JPH08313853A - 半導体光変調装置、光変調方法及び光半導体装置 - Google Patents

半導体光変調装置、光変調方法及び光半導体装置

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JPH08313853A
JPH08313853A JP11596495A JP11596495A JPH08313853A JP H08313853 A JPH08313853 A JP H08313853A JP 11596495 A JP11596495 A JP 11596495A JP 11596495 A JP11596495 A JP 11596495A JP H08313853 A JPH08313853 A JP H08313853A
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multiple quantum
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JP11596495A
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Tatsuro Ikeda
達郎 池田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多重量子井戸層による量子閉じ込めシュタルク
効果(QCSE)により励起子を生成・消去して多重量
子井戸層を通過する光を変調する半導体光変調装置に関
し、素子の作成が容易で、駆動電圧の低減を図る。 【構成】一導電型のクラッド層24と、量子井戸層25
aと障壁層25bとが交互に積層された多重量子井戸層
25と、反対導電型のクラッド層26とが順に積層さ
れ、一導電型のクラッド層24側に第1の電極30b
が、反対導電型のクラッド層26側に第2の電極30a
がそれぞれ形成され、一導電型のクラッド層24と第1
の電極30bの間、反対導電型のクラッド層26と第2
の電極30aの間のいずれかに少なくとも絶縁膜29
a,29bが介在している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体光変調装置、光
変調方法及び光半導体装置に関し、より詳しくは、多重
量子井戸層による量子閉じ込めシュタルク効果(QCS
E)により励起子を生成・消去して多重量子井戸層を通
過する光を変調する半導体光変調装置、光変調方法及び
光半導体装置に関する。
【0002】近年、通信の分野において、光通信が注目
されており、高度情報化社会を構築するため、通信容量
の一層の大容量化が要求されている。そのために、高速
の変調を行うことが可能な光変調器が必要とされてい
る。また、装置の小型化のため、或いは製造上の容易さ
から半導体レーザと半導体光変調器をモノリシック化す
ることが試みられている。
【0003】
【従来の技術】従来、半導体レーザの発するレーザ光を
変調する方法として、半導体レーザに注入する電流の大
きさを変えることにより、キャリア依存性のある屈折率
を調整してレーザ光の波長を変調する直接変調方式と、
半導体レーザの外部に光変調器を設け、その光吸収率や
屈折率を変化させることによって光変調器を通過するレ
ーザ光の光強度や波長を変調する外部変調方式とがあ
る。
【0004】これらの変調方式うち、直接変調方式は高
速変調を行うときレーザの緩和振動による発振波長のゆ
らぎ(波長チャーピング)が起こる。このため、出来る
だけ外部変調方式を用いた方が望ましい。外部変調方式
では、これまでフランツ・ケルディッシュ効果を用いた
電界吸収型光変調器が開発されてきた。しかし、将来実
現が望まれる10Gb/sの伝送容量をもったシステム
に対しては、高速変調の点で十分ではない。
【0005】最近になって一層の高速変調が可能な多重
量子井戸構造による量子閉じ込めシュタルク効果(QC
SE)を利用した光変調器の開発が鋭意進められている
が、この光変調器で高速変調を行うためには、浮遊容量
の低減や、駆動電圧の低減を実現することが必要とな
る。しかしながら、QCSEを利用した多重量子井戸構
造を有する光変調器でも浮遊容量や駆動電圧の低減の点
に関して十分な特性は得られていない。
