JPH08321799A - 無線通信装置及び通信システム - Google Patents

無線通信装置及び通信システム

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JPH08321799A
JPH08321799A JP7126457A JP12645795A JPH08321799A JP H08321799 A JPH08321799 A JP H08321799A JP 7126457 A JP7126457 A JP 7126457A JP 12645795 A JP12645795 A JP 12645795A JP H08321799 A JPH08321799 A JP H08321799A
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JP
Japan
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communication
antenna
polarization
wireless communication
antenna device
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Application number
JP7126457A
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English (en)
Inventor
Masanobu Yukimatsu
正伸 行松
Toshiya Saito
俊哉 斉藤
Kunihiko Sasaki
佐々木  邦彦
Yoriji Utsu
順志 宇津
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 指向性ダイバシティを用いてマルチパス対策
を行う際、比較的広い指向性を持った小型アンテナにて
良好なマルチパス対策を実現できるようにする。 【構成】 無線LANにおいて、基幹用スイッチ側の通
信装置20には、送信時と同じ旋回方向の電波を受信可
能な複数のアンテナ装置を設け、ネットワーク端末側の
通信装置10には、そのアンテナ装置と同じ円偏波を送
受信可能な第1アンテナ装置と、第1アンテナ装置とは
旋回方向の異なる円偏波を送受信可能な第2アンテナ装
置との2種類のアンテナ装置を夫々複数設ける。この結
果、通信装置10−20間に形成される通信経路を、第
1アンテナ装置を用いた直接波54又は複数回反射波に
よる通信経路と、第2アンテナ装置を用いた奇数回反射
波56a,56bによる通信経路との2種類に区別で
き、各アンテナ装置の交差偏波識別により各通信経路で
のマルチパスの影響を抑圧できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、指向性ダイバシティを
用いて無線通信を行う無線通信装置及びこの無線通信装
置を用いた通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、構内通信を行うための通信ネ
ットワークを構築するLAN(LocalArea Network)が
知られているが、LANは、通常、各端末装置間を有線
にて接続されていたため、使用者が端末装置を自由に移
動させることができず、可搬性の悪いものであった。
【0003】そこで近年では、端末装置の可搬性を高め
るために、構内にLANの幹線となる伝送線路を配設
し、その伝送線路の任意の箇所に、端末装置との間で無
線による通信経路を形成してデータ通信を行い、端末装
置と他の端末装置或はホストコンピュータとの間のデー
タ通信を中継する基幹用スイッチを設けた、所謂無線L
ANが注目されている。
【0004】こうした無線LANでは、一般に、基幹用
スイッチが構内各部屋の天井に設けられ、その部屋に設
置された多数の端末装置との間で無線通信を行うことか
ら、従来各端末装置と幹線となる伝送線路とを接続して
いた分岐用の伝送線が不要となり、極めて容易にLAN
を構築でき、しかも端末装置の移動も容易に行うことが
できるようになる。
【0005】しかし、このような無線LANを構築した
場合、各端末装置と基幹用スイッチとの間で送受信され
る電波は、構内各部屋に設けられた本棚や壁、或は人間
等に当たって反射したり、遮断されるため、基幹用スイ
ッチや端末装置が多くなるほど、またデータ転送速度が
高くなるほど、マルチパスフェージングによる符号間干
渉が発生しやすくなり、通信データの誤り率が増加する
という問題があった。
【0006】一方、こうしたマルチパス対策としては、
例えば特開平2−186728号公報に開示されている
ような指向性ダイバシティを用いることができる。つま
り、指向性ダイバシティは、角度ダイバシティとも呼ば
れ、基本的には、指向性の向き(換言すれば電波の放射
方向)の異なるアンテナ装置を複数設けて、その中から
最も通信状態のよいアンテナ装置を選択して通信に利用
するものであることから、マルチパスフェージングの影
響を受けないようにアンテナ装置を選択して、常に良好
な無線通信を行うことができるようになるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
構内通信を行う無線LAN等、マルチパスの経路が非常
に多くなる通信システムにおいて、従来方式の指向性ダ
イバシティを用いるには、各アンテナ装置の指向性を非
常に鋭くする必要がある。つまり、従来方式の指向性ダ
イバシティでは、受信状態の最もよいアンテナ装置を選
択するが、マルチパスの経路が非常に多くなる通信シス
テムでは、その選択したアンテナ装置においてもマルチ
パスフェージングの影響を受けていることがあるので、
各アンテナ装置には、指向性の鋭い(換言すればビーム
幅の狭い)、高価なアンテナ装置を用いる必要があり、
コストアップにつながるといった問題が生じる。また、
アンテナ装置の指向性を鋭くするには、ビーム幅を決定
する誘電体レンズや凹面状の反射板等を比較的大きくす
る必要があり、無線通信装置の大型化につながるといっ
た問題もある。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、指向性ダイバシティを用いてマルチパス対策
を行うに当たって、無線LANのようにマルチパスの経
路が多い通信システムにおいても、比較的広い指向性を
持った小型アンテナを用いることができるようにするこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、所定の指向性を
有し、且つ指向性の向きが互いに異なるように設置され
た複数のアンテナ装置と、該複数のアンテナ装置の中か
ら他の無線通信装置との通信状態が良好な1又は所定個
のアンテナ装置を選択するアンテナ選択手段と、を備
え、該アンテナ選択手段により選択されたアンテナ装置
を用いて他の無線通信装置との間で通信を行う、指向性
ダイバシティを用いた無線通信装置において、前記複数
のアンテナ装置を、反射により偏波の方向が変化する電
波を送受信可能で、しかも送受信可能な偏波の方向が互
いに異なる2種類のアンテナ装置から構成してなること
を特徴とし、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の無線通信装置において、前記複数のアンテナ装置は、
送受信可能な偏波の旋回方向が互いに異なる2種類の円
偏波用のアンテナ装置からなることを特徴とする。
【0010】また請求項3に記載の発明は、請求項1又
は請求項2に記載の無線通信装置において、前記複数の
アンテナ装置の少なくとも一部は、指向性の向きを調整
可能であることを特徴とし、請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の無線通信装置において、指向性の向き
を調整可能なアンテナ装置と他の無線通信装置との通信
状態を検出する検出手段と、該検出手段にて検出された
通信状態を表示する表示手段とを備えたことを特徴と
し、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の無線通
信装置において、指向性の向きを調整可能なアンテナ装
置と他の無線通信装置との通信状態を検出する検出手段
と、該検出手段の検出結果に基づき、他の無線通信装置
との通信状態が最良となるように前記アンテナ装置の指
向性の向きを自動調整する調整手段とを備えたことを特
徴とする。
【0011】一方、請求項6に記載の発明は、請求項1
〜請求項5いずれか記載の無線通信装置からなる第1通
信手段を備えた通信システムであって、該第1通信手段
との間で無線通信を行う第2通信手段として、所定の指
向性を有し、且つ指向性の向きが互いに異なるように設
置された複数のアンテナ装置と、該複数のアンテナ装置
