JPH08315903A - シール部材及びシール構造 - Google Patents

シール部材及びシール構造

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JPH08315903A
JPH08315903A JP12132395A JP12132395A JPH08315903A JP H08315903 A JPH08315903 A JP H08315903A JP 12132395 A JP12132395 A JP 12132395A JP 12132395 A JP12132395 A JP 12132395A JP H08315903 A JPH08315903 A JP H08315903A
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JP
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seal
inner member
hole
diameter
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JP12132395A
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English (en)
Inventor
Kyosuke Ohashi
恭介 大橋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は電線等の引出し部分のシール性を確
保するシール部材に関し、シール部材の製造過程で生ず
る損傷を防止して、優れたシール性を安定して確保する
ことを目的とする。 【構成】 シール部材10を内側部材12と外側部材1
4とで構成する。内側部材12の外形と外側部材14の
内径とを、互いに嵌合するテーパ形状に成形する。内側
部材12に電線等を挿通するための貫通孔12aを設け
る。貫通孔12aの内壁に環状の突起部12b,12c
を設ける。貫通孔12aの壁面に、内側部材12の拡径
を容易とするためのスリット12dを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シール部材およびシー
ル構造に係り、特に、電線等が引き出される部分のシー
ル性を確保する部材または構造として好適な、シール部
材およびシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車載用電装品等の分野におい
ては、電装品内部への浸水を防止するために、電線の引
出し部にはシール構造が用いられている。電線のシール
構造としては、例えば、実開平6−60075号公報に
開示される如く、貫通孔の内壁に環状の突起部を備える
シール部材を用いて電線を保持する構造が知られてい
る。
【0003】上記従来のシール部材は、ゴム等の弾性材
料で構成されている。また、上記従来のシール部材にお
いて突起部は、貫通孔に電線が挿入された際に適当な弾
性変形が生ずるように設けられている。かかる構成によ
れば、突起部と電線との間には、突起部の復元力に起因
して高い密着性が確保される。このため、上記従来のシ
ール構造によれば、突起部の内部への浸水を適切に阻止
することができる。
【0004】上記従来のシール部材は、シール部材の外
形を模った金型と、貫通孔および突起部を模った中子と
を用いて、ゴム等の弾性材料を成形することにより製造
することができる。すなわち、上記のシール部材を製造
するにあたっては、先ず、上記の金型と中子とを用いて
弾性材料をシール部材の形状に成形する。次に、金型か
らシール部材の形状に成形された弾性材料と中子とを取
り出す。その後、弾性材料から中子を抜き取ると、所望
形状のシール部材が完成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のシ
ール部材を製造する場合、シール部材の形状に成形した
弾性材料から中子を抜き取る際に、シール部材の内壁に
形成された突起部に応力が作用するのを避けることがで
きない。この際、突起部に不当に大きな応力が作用すれ
ば、突起部に損傷が生じ、所望のシール性が得られない
事態を招く。この意味で、上記従来のシール部材は、製
造過程でシール性を損ない易いという問題を有している
