)に示したプラ
ズマ電位制御装置32の抵抗R1の両端の電圧値VBを測
定した。この電圧VBの値は、スパッタリング中のプラ
ズマの電位の大きさを反映しており、いわば、プラズマ
電位を間接的に測定していることになる。
【0053】この抵抗R1の抵抗値を0〜800Ωの範
囲で200Ω刻みで変化させて、スパッタリング圧力が
5×10-3Paと5×10-4Paの2種類の場合につい
て測定した。その結果を、前記抵抗R1の抵抗値Rを横
軸にとり、測定結果の前記電圧値VBを左縦軸にとっ
て、図4のグラフに示す。■はスパッタ圧力が5×10
- 3Paの場合、●は5×10-4Paの場合である。
囲で200Ω刻みで変化させて、スパッタリング圧力が
5×10-3Paと5×10-4Paの2種類の場合につい
て測定した。その結果を、前記抵抗R1の抵抗値Rを横
軸にとり、測定結果の前記電圧値VBを左縦軸にとっ
て、図4のグラフに示す。■はスパッタ圧力が5×10
- 3Paの場合、●は5×10-4Paの場合である。
【0054】前記抵抗値Rを大きくして行くと、前記電
圧値VBは負電位方向に大きくなっており、プラズマ電
位が下がっていっていることが分かる。
圧値VBは負電位方向に大きくなっており、プラズマ電
位が下がっていっていることが分かる。
【0055】また、前記電圧値VBを電流値iBに換算
し、その電流値iBを同じグラフの右横軸にとって示
す。前記各抵抗値R上の■には□、●には○を対応させ
て示した。抵抗値Rが大きくなるにつれ、電流値iBが
小さくなり、誘導結合RFコイルからアースに流れるプ
ラズマ中の電子量が抑えられていることがわかる。この
ように、抵抗値Rが大きくなるとプラズマ中の電子量が
増加するのでプラズマ電位が下がる。
し、その電流値iBを同じグラフの右横軸にとって示
す。前記各抵抗値R上の■には□、●には○を対応させ
て示した。抵抗値Rが大きくなるにつれ、電流値iBが
小さくなり、誘導結合RFコイルからアースに流れるプ
ラズマ中の電子量が抑えられていることがわかる。この
ように、抵抗値Rが大きくなるとプラズマ中の電子量が
増加するのでプラズマ電位が下がる。
【0056】なお、上記実施例はAl薄膜を成膜する場
合について説明したが、本発明のスパッタリングカソー
ドには、金属のターゲットを配置するものに限定される
ものではなく、絶縁物のターゲットを配置してもよく、
異なる成分の絶縁物から成る複数のターゲットを用いれ
ば、高純度、高精度の多層絶縁膜を成膜することが可能
である。
合について説明したが、本発明のスパッタリングカソー
ドには、金属のターゲットを配置するものに限定される
ものではなく、絶縁物のターゲットを配置してもよく、
異なる成分の絶縁物から成る複数のターゲットを用いれ
ば、高純度、高精度の多層絶縁膜を成膜することが可能
である。
【0057】
【発明の効果】ターゲット周囲の部材がスパッタリング
されることなく、プレスパッタリングの際にもスパッタ
されたターゲット粒子がスパッタリングカソードから漏
れだしたり、他のターゲットの粒子が回り込んで来るこ
うなことを防止でき、基板表面やターゲット表面に不純
物が付着しないので、純度の高い薄膜を得ることができ
る。
されることなく、プレスパッタリングの際にもスパッタ
されたターゲット粒子がスパッタリングカソードから漏
れだしたり、他のターゲットの粒子が回り込んで来るこ
うなことを防止でき、基板表面やターゲット表面に不純
物が付着しないので、純度の高い薄膜を得ることができ
る。
【0058】また、プラズマが広がらないので基板に与
えるプラズマダメージが少なく、結晶性のよい薄膜を得
ることができる。
えるプラズマダメージが少なく、結晶性のよい薄膜を得
ることができる。
【0059】更に、ガス導入孔をカソードカバー内に設
けることにより、低い圧力でも安定したプラズマが生成
できるので、ターゲットと基板の距離を離すことがで
き、プラズマダメージの少ない薄膜を得ることができ
る。
けることにより、低い圧力でも安定したプラズマが生成
できるので、ターゲットと基板の距離を離すことがで
き、プラズマダメージの少ない薄膜を得ることができ
る。
【0060】また、ターゲット材の成分が異なる複数の
スパッタリングカソードを配置してもクロスコンタミネ
ーションが生じず、シャッターの開閉を順次切換えるだ
けで、高純度で膜厚精度の高い多層膜の成膜を行うこと
ができる。
スパッタリングカソードを配置してもクロスコンタミネ
ーションが生じず、シャッターの開閉を順次切換えるだ
けで、高純度で膜厚精度の高い多層膜の成膜を行うこと
ができる。
【図1】 本発明のスパッタリングカソードとスパッタ
リング装置の一実施例を示す図
リング装置の一実施例を示す図
【図2】 (a)プラズマ電位制御装置が設けられた高周
波電源の回路ブロック図の一例 (b)従来の高周波電源
の回路ブロック図の一例
波電源の回路ブロック図の一例 (b)従来の高周波電源
の回路ブロック図の一例
【図3】 本発明の一実施例のスパッタリング装置で成
膜したAlN薄膜の結晶性を従来のAlN薄膜の結晶性
と比較した図
膜したAlN薄膜の結晶性を従来のAlN薄膜の結晶性
と比較した図
【図4】 プラズマの電位を間接的に測定した結果を示
すグラフ
すグラフ
【図5】 (a)従来技術のスパッタリング装置のカソー
ド電極とアノード電極を説明するための図 (b)そのカ
ソード電極・アノード電極間の電位分布を示すグラフ
ド電極とアノード電極を説明するための図 (b)そのカ
ソード電極・アノード電極間の電位分布を示すグラフ
【図6】 (a)本発明のスパッタリング装置のカソード
電極とアノード電極の一例を説明するための図 (b)そ
のカソード電極・アノード電極間の電位分布を示すグラ
フ
電極とアノード電極の一例を説明するための図 (b)そ
のカソード電極・アノード電極間の電位分布を示すグラ
フ
【図7】 従来技術のスパッタリング装置を説明するた
めの図
めの図
2……スパッタリング装置 31、32……誘導結合RF
コイル 41、42……スパッタリングカソード 5……成膜室
61、62……導入孔 81、82……ターゲット 91、92……カソードカバー 121、122……シャッター 181、182……薄膜源 32……プラズマ電位制御装置
コイル 41、42……スパッタリングカソード 5……成膜室
61、62……導入孔 81、82……ターゲット 91、92……カソードカバー 121、122……シャッター 181、182……薄膜源 32……プラズマ電位制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箱守 宗人 茨城県つくば市東光台5−9−7 日本真 空技術株式会社筑波超材料研究所内 (72)発明者 三沢 俊司 茨城県つくば市東光台5−9−7 日本真 空技術株式会社筑波超材料研究所内 (72)発明者 松浦 正道 茨城県つくば市東光台5−9−7 日本真 空技術株式会社筑波超材料研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 ターゲットと、誘導結合RFコイルと、
