JPH0832373B2 - ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ - Google Patents
ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤInfo
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- JPH0832373B2 JPH0832373B2 JP5709689A JP5709689A JPH0832373B2 JP H0832373 B2 JPH0832373 B2 JP H0832373B2 JP 5709689 A JP5709689 A JP 5709689A JP 5709689 A JP5709689 A JP 5709689A JP H0832373 B2 JPH0832373 B2 JP H0832373B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ガスシールドアーク溶接フラックス入りワ
イヤに係り、特に臨界電流(すなわち、溶滴が粗大化
し、アークの不安定が生じる最低電流)が低く、低電流
域においてアークの安定性が良好で、3mm前後の脚長の
小さな溶接施工(以下、「小脚長溶接」と略す。)を実
施し易いことを特長とし、軟鋼及び高張力鋼等の溶接、
特に薄板等の溶接に好適なガスシールドアーク溶接フラ
ックス入りワイヤに関するものである。
イヤに係り、特に臨界電流(すなわち、溶滴が粗大化
し、アークの不安定が生じる最低電流)が低く、低電流
域においてアークの安定性が良好で、3mm前後の脚長の
小さな溶接施工(以下、「小脚長溶接」と略す。)を実
施し易いことを特長とし、軟鋼及び高張力鋼等の溶接、
特に薄板等の溶接に好適なガスシールドアーク溶接フラ
ックス入りワイヤに関するものである。
(従来の技術及び解決しようとする課題) ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤは、溶
接作業性(スパッタ、アーク安定性等)及び溶接能率が
良好であることに加え、優れたビード外観を有する等の
利点を有しているため、その使用量はますます増加する
傾向にある。
接作業性(スパッタ、アーク安定性等)及び溶接能率が
良好であることに加え、優れたビード外観を有する等の
利点を有しているため、その使用量はますます増加する
傾向にある。
一方、近年、豪華客船の建造ブームにより薄板等への
小脚長溶接の頻度も増加している。この場合、フラック
ス入りワイヤで小脚長溶接を実施するには、溶接速度を
速くするか或いは溶接電流を下げる必要があるが、溶接
速度を速くするとビード形状が凸化することや、半自動
溶接の場合には溶接速度に上限(約60cm/min)があるこ
と等から、かゝる小脚長溶接には、溶接電流を低下させ
ることが最も有効である。
小脚長溶接の頻度も増加している。この場合、フラック
ス入りワイヤで小脚長溶接を実施するには、溶接速度を
速くするか或いは溶接電流を下げる必要があるが、溶接
速度を速くするとビード形状が凸化することや、半自動
溶接の場合には溶接速度に上限(約60cm/min)があるこ
と等から、かゝる小脚長溶接には、溶接電流を低下させ
ることが最も有効である。
しかし乍ら、通常のフラックス入りワイヤは、臨界電
流が比較的高く、例えば、1.2mmφワイヤの場合は約200
A、1.0mmφワイヤの場合は約180Aであるため、低電流域
では良好なスプレーアークを得ることが難しく、アーク
安定性が良好とは言えず、スパッタの発生量も多かっ
た。このため、特に小脚長溶接を低電流域で実施し得る
フラックス入りワイヤが望まれていた。
流が比較的高く、例えば、1.2mmφワイヤの場合は約200
A、1.0mmφワイヤの場合は約180Aであるため、低電流域
では良好なスプレーアークを得ることが難しく、アーク
安定性が良好とは言えず、スパッタの発生量も多かっ
た。このため、特に小脚長溶接を低電流域で実施し得る
フラックス入りワイヤが望まれていた。
本発明は、かゝる事情のもとでなされたものであっ
て、臨界電流を下げることにより、低電流域でのアーク
安定性を良好にし、特に小脚長溶接が容易なガスシール
ドアーク溶接フラックス入りワイヤを提供することを目
的とするものである。
て、臨界電流を下げることにより、低電流域でのアーク
安定性を良好にし、特に小脚長溶接が容易なガスシール
ドアーク溶接フラックス入りワイヤを提供することを目