ことになる。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、突起部近傍の拡径を容易ならしめることによ
り、中子を抜き取る際に不当に大きな応力が突起部に作
用するのを防止して、上記の課題を解決するシール部材
およびシール構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、貫通孔の内壁に、該貫通孔に挿入され
る部材と該貫通孔の内壁とのシール性を確保するための
突起部を備えるシール部材において、少なくとも前記突
起部近傍において前記貫通孔の径を拡げ易くする拡径手
段を備えるシール部材により達成される。
【0008】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
上記請求項1記載のシール部材において、前記拡径手段
が、前記貫通孔の壁面に設けられたスリットを有するシ
ール部材によっても達成される。
【0009】請求項3に記載する如く、上記請求項1及
び2記載のシール部材において、前記拡径手段と前記突
起部とが内側部材に設けられると共に、該内側部材を外
側から覆う外側部材を備えるシール部材は、スリットの
シール性を高める上で有効である。
【0010】請求項4に記載する如く、上記請求項3記
載のシール部材を用いたシール構造において、前記内側
部材の外側に外側部材をモールド成形したシール構造
は、前記拡径手段のシール性を高める上で有効である。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明において、シール部材の貫
通孔および突起部は、それらを模った中子を用いて成形
される。中子を抜き取る際に突起部に応力が作用する
と、その反力により貫通孔の内壁には拡径方向の力が伝
達される。本発明において、シール部材は、少なくとも
突起部近傍において貫通孔の拡径を容易ならしめる拡径
手段を備えている。このため、上記の如く貫通孔の内壁
に拡径方向の力が伝達されると、シール部材は突起部の
近傍において容易に拡径する。その結果、中子を抜き取
る際に突起部に作用する応力が抑制され、突起部の損傷
が防止される。
【0012】請求項2記載の発明において、シール部材
の貫通孔の壁面には、拡径手段としてスリットが設けら
れている。このため、中子を抜き取る際に突起部に応力
が作用し、その反力により貫通孔の内壁に拡径方向の力
が伝達されると、スリットが開くことにより、シール部
材は容易に拡径する。その結果、中子を抜き取る際に突
起部に作用する応力が抑制され、突起部の損傷が防止さ
れる。
【0013】請求項3記載の発明において、シール部材
は、拡径手段と突起部とを備える内側部材と、内側部材
を外側から覆う外側部材とで構成される。内側部材の拡
径手段は、内側部材から中子を抜き取る際に、内側部材
の内壁に設けられる突起部に不当に大きな応力が作用す
るのを防止する。外側部材は、内側部材を外側から覆っ
て、拡径手段の拡径部からの浸水を防止する。この場
合、突起部の損傷が防止されると共に、シール部材にお
いて高いシール性が確保される。
【0014】請求項4記載の発明において、内側部材と
外側部材との間には、外側部材をモールド成形する際の
モールド成形圧が作用する。このモールド成形圧は、外
側部材と内側部材との密着性を高めるように作用する。
このため、内側部材と外形部材との間には優れたシール
性が確保される。
【0015】
【実施例】以下、図1及び図2を参照して、本発明の一
実施例であるシール部材10の構成について説明する。
図1及び図2は、それぞれシール部材10の正面図及び
正面断面図を示す。
【0016】図1及び図2に示す如く、本実施例のシー
ル部材10は、内側部材12と外側部材14とで構成さ
れる。内側部材12及び外側部材14は、弾性材料であ
る熱可塑性エラストマを射出成形して構成した部材であ
り、所定の弾性を有している。
【0017】内側部材12は、軸方向に貫通孔12aを
備えると共に、その外形がテーパ形状に成形された中空
の部材である。貫通孔12aの内壁には、軸方向に2本
並んで環状の突起部12b,12cが設けられている。
また、内側部材12の側壁には、内側部材12の全長に
渡るスリット12dが設けられている。スリット12d
は、内側部材12の外周面から貫通孔12aまでを貫い
て設けられている。このため、内側部材12に拡径方向
の力が作用すると、スリット12dが開くことにより内