の中から他の無線通信装置との通信状態が良好な1又は
所定個のアンテナ装置を選択するアンテナ選択手段とを
備え、該複数のアンテナ装置が、反射により偏波の方向
が変化する電波を送受信可能で、しかも送受信可能な偏
波の方向が全て同一のアンテナ装置からなる無線通信装
置を備え、前記第1通信手段に設けられた複数のアンテ
ナ装置の内、前記第2通信手段側のアンテナ装置との間
で電波を直接送受信可能な第1アンテナ装置の少なくと
も一つが、前記第2通信手段側の一つのアンテナ装置と
の間で、直接対向の直線状の通信経路、又は、電波が障
害物に偶数回当たって反射してくる反射経路からなる通
信経路を形成し、送受信可能な電波の偏波方向が前記第
1アンテナ装置とは逆方向の第2アンテナ装置の少なく
とも一つが、前記第2通信手段側の一つのアンテナ装置
との間で、電波が障害物に奇数回当たって反射してくる
反射経路からなる通信経路を形成するよう構成してなる
ことを特徴とする。
【0012】そして、請求項7に記載の発明は、請求項
6に記載の通信システムにおいて、前記第1通信手段及
び第2通信手段の各アンテナ装置は、送信時の偏波の旋
回方向と受信可能な偏波の旋回方向とが同一方向となる
ように構成された円偏波用のアンテナ装置であることを
特徴とし、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の
通信システムにおいて、前記第1通信手段及び第2通信
手段の各アンテナ装置は、送信時の偏波の旋回方向と受
信可能な偏波の旋回方向とが互いに逆方向となるように
構成された円偏波用のアンテナ装置であることを特徴と
し、請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に
記載の通信システムにおいて、前記反射経路にて通信経
路を形成する一対のアンテナ装置の内の少なくとも一方
を、送受信偏波を任意の偏波に制御可能に構成してなる
ことを特徴とする。
【0013】
【作用及び発明の効果】請求項1に記載の無線通信装置
においては、指向性の向きが互いに異なるように設置さ
れた複数のアンテナ装置の中から、アンテナ選択手段を
用いて、他の無線通信装置との通信状態が良好な1又は
所定個のアンテナ装置を選択し、その選択されたアンテ
ナ装置を用いて他の無線通信装置との間で通信を行う。
つまり、本発明の無線通信装置は、指向性ダイバシティ
を用いて通信を行う。そして、その選択される複数のア
ンテナ装置には、反射により偏波の方向が変化する電波
を送受信可能で、しかも送受信可能な偏波の方向が互い
に異なる2種類のアンテナ装置が用いられる。
【0014】即ち、電波は誘電体に当たると反射し、電
波が円偏波であれば、反射によって例えば右旋回から左
旋回へというように旋回方向が反転し、電波が垂直偏波
と水平偏波とを合成した電波のように偏波の方向が斜め
45度に傾いた電波であれば、反射によってその傾きが
例えば右斜め45度から左斜め45度というように反転
する。そこで、本発明の無線通信装置においては、他の
無線通信装置との間で円偏波を用いた通信を行うに当た
って、円偏波或は偏波が斜め45度に傾いた直線偏波
等,反射によって偏波の方向が変化する電波を送受信可
能な2種類のアンテナ装置を使用することにより、一方
の種類のアンテナ装置では、他の無線通信装置のアンテ
ナ装置と直接対向する直接波の通信経路、又は誘電体か
らなる障害物に偶数回当たって反射してくる偶数回反射
波の通信経路にて無線通信を行い、他方の種類のアンテ
ナ装置では、障害物に奇数回当たって反射してくる奇数
回反射波の通信経路にて無線通信を行うというように、
各アンテナ装置にて利用可能な通信経路を、各アンテナ
装置の交差偏波識別によって、直接波及び偶数回反射波
の経路と、奇数回反射波の経路とに区別できるようにし
ている。
【0015】このため本発明の無線通信装置によれば、
各アンテナ装置の交差偏波識別と指向性とにより、各ア
ンテナ装置での無線通信に影響を与えるマルチパスを抑
圧でき、従来の指向性ダイバシティを用いた無線通信装
置に比べて、マルチパスの影響を大きく低減して、伝送
品質を向上することができる。そして、このようにマル
チパスの影響を低減できるため、各アンテナ装置には、
比較的広い指向性を持った小型アンテナを利用すること
が可能となり、無線通信装置の小型化を図ることもでき
る。
【0016】また、本発明の無線通信装置によれば、他
の無線通信装置との間の通信を、直接波だけでなく、反
射波を用いて行うことができるため、上述した無線LA
Nのような構内通信に利用すれば、構内での人間や搬送
車の移動或は衝立等の備品の移動によって、直接波によ
る通信経路が一時的或は連続的に遮断されるようになっ
たとしても、反射波による通信経路にて通信を継続で
き、好適である。
【0017】尚、アンテナ選択手段は、複数のアンテナ
装置の中から他の無線通信装置との通信状態が良好な1
又は所定個のアンテナ装置を選択するが、これは、従来
より、ダイバシティ通信における受信信号の合成法とし
て、複数のアンテナ装置の中から最も通信状態のよいア
ンテナ装置を選択することにより、そのアンテナ装置の
指向性の向きにて決定される一つの通信経路を用いて他
の無線通信装置との間で通信する所謂選択合成受信法
や、複数のアンテナ装置の中から通信状態の良好な2個
以上のアンテナ装置を選択することにより、その選択し
たアンテナ装置の指向性の向きにて決定される2個以上
の通信経路を用いて他の無線通信装置との間で通信を行
い、通信により得られた受信信号の位相を一致させて合
成する所謂等利得或は最大比合成受信法等が知られてお
り、本発明においても、こうした信号合成法を利用でき
るからである。
【0018】そして、無線通信装置が、無線LANのよ
うに2進データに応じて変調した信号を送受信するデー
タ通信を行う装置であれば、2個以上のアンテナ装置を
選択して、その選択したアンテナ装置にて得られた受信
信号を各々復調した後、各復調データを相互補間するこ
とにより、無線通信により生じたビット誤り率を低減す
るように構成することもできる。
【0019】次に請求項2に記載の無線通信装置におい
ては、複数のアンテナ装置が、送受信可能な偏波の旋回
方向が互いに異なる2種類の円偏波用のアンテナ装置か
ら構成される。これは、上記のように通信経路を直接波
及び偶数回反射波の通信経路と奇数回反射波の通信経路
とに区別するには、偏波が斜め45度に傾いた直線偏波
を利用することもできるが、この場合、各アンテナ装置
の水平及び垂直方向を正確にあわせる必要があるためで
あり、本発明では、アンテナ装置に円偏波用のアンテナ
装置を用いることにより、通信相手となる他の無線通信
装置側のアンテナ装置の設置状態に関係なくアンテナ装
置の交差偏波識別を利用した指向性ダイバシティを容易
に実現できるようにしているのである。
【0020】また次に請求項3に記載の無線通信装置に
おいては、複数のアンテナ装置の少なくとも一部が、電
波の放射方向である指向性の向きを調整できるように構
成される。従って、本発明によれば、各アンテナ装置の
指向性の向きを、他の無線通信装置との間で取り得る複
数の通信経路の各々に最適に調整することができ、より
高精度な通信を実現できる。
【0021】また請求項4に記載の無線通信装置におい
ては、検出手段が、指向性の向きを調整可能なアンテナ
装置と他の無線通信装置との通信状態を検出し、表示手
段がその検出結果を表示する。従って、本発明によれ
ば、アンテナ装置の指向性の向きを調整するに当たっ
て、表示手段に表示された内容から他の無線通信装置と
の通信状態を確認しながら、その調整作業を行うことが
でき、アンテナ装置と他の無線通信装置との間の通信経
路を、短時間で最適経路に設定することが可能になる。
【0022】尚、検出手段としては、他の無線通信装置
からの信号の受信レベルや、その信号を復調して得られ
た受信データの誤り率等を通信状態として検出するよう
にすればよい。また次に請求項5に記載の無線通信装置
においては、検出手段が、指向性の向きを調整可能なア
ンテナ装置と他の無線通信装置との通信状態を検出し、
調整手段が、その検出結果に基づき、他の無線通信装置
との通信状態が最良となるように、アンテナ装置の指向
性の向きを自動調整する。このため本発明によれば、例
えば、各アンテナ装置の指向性の向きを適当に調整した
後、これら検出手段及び調整手段を動作させれば、アン
テナ装置の指向性の向きが最適方向に自動調整されるこ
とになり、当該無線通信装置設置時の調整作業をより簡
単に行うことができる。
【0023】ところで、上記のように構成された無線通
信装置(請求項1〜請求項5)を用いて通信システムを
構築する場合、この無線通信装置と通信を行う他の無線
通信装置としては、円偏波又は偏波が斜め45度に傾い
た直線偏波等、上記無線通信装置側のアンテナ装置との
