JPH08316054A - 薄形トランス - Google Patents

薄形トランス

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JPH08316054A
JPH08316054A JP7123411A JP12341195A JPH08316054A JP H08316054 A JPH08316054 A JP H08316054A JP 7123411 A JP7123411 A JP 7123411A JP 12341195 A JP12341195 A JP 12341195A JP H08316054 A JPH08316054 A JP H08316054A
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windings
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Koji Nakajima
浩二 中嶋
Munekazu Sato
宗計 佐藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は電気機器に使用される薄形トランス
に関するものであり、高品質で、低損失の高周波対応可
能な積層コイルを使用した薄形トランスを安価に提供す
るものである。 【構成】 自己融着層を有し、絶縁被膜層を有する断面
平角状の電線を使用し、電線の断面形状の長手方向に平
らになるよう1層で渦巻状に形成したコイルを1次巻線
4a,4b、2次巻線5の少なくともいずれか一方に使
用し、1次、2次巻線(4a,4b,5)の全てを一層
巻でほぼ同一巻幅で面対向するように交互に各層の巻線
を積層するとともに、しかも1次巻線と2次巻線の一方
を分割巻とし、この分割された巻線の各層の巻線を並列
または直列接続となるようにした積層コイルを用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子機器に使用され
る渦巻状の巻線を使用した薄形トランスに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、トランスは高周波化、小型化、薄
形化、高性能化の技術ニーズに対応するため、プリント
エッチング技術を使用したプリントコイル積層トラン
ス、銅板を打ち抜いて形成する打ち抜きコイル積層構成
のトランスあるいは電線を渦巻状に形成したスパイラル
コイル積層構成のトランス等が開発されてきた。
【0003】しかしながら、現実には上記技術ニーズに
加えて時代背景として徹底した低コスト化の要望が強く
叫ばれており、この点を抜きにしては、実用化はありえ
ないものとなってきている。
【0004】薄形トランスを低コストで提供するために
は、どんな積層コイルをどのように構成するかである
が、エッチング工法によるプリントコイルはコストアッ
プとなることおよび厚膜化という点で電流容量に限界が
生じる等の理由で、また、打ち抜き工法によるコイルは
金型が必要となるため、コスト、汎用性という面を考慮
すると電線を渦巻状に形成したスパイラルコイル積層構
成のトランスを採用するものが多くなっている。
【0005】また、電源装置においても小型、薄形化、
低コスト化の要求が高まってきている。
【0006】以下、従来の渦巻状の巻線を使用した積層
コイルを用いた薄形トランスを図15〜図17により説
明する。
【0007】同図において1は磁心、2は渦巻状巻線、
3は絶縁紙、4は1次巻線、5は2次巻線、6は3次巻
線であり、図17により構成をより詳細に説明すると、
電線をコイル単独で渦巻状に巻回形成してなる巻線2と
絶縁紙3を交互に積層して積層コイルを完成させた後、
このコイルを積層した方向から閉磁路を構成する磁心1
を組み込んで薄形トランス本体を完成させるものであ
る。なお、渦巻状巻線2は薄板状の導体を打ち抜き工法
によって製作した渦巻状の打ち抜きコイルであってもよ
い。
【0008】なお、図17においては、巻線2は交互に
2組積層しているが、トランスとして1次巻線と2次巻
線を有していれば、2組以上であっても同様である。図
16は他の従来技術であり、巻線2を3層積層した薄形
トランスである。また、図15(a)は、渦巻状積層コ
イルを用いた従来の薄形トランスであり、1次巻線4と
2次巻線5と3次巻線6を絶縁紙3をサンドイッチしな