側部材12は容易に拡径する。
【0018】図3は、上記構成の内側部材12の成形に
用いる上型16、下型18、及び中子20の正面断面図
を示す。図3に示す如く、上側16及び下型18には、
内側部材12の外形が模られている。また、中子20に
は、貫通孔12aが模られている。中子20には、更
に、内側部材12の突起部12b,12cに対応する環
状溝20b,20c、及びスリット12dに対応するブ
レード20dが設けられている。
【0019】内側部材12を製造するにあたっては、先
ず上型16、下型18、及び中子20を図3に示す状態
にセットし、その内部に過熱された熱可塑性エラストマ
を射出する。熱可塑性エラストマが内側部材12の形状
に凝固したら、凝固した熱可塑性エラストマを中子20
と共に上型16及び下型18から離型する。次いで、凝
固した熱可塑性エラストマから中子20を抜取ることに
より内側部材12が完成される。
【0020】上記の製造過程において、熱可塑性エラス
トマから中子20が抜き取られる以前においては、中子
20の環状溝20b,20cと熱可塑性エラストマの内
壁に成形される突起12b,12cとが係合した状態と
なる。従って、中子20を抜き取る際に熱可塑性エラス
トマが拡径できないとすれば、中子20を抜き取る過程
で、突起12b,12cには大きな応力が作用する。
【0021】しかしながら、本実施例においては、中子
20のブレード20dに対応して、射出成形が終了した
時点で、熱可塑性エラストマにはスリット12dが形成
されている。このため、中子20を抜き取る際に、中子
20と突起部12b,12cとが干渉し突起部12b,
12cに応力が伝達されれば、その反力でスリット12
dが開き熱可塑性エラストマが拡径される。この場合、
突起部12b,12cに作用する応力が抑制されるた
め、突起部12b,12cの損傷を招くことなく中子2
0を抜き取ることが可能となる。
【0022】このように、本実施例においては、内側部
材12にスリット12dを設けることとしているため、
突起部12b,12cに損傷を招くことなく内側部材1
2を完成することが可能である。尚、上記の説明におい
ては、中子20にブレード20dを設けてスリット12
dを形成することとしているが、スリット12dの形成
方法はこれに限るものではなく、上型16又は下型18
にブレードを設けて、又は、射出成形終了後に熱可塑性
エラストマに切り込みを入れてスリット12を形成する
ことも可能である。
【0023】外側部材14は、軸方向に内側部材12と
嵌合するようにテーパ形状に成形された貫通孔14aを
備えている。このため、図2に示すように、外側部材1
4は、その貫通孔14aの内部に内側部材12を収納す
ることができる。外側部材14、及び内側部材12は、
上記の如く共に弾性を有する熱可塑性エラストマで構成
されているため、図2に示す如く外側部材14と内側部
材12とを嵌合させた場合、両者は良好に密着した状態
となる。
【0024】外側部材14の外周には、太径部14b、
細径部14c、及び顎部14dが形成されている。上記
構成の外側部材14は、図4に示す上型22、下型2
4、及び中子26を用いて射出成形を行うことにより成
形することができる。図4に示す如く、上側22及び下
型24には、外側部材14の外形が模られている。ま
た、中子26には、貫通孔14aが模られている。
【0025】外側部材14を製造するにあたっては、先
ず上型22、下型24、及び中子26を図4に示す状態
にセットし、その内部に過熱された熱可塑性エラストマ
を射出する。熱可塑性エラストマが外側部材14の形状
に凝固したら、凝固した熱可塑性エラストマを中子26
と共に上型22及び下型24から離型する。次いで、凝
固した熱可塑性エラストマから中子26を抜取ることに
より外側部材14が完成される。
【0026】外側部材14には、内側部材12における
突起部12b,12cの如く、中子26を抜き取る上で
支障のある部位が存在しない。このため、外側部材14
の製造にあたっては、内側部材12におけるスリット1
2dに相当する部位を設ける必要はない。
【0027】上述したシール部材10は、図2に示す如
く内側部材12を外側部材14の貫通孔14a内部に収
納した状態で、電線等が引き出される部位のシール性を
確保するために用いられる。図5は、本実施例のシール
部材10を用いてワイヤハーネス引出し部のシール性確
保を図った電磁ピックアップセンサ30の正面断面図を
