JPH0832941B2 - 調理用シースヒータ被覆管材 - Google Patents

調理用シースヒータ被覆管材

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JPH0832941B2
JPH0832941B2 JP2196199A JP19619990A JPH0832941B2 JP H0832941 B2 JPH0832941 B2 JP H0832941B2 JP 2196199 A JP2196199 A JP 2196199A JP 19619990 A JP19619990 A JP 19619990A JP H0832941 B2 JPH0832941 B2 JP H0832941B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐高温腐食性や溶接性に優れる調理用シー
スヒータ被覆管材に関するものである。
一般に、電気コンロの調理用ヒータ外部被覆管の場
合、塩化物による高温腐食や溶接性の問題があり、現在
種々の研究,開発が進められている。とくに、この種の
料は、高温の塩化物存在下であるから、NaClが鋼表面に
接触すると、鋼中のFeとNaClとが反応して揮発性の高い
NaFeCl4を発生して腐食が促進されるので、通常の耐高
温酸化性とは別の視点で考察しなければならないもので
ある。
〔従来の技術〕
調理用シースヒータ被覆管は、醤油や食塩などが付着
しやすく、それらが付着したまま高温大気に曝されると
すれば、高温腐食(乾食)を受けて、温度が高くなれば
なるほどその損傷は著しくなる。
このような高温腐食を受けるシースヒータ被覆管材と
しては、従来、NCF800(JIS G4901)材やNCF600材など
が使用されている。これに対し、NF800のVA材として、
従来、Niを低く抑えた鋼も提案されている。
例えば、特公昭64−8695号(塩化物の存在する高温乾
食環境用鋼)においては、Niは16〜30wt%(以下は単に
「%」で表示する。)の範囲で、特にMoやW,Vの添加に
よるNi低減効果を提案しており、また、特開昭64−7305
6号では、Niが内部侵食を促進し有害である旨、およびS
iは耐酸化性に有効である旨を開示している。さらに、
特開昭63−65058号では、Si量を多くしたことを特徴と
する耐高温腐食性に優れた鋼を提案している。
その他、耐高温腐食性に優れる合金例としては、特公
昭62−6623号(特開昭58−117847号)公報にて開示して
いるようなMo有高Si含有のNi基合金の例もある。
以上説明したように、塩化物などを含む環境下での高
温腐食に対する合金元素の影響については、従来、それ
ぞれ有効性の面と有害性の面の両方が相反する形で報告
されていて、未だに確定していないのが実情である。
また、C,Siを含むFe−Ni系合金における溶接性につい
ては、「溶接学会全国大会講演概要」(第39集1986No.2
19.p128〜p129)によるとSi:0.04〜1.42%の範囲でMoは
溶接性を改善するが、Cは効果がなく、むしろ0.10%を
超えると有害である旨が報告されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
さて、近年、一般家庭への200V配線が推進されている
が、それに伴って、電気ヒータの需要拡大が見込まれて
いる。特に、上述した調理用のシースヒータも高電力化
が進み、それの外部被覆材も、JISのNCF600材のような
高温用材料の使用が多くなることが予想される。ところ
が、このNCF600材は、コストおよび高温腐食性について
なお解決を必要とする多きな問題(塩化物含有高温腐食
環境における耐食性)を抱えており、最近ではその代替
材の出現が強く望まれているところである。
しかしながら、上述した特公昭64−8695号公報などで
提案されている合金は、いずれも前記NCF600材よりも耐
食性が劣り、目標とする特性が得られないのが実情であ
る。しかも、これらの合金については、耐高温腐食性,
耐硝酸性,耐応力腐食割れ性を向上させるため添加する
SiとNiとがNiシリサイドの低融点共晶をつくるために、
凝固割れ感受性が高くなり、熱間加工性および溶接性が
著しく劣化することが指摘されており、今なおそれらに
ついて解決を見るに至っていないのが実情である。
また、特公昭62−6623号公報にかかる合金は、Cの含
有量が著しく多い(0.55〜2.0%)ため、カーバイトの
析出物を多く含有する。ところが、合金中へのカーバイ
トの析出は、食塩による高温腐食に対してはむしろ有害
であり、しかもこのカーバイトの析出物は溶接性の他、
熱間加工性,冷間加工性をも著しく劣化させる。
一方、前記溶接学会講演概要集で述べている従来技術
は、Si%が少なく耐高温腐食性が劣り、基本的に本発明
で解決を目指す合金とは言えるものではない。