がら積層したものである。
【0009】なお、図15(b)は、図15(a)の薄
形トランスを用いた電源回路の一例であり、入力電源7
に1次巻線4を接続し、3次巻線6にダイオード10と
コンデンサ11の整流平滑回路を介して制御回路9を接
続し、この制御回路9の出力で1次巻線4の他端に接続
された1次スイッチング素子(FET)8をオン、オフ
させて1次側を駆動させる。また、2次巻線5には、ダ
イオード12とコンデンサ13からなる整流平滑回路を
介して負荷14が接続されるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図15
(a)の渦巻状積層コイルを用いたものにあっては、1
次巻線4と2次巻線5および3次巻線6は、それぞれ断
面円形の電線を使用渦巻状に巻回形成しているため、流
れる電流によって線径を選ぶと線径が多種多様となり、
線の厚み方向がばらつき、電気性能を含めた品質ロスが
発生する。また、大電流になれば線径も大きくなり、小
型、薄形化を妨げ、さらにトランスを高周波駆動する場
合、表皮効果によって交流抵抗が増加する現象が発生す
るため、損失の増大を招き高効率化の妨げとなる。
【0011】これを解決するため、高周波駆動用コイル
としてプリントエッチングや、薄板状の導体を打ち抜き
工法で薄板状の積層コイルを用いているが、プリントエ
ッチングでは前述のようにコスト、汎用性の面で適切で
ない。また、薄板状の導体を打ち抜き工法によって製作
した渦巻状の打ち抜きコイルで製作しても多種多様の打
ち抜き金型を準備することは生産コストの増加を招くも
のである。
【0012】また、上記図15(b)に示す1次スイッ
チング素子(FET)8のオン、オフの回数がスイッチ
ング駆動周波数といわれるものであり、数10k〜数1
00kHzが現在の業界水準である。この電源を小型化、
薄形化、高性能化していくため、電源の駆動周波数を高
周波化する技術開発が研究されている。
【0013】しかしながら、現実には電源を高周波駆動
するため、上記プリントエッチングコイルあるいは打ち
抜きコイル等で製作すれば薄形トランスも高価になり、
コスト、汎用性の面が問題となり普及していない。電源
の高周波駆動を実用化普及させるためには、低コストで
汎用性のある高周波化対応部品が必要となり、そのキー
パーツがトランスであるとされている。
【0014】本発明は、上記課題を解決するもので、渦
巻状の巻線を使用した電気性能を含めた品質ロスの少な
い、汎用性のある、低損失の高周波対応可能な積層コイ
ルを使用した薄形トランスを提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の薄形トランスは、自己融着層付きで且つ絶縁
被膜層付きの断面平角状の電線を使用し、電線の断面形
状の長手方向に平らになるよう1層で渦巻状に形成した
単独コイルを1次巻線、2次巻線の少なくともいずれか
一方に使用し、1次、2次巻線の全てを一層巻でほぼ同
一巻幅、且つ、面対向するように交互に各層の巻線を積
層するとともに、しかも1次巻線と2次巻線の少なくと
もいずれか一方を分割巻とし、この分割された巻線の各
層の巻線を並列または直列接続となるように積層コイル
を構成し、このコイルが積層される方向から閉磁路を構
成する磁心を組み込むことを特徴としたものである。
【0016】
【作用】上記構成によって、線間隙間をなくせ、空間利
用率がよくなるため巻線の占積率が向上し、巻線の厚み
が薄く、かつ、1次と2次の対向面積は大きく、距離は
少なく形成されるため表皮効果による交流抵抗の増加を
防止し、1次と2次間の巻線の結合が強くなり、高周波
での損失を低損失とできるものである。また、線材の厚
みを統一しても断面積を可変できるので厚みを標準化で
き、生産上、性能上のばらつきが低減できる。さらにコ
イル単独で形状を維持できるので取扱いが容易となり、
巻線工法によって薄形コイルが簡単に作製できるもので
ある。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の薄形トランスの一実施例で
ある第1の実施例を図1〜図4により従来技術と同一部
分は同一番号を付して説明を省略して説明すると、4
a,4bは1次分割巻線、5a,5bは2次分割巻線で
あり、それぞれ、平角線からなる渦巻状巻線2aから構
成されている。