示す。電磁ピックアップセンサ30は、車載用のセンサ
である。このため、電磁ピックアップセンサ30には、
耐水性および耐塵性が要求される。
【0028】図5に示すように、電磁ピックアップセン
サ30は、その内部に電磁コイル32を備えている。電
磁コイル32は、ボビン34の外周に巻き線36を形成
することで構成される。巻き線36の両端は、ボビン3
4の上部に固定される2つのターミナル38(図5には
一方のみを示す)に抵抗溶接されている。
【0029】ボビン34の内部には、マグネット40と
ヨーク42とを収納するためのスペースが形成されてい
る。電磁ピックアップセンサ30を製造するにあたって
は、先ず、ボビン34の内部にマグネット40を配設
し、次に、ボビン34及び巻き線36の外周をカバー体
44で被覆し、次いで、ヨーク42を、ヨーク42とマ
グネット40とが当接するように、ボビン34の内部に
挿入する。
【0030】カバー体44は、上述したシール部材10
と同じ熱可塑性エラストマを、ボビン34および巻き線
36の外周に射出成形することで形成される。カバー体
44は、ボビン34の先端部分(図5における下端部
分)において、ボビン34の内周側に回り込んで形成さ
れている。更に、カバー体44は、ボビン34の内周側
に回り込んだ部分に、断面が半円形状をなす環状のシー
ル部44aを備えている。
【0031】このシール部44aは、図5に示す如くヨ
ーク38がボビン34の内部に挿入されると、適当に弾
性変形してヨーク42の側面に密着するように構成され
ている。このため、図5に示す状態においては、カバー
体44とヨーク42との間に適当なシール性が確保され
ることになる。
【0032】電磁ピックアップセンサ30の製造過程に
おいては、カバー体44を射出成形すると同時に、いわ
ゆる親子取りの手法で、シール部材10、すなわち、内
側部材12および外側部材14が成形される。成形され
たシール部材10は、図5に示す如く、内側部材12と
外側部材14とを嵌合した状態で、ワイヤーハーネス4
6の外周に嵌め込まれる。
【0033】この際、シール部材10の貫通孔12aの
内壁に設けられた突起部12b,12cは、適当に弾性
変形してワイヤハーネス46の外周に密着する。その結
果、ワイヤハーネス46の外周とシール部材10の内周
との間には、適当なシール性が確保される。
【0034】シール部材10に挿通されるワイヤハーネ
ス46は、その内部に2本の信号線46a,46bを備
えている。これらの信号線46a,46bは、2つのタ
ーミナル38のそれぞれに対して抵抗溶接される。シー
ル部材10は、このようにワイヤハーネス46がターミ
ナル38に接続された状況下で、電磁コイル12に対し
て正規の位置関係となるように嵌め込み位置が調整され
る。
【0035】カバー体44によって被覆される電磁コイ
ル32、ターミナル38に固定されるワイヤハーネス4
6、およびワイヤハーネス46に嵌め込まれるシール部
材10は、射出成形によって成形されるハウジング48
によって一体化される。すなわち、上述した電磁コイル
32、ターミナル38、シール部材10等は、ヨーク4
2の先端部分で構成される電磁ピックアップ部42a、
およびシール部材10を構成する外側部材14の太径部
14bを除き、ハウジング48の内部にモールドされ
る。
【0036】尚、以下の説明においては、カバー体44
およびシール部材10の成形処理を1次成形と、また、
ハウジング48の成形処理を2次成形と称す。本実施例
において、カバー体44およびシール部材10を成形す
るための1次成形は、熱可塑性エラトマとして融点16
3℃のポリエステル系樹脂(東レハイトレル2551
(商品名)と東レハイトレル4057(商品名)との混
合材)を用いて、成形温度235℃で行う。また、ハウ
ジング48を成形するための2次成形は、上述した熱可
塑性エラストマと同系の、融点224℃のポリエステル
系熱可塑性樹脂(東レPBT5101G−30(商品
名))を用いて、成形温度255℃で行う。
【0037】このように2次成形の温度(255℃)
が、1次成形で用いる熱可塑性エラストマの融点(16
3℃)を超えていると、2次形成の過程でカバー体44
およびシール部材10の表面が溶解する。そして、1次
成形で用いる樹脂と、2次成形で用いる樹脂とが共に同
系のポリエステル系であることと相まって、2次成形終
了時には、ハウンジング48とカバー体44またはシー
