JPH08333625A - 高強度部品の製造方法 - Google Patents
高強度部品の製造方法Info
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- JPH08333625A JPH08333625A JP13227396A JP13227396A JPH08333625A JP H08333625 A JPH08333625 A JP H08333625A JP 13227396 A JP13227396 A JP 13227396A JP 13227396 A JP13227396 A JP 13227396A JP H08333625 A JPH08333625 A JP H08333625A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高強度であってしかも耐遅れ破壊性に優れた
高強度部品を得る。 【解決手段】 重量%で、C:0.12〜0.25%、
Si:0.15%未満、Mn:0.40%以下、P:
0.015%以下、S:0.005%以下、Cr:0.
50〜1.50%、Mo:0.70超過〜1.50%、
V:0.05〜0.50%、Al:0.01〜0.06
%、N:0.005〜0.03%、O:0.0015%
以下、および必要に応じてNb:0.20%以下,T
i:0.20%以下,Zr:0.20%以下のうちから
選ばれる1種または2種以上、残部Feおよび不純物か
らなる鋼を素材とし、当該鋼を熱間,温間あるいは冷間
加工によって所望部品の粗形状に成形した後焼入れを施
し、転造や圧造などの冷間塑性加工を行って所望の部品
形状に加工した後に焼もどしを施す高強度部品の製造方
法。
高強度部品を得る。 【解決手段】 重量%で、C:0.12〜0.25%、
Si:0.15%未満、Mn:0.40%以下、P:
0.015%以下、S:0.005%以下、Cr:0.
50〜1.50%、Mo:0.70超過〜1.50%、
V:0.05〜0.50%、Al:0.01〜0.06
%、N:0.005〜0.03%、O:0.0015%
以下、および必要に応じてNb:0.20%以下,T
i:0.20%以下,Zr:0.20%以下のうちから
選ばれる1種または2種以上、残部Feおよび不純物か
らなる鋼を素材とし、当該鋼を熱間,温間あるいは冷間
加工によって所望部品の粗形状に成形した後焼入れを施
し、転造や圧造などの冷間塑性加工を行って所望の部品
形状に加工した後に焼もどしを施す高強度部品の製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度であってし
かも耐遅れ破壊性に優れた高強度部品、例えばチェーン
ピン,ロックピン,スタッドボルト,六角ボルトなどの
高強度部品を製造するのに利用される高強度部品の製造
方法に関するものである。
かも耐遅れ破壊性に優れた高強度部品、例えばチェーン
ピン,ロックピン,スタッドボルト,六角ボルトなどの
高強度部品を製造するのに利用される高強度部品の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、橋梁,建築物および機械構造物等
の大型化に伴って高強度ボルトが多量に使用されるよう
になってきている。また、自動車の軽量化の要求に伴っ
て各種部品の高強度化および小型化がはかられるように
なってきている。
の大型化に伴って高強度ボルトが多量に使用されるよう
になってきている。また、自動車の軽量化の要求に伴っ
て各種部品の高強度化および小型化がはかられるように
なってきている。
【0003】そして、特に強度が120Kgf/mm2
を超える高強度部品においては、耐遅れ破壊性が著しく
劣化することが知られており、安定した耐遅れ破壊性を
有していることが必須条件である。
を超える高強度部品においては、耐遅れ破壊性が著しく
劣化することが知られており、安定した耐遅れ破壊性を
有していることが必須条件である。
【0004】遅れ破壊は、主としては湿潤環境で使用さ
れた場合において、水素の侵入・拡散によって生ずる水
素脆化現象であり、静的負荷を受けた部材が突然に脆性
的に破壊する現象である。そして、引張強度が120〜
140Kgf/mm2であるような焼もどしマルテンサ
イト鋼においては、旧オーステナイト粒界に沿ってクラ
ックが発生しそれが伝播することが知られている。これ
は、粒界がP,S等の不純物偏析あるいは炭化物の析出
によって脆化し、さらに使用環境中より侵入する水素に
起因する脆化が重なって発生する現象であるとされてい
る。
れた場合において、水素の侵入・拡散によって生ずる水
素脆化現象であり、静的負荷を受けた部材が突然に脆性
的に破壊する現象である。そして、引張強度が120〜
140Kgf/mm2であるような焼もどしマルテンサ
イト鋼においては、旧オーステナイト粒界に沿ってクラ
ックが発生しそれが伝播することが知られている。これ