間で送受信可能な電波を送受信するアンテナ装置を備え
た無線通信装置であればよく、比較的広い指向性を有す
る1個のアンテナ装置を備えた無線通信装置であっても
通信システムを構築できる。
【0024】しかし、この場合、他の無線通信装置側で
は、マルチパスの影響を受け易くなるため、双方向通信
を行なう場合には通信精度の向上はあまり望めない。従
って、上記請求項1〜請求項5に記載の無線通信装置を
用いて双方向通信を行なう通信システムを構築する場合
には、請求項6に記載のように構成することが望まし
い。
【0025】即ち、請求項6に記載の通信システムで
は、上記請求項1〜請求項5いずれか記載の無線通信装
置を第1通信手段として通信システムを構築するに当た
って、この第1通信手段との間で通信を行う第2通信手
段として、第1通信手段と同様、複数のアンテナ装置と
アンテナ選択手段とを備え、指向性ダイバシティを用い
て通信を行う無線通信装置が用いられる。
【0026】また、この第2通信手段側の各アンテナ装
置と第1通信手段側の2種類のアンテナ装置とが、夫
々、直接波及び偶数回反射波の経路又は奇数回反射波の
経路にて通信経路を形成できるように、第2通信手段側
の複数のアンテナ装置には、第1通信手段側のアンテナ
装置に対応して、反射により偏波の方向が変化する電波
を送受信可能であり、しかも送受信可能な偏波の方向が
全て同一の円偏波用のアンテナ装置が用いられる。
【0027】そして、第1通信手段に設けられた複数の
アンテナ装置の内、第2通信手段側のアンテナ装置との
間で電波を直接送受信可能な第1アンテナ装置の少なく
とも一つが、第2通信手段側の一つのアンテナ装置との
間で、直接対向の直線状の通信経路(直接波の通信経
路)、又は、電波が障害物に偶数回当たって反射してく
る反射経路からなる通信経路(偶数回反射波の通信経
路)を形成し、送受信可能な電波の偏波方向が第1アン
テナ装置とは逆方向の第2アンテナ装置の少なくとも一
つが、第2通信手段側の一つのアンテナ装置との間で、
電波が障害物に奇数回当たって反射してくる反射経路か
らなる通信経路(奇数回反射波の通信経路)を形成する
よう構成される。
【0028】このため、本発明の通信システムによれ
ば、第1通信手段側の2種類のアンテナ装置と第2通信
手段側のアンテナ装置とが、アンテナ装置の指向性と交
差偏波識別とにより決定される通信経路を介して1対1
で接続されることになり、各通信手段側のアンテナ選択
手段が同じ選択動作をするようにしておけば、各通信手
段において互いに良好な通信状態が得られる1又は複数
の通信経路が選択されて、互いにマルチパスの影響を受
けることなく良好な通信を行うことができ、通信手段相
互間の通信精度を著しく向上することが可能になる。
【0029】尚、このように通信システムを構築する場
合、前述の請求項3〜請求項5に記載の無線通信装置と
同様、第2通信手段として使用される無線通信装置にお
いても、アンテナ装置の指向性の向きを調整可能に構成
したり、その調整作業を容易に又は自動で行うための検
出手段や表示手段又は調整手段を設けてもよい。
【0030】次に、請求項7に記載の通信システムにお
いては、第1通信手段及び第2通信手段に設けられる各
アンテナ装置が、送信時の偏波の旋回方向と受信可能な
偏波の旋回方向とが同一方向になるように構成された円
偏波用のアンテナ装置から構成される。つまり、各アン
テナ装置は、送信時の円偏波の旋回方向が右旋回であれ
ば右旋回の電波を受信し、送信時の円偏波の旋回方向が
左旋回であれば左旋回の電波を受信する。
【0031】従って、本発明の通信システムでは、第1
通信手段において、第2通信手段との間で直接波又は偶
数回反射波にて通信を行うアンテナ装置には、第2通信
手段側のアンテナ装置と同じ旋回方向のアンテナ装置を
用い、逆に奇数回反射波を用いて通信を行うアンテナ装
置には、第2通信手段側のアンテナ装置と逆旋回のアン
テナ装置を用いるようにすれば、対応する一対のアンテ
ナ装置間にて個々に電波の送受信を行うことができるよ
うになる。
【0032】一方、請求項8に記載の通信システムにお
いては、前記第1通信手段及び第2通信手段に設けられ
る各アンテナ装置が、送信時の偏波の旋回方向と受信可
能な偏波の旋回方向とが互いに逆方向となるように構成
された円偏波用のアンテナ装置から構成される。つま
り、各アンテナ装置は、送信時の円偏波の旋回方向が右
旋回であれば左旋回の電波を受信し、送信時の円偏波の
旋回方向が左旋回であれば右旋回の電波を受信する。
【0033】従って、本発明の通信システムでは、第1
通信手段において、第2通信手段との間で直接波又は偶
数回反射波にて通信を行うアンテナ装置には、第2通信
手段側のアンテナ装置に対して送受信時の電波の旋回方
向が逆方向のアンテナ装置を用い、逆に奇数回反射波を
用いて通信を行うアンテナ装置には、第2通信手段側の
アンテナ装置と同じアンテナ装置を用いるようにすれ
ば、対応する一対のアンテナ装置間にて個々に電波の送
受信を行うことができるようになる。
【0034】次に、請求項9に記載の通信システムにお
いては、反射経路にて通信経路を形成する(換言すれば
反射波を利用して通信を行う)一対のアンテナ装置の内
の少なくとも一方が、送受信偏波を任意の偏波に制御可
能に構成される。これは、反射波を利用して通信を行う
場合、その反射経路を形成する障害物が不均一な誘電体
であると、円偏波が歪んで所謂楕円偏波に変化してしま
い、各アンテナ装置間での通信精度が低下することがあ
るためである。つまり本発明では、アンテナ装置の内の
少なくとも一方の送受信偏波を円偏波から任意の偏波に
制御することにより、各アンテナ装置における送受信時
の偏波が正常受信可能な形状となって、各アンテナ装置
間で高精度の通信を行うことができるようにしているの
である。
【0035】従って、本発明によれば、例えば、一方の
アンテナ装置が楕円偏波用のアンテナ装置になるよう
に、予め送受信可能な電波を楕円偏波に調整しておくこ
とにより、その楕円偏波用アンテナ装置から送信された
電波が反射経路を通って他方の円偏波用アンテナ装置に
入射する際には円偏波となり、逆にこの円偏波用アンテ
ナ装置から送信された円偏波の電波が楕円偏波用アンテ
ナ装置に入射する際には、反射経路の通過によって楕円
偏波用アンテナ装置にて正常受信可能な楕円偏波となっ
て、各アンテナ装置間での通信を常に高精度に実行させ
る、といったことが可能になる。
【0036】また、反射に伴う偏波形状の変化は、反射
回数が多い通信経路程大きく、従って反射回数が2回,
3回となる通信経路は現実問題として利用し難くなるの
であるが、本発明によれば、上記のようにアンテナ装置
の偏波形状を任意に調整できるため、反射回数が多い通
信経路であっても良好な通信を実現することができ、各
アンテナ装置を用いた通信経路の選択の幅を大きくする
ことができる。
【0037】よって本発明によれば、第1通信手段と第
2通信手段とが見通すことができず(つまり直接波の経
路を通信経路として利用できず)、しかも、その間に壁
や衝立のような障害物が多く存在する場合であっても、
各通信手段間にて利用可能な複数の通信経路を容易に設
定でき、指向性ダイバシティを容易に実現できる。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図2は本発明が適用された通信システムとしての無
線LANの基幹用スイッチとネットワーク端末との配置
図である。
【0039】図2に示すように無線LANにおいては、
構内に配置された複数のネットワーク端末2の内の一つ
と他のネットワーク端末2或は図示しないホストコンピ
ュータとの間のデータ伝送を行うために、ホストコンピ
ュータに接続された幹線となる伝送線路4が構内各部屋
の天井6に配設され、その伝送線路4の任意の箇所に、
ネットワーク端末2との無線通信を行う基幹用スイッチ
8が設けられている。
【0040】また、ネットワーク端末2及び基幹用スイ
ッチ8には、夫々、無線通信を行うための通信装置1
0,20が設けられ、各ネットワーク端末2は、これら
通信装置10,20を用いた無線通信により、基幹用ス
イッチ8及び伝送線路4を介して、所望の通信相手との
間でデータ伝送を行う。
【0041】ネットワーク端末2に設けられた通信装置
(以下端末用通信装置という)10は、前述の第1通信
手段に相当するものであり、図1に示す如く、入力端か
ら入力された送信用電力を、ある旋回方向の円偏波で送
信し、送信と同じ旋回方向の円偏波を受信すると出力端
から受信電力を出力する複数の第1アンテナ装置30
(30a,…)と、同じく入力端から入力された送信用
電力を、第1アンテナ装置30とは逆の旋回方向の円偏
波で送信し、送信と同じ旋回方向の円偏波を受信すると
出力端から受信電力を出力する複数の第2アンテナ装置
40(40a,…)と、搬送波を送信用データで変調し
