JPH0832948B2 - プレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
プレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼Info
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- JPH0832948B2 JPH0832948B2 JP63131489A JP13148988A JPH0832948B2 JP H0832948 B2 JPH0832948 B2 JP H0832948B2 JP 63131489 A JP63131489 A JP 63131489A JP 13148988 A JP13148988 A JP 13148988A JP H0832948 B2 JPH0832948 B2 JP H0832948B2
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Landscapes
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐時期割れ性が良好で、かつプレス成形加
工後の磁性が小さいプレス成形用オーステナイト系ステ
ンレス鋼に関する。
工後の磁性が小さいプレス成形用オーステナイト系ステ
ンレス鋼に関する。
(従来技術とその問題点) 従来、マホービン、ドアノブ等の厳しい深絞り加工が
施されて製品化され、なおかつ製品の磁性が小さいこと
を要求される用途に対して、既存鋼SUS304、SUS305およ
び特開昭54−138811号に示されるNi−Cr−Cuステンレス
鋼などが用いられる。
施されて製品化され、なおかつ製品の磁性が小さいこと
を要求される用途に対して、既存鋼SUS304、SUS305およ
び特開昭54−138811号に示されるNi−Cr−Cuステンレス
鋼などが用いられる。
既存鋼SUS304では、時期割れ感受性が高いため、製品
加工途中および製品仕上加工後に歪取り焼鈍工程を導入
しなければならず、製品製造コストが上昇するという欠
点がある。
加工途中および製品仕上加工後に歪取り焼鈍工程を導入
しなければならず、製品製造コストが上昇するという欠
点がある。
また既存鋼SUS305は、時期割れ性は良好であり、製品
加工後の磁性も小さく、前述した用途に対しては、有用
な鋼であるが、張り出し性に劣るため上記用途に用いる
と、加工時にα破断が生じやすい欠点がある。さらにこ
の鋼は、Ni含有量が高く高価である。
加工後の磁性も小さく、前述した用途に対しては、有用
な鋼であるが、張り出し性に劣るため上記用途に用いる
と、加工時にα破断が生じやすい欠点がある。さらにこ
の鋼は、Ni含有量が高く高価である。
一方、特開昭54−138811号に示されるNi−Cr−Cuステ
ンレス鋼は、時期割れ性および張り出し性は優れている
が、加工後の磁性が大きいため、製品仕上加工後に歪取
り焼鈍工程を導入し、磁性を小さくして製品化を行わね
ばならず、製品製造コストが上昇する欠点がある。
ンレス鋼は、時期割れ性および張り出し性は優れている
が、加工後の磁性が大きいため、製品仕上加工後に歪取
り焼鈍工程を導入し、磁性を小さくして製品化を行わね
ばならず、製品製造コストが上昇する欠点がある。
したがって、加工性に優れ、加工後の磁性が小さく、
マホービンやドアノブなどの厳しい深絞り加工が施され
る用途に供せられるオーステナイト系ステンレス鋼であ
って、高価なNi成分を多量に含有させることなく製品仕
上加工後の歪取り焼鈍工程を省略し、高価なNi成分を多
量に含有させることなく製品の製造工程にかかるコスト
の節減をはかれるプレス成形用オーステナイト系ステン
レス鋼が望まれていた。
マホービンやドアノブなどの厳しい深絞り加工が施され
る用途に供せられるオーステナイト系ステンレス鋼であ
って、高価なNi成分を多量に含有させることなく製品仕
上加工後の歪取り焼鈍工程を省略し、高価なNi成分を多
量に含有させることなく製品の製造工程にかかるコスト
の節減をはかれるプレス成形用オーステナイト系ステン
レス鋼が望まれていた。
(問題解決に関する知見) 本発明は、前記問題点を解決しこのような要望に応ず
るために、厳しい深絞り加工が施されるプレス成形用オ
ーステナイト系ステンレス鋼について、耐時期割れ性を
良好にし、プレス成形加工後の磁性を低くすることを課
題とし、課題解決に関し、成分組成を次のように限定し
たオーステナイト系ステンレス鋼を溶製した。
るために、厳しい深絞り加工が施されるプレス成形用オ