は、粒界がP,S等の不純物偏析あるいは炭化物の析出
によって脆化し、さらに使用環境中より侵入する水素に
起因する脆化が重なって発生する現象であるとされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、高強度部
品において、強度が120Kgf/mm2を超えると、
耐遅れ破壊性が著しく劣化するという問題点があった。
品において、強度が120Kgf/mm2を超えると、
耐遅れ破壊性が著しく劣化するという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような問題点にかんがみ
てなされたもので、強度クラス12.9(強度120〜
140Kgf/mm2級)ないし14.9(強度140
〜160Kgf/mm2級)の高強度であってしかも耐
遅れ破壊性に優れた高強度部品、例えばチェーンピン,
ロックピン,スタッドボルト,六角ボルトなどを得るこ
とが可能である高強度部品の製造方法を提供することを
目的としている。
てなされたもので、強度クラス12.9(強度120〜
140Kgf/mm2級)ないし14.9(強度140
〜160Kgf/mm2級)の高強度であってしかも耐
遅れ破壊性に優れた高強度部品、例えばチェーンピン,
ロックピン,スタッドボルト,六角ボルトなどを得るこ
とが可能である高強度部品の製造方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐遅れ破壊
性に優れた高強度部品の製造方法は、重量%で、C:
0.12〜0.25%、Si:0.15%未満、Mn:
0.40%以下、P:0.015%以下、S:0.00
5%以下、Cr:0.50〜1.50%、Mo:0.7
0超過〜1.50%、V:0.05〜0.50%、A
l:0.01〜0.06%、N:0.005〜0.03
%、O:0.0015%以下、および必要に応じてN
b:0.20%以下,Ti:0.20%以下,Zr:
0.20%以下のうちから選ばれる1種または2種以
上、残部Feおよび不純物からなる鋼を素材とし、当該
鋼を熱間,温間あるいは冷間加工によって所望部品の粗
形状に成形した後焼入れを施し、転造や圧造などの冷間
塑性加工を行って所望の部品形状に加工した後に焼もど
しを施すようにしたことを特徴としているものであり、
通常の例えば転造→焼入れ→焼もどしの工程に代えて、
焼入れ→転造→焼もどしの工程を採用することによっ
て、転造後に当該転造部分を加工硬化させると共に残留
応力を付与し、疲労強度の著しい向上をもたらすことが
できるようにしたことを特徴としているものである。
性に優れた高強度部品の製造方法は、重量%で、C:
0.12〜0.25%、Si:0.15%未満、Mn:
0.40%以下、P:0.015%以下、S:0.00
5%以下、Cr:0.50〜1.50%、Mo:0.7
0超過〜1.50%、V:0.05〜0.50%、A
l:0.01〜0.06%、N:0.005〜0.03
%、O:0.0015%以下、および必要に応じてN
b:0.20%以下,Ti:0.20%以下,Zr:
0.20%以下のうちから選ばれる1種または2種以
上、残部Feおよび不純物からなる鋼を素材とし、当該
鋼を熱間,温間あるいは冷間加工によって所望部品の粗
形状に成形した後焼入れを施し、転造や圧造などの冷間
塑性加工を行って所望の部品形状に加工した後に焼もど
しを施すようにしたことを特徴としているものであり、
通常の例えば転造→焼入れ→焼もどしの工程に代えて、
焼入れ→転造→焼もどしの工程を採用することによっ
て、転造後に当該転造部分を加工硬化させると共に残留
応力を付与し、疲労強度の著しい向上をもたらすことが
できるようにしたことを特徴としているものである。
【0008】以下、本発明に係る高強度部品の製造方法
において素材として用いられる高強度部品用鋼の成分範
囲(重量%)の限定理由について説明する。
において素材として用いられる高強度部品用鋼の成分範
囲(重量%)の限定理由について説明する。
【0009】C:0.12〜0.25% Cは熱処理によって所要の強度を得るために有効な元素
であり、このような効果を得るために0.12%以上含
有させることが必要である。しかし、0.35%を超え
て含有するととくに高強度部品の耐遅れ破壊性が劣化す
るので0.35%以下とする必要がある。また、焼入れ
を施したのちに転造等の冷間塑性加工を行う工程を採用
する場合には、焼入れ後の硬さが大きくなりすぎて冷間
塑性加工が困難になることのないようにするために0.
25%以下とするのがよい。
であり、このような効果を得るために0.12%以上含
有させることが必要である。しかし、0.35%を超え
て含有するととくに高強度部品の耐遅れ破壊性が劣化す
るので0.35%以下とする必要がある。また、焼入れ
を施したのちに転造等の冷間塑性加工を行う工程を採用
する場合には、焼入れ後の硬さが大きくなりすぎて冷間
塑性加工が困難になることのないようにするために0.