【0006】なお、高速変調可能な光変調器としてLi
NbO3 結晶を利用したものがあるが、これは半導体を
用いたものに比べてサイズが大きくなり、また半導体レ
ーザと一体的に集積化できず不利である。これらの点を
解決するためには半導体を利用しつつ、QCSE以上の
高速変調が可能な電気光学効果を利用する必要がある。
一例として、図5の横電界励起子消去型光変調器(特開
平05−158085)がある。この光変調器では、図
5に示すように、多重量子井戸層3の両側面にn型層5
及びp型層6が配置され、これらのn型層5及びp型層
6にそれぞれコンタクト層7,8を介して電極9,10
が接続されている。p型層6とn型層5の間の幅wを有
する領域が多重量子井戸層3の面方向に入射する光の光
導波路層11となる。なお、1は半絶縁性基板、2及び
4は多重量子井戸層3を挟んで形成されたクラッド層、
12は光変調用電圧源である。
【0007】励起子が発生している無バイアス状態か
ら、電極9と10の間に逆方向電圧(Vop)を印加して
横方向に生ずる電界(E)を励起子消去の閾値よりも大
きくなるように変化させることにより、電子−正孔対を
壊して励起子を消去する。これにより、多重量子井戸層
3の面方向に入射するレーザ光の光強度や位相が変調さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この横電界励
起子消去型光変調器では、電界の大きさ(E)はほぼ光
導波路層の幅(w)に反比例するので、動作電圧(Vo
p)を低減するためには光導波路層の幅(w)を狭くし
なければならない。例えば、動作電圧(Vop)2Vに対
して光導波路層の幅(w)2μmが必要となる。更なる
高速変調に対処するためには、動作電圧(Vop)をもっ
と小さくすることが望まれており、このため、光導波路
層の幅(w)を更に狭くしようとすると、素子設計が制
約を受ける上、素子の作成も難しくなってくる。
【0009】本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて
創作されたものであり、素子の作成が容易で、駆動電圧
の低減を図ることができる半導体光変調器、光変調方法
及び光半導体装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1に、一
導電型層と、第1のクラッド層と、量子井戸層と障壁層
とが交互に積層された多重量子井戸層と、第2のクラッ
ド層と、反対導電型層とが順に積層され、前記一導電型
層側に第1の電極が、前記反対導電型層側に第2の電極
がそれぞれ形成され、前記一導電型層と前記第1の電極
の間、前記反対導電型層と前記第2の電極の間のいずれ
かに少なくとも絶縁膜が介在していることを特徴とする
半導体光変調装置によって達成され、第2に、前記量子
井戸層及び前記障壁層はともにアンドープ半導体からな
ることを特徴とする第1の発明に記載の半導体光変調装
置によって達成され、第3に、前記一導電型層と前記多
重量子井戸層との間、及び前記反対導電型層との間には
それぞれアンドープ半導体層からなる第1及び第2のク
ラッド層が介在していることを特徴とする第1又は第2
の発明に記載の半導体光変調装置。
【0011】第4に、前記一導電型層は直接、或いは他
の半導体層を介して半導体基板上に形成されていること
を特徴とする第1乃至第2の発明のいずれかに記載の半
導体光変調装置によって達成され、第5に、量子井戸層
と障壁層とが交互に積層された多重量子井戸層を互いに
異なる導電型層で挟んだ構造に、前記2つの導電型層間
に生ずるビルトインポテンシャルを打ち消すように層方
向に電圧を印加して、前記多重量子井戸層を面方向に通
過する光を変調することを特徴とする光変調方法によっ
て達成され、第6に、第4の発明に記載の半導体基板上
であって前記半導体光変調装置の隣接領域に半導体レー
ザが形成され、かつ該半導体レーザから出射したレーザ
光が前記多重量子井戸層に面方向に入射するように前記
半導体レーザが配置されていることを特徴とする光半導
体装置によって達成される。
【0012】
【作用】本発明によれば、多重量子井戸層は2つの異な
る導電型層に挟まれているので、多重量子井戸層には層
方向にビルトインポテンシャルが加わってエネルギバン