ーステナイト系ステンレス鋼について、耐時期割れ性を
良好にし、プレス成形加工後の磁性を低くすることを課
題とし、課題解決に関し、成分組成を次のように限定し
たオーステナイト系ステンレス鋼を溶製した。
即ち、耐時期割れ性改善のため、C,Nをそれぞれ0.05
%以下,0.03%未満;C,Nを減少させたためオーステナイ
トが不安定となるので、これを安定化し強度を上昇させ
るため、Mnを1.0〜2.0;加工性、耐食性改善のため、Cu
を0.5〜3.0%;磁性が高くなるのを防ぐため、Siを1.0
%以下;耐食性改善、オーステナイト安定化のためNiを
8.0〜10.5%;耐食性,δ−フェライトの生成を考慮し
て、Crを18.0〜20.0%を含み;その他不可避的元素およ
び残りFeよりなるオーステナイト系ステンレス鋼を溶製
した。
%以下,0.03%未満;C,Nを減少させたためオーステナイ
トが不安定となるので、これを安定化し強度を上昇させ
るため、Mnを1.0〜2.0;加工性、耐食性改善のため、Cu
を0.5〜3.0%;磁性が高くなるのを防ぐため、Siを1.0
%以下;耐食性改善、オーステナイト安定化のためNiを
8.0〜10.5%;耐食性,δ−フェライトの生成を考慮し
て、Crを18.0〜20.0%を含み;その他不可避的元素およ
び残りFeよりなるオーステナイト系ステンレス鋼を溶製
した。
このオーステナイト系ステンレス鋼は、既存鋼SUS30
4,SUS305および特開昭54−138811号に示されるNi−Cr−
Cuステンレス鋼に比し、室温で40%引張り歪を付与した
後の加工誘起マルテンサイト量が少く、硬さが低く、時
期割れ試験で限界絞り比が3.1以上となり、時期割れ性
が良好で、プレス成形加工後の磁性が小さいという知見
を得た。
4,SUS305および特開昭54−138811号に示されるNi−Cr−
Cuステンレス鋼に比し、室温で40%引張り歪を付与した
後の加工誘起マルテンサイト量が少く、硬さが低く、時
期割れ試験で限界絞り比が3.1以上となり、時期割れ性
が良好で、プレス成形加工後の磁性が小さいという知見
を得た。
(発明の構成) 本発明は、このような知見を得て前記課題を達成する
ものであり、 C:0.05%以下、 N:0.03%未満、 Si:1.00%以下、 Mn:1.00〜2.00%以下、 Cu:0.50〜3.00%以下、 Ni:8.00〜10.50%以下、 Cr:18.00〜20.00%、 残部がFeと不可避的不純物とからなる組成を有し、次
の実験式 Mr(R.T.)=386−311(C+N)−6.2Si−5.4Mn −9.2Cr−20(Ni+Cu) で与えられるMr(R.T.)、の計算値が5以下であり、さ
らに限界絞り比が3.1以上であり、優れた耐時期割れ性
と張り出し性とプレス成形ままでの非磁性をともに兼ね
備えたプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼を提
供する。
ものであり、 C:0.05%以下、 N:0.03%未満、 Si:1.00%以下、 Mn:1.00〜2.00%以下、 Cu:0.50〜3.00%以下、 Ni:8.00〜10.50%以下、 Cr:18.00〜20.00%、 残部がFeと不可避的不純物とからなる組成を有し、次
の実験式 Mr(R.T.)=386−311(C+N)−6.2Si−5.4Mn −9.2Cr−20(Ni+Cu) で与えられるMr(R.T.)、の計算値が5以下であり、さ
らに限界絞り比が3.1以上であり、優れた耐時期割れ性
と張り出し性とプレス成形ままでの非磁性をともに兼ね
備えたプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼を提
供する。
次に本発明における鋼組成の限定理由を以下に説明す
る。
る。
C:耐時期割れ性を改善する目的で、時期割れ発生頻度が
低下する0.05%以下とする。
低下する0.05%以下とする。
N:Cと同じ理由から0.03%未満とする。
Mn:強力なオーステナイト生成元素であるCおよびNを
低下させるため、オーステナイトが不安定になってい
る。この点をおぎなうと同時に固溶強化によって強度を
上昇させるために1.00%以上添加する。また2.00%を越
えて添加すると、耐食性の劣化の原因となるために2.00
%以下とする。
低下させるため、オーステナイトが不安定になってい
る。この点をおぎなうと同時に固溶強化によって強度を
上昇させるために1.00%以上添加する。また2.00%を越
えて添加すると、耐食性の劣化の原因となるために2.00
%以下とする。
