JPH08325604A - 粉末冶金用添加剤および粉末冶金用混合粉末 - Google Patents

粉末冶金用添加剤および粉末冶金用混合粉末

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JPH08325604A
JPH08325604A JP13431495A JP13431495A JPH08325604A JP H08325604 A JPH08325604 A JP H08325604A JP 13431495 A JP13431495 A JP 13431495A JP 13431495 A JP13431495 A JP 13431495A JP H08325604 A JPH08325604 A JP H08325604A
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JP
Japan
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powder
fatty acid
powder metallurgy
additive
mixed
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Application number
JP13431495A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kagawa
晶彦 香川
Kazuhisa Fujisawa
和久 藤沢
Masaki Kojima
昌樹 小島
Masakazu Okumura
昌和 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Fine Chemical Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Nippon Fine Chemical Co Ltd
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粉末冶金用原料粉末に配合して使用される添
加剤であって、(a1 )酸成分が炭素数10〜22の脂
肪酸であるペンタエリスリトールのジ、トリまたはテト
ラ脂肪酸エステルの少なくとも1種、および/または、
(a2 )酸成分が炭素数10〜22の脂肪酸であるエチ
レングリコールの脂肪酸ジエステルと、(b)炭化水素
系ワックスおよび/または複合系ワックスよりなる粉末
とを必須成分として含有する粉末冶金用添加剤、並びに
この添加剤を配合することにより改質された粉末冶金用
混合粉末を開示する。 【効果】 ベースとなる金属粉末の物性を阻害すること
なく、従来の潤滑剤に指摘される諸問題を解決し、搬送
時の付着を防止すると共に、合金元素や黒鉛粉末等の偏
析防止や粉末取扱い時の発塵防止を果たすことができ、
更には成形時には優れた潤滑性を発揮する粉末冶金用混
合粉末、およびその様な粉末冶金用混合粉末を得るため
の有効な添加剤を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末冶金用添加剤およ
び該添加剤を改質剤として配合した粉末冶金用混合粉末
に関し、たとえば鉄粉や鋼粉等の粉末冶金用金属粉末、
あるいはこれに物性改善成分として合金元素や黒鉛等の
混合された混合粉末の特性などを阻害することなく、該
粉末取り扱い時の発塵等の問題を改善すると共に、搬送
時の搬送性や圧粉成形時の潤滑性を改善して粉末冶金製
品の品質を高めることのできる改質用の添加剤、更には
該添加剤を配合することによって改質された粉末冶金用
混合粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄粉や鋼粉等の金属粉末を用いた粉末冶
金においては、焼結体の物性(強度特性や加工性等)を
改善するために、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、
マンガンあるいは合金や、黒鉛、リン、硫黄等の無機成
分(本明細書では一括して、物性改善成分ということが
ある)の粉末、更には潤滑剤粉末としてステアリン酸亜
鉛やエチレンビスステアリルアミド等を配合することが
多い。
【0003】この場合、ベースとなる金属粉末と上記物
