JPH08325390A - ポリカーボネートフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートフィルムの製造方法

Info

Publication number
JPH08325390A
JPH08325390A JP13505295A JP13505295A JPH08325390A JP H08325390 A JPH08325390 A JP H08325390A JP 13505295 A JP13505295 A JP 13505295A JP 13505295 A JP13505295 A JP 13505295A JP H08325390 A JPH08325390 A JP H08325390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polycarbonate
weight
drying
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13505295A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Sasaki
毅 佐々木
Aritami Yonemura
有民 米村
Hideaki Nitta
英昭 新田
Kaoru Iwata
薫 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP13505295A priority Critical patent/JPH08325390A/ja
Publication of JPH08325390A publication Critical patent/JPH08325390A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、表面性、透明性、光学均質性に優
れたポリカーボネートフイルムを得ることを目的とす
る。 【構成】 本発明は、1,3―ジオキソランを60重量
%以上含有する溶媒65〜90重量部に、10〜35重
量部のポリカーボネート樹脂を溶解させたドープを支持
基板上に流延してフイルムを製造するに際し、フイルム
を乾燥する工程の少なくとも一部をマイクロ波加熱によ
り行うことを特徴とするポリカーボネートフイルムの製
造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非ハロゲン系溶媒を用
いたポリカーボネートフイルムの製膜法に関するもので
ある。さらに詳しくは、環境汚染を引き起こさない非ハ
ロゲン系溶媒である1,3−ジオキソランを主体とする
ポリカーボネート溶液組成物から、表面性、透明性、光
学均質性に優れる光学用途に適したポリカーボネートフ
イルムを生産性良く製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートフイルムは包装用途、
光学装置、表示装置その他各種産業用途に使用されてい
るが、最近液晶表示装置など光電子装置において位相差
板、偏光板、プラスチック基板等の材料として注目さ
れ、その実用化が進められている。とりわけ、近年の液
晶ディスプレーなかでも、進歩が著しいSTN型液晶デ
ィスプレー素子においては画像の視認性を向上させるた
めに液晶層と偏光板との間で使用する位相差フイルムと
して注目される。
【0003】この位相差フイルムは、液晶層を透過した
楕円偏光を直線偏光に変換する役割を担っている。そし
て、その材質は主としてビスフェノール−Aからなるポ
リカーボネートの一軸延伸フイルムが用いられている。
その理由は、(1)透明性が高い(2)屈折率異方性を
制御することが比較的容易である(3)耐熱性が比較的
高い(4)均質性が高いなど相違差板に要求される性質
が優れているからである。
【0004】このような、フイルムの製造にはその均一
性を維持するため溶融押出し成形ではなく、溶液状態か
らの塗膜を乾燥させるキャスト法が使用される。この溶
液(ドープ)を作成する場合、これまでポリカーボネー
トに対しては、主として塩化メチレン等のハロゲン化炭
化水素が溶媒として頻度高く使われている。しかしなが
ら、これらの溶媒は、ハロゲンを含有しているため環境
汚染の影響が問題視され、かつ発ガン性の疑いがあるた
め近年その使用を抑制する動きにある。しかもハロゲン
系溶媒は、空気中の水分と反応して塩化水素で代表され
るハロゲン化水素の副生が起こり、設備の腐食、あるい
は作業環境の劣化等の問題がある。このような観点から
塩化メチレン以外の、非ハロゲン系溶媒を用いた製膜法
が求められていた。
【0005】一方、ハロゲン元素を含有しない溶媒、テ
トラヒドロフランにポリカーボネートを溶解させドープ
を作成することも可能で、これを適当な支持体に塗布、
溶媒の蒸発乾燥で、ポリカーボネートの薄膜を得る方法
が考えられる。しかしながら、テトラヒドロフランはポ
リカーボネートの溶媒として良好とは言えず、例えば、
ポリカーボネートのテトラヒドロフラン溶液の場合、ポ