ル部材10との接触面に、強固な結合力を有する溶着部
分が形成される。
【0038】かかる構成によれば、ハウジング48から
電磁ピックアップ部42aが露出する部分の近傍におい
ては、カバー体44とヨーク42との間、およびカバー
体44とハウジング48との界面に、十分なシール性を
確保することができる。また、ハウジング48からワイ
ヤハーネス46が露出するシール部材10の周辺におい
ては、シール部材10の内周とワイヤハーネス26の外
周との間、およびシール部材10とハウジング48との
界面に十分なシール性を確保することができる。
【0039】ところで、上述の如くシール部材10をハ
ウジング30によってモールドした場合、2次成形時に
は、シール部材10の周囲に、図6中に矢線で示す如き
モールド圧が作用する。このようなモールド圧のうち、
シール部材10を構成する外側部材14の細径部14c
に作用するモールド圧は、外側部材14を縮径させる力
として作用する。また、2次成形時に作用するモールド
圧のうち、内径部材12の側面12eに作用するモール
ド圧は、内側部材12と外側部材14との嵌合を強める
力として作用する。従って、これらのモールド圧は、何
れも内側部材12と外側部材14との密着性を高める力
として作用することになる。
【0040】更に、シール部材10の内側部材12には
スリット12dが設けられているが、上述の如く、2次
成形時に外側部材14が縮径され、かつ、内側部材12
と外側部材14との嵌合が強められると、スリット12
dが強固に密閉される状態となる。
【0041】このため、電磁ピックアップセンサ30に
おいては、シール部材10の内周とワイヤハーネス26
の外周との間、およびシール部材10とハウジング48
との界面に十分なシール性を確保することができること
に加え、シール部材10を構成する内側部材12と外側
部材14との界面、及び内側部材12のスリット12d
部分においても十分なシール性を確保することができ
る。
【0042】このように、電磁ピックアップセンサ30
が用いるように、シール部材10を更にモールドしてな
るシール構造によれば、シール部材10が、スリット1
2dを備える内側部材12と、内側部材12を被覆する
外側部材14とからなる構成であっても、ワイヤハーネ
ス46の引出し部において高いシール性を確保すること
ができる。
【0043】従って、上述した構成によれば、ハウジン
グ30から電磁ピックアップ部42aが露出する部位の
周辺、およびハウジング30からワイヤハーネス46が
露出する部位の周辺において十分なシール性を確保する
ことができ、電磁ピックアップセンサ30に十分な耐水
性および耐塵性を付与することが可能である。
【0044】また、本実施例のシール部材10によれ
ば、先ず内径部材12の貫通孔12aにワイヤハーネス
46を挿通し、その後、内径部材12の外周に外側部材
14を嵌合することで、シール部材10をワイヤハーネ
ス46に組み付けることができる。この際、内径部材1
2をワイヤハーネス46に組み付ける作業は、内径部材
12の拡径が許容されているため、極めて容易に行うこ
とができる。従って、シール部材10によれば、ワイヤ
ハーネス46への組み付けが容易になると共に、ワイヤ
ハーネス46への組み付け時に生ずる突起部12b,1
2cの損傷を防止することができる。
【0045】ところで、上記の説明においては、2次成
形の際に、シール部材10の大径部14bをハウジング
48の外部に露出させることとしているが、シール部材
10をモールドする手法はこれに限るものではなく、そ
の全体をハウジング48でモールドすることとしてもよ
い。
【0046】また、上記の説明においては、一次成形用
の樹脂として比較的融点の低い熱可塑性エラストマを用
い、かつ、2次成形用の樹脂として比較的融点の高い熱
可塑性樹脂を用いて、シール部材10とハウジング30
との界面を溶着させることとしている。かかる構成によ
れば、仮にスリット12dや内側部材12と外側部材1
4との界面から浸水が生じても、その浸入をシール部材
10とハウジング30との界面で確実に阻止することが
できる。
【0047】しかし、シール部材10を用いる態様とし
ては、シール部材10とハウジング48とを溶着させる
ことは必須ではなく、シール部材10が適当な弾性を有
していれば、十分に優れたシール性を確保することが可
能である。このため、シール部材10の材質は、上述し