性改善成分粉末の粒子サイズや比重等はかなり違ってい
るのが普通であり、例えばベース金属粉末が鉄粉や鋼粉
であり物性改善成分粉末が黒鉛やリン等である場合の比
重差は極端に大きくなるため、混合後成形までの取扱い
中にこれらが偏析を起こし易く、圧粉成形・焼結体の特
性や均質性を悪くすることがしばしば経験される。
【0004】また潤滑剤粉末としてステアリン酸亜鉛等
の金属石鹸を使用した場合は、焼結炉の汚れを引き起こ
すことが知られており、またエチレンビスステアリルア
ミド等のワックスを潤滑剤として使用すると、粉末冶金
用混合粉末としての見掛密度や流動性が低下して、成形
型内へ供給する際の充填性が低下したり、更には搬送装
置への付着が生じる等の問題を引き起こす。
【0005】一方、比重差などに起因する偏析の防止手
段としては、例えば特公平2−10201号や特公平5
−276821号に開示されている如く、有機質のバイ
ンダーを用いて鉄・鋼粉末等に黒鉛粉末等を付着させる
方法が提案されている。
【0006】しかしながら、上記公報に開示された有機
質バインダーは親水性であるため、保存時に吸湿して流
動性を低下させたりベース金属粉末の発錆を促すという
問題があり、圧粉成形・焼結体の品質を却って悪化させ
ることがある。またこの種の有機バインダーは、金属粉
末と物性改善成分の結合力を高めるよりも金属粉末同士
の結合力を高める作用の方が強く、黒鉛等に対する偏析
防止には期待されるほどの効果が発揮されないため、満
足のいく偏析防止効果を得るには大量のバインダーを配
合しなければならず、その結果金属粉末同士の結合(塊
状化)が一層著しくなるため、混合・乾燥後の再粉砕や
篩工程が不可欠となる。また上記の様な有機バインダー
を用いた場合でも、型内への充填時や圧粉成形時に必要
な流れを確保するには、先に示した様な潤滑剤の併用が
殆んど不可欠であり、潤滑剤の使用に伴う前述の様な問
題も依然として残ってくる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、ベー
ス金属粉末の変質や流動性低下、あるいはベース金属粉
末同士の凝集といった問題を生ずることなく、しかも従
来の潤滑剤に指摘される諸問題を解決し、特に搬送時に
おける粉末同士の付着(塊状化)を防止し、更には成形
型への充填時や圧粉成形時における潤滑性を改善すると
共に、黒鉛等の分散不良や偏析を効果的に防止すること
ができ、また粉末冶金用粉末としての取扱い時の粉塵発
生を抑制することのできる粉末冶金用添加剤を開発しよ
うとするものであり、ひいてはこの様な添加剤の配合に
より改質された粉末冶金用混合粉末を提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明に係る粉末冶金用添加剤の構成は、粉末冶金用原料粉
末に配合して使用される添加剤であって、(a1 )酸成
分が炭素数10〜22の脂肪酸であるペンタエリスリト
ールのジ、トリまたはテトラ脂肪酸エステルの少なくと
も1種と、および/または(a2 )酸成分が炭素数10
〜22の脂肪酸であるエチレングリコールの脂肪酸ジエ
ステルと、(b)炭化水素系ワックスおよび/または複
合系ワックスの粉末とを必須成分として含有するところ
に要旨を有するものである。尚上記で使用される炭化水
素系ワックスおよび/または複合系ワックスの粉末は、
平均粒径が80μm以下であるものが好ましい。
【0009】更に本発明においては、上記各成分(a
1 )および/または(a2 )と成分(b)に加えて、
(c)ヨウ素価が100以下で、且つ100°Fにおけ
る粘度が50cST以下である液状脂肪酸エステル、お
よび/または(d)ヨウ素価が15以下で、且つ100
°Fにおける粘度が50cST以下である液状脂肪酸を
含有させることによって、粉末冶金用添加剤としての改
質効果を一段と優れたものにすることができる。
【0010】そして、上記の粉末冶金用添加剤と粉末冶
金用金属粉末を混合したもの、とりわけ、上記粉末冶金
用添加剤中に含まれる前記液状脂肪酸エステル(c)お
よび/または前記液状脂肪酸(d)の量が、粉末冶金用
混合粉末全量中に占める比率で0.01〜0.2重量%
となる様に配合した混合粉末は、ベース金属粉末の変質
や流動性低下、あるいはベース金属粉末同士の凝集とい
った問題、あるいは搬送時における粉末同士の付着(塊