25%以下とするのがよい。
【0010】Si:0.15%未満 Siはオーステナイト化時の高温加熱による粒界酸化を
助長する元素であり、遅れ破壊の起点となりうるもので
あるため耐遅れ破壊性を劣化させる。そのため、Si量
は低い方が望ましく、特に0.05%以下とすることが
より好ましいが、ここではこの上限を0.15%未満と
した。
助長する元素であり、遅れ破壊の起点となりうるもので
あるため耐遅れ破壊性を劣化させる。そのため、Si量
は低い方が望ましく、特に0.05%以下とすることが
より好ましいが、ここではこの上限を0.15%未満と
した。
【0011】Mn:0.40%以下 Mnは溶製時の脱酸剤として有効であると共に焼入れ性
の向上に寄与する元素であるが、MnはSiとともに焼
入れ時の粒界酸化を助長し、耐遅れ破壊性を劣化させる
ので、低いほど好ましく、特に0.30%以下とするこ
とがより好ましいが、ここではその上限を0.40%と
した。
の向上に寄与する元素であるが、MnはSiとともに焼
入れ時の粒界酸化を助長し、耐遅れ破壊性を劣化させる
ので、低いほど好ましく、特に0.30%以下とするこ
とがより好ましいが、ここではその上限を0.40%と
した。
【0012】P:0.015%以下 Pはオーステナイト化時の高温加熱によってオーステナ
イト粒界に偏析を生じ、粒界を脆化させて耐遅れ破壊性
を劣化させるので、0.015%以下とした。
イト粒界に偏析を生じ、粒界を脆化させて耐遅れ破壊性
を劣化させるので、0.015%以下とした。
【0013】S:0.005%以下 SはPと同様にオーステナイト化時の高温加熱によって
オーステナイト粒界に偏析を生じ、粒界を脆化させて耐
遅れ破壊性を劣化させると共に、MnSを形成して耐遅
れ破壊性を劣化させるので、0.005%以下とした。
オーステナイト粒界に偏析を生じ、粒界を脆化させて耐
遅れ破壊性を劣化させると共に、MnSを形成して耐遅
れ破壊性を劣化させるので、0.005%以下とした。
【0014】Cr:0.50〜1.50% Crは焼入れ性の向上に寄与する元素であるので、高強
度部品の寸法等に応じてその添加量を調整するのが良
く、これによってボルトの焼入れ性を確保する。そし
て、このような観点からはCr含有量を0.50%以上
とした。しかし、Crの添加は、通常の機械構造用高強
度部品を対象とした寸法では、2.00%まで添加する
ことによって焼入れ性の向上は十分であり、むしろ添加
しすぎるとSiおよびMnと同様に粒界酸化を助長して
耐遅れ破壊性を劣化させるので、0.50〜2.00%
の範囲とする必要がある。また、焼入れを施したのちに
転造等の冷間塑性加工を行う工程を採用する場合には、
焼入れ後の硬さが大きくなりすぎて冷間塑性加工が困難
になることのないようにするために、1.50%以下と
するのがよい。
度部品の寸法等に応じてその添加量を調整するのが良
く、これによってボルトの焼入れ性を確保する。そし
て、このような観点からはCr含有量を0.50%以上
とした。しかし、Crの添加は、通常の機械構造用高強
度部品を対象とした寸法では、2.00%まで添加する
ことによって焼入れ性の向上は十分であり、むしろ添加
しすぎるとSiおよびMnと同様に粒界酸化を助長して
耐遅れ破壊性を劣化させるので、0.50〜2.00%
の範囲とする必要がある。また、焼入れを施したのちに
転造等の冷間塑性加工を行う工程を採用する場合には、
焼入れ後の硬さが大きくなりすぎて冷間塑性加工が困難
になることのないようにするために、1.50%以下と
するのがよい。
【0015】Mo:0.70超過〜1.50% Moは焼入れ性の向上に寄与すると共に、結晶粒の微細
化およびオーステナイト粒界の強度向上に寄与する元素
であり、さらには焼もどし時に十分な2次硬化を得るこ
とができるようにし、引張強さ120Kgf/mm2以
上の高強度を得るための焼もどし温度が600℃を上回
るようにするために、0.70%超過とした。しかし多
く添加しても効果は飽和するのみならず、巨大な1次炭
化物が晶出してくるようになり、焼入れ時に残存して靭
性が低下するので、その上限を2.00%とした。ま
た、焼入れを施したのちに転造等の冷間塑性加工を行う
工程を採用する場合には、焼入れ後の硬さが大きくなり
すぎて冷間塑性加工が困難になることのないようにする
ために、1.50%以下とするのがよい。