て各アンテナ装置30,40に出力し送信させる送信器
12と、各アンテナ装置30,40からの受信電力を受
け、その搬送波からデータを復調する復調器14と、基
幹用スイッチ8に設けられた通信装置20側の通信制御
装置(後述)と共に無線伝送の品質を測定し、無線通信
に使用するアンテナ装置(換言すれば通信経路)の選択
を行う、アンテナ選択手段としての通信制御装置16
と、から構成されている。
【0042】一方、基幹用スイッチ8に設けられた通信
装置(以下スイッチ用通信装置という)20は、前述の
第2通信手段に相当するものであり、図3に示す如く、
入力端から入力された送信用電力を、端末用通信装置1
0の第1アンテナ装置30と同じ旋回方向の円偏波で送
信し、送信と同じ旋回方向の円偏波を受信すると出力端
から受信電力を出力する複数のアンテナ装置50(50
a,50b,…)と、搬送波を送信用データで変調して
各アンテナ装置50に出力し送信させる送信器22と、
各アンテナ装置50からの受信電力を受け、その搬送波
からデータを復調する復調器24と、端末用通信装置1
0の通信制御装置16と共に無線伝送の品質を測定し、
無線通信に使用するアンテナ装置の選択を行う、アンテ
ナ選択手段としての通信制御装置26と、から構成され
ている。
【0043】このように構成された無線LANにおい
て、端末用通信装置10側では、通信制御装置16が、
ネットワーク端末2からのデータを無線通信に適したコ
ードで符号化し、送信器12へ出力する。送信器12
は、入力されたデータにて搬送波を変調し、その変調し
た信号を各アンテナ装置30,40に出力する。なお、
このとき通信制御装置16は、特定のアンテナ装置を用
いて無線通信を行うために、各アンテナ装置30,40
に入力する送信用電力の比を制御することもある。する
と第1アンテナ装置30は、送信器12から入力された
送信用電力にて、ある旋回方向の円偏波(例えば右旋回
の円偏波)で電波を放射し、第2アンテナ装置40は、
送信器12から入力された電力にて、第1アンテナ装置
30と逆旋回の円偏波(例えば左旋回の円偏波)で電波
を放射する。
【0044】円偏波は、誘電体で反射すると旋回方向が
変わる性質を有しており、またスイッチ用通信装置20
側のアンテナ装置50は、第1アンテナ装置30と同一
旋回方向(例えば右旋回)の円偏波を送受信可能に構成
されているので、第1アンテナ装置30から送信された
旋回方向の円偏波を受信可能である。従って、スイッチ
用通信装置20において、各アンテナ装置50は、第1
アンテナ装置30から送信された電波の直接波と、その
電波が障害物にて2回,4回,…と偶数回反射したもの
とを受信可能となり、第2アンテナ装置40から送信さ
れた電波については、障害物にて1回,3回,…と奇数
回反射したものだけが受信可能となる。
【0045】そして、スイッチ用通信装置20におい
て、各アンテナ装置50にて受信された電波は復調器2
4で復調され、そのデータは通信制御装置26に入力さ
れる。すると通信制御装置26は、その入力されたデー
タから元のデータを抽出し、基幹用スイッチ8に出力す
る。なお、基幹用スイッチ8は、伝送線路4を介して接
続された他の基幹用スイッチと相互にデータを交換す
る。
【0046】一方、スイッチ用通信装置20において、
基幹用スイッチ8からスイッチ用通信装置20にデータ
が入力されると、通信制御装置26がそのデータを無線
通信に適したコードで符号化し、送信器22へ出力す
る。送信器22は、入力されたデータにて搬送波を変調
し、その変調した信号を各アンテナ装置50に出力す
る。なお、このとき通信制御装置26は、特定のアンテ
ナ装置を用いて無線通信を行うために、各アンテナ装置
50に入力する送信用電力の比を制御することもある。
すると、各アンテナ装置50は、送信器22から入力さ
れた送信用電力にて、端末用通信装置10側の第1アン
テナ装置30と同じ旋回方向(例えば右旋回)の円偏波
で電波を放射する。
【0047】こうしてスイッチ用通信装置20のアンテ
ナ装置50から電波が放射されると、端末用通信装置1
0側では、第1アンテナ装置30が、その電波のうちの
直接波又は障害物にて偶数回反射したものを受信し、第
2アンテナ装置40が、障害物にて奇数回反射したもの
を受信する。そして、受信された電波は、復調器14で
復調され、そのデータは通信制御装置26に入力され
る。また通信制御装置26は、その入力されたデータか
ら元のデータを抽出し、ネットワーク端末2に出力す
る。
【0048】このように本実施例の無線LANにおいて
は、端末用通信装置10に設けられた複数の第1アンテ
ナ装置30が、夫々、スイッチ用通信装置20に設けら
れたアンテナ装置50との間で、直接波又は偶数回反射
波を用いた送受信が可能であり、端末用通信装置10に
設けられた複数の第2アンテナ装置40が、夫々、スイ
ッチ用通信装置20に設けられたアンテナ装置50との
間で、奇数回反射波を用いた送受信が可能である。従っ
て、これら各アンテナ装置30,40,50の指向性の
向きをあらかじめ適当に設定しておくことにより、端末
用通信装置10とスイッチ用通信装置20との間で複数
の通信経路を設定できる。
【0049】例えば、図4は、端末用通信装置10に設
けられた第1アンテナ装置30の一つ(30a)の指向
性32aの向き、及びスイッチ用通信装置20に設けら
れたアンテナ装置50の一つ(50a)の指向性52a
の向きを、互いに略対向させることにより、直接波によ
る通信経路54を形成するように設定し、第2アンテナ
装置40の2つ(40a,40b)の指向性42a,4
2bの向き、及びスイッチ用通信装置に設けられた2つ
のアンテナ装置(50b,50c)の指向性52b,5
2cの向きを、夫々、電波が当該各通信装置10,20
が設置された部屋の側壁に当たって反射する1回反射波
を用いた2つの通信経路56a,56bを形成するよう
に設定した状態を表わしているが、この図から明らかな
ように、上記各アンテナ装置30,40,50の指向性
の向きを適当に設定しておくことにより、端末用通信装
置10とスイッチ用通信装置20との間で、1対のアン
テナ装置からなる複数の通信経路を設定することができ
るのである。
【0050】そしてこのように通信経路を設定した場合
には、例えば、図4に示すように、スイッチ用通信装置
20側にて通信経路56bを形成しているアンテナ装置
50cに、他のアンテナ装置50bとの間で通信経路5
6aを形成しているアンテナ装置40aからの電波が2
回反射の経路58を通って伝達されたとしても、その電
波の旋回方向は2回反射によってアンテナ装置40aか
らの送信時の旋回方向(例えば左旋回)となっているた
め、交差偏波識別によりアンテナ装置50cにて受信さ
れることはなく、他の通信経路56aの電波によるマル
チパスを抑圧することができる。つまり、本実施例で
は、上記のように各アンテナ装置30,40,50の指
向性の向きを調整して一対のアンテナ装置からなる複数
の通信経路を形成することにより、各通信経路毎に、他
の通信経路或は他の通信装置からの送信電波によるマル
チパスを抑圧することが可能となる。
【0051】そこで本実施例では、天井6に配設された
スイッチ用通信装置20の複数のアンテナ装置50の指
向性の向きを予め適当に設定しておき、端末用通信装置
10を起動してスイッチ用通信装置20との無線通信を
開始させる際に、第1アンテナ装置30a,…及び第2
アンテナ装置40a,…の指向性の向きを調整すること
により、スイッチ用通信装置20側の各アンテナ装置5
0a,50b,…との間で個々に複数の通信経路を形成
させ、その後、各通信装置10,20において、複数の
通信経路の中から使用する通信経路を選択する、指向性
ダイバシティを用いた無線通信を行うようにされてい
る。
【0052】以下、こうした無線通信のために端末用通
信装置10側の通信制御装置16において実行される制
御処理について、図5〜図7に示すフローチャートを用
いて説明する。図5に示す如く、通信制御装置16にお
いては、ネットワーク端末2から電源供給がなされて端
末用通信装置10が起動されると、S100(S:ステ
ップを表わす)にて、各アンテナ装置30,40に対し
てスイッチ用通信装置20との間で通信経路を形成させ
るための初期設定処理を実行し、その後、S200に
て、この初期設定処理にて設定された複数の通信経路の
中から使用する通信経路を選択しながら無線通信を行う
通信処理を実行する。
【0053】また初期設定処理(S100)では、図6
に示す如く、まずS110にて、第1アンテナ装置30
a,…及び第2アンテナ装置40a,…の指向性の向き
を手動又は自動で設定するためのアンテナ方向設定処理
を実行し、続くS120〜S170にて、第1アンテナ
装置30a,…及び第2アンテナ装置40a,…を個々
に動作させて、スイッチ用通信装置20側の対応するア