状化)といった問題などを生じることなく、成形型への
充填や圧粉成形に際しては優れた潤滑性を示し、優れた
成形性の下で均質且つ高品質の圧粉成形・焼結体を与え
る粉末冶金用混合粉末となる。
【0011】
【作用】本発明者らは、前述の様な従来技術の問題点を
改善するため、偏析防止や潤滑作用等を兼ね備えた新し
いタイプの添加剤を開発すべく鋭意研究を進めてきた。
その結果、上記の様に(a1 )酸成分が炭素数10〜2
2の脂肪酸であるペンタエリスリトールのジ、トリまた
はテトラ脂肪酸エステルの少なくとも1種および/また
は(a2 )酸成分が炭素数10〜22の脂肪酸であるエ
チレングリコールの脂肪酸ジエステルと、(b)炭化水
素系ワックスおよび/または複合系ワックスの粉末とを
必須成分として含む混合物を添加剤として使用すれば、
先に指摘した様な問題点が一挙に解消され、下記の様な
様々の特徴を兼備した粉末冶金用混合粉末が得られるこ
とを知った。
【0012】金属石鹸等の様に焼結炉の汚れを生じな
い。 従来の潤滑剤を配合した場合に比べて、混合粉末とし
ての見掛密度が高められる。 粉末冶金用混合粉末としての流動性が非常に良好とな
り、保存容器からの排出性や成形型内への充填性に優
れ、更にはスプリングフィーダー等による搬送性も極め
て良好である。 スプリングフィーダー等によって搬送する際における
装置への付着が起こらない。 粉末冶金用混合粉末として取り扱う際の搬送性や成形
時の潤滑性が良好であり、且つベース金属粉末の変質や
流動性低下といった問題を生じることもなく、前記物性
改善成分の偏析を効果的に抑えることができる。
【0013】本発明に係る上記の粉末冶金用添加剤の必
須成分である成分(a1 )および/または(a2 )は、
それらを含有させることによって、従来より潤滑剤とし
て汎用されている金属石鹸の使用によって生じる問題点
を生じさせることなく優れた潤滑性を与える作用を発揮
するものであり、(a1 )成分における酸成分としては
炭素数10〜22の脂肪酸が、また(a2 )成分として
は炭素数10〜22の脂肪酸が選択される。
【0014】これら脂肪酸の具体例としては、例えばト
リデカン酸、ミリスチン酸、パルミチル酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、あるいは
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等
の不飽和脂肪酸が挙げられ、これらの脂肪酸エステル
は、単独の脂肪酸用いたエステルであってもよく、ある
いは2種以上の脂肪酸を用いた混合エステルであっても
勿論構わない。
【0015】尚、脂肪酸エステル(a1 )の酸成分であ
る脂肪酸あるいは脂肪酸(a2 )の炭素数が上記範囲を
外れるものでは、流動性改善効果が悪化すると共に満足
な潤滑性改善効果が得られなくなる。上記脂肪酸の中で
も特に好ましいのは、炭素数が14〜20範囲である。
【0016】次に成分(b)として配合される炭化水素
系ワックスおよび/または複合系ワックスよりなる粉末
は、上記(a1 ),(a2 )成分の併用だけでは満足す
ることのできない潤滑作用を更に高める上で欠くことの
できない成分であり、その具体例としては、例えば天然
パラフィンワックス、モンタンワックス、カルナバワッ
クス等の天然ワックスや合成パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の
合成ワックス等;更には例えばメラミン−シアヌル酸付
加物等の複合系ワックスが挙げられ、これらも単独で使
用し得る他、必要により2種以上を併用することができ
る。これらのワックスは、混合粉末中へ万偏なく均一に
混合させる意味から、その平均粒径が80μm以下、よ
り好ましくは50μm以下のものを使用することが望ま
しい。
【0017】本発明に係る粉末冶金用添加剤の必須構成
成分は,以上の成分(a1 )および/または(a2 )と
成分(b)の2成分であり、それらの配合比率は特に限
定されないが、それらの相化的乃至相乗的作用効果をよ
り効果的に発揮させるには、粉末冶金用添加剤全量中に
占める夫々の成分の含有率で、成分(a1 )および/ま
たは(a2 )が0.01〜0.5重量%、より好ましく
は0.05〜0.4重量%、成分(b)が0.1〜1.