本発明の目的は、高温大気雰囲気中で塩化物などの付
着が原因で加速酸化が生ずるような雰囲気に曝されても
十分な耐食性を示す他、溶接性にも著しく優れた特性を
示す調理用シースヒータ被覆管材を提供することによ
り、上述した各先行技術の課題を克服することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上掲の目的に対し本発明者らは、高温腐食環境下での
耐食性ならびに溶接性に対する合金元素の影響につい
て、新たな知見を得た。それは、単独添加の場合と異な
り、ある種の合金元素間では相乗作用が働くことによっ
て予期しない優れた作用効果を発揮する場合があるとい
うことである。すなわち本発明においては、10〜25%Cr
を含むFe−Cr−Ni系合金について、それら各添加元素相
互の影響から次のことが明らかとなった。
(1) 基本的にこの3元系合金では、驚くことに、Ni
≧50%という高Niにおいて、他に著しい障害を招くこと
なく粒界侵食などの局部侵食が防止できる。
(2) そして、Siの作用についてNi量が少なくいピッ
ト状の局部侵食を誘発する作用があるが、ある程度Ni量
を多くすると、耐高温腐食性が著しく向上する。そし
て、このSiを2.5%超と高くした場合においては、ある
程度のCが含有されているとMoシリサイドの析出が促進
され、それ故に凝固割れ感受性を低下させるNiシリサイ
ドの析出が抑えられ、その結果として溶接性を向上させ
る。(3) 上記のように、高温腐食特性について
は、Siの添加が有効である。ただし、このNi基合金にお
いては、もともとSiの固溶量は少なく、種々の形態の化
合物シリサイドになり易く、それ故に溶接性を著しく劣
化させる原因となっていた。これに対しては、析出物の
形態を予めコントロールして予め有用な形態の化合物を
析出させておけば阻止することが伴った。
すなわち、本発明は、第1に、NiとSiの相乗作用に着
目したところに特徴がある。すなわち、Ni量を従来のNC
F600材よりも少なくしても、それぞれコントロールされ
たNiおよびSi(2.5%超と高めにする)を同時添加する
方法によれば、却って耐高温腐食性および溶接性に優れ
る合金を得ることができる。
第2に、予め析出させておく前記化合物シリサイドと
して、モリブデンシリサイドに着目したところ、これ
は、溶接性に有害なNiシリサイドの生成を抑えMoシリサ
イドを析出するので、溶接性を向上させるのに有効であ
る。
第3に、Siを多くした高Ni基合金系においては、一般
的には、このSiとNiの共晶生成のために溶接性が劣化す
る。しかし、溶接性改善については、Moシリサイドを析
出する合金系において、ある程度のCを含有させた場合
には、高Si合金のほうがむしろ溶接性の改善に効果があ
ることが伴り、とくに溶接性保持のためにはNi,Si,Moの
間の好適な定量的関係が存在することが伴った。
このような知見の下で、本発明は次のようなFe−Ni系
合金を開発した。
すなわち、C:0.015〜0.030%,Si:2.5超〜6.0%,Mn≦
2.0%,Ni:50.0〜80.0%,Cr:10.0〜26.0%,Mo:1.0〜9.0
%およびAl≦0.2%を含み、残部がFeと不純物とからな
る調理用シースヒータ被覆管材、である。
〔作 用〕
本発明者らの研究によると、耐高温腐食性に有効なNi
を50%以上含有するFe−Cr−Ni系材料においては、Siを
2.5%超含有させたときには、Niとの相乗的作用によ
り、通常のSi添加の予測の範囲を超えて著しく向上させ
ることができ、それは従来の低Ni−Cr−Fe系合金では得
られなかった耐高温腐食性の高い合金となることが伴っ
た。
以下に、本発明合金の成分組成の詳細については、限
定理由の説明に併せて説明する。
C:この種の合金において凝固時に生じやすいNiシリサ
イドの析出を抑えてモリブデンシリサイドの析出を促進
し、また、凝固割れを抑制して溶接性と高温温度を得る
ためには必要な元素である。しかし、このCが多すぎる
と、カーバイドの析出量が多くなって耐食性と加工性の
劣化を招く。また、このCは、高温ではCr元素と結合し
て粒界にCr23C6を析出し、粒界近傍にCr欠乏相を形成し
て高温腐食の進行を助長するので低い方が望ましい。そ
れ故、Cは上限を0.030%とした。
第1図は、溶接割れ率:(総割れ長さ/ビード長さ)
×100とC%との関係を示す図であり、3%Si−60%Ni
−3%Mo−残Fe合金においては、C%:0.015〜0.10%の
とき、割れはほとんど発生しないことが明らかである。
Si:本発明合金においては、最も重要な作用を担う元
素であり、▲Ni80 A3▼50%で、このNiとの相乗作用によ
って耐酸化性,耐高温腐食性,耐硝酸性に著しい効果を
示す。それは、塩化物の存在する高温環境での耐食性改
善作用があるとされるSiの有する一般的な効果をはるか
に超えて発揮される。従って、Ni≧50%という条件の下