ドの傾斜が生じる。特に、多重量子井戸層としてアンド
ープ半導体を用いることにより、多重量子井戸層全体に
わたってより大きなビルトインポテンシャルが加わっ
て、エネルギバンドの傾斜はより急峻になる。
【0013】エネルギバンドが傾斜してくると、多重量
子井戸層内の隣接する量子井戸層間の電子準位がずれて
くるため、各電子準位は相互の結合が弱くなり、電子の
波動関数は各量子井戸層に局在するようになる。これに
より、電子−正孔間の遷移確率は大きくなるため、多重
量子井戸層に光を通過させると、励起子吸収が生じ、光
強度が減衰する。
【0014】また、各導電型層の外側にそれぞれ形成さ
れた第1及び第2の電極により、ビルトインポテンシャ
ルを打ち消すように2つの導電型層間に層方向に電圧を
印加すると、多重量子井戸層内でエネルギバンドが傾斜
しなくなり、隣接する量子井戸層間の電子準位が一致し
てくるため、各電子準位は相互に結合が強くなって、電
子の波動関数は多重量子井戸層全体に広がる。これによ
り、電子−正孔間の遷移確率は小さくなるため、多重量
子井戸層に光を通過させても、励起子吸収は生じず、光
強度は減衰しない。
【0015】以上のように、本発明では、第1及び第2
の電極間に電圧を印加するかしないかにより多重量子井
戸層を通過する光の強度を変調することができる。この
とき、ビルトインポテンシャル程度の電圧を印加するだ
けで光変調が可能なので、駆動電圧の低減を図ることが
できる。更に、多重量子井戸層の層厚により多重量子井
戸層に層方向にかかる電界強度が変化するため、電界強
度に依存するエネルギバンドの傾斜の大きさ、ひいては
電子の波動関数の局在状態が変化し、これにより励起子
吸収の大きさが決まる。このように、多重量子井戸層を
構成する量子井戸層及び障壁層の層厚や層数を調整する
ことで、光変調の大きさを適度に制御することができ
る。このような構造では、平面的なパターン寸法により
光変調を制御するような構造と比較して、微細化に関
し、素子設計の制約が少なく、かつ製造が容易である。
【0016】また、第1の電極と一導電型層の間、及び
第2の電極と反対導電型層の間のいずれかに少なくとも
絶縁膜が介在しているので、第1の電極と第2の電極の
間に電圧を印加しても電流が流れず、電圧だけで光変調
を制御することができる。従って、電流が流れることに
よる多重量子井戸層等での電位降下や屈折率の変化等が
生じないので、光変調の制御を安定して行うことができ
る。
【0017】更に、光変調器として半導体が用いられる
ので、半導体レーザと一体的に集積化することも容易で
ある。特に、本願の光変調器は、互いに異なる導電型層
により多重量子井戸層が挟まれた構造を有するので、こ
れと同じ層構造を半導体レーザに適用することができ
る。このため、光変調器と半導体レーザを隣接させるこ
とにより光軸合わせも容易である。
【0018】
【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施例
に係る縦電界励起子消去型半導体光変調器を示す断面図
である。同図に示すように、n型のInPからなる半導
体基板21上に、n型のInGaAsからなるガイド層
22、n型のInPからなるエッチングストップ層23
が積層されている。エッチングストップ層23はこの上
に積層されたクラッド層等をエッチングするとき、エッ
チングストップ層23で確実にエッチングを停止するた
めに設けられる。エッチングストップ層23としてクラ
ッド層等に対してエッチングの選択性を有する材料を用
いることが必要である。
【0019】また、エッチングストップ層23上には、
アンドープクラッド層24と多重量子井戸層25とアン
ドープクラッド層26とが順に積層されている。これら
はpin構造のi層を構成する。i層の部分はメサエッ
チングにより形成されて、図面上紙面に直交する方向に
延びる帯状の凸部となっている。その側面部には半絶縁
性のInPが積層された埋込み層27が形成されてい
る。埋込み層27に挟まれた部分、特に多重量子井戸層
25が光導波路層となる。なお、多重量子井戸層25を
i層として保持するために、これに接するクラッド層2
4,26はアンドープとされている。
【0020】アンドープクラッド層24は膜厚100n