0重量%、より好ましくは0.2〜0.8重量%の範囲
である。
【0018】ところで本発明者らは、粉末冶金用混合粉
末の偏析防止や流動性改善するという観点から別途研究
を行なっており、その研究の一環として、先に特開平6
−93302号公報等に開示した様な粉末冶金用の液状
結合剤を提案した。即ち、前者の結合剤は、ヨウ素価が
100以下で、且つ100°Fにおける粘度が50cS
T以下の液状脂肪酸エステルからなる粉末冶金用結合剤
であり、後者は、ヨウ素価が15以下で、且つ100°
Fにおける粘度が50cST以下の液状脂肪酸からなる
粉末冶金用結合剤である。
【0019】これらの開示技術では、上記の様な特定の
粉末冶金用液状結合剤を、スチレンとブタンジエンをモ
ノマー成分とするスチレン系合成ゴム共重合体からなる
固体状結合剤や、エチレンとプロピレンをモノマー成分
とする共重合体からなる固体状結合剤を併用することに
よって、粉末冶金用混合粉末の潤滑性能を高めるもので
あるが、本発明者らがその後更に研究を重ねたところで
は、上記の様な固体状結合剤と液状結合剤を併用する
と、得られる粉末冶金用混合粉末の流動性がやや低下傾
向を示すことが確認された。しかも上記の様な結合剤を
使用した場合でも、実用に当たり十分な潤滑性を確保す
るには、更に他の潤滑剤として前述の如きステアリン酸
亜鉛やエチレンビスステアリルアミド等の潤滑剤を併用
する必要があり、その使用に伴って前述の問題点を生じ
る点で尚改善の余地を残していることが確認された。
【0020】ところが本発明者らが、今回発明した上記
成分(a1 )および/または(a2)と成分(c)を必
須成分として含む粉末冶金用添加剤に、上記の粉末冶金
用液状結合剤(液状脂肪酸エステルおよび液状脂肪酸)
を配合すると、上記各成分との相加的乃至相乗的作用効
果によって偏析防止効果や流動性が更に高められ、一段
と優れた性能の粉末冶金用混合粉末が得られることを知
った。
【0021】そこで本発明では、上記先願発明で規定す
る(c)ヨウ素価が100以下で、且つ100°Fにお
ける粘度が50cST以下である液状脂肪酸エステル、
および/または(d)ヨウ素価が15以下で、且つ10
0°Fにおける粘度が50cST以下である液状脂肪酸
を前記成分(a1 )および/または(a2 )や成分
(b)と共に併用し、それらの複合効果を有効に発揮さ
せることも極めて有効となる。
【0022】上記成分(c)として配合することのでき
る粉末冶金液状結合剤を構成する液状脂肪酸エステルと
しては、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等
の一価のアルコール類および(または)エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビタ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
トリメチロールプロパン等の多価アルコール類と高級脂
肪酸、例えばカプリル酸、カプロン酸、ペラルゴン酸、
吉草酸等の脱水反応によって生成する2種以上を混合し
て用いても良い。また2種以上の脂肪酸、またはアルコ
ールから得られる混合脂肪酸エステルを用いることも可
能である。
【0023】また、上記成分(d)として配合すること
のできる粉末冶金用液状結合剤を構成する液状脂肪酸と
しては、上記例示した高級脂肪酸の他、例えばカプロン
酸や吉草酸等の脂肪酸を用いることができる。
【0024】上記液状脂肪酸エステル(c)は、ヨウ素
価が100以下で、且つ100°Fにおける粘度が50
cST以下であることが必要であり、ヨウ素価が100
を超えるものでは、経時的な見掛粘度の減少や流動性の
悪化が顕著となり、また100°Fにおける粘度が50
cSTを超えるものでも、見掛粘度や流動性の低下傾向
が見られるので、何れも本発明の目的に添わなくなる。
【0025】また上記液状脂肪酸(d)は、ヨウ素価が
15以下で、且つ100°Fにおける粘度が50cST
以下であることが必要であり、ヨウ素価が15を超える
ものでは、やはり経時的な見掛粘度の減少と流動性の悪
化が顕著となり、また100°Fにおける粘度が50c
STを超えるものでは、上記液状脂肪酸エステルの場合
に記載したのと同じ問題が生じ、いずれも本発明の目的
に添わなくなる。
【0026】これら液状脂肪酸エステル(c)や液状脂
肪酸(d)の併用による改質効果を有効に発揮させるに
は、これらの配合量を、粉末冶金用添加剤中に占める比
率で1〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%
の範囲、粉末冶金用混合粉末全量中に占める比率で0.