リカーボネート樹脂濃度が10重量%を越すと、ポリカ
ーボネートの分子量に依存する傾向があるものの、ドー
プを調製した後、時間と共に、該ドープがゲル状態に変
化し、まず見かけの溶液粘度の上昇が認められ、にごり
の発生と共に、完全白濁状態のゲルとなり、最終的には
流動性が欠落する状態となるので、ドープとして実用上
に大きな問題がある。またテトラヒドロフラン溶液をキ
ャストした膜厚の大きいフイルムは乾燥途中で特に白濁
が発生し易い。
【0006】このような問題に対して、これに代わる溶
媒として、特開平2−227456号公報では、ジオキ
サンを用いることが提唱されている。しかしながら、ジ
オキサンは1,4−の位置にエーテル結合を有する環状
エーテルであるため、その極性が、分子内部で相互に打
ち消し合うので、ポリカーボネートのような極性の高分
子を溶解する能力に限界があると判断でき、実際、ポリ
カーボネート20重量%以上の濃度では、溶解しない状
態になることが多い。また、シクロヘキサノン、ジクロ
ルエタン等の他の溶媒も安定性が低く好ましくない。
【0007】このような問題に対して検討の結果、本発
明者らは先に、ドープを支持体上に流延し、これを加熱
して溶剤を蒸発させフイルムを製造するに際し、1,3
−ジオキソランを60重量%以上含有する溶媒30〜3
00重量部に対し、10重量部のポリカーボネート樹脂
を溶解させたドープを使用することを特徴とするポリカ
ーボネートフイルムの製造方法を提案している。本発明
者らはこの1,3−ジオキソランを溶媒とするポリカー
ボネートフイルムの溶液流延法についてさらに詳しく検
討を行ったところ、1,3−ジオキソラン特有の性質に
基づく新たなフイルムの乾燥方法を見い出した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1,3−ジ
オキソラン溶液を使用し、光学等方性、透明性等に優れ
光学用途に適したポリカーボネートフイルムを製造する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】一般に、フイルムを乾燥
する手段としては、熱風加熱、赤外線加熱等が用いられ
ている。それ以外にマイクロ波加熱も提案されている。
マイクロ波加熱の原理は、被加熱体に含まれる双極子を
マイクロ波により揺さぶることに基づく。従って、マイ
クロ波の吸収効率は双極子モーメントの大きさと分子が
マイクロ波の周期に追随して運動するしやすさに依存す
る。水はその両者を満足する典型的な物質であり、いわ
ゆる電子レンジとして実用化され、工業的にも水を含む
製品の乾燥に用いられている。
【0010】しかしながら、一般の有機物質には、必ず
しも有効とは限らない。例えば、1,4−ジオキサンで
は先にも述べたように分子内部で双極子モーメントが打
ち消されるため、マイクロ波による加熱の効果に乏し
い。本発明者らは、1,3−ジオキソランが分子内に陰
性原子である酸素原子を2個有し、かつ分子構造が非対
称であるために、その2個の酸素原子が関与する双極子
が打ち消し合わないことに着目した。
【0011】すなわち、大きい双極子モーメントが期待
できる点に着目し、前記ポリカーボネートの1,3−ジ
オキソラン溶液を用いたキャストフイルムの乾燥に適用
した。その結果、キャストフイルム内部からの溶媒蒸散
を効率的に行うことができ、残留溶媒の少ない、また発
泡や柚子肌のない均質なフイルムが得られることを見い
だした。
【0012】すなわち本発明は、1,3−ジオキソラン
を60重量%以上含有する溶媒65〜90重量部に、1
0〜35重量部のポリカーボネート樹脂を溶解させたド
ープを支持基板上に流延した後、乾燥させフイルムを製
造するに際し、乾燥工程の少なくとも一部をマイクロ波
加熱により行うことを特徴とするポリカーボネートフイ
ルムの製造方法である。
【0013】本発明において、ポリカーボネートの溶解
に使用する溶媒としては、1,3−ジオキソラン単独溶
媒または混合溶媒である。混合溶媒の場合は60重量%
以上、好ましくは80重量%以上が1,3−ジオキソラ
ンであることが望ましく、60重量%未満になるとジオ
キソラン特有の性能を発揮せず好ましくない。
【0014】40重量%以下の量で共存する溶媒として
は、例えば、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランお
よびジオキサンから選ばれる少なくとも一種の有機溶媒
であれば、本発明のキャストフイルム用の安定なポリカ
ーボネートドープを作成することができる。これらの添
加量や種類は、例えばキャスト成形物表面の平滑性の向
上(レベリング効果)、蒸発速度や系の粘度調節などそ
の溶媒の添加目的およびその効果により決定することが
できる。
【0015】本発明においてジオキソランと混合して使
用する溶媒として、場合により塩化メチレンやジクロロ
エタンその他のハロゲン系溶媒も前記の範囲で使用する
ことも可能である。
【0016】本発明で使用するポリカーボネート樹脂に
ついて特に制約はない。希望するフイルムの諸特性が得