た熱可塑性エラストマに限るものではなく、例えば、ゴ
ムや熱可塑性樹脂等の如く、適当な弾性を有し、かつ、
射出成形の可能な材料を用いてシール部材10を成形す
ることも可能である。
【0048】更に、上記の説明においては、シール部材
10をワイヤハーネス46の引出し部分のシール性を確
保するために用いることに限定しているが、シール部材
10の用途はこれに限るものではなく、棒状の部材が引
き出される部分のシール性を確保するために広く用いる
ことができる。
【0049】図7は、本発明の第2実施例であるシール
部材を構成する内側部材の正面図を示す。図7に示す内
側部材50は、上述した内側部材12と同様に、外形が
テーパ形状に成形されていると共に、貫通孔50aの内
壁に2つの突起部50b,50cを備えている。また、
内側部材50は、クランク状のスリット50dを備えて
いる。スリット50dは、突起部50b,50cが受け
る影響を最小限に止めるため、何れの突起部50b,5
0cとも直交するように構成されている。
【0050】スリットがクランク状に設けられた場合、
スリットが直線的に設けられている場合に比してスリッ
ト長を長く確保できる。スリット長が長いほど、スリッ
ト部分において高い浸水阻止能力を確保することができ
る。このため、本実施例の内側部材50によれば、上述
した内側部材12を用いる場合に比して、更に高いシー
ル性を有するシール部材を構成することができる。
【0051】図8は、本発明の第3実施例であるシール
部材を構成する内側部材の正面図を示す。図8に示す内
側部材52は、貫通孔52aの内壁に3つの突起部52
b〜52dを備えていると共に、それらの突起部52b
〜52dの何れとも直交するように構成された2段クラ
ンク状のスリット52eを備えている。かかる構成によ
れば、上記図7に示す内側部材50に比してより長いス
リット長を確保することが可能である。従って、本実施
例の内側部材52によれば、上述した内側部材50を用
いる場合に比して、更に高いシール性を有するシール部
材を構成することができる。
【0052】図9は、本発明の第4実施例であるシール
部材を構成する内側部材の正面図を示す。図9に示す内
側部材54は、上記図8に示す内側部材52と同様に、
貫通孔54aの内壁に3つの突起部54b〜54dを備
える場合の構成例である。図9に示す如く、内側部材5
4は、螺旋状のスリット54eを備えている。かかる構
成によれば、突起部54b,54c,54dが受ける影
響を小さく抑制しつつ、上記図8に示す内側部材52と
同様に、長いスリット長を確保することができる。従っ
て、本実施例の内側部材54によれば、上述した内側部
材52を用いる場合と同様に、高いシール性を有するシ
ール部材を構成することができる。
【0053】図10は、本発明の第5実施例であるシー
ル部材を構成する内側部材の正面図を示す。図10に示
す内側部材56は、貫通孔56aの内壁に、2つの突起
部56b,56cを備えると共に、それら突起部56
b,56cと直交し、かつ、内側部材56の軸長方向に
貫通しないスリット56dを備えている。
【0054】かかる構成によれば、内側部材56は、突
起部56b,56cの近傍においては、容易に拡径する
ことができる。従って、内側部材12の製造過程で、貫
通孔56aと突起部56b,56cとを模った中子を抜
き取る際に、突起部56b,56cに不当に大きな応力
が作用することはない。このため、本実施例の内側部材
56によっても、上述した内側部材12,50,52,
54等と同様に、貫通孔56aと、その内部に挿入され
るワイヤハーネスとの間に、高いシール性を確保するこ
とができる。
【0055】更に、上述の如く、スリット56dが内側
部材の軸長方向に貫通しない構成によれば、内側部材5
6と外側部材14とを嵌合させた際に、スリット56d
の全長が外側部材14によって被覆された状態となる。
このため、内側部材56を用いて構成したシール部材に
よれば、スリット56dからの浸水を確実に防止するこ
とができる。従って、本実施例の内側部材56によれ
ば、貫通孔56aの内外双方において優れたシール性を
有するシール部材を構成することができる。
【0056】図11は、本発明の第6実施例であるシー
ル部材を構成する内側部材の正面図を示す。図11に示
す内側部材58は、上述した内側部材12と同様に、内
側部材58の外形を模った上側と下側、及び貫通孔58