的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者等は、内包フラッ
クスの組成に重点を置いて様々な方面から研究を進めた
結果、殊に特定組成のフラックスを充填すると共に、ワ
イヤの(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比をある範
囲に規定することにより可能であることを見い出すに至
ったものである。
クスの組成に重点を置いて様々な方面から研究を進めた
結果、殊に特定組成のフラックスを充填すると共に、ワ
イヤの(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比をある範
囲に規定することにより可能であることを見い出すに至
ったものである。
すなわち、本発明は、外皮金属で囲まれた腔部にフラ
ックスを充填してなるフラックス入りワイヤであって、
該フラックスは、ワイヤ全重量当たり、TiO2:8〜16%、
C:0.04〜0.2%、ZrO2:0.10〜2.0%、SiO2:0.2〜3.0%、
アーク安定剤:0.02〜1.4%、脱酸剤:2.0〜9.0%及びFe:
1.5〜6.0%を、 (TiO2+SiO2+ZrO2)/Fe=3.5〜7 となるように含有すると共に、(外皮断面積)/(ワイ
ヤ断面積)の比が0.60〜0.80であることを特徴とするガ
スシールドアーク溶接フラックス入りワイヤを要旨とす
るものである。
ックスを充填してなるフラックス入りワイヤであって、
該フラックスは、ワイヤ全重量当たり、TiO2:8〜16%、
C:0.04〜0.2%、ZrO2:0.10〜2.0%、SiO2:0.2〜3.0%、
アーク安定剤:0.02〜1.4%、脱酸剤:2.0〜9.0%及びFe:
1.5〜6.0%を、 (TiO2+SiO2+ZrO2)/Fe=3.5〜7 となるように含有すると共に、(外皮断面積)/(ワイ
ヤ断面積)の比が0.60〜0.80であることを特徴とするガ
スシールドアーク溶接フラックス入りワイヤを要旨とす
るものである。
本発明のガスシールドアーク溶接フラックス入りワイ
ヤは、上記構成を有するが、その特長は、TiO2、C、Zr
O2等々の量、及びスラグ形成剤であるTiO2とSiO2とZrO2
の合計量とFe量との比、並びに(外皮断面積)/(ワイ
ヤ断面積)の比をそれぞれ規定することによって臨界電
流を下げ、低電流域でのアーク安定性を良好にし、小脚
長溶接を容易に実施できるようにしたことにある。
ヤは、上記構成を有するが、その特長は、TiO2、C、Zr
O2等々の量、及びスラグ形成剤であるTiO2とSiO2とZrO2
の合計量とFe量との比、並びに(外皮断面積)/(ワイ
ヤ断面積)の比をそれぞれ規定することによって臨界電
流を下げ、低電流域でのアーク安定性を良好にし、小脚
長溶接を容易に実施できるようにしたことにある。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) まず、本発明におけるワイヤ成分の限定理由について
説明する。なお、各成分の量はワイヤ全重量に対する割
合である。
説明する。なお、各成分の量はワイヤ全重量に対する割
合である。
(1)C:0.04〜0.2% 本発明者等は、ガスシールドアーク溶接フラックス入
りワイヤのフラックスについて種々検討の結果、まずC
について着目し、ワイヤ中のCと臨界電流及び溶接作業
性(スパッタ発生量等)との関係を調べた。なお、実験
における供試ワイヤ及び溶接条件は以下の通りとし、臨
界電流の測定は、溶接電流を高電流側から低電流側へ移
行していく際に溶滴が粗大化し、アークの不安定が生じ
る最低電流をもって臨界電流として、官能により判定し
た。
りワイヤのフラックスについて種々検討の結果、まずC
について着目し、ワイヤ中のCと臨界電流及び溶接作業
性(スパッタ発生量等)との関係を調べた。なお、実験
における供試ワイヤ及び溶接条件は以下の通りとし、臨
界電流の測定は、溶接電流を高電流側から低電流側へ移
行していく際に溶滴が粗大化し、アークの不安定が生じ
る最低電流をもって臨界電流として、官能により判定し
た。
〈供試ワイヤ〉 外皮金属:軟鋼 フラックス及びフラックス率:後述実施例のワイヤNo.2
をベースにC量の鉄粉との置換によって増減させた。他
の成分はNo.2と同じとした。
をベースにC量の鉄粉との置換によって増減させた。他
の成分はNo.2と同じとした。