【0018】次に構成をより詳細に説明すると、まず、
図2のように自己融着層付きで且つ絶縁被膜層付きの断
面平角状の平角線を断面形状の長手方向に平らになるよ
う1層でほぼ、同一巻幅で渦巻状に巻回形成しながら、
融着層を利用して形状を固定して、1次分割巻線4a,
4bと2次巻線5を準備し、さらに、図1(a)に示す
ように、この準備されたそれぞれの巻線を各層間に絶縁
紙3を挿入しながら面対向するよう交互に各層の巻線を
積層して積層コイルを完成させる。このコイルが積層さ
れる方向から、図17の従来技術と同様に閉磁路を構成
する磁心1を組み込んで薄形トランスを完成させるもの
である。また、本実施例における積層コイルの接続は図
1(b),図1(c)のように分割された1次巻線4
a,4bを並列または直列いずれによって接続しても良
い。
【0019】以上の上記構成によれば、絶縁被膜層付き
の断面平角状の電線を使用しているため、従来の断面円
状の電線より空間隙間が少ないこととなり、また、エッ
チングで製作したコイル、打ち抜き薄板状コイルのよう
に線間隙間が不要であり、結果として従来のコイルより
巻線占積率が向上する。また、断面平角状の電線を長手
方向に平らになるよう1層でほぼ、同一巻幅で渦巻状に
巻回形成し、面対向するよう交互に各層の巻線を積層し
て分割された1次巻線4a,4bを並列または直列に接
続しているため、巻線の厚みが薄く、かつ、1次と2次
の対向面積は大きく、1次2次間の距離を少なく形成で
きることとなり、その結果、高周波化による線材の表皮
効果による交流抵抗の増加を防止し、1次と2次間の巻
線の結合が強くなるため、高周波での低損失を実現する
ものである。
【0020】また、断面平角状の電線を長手方向に平ら
になるよう巻回形成しているため、線材の厚みを統一し
ても断面積を可変できることとなり、各種の電流容量に
対応できる線材の厚みを標準化でき、生産上、性能上の
ばらつきも低減できるものである。
【0021】また、図2の平角線引き出し部2bにおけ
る巻線とのクロス部分の面圧も少なくできることとなり
信頼性も向上する。また、自己融着層付き電線としてい
るためコイル単独での形状も維持できるので後工程での
取扱いも容易となり、巻線工法で簡単に薄形コイルが製
作できるものである。
【0022】なお、上記説明では1次巻線のみ分割して
いるが、図3(a)のように2次巻線も分割して2次分
割巻線5a,5bを形成し、図3(b),(c)のよう
に2次側も並列または直列に接続することにより、1次
と2次の巻線間結合をさらに高めることができるため高
周波での損失をさらに低減できるものである。
【0023】また、図4(a),(b)は、本発明に使
用する断面平角状の電線の他の例を示すものであり、図
中、B寸法がA寸法の関係がB≧Aであれば、長円ある
いは楕円であってもその効果は同じである。
【0024】また、本実施例では単独コイルを形成する
渦巻状コイルの製作方法に関してはあえて説明していな
いが、絶縁被覆電線を使用して渦巻状に巻回した後、次
工程で接着剤、融着材、樹脂等で固着して、形状が維持
できるように製作してもよい。
【0025】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
を図5(a)〜(c)により説明する。
【0026】同図において基本的には、図15〜図1
7、図1〜図4と同一の構成部分には同一番号を付して
詳細な説明を省略して説明すると、図5(a),(b)
において図1と異なる点は3次巻線6と称する1次補助
巻線を図5(a)においては1次分割巻線4aの上層、
図5(b)においては1次分割巻線4aと同一層に他の
渦巻状巻線と同一厚みで設けたことである。図5(c)
の本実施例の薄形トランスを用いた電源回路は、図15
(b)の回路と同じように構成されることになる。
【0027】以上の構成によると、3次巻線6の断面積
が1次あるいは2次巻線と異なっても厚みは同じとでき
るため、コイル積層時の段差が生じないので製造品質が
安定するとともに、他の巻線との結合も安定するので制
御性能も安定するという特有の効果も得られるものであ
る。
【0028】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
を図6〜図8により説明する。なお、図6は薄形トラン
スの積層コイルの断面図であり、図1の実施例と同一部