mのInGaAsP(λabs =1.15μm)からな
り、アンドープクラッド層26は膜厚30nmのInG
aAsP(λabs =1.15μm)からなる。これらの
間に挟まれた多重量子井戸層25は、その拡大断面図の
図1(b)に示すように、膜厚9nmのIn0.57Ga0.43As
0.92P0.08 膜からなる量子井戸層25aと、膜厚5nm
のIn0.85Ga0.15As0.33P0 .67 膜からなる障壁層25bと
が交互に10周期積層されている。量子井戸層25aと
障壁層25bはともにn型のバックグランド不純物濃度
1×1015cm-3を有している。これらの条件で、pi
n接合のビルトインポテンシャルは約−0.89Vとな
る。
【0021】更に、クラッド層26及び埋込み層27上
には高濃度のp型不純物がドープされたInGaAs膜
からなるコンタクト層28aが積層されている。そし
て、コンタクト層28a上に膜厚約300nmのシリコ
ン酸化膜29aが形成され、光導波路層上方のシリコン
酸化膜(絶縁膜)29aの上にTi/Ptからなるp側
電極(第2の電極)30aが形成されている。
【0022】また、半導体基板21の裏面には、高濃度
のn型不純物がドープされたInGaAs膜からなるコ
ンタクト層28bが形成され、更にコンタクト層28b
の裏面には膜厚約300nmのシリコン酸化膜(絶縁
膜)29bを介してAuGe/Auからなるn側電極
(第1の電極)30bが形成されている。上記の半導体
光変調器では、p側電極30aとn側電極30bの間に
光変調用電源31が接続され、ビルトインポテンシャル
を打ち消すように層方向に順方向電圧を印加して光変調
が行われる。
【0023】次に、上記の半導体光変調器の変調動作に
ついて図2(a),(b)及び図3を参照しながら説明
する。図2(a),(b)はそれぞれバイアス電圧印加
前後での多重量子井戸層25のエネルギバンド構造を示
す図である。また、図3はバイアス電圧印加前後での光
吸収係数スペクトルを示す特性図で、縦軸は光吸収係数
を示し、横軸は波長を示す。
【0024】多重量子井戸層25とこれを挟むアンドー
プのクラッド層24,26はp型コンタクト層28a及
びn型のエッチングストップ層23に挟まれているの
で、それらの層にはpi接合とni接合の各拡散電位を
加えた合計約−0.89Vのビルトインポテンシャルが
層方向に加わることになる。特に、多重量子井戸層25
がアンドープに近くなるほど、多重量子井戸層25全体
にわたってより大きなビルトインポテンシャルが加わる
ことになる。
【0025】これにより、図2(a)に示すように、多
重量子井戸層25のエネルギバンドは層方向に漸次変化
するように傾斜する。この場合、エネルギバンドが十分
に傾斜することにより、隣接する量子井戸層25a間の
電子準位がずれて、各電子準位は相互に結合が弱くな
り、電子の波動関数は各量子井戸層25aに局在するよ
うになる。この状態では、電子−正孔間の遷移確率は大
きいため、pin構造に光を通過させると、励起子吸収
が生じ、吸収スペクトルは、図3中の点線で示すように
大きなエキシトンピーク(実施例の場合、ピーク波長
1.51μm)を有する。
【0026】ここで、エキシトンピーク値は電子の波動
関数の局在状態、即ちエネルギバンドの傾斜の大きさに
より決まり、エネルギバンドの傾斜の大きさは多重量子
井戸層25の層厚により変化する。即ち、多重量子井戸
層25の層厚が薄くなるほど、エネルギバンドの傾斜は
大きくなる。この状態で、n側電極30bに電源の負側
を接続し、p側電極30aに電源の正側を接続して、ビ
ルトインポテンシャルを打ち消すように順方向電圧(V
op)を印加する。このとき、n側電極30bとp側電極
30aの間に介在する半導体基板21,半導体層22〜
26,28a,28bとシリコン酸化膜29a,29b
とは容量の直列接続を構成し、それに基づく電圧配分の
法則に従って印加電圧が各層に配分されるので、正味の
ビルトインポテンシャルよりも多少大きな電圧をn側電
極30bとp側電極30aの間に印加することが必要で
ある。
【0027】これにより、エネルギバンドの傾斜はなく
なり、多重量子井戸層25の層方向のポテンシャル分布
は図2(b)に示すようになる。この場合、隣接する量
子井戸層25a間の電子準位が一致してくるため、各量