Cu:Mnと同じ理由から、オーステナイト安定度を上昇さ
せるためおよびCu添加によって加工性および耐食性が改
善されるため0.5%以上添加する。しかし、3.0%を越え
て添加すると熱間加工性が劣化するため3.0%以下とす
る。
せるためおよびCu添加によって加工性および耐食性が改
善されるため0.5%以上添加する。しかし、3.0%を越え
て添加すると熱間加工性が劣化するため3.0%以下とす
る。
Si:Siは1.00%以上添加するとフェライトを形成しやす
くなり、磁性が高くなるため、1.00%以下とする。
くなり、磁性が高くなるため、1.00%以下とする。
Ni:耐食性とオーステナイトの安定度を確保するため
に、8.00%以上とする。またNi量を高くすると製造コス
トが高くなるため、上限を10.5%とする。
に、8.00%以上とする。またNi量を高くすると製造コス
トが高くなるため、上限を10.5%とする。
Cr:耐食性を考慮した場合18.00%以上が好ましく、δ−
フェライトの生成をおさえながら製造コストを引き下げ
るためには20.00%以下が好ましい。
フェライトの生成をおさえながら製造コストを引き下げ
るためには20.00%以下が好ましい。
前記化学組成範囲にある各化学成分値(%)を実験式
に代入して算定される計算値Mr(R.T.)を5以下とする
ことおよび時期割れ限界絞り比を3.1以上とすることに
ついては、後に説明する。
に代入して算定される計算値Mr(R.T.)を5以下とする
ことおよび時期割れ限界絞り比を3.1以上とすることに
ついては、後に説明する。
(発明の具体的開示) 化学成分としてC,N,Si,Mn,Cu,NiおよびCrを含有し、
残部がFeと不可避的不純物とからなるプレス成形用オー
ステナイト系ステンレス鋼について、化学成分C,N,Mn,S
i,Cu,NiおよびCrの含有量を変えたオーステナイト系ス
テンレス鋼を溶製した。
残部がFeと不可避的不純物とからなるプレス成形用オー
ステナイト系ステンレス鋼について、化学成分C,N,Mn,S
i,Cu,NiおよびCrの含有量を変えたオーステナイト系ス
テンレス鋼を溶製した。
次の実験式 Mr(R.T.)=386−311(C+N)−6.2Si−5.4Mn −9.2Cr−20(Ni+Cu) に、上記化学成分の含有量(重量%)を変えた成分値
(%)を代入して算定し、オーステナイト系ステンレス
鋼についてMr(R.T.)の各計算値を求め、一方、室温
(25℃)で40%引張り歪付与後の各加工誘起マルテンサ
イト量(α′量)を振動試料型磁力計(東英工業社製)
により測定した。
(%)を代入して算定し、オーステナイト系ステンレス
鋼についてMr(R.T.)の各計算値を求め、一方、室温
(25℃)で40%引張り歪付与後の各加工誘起マルテンサ
イト量(α′量)を振動試料型磁力計(東英工業社製)
により測定した。
第1図は上記実験式から得られたMr(R.T.)計算値
と、室温(25℃)で40%引張り歪を付与した後の加工誘
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)の関係を
示す。
と、室温(25℃)で40%引張り歪を付与した後の加工誘
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)の関係を
示す。
第1図より、Mr(R.T.)計算値の増加と共に、加工誘
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)が増加
し、一般的に磁性が高くなる。Mr(R.T.)値が負値を示
すとき、加工誘起マルテンサイト量(α′量)は0に近
似して磁性も低下する。
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)が増加
し、一般的に磁性が高くなる。Mr(R.T.)値が負値を示
すとき、加工誘起マルテンサイト量(α′量)は0に近
似して磁性も低下する。
この第1図に示されるような様々なMr(R.T)計算
値、即ち加工誘起マルテンサイト量(α′量)の実測値
(%)を有する各鋼を加工メーカーに渡し、加工メーカ
ーにてプレス成形加工を行なって製品加工後の歪取り焼
鈍の要否を調査したところ、Mr(R.T)計算値がおよそ
5.5以下で有れば、加工後の歪取り焼鈍が不要であるこ
とが確認された。
値、即ち加工誘起マルテンサイト量(α′量)の実測値
(%)を有する各鋼を加工メーカーに渡し、加工メーカ
ーにてプレス成形加工を行なって製品加工後の歪取り焼
鈍の要否を調査したところ、Mr(R.T)計算値がおよそ