分は同一番号を付して説明を省略する。
【0029】図7は、トランス組立状態(実線)とコイ
ル単体状態(破線)における交流抵抗増加率と駆動周波
数の関係を示す実験結果であり、交流抵抗増加率は、同
図に示すように周波数が高くなるにつれて増加する傾向
を示すものである。これは、材料の厚みに起因し、表皮
効果(高周波において電流が線材の表面に集中して流
れ、実質的な交流抵抗が増加する。この電流分布の偏り
現象)と線材が近接することが起因する近接効果(同一
方向に電流が流れ、2本の導体が近接すると電流分布が
外側に偏る現象)によって生じているものである。本
来、コイル単体であれば、表皮効果と近接効果によって
交流抵抗増加率は増加するものであるが、図7に示すよ
うに磁心を組み込んだトランス組立完成品であると、あ
る周波数領域まではコイル単体の状態より交流抵抗増加
率は少なくなる。
【0030】この理由は、1次巻線と2次巻線は互いに
逆向きの電流が流れるため、同一方向電流の場合よりも
電流分布が均一になり、交流抵抗が少なくなり、さらに
磁心を組み込みトランス組立完成状態にすると磁気的な
影響度合いが増すのでこの傾向が強まるためである。こ
の現象はトランス組立状態では近接効果が作用して逆に
交流抵抗の増加を抑えられることになるものであり、こ
の現象を以下、キャンセル効果と呼ぶことにする。
【0031】以上の現象から、次のような考察と実験を
行った。 (1)巻線の結合を高める有効な手段の設定(巻線構成
の考察) (2)電源での駆動周波数の上限fと巻線の最適な厚み
0の設定 の両立を検討すれば、トランスの交流抵抗増加率を、あ
る特定周波数以下では、上記キャンセル効果を有効に利
用して、トランスの交流抵抗増加率を少なくし、さらに
低損失のトランスの提供が可能となる。
【0032】上記考察をさらに確認するため、図8に示
すような基本構成の積層コイルにおいて巻線の厚みtを
可変しながら、図7と同様な各々の厚みにおける交流抵
抗増加率と周波数の関係を採取し、キャンセル効果の発
生周波数Aを求めた。
【0033】また、この実験において上記考察(1)項
に記載する巻線の結合を高める手段としては、1次分割
巻線4a,4bおよび2次巻線を交互に積層している。
【0034】以上の実験結果を(表1)に示す。
【0035】
【表1】
【0036】(表1)より、巻線厚み0.3mmでは、キ
ャンセル効果は発生しない。巻線厚み0.2mmでは、4
00〜900kHz以下の周波数ではキャンセル効果が発
生する。厚みが薄いほどキャンセル効果の発生周波数A
は高くなる。キャンセル効果の発生周波数Aは周波数A
における銅の表皮厚みδの1.5〜2.86倍で発生し
ている。このことは、巻線の厚みがほぼ表皮厚みδの3
倍程度の厚みであれば、その近辺の周波数でキャンセル
効果が発生することを示している。
【0037】結論として電源での駆動周波数の上限値を
その周波数における銅の表皮厚みδの3倍程度に設定す
れば、キャンセル効果の発生が利用できるので交流抵抗
の低減と標準化が同時に達成できることが確認できた。
【0038】このことから、巻線の結合を高める有効な
手段を備えていれば、トランス組立時、線材として銅を
使用した場合の巻線の最適厚み条件t0は、 0.3mm>t0≒3×δ ここで、δ:表皮厚み、銅ではδ=66.1/√f(m
m) f:電源での駆動周波数の上限値(Hz) に設定すれば良いこととなる。
【0039】以上、本実施例による構成によれば、
(1)巻線の結合を高める有効な手段の設定と、(2)
電源での駆動周波数の上限値fと巻線の最適な厚みt0
の設定条件の両方を兼ね備えているので、交流抵抗の低
減と標準化が同時に達成できることとなり、トランス組
立時の大幅な損失低減と線材量の有効活用ができ、標準
化最適設計も可能となるという新たな効果が実施例1〜
2の効果に加えて生まれ、さらに小形で安価な薄形トラ
ンスとできるものである。
【0040】なお、線材として銅を使用しない場合の巻
線の最適厚み条件t0も、t0≒3×δで決まるというこ
とも容易に考えられるものであり、他の材料を使用した
ときもこの考え方を利用できる。
【0041】なお、線材が銅の場合駆動周波数の上限を
ほぼ1MHzとすれば、1MHzにおける表皮厚みδ=66
μ=0.066mmであるから、3倍程度として約0.2
mm程度が最適厚みといえる。
【0042】また、駆動周波数の上限をほぼ5MHzとす
れば、5MHzにおける表皮厚みδ=30μ=0.030
mmであるから、3倍程度として約0.1mm程度が最適厚
みといえる。
【0043】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
を図9(a),(b)により説明する。
【0044】同図において15a,15bは薄板状打ち
抜きコイルを示している。本実施例は、薄板状の導電板
を打ち抜いて形成したコイル15a,15bを1次、2
次巻線のいずれか一方に使用して積層コイルを構成する
ものである。
【0045】以上本実施例によれば、1次、2次巻線の
いずれか一方に薄板状打ち抜きコイル15a,15bを
使用しているため、巻線工法では渦巻状の巻線が不可能
な領域の大電流対応が可能となることによってさらに広
範囲の電気仕様に対応できるようになるという特有の効
果が上記実施例1〜3の効果に加えて得られる。
【0046】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
を図10(a),(b)により説明する。
【0047】本実施例は図10(a)に示すように1次
巻線4a,4bと2次巻線5とほぼ同一巻幅の薄板状の
導電板を1ターンコイル15aとして1次、2次巻線の
各層間の少なくともいずれか一方に挿入したものであ
り、図10(b)の電源回路図に示すように1ターンコ
イル15aの一方の引き出し端を電源回路のアースに接
続してもう一方の引き出し端を開放としたものである。
ここで一方の引き出し端と電源回路の接続は安定電位で
あればアースでなくてもよい。
【0048】以上、本実施例によれば積層方式において
も簡単に1次と2次の静電しゃへいができることとな
り、低ノイズ化が達成できるという新たな効果が実施例
1〜4の効果に加えて得られる。
【0049】なお、ここで使用する1ターンコイル15
aに関しては、エッチングによるプリントコイルでもよ
い。
【0050】(実施例6)以下、本発明の第6の実施例
を図11により説明する。
【0051】同図に示すように1次巻線4a,4bと2
次巻線5とほぼ同一巻幅で自己融着層付きで且つ絶縁被
膜層付きの断面平角状の電線を、電線の断面形状の長手
方向に平らになるよう渦巻状に1層巻したコイル2aを
1次、2次巻線の各層間の少なくともいずれか一方に挿
入し、一方の引き出し端を電源回路の安定電位に接続し
てもう一方の引き出し端を開放するものである。
【0052】以上本実施例によれば、他の渦巻状コイル
と同一の製造工程で静電しゃへい用コイルが形成できる
こと、および低ノイズ化という特有の効果が実施例1〜
4の効果に加えて得られる。
【0053】(実施例7)以下、本発明の第7の実施例
を図12(a)〜図13(b)により説明する。
【0054】同図において4aR、4bRは右磁脚1次巻
線、5Rは右磁脚2次巻線、4aL、4bLは左磁脚1次
巻線、5Lは左磁脚2次巻線を示している。
【0055】本実施例においては、図12(a)のよう
に本発明の積層コイルを2組使用してUU形の磁心1a
をそれぞれの積層コイルに組み込んで構成したものであ
る。
【0056】接続例としては、図12(b),(c)、
図13(a),(b)に示すように、それぞれのコイル
を直列または並列に接続する方法があり、これ以外の接
続方法でもよい。
【0057】以上、本実施例によれば、UU形磁心1a
の突き合わせ部分はそれぞれ積層コイルの中に位置する
ようになり、つまり、内鉄形構造となり、突き合わせ部
分からの漏れ磁束による外部の電源回路、機器へのノイ
ズ妨害が低減できる。また、UU形磁心1aの突き合わ
せ部分に磁気ギャップを有する構造の場合、磁気ギャッ
プを左右の磁脚の2個に分割できる分割ギャップ構成と
なり、磁気ギャップからの漏れ磁束によるコイルの損失
増加を低減できるという新たな効果が実施例1〜6の効
果に加えて得られるものである。
【0058】(実施例8)以下、本発明の第8の実施例
を図14により説明する。
【0059】図14は本発明の第8の実施例を示す渦巻
状巻線、絶縁紙の外観図を示している。本実施例の第8
の実施例は、図13(a)あるいは図13(b)の1次
側接続図のように左右の巻線を直列に接続する場合に適
用できるもので、図14に示すように左右の磁脚に挿入
される巻線を連続で形成してなる左右連続形成の渦巻状
巻線2cとしたものである。