aと突起部58b,58cとを模った中子を用いて成形
される。内側部材58の貫通孔58aの内壁に設けられ
る突起部58b,58cは、中子が抜き取られる側(図
11において右側)ほど内径が小さくなるように設計さ
れている。
【0057】かかる構成によれば、中子を抜き取る際に
突起部58b,58cは、損傷を受けることなく拡径方
向に弾性変形することができる。このため、本実施例の
内径部材58によれば、貫通孔58aの内部に挿入され
るワイヤハーネスを、高いシール性をもって保持し得る
シール部材を構成することができる。
【0058】ところで、内径部材58はスリットを備え
ていないため、必ずしも外形部材14と嵌合させて用い
る必要はない。従って、内径部材58に関しては、内径
部材58自体をシール部材として用いることができる。
図12は、本発明の第7実施例であるシール部材を構成
する内側部材の正面図を示す。図12に示す内側部材6
0は、上述した内側部材12と同様に、内側部材60の
外形を模った上側と下側、及び貫通孔60aと突起部6
0b,60cとを模った中子を用いて成形される。内側
部材60の外形には、突起部60b,60cの外周部分
の肉圧を薄くするために、細径部60cが設けられてい
る。
【0059】かかる構成によれば、中子を抜き取る際に
突起部60b,60cに応力が作用すると、その応力に
より容易に突起部60b,60c及び細径部60cが拡
径される。このため、本実施例の内径部材60によれ
ば、突起部60b,60cに不当に大きな応力を作用さ
せることなく中子を抜き取ることが可能である。従っ
て、内側部材60によれば、貫通孔60aの内部に挿入
されるワイヤハーネスを、高いシール性をもって保持し
得るシール部材を構成することができる。
【0060】ところで、内径部材60は、上述した外側
部材14と組み合わせて用いることも可能であるが、か
かる使用態様によれば、外側部材14と細径部60cと
の間に、中空部分が形成される。かかる中空部分が形成
されると、貫通孔60aの内部に挿通されるワイヤハー
ネスと突起部60b,60cとの間に高い密着力を確保
することが困難となる。このため、内側部材60を用い
る場合には、細径部60cの外周に環状部材を嵌合す
る、又は外側部材14の内壁を細径部60cに合わせて
成形することが望ましい。
【0061】ところで、上記の説明においては、内側部
材12,50,52,54,56,58の外形、及び外
側部材14の内径をテーパ形状とすることにしている
が、これらは必ずしもテーパ形状に成形する必要なな
く、内側部材、及び外側部材を共に円筒径に形成するこ
とによっても、十分に優れたシール性を得ることができ
る。
【0062】尚、上述した実施例においては、内側部材
12,50,52,54,56のスリット12d,50
d,52e,54e,56d、内径部材58の突起部5
8b,58c,及び内径部材60の細径部60cが、前
記した拡径手段に相当している。
【0063】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明の実施例には特許請求の範囲に記載した技術
事項以外に次の様な技術的事項の実施態様を有するもの
であることを付記しておく。 (1) 請求項3記載のシール部材を用いたシール構造
において、前記内側部材の外形と、前記外側部材の内径
とが、互いに嵌合するテーパ形状に成形されていると共
に、前記外側部材をモールド成形したことを特徴とする
シール構造。
【0064】上記の実施態様において、内側部材および
外側部材は、互いに嵌合するテーパ形状とされている。
内側部材が外側部材に覆われるため、内側部材に設けら
れたスリットに高いシール性が与えられる。かかる構成
の下に外側部材がモールド成形されると、外側部材の外
周面および内側部材の側面に作用するモールド成形圧
は、共に外側部材と内側部材との密着性を更に高めるよ
うに作用する。
【0065】このため、上記の実施態様に係るシール構
造によれば、請求項3記載の発明と同様の効果を享受す
ることができることに加え、スリットのシール性および
内側部材と外側部材の間に更に優れたシール性を付与す
ることができるという効果をも享受することができる。
【0066】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、拡径手段の作用により、貫通孔の内壁に拡径方向の