ワイヤ断面形状:第6図中の(A) ワイヤ径:1.2mmφ 〈溶接条件〉 溶接電流:200A→100A アーク電圧:適正値 溶接速度:50cm/min シールドガス:100%CO2 (流量:20l/min) チップ:母材間距離:15mm 姿勢:下向(前進角、後退角=0°) 極性:DCEP(ビードオンプレート溶接) 第1図は、C量の適正添加量を調査するためにその添
加量を増減させた場合の試験結果を示している。同図か
ら明らかな如く、臨界電流はワイヤ中のC量の増加と共
に低下する傾向にあるが、C量が0.04%未満では臨界電
流の低下は不十分であり、しかし、0.2%を超えるとヒ
ューム及びスパッタ発生量が多く、作業性が良くなかっ
た。したがって、ワイヤ中のC量は0.04〜0.2%の範囲
に止める必要があることが判明した。
加量を増減させた場合の試験結果を示している。同図か
ら明らかな如く、臨界電流はワイヤ中のC量の増加と共
に低下する傾向にあるが、C量が0.04%未満では臨界電
流の低下は不十分であり、しかし、0.2%を超えるとヒ
ューム及びスパッタ発生量が多く、作業性が良くなかっ
た。したがって、ワイヤ中のC量は0.04〜0.2%の範囲
に止める必要があることが判明した。
このようにC量の増加と共に臨界電流が下がる理由と
しては、以下のように考えられる。
しては、以下のように考えられる。
すなわち、第2図は、フラックス入りワイヤを用いて
溶接した場合のアーク発生部を高速度カメラで観察した
ときの模式図であり、同図に示すように、溶接工程で
は、まず外皮金属2がアーク熱によって溶融し、溶滴3
(図中、点線)となり、これが順次母材4に移行するこ
とによって溶接が進行するが、ワイヤ先端に懸垂した溶
滴が爆発して破砕され、このような溶滴6が母材4に移
行する方が、より安定な溶滴移行状態となり、臨界電流
が低下するのである。そして、Cのアーク現象に及ぼす
効果は、アーク雰囲気中で酸素と反応してCOガス又はCO
2ガスを発生する際に前記爆発を生じることにある。す
なわち、ワイヤ中のC量が増加すると溶滴移行時のCO及
びCO2発生に伴う爆発が促進され、それによって溶滴径
が減少し、溶滴移行が安定化し、臨界電流が下がるので
ある。
溶接した場合のアーク発生部を高速度カメラで観察した
ときの模式図であり、同図に示すように、溶接工程で
は、まず外皮金属2がアーク熱によって溶融し、溶滴3
(図中、点線)となり、これが順次母材4に移行するこ
とによって溶接が進行するが、ワイヤ先端に懸垂した溶
滴が爆発して破砕され、このような溶滴6が母材4に移
行する方が、より安定な溶滴移行状態となり、臨界電流
が低下するのである。そして、Cのアーク現象に及ぼす
効果は、アーク雰囲気中で酸素と反応してCOガス又はCO
2ガスを発生する際に前記爆発を生じることにある。す
なわち、ワイヤ中のC量が増加すると溶滴移行時のCO及
びCO2発生に伴う爆発が促進され、それによって溶滴径
が減少し、溶滴移行が安定化し、臨界電流が下がるので
ある。
(2)TiO2、ZrO2、SiO2及びFe 第3図は、フラックス入りワイヤを用いて溶接した場
合のアーク発生部を高速度カメラで観察した場合の模式
図であるが、同図に示すように、溶接工程では溶滴表面
からの蒸発による上向きの力(Repulsive force)8が
溶滴3を支持し、母材4への移行を妨げている。すなわ
ち、溶滴成分の蒸気圧が低ければRepulsive forceが減
少し、溶滴移行が促進され(つまり、スプレー化の方
向)、臨界電流が低下することになる。
合のアーク発生部を高速度カメラで観察した場合の模式
図であるが、同図に示すように、溶接工程では溶滴表面
からの蒸発による上向きの力(Repulsive force)8が
溶滴3を支持し、母材4への移行を妨げている。すなわ
ち、溶滴成分の蒸気圧が低ければRepulsive forceが減
少し、溶滴移行が促進され(つまり、スプレー化の方
向)、臨界電流が低下することになる。
ところで、TiO2、ZrO2及びSiO2は、ワイヤ成分の中で
も比較的その蒸気圧が低いために、臨界電流の低下に有
効な筈である。
も比較的その蒸気圧が低いために、臨界電流の低下に有
効な筈である。
そこで、本発明者等は、種々実験を行った結果、Ti
O2、ZrO2及びSiO2と臨界電流との関係を十分に考慮する
と共にワイヤ成分として本来要求される特性を踏まえ、
これら各成分の含有量を以下のように規定したものであ
る。
O2、ZrO2及びSiO2と臨界電流との関係を十分に考慮する
と共にワイヤ成分として本来要求される特性を踏まえ、