子井戸層25aにおける電子準位は相互に強く結合し、
電子の波動関数は多重量子井戸層25全体に広がる。こ
れにより、電子−正孔間の遷移確率は小さくなるため、
励起子吸収は生じなくなり、エキシトンピークは消え
る。また、各電子準位が相互に強く結合した結果、電子
準位そのものも幅をもったミニゾーンとなるため、吸収
端が変化し、波長シフト(実施例の場合、波長1.49
μmとなる)も同時に起こる。
【0028】従って、動作波長(λOP)を1.51μm
とすると、励起子消去と波長シフトの両方が光吸収係数
の変化に寄与し、バイアス電圧の印加前後で光吸収係数
の変化量が大きくなる。従って、n側電極30bとp側
電極30aの間のバイアス電圧をオンオフすることで、
光吸収係数を大きく変化させ、波長λOPの光の強度を感
度高く変調することができる。
【0029】以上のように、本発明の第1の実施例に係
る半導体光変調器によれば、ビルトインポテンシャル程
度の電圧を印加するだけで光変調が可能なので、駆動電
圧の低減を図ることができる。また、n側電極30bと
クラッド層24の間、及びp側電極30aとクラッド層
26の間の両方に少なくともシリコン酸化膜29b,2
9aが介在しているので、n側電極30bとp側電極3
0aの間に電圧を印加しても電流が流れず、電圧だけで
光変調を制御することができる。従って、電流が流れる
ことによる多重量子井戸層25等での電位降下や屈折率
の変化等が生じないので、光変調の制御を安定して行う
ことができる。
【0030】更に、多重量子井戸層25の層厚の調整に
より励起子吸収の大きさを調整できるため、光変調の大
きさを適度にするためには量子井戸層25a,障壁層2
5bの膜厚や層数を調整するだけでよい。このような素
子構造は、平面的なパターン寸法により励起子吸収の大
きさを調整するような構造と比較して、微細化のための
素子設計に対する制約が少なく、かつ微細化された構造
を製造することが容易である。
【0031】なお、図3に示すように、励起子消滅後の
吸収スペクトルは長波長側で裾を引くため、感度の低下
が心配となる。この場合、量子井戸層25aと障壁層2
5bが10周期程度或いはそれ以下の多重量子井戸層2
5を用いることにより、ビルトインポテンシャルによる
エネルギバンドの傾斜がより大きくなるようにし、バイ
アス電圧の印加前後で吸収係数の差が大きくなるように
しておく。これにより、裾引きによる長波長側での光吸
収は相対的にそれほど大きくならず、感度の低下を防止
することができる。
【0032】また、場合によっては、バイアス電圧を印
加したとき励起子吸収を十分に消滅させるために、多重
量子井戸層25の広い領域に電子の波動関数を広げる必
要から、量子井戸層25aの厚さなどにもよるが、10
周期以上の多重量子井戸層25とすることが望ましいこ
ともある。更に、n側電極30bとクラッド層24の
間、及びp側電極30aとクラッド層26の間の両方に
少なくともシリコン酸化膜29b,29aを介在させて
いるが、n側電極30bとクラッド層24の間、及びp
側電極30aとクラッド層26の間のいずれか一方に少
なくともシリコン酸化膜29b又は29aを介在させて
もよい。また、シリコン酸化膜29a又は29bの代わ
りに他の絶縁膜を用いてもよい。
【0033】更に、2つのクラッド層24,26をそれ
ぞれn型及びp型としてもよい。次に、本発明の第2の
実施例に係る光半導体装置について説明する。上記の半
導体光変調器は各種の発光装置と同じように、多重量子
井戸層25及びアンドープのクラッド層24,26を異
なる導電型のコンタクト層28a及びエッチングストッ
プ層23で挟む構造となっているので、半導体光変調器
と発光素子を同一基板に形成することが可能であり、光
軸合わせを不要にすることができる。例えば、基板面に
平行な方向に電流が注入される多重量子井戸層25を発
光領域とする図4に示すような半導体レーザと構造的に
整合がとれることになる。
【0034】図4は、半導体光変調器101と半導体レ
ーザ102とを同一の基板32上に一体的に形成した光
半導体装置の断面図である。図4に示すように、半導体
レーザ102は半導体光変調器101と同じ層構造を有
し、nの半導体基板32の上にn型のガイド層22及び