力が作用した際には、突起部の近傍においてシール部材
が容易に拡径することができる。このため、本発明に係
るシール部材によれば、突起部が、製造過程で大きな応
力を受けて損傷することがなく、シール性に優れた品質
を安定して得ることができる。
【0067】請求項2記載の発明によれば、スリットが
開くことにより、貫通孔の内壁に拡径方向の力が作用し
た際には、突起部の近傍においてシール部材が容易に拡
径することができる。このため、本発明に係るシール部
材によっても、突起部が、製造過程で大きな応力を受け
て損傷することがなく、シール性に優れた品質を安定し
て得ることができる。
【0068】請求項3記載の発明によれば、内側部材の
内壁に拡径方向の力が作用した際には、拡径手段の拡径
部が開くことにより内側部材が拡径することができる。
このため、内側部材の製造過程で突起部が損傷すること
はない。内側部材に設けられる拡径手段は、外側部材に
よって閉塞される。このため、本発明に係るシール部材
によれば、シール部材の貫通孔の内側および外側の双方
において、優れたシール性を得ることができる。
【0069】請求項4記載の発明によれば、外側部材を
モールド成形する際に外側部材と内側部材との間に作用
するモールド圧により、内側部材と外側部材との密着性
が向上する。このため、本発明に係るシール構造によれ
ば、上記請求項3記載の発明が有する効果と共に、内側
部材と外側部材の間に優れたシール性を確保することが
できるという効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシール部材の正面図を
示す。
【図2】本発明の一実施例であるシール部材の正面断面
図を示す。
【図3】本発明の一実施例であるシール部材を構成する
内側部材の成形型の正面断面図である。
【図4】本発明の一実施例であるシール部材を構成する
外側部材の成形型の正面断面図である。
【図5】本発明の一実施例であるシール構造を有する電
磁ピックアップセンサの正面断面図である。
【図6】本発明の一実施例であるシール構造の拡大図で
ある。
【図7】本発明の第2実施例であるシール部材を構成す
る内側部材の正面図を示す。
【図8】本発明の第3実施例であるシール部材を構成す
る内側部材の正面図を示す。
【図9】本発明の第4実施例であるシール部材を構成す
る内側部材の正面図を示す。
【図10】本発明の第5実施例であるシール部材を構成
する内側部材の正面図を示す。
【図11】本発明の第6実施例であるシール部材を構成
する内側部材の正面図を示す。
【図12】本発明の第7実施例であるシール部材を構成
する内側部材の正面図を示す。
【符号の説明】
10 シール部材 12,50,52,54,56,58,60 内側部材 12a,50a,52a,54a,56a,58a,6
0a 貫通孔 12b,12c,50b,50c,52b〜52d,5
4b〜54d,56b,56c,58b,58c,60
a,60b 突起部 12d,50d,52e,54e,56d スリット 14 外側部材 60c 細径部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔の内壁に、該貫通孔に挿入される
    部材と該貫通孔の内壁とのシール性を確保するための突
    起部を備えるシール部材において、 少なくとも前記突起部近傍において前記貫通孔の径を拡
    げ易くする拡径手段を備えることを特徴とするシール部
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシール部材において、 前記拡径手段は、前記貫通孔の壁面に設けられたスリッ
    トを有することを特徴とするシール部材。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2記載のシール部材におい
    て、 前記拡径手段と前記突起部とが内側部材に設けられると
    共に、 該内側部材を外側から覆う外側部材を備えることを特徴
    とするシール部材。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のシール部材を用いたシー
    ル構造において、 前記内側部材の外側に外側部材をモールド成形したこと
    を特徴とするシール構造。
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