化およびオーステナイト粒界の強度向上に寄与する元素
であり、さらには焼もどし時に十分な2次硬化を得るこ
とができるようにし、引張強さ120Kgf/mm2以
上の高強度を得るための焼もどし温度が600℃を上回
るようにするために、0.70%超過とした。しかし多
く添加しても効果は飽和するのみならず、巨大な1次炭
化物が晶出してくるようになり、焼入れ時に残存して靭
性が低下するので、その上限を2.00%とした。ま
た、焼入れを施したのちに転造等の冷間塑性加工を行う
工程を採用する場合には、焼入れ後の硬さが大きくなり
すぎて冷間塑性加工が困難になることのないようにする
ために、1.50%以下とするのがよい。
【0016】V:0.05〜0.50%、 Vは焼もどし時に十分な2次硬化を得ることができるよ
うにするのに有効な元素であるので、このような効果を
得るために0.05%以上とした。しかし、多すぎると
巨大な一次炭化物が晶出し、焼入れ時に残存して靭性が
低下するので、その上限を1.50%とした。また、焼
入れを施したのちに転造等の冷間塑性加工を行う工程を
採用する場合には、焼入れ後の冷間塑性加工が容易にで
きるようにするために、その上限を0.50%とするの
がよい。
うにするのに有効な元素であるので、このような効果を
得るために0.05%以上とした。しかし、多すぎると
巨大な一次炭化物が晶出し、焼入れ時に残存して靭性が
低下するので、その上限を1.50%とした。また、焼
入れを施したのちに転造等の冷間塑性加工を行う工程を
採用する場合には、焼入れ後の冷間塑性加工が容易にで
きるようにするために、その上限を0.50%とするの
がよい。
【0017】Al:0.01〜0.06% AlはNと共にAlNを形成して結晶粒を微細化し、靭
性の向上をはかるのに有効な元素であり、このような効
果を得るために0.01%以上とした。しかし、多すぎ
ると地疵となる大型介在物を生成し、Al2O3が疲労
の起点となるため0.06%以下とした。
性の向上をはかるのに有効な元素であり、このような効
果を得るために0.01%以上とした。しかし、多すぎ
ると地疵となる大型介在物を生成し、Al2O3が疲労
の起点となるため0.06%以下とした。
【0018】N:0.005〜0.03% NはAlと共にAlNを形成して結晶粒を微細化し、靭
性の向上をはかるのに有効な元素であるので、このよう
な効果を得るために0.005%以上とした。しかし、
Nの添加量はAlの添加量のおよそ1/2とすることが
望ましいが、多すぎると地疵となる大型介在物を生成す
るので0.03%以下とした。
性の向上をはかるのに有効な元素であるので、このよう
な効果を得るために0.005%以上とした。しかし、
Nの添加量はAlの添加量のおよそ1/2とすることが
望ましいが、多すぎると地疵となる大型介在物を生成す
るので0.03%以下とした。
【0019】O:0.0015%以下 dO含有量が多すぎるとAl2O3系の介在物を生成し
て悪影響を及ぼすのでその上限を0.0015%とし
た。
て悪影響を及ぼすのでその上限を0.0015%とし
た。
【0020】Nb:0.20%以下,Ti:0.20%
以下,Zr:0.20%以下のうちから選ばれる1種ま
たは2種以上 Nb,Ti,Zrはいずれも微細な炭化物を形成し、結
晶粒の微細化に効果があり、耐遅れ破壊性の向上に寄与
する元素であるので、必要に応じてこれらの1種または
2種以上を添加するのもよい。しかし、各元素について
0.20%を超えて添加しても効果の向上は大きくない
ので、添加するとしても各々0.20%以下とするのが
よい。
以下,Zr:0.20%以下のうちから選ばれる1種ま
たは2種以上 Nb,Ti,Zrはいずれも微細な炭化物を形成し、結
晶粒の微細化に効果があり、耐遅れ破壊性の向上に寄与
する元素であるので、必要に応じてこれらの1種または
2種以上を添加するのもよい。しかし、各元素について
0.20%を超えて添加しても効果の向上は大きくない
ので、添加するとしても各々0.20%以下とするのが
よい。
【0021】本発明に係る高強度部品の製造方法では、
上記したより望ましい成分組成の鋼を素材とし、当該鋼
を高強度部品の粗形状に熱間,温間,冷間加工等により
成形した後焼入れを施し、次いで転造,圧造等の冷間塑
性加工を行って所定の高強度部品の形状に成形したのち