01〜0.2重量%、より好ましくは0.02〜0.1
5重量%の範囲とするのがよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および作
用効果をより詳細に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の
趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施するこ
とも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲
に含まれる。
【0028】実施例 ベース金属粉末として鉄粉(神戸製鋼所製、商品名「ア
トメル300M」:粒径180μm以下)を使用し、市
販の銅粉および黒鉛粉末、およびヘキスト製のポリエチ
レンワックス(商品名:「セリダスト3620」)を用
いて、鉄粉:100重量部に対し銅粉:2重量部、黒鉛
粉末:0.8重量部、ポリエチレンワックス:0.5重
量部の比率で混合して粉末冶金用混合粉末を製造した。
【0029】これらの粉末原料を、図1(フロー図)に
示す如く、羽根付きミキサーによって高速撹拌しつつ、
後述する脂肪酸エステル溶液(8%トルエン溶液)を滴
下もしくは噴霧し、約5分間強撹拌した後、緩やかな撹
拌に切り替えて所定時間乾燥し溶媒を除去した。この乾
燥粉末を、粉体特性(黒鉛飛散率、見かけ密度、流動
度、圧粉密度および抜き圧等)測定用の試料とした。
尚、上記において脂肪酸エステル溶液は、固体の脂肪酸
エステルと液体トルエンを別々に添加してもよく、また
ポリエチレンワックスについては、トルエン分散液とし
て添加した場合でも、実質的に同様の乾燥粉末が得られ
ることを確認している。
【0030】黒鉛飛散率の測定は、図2に示す様なニュ
ークリポアフィルター1(網目12μm)を付した漏斗
状のガラス管2(内径:16mm、高さ:106mm)
を使用し、上記で得た試料粉末P(25g)を入れて下
方からN2 ガスを0.8リットル/分の速度で20分間
流し、次式により黒鉛飛散率を求めた。 黒鉛飛散率(%)=[1−N2 ガス流通後黒鉛量/N2
ガス流通前黒鉛量]×100 また、見かけ密度はJIS−Z2504に、また流動度
はJIS−Z2502に、夫々準拠して測定した。
【0031】一方圧粉密度は、JSPM標準1−64
(金属粉の圧縮性試験法)に準拠し、圧力:5t/cm
2 (490.3MPa)で直径:11.3mm、高さ:
10mmの成形体を作成して測定した。また抜出し圧
は、圧粉密度測定用成形体の抜出し荷重を金型接触面積
で除して求めた。
【0032】粉体の搬送性は、500kgの混合粉末を
強制的に連続搬送したときの搬送装置への付着量と搬送
量により評価した。流出性の測定は、図3に示す様な流
出性評価試験機(図中、3は充填容器、4はシャッタ
ー、4aは穴、5は穴径変更板、5a,5b,……は通
過穴を示す)を使用し、まずシャッター4を閉じて穴変
更板5における所定径の通過穴5a,5b,……が該充
填容器3の中心部にくる様に位置合わせした後、充填容
器3内に2kgの粉末を充填し、その状態で10分間保
持した後シャッター4をスライドして穴4aを充填容器
3下部の中心位置に合わせ、粉体が流出するか否かを観
察し、粉体が流出する最小の穴径により評価した。また
充填性の測定には、図4に示す様な金型充填性評価装置
(図中、6はエアシリンダー、7はロッド、8は上下面
の開放された粉末供給箱、9はキャビティー容器を夫々
示し、該キャビティー容器9には幅2mmのスリットが
形成されている)を使用し、粉末供給箱8内に試料粉末
700gを充填した後、エアシリンダー6を作動させて
該供給箱8を100mm/sの速度でキャビティー容器
9の上面に沿って水平に移動させ、この間に幅2mmの
スリット9a内へ流れ落ちる粉末の量(容積比率)によ
って充填性を評価した。
【0033】粉体特性(黒鉛飛散率、流動度および抜き
圧)の測定結果を表1に示す。尚表1において、実施例
1、2、3、4および比較例1では、脂肪酸エステルと
してペンタエリスリトールのステアリン酸のジエステ
ル、トリエステル、ステアリン酸、ベヘン酸およびペラ
ルゴン酸のテトラエステルを、また実施例5、6および