ンテナ装置50a,50b,…との通信状態をテストす
る通信テストを行う。
【0054】そして、S180にて、通信テストの結果
に基づき、全アンテナ装置が通信不能であるかどうかを
判断して、全アンテナ装置が通信不能であれば再度S1
10に移行し、いずれかのアンテナ装置が通信可能であ
れば、S190にて、通信可能なアンテナ装置を、通信
テストにて測定したデータの誤り率が最も低いアンテナ
装置順に並べて、そのアンテナ装置が形成する通信経路
に優先順位を付与する、通信経路データ生成処理を実行
する。
【0055】ここで、アンテナ方向設定処理(S11
0)は、第1アンテナ装置30a,…及び第2アンテナ
装置40a,…の指向性の向きを調整することにより、
第1アンテナ装置30a,…については、スイッチ用通
信装置20に設けられたいずれかのアンテナ装置50と
の間で、直接波又は偶数回反射波による通信経路を1対
1で形成させ、第2アンテナ装置40a,…について
は、スイッチ用通信装置20に設けられたいずれかのア
ンテナ装置50との間で、奇数回反射波による通信経路
を1対1で形成させるための処理であり、より具体的に
は、端末用通信装置10の構成・機能に応じて以下のよ
うにすればよい。
【0056】例えば、端末用通信装置10が各アンテナ
装置30a,…,40a,…の指向性の向きを各々異な
る方向に予め設定しただけのものであり、その指向性の
向きを個々に調整できない場合には、アンテナ方向設定
処理において、使用者に対して端末用通信装置10自体
のスイッチ用通信装置20に対する向きを調整させるメ
ッセージをネットワーク端末2の表示装置等に表示し、
使用者がそのメッセージに対応して端末用通信装置10
の向きを調整して、ネットワーク端末2に設けられたキ
ーボード等から調整終了指令を入力したときに、アンテ
ナ方向の設定が完了したとして、S120に移行するよ
うにすればよい。
【0057】また、例えば、端末用通信装置10が各ア
ンテナ装置30a,…,40a,…の指向性の向きを個
々に手動で調整できるように構成されている場合には、
アンテナ方向設定処理において、各アンテナ装置30
a,…,40a,…からスイッチ用通信装置20の通信
制御装置26に対してアンテナ方向設定用の基準信号を
送信させるデータを送信することにより、スイッチ用通
信装置20の各アンテナ装置50から所定の信号を送信
させ、その後、各アンテナ装置30a,…,40a,…
にて得られた受信信号のレベル、又はその受信信号を復
調して得られたデータの誤り率を、ネットワーク端末2
の表示装置に表示させ、その後、使用者が各アンテナ装
置30a,…,40a,…の指向性の向きを調整して、
ネットワーク端末2に設けられたキーボードから調整終
了指令を入力したとき、アンテナ方向の設定が完了した
として、S120に移行するようにすればよい。なお、
この場合、使用者は、その表示内容を見ながら各アンテ
ナ装置30a,…,40a,…の指向性の向きを調整で
きるため、その調整作業を極めて簡単に行うことができ
る。また、例えば、端末用通信装置10が各アンテナ装
置30a,…,40a,…の指向性の向きを自動で調整
できるように構成されている場合には、アンテナ方向設
定処理において、各アンテナ装置30a,…,40a,
…からスイッチ用通信装置20の通信制御装置26に対
してアンテナ方向設定用の基準信号を送信させるデータ
を送信することにより、スイッチ用通信装置20の各ア
ンテナ装置50から所定の信号を送信させ、その後、各
アンテナ装置30a,…,40a,…にて得られた受信
信号のレベル、又はその受信信号を復調して得られたデ
ータの誤り率を検出しながら、その検出した信号レベル
が最も大きくなるか或はデータの誤り率が最も小さくな
るように各アンテナ装置30a,…,40a,…の指向
性の向きを個々に自動調整するようにすればよい。
【0058】なお、このようにアンテナ装置30,40
の指向性の向きを自動調整するには、例えば、アンテナ
装置30,40の端末用通信装置10本体への取付部分
にモータ及びギヤ機構からなる機械的な指向性調整機構
を設け、そのモータを駆動するようにすればよい。ま
た、アンテナ装置30,40が、多数のアンテナ素子を
2次元配置したアレーアンテナからなる場合には、各ア
ンテナ素子毎に入出力信号を制御してアンテナ装置全体
の指向性を調整するようにしてもよい。
【0059】一方、通信テスト(S120〜S170)
では、まずS120にて、通信テストを行うアンテナ装
置を順次切り換えるためのアンテナ番号nを初期値
「1」に設定し、S130にて、端末用通信装置10に
設けられた全アンテナ装置30a,…,40a,…の中
から、そのアンテナ番号nに対応したアンテナ装置を選
択し、S140にて、その選択したアンテナ装置から、
自己宛てのテストデータを送信させ、その後スイッチ用
通信装置20から送信されてくるテストデータを受信
し、S150にて、その受信したテストデータの誤り率
を測定する。つまり、選択したアンテナ装置から自己宛
てのテストデータを送信することにより、スイッチ用通
信装置20側の各アンテナ装置50a,50b,…から
そのテストデータを返送させ、返送されたテストデータ
と送信したテストデータとを比較することにより、選択
したアンテナ装置を用いた通信経路で生じるテストデー
タの誤り率を測定するのである。
【0060】そして、続くS160では、こうした通信
テストが全アンテナ装置30a,…,40a,…に対し
て行われたかどうかを判定し、全アンテナ装置30a,
…,40a,…に対する通信テストが終了していなけれ
ば、S170にて、次のアンテナ装置に対する通信テス
トを実行すべく、アンテナ番号nをインクリメントして
再度S130に移行し、逆にS160にて全アンテナ装
置30a,…,40a,…に対する通信テストが終了し
たと判断されると、S180に移行する。
【0061】また次に、この通信テストの結果から全ア
ンテナ装置30a,…,40a,…が通信不能であるか
どうかを判定するS180では、上記通信テストにて得
られたテストデータの誤り率が全て規定値以上であるか
どうかを判断し、テストデータの誤り率が全て規定値以
上であり、いずれのアンテナ装置を用いても正常通信を
実現できないときに、通信不能であると判断して、アン
テナ方向設定処理(S110)を再度実行させる。
【0062】なお、上記通信テスト(120〜S17
0)においては、テストデータの誤り率を測定するもの
としたが、テストデータの受信レベル(詳しくは選択し
たアンテナ装置からの受信電力),或はその両方を測定
するようにしてもよい。そして、この場合には、S18
0にて、測定した受信電力の全てが規定値以下であるか
否かを判断するようにすればよい。また、S190で
は、上述したように、通信可能なアンテナ装置をテスト
データの誤り率が最も低い順に並べて、そのアンテナ装
置が形成する通信経路に優先順位を付与するが、通信テ
ストにおいて、各アンテナ装置によるテストデータの受
信電力を測定するようにした場合には、通信可能なアン
テナ装置を受信電力が最も高い順に並べて、そのアンテ
ナ装置が形成する通信経路に優先順位を付与するように
すればよい。
【0063】次に、初期設定処理(S100)終了後に
実行される通信処理(S200)は、図7に示す如く実
行される。なお、図7は、先の初期設定処理S100に
て、スイッチ用通信装置20との間で正常通信可能な通
信経路として、図4に示したように3つの通信経路5
4,56a,56bが形成され、これら3つの経路の
内、直接波による通信経路54が最も優先順位の高い第
1の経路、1回反射波による通信経路56aが次に優先
順位の高い第2の経路、残りの通信経路56bが優先順
位の最も低い第3の経路として設定された場合に実行さ
れる処理を表わす。
【0064】図7に示す如く、この処理が開始される
と、まずS210にて、現在、ネットワーク端末2の動
作が停止されて通信処理を終了するタイミングであるか
どうかを判定し、通信終了タイミングであれば、そのま
ま当該処理を終了し、逆に通信終了タイミングでなけれ
ば、S220に移行して、優先順位の最も高い第1の経
路にて通信を実行する。そして、続くS230にて、そ
の通信により通信エラーが発生したかどうかを、ネット
ワーク端末2から通信エラー信号が入力されているか否
かによって判定する。つまり、第1の経路に何等かの障
害物が侵入して、第1の経路を用いた通信を正常に実行
できなくなったかどうかを判定する。そして、通信エラ
ーが発生していなければ、S210に移行し、S210
〜S230の処理を繰返し実行することにより、第1の
経路を用いた通信を継続する。
【0065】一方、第1の経路にて通信を実行している
最中に、S230にて、通信エラーが発生したと判断さ
れると、S240に移行する。そして、S240では、
上記S210と同様、現在、通信終了タイミングである