られるポリカーボネートであれば特に制約はない。一般
に、ポリカーボネートと総称される高分子材料は、その
合成手法において重縮合反応が用いられて、主鎖が炭酸
結合で結ばれているものを総称するが、これらの内で
も、一般に、フェノール誘導体と、ホスゲン、ジフェニ
ルカーボネート等からの重縮合で得られるものを意味す
る。通常、ビスフェノール−Aと呼称されている2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェ
ノール成分とする下記繰り返し単位で表わされるポリカ
ーボネートが好ましく選ばれるが、適宜各種ビスフェノ
ール誘導体を選択することで、ポリカーボネート共重合
体を構成することができる。
【0017】
【化1】
【0018】かかる共重合成分としてこのビスフェノー
ル−A以外に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニ
ルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルフォン等を挙げることができ
る。
【0019】また一部にテレフタル酸および/またはイ
ソフタル酸成分を含むポリエステルカーボネートを使用
することも可能である。このような構成単位をビスフェ
ノール−Aからなるポリカーボネートの構成成分の一部
に使用することによりポリカーボネートの性質、例えば
耐熱性、溶解性を改良することができる。
【0020】かかる共重合成分の割合は、ポリカーボネ
ート共重合体の全繰り返し単位中2〜20モル%である
ことが好ましい。さらに好ましくは5〜10モル%であ
る。
【0021】ここで用いられるポリカーボネート樹脂の
粘度平均分子量は、10,000以上200,000以
下であれば、好適に用いられる。20,000〜12
0,000が特に好ましい。粘度平均分子量が10,0
00より低いと得られるフイルムの機械的強度が不足す
る場合があり、また200,000以上の高分子量にな
るとドープの粘度が大きくなり過ぎ取扱い上問題を生じ
るので好ましくない。
【0022】なお粘度平均分子量は、ポリカーボネート
の塩化メチレン溶液中で求めた固有粘度を、マーク−ホ
ウインク−桜田(Mark−Houwink−Saku
rada)の式に代入して計算した。この際の各種係数
は、例えば、ポリマーハンドブック 第3改訂版ウイリ
ー者(1989年)(Polymer Handboo
k 3rd Ed.Willey、1989)の7〜2
3ページに記載されている。
【0023】一般にドープから透明かつ平滑なフイルム
を成膜するにあたり溶液粘度は重要な因子である。溶液
粘度は樹脂濃度、分子量および溶媒の種類に依存する
が、本発明のポリカーボネート溶液の粘度は、500〜
50,000cps、好ましくは1,000〜40,0
00cpsである。これを越えると溶液の流動性が下が
るため平滑なフイルムが得られない。また、これ未満で
は流動性が高すぎ、外部擾乱のため表面の乱れが生じ、
均質、平滑なフイルムが得られない。
【0024】本発明の溶液濃度はポリカーボネートの分
子量にも依存するが一般には溶媒65〜90重量部に対
して10〜35重量部のポリカーボネート樹脂を溶解さ
せたドープすなわち、10〜35重量%、好ましくは1
2〜30重量%の範囲のドープが用いられる。それを越
えると溶液安定性が低下したり、溶液粘度が高くなりす
ぎて、均一な膜を得ることが困難になるため好ましくな
い。また、それ未満では実効濃度が低下するばかりかキ
ャスト工程で外部擾乱による影響を受けやすく、そのた
めに表面均一性が低下して好ましくない。
【0025】本発明においてポリカーボネート溶液を支
持基板上に流延した後、溶媒を蒸発・乾燥させることに
よりフイルムを得る。工業的連続製膜工程は一般にキャ
スト(溶延)工程、前乾燥工程、後乾燥工程の3工程か
らなることが好ましい。キャスト工程は溶液を支持基板
上に平滑に流延する工程であり、前乾燥工程は流延した
ドープから大部分の溶媒を蒸発除去し、支持基板上から
フイルムを剥離するまでの工程であり、後乾燥工程は残
りの溶媒を除去する工程である。
【0026】キャスト工程では、ダイから押し出す方
法、ドクターブレードによる方法、リバースロールコー
ターによる方法等が用いられる。工業的にはダイから溶
液をベルト状もしくはドラム状の支持基板に連続的に押
し出す方法が最も一般的である。用いられる支持基板と
しては特に限定はないが、ガラス基板、ステンレスやフ
ェロタイプなどの金属基板、ポリエチレンテレフタレー
ト等のプラスチック基板等が用いられる。しかし、本発
明の主眼となる高度に光学等方性、均一性の優れたフイ
ルムを製膜するには鏡面仕上げした金属基板が最も一般
的に用いられる。
【0027】本発明のキャスト時の温度は、10〜60
℃、好ましくは15〜40℃の範囲で行われる。平滑性
の優れたフイルムを得るためにはダイから押し出された
溶液が支持基板上で流延・平滑化する必要がある。この
際キャスト温度が高すぎると平滑になる前に表面が乾燥