これら各成分の含有量を以下のように規定したものであ
る。
(2−1)TiO2:8〜16% 前述のように、TiO2は臨界電流の低下に有効である
他、アークの安定性及びスラグの被包性を高める上でも
不可欠の成分であり、そのためには8%以上含有させな
ければならない。しかし、16%を超えるとスラグの粘性
が高くなりすぎてビード形状が悪化し、更には溶接金属
中に過剰の還元チタンやTiO2が歩留って機械的性質(特
に靱性)が低下する。したがって、TiO2量は8〜16%と
する。
他、アークの安定性及びスラグの被包性を高める上でも
不可欠の成分であり、そのためには8%以上含有させな
ければならない。しかし、16%を超えるとスラグの粘性
が高くなりすぎてビード形状が悪化し、更には溶接金属
中に過剰の還元チタンやTiO2が歩留って機械的性質(特
に靱性)が低下する。したがって、TiO2量は8〜16%と
する。
(2−2)ZrO2:0.10〜2.0% ZrO2も臨界電流の低下に有効であると共にスラブの被
包性を高め、更にその凝固温度が高いことにより全姿勢
溶接性を良好にする成分である。これらの作用を有効に
発揮させるためには0.10%以上を含有させなければなら
ない。しかし、2.0%を超えると凝固温度が高い故にス
ラグ巻込み等の欠陥が発生し易くなる。したがって、Zr
O2量は0.10〜2.0%とする。
包性を高め、更にその凝固温度が高いことにより全姿勢
溶接性を良好にする成分である。これらの作用を有効に
発揮させるためには0.10%以上を含有させなければなら
ない。しかし、2.0%を超えると凝固温度が高い故にス
ラグ巻込み等の欠陥が発生し易くなる。したがって、Zr
O2量は0.10〜2.0%とする。
(2−3)SiO2:0.2〜3.0% SiO2も臨界電流の低減効果を有すると共に、ビード形
状を整える効果があり、これらの効果は0.2%以上の添
加で有効に発揮される。しかし、3.0%を超えると溶融
スラグの粘性が低下して溶接作業性及びビードの外観、
形状が悪化する他、溶接金属の靱性も乏しくなる。した
がって、SiO2量は0.2〜3.0%とする。
状を整える効果があり、これらの効果は0.2%以上の添
加で有効に発揮される。しかし、3.0%を超えると溶融
スラグの粘性が低下して溶接作業性及びビードの外観、
形状が悪化する他、溶接金属の靱性も乏しくなる。した
がって、SiO2量は0.2〜3.0%とする。
これら3成分のうち、特に、臨界電流の低下に有効な
TiO2量が通常のフラックス入りワイヤよりも多いこと
は、本発明の特長の1つである。
TiO2量が通常のフラックス入りワイヤよりも多いこと
は、本発明の特長の1つである。
(2−4)Fe:1.5〜6.0% Feは溶着金属量を増大して溶接能率を高める作用があ
り、1.5%以上を配合すべきである。しかし、6.0%を超
えると他のフラックス成分が相対的に減少してビード外
観が悪化し、アーク安定性も劣化する他、溶着量増加に
よるシールド不足が起こり、ピットやブローホール等の
溶接欠陥も発生し易くなる。したがって、Fe量は1.5〜
6.0%とする。
り、1.5%以上を配合すべきである。しかし、6.0%を超
えると他のフラックス成分が相対的に減少してビード外
観が悪化し、アーク安定性も劣化する他、溶着量増加に
よるシールド不足が起こり、ピットやブローホール等の
溶接欠陥も発生し易くなる。したがって、Fe量は1.5〜
6.0%とする。
(2−5)(TiO2+SiO2+ZrO2)/Fe 上記の如くTiO2、ZrO2、SiO2及びFeについてそれぞれ
の含有量が規定されるが、これらの成分量の関係につい
て第1図の実験と同様の条件にて溶接試験を行ったとこ
ろ、第4図に示すように、主としてスラグ形成剤となる
TiO2、ZrO2及びSiO2とFe量との間にはバランスが必要で
あることが判明した。
の含有量が規定されるが、これらの成分量の関係につい
て第1図の実験と同様の条件にて溶接試験を行ったとこ
ろ、第4図に示すように、主としてスラグ形成剤となる
TiO2、ZrO2及びSiO2とFe量との間にはバランスが必要で
あることが判明した。
すなわち、(TiO2+SiO2+ZrO2)/Feの比が3.5より小
さいと臨界電流は低くなく、またスラグ形成剤量が相対
的に不足してビード外観、形状も良好でなく、全姿勢溶
接も実施し難くなる。しかし、その比が7.0よりも大き
くなると溶着速度が減少して能率が上がらず、またスラ
グ巻等の溶接欠陥が発生し易くなる。したがって、(Ti
O2+SiO2+ZrO2)/Fe=3.5〜7.0の範囲とする。