かどうかを判定して、通信終了タイミングであればその
まま当該処理を終了し、逆に通信終了タイミングでなけ
れば、S250に移行して、優先順位が2番目の第2の
経路にて通信を実行する。そして、続くS260にて、
上記S230と同様、この第2の経路を用いた通信によ
り通信エラーが発生したかどうかを、ネットワーク端末
2から通信エラー信号が入力されているか否かによって
判定する。そして、通信エラーが発生していなければ、
S270に移行して、第2の経路を用いた通信に入って
から一定時間経過したかどうかを判定し、一定時間経過
していなければ、S240に移行して、S240〜S2
70の処理を繰返し実行することにより、第2の経路を
用いた通信を継続する。また、S270にて、この第2
の経路を用いた通信に入ってから一定時間経過したと判
断されると、第1の経路に侵入した障害物が取り除かれ
ている可能性があるので、S210に移行し、第1の経
路を用いた通信を再開させる。
【0066】次に、上記S240〜S270の一連の処
理により、第2の経路を用いた通信を実行している場合
に、S260にて、通信エラーが発生したと判断される
と、S280に移行する。そして、S280では、上記
S210,S240と同様、現在、通信終了タイミング
であるかどうかを判定して、通信終了タイミングであれ
ばそのまま当該処理を終了し、逆に通信終了タイミング
でなければ、S290に移行して、優先順位が3番目の
第3の経路にて通信を実行する。そして、続くS300
にて、上記S230,S260と同様、この第3の経路
を用いた通信により通信エラーが発生したかどうかを、
ネットワーク端末2から通信エラー信号が入力されてい
るか否かによって判定する。そして、通信エラーが発生
していなければ、S310に移行して、第3の経路を用
いた通信に入ってから一定時間経過したかどうかを判定
し、一定時間経過していなければ、S280に移行し
て、S280〜S310の処理を繰返し実行することに
より、第3の経路を用いた通信を継続する。
【0067】また、S310にて、この第3の経路を用
いた通信に入ってから一定時間経過したと判断された場
合、或はS300にて通信エラーが発生したと判断され
た場合には、第1の経路又は第2の経路から障害物が取
り除かれて通信を正常に実行できるようになっている可
能性が高いので、S210に移行し、第1の経路を用い
た通信を再開させる。
【0068】即ち、この通信処理(S200)では、ス
イッチ用通信装置20との間で無線通信を行うに当たっ
て、基本的には初期設定処理にて、テストデータの誤り
率が最も低く、通信状態が最もよいと判定された第1の
経路を選択して通信を行い、その通信時に、人間や物体
の移動或は物体の設置等、何等かの原因によって通信エ
ラーが発生するようになると、通信経路を第2の経路に
切り換え、この経路でも通信エラーが発生すると、第3
の経路に切り換えることにより、上記設定された3つの
通信経路の内の最も通信状態がよい経路を自動で選択し
ながら、無線通信を行うのである。
【0069】なお、この通信処理において、使用する通
信経路を切り換えた場合には、S220,S250,S
290の通信実行時に、スイッチ用通信装置20側にそ
の旨を表わすデータを送信して、スイッチ用通信装置2
0側でも、使用する通信経路を同様に切り換えるように
されている。
【0070】以上説明したように、本実施例の無線LA
Nでは、端末用通信装置10に、送受信可能な偏波が互
いに異なる2種類の円偏波用のアンテナ装置(第1アン
テナ装置30及び第2アンテナ装置40)を複数設け、
また、スイッチ用通信装置20に、端末用通信装置10
側の第1アンテナ装置30と同じ旋回方向の円偏波を送
受信可能な円偏波用のアンテナ装置50を複数設けるこ
とにより、端末用通信装置10とスイッチ用通信装置2
0との間で、アンテナ装置の交差偏波識別によって互い
に影響を与えることのない2種類の経路(直接波又は偶
数回反射波による通信経路と、奇数回反射波による通信
経路)を各々形成できるようにし、しかも、実際に無線
通信を行う際には、端末用通信装置10側のアンテナ装
置30,40の指向性の向きを調整することにより、複
数対のアンテナ装置間にて無線通信可能な通信経路を形
成させ、指向性ダイバシティにてその内の最も通信状態
のよい通信経路を選択するようにしている。
【0071】このため、本実施例の無線LANによれ
ば、端末用通信装置10とスイッチ用通信装置20との
間で無線通信を実行させるに当たって、従来の指向性ダ
イバシティをそのまま適用した場合に比べて、各通信経
路毎に他の通信経路或は他の通信装置から受けるマルチ
パスの影響を抑圧して、データの伝送品質を向上するこ
とができる。そして、このように各通信経路毎にマルチ
パスの影響を低減できるため、各アンテナ装置には、比
較的広い指向性を持った小型アンテナを利用することが
可能となり、各通信装置10,20の小型化を図ること
ができる。
【0072】また本実施例の無線LANによれば、直接
波による通信経路が障害物等にて遮断されたとしても、
他の反射波による通信経路を利用して無線通信を継続で
きるため、データ伝送が中断されることはなく、データ
伝送を極めて良好に行うことができる。
【0073】ここで本実施例では、各アンテナ装置3
0,40,50に、送信時と同じ旋回方向の円偏波を受
信可能なものが使用されるが、こうしたアンテナ装置と
しては、例えば図8に示すように、サーキュレータ62
とポラライザ64と導波管円偏波アンテナ66とからな
るアンテナ装置を用いることができる。
【0074】つまり、図8に示したアンテナ装置におい
ては、サーキュレータ62の入力端に送信用電力を入力
すると、サーキュレータ62の入出力方向性によって、
その電力がポラライザ64に出力され、ポラライザ64
は、その入力された電力に定められた方向の磁界を与え
て電波を旋回させ、導波管円偏波アンテナ66から右旋
回又は左旋回の円偏波の電力を送信させる。また受信時
には、導波管円偏波アンテナ66が送信時と同じ旋回方
向(右旋回又は左旋回)の円偏波の電波を受信すると、
ポラライザ64がその受信電波を直線偏波の電力に戻し
てサーキュレータ62に出力し、サーキュレータ62
は、その入出力方位性によりポラライザ64からの入力
電力を出力端から出力する。従って、図8に示したアン
テナ装置によれば、ポラライザ64の特性を変更するこ
とにより、右旋回又は左旋回の円偏波を送受信可能な円
偏波用のアンテナ装置を構成することができ、上記各ア
ンテナ装置30,40,50を容易に実現できるのであ
る。
【0075】一方、アンテナ装置を図8のように構成し
た場合、フェライト回路であるサーキュレータ62を使
用するので、その容積が大きくなる。そこで、アンテナ
装置をより小型化するには、図9に示す所謂平面アンテ
ナを用いることもできる。即ち、図9に示すアンテナ装
置は、2つの入出力端を有し、この2端子に位相差90
度の信号が給電されたときに円偏波を送信する2端子給
電型円偏波アンテナ76と、入力端に信号を受けると、
その信号を180度の位相差で半分づつに振分けて一対
の入出力端から出力し、この一対の入出力端に位相差零
の信号が入力されると、その信号の和を出力端から出力
する180度ハイブリッド72と、180度ハイブリッ
ド72の一方の入出力端と2端子給電型円偏波アンテナ
76の一方の入出力端とを接続してその間を流れる信号
の位相を双方向に90度進ませる90度移相器74とか
ら構成されている。
【0076】そして、このように構成されたアンテナ装
置においては、入力端から180度ハイブリッド72に
入力された電力は、2つの位相が180度違う電力に分
けられ、2端子給電型円偏波アンテナ76の入出力端
に、一方は直接、他方は90度移相器74を通して出力
される。2端子給電型円偏波アンテナ76は、2つの入
出力端にかけられる電力の位相差が90度となるので、
その位相差の極性(つまり+90度又は−90度)に応
じた旋回方向(右旋回又は左旋回)の円偏波で電波を送
信する。一方、受信時には、送信時と同じ旋回方向の円
偏波を受信した場合に、2端子給電型円偏波アンテナ7
6から、送信時と同じ位相差90度の電力が出力され、
この出力された電力が、一方は直接、他方は90度移相
器74を通して、180度ハイブリッド72の入出力端
にそれぞれの位相差が0度となるように入力され、18
0度ハイブリッド72は、入出力端に入力された2つの
電力を合成して出力端から受信電力を出力する。
【0077】従って、図9に示したアンテナ装置によれ
ば、図8に示したアンテナ装置と同様、右旋回又は左旋
回の円偏波を送受信可能な円偏波用のアンテナ装置を構
成することができ、上記各アンテナ装置30,40,5
0を容易に実現できる。そして、このアンテナ装置によ
れば、180度ハイブリッド72及び90度移相器74