比較例3では、エチレングリコールのステアリン酸、ペ
ラルゴン酸およびラウリル酸のジエステルを用い、更に
実施例7では、脂肪酸エステルとしてペンタエリスリト
ールのステアリン酸のテトラエステルとエチレングリコ
ールのステアリン酸のジエステルを等量混合したもの
を、また実施例8では、脂肪酸エステルとしてペンタエ
リスリトールのステアリン酸のトリエステルとエチレン
グリコールのステアリン酸のジエステルを等量混合した
もの、を使用し、ポリエチレンワックスとしては、いず
れの場合も分子量;4000、平均粒径;10μmのも
のを用いた。また添加剤量は、いずれも鉄粉:100重
量部に対して脂肪酸エステル:0.15重量部、ポリエ
チレンワックス:0.5重量部、合計0.65重量部と
した。比較例2、4および5では、脂肪酸エステルとし
てペンタエリスリトールテトラステアレートとエチレン
グリコールジステアレートを各々使用し、ポリエチレン
ワックスは使用しなかった。
【0034】
【表1】
【0035】表1からも明らかである様に、全ての例は
十分なバインダー機能を有しているが、比較例1および
3では、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が少
な過ぎるため、流動性および潤滑性が大幅に低下してい
る。またポリエチレンワックスを用いない比較例2、4
および5では、潤滑性がやや不良である。
【0036】次に、脂肪酸エステルとしてエチレングリ
コールジステアレートを使用し、併用する分子量400
0のポリエチレンワックスの平均粒径を変えて得られた
混合粉末(配合比率は前記と同じ)と、平均粒径の小さ
いメラミン−シアヌル酸付加物を併用した混合粉末の粉
体特性(黒鉛飛散率、流動度、圧粉密度および抜き圧)
を測定し、結果を表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】表2から明らかである様に、ポリエチレン
ワックスの平均粒径が好的範囲を超える参考例1では、
潤滑性が不足気味であるのに対し、実施例5、9、10
および11では、いずれも良好な粉体特性が得られてい
る。
【0039】脂肪酸エステルとしてペンタエリスリトー
ルテトラステアレートまたはエチレングリコールジステ
アレートを使用し、更に、分子量4000、平均粒径1
0μmのポリエチレンワックスを添加して得た混合粉末
(実施例3および実施例5)、および脂肪酸エステルと
してエチレングリコールジステアレートを用い、ポリエ
チレンワックスの配合を省略した場合(比較例4)につ
いて、夫々の粉体特性、搬送性、流出性および充填性評
価実験を行ない、表3に示す結果を得た。
【0040】尚従来例1では、有機バインダーとしてス
チレン−ブタジエンゴムを用い、かつ潤滑剤としてステ
アリン酸亜鉛を加えたものである。従来例2は、従来例
1と同じ結合剤を使用し、潤滑剤としてエチレンビスス
テアリルアミドを加えたものである。いずれもバインダ
ー量は、鉄粉:100重量部に対して0.16重量部と
し、潤滑剤量は鉄粉:100重量部に対して0.75重
量部とした。
【0041】また、実施例3,5で得た混合粉末に、1
00°Fにおける粘度が25cSTの液状脂肪酸エステ
ルを0.08重量%となる様に添加し、粉体特性を測定
した結果を夫々実施例12,13として、また、従来例
1で使用した混合粉末に上記液状脂肪酸エステルを加え
たものを、従来例3として表4示す。この表中には、実
施例3を液状脂肪酸を用いない例として挙げた。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】表3から明らかである様に、実施例3およ
び5は、従来例1、2に比べて搬送性が良好であり、ま
た装置への付着も少なく、更には見かけ密度の値が大き
く、容器からの流出性および充填性も良好であることが
分かる。尚比較例4は、ポリエチレンワックスが配合さ
れていないため潤滑性にやや問題があり、流出性に劣る
ことが分かる。
【0045】また表4からも明らかである様に、本発明
の添加剤と脂肪酸エステル(または脂肪酸)からなる液
状結合剤を併用することは、混合粉末の特性(殊に黒鉛
の飛散防止や銅粉の偏析防止効果)を高める上で有効で
あることが分かる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、ベ
ースとなる金属粉末の物性を阻害することなく、従来の
潤滑剤に指摘される諸問題を解決し、搬送時の付着を防
止すると共に、合金元素や黒鉛粉末等の偏析防止や粉末
取扱い時の発塵防止を果たすことができ、更には成形時
には優れた潤滑性を発揮する粉末冶金用混合粉末、およ
びその様な粉末冶金用混合粉末を得るための有効な添加
剤を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験法を示すフロー図である。
【図2】黒鉛飛散率の測定に用いた器具の断面図であ
る。
【図3】流出性の測定に用いた器具の概略図である。
【図4】充填性の測定に用いた器具の概略図である。
【符号の説明】
1 ニュークリポアフィルター 2 濾斗状ガラス 3 充填容器 4 シャッター 4a 穴 5 穴径変更板 5a,5b,…… 通過穴 6 エアシリンダー 7 ロッド 8 粉末供給箱 9 キャビティー容器
フロントページの続き (72)発明者 小島 昌樹 高砂市梅井5丁目1番1号 日本精化株式 会社研究所内 (72)発明者 奥村 昌和 高砂市梅井5丁目1番1号 日本精化株式 会社研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末冶金用原料粉末に配合して使用され
    る添加剤であって、 (a1 )酸成分が炭素数10〜22の脂肪酸であるペン
    タエリスリトールのジ、トリまたはテトラ脂肪酸エステ
    ルの少なくとも1種および/または(a2 )酸成分が炭
    素数10〜22の脂肪酸であるエチレングリコールの脂
    肪酸ジエステルと、 (b)炭化水素系ワックスおよび/または複合系ワック
    スよりなる粉末とを必須成分として含有することを特徴
    とする粉末冶金用添加剤。
  2. 【請求項2】 炭化水素系ワックスおよび/または複合
    系ワックスよりなる粉末の平均粒径が80μm以下であ
    る請求項1に記載の粉末冶金用添加剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の成分(a1
    および/または(a 2 )と成分(b)に加えて、 (c)ヨウ素価が100以下で、且つ100°Fにおけ
    る粘度が50cST以下である液状脂肪酸エステル、お
    よび/または (d)ヨウ素価が15以下で、且つ100°Fにおける
    粘度が50cST以下である液状脂肪酸 を含有することを特徴とする粉末冶金用添加剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の粉末冶
    金用添加剤と、金属粉末を混合したものであることを特
    徴とする粉末冶金用混合粉末。
  5. 【請求項5】 粉末冶金用添加剤中に含まれる前記液状
    脂肪酸エステル(c)および/または前記液状脂肪酸
    (d)の量が、粉末冶金用混合粉末全量中に占める比率
    で0.01〜0.2重量%である請求項4に記載の粉末
    冶金用混合粉末。
JP13431495A 1995-05-31 1995-05-31 粉末冶金用添加剤および粉末冶金用混合粉末 Pending JPH08325604A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003526693A (ja) * 1997-10-21 2003-09-09 ヘガネス・コーポレーシヨン 結合剤/潤滑剤を含有する改良された冶金用組成物及びその製造方法
US8758675B2 (en) * 2005-02-28 2014-06-24 Alantum Corporation Method for fabricating an open-porous metal foam body, metal foam body fabricated this way as well as its applications

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