さいと臨界電流は低くなく、またスラグ形成剤量が相対
的に不足してビード外観、形状も良好でなく、全姿勢溶
接も実施し難くなる。しかし、その比が7.0よりも大き
くなると溶着速度が減少して能率が上がらず、またスラ
グ巻等の溶接欠陥が発生し易くなる。したがって、(Ti
O2+SiO2+ZrO2)/Fe=3.5〜7.0の範囲とする。
(3)アーク安定剤:0.02〜1.4% アーク安定剤としては、アーク中で電離し易い物質、
例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba等の酸化物、
フッ化物、炭酸塩、硝酸塩などを挙げることができ、こ
れらを単独で或いは複数を添加する。これら成分は、蒸
気圧が高く、(2)項で述べたRepulsive forceを増大
させる臨界電流を引き上げる作用があるが、0.02%未満
ではアークが不安定でスパッタの多発等の溶接作業性の
面で問題が現われるので、0.02%以上が必要である。し
かし、その作用が顕著であるのは1.4%までである。し
たがって、アーク安定剤の量は0.02〜1.4%とする。
例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba等の酸化物、
フッ化物、炭酸塩、硝酸塩などを挙げることができ、こ
れらを単独で或いは複数を添加する。これら成分は、蒸
気圧が高く、(2)項で述べたRepulsive forceを増大
させる臨界電流を引き上げる作用があるが、0.02%未満
ではアークが不安定でスパッタの多発等の溶接作業性の
面で問題が現われるので、0.02%以上が必要である。し
かし、その作用が顕著であるのは1.4%までである。し
たがって、アーク安定剤の量は0.02〜1.4%とする。
(4)脱酸剤:2.0〜9.0% 脱酸剤は、その名の示す通り、脱酸作用によって溶接
金属中の非金属介在物量を減少し、溶接金属の物性を高
めるのに有効な成分であり、代表的なものとしては、M
n、Si、Al、Mg、Ti、Zr等の金属或いはこれらの鉄合金
が挙げられ、これらを単独で或いは複数を添加する。脱
酸剤が2.0%未満では脱酸不足となってX線性能等が劣
悪になるので、これ以上の含有が必要である。しかし、
9.0%を超えると脱酸過剰になって溶接金属の靱性及び
耐割れ性が低下する。したがって、脱酸剤の量は2.0〜
9.0%とする。なお、上記脱酸剤のうち、Fe−Si等は臨
界電流の低下のためにも有効である。
金属中の非金属介在物量を減少し、溶接金属の物性を高
めるのに有効な成分であり、代表的なものとしては、M
n、Si、Al、Mg、Ti、Zr等の金属或いはこれらの鉄合金
が挙げられ、これらを単独で或いは複数を添加する。脱
酸剤が2.0%未満では脱酸不足となってX線性能等が劣
悪になるので、これ以上の含有が必要である。しかし、
9.0%を超えると脱酸過剰になって溶接金属の靱性及び
耐割れ性が低下する。したがって、脱酸剤の量は2.0〜
9.0%とする。なお、上記脱酸剤のうち、Fe−Si等は臨
界電流の低下のためにも有効である。
(5)(外皮断面積)/(ワイヤ断面積):0.60〜0.80 以上のように、フラックス入りワイヤ中の成分含有量
を規定することにより、臨界電流のかなりの低下が可能
となるが、これのみでは、臨界電流を従来のフラックス
入りワイヤに比べ、1.2φで約30A程度低下させるに止ま
り、臨界電流の低下による小脚長溶接の容易化の目的か
らすれば十分とは言い難い。
を規定することにより、臨界電流のかなりの低下が可能
となるが、これのみでは、臨界電流を従来のフラックス
入りワイヤに比べ、1.2φで約30A程度低下させるに止ま
り、臨界電流の低下による小脚長溶接の容易化の目的か
らすれば十分とは言い難い。
そこで、本発明者等は、臨界電流を更に低下すべく、
ワイヤ断面に占める外皮断面積の割合と臨界電流の関係
について更に研究を行った。
ワイヤ断面に占める外皮断面積の割合と臨界電流の関係
について更に研究を行った。
すなわち、以下に示す如く、(外皮断面積)/(ワイ
ヤ断面積)の比が異なるフラックス入りワイヤを作製
し、第1図の実験と同様の条件で溶接試験を行い、その
時の臨界電流を調査した。
ヤ断面積)の比が異なるフラックス入りワイヤを作製
し、第1図の実験と同様の条件で溶接試験を行い、その
時の臨界電流を調査した。
〈ワイヤ〉 ワイヤ径:1.2mmφ フラックス:後述実施例No.2 (外皮断面積)/(ワイヤ断面積):0.50〜0.90 なお、(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比はワイ