5.5以下で有れば、加工後の歪取り焼鈍が不要であるこ
とが確認された。
このようなの結果より、プレス成形加工後の磁性の小
さいプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼として
Mr(R.T.)計算値は5以下とする。
さいプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼として
Mr(R.T.)計算値は5以下とする。
次に時期割れ性の指標となる限界絞り比を以下に記す
方法で試験した。
方法で試験した。
厚さ1mmの板を直径42mmの円孔を有する2個のダイの
間に固定し、直径40mmのポンチを押し込んで、第1段絞
りを行ない、そのようにして成形された円筒杯状試料を
次に直径34mmの丸孔を有するダイと直径31.5mmのポンチ
で縮小加工して第2段絞りとし、さらに直径30.5mmの丸
孔を有するダイと直径27.5mmのポンチで縮少加工して第
3段絞りとし、最終的に直径27.6mmのダイと直径24.5mm
のポンチを用いて縮少加工して第4段絞りとした。試料
の両面に潤滑油として床用ワックス(ジョンソンワック
ス)とマシン油の混合物を用い、絞り速度は各段とも10
0〜150mm/minであった。
間に固定し、直径40mmのポンチを押し込んで、第1段絞
りを行ない、そのようにして成形された円筒杯状試料を
次に直径34mmの丸孔を有するダイと直径31.5mmのポンチ
で縮小加工して第2段絞りとし、さらに直径30.5mmの丸
孔を有するダイと直径27.5mmのポンチで縮少加工して第
3段絞りとし、最終的に直径27.6mmのダイと直径24.5mm
のポンチを用いて縮少加工して第4段絞りとした。試料
の両面に潤滑油として床用ワックス(ジョンソンワック
ス)とマシン油の混合物を用い、絞り速度は各段とも10
0〜150mm/minであった。
第1表にブランク径64mm、70mmおよび76mmについて各
段数における時期割れ性の指標となる限界絞り比の結果
を示す。一般に、このような時期割れ性の試験方法で
は、限界絞り比が大きくなるほど良好な耐時期割れ性を
示すことになり、 第1表に示す時期割れ試験結果においては、限界絞り
比3.1が最も良好な耐時期割れ性を示していることにな
る。前述のマホービン、ドアノブ等の厳しいプレス成形
加工を経た製品において、その製品の時期割れ性の指標
となる限界絞り比は2.8程度である。従って、種々の絞
り比で行われるプレス成形加工に対応できて製品の耐時
期割れ性を向上させるために、限界絞り比が3.1以上で
あれば実使用上問題ないと考えられる。
段数における時期割れ性の指標となる限界絞り比の結果
を示す。一般に、このような時期割れ性の試験方法で
は、限界絞り比が大きくなるほど良好な耐時期割れ性を
示すことになり、 第1表に示す時期割れ試験結果においては、限界絞り
比3.1が最も良好な耐時期割れ性を示していることにな
る。前述のマホービン、ドアノブ等の厳しいプレス成形
加工を経た製品において、その製品の時期割れ性の指標
となる限界絞り比は2.8程度である。従って、種々の絞
り比で行われるプレス成形加工に対応できて製品の耐時
期割れ性を向上させるために、限界絞り比が3.1以上で
あれば実使用上問題ないと考えられる。
(実施例) 第2表に本発明鋼と比較鋼の各化学組成例を示し、そ
の各例におけるMr(R.T.)計算値および室温(25℃)で
40%引張り歪付与後の加工誘起マルテンサイト量(α′
量)の実測値を示す。また、第3表に第2表の各化学組
成例における本発明鋼および比較鋼の硬さ、引張り試験
特性値、成形性試験値、時期割れ性の指標となる限界絞
り比を示す。
の各例におけるMr(R.T.)計算値および室温(25℃)で
40%引張り歪付与後の加工誘起マルテンサイト量(α′
量)の実測値を示す。また、第3表に第2表の各化学組
成例における本発明鋼および比較鋼の硬さ、引張り試験
特性値、成形性試験値、時期割れ性の指標となる限界絞
り比を示す。
この第2表と第3表に示した実施例から、本発明鋼と
比較鋼とを比較する。
比較鋼とを比較する。
まず、本発明鋼とSUS304比較鋼とを比較してみると本
発明鋼は、第2表より、Mr(R.T.)計算値および加工誘
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)が低くな
っていることがわかる。
発明鋼は、第2表より、Mr(R.T.)計算値および加工誘
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)が低くな