・固化が起きるため好ましくない。また、温度が低すぎ
ると、流延溶液が冷却されて粘度が上昇し、平滑性が得
にくいばかりか結露するために好ましくない。
【0028】先に述べたように、本発明において、溶媒
を蒸発させフイルムを乾燥させる乾燥工程は前乾燥工程
と後乾燥工程に分けて実施されることが好ましいが、本
発明においてはマイクロ波加熱は前乾燥、後乾燥工程の
全てに用いてもよいし、その一部に用いてもよい。さら
に、熱風加熱、赤外線加熱等と併用してもよい。
【0029】本発明において用いられるマイクロ波加熱
装置の周波数は、理想的には1,3−ジオキソランとポ
リカーボネートの両者の分子が運動しやすい周波数を選
ぶのがよい。しかしながら、一般には電波法による制約
や、マイクロ波電子管の制約により、2,450MHz
の周波数の加熱装置が一般的である。但し、他の通信な
どの妨害を与えなければ、915MHzも用いることが
できる。本発明においては、かかる事情から周波数2,
450MHzおよび915MHzが好適に用いられる。
【0030】前乾燥工程は、出来るだけ短時間に支持基
板上に流延されたドープから大部分の溶媒を蒸発除去す
る必要がある。しかしながら、急激な蒸発が起こると発
泡による変形を受けるために、乾燥条件は慎重に選択す
べきである。本発明におけるマイクロ波による乾燥は、
装置形状、支持基板の種類によって乾燥効率等が変わる
ため、マイクロ波強度は、発泡、柚子肌、波打ちなどを
勘案して適宜選べばよい。
【0031】また、通常の加熱乾燥を行う場合には、3
0〜130℃、好ましくは40〜120℃の範囲で乾燥
される。前乾燥工程において温度がこれよりも低いと乾
燥速度が著しく遅くなり、さらに、フイルムの透明性が
低下する場合もあり好ましくない。また、これよりも高
くなるとフイルムが発泡による変形を受けるなど好まし
くない変化を受ける。
【0032】マイクロ波乾燥においても加熱による乾燥
においても必要に応じて風を送ってもよい。その場合、
一般には風速20m/秒以下、好ましくは15m/秒以
下の範囲が用いられる。それを越えると風の擾乱のため
に平滑面が得られないために好ましくない。その際、乾
燥工程の初期段階では風速を押え、逐次的ないしは連続
的に風速を増す方法が好ましく用いられる。
【0033】一方、この段階ではフイルムは支持基板上
にあり、この工程の最後に基板から剥離される。その際
に残留溶媒量が高いとフイルムが柔らかいためにフイル
ム内でポリマーの流動変形が起きる。一般には、その残
留溶媒量は5〜25重量%、好適には10〜20重量%
の範囲が選択される。
【0034】後乾燥工程においては、基板から剥離した
フイルムを更に乾燥し、残留溶媒量を3重量%以下、好
ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%
以下にする必要がある。残留溶媒が多いと経時的に変形
が起こったり、後加工工程で熱が加わると寸法変化、い
わゆる熱収縮が起こるためである。一般に後乾燥工程
は、工業的にはピンテンター方式やロール懸垂方式でフ
イルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。しか
し、これらの方法は乾燥途中でフイルムに様々な力が加
わるため、液晶表示装置用途等の光学的に高度な均質性
が求められるフイルムの製膜では、マイクロ波強度ある
いは乾燥温度はフイルムの変形が生じない範囲から選択
しなくてはならない。
【0035】通常の加熱乾燥において乾燥温度は、用い
るポリカーボネートのガラス転移温度をTg(℃)とし
た場合、(Tg−120℃)〜Tg、好ましくは(Tg
−100℃)〜(Tg−10℃)の温度範囲が選ばれ
る。それ以上ではフイルムの熱変形が起こり好ましくな
く、それ以下では乾燥速度が著しく遅くなるために好ま
しくない。熱変形は残留溶媒が少なくなるにつれて起き
にくくなるため、マイクロ波加熱による場合、初期はそ
の強度を低くして段階的に強度を高くしていく方法が好
ましい。また通常の加熱乾燥においても該温度範囲内で
初期に低温で、その後段階的ないしは連続的に昇温する
方法をとることが望ましい。また後乾燥工程においても
前乾燥工程と同様に送風してもよい。
【0036】本発明のフイルムの膜厚は、溶液製膜法の
特徴を活かせる範囲であれば特に制約はないが、通常キ
ャスト法が有利に実施できるのは、その膜厚500μm
以下、好ましくは200μm以下である。但し、多段キ
ャスト法やラミネート法等の活用により所望の大きい膜
厚の製品を得ることは可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、1,3−ジオキソラン
を主溶媒として用いるポリカーボネートの溶液組成物か
ら溶液流延法により、表面性、透明性、光学均質性に優
れたポリカーボネートフイルムを得ることができる。
【0038】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳述する。但