ヤ断面における外皮面積及びワイヤ面積を画像処理(面
積分析)等により求め、その比を計算して得た。その際
のワイヤ断面のサンプリングは、スプール巻きワイヤの
場合は1スプールの中央部よりサンプリングし、パック
入りワイヤの場合は収納中央部よりサンプリングし、い
ずれの場合もワイヤ長手方向10cm間隔でn=30測定し、
その平均値で示した。
ヤ断面における外皮面積及びワイヤ面積を画像処理(面
積分析)等により求め、その比を計算して得た。その際
のワイヤ断面のサンプリングは、スプール巻きワイヤの
場合は1スプールの中央部よりサンプリングし、パック
入りワイヤの場合は収納中央部よりサンプリングし、い
ずれの場合もワイヤ長手方向10cm間隔でn=30測定し、
その平均値で示した。
その結果は、第5図に示す如く、(外皮断面積)/
(ワイヤ断面積)の比と臨界電流との間には明確な相関
関係があり、この比の低減により、臨界電流は画期的に
低下することが判明した。すなわち、この比を0.80より
小さくすることにより臨界電流が顕著に低下する。
(ワイヤ断面積)の比と臨界電流との間には明確な相関
関係があり、この比の低減により、臨界電流は画期的に
低下することが判明した。すなわち、この比を0.80より
小さくすることにより臨界電流が顕著に低下する。
このように(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比が
臨界電流に影響を及ぼすのは、溶滴と外皮金属との表面
張力による支持力に原因があると考えられる。
臨界電流に影響を及ぼすのは、溶滴と外皮金属との表面
張力による支持力に原因があると考えられる。
すなわち、懸垂溶滴は、外皮金属端に形成されるた
め、表面張力による支持力は溶滴と外皮金属端との接触
面積に依存し、その接触面積は外皮端の厚さと比例関係
にあると考えられる。したがって、(外皮断面積)/
(ワイヤ断面積)の比が低くなると表面張力による支持
力も低下し、溶滴移行が安定して臨界電流が低下するも
のと考えられる。この他にも、この比によって外皮金属
側の電流密度が変化し、ピンチ力も変化していると考え
られる。したがって、臨界電流を下げるためには、この
比は低いほど好ましいが、第5図に示す如く、ワイヤの
生産性(特に断線)、送給性、通電性の面からこの比の
低減には限度がある。したがって、(外皮断面積)/
(ワイヤ断面積)の比は0.60〜0.80が適当である。
め、表面張力による支持力は溶滴と外皮金属端との接触
面積に依存し、その接触面積は外皮端の厚さと比例関係
にあると考えられる。したがって、(外皮断面積)/
(ワイヤ断面積)の比が低くなると表面張力による支持
力も低下し、溶滴移行が安定して臨界電流が低下するも
のと考えられる。この他にも、この比によって外皮金属
側の電流密度が変化し、ピンチ力も変化していると考え
られる。したがって、臨界電流を下げるためには、この
比は低いほど好ましいが、第5図に示す如く、ワイヤの
生産性(特に断線)、送給性、通電性の面からこの比の
低減には限度がある。したがって、(外皮断面積)/
(ワイヤ断面積)の比は0.60〜0.80が適当である。
以上詳述したように、本発明によれば、フラックス入
りワイヤ中の特定成分の含有量と(外皮断面積)/(ワ
イヤ断面積)の比との相乗効果により、臨界電流は1.2m
mφワイヤで50〜60A低下し、これにより、小脚長溶接は
非常に容易となり、目的を見事に達成することができる
のである。
りワイヤ中の特定成分の含有量と(外皮断面積)/(ワ
イヤ断面積)の比との相乗効果により、臨界電流は1.2m
mφワイヤで50〜60A低下し、これにより、小脚長溶接は
非常に容易となり、目的を見事に達成することができる
のである。
なお、ワイヤの断面形状は何ら制限されず、例えば、
第6図(A)〜(D)に示す種々の形状のものが使用で
きる。(D)の形状(継目無)の場合にはワイヤ表面に
Al、Cu等のメッキ処理を施してもよく、その場合、メッ
キ量(ワイヤ全重量に対する重量%)は0.05〜0.20%が
望ましい。0.05%以下では耐錆性、送給性、通電性等の
面での効果がなく、0.20%以上になると生産性の低下、
溶接金属の靱性低下を来すので望ましくない。なお、Cu
等のメッキを施すとジュール発熱が抑えられ、溶着速度
が低下するので、小脚長溶接上好ましい。
第6図(A)〜(D)に示す種々の形状のものが使用で