をマイクロストリップラインにて構成することにより、
平面アンテナとして全て基板上に組込むことができるの
で、アンテナ装置の小型化、延いては通信装置10,2
0の小型化を容易に図ることが可能になる。
【0078】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記実施例で
は、アンテナ装置30,40,50に、送信時と同じ旋
回方向の円偏波を受信可能な円偏波用のアンテナ装置を
用いるものとして説明したが、円偏波用アンテナの交差
偏波識別を用いて、直接波及び偶数回反射波による通信
経路と、奇数回反射波による通信経路とを区別するに
は、必ずしもこうしたアンテナ装置を用いる必要はな
く、送信時と逆旋回の円偏波を受信可能なアンテナ装置
を用いることもできる。
【0079】つまり、上記各アンテナ装置30,40,
50に、送信時と受信時とで旋回方向の異なる円偏波用
アンテナを用いた場合、端末用通信装置10において、
スイッチ用通信装置20のアンテナ装置50との間で直
接波及び偶数回反射波による通信経路を形成する第1ア
ンテナ装置30には、送受信時の円偏波の旋回方向がア
ンテナ装置50とは異なるアンテナ装置を用い、スイッ
チ用通信装置20のアンテナ装置50との間で奇数回反
射波による通信経路を形成する第2アンテナ装置40に
は、送受信時の円偏波の旋回方向がアンテナ装置50と
同じアンテナ装置を用いるようにすれば、上記実施例と
同様に、各アンテナ装置間にて複数の通信経路を形成
し、且つ、アンテナ装置の交差偏波識別により各通信経
路におけるマルチパスの影響を大きく低減することがで
き、伝送品質の良い通信システムを構築できる。
【0080】尚、この場合、アンテナ装置としては、図
10に示す如く、90度ハイブリッド78と2端子給電
型円偏波アンテナ80とからなる平面アンテナを用いる
ことができる。即ち、90度ハイブリッド78は、入力
端に信号を受けると、その信号を90度の位相差で半分
づつに振分けて一対の入出力端から出力し、入出力端に
出力時とは逆位相で位相が90度異なる信号が入力され
ると、その信号の和を出力端から出力するものであるこ
とから、図10に示す如く、この90度ハイブリッド7
8の一対の入出力端を2端子給電型円偏波アンテナ80
の一対の入出力端に夫々接続することにより、90度ハ
イブリッド78の入力端に入力した電力を、90度の位
相差で2端子給電型円偏波アンテナ80の入出力端に入
力して、右旋回又は左旋回の円偏波として送信させるこ
とができ、逆に2端子給電型円偏波アンテナ80が送信
時とは逆旋回の円偏波を受信すると、その入出力端から
−90度の位相差を持つ電力が出力され、90度ハイブ
リッド78の出力端からその電力の合成電力が出力され
ることから、送信時とは逆旋回の円偏波を受信すること
ができる。
【0081】そしてアンテナ装置30,40,50に、
このような構成のアンテナ装置を用いるようにすれば、
その構成を簡素化して、アンテナ装置,延いては通信装
置10,20をより小型化することが可能になる。また
次に、上記実施例では、各通信装置10,20に設ける
アンテナ装置30,40,50には、円偏波を送受信可
能なアンテナ装置を用いるものとして説明したが、端末
用通信装置10においてスイッチ用通信装置20のアン
テナ装置50との間で、反射波による通信経路を構成す
るアンテナ装置、例えば、第2アンテナ装置40に、図
11に示す如く、送受信可能な電波を円偏波から任意の
偏波に調整可能な偏波可変アンテナ40xを用い、図1
2に示すように、その偏波可変アンテナ40xの偏波を
通信制御装置16′側から調整するようにしてもよい。
【0082】即ち、円偏波の電波は不均一な誘電体から
なる障害物にて反射すると、その偏波がゆがんで、所謂
楕円偏波となることがあり、こうした反射波による通信
経路を形成する一対のアンテナ装置の両方に円偏波用の
アンテナ装置を用いると、伝送損失が大きくなって、良
好な通信を実行できなくなることがある。従って、反射
波による通信経路を形成する一対のアンテナ装置の一
方、例えば端末用通信装置10における第2アンテナ装
置40を、偏波可変アンテナ40xにて構成し、そのア
ンテナ装置40xの偏波を、予め反射によって変化する
偏波形状に応じて調整しておくようにすれば、スイッチ
用通信装置20側のアンテナ装置50に対しては常に円
偏波の電波を送信でき、逆にアンテナ装置50から送信
された円偏波の電波は、反射によって、正常受信可能な
偏波となるので、これらアンテナ装置間で常に良好な通
信を実行させることができるのである。
【0083】そしてこのように、不均一な誘電体に電波
が反射するとその偏波がゆがむことを利用することで、
例えば1回反射で最適な送受信を行えるような設定を行
つた電波が、多数回の反射により再び同一方向から到来
したとしても、その偏波は一回反射されてきたものとは
全く異なったものとなり、受信感度は抑圧されることか
ら、必要な反射波のみを強く受信することができ、マル
チパスの影響を少なくすることができる。
【0084】なお、この場合、偏波可変アンテナ40x
としては、図11に示したように、図9に示した180
度ハイブリッド72を用いた平面アンテナの90度移相
器74を、位相変化量(移相量)を調整可能な可変移相
器82に変更し、更に、この可変移相器82と2端子給
電型円偏波アンテナ76の一方の入出力端との間,及び
180度ハイブリッド72の入出力端と2端子給電型円
偏波アンテナ76の他方の入出力端との間に、夫々、信
号の減衰量を調整可能な可変アッテネータ86,84を
設けたものを利用できる。
【0085】つまり、2端子給電型円偏波アンテナ76
は、その2つの入出力端に入力する電力比と位相差を調
整することにより送信電波を任意の偏波に設定できるた
め、可変移相器82の移相量と可変アッテネータ84及
び86の減衰量を調整すれば、アンテナ装置40xから
の送信電波を任意の偏波に設定でき、しかもこのアンテ
ナ装置40xでは、可変アッテネータ84,86が設け
られているので、送信時の偏波と対象な形をなす偏波の
電波を受信したときに、180度ハイブリッド72の一
対の入出力端に位相差零の信号が入力されるため、スイ
ッチ用通信装置20側のアンテナ装置50から送信さ
れ、障害物に当たって反射してくる電波を良好に受信で
きるようになるのである。
【0086】またこのように第2アンテナ装置40に偏
波可変アンテナ40xを用いた端末用通信装置10′に
おいて、そのアンテナ装置40xの偏波を制御するに
は、通信制御装置16′において図6に示した初期設定
処理(S100)を実行する際、アンテナ方向設定処理
(S110)を実行した後、図13に示す偏波最適設定
処理(S400)を実行し、その後、S120以降の処
理に移行するようにすればよい。
【0087】そして、この偏波最適設定処理(S40
0)においては、まず端末用通信装置10′に設けられ
た複数の偏波可変アンテナ40xの内の一つを選択し、
S420にて、その選択した偏波可変アンテナ40xを
用いて、自己宛てのテストデータをスイッチ用通信装置
20側に送信し、その送信によりスイッチ用通信装置2
0側から返送されてくるテストデータを受信して、その
受信レベル又はテストデータの誤り率を測定し、その測
定結果が最適となるように、可変移相器82の移相量及
び可変アッテネータ84,86の減衰量を制御する、偏
波の最適制御を行い、その後、S430にて、全ての偏
波可変アンテナに対する最適制御が終了したかどうかを
判定して、全ての偏波可変アンテナに対する最適制御が
終了していなければ、S440にて次に最適制御を行う
偏波可変アンテナを選択して、再度S410に移行し、
逆に全ての偏波可変アンテナに対する最適制御が終了し
ていれば、偏波最適設定処理を終了して、S120に移
行するようにすればよい。
【0088】また次に上記実施例では、無線LANにつ
いて説明したが、本発明は一組の通信装置間での無線通
信にも適用できるのはいうまでもない。つまり、図14
に示す如く、一方の通信装置91に前述の端末用通信装
置10と同様の構成のものを使用し、他方の通信装置9
2に前述のスイッチ用通信装置20と同様の構成のもの
を使用し、これら一組の通信装置91−92間で無線通
信を行うようにしても、これら通信装置91−92間で
は指向性ダイバシティを用いた無線通信を行うことがで
き、しかも一対のアンテナ装置にて形成される通信経路
では、アンテナ装置の交差偏波識別により他の通信経路
或は他の通信装置からのマルチパスの影響を低減できる
ため、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0089】そしてこの場合、図14に示すように、通
信装置91−92間での直接波による通信経路を遮蔽す
る遮蔽物90が存在しても、天井93等、電波を反射す
る障害物を利用して、反射波による通信経路99を形成