し、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】実施例中の物性は以下の方法で測定した。
【0040】溶液粘度:東京計器(株)B型粘度計BH
型を使用し25℃で測定した。
【0041】光線透過率およびヘイズ値:日本電色工業
(株)製自動デジタルヘイズメーター(UDH−20
D)を使用した。
【0042】リターデーション:神崎製紙(株)製自動
複屈折計(KOBRA−21AD)を使用し590nm
の可視光における複屈折値を測定した。
【0043】残存溶媒量:試料を150℃で16時間乾
燥し前後の重量測定から求めた。
【0044】フイルム膜厚:アンリツ(株)製触針式膜
厚計を使用した。
【0045】[実施例1]ビスフェノール−A由来のポ
リカーボネート[帝人化成(株)製パンライトC−14
00(粘度平均分子量3.7×104 )(Tg156
℃)]を50℃に加熱した1,3−ジオキソランに攪拌
下少しづつ加え、20重量%の透明なドープを得た。こ
のドープの粘度は2.7×103 cpsであった。
【0046】該ドープをドクターブレードを用いてガラ
ス基板上にキャストし、2,450MHz、マイクロ波
加熱装置内で300Wで3分、500Wで5分間乾燥し
た。得られたフイルムの残留溶媒量は11.0重量%で
あった。
【0047】このフイルムをガラス基板から剥離後さら
に、100℃/5分→130℃/15分→150℃/2
0分という条件で熱処理を行った。
【0048】かくして得られたフイルムは発泡、柚子
肌、波打ち現象がなく厚みは100±1.2μmであ
り、極めて表面性が良好であった。また、残留溶媒量は
0.2重量%と微量であった。
【0049】このフイルムの可視光領域における透過率
は90.3%であり、ヘイズ値は0.4%で透明性が非
常に優れていた。また、波長590nmにおける位相差
(リターデーション、Re=Δn・d、Δnは複屈折
率、dは厚み(μm))を求めたところ8nmであり、
極めて等方性が高かった。
【0050】[実施例2〜6]表1に示す各種組成のド
ープを用いて、実施例1と同条件でフイルムの製造を行
い、得られたフイルムについて物性の評価を行った。結
果を表2に示す。
【0051】表中、Bis−Aは、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、Bis−Zは1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、Bi
s−FLは、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレンを示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 C08L 69:00 (72)発明者 岩田 薫 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3−ジオキソランを60重量%以上
    含有する溶媒65〜90重量部に、10〜35重量部の
    ポリカーボネート樹脂を溶解させたドープを支持基板上
    に流延した後、乾燥させフイルムを製造するに際し、乾
    燥工程の少なくとも一部をマイクロ波加熱により行うこ
    とを特徴とするポリカーボネートフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒の他の成分が、シクロヘキサン、テ
    トラヒドロフランおよびジオキサンからなる群より選ば
    れた少なくとも一種である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 乾燥工程が、前乾燥工程および後乾燥工
    程からなる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前乾燥工程をマイクロ波加熱により、フ
    イルム中の残留溶媒量が5〜25重量%になるまで行っ
    た後、フイルムを支持基板から剥離し、後乾燥を行うこ
    とを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノー
    ルAからの繰り返し単位からなるポリカーボネートであ
    る請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノー
    ルAからの繰り返し単位80〜98モル%、1,1−ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、9,9
    −ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび
    1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
    −トリメチルシクロヘキサンからなる群より選ばれた少
    なくとも一種の共重合成分からの繰り返し単位2〜20
    モル%からなるポリカーボネート共重合体である請求項