で、その添加効果は、1.5%を下限として生ずるが、本
願発明では2.5%超を含有させる。一方、添加量が6.0%
を超えると、高Niの完全オーステナイト鋼の溶接性を害
し、またσなどの金属間化合物の析出を促進するために
高温長時間使用後の延性や靱性を劣化するので、Si含有
量は2.5超〜6.0%と定めた。
Mn:鋼の熱間加工性を維持するために必要な元素であ
るが、2.0%を超えて含有させると塩化物の存在する高
温環境下での耐食性や耐酸化性が劣化するようになるこ
とから、Mn含有量を2.0%以下と定めた。なお、Mn含有
量は、できれば0.1〜0.5%に調整するのが好ましい。
Ni:塩化物を含む高温腐食環境での高温耐食性や耐酸
化性を改善するのに極めて有効であり、特にこのNi含有
量が50%以上で、Siの高温耐食性を飛躍的に向上させる
効果があり、それ以下では、σ相の析出など、むしろ高
Niとすることのデメリットが助長されてしまい好ましく
ない。従って、Niは30%以上とする。
また、このNiの添加は、CrやSi,Moなどからなる金属
間化合物の析出に対する組織安定性および溶接性改善に
も有効であり、この意味において、多いほどよく、80%
までの添加は有効である。好ましくは50〜75%の範囲内
がよい。
Cr:塩化物の存在する環境での高温耐食性および900℃
付近での一般耐酸化性改善に対して有効であるが、その
量が10%未満では塩化物による高温腐食環境でもスケー
ル剥離性が大きく、所望の効果が得られないので、10%
以上とする。しかし多すぎると内部侵食を促進するの
で、28%を上限とする。好ましくは16.0〜20.0%の範囲
内がよい。
Mo:塩化物の存在する高温環境中での耐食性ならびに
溶接性の改善に極めて有効に作用する元素の一つである
と共に、とくに溶接性には有効Siとの複合添加でCの溶
接性に対する効果を著しく高くする作用があり、少なく
とも0.5%の添加は必要である。しかし、このMoの添加
量が多すぎると、靱性や耐食性を劣化させると共にスケ
ール剥離性が大きくなるので、9.0%以下とする。好ま
しくは4%以下がよい。
Al:Crとの共存下において、高温耐食性や酸化性を改
善する作用が期待できるが、溶接性に有害であり、0.2
%以下に抑える必要がある。
W,V,Zr,Cu:塩化物存在下の耐高温腐食性に対してMoと
同様の効果がある。しかし、いずれの元素も3.0%を超
えて含有させると、金属間化合物の析出を促して加工性
に害を及ぼしたりスケール剥離性を大きくする。
なお、第2図はSi%とMo%とが溶接割れに与える影響
を示す図であるが、0.03C−60Ni−16Cr−残部Feの合金
においては、Si≧1.5%,特にSi>2.5のとき、▲Mo80 A3
▼1.0%の条件では割れが生成しないことが判る。
〔実施例〕
この実施例は、本発明合金についての高温腐食性と溶
接性とを確かめるものである。試験は、第1表に示す成
分組成の合金(No.1〜No.7)を、大気誘導炉にて10kgイ
ンゴットとし、熱間鍛造後冷間圧延して、2.0および0.5
mm板にして試験に供した。まず、高温腐食試験片は、厚
さ0.5mmt,幅20mm,長さ30mmに切断後、1050℃×30分大気
酸化して、次に示す高温腐食試験に供した。
高温腐食試験は、飽和食塩水浸漬(5分)→乾燥(10
分)→繰返し酸化(800℃×30分→空冷5分 50回)を
1サイクルとして、4サイクル試験した結果を示す。
一方、溶接試験は、電流50A,速度900mm/minの拘束突
合わせTIG溶接をしたときの拘束溶接割れ試験である。
それらの結果を第1表に示す。
これらの試験結果に明らかなように、本発明合金(N
o.1〜No2)は、比較合金(No3〜No.7)に比べていずれ
も最大侵食深さが小さく、そして溶接割れが発生せず、
本発明合金の有効性が確かめられた。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、塩化物を含む高
温腐食環境において優れた耐食性を示すと共に、溶接に
も優れた調理用シースヒータ被覆管材を安価に提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、3%Si−60%Ni−3%Moを含有する合金の溶
接割れ性に及ぼすC量の影響を示すグラフ、 第2図は、溶接割れ性におよぼすSiとMoの影響を示すグ
ラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.015〜0.030wt%,Si:2.5超〜6.0wt%, Mn≦2.0wt%,Ni:50.0〜80.0wt%, Cr:10.0〜26.0wt%,Mo:1.0〜9.0wt%, Al≦0.2wt%を含み、残部がFeと不純物とからなる調理
    用シースヒータ被覆管材。
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