【0060】本実施例によると、実施例7の効果に加え
て左右のコイルの接続が不要となるため、積層コイルの
接続工数が削減できるという新たな効果を有するもので
ある。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明は、自己融着層付き
で且つ絶縁被膜層付きの断面平角状の電線を使用し、電
線の断面形状の長手方向に平らになるよう1層で渦巻状
に形成した単独コイルを1次巻線、2次巻線の少なくと
もいずれか一方に使用し、1次,2次巻線の全てを一層
巻でほぼ同一巻幅、且つ、面対向するように交互に各層
の巻線を積層するとともに、しかも1次巻線と2次巻線
の少なくともいずれか一方を分割巻とし、この分割され
た巻線の各層の巻線を並列または直列接続となるように
積層コイルを形成し、このコイルが積層される方向から
閉磁路を構成する磁心1を組み込む構成としたので (1)巻線占積率が向上できる。
【0062】(2)高周波で低損失を実現できる。 (3)厚みを標準化でき、生産上、性能上のばらつきが
低減できる。
【0063】(4)引き出し部における巻線とのクロス
部分の面圧も少なくできることとなり信頼性も向上す
る。
【0064】(5)巻線工法で簡単に薄形コイルが作れ
る。また、1次、または2次の補助巻線を他の渦巻状巻
線と同一厚みで追加形成したものにあってはさらに、 (6)コイル積層時の段差が生じないので製造品質が安
定する。
【0065】(7)結合も安定するので制御性能も安定
する。また、各層の電線材料として銅を使用し、電源で
の駆動周波数の上限値をf、δを表皮厚み、銅ではδ=
66.1/√f(mm)、巻線の厚みt0を0.3mm>t0
≒3×δ(mm)としたものにあっては、 (8)トランス組立時、大幅な損失低減と線材量の有効
活用ができる。
【0066】(9)標準化最適設計も可能となるもので
ある。また、薄板状の導電板を打ち抜いて形成したコイ
ルを1次、2次巻線のいずれか一方に使用して積層コイ
ルを構成したものにあっては、 (10)大電流対応が可能となり、さらに広範囲の電気
仕様に対応できる。
【0067】また、1次巻線と2次巻線とほぼ同一巻幅
の薄板状の導電板を1ターンコイルとして1次、2次巻
線の各層間の少なくともいずれか一方に挿入し、1ター
ンコイルの一方の引き出し端を電源回路のアースに接続
してもう一方の引き出し端を開放とした構成としたもの
にあっては、 (11)低ノイズ化が達成できるものである。
【0068】また、1次巻線と2次巻線とほぼ同一巻幅
で自己融着層付き、且つ絶縁被膜層付きの断面平角状の
電線を、電線の断面形状の長手方向に平らになるよう、
渦巻状に1層巻したコイルを1次、2次巻線の各層間の
少なくともいずれか一方に挿入し、一方の引き出し端を
電源回路の安定電位に接続してもう一方の引き出し端を
開放とした構成としたものにあっては (12)他の渦巻状コイルと同一の製造工程で静電しゃ
へい用コイルが形成できて製造工数の削減を図るととも
に、低ノイズ化が達成できるものである。
【0069】また、積層コイルを2組使用してUU形の
磁心1aをそれぞれの積層コイルに組み込んで構成した
ものにあっては、 (13)外部の電源回路、機器へのノイズ妨害が低減で
きる。
【0070】(14)磁気ギャップからの漏れ磁束によ
るコイルの損失を低減できるものである。
【0071】さらに、左右の磁脚に挿入される巻線を連
続で形成して構成したものにあっては、 (15)積層コイルの接続の工数が削減できるものであ
る。
【0072】以上のように本発明は、電気性能を含めた
品質ロスの少ない、汎用性のある、低損失の高周波対応
可能な積層コイルを使用した薄形トランスを安価に提供
できるものである。
【0073】なお、本発明の薄形トランスを電源装置に
使用することにより、 (16)コスト、薄形化で差別化できる電源装置が提供
できる。という多大な効果が生まれ、工業的価値の極め
て大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の薄形トランスの一実施例である
第1の実施例の積層コイルの断面図 (b)同接続図 (c)同接続図
【図2】同要部である渦巻状コイルの斜視図
【図3】(a)同要部である積層コイルの他の実施例の
断面図 (b)同接続図 (c)同接続図
【図4】(a)同要部である断面平角状の電線の他の実