エッチングストップ層23を介してクラッド層24a、
アンドープの多重量子井戸層25、クラッド層26aが
メサストライプ状に形成されている。多重量子井戸層2
5が活性層となる。図1(a)に示す半導体光変調器と
異なり、クラッド層24a,26aはそれぞれn型及び
p型となっている。
【0035】また、この半導体レーザのクラッド層24
a,26aと多重量子井戸層25の両側部には図1とは
異なる構造の埋込み層27が形成されている。埋込み層
27は2層の異なる導電型層からなり、n型のクラッド
層24aの側部にp型層27aが接し、p型のクラッド
層24aの側部にn型層27bが接している。メサスト
ライプ及び埋込み層27上にp型のコンタクト層28a
が形成され、そのコンタクト層28aを被覆する絶縁膜
29aには、活性層に沿ってコンタクトホール33が形
成され、上記した半導体光変調器と同じ構造のp側電極
30aがコンタクトホール33の底部のコンタクト層2
8aと接続されている。また、裏面のコンタクト層28
bにはn側電極30bが接続されている。なお、p側電
極30a及びn側電極30bは半導体光変調器101と
半導体レーザ102とで互いに分離されている。
【0036】この半導体レーザを動作させる場合には、
n側電極30bに負バイアスの電圧を印加し、p側電極
30aに正バイアスの電圧を印加して多重量子井戸層2
5に縦方向に電流を流す。半導体レーザの膜成長、メサ
エッチング、埋込み層27の形成及び電極30a,30
bの形成は、半導体光変調器101のそれらの工程と並
行してなされる。但し、埋込み層27とクラッド層24
a,26aへの導電型の付与はイオン打ち込みやガス拡
散等により半導体レーザ側に選択的に行う。また、半導
体光変調器101のメサストライプ状の半導体パターン
を覆う絶縁膜29aは、半導体レーザ102側では、コ
ンタクトホール33を形成するため、フォトリソグラフ
ィ法により活性層の上方で選択的に除去される。
【0037】なお、上記第1及び第2の実施例におい
て、多重量子井戸層25の組成や層厚或いはクラッド層
24又は24a,26又は26aの組成は、上記した実
施例に限定されるものではなく、使用する波長帯によっ
て変えればよいので、本実施例に限定されるものでもな
い。例えば、2つのクラッド層24又は24aをn型又
はアンドープAlGaAsにより,26又は26aをp
型又はアンドープAlGaAsにより形成し、多重量子
井戸層25を構成する量子井戸層25aをアンドープG
aAs、障壁層25bをアンドープAlGaAsにより
構成してもよい。
【0038】また、各半導体層の導電型はそれぞれ逆タ
イプのものを用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、多重
量子井戸層は層方向で互いに異なる導電型層に挟まれ、
これらの導電型層の外側に第1及び第2の電極を有して
おり、導電型層間に生ずるビルトインポテンシャルを打
ち消すように層方向に電圧を印加して多重量子井戸層を
通過する光の変調を行っている。従って、第1の電極及
び第2の電極にビルトインポテンシャル程度の電圧を印
加するだけで光変調が可能なので、駆動電圧の低減を図
ることができる。また、半絶縁性基板上に上記の構造が
形成されることにより、浮遊容量の低減を図ることがで
きる。以上により、一層高速の光変調を行うことができ
る。
【0040】また、多重量子井戸層は互いに異なる導電
型層に挟まれているので、多重量子井戸層の層厚を調整
することにより、エネルギバンドの傾斜に依存する電子
の波動関数の局在状態を変化させて、励起子吸収の大き
さを調整することができる。このような構造の半導体光
変調器は、平面的なパターンサイズの調整により光変調
を制御するような構造の半導体光変調器と比較して、微
細化するにあたり、素子設計の制約が少なく、かつ製造
が容易である。
【0041】更に、光変調器として半導体が用いられ、
またその層構造が半導体レーザと同一なので、同一の基
板に光変調器と半導体レーザを一体的に集積化すること
も容易であり、しかも光軸合わせが不要となるため、作
成が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体光変調器の