開閉可能なシャッターとがこの順で配置された薄膜源を
有するスパッタリングカソードであって、 前記薄膜源の周囲にカソードカバーが設けられ、 前記誘導結合RFコイルには、前記ターゲットのスパッ
タリングを行うプラズマの電位を制御するプラズマ電位
制御装置が接続されたことを特徴とするスパッタリング
カソード。 - 【請求項2】 前記プラズマ電位制御装置は、前記誘導
結合RFコイルの一端を直列接続されたコイルと抵抗と
を介して接地させ、前記抵抗の値を調節して前記プラズ
マの電位を制御するように構成されたことを特徴とする
請求項1記載のスパッタリングカソード。 - 【請求項3】 前記カソードカバーに、前記ターゲット
をスパッタリングするスパッタリングガスの導入孔が設
けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいず
れか1項記載のスパッタリングカソード。 - 【請求項4】 カソード電位に置かれる成膜室内に請求
項1又は請求項3のいずれか1項記載のスパッタリング
カソードが複数配置されたことを特徴とするスパッタリ
ング装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13612595A JPH08302464A (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | スパッタリングカソード及びスパッタリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13612595A JPH08302464A (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | スパッタリングカソード及びスパッタリング装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08302464A true JPH08302464A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=15167896
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13612595A Pending JPH08302464A (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | スパッタリングカソード及びスパッタリング装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08302464A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10204634A (ja) * | 1997-01-20 | 1998-08-04 | Ulvac Japan Ltd | マグネトロンカソードおよびこれを備えたメタル配線スパッタ装置 |
| GB2342927A (en) * | 1998-10-23 | 2000-04-26 | Trikon Holdings Ltd | Sputtering |
| US6254747B1 (en) * | 1996-12-25 | 2001-07-03 | Nihon Shinku Gijutsu Kabushiki Kaisha | Magnetron sputtering source enclosed by a mirror-finished metallic cover |
| JP2006274389A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Utec:Kk | スパッタリング装置及びスパッタリング方法 |
| US8061299B2 (en) * | 2004-02-17 | 2011-11-22 | Engle George M | Formation of photoconductive and photovoltaic films |
| KR101255524B1 (ko) * | 2011-06-28 | 2013-04-23 | 주식회사 삼원진공 | 박막 증착 및 조성 탐색용 스퍼터링 장치 |
-
1995
- 1995-05-10 JP JP13612595A patent/JPH08302464A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6254747B1 (en) * | 1996-12-25 | 2001-07-03 | Nihon Shinku Gijutsu Kabushiki Kaisha | Magnetron sputtering source enclosed by a mirror-finished metallic cover |
| JPH10204634A (ja) * | 1997-01-20 | 1998-08-04 | Ulvac Japan Ltd | マグネトロンカソードおよびこれを備えたメタル配線スパッタ装置 |
| GB2342927A (en) * | 1998-10-23 | 2000-04-26 | Trikon Holdings Ltd | Sputtering |
| US6179974B1 (en) | 1998-10-23 | 2001-01-30 | Trikon Holdings Ltd. | Apparatus and methods for sputtering |
| GB2342927B (en) * | 1998-10-23 | 2003-05-07 | Trikon Holdings Ltd | Apparatus and methods for sputtering |
| US8061299B2 (en) * | 2004-02-17 | 2011-11-22 | Engle George M | Formation of photoconductive and photovoltaic films |
| JP2006274389A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Utec:Kk | スパッタリング装置及びスパッタリング方法 |
| KR101255524B1 (ko) * | 2011-06-28 | 2013-04-23 | 주식회사 삼원진공 | 박막 증착 및 조성 탐색용 스퍼터링 장치 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20041027 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041116 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050308 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |