JPH08326687A - 冷却ガス機構を備えた分子真空ポンプ及びその作動方法 - Google Patents
冷却ガス機構を備えた分子真空ポンプ及びその作動方法Info
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Abstract
を効果的に冷却する。 【構成】 本発明は、冷却ガスを導入してロータを冷却
するようにした分子真空ポンプに関する。冷却ガスに
は、熱伝導率が大きく内部摩擦が小さいガスを用いる。
冷却ガスの導入量は、一方ではその導入によってポンプ
動作が損なわれることがないように、他方では最適の冷
却効果が得られるように定める。冷却ガスの注入位置
は、高真空側とすることも、背圧側とすることも、或い
は、それらの中間位置とすることもできる。
Description
た分子真空ポンプ及びその作動方法に関する。
輸送のために、ないしは真空を発生させるために使用さ
れている。分子真空ポンプを有効に利用し得る作動領域
は、分子流領域、即ち気体分子の平均自由行程がポンプ
の幾何学的寸法より大きい圧力領域から、層流領域、即
ち気体分子の平均自由行程がポンプの幾何学的寸法より
小さい圧力領域までの領域にわたっている。層流領域で
は気体を連続体とみなすことができる。ポンプ動作及び
ポンプ構造にとって特に重要な特性は、気体の内部摩擦
及び熱伝導率である。
技術の分野では、ターボ分子ポンプ(これについては、
W.Becker, Vakuumtechnik 1
5(1966)を参照されたい)の形式の分子真空ポン
プが使用されている。これより高い排出圧力領域に対応
するものとしては、ジークバーン形分子真空ポンプ(こ
れについては、M.Siegbahn, Arch.
Math. Astr. Fys. 30 B(194
3)を参照されたい)や、ホルベック形分子真空ポンプ
(これについては、M.Holweck, Compt
es rendus 177(1923),43を参照
されたい)が使用されている。ジークバーン形やホルベ
ック形の分子真空ポンプは、単独で使用されることもあ
れば、ターボ分子ポンプと組合わせて使用されることも
ある。ターボ分子ポンプと組合わせて使用することによ
って、そのターボ分子ポンプの作動領域をより排出圧力
の高い領域へシフトさせることができる。
するためには、基本的に、回転側の部材と固定側の部材
との間の間隔を非常に狭くして、逆流及び逆輸送損失を
小さく抑える必要がある。更に、あらゆる形式の分子ポ
ンプに共通していることとして、回転側の部材の周速度
に対し、ポンプの圧力比は指数関数的に変化し、ポンプ
の排気速度は一次関数的に変化するということがある。
そのため分子ポンプは高い回転数で運転される。かかる
運転条件下においては、ロータとステータとの間に最小
限度の間隙を確保することが極めて重要になる。これに
ついては、運転中のロータの熱膨張が決定的な要因とな
る。ロータの温度上昇、並びにステータ側の部材の温度
上昇の発生原因には様々なものがあり、例えば、そのポ
ンプが取扱っている気体の摩擦や圧縮に伴う損失、駆動
機構の渦電流損失、ボールベアリングの摩擦損失ないし
磁気軸受の渦電流損失等があり、更に設置場所の如何に
よっては外部磁場の影響もその原因となり得る。
側の部材の温度は空冷ないし水冷という方法で抑制する
ことができるが、ロータに対してはそのような方法を適
用することができない。ロータは大抵の場合、ステータ
側の部材から熱的に遮断された状態にある。ロータは、
その軸支方式によって、完全無接触状態で磁気軸受構造
中に浮上しているか、或いは、ボールベアリングを介し
てステータ側の部材と最小限の接触しかしていないかの
いずれかである。真空中で動作しているため、対流によ
る熱伝導も僅かである。殆ど熱放射による温度平衡化が
行われるだけである。しかしながら、この熱放射による
温度平衡化も不十分であり、これによってロータの温度
を高い信頼性をもって抑制することは不可能である。
ロータを効果的に冷却することができる能力を備えた、
分子ポンプ及びその作動方法を提供することにある。
特徴部分に記載した要件によって達成されている。請求
項2ないし8は、本発明の実施態様を記載したものであ
る。
側の部材とがいずれも大きな表面積を持ち、しかも非常
に狭い間隔をもって互いに対向しているため、分子ポン
プの中へ、そのポンプを冷却するための、また特にその
ロータからステータへ熱を輸送するための、低温のガス
を導入することは非常に効果的である。ただし、このガ
スの導入によって生じるポンプ動作の乱れを極力抑える
ためには、導入するガスの量をポンプが本来取扱う気体
の量と比べて少なくせねばならない。そのためには、冷
却ガスの熱伝導率がそれだけ大きなものであることが必
要である。
て捕捉されて輸送されると共に圧縮されるため、そのこ
とによって発生する余分な摩擦作用が、更に大きな温度
上昇を引き起こすという事態も回避せねばならない。そ
のためには、その冷却ガスの内部摩擦が、ポンプが本来
取扱う気体の内部摩擦と比べて小さいことが必要であ
る。
伝導率λと内部摩擦ηとが分子量Mに対してどのような
関係にあるかを考えることにする。すると、λは1/M
1/2に比例し、ηはM1/2 に比例することが分かる。こ
れは、分子量が小さいほど熱伝導率は大きく内部摩擦は
小さいということを意味している。従って冷却ガスに
は、例えばヘリウムのように分子量の小さなガスが特に
適している。またそのような冷却ガスは、一般的に、分
子真空ポンプが本来取扱う気体の分子量が大きい場合に
は更に有利なものとなる。
し得る量にするのがよい。熱の輸送量は層流領域に達し
たならば最大になる。熱伝導率は、圧力が分子流領域か
ら層流領域まで変化して行く間は、圧力の上昇と共に増
大して行くが、層流領域に達した後にはもはや圧力に左
右されず一定の値を取るようになる。層流領域は、分子
の平均自由行程が容器の両壁間の幾何学的寸法より小さ
いという特徴を有する領域である。このことから、例え
ばロータ・ディスクとステータ・ディスクとの間の間隔
が約1mmである場合には、冷却ガスの作動圧力を約
0.1ミリバール(約10Pa)とすればよいことが分
かる。
位置は、様々な位置とすることができ、ポンプの特性及
びポンプ動作の特性に応じて導入位置を定めればよい。
ポンプの高真空側へ注入すれば、それによって、互いに
対向しているステータ及びロータの幾つもの表面のうち
冷却ガスで洗われる表面の数が最大になるため、最大限
の冷却効果が得られるという利点が得られる。ただし、
ポンプの高真空側へ注入する場合には、それによってポ
ンプ動作が大きく損なわれることがないということを確
かめておく必要がある。分子量の小さい冷却ガスを使用
すると、個々の分子ポンプの特性の如何によっては圧力
比が非常に小さくなることもあるため、そのような冷却
ガスを使用するとき、高真空側への注入が有利となるの
は、ポンプそれ自体が非常に高い圧縮を行えるものであ
る場合に限られる。
には、圧力比はそれほど重要な問題にはならない。この
場合には、互いに対向している幾つもの表面のうちの僅
かな表面しか熱交換のために利用できないが、その代わ
りに、注入する冷却ガスの圧力を、その冷却ガスの熱伝
導率が確実に最大値に達し得るような圧力領域内の圧力
にすることができる。更に、この注入位置では、しばし
ば、掃気用ガスを注入するようにしてあるという事実を
利用することもできる。即ち、そのようにしてある場合
には、冷却ガスを掃気用ガスに混合すればよい。以上に
説明した2つの位置の中間位置へ冷却ガスを注入するこ
とも可能であり、ポンプ形式ないしポンプ動作方式によ
っては、そうすることによって、上述の利点を享受し、
しかも欠点を軽減することができる。
法によれば、ポンプの特性並びにポンプ動作の特性に応
じて分子ポンプのロータを冷却することができ、それに
よって、過酷な使用条件下においてもその温度を許容最
大値以下に維持することができる。
形態を、添付図面を参照しつつ詳細に説明して行く。
は、複数枚のロータ・ディスク2と複数枚のステータ・
ディスク3とを備えたターボ分子ポンプ1と、回転部材
5と固定部材6とを備えたホルベック形分子ポンプ4と
を組合わせたものである。このポンプのそれら2つの部
分に対して、共通の駆動機構7と、共通の軸受8、9と
が備えられている。高真空側には吸入口フランジ部10
が備えられている。気体排出口を11で示した。この具
体例では、選択的に使用できるように、複数の冷却ガス
注入用の接続管部を設けてあり、それらを12、13、
14で示した。接続管部13及び14は、掃気用ガス注
入口としても使用することができる。冷却ガスを高真空
側へ注入する場合には、接続管部12から注入する以外
に、吸入口フランジ部10から注入することも可能であ
る。
断面側面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 気体の輸送並びに圧力比の発生及び維持
のための分子真空ポンプ及び該分子真空ポンプの作動方
法において、 吸入口フランジ部(10)と気体排出口(11)との間
に補助的なガス注入口(12、13ないし14)を備
え、該ポンプを冷却するために、また特にそのロータを
冷却するために、前記ガス注入口を介して、該ポンプの
内部空間へ、圧縮すべき気体の熱伝導率より大きな熱伝
導率を有する冷却ガスを注入することを特徴とする分子
真空ポンプ及びその作動方法。 - 【請求項2】 前記冷却ガスの内部摩擦が、ポンプが取
扱うべき前記気体の内部摩擦より小さいことを特徴とす
る請求項1記載の分子真空ポンプ及びその作動方法。 - 【請求項3】 ポンプが取扱うべき前記気体の分子量よ
り小さな分子量の冷却ガスを用いることを特徴とする請
求項1または2記載の分子真空ポンプ及びその作動方
法。 - 【請求項4】 前記冷却ガスの注入量を、所与の幾何学
的寸法及び所与の圧力において最大の熱伝導率が得られ
るように、圧力が増大しても熱伝導率が一定に保たれる
圧力領域に達する注入量とすることを特徴とする請求項
1から3までのいずれか記載の分子真空ポンプ及びその
作動方法。 - 【請求項5】 前記補助的なガス注入口(12)が前記
ポンプの高真空側に設けられていることを特徴とする請
求項1から4までのいずれか記載の分子真空ポンプ。 - 【請求項6】 前記補助的なガス注入口(14)が前記
ポンプの背圧側に設けられていることを特徴とする請求
項1から4までのいずれか記載の分子真空ポンプ。 - 【請求項7】 背圧側に設けられている掃気用ガス注入
口(14)が冷却ガス注入口として兼用されることを特
徴とする請求項6記載の分子真空ポンプ。 - 【請求項8】 前記補助的なガス注入口(13)が高真
空側と背圧側との中間に設けられていることを特徴とす
る請求項1から4までのいずれか記載の分子真空ポン
プ。
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