    1記載の方法。
JP13505295A 1995-06-01 1995-06-01 ポリカーボネートフィルムの製造方法 Pending JPH08325390A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13505295A JPH08325390A (ja) 1995-06-01 1995-06-01 ポリカーボネートフィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13505295A JPH08325390A (ja) 1995-06-01 1995-06-01 ポリカーボネートフィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08325390A true JPH08325390A (ja) 1996-12-10

Family

ID=15142804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13505295A Pending JPH08325390A (ja) 1995-06-01 1995-06-01 ポリカーボネートフィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08325390A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004099754A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Teijin Ltd 光学用フィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004099754A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Teijin Ltd 光学用フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0177850B1 (ko) 광학용 폴리카르보네이트 필름 및 이의 제조방법
US5645766A (en) Film of aromatic polyethersulfone process for the production thereof and solution composition for the production thereof
JP4242602B2 (ja) 位相差フィルム
US5611985A (en) Method of manufacturing a polysulfone resin film and a retardation film
JP3443202B2 (ja) ポリアリレート系樹脂溶液組成物およびフィルムの製造方法
KR0133290B1 (ko) 복굴절 투명필름 및 이의 제조방법
JPH04301415A (ja) 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シート及びその製造方法
JP2991937B2 (ja) 芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物およびフィルムの製造方法
JP2001318224A (ja) 位相差フィルム
JPH08325390A (ja) ポリカーボネートフィルムの製造方法
JPH08302162A (ja) ポリアリレート系樹脂溶液組成物およびフィルムの製造方法
JP3547853B2 (ja) 芳香族ポリエーテルスルホンのフイルム、その製造法およびその製造のための溶液組成物
JP3062014B2 (ja) 光学用ポリカーボネートフィルムおよびその製造方法
JP3403851B2 (ja) 芳香族ポリカ−ボネ−ト溶液組成物およびフィルムの製造方法
JPH08318538A (ja) 芳香族ポリエーテルスルホンの光学等方性フィルムの製造方法
JP2001055455A (ja) 透明フィルム
JP3014581B2 (ja) 位相差フィルムの製造方法
JPH08269214A (ja) 光学等方性ポリアリレート系フィルムの製造方法
EP0735079B1 (en) Film of aromatic polyethersulfone, process for the production thereof, and solution composition for the production thereof
JP2873342B2 (ja) 位相差膜状物
JP2002357813A (ja) 液晶ディスプレー用プラスチックフィルム
JP3262938B2 (ja) 位相差フィルム
KR100249926B1 (ko) 방향족 폴리에테르술폰 필름 및 그의 제조방법
JP2006184368A (ja) 光学用ポリエステルフィルム
JPH09169901A (ja) ポリカーボネート系樹脂溶液組成物およびフィルムの製造方法