きる。(D)の形状(継目無)の場合にはワイヤ表面に
Al、Cu等のメッキ処理を施してもよく、その場合、メッ
キ量(ワイヤ全重量に対する重量%)は0.05〜0.20%が
望ましい。0.05%以下では耐錆性、送給性、通電性等の
面での効果がなく、0.20%以上になると生産性の低下、
溶接金属の靱性低下を来すので望ましくない。なお、Cu
等のメッキを施すとジュール発熱が抑えられ、溶着速度
が低下するので、小脚長溶接上好ましい。
また、ワイヤ径も何ら制限を受けないが、小脚長溶接
性上、1.0、1.2mmφが望ましい。
性上、1.0、1.2mmφが望ましい。
更に、シールドガスとしては、CO2及びAr−CO2混合ガ
ス等のいずれも使用可能である。
ス等のいずれも使用可能である。
また、適用鋼種としては、本発明では軟鋼及び高張力
鋼を対象とするのが好適であるが、他の鋼種も適用可能
なことは勿論である。特に本発明は薄板の小脚長溶接に
好適であり、全姿勢溶接も可能である。
鋼を対象とするのが好適であるが、他の鋼種も適用可能
なことは勿論である。特に本発明は薄板の小脚長溶接に
好適であり、全姿勢溶接も可能である。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 第1表及び第2表に示す種々の成分含有率を有するフ
ラックス入りワイヤ(ワイヤ径:1.2mmφ、外皮金属:軟
鋼、ワイヤ断面形状:第6図(A)の形状)を作製し、
以下の溶接条件にて軟鋼母材(板厚:6mm)にガスシール
ドアーク溶接を行った。臨界電流及び溶接作業性を評価
した結果を第3表及び第4表に示す。
ラックス入りワイヤ(ワイヤ径:1.2mmφ、外皮金属:軟
鋼、ワイヤ断面形状:第6図(A)の形状)を作製し、
以下の溶接条件にて軟鋼母材(板厚:6mm)にガスシール
ドアーク溶接を行った。臨界電流及び溶接作業性を評価
した結果を第3表及び第4表に示す。
〈溶接条件〉 溶接電流:200A→100A アーク電圧:適正値 溶接速度:50cm/min シールドガス:100%CO2 (流量:20l/min) チップ・母材間距離:15mm 姿勢:水平すみ肉(前進角、後退角=0°) 極性:DCEP 第3表及び第4表に示すように、本発明例はいずれも
臨界電流が低く、小脚長溶接性に優れており、ワイヤ製
造時にも問題がなかった。
臨界電流が低く、小脚長溶接性に優れており、ワイヤ製
造時にも問題がなかった。
一方、本発明範囲外の条件による比較例は、臨界電流
が低くなく、或いは作業性等が劣っていた。
が低くなく、或いは作業性等が劣っていた。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、ガスシールド
アーク溶接フラックス入りワイヤにおいて、フラックス
におけるTiO2、C、ZrO2等々の量、及びスラグ形成剤で
あるTiO2とSiO2とZrO2の合計量とFe量との比、並びに
(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比をそれぞれ規定
したので、臨界電流を下げることができ、したがって、
低電流域でのアーク安定性が良好であり、小脚長溶接を
容易に実施することが可能となる。
アーク溶接フラックス入りワイヤにおいて、フラックス
におけるTiO2、C、ZrO2等々の量、及びスラグ形成剤で
あるTiO2とSiO2とZrO2の合計量とFe量との比、並びに
(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比をそれぞれ規定
したので、臨界電流を下げることができ、したがって、
低電流域でのアーク安定性が良好であり、小脚長溶接を
容易に実施することが可能となる。
第1図はC量と臨界電流の関係を示す図、 第2図及び第3図はフラックス入りワイヤを用いて溶接
した場合のアーク発生部を高速度カメラで観察したとき
の模式図、 第4図はスラグ形成剤(TiO2+SiO2+ZrO2)とFe量の比
が臨界電流に及ぼす影響を示す図、 第5図は(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比と臨界
電流の関係を示す図、 第6図(A)〜(D)は種々のワイヤ断面形状を示す図
である。 1……フラックス入りワイヤ、2……外皮金属、3……
溶滴、4……母材、5……内包フラックス、6……爆発
した溶滴、7……アーク、8……溶滴表面からの蒸発に
よる引き上げ力。
した場合のアーク発生部を高速度カメラで観察したとき