断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る半導体光変調器の
変調動作について示すエネルギバンド図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る実施例に係る半導
体光変調器の変調動作について示す吸収係数スペクトル
の特性図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る光半導体装置の斜
視図である。
【図5】従来例に係る半導体光変調器の断面図である。
【符号の説明】
21 半導体基板、 22 ガイド層、 23 エッチングストップ層、 24,26 アンドープクラッド層、 24a n型クラッド層、 25 多重量子井戸層、 25a 量子井戸層、 25b 障壁層、 26a p型クラッド層、 27 埋込み層、 27a p型層、 27b n型層、 28a p型コンタクト層、 28b n型コンタクト層、 29a,29b シリコン酸化膜(絶縁膜)、 30a p側電極(第2の電極)、 30b n側電極(第1の電極)、 31 光変調用電源、 32 半導体基板、 33 コンタクトホール、 101 半導体光変調器、 102 半導体レーザ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型層と、量子井戸層と障壁層とが
    交互に積層された多重量子井戸層と、反対導電型層とが
    順に積層され、 前記一導電型層側に第1の電極が、前記反対導電型層側
    に第2の電極がそれぞれ形成され、前記一導電型層と前
    記第1の電極の間、前記反対導電型層と前記第2の電極
    の間のいずれかに少なくとも絶縁膜が介在していること
    を特徴とする半導体光変調装置。
  2. 【請求項2】 前記量子井戸層及び前記障壁層はともに
    アンドープ半導体からなることを特徴とする請求項1記
    載の半導体光変調装置。
  3. 【請求項3】 前記一導電型層と前記多重量子井戸層と
    の間、及び前記反対導電型層との間にはそれぞれアンド
    ープ半導体層からなる第1及び第2のクラッド層が介在
    していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の半導体光変調装置。
  4. 【請求項4】 前記一導電型層は直接、或いは他の半導
    体層を介して半導体基板上に形成されていることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体
    光変調装置。
  5. 【請求項5】 量子井戸層と障壁層とが交互に積層され
    た多重量子井戸層を互いに異なる導電型層で挟んだ構造
    に、前記2つの導電型層間に生ずるビルトインポテンシ
    ャルを打ち消すように層方向に電圧を印加して、前記多
    重量子井戸層を面方向に通過する光を変調することを特
    徴とする光変調方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の半導体基板上であって
    前記半導体光変調装置の隣接領域に半導体レーザが形成
    され、かつ該半導体レーザから出射したレーザ光が前記
    多重量子井戸層に面方向に入射するように前記半導体レ
    ーザが配置されていることを特徴とする光半導体装置。
JP11596495A 1995-05-15 1995-05-15 半導体光変調装置、光変調方法及び光半導体装置 Withdrawn JPH08313853A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007079604A (ja) * 1997-03-20 2007-03-29 Qinetiq Ltd 光学導波路内の高伝導埋込層

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JP2007079604A (ja) * 1997-03-20 2007-03-29 Qinetiq Ltd 光学導波路内の高伝導埋込層

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