施例の断面図 (b)同要部である断面平角状の電線の他の実施例の断
面図
【図5】(a)同第2の実施例の薄形トランスの要部で
ある積層コイルの断面図 (b)同第2の実施例の薄形トランスの要部である積層
コイルの断面図 (c)同第2の実施例を用いた電源回路の回路図
【図6】同第3の実施例の要部である積層コイルの断面
【図7】同キャンセル効果を説明するための周波数−交
流抵抗増加率の関係を示す説明図
【図8】同要部である積層コイルの断面図
【図9】(a)同第4の実施例の要部である薄板状コイ
ルの平面図 (b)同第4の実施例の要部である薄板状コイルの平面
【図10】(a)同第5の実施例の要部である積層コイ
ルの断面図 (b)同第5の実施例を用いた電源回路の接続図
【図11】同第6の実施例の要部である積層コイルの断
面図
【図12】(a)同第7の実施例の断面図 (b)同第7の実施例の接続図 (c)同接続図
【図13】(a)同第7の実施例の他の接続図 (b)同第7の実施例の他の接続図
【図14】同第8の実施例の要部である渦巻状巻線、絶
縁紙の斜視図
【図15】(a)従来の薄形トランスの要部である渦巻
状積層コイルの断面図 (b)同薄形トランスを用いた電源回路の回路図
【図16】同断面図
【図17】同分解斜視図
【符号の説明】
1 磁心 1a UU形磁心 2 渦巻状巻線 2a 平角線使用の渦巻状巻線 2b 平角線引き出し部 2c 左右連続形成の渦巻状巻線 3 絶縁紙 4 1次巻線 4a 1次分割巻線 4b 1次分割巻線 5 2次巻線 5a 2次分割巻線 5b 2次分割巻線 6 3次巻線 7 入力電源

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己融着層を有し、さらに絶縁被膜層を
    有する断面平角状の電線を、この電線の断面形状の長手
    方向に平らになるよう1層で渦巻状に形成した単独コイ
    ルを1次巻線、2次巻線の少なくともいずれか一方に使
    用し、1次、2次巻線の全てを一層巻でほぼ同一巻幅、
    且つ、面対向するように交互に各層の巻線を積層すると
    ともに、上記1次巻線と2次巻線の少なくともいずれか
    一方を分割巻とし、この分割された巻線の各層の巻線を
    並列または直列接続となるように積層コイルを形成し、
    このコイルが積層される方向から閉磁路を構成する磁心
    を組み込んでなる薄形トランス。
  2. 【請求項2】 1次または2次の補助巻線を他の渦巻状
    巻線と同一厚みで追加形成した請求項1記載の薄形トラ
    ンス。
  3. 【請求項3】 各層の電線材料として銅を使用し、電源
    での駆動周波数の上限値fと巻線の厚み(t0)を、 0.3mm>t0≒3×δ(mm) (δ:表皮厚み、銅ではδ=66.1/√f(mm))と
    した請求項1または請求項2記載の薄形トランス。
  4. 【請求項4】 薄板状の導電板を打ち抜いて形成したコ
    イルを1次、2次巻線のいずれか一方に使用した請求項
    1または2または3記載の薄形トランス。
  5. 【請求項5】 1次、2次巻線とほぼ同一巻幅の薄板状
    の導電板を1ターンコイルとして1次、2次巻線の各層
    間の少なくともいずれか一方に挿入し、1ターンコイル
    の一方の引き出し端を電源回路の安定電位に接続し、他
    方の引き出し端を開放とした請求項1または2または3
    または4記載の薄形トランス。
  6. 【請求項6】 1次、2次巻線とほぼ同一巻幅で自己融
    着層付きで且つ絶縁被膜層付きの断面平角状の電線を、
    電線の断面形状の長手方向に平らになるよう渦巻状に1
    層巻したコイルを1次、2次巻線の各層間の少なくとも
    いずれか一方に挿入し、一方の引き出し端を電源回路の
    安定電位に接続し、他方の引き出し端を開放とした請求
    項1または2または3または4記載の薄形トランス。
  7. 【請求項7】 積層コイルを2組使用してUU形の磁心
    をそれぞれの積層コイルに組み込んでなる請求項1また
    は2または3または4または5または6記載の薄形トラ
    ンス。
  8. 【請求項8】 左右の磁脚に挿入される巻線を連続で形
    成してなる請求項7記載の薄形トランス。
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