の模式図、 第4図はスラグ形成剤(TiO2+SiO2+ZrO2)とFe量の比
が臨界電流に及ぼす影響を示す図、 第5図は(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)の比と臨界
電流の関係を示す図、 第6図(A)〜(D)は種々のワイヤ断面形状を示す図
である。 1……フラックス入りワイヤ、2……外皮金属、3……
溶滴、4……母材、5……内包フラックス、6……爆発
した溶滴、7……アーク、8……溶滴表面からの蒸発に
よる引き上げ力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細井 宏一 神奈川県鎌倉市手広731―1 西ヶ谷神鋼 寮 (56)参考文献 特開 昭61−286089(JP,A) 特公 昭61−25470(JP,B2) 特公 昭61−9917(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】外皮金属で囲まれた腔部にフラックスを充
填してなるフラックス入りワイヤであって、該フラック
スは、ワイヤ全重量当たり、TiO2:8〜16%、C:0.04〜0.
2%、ZrO2:0.10〜2.0%、SiO2:0.2〜3.0%、アーク安定
剤:0.02〜1.4%、脱酸剤:2.0〜9.0%及びFe:1.5〜6.0%
を、 (TiO2+SiO2+ZrO2)/Fe=3.5〜7 となるように含有すると共に、(外皮断面積)/(ワイ
ヤ断面積)の比が0.60〜0.80であることを特徴とするガ
スシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5709689A JPH0832373B2 (ja) | 1989-03-09 | 1989-03-09 | ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5709689A JPH0832373B2 (ja) | 1989-03-09 | 1989-03-09 | ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02235595A JPH02235595A (ja) | 1990-09-18 |
| JPH0832373B2 true JPH0832373B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=13045975
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5709689A Expired - Lifetime JPH0832373B2 (ja) | 1989-03-09 | 1989-03-09 | ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0832373B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9950394B2 (en) * | 2012-03-12 | 2018-04-24 | Hobart Brothers Company | Systems and methods for welding electrodes |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6125470B2 (ja) | 2010-06-25 | 2017-05-10 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung | 重合性化合物および液晶ディスプレイにおけるそれらの使用 |
-
1989
- 1989-03-09 JP JP5709689A patent/JPH0832373B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6125470B2 (ja) | 2010-06-25 | 2017-05-10 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung | 重合性化合物および液晶ディスプレイにおけるそれらの使用 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02235595A (ja) | 1990-09-18 |
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