っていることがわかる。
前にも触れたが、この加工誘起マルテンサイト量
(α′量)の実測値(%)低いということは、加工後の
磁性が低いことである。
(α′量)の実測値(%)低いということは、加工後の
磁性が低いことである。
また第3表より、本発明鋼は、硬さ、引張り試験特性
値および張り出し性の指標となるエリクセン値(以下Ev
値と略す)において若干軟質傾向を示しているが、深絞
り性の指標となるコニカルカップ値(以下CCV値と略
す)においては差はない。しかし、時期割れ性の指標と
なる限界深絞り比はSUS304比較鋼よりも著しく優れてい
ることがわかる。
値および張り出し性の指標となるエリクセン値(以下Ev
値と略す)において若干軟質傾向を示しているが、深絞
り性の指標となるコニカルカップ値(以下CCV値と略
す)においては差はない。しかし、時期割れ性の指標と
なる限界深絞り比はSUS304比較鋼よりも著しく優れてい
ることがわかる。
次に、本発明鋼とSUS304比較鋼とを比較する。SUS305
比較鋼は非磁性鋼と別称されているが、このことが第2
図に示されたMr(R.T.)計算値−37.9であり且つ加工誘
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)がほぼ0
であり、この両値が極端に低いことからよく理解され
る。
比較鋼は非磁性鋼と別称されているが、このことが第2
図に示されたMr(R.T.)計算値−37.9であり且つ加工誘
起マルテンサイト量(α′量)の実測値(%)がほぼ0
であり、この両値が極端に低いことからよく理解され
る。
従って本発明鋼は、SUS305比較鋼のこの両値には及ぶ
べきもないが、しかし第3表に示すように引張り試験特
性値およびEv値が高く優れている。限界絞り比について
は両鋼とも同等の特性値を示している。
べきもないが、しかし第3表に示すように引張り試験特
性値およびEv値が高く優れている。限界絞り比について
は両鋼とも同等の特性値を示している。
さらに、本発明鋼と特開昭54−138811に示されるNi−
Cr−Cuステンレス鋼と比較する。本発明鋼は、第3表に
示されるようにNi−Cr−Cuステンレス鋼よりもEv値が低
く張り出し性に劣るが実用上問題となる程劣っていな
い。限界絞り比は、同等の特性を有している。しかし、
第2表より、本発明鋼は、加工後の加工誘起マルテンサ
イト量(α′量)が極めて少なく、従って磁性が著しく
低くなるのである。
Cr−Cuステンレス鋼と比較する。本発明鋼は、第3表に
示されるようにNi−Cr−Cuステンレス鋼よりもEv値が低
く張り出し性に劣るが実用上問題となる程劣っていな
い。限界絞り比は、同等の特性を有している。しかし、
第2表より、本発明鋼は、加工後の加工誘起マルテンサ
イト量(α′量)が極めて少なく、従って磁性が著しく
低くなるのである。
(発明の効果) 本発明を実施することによって以下に述べるような効
果を生じる。
果を生じる。
本発明鋼は、既存鋼SUS304よりも若干軟質傾向にあ
り耐時期割れ性に優れ、かつ加工後の磁性も若干ではあ
るが小さいため、プレス加工途中およびプレス仕上加工
後の歪取り焼鈍工程を省略しても、従来のプレス成形製
品を製造でき、歪取り焼鈍工程に費やされるコストの節
減が可能となった。
り耐時期割れ性に優れ、かつ加工後の磁性も若干ではあ
るが小さいため、プレス加工途中およびプレス仕上加工
後の歪取り焼鈍工程を省略しても、従来のプレス成形製
品を製造でき、歪取り焼鈍工程に費やされるコストの節
減が可能となった。
本発明鋼は、既存鋼SUS305よりも張り出し性に優れ
ているため、プレス成形製品の製造が容易となり、さら
にNi量が低いため、製造コストが安価となる。
ているため、プレス成形製品の製造が容易となり、さら
にNi量が低いため、製造コストが安価となる。
本発明鋼は、特開昭54−138811に示されるNi−Cr−
Cuステンレス鋼の張り出し性および耐時期割れ性を有し
ている。さらに本発明鋼の加工後の磁性はNi−Cr−Cu鋼
のそれよりも明らかに低くなっているため、Ni−Cr−Cu
ステンレス鋼のプレス成形製品製造工程中の歪取り焼鈍
工程が省略でき、当工程にかかるコストの節減が可能と
なった。
Cuステンレス鋼の張り出し性および耐時期割れ性を有し
ている。さらに本発明鋼の加工後の磁性はNi−Cr−Cu鋼
のそれよりも明らかに低くなっているため、Ni−Cr−Cu
ステンレス鋼のプレス成形製品製造工程中の歪取り焼鈍
工程が省略でき、当工程にかかるコストの節減が可能と
なった。
上記の結果より、本発明鋼は、耐時期割れ性が良好