できるため、各通信装置91,92のアンテナ装置の指
向性97,98の向きを、その通信経路99を形成する
方向に調整すれば、無線通信を行うことができる。
【0090】また更に上記実施例では、通信用の電波
に、反射によって旋回方向が変化する円偏波の電波を利
用することにより、アンテナ装置の交差偏波識別を用い
てマルチパスの影響を低減できるようにした通信システ
ム(無線LAN)について説明したが、アンテナ装置の
交差偏波識別を利用してマルチパスの影響を低減するに
は、必ずしも円偏波を用いる必要はなく、反射によって
偏波が変化する電波、例えば、偏波の傾きが斜め45度
の直線偏波を利用することもできる。つまり、偏波の傾
きが斜め45度の直線偏波の場合、例えば、右方向に4
5度傾いた直線偏波が障害物に当たって反射すると、そ
の傾きが90度変化して左方向に45度傾いた直線偏波
となるため、こうした直線偏波の電波を利用することに
よっても、本発明を実現できる。なお、この場合、送受
信を行うアンテナ装置の相対位置によってアンテナ装置
に入力される偏波の傾きが変化することから、各アンテ
ナ装置の相対位置を正確に調整しなければならない。従
って、こうした直線偏波の電波を利用して無線通信を行
う場合には、図14に示したような一組の通信装置9
1,92間にて無線通信を行う通信システムにおいて有
効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の無線LANにおける端末用通信装置
の構成を表わすブロック図である。
【図2】 実施例の無線LANの概略構成を表わすブロ
ック図である。
【図3】 実施例の無線LANにおけるスイッチ用通信
装置の構成を表わすブロック図である。
【図4】 端末用通信装置とスイッチ用通信装置との間
で形成される通信経路の一例を表わす説明図である。
【図5】 端末用通信装置の通信制御装置においてアン
テナ制御のために実行される処理を表わすフローチャー
トである。
【図6】 図5に示した初期設定処理の詳細を表わすフ
ローチャートである。
【図7】 図5に示した通信処理の詳細を表わすフロー
チャートである。
【図8】 送受信時の偏波の旋回方向が同じ円偏波用ア
ンテナ装置の構成を表わす説明図である。
【図9】 送受信時の偏波の旋回方向が同じ円偏波用ア
ンテナ装置を平面アンテナにて構成した場合の説明図で
ある。
【図10】 送受信時の偏波の旋回方向が異なる円偏波
用アンテナ装置を平面アンテナにて構成した場合の説明
図である。
【図11】 偏波を外部から調整可能な偏波可変アンテ
ナの構成を表わす説明図である。
【図12】 図11の偏波可変アンテナを用いた端末用
通信装置の構成を表わすブロック図である。
【図13】 偏波可変アンテナの調整のために実行され
る偏波最適設定処理を表わすフローチャートである。
【図14】 一組の通信装置からなる通信システムにお
ける通信経路の一例を表わす説明図である。
【符号の説明】
2…ネットワーク端末 4…伝送線路 8…基幹用
スイッチ 10…端末用通信装置 20…スイッチ用通信装置 12,22…送信器 14,24…復調器 16,
26…通信制御装置 30(30a,…)…第1アンテナ装置 40(40a,…)…第2アンテナ装置 40x…偏
波可変アンテナ 50(50a,50b,…)…アンテナ装置 62…
サーキュレータ 64…ポラライザ 66…導波管円偏波アンテナ 72…180度ハイブリッド 74…90度移相器 76,80…2端子給電型円偏波アンテナ 78…9
0度ハイブリッド 82…可変移相器 84,86…可変アッテネータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇津 順志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の指向性を有し、且つ指向性の向き
    が互いに異なるように設置された複数のアンテナ装置
    と、 該複数のアンテナ装置の中から他の無線通信装置との通
    信状態が良好な1又は所定個のアンテナ装置を選択する
    アンテナ選択手段と、 を備え、該アンテナ選択手段により選択されたアンテナ
    装置を用いて他の無線通信装置との間で通信を行う、指
    向性ダイバシティを用いた無線通信装置において、 前記複数のアンテナ装置を、反射により偏波の方向が変
    化する電波を送受信可能で、しかも送受信可能な偏波の
    方向が互いに異なる2種類のアンテナ装置から構成して
    なることを特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の無線通信装置におい
    て、前記複数のアンテナ装置は、送受信可能な偏波の旋
    回方向が互いに異なる2種類の円偏波用のアンテナ装置
    からなることを特徴とする無線通信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の無線通信
    装置において、前記複数のアンテナ装置の少なくとも一
    部は、指向性の向きを調整可能であることを特徴とする
    無線通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の無線通信装置におい
    て、 指向性の向きを調整可能なアンテナ装置と他の無線通信
    装置との通信状態を検出する検出手段と、 該検出手段にて検出された通信状態を表示する表示手段
    と、 を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の無線通信装置におい
    て、 指向性の向きを調整可能なアンテナ装置と他の無線通信
    装置との通信状態を検出する検出手段と、 該検出手段の検出結果に基づき、他の無線通信装置との
    通信状態が最良となるように前記アンテナ装置の指向性
    の向きを自動調整する調整手段と、 を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5いずれか記載の無線
    通信装置からなる第1通信手段を備えた通信システムで
    あって、 該第1通信手段との間で無線通信を行う第2通信手段と
    して、所定の指向性を有し、且つ指向性の向きが互いに
    異なるように設置された複数のアンテナ装置と、該複数
    のアンテナ装置の中から他の無線通信装置との通信状態
    が良好な1又は所定個のアンテナ装置を選択するアンテ
    ナ選択手段とを備え、該複数のアンテナ装置が、反射に
    より偏波の方向が変化する電波を送受信可能で、しかも
    送受信可能な偏波の方向が全て同一のアンテナ装置から
    なる無線通信装置を備え、 前記第1通信手段に設けられた複数のアンテナ装置の
    内、 前記第2通信手段側のアンテナ装置との間で電波を直接
    送受信可能な第1アンテナ装置の少なくとも一つが、前
    記第2通信手段側の一つのアンテナ装置との間で、直接
    対向の直線状の通信経路、又は、電波が障害物に偶数回
    当たって反射してくる反射経路からなる通信経路を形成
    し、 送受信可能な電波の偏波方向が前記第1アンテナ装置と
    は逆方向の第2アンテナ装置の少なくとも一つが、前記
    第2通信手段側の一つのアンテナ装置との間で、電波が
    障害物に奇数回当たって反射してくる反射経路からなる
    通信経路を形成するよう構成してなることを特徴とする
    通信システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の通信システムにおい
    て、前記第1通信手段及び第2通信手段の各アンテナ装
    置は、送信時の偏波の旋回方向と受信可能な偏波の旋回
    方向とが同一方向となるように構成された円偏波用のア
    ンテナ装置であることを特徴とする通信システム。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の通信システムにおい
    て、前記第1通信手段及び第2通信手段の各アンテナ装
    置は、送信時の偏波の旋回方向と受信可能な偏波の旋回
    方向とが互いに逆方向となるように構成された円偏波用
    のアンテナ装置であることを特徴とする通信システム。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載の通信シス
    テムにおいて、前記反射経路にて通信経路を形成する一
    対のアンテナ装置の内の少なくとも一方を、送受信偏波
    を任意の偏波に制御可能に構成してなることを特徴とす
    る通信システム。
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