で、かつプレス成形加工後の磁性が小さいため、本発明
鋼をプレス成形製造用オーステナイト系ステンレス鋼と
して用いることによって、従来鋼では、さけることがで
きなかった歪取り焼鈍工程を省略でき、生産性が上り、
また原材料費の低減も図られ大幅にコストの節減が可能
となる。
で、かつプレス成形加工後の磁性が小さいため、本発明
鋼をプレス成形製造用オーステナイト系ステンレス鋼と
して用いることによって、従来鋼では、さけることがで
きなかった歪取り焼鈍工程を省略でき、生産性が上り、
また原材料費の低減も図られ大幅にコストの節減が可能
となる。
第1図は、化学組成の異なるプレス成形用オーステナイ
ト系ステンレス鋼の実験式より求めたMr(R.T.)計算値
と、室温(25℃)で40%引張り歪付与後の加工誘起マル
テンサイト量(α′量)の実測値(%)との関係を示す
図である。
ト系ステンレス鋼の実験式より求めたMr(R.T.)計算値
と、室温(25℃)で40%引張り歪付与後の加工誘起マル
テンサイト量(α′量)の実測値(%)との関係を示す
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】C:0.05%以下、 N:0.03%未満、 Si:1.00%以下、 Mn:1.00〜2.00%以下、 Cu:0.50〜3.00%以下、 Ni:8.00〜10.50%以下、 Cr:18.00〜20.00%、 残部がFeと不可避的不純物とからなる組成を有し、次の
実験式 Mr(R.T.)=386−311(C+N)−6.2Si−5.4Mn −9.2Cr−20(Ni+Cu) で与えられるMr(R.T.)、の計算値が5以下であり、さ
らに限界絞り比が3.1以上であり、優れた耐時期割れ性
と張り出し性とプレス成形ままでの非磁性をともに兼ね
備えたプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63131489A JPH0832948B2 (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | プレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63131489A JPH0832948B2 (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | プレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01301840A JPH01301840A (ja) | 1989-12-06 |
| JPH0832948B2 true JPH0832948B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=15059190
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63131489A Expired - Lifetime JPH0832948B2 (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | プレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0832948B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5818015B2 (ja) * | 1974-08-22 | 1983-04-11 | 日本電気株式会社 | ロンリカイロ |
| JPS54138811A (en) * | 1978-04-21 | 1979-10-27 | Kawasaki Steel Co | Austenitic stainless steel for press forming use |
| JPS5591961A (en) * | 1978-12-29 | 1980-07-11 | Nippon Steel Corp | Stainless steel plate of high workability |
-
1988
- 1988-05-31 JP JP63131489A patent/JPH0832948B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01301840A (ja) | 1989-12-06 |
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