焼もどしを行うようにしている。このように焼入れ後に
冷間塑性加工を行ったのち焼もどしを施すようにしたの
は、冷間塑性加工の際の加工硬化および残留応力の付与
を焼もどし後にも維持されるようにし、高強度部品の疲
労強度をより一層向上させるようにするためであり、こ
のような疲労強度の向上は、低C含有量でかつMo,V
の炭化物形成による2次析出硬化型の鋼を素材とするこ
とにより可能となった。
上記したより望ましい成分組成の鋼を素材とし、当該鋼
を高強度部品の粗形状に熱間,温間,冷間加工等により
成形した後焼入れを施し、次いで転造,圧造等の冷間塑
性加工を行って所定の高強度部品の形状に成形したのち
焼もどしを行うようにしている。このように焼入れ後に
冷間塑性加工を行ったのち焼もどしを施すようにしたの
は、冷間塑性加工の際の加工硬化および残留応力の付与
を焼もどし後にも維持されるようにし、高強度部品の疲
労強度をより一層向上させるようにするためであり、こ
のような疲労強度の向上は、低C含有量でかつMo,V
の炭化物形成による2次析出硬化型の鋼を素材とするこ
とにより可能となった。
【0022】
【実施例】表1に示す化学成分の本発明例による鋼A〜
Fおよび比較例の鋼G(SCM440H)をそれぞれ溶
製したのち造塊し、各鋼を直径8mmの線材に圧延し
た。
Fおよび比較例の鋼G(SCM440H)をそれぞれ溶
製したのち造塊し、各鋼を直径8mmの線材に圧延し
た。
【0023】次いで、各線材に焼なましを施したのち引
張試験片および遅れ破壊試験片に加工し、各試験片に対
し、引張強度が120〜160Kgf/mm2となるよ
うに調質した。
張試験片および遅れ破壊試験片に加工し、各試験片に対
し、引張強度が120〜160Kgf/mm2となるよ
うに調質した。
【0024】
【表1】
【0025】次いで、各供試片を用いて引張特性および
遅れ破壊特性を調べた。このとき、引張特性の試験に際
しては縮小JIS 4号試験片を使用した。その結果を
表2および図1に示す。
遅れ破壊特性を調べた。このとき、引張特性の試験に際
しては縮小JIS 4号試験片を使用した。その結果を
表2および図1に示す。
【0026】また、遅れ破壊特性の試験に際しては図2
に示す曲げ型促進試験片(l1=20mm,d1=6m
m,d2=4mm,R=0.1mm)を使用し、片持曲
げ荷重を負荷して行った。また、試験環境は0.1N−
HClとし、これを試験片の切欠部に滴下しながら曲げ
応力を加えた。そして、各供試材の遅れ破壊特性は、静
曲げ応力(σSB)に対する遅れ破壊試験30時間後に
おける強度(σ30h r)との比、すなわち遅れ破壊強
度比σ30hr/σSBで表わした。この結果を同じく
表2に示す。
に示す曲げ型促進試験片(l1=20mm,d1=6m
m,d2=4mm,R=0.1mm)を使用し、片持曲
げ荷重を負荷して行った。また、試験環境は0.1N−
HClとし、これを試験片の切欠部に滴下しながら曲げ
応力を加えた。そして、各供試材の遅れ破壊特性は、静
曲げ応力(σSB)に対する遅れ破壊試験30時間後に
おける強度(σ30h r)との比、すなわち遅れ破壊強
度比σ30hr/σSBで表わした。この結果を同じく
表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示すように、本発明例の鋼A〜F
は、引張強度120〜160Kgf/mm2に調質した
ときにおいて、伸びおよび絞りが良好な値を示してお
り、特に30時間強度比は比較例の鋼Gよりもかなり高
い値を示している。
は、引張強度120〜160Kgf/mm2に調質した
ときにおいて、伸びおよび絞りが良好な値を示してお
り、特に30時間強度比は比較例の鋼Gよりもかなり高
い値を示している。
【0029】次に、高強度部品の一例としてボルトを転
造加工により製造するにあたり、転造加工を焼入れ・焼
もどし前に行う通常の工程(表3のA,B,D,F,
G)と、焼入れ後に転造加工を行ってこの転造加工後に
焼もどしを行う本発明に基く工程(表3のA´,B´,
D´,F´)とを採用した場合における疲労特性への影
響を調べた。
造加工により製造するにあたり、転造加工を焼入れ・焼
もどし前に行う通常の工程(表3のA,B,D,F,
G)と、焼入れ後に転造加工を行ってこの転造加工後に
焼もどしを行う本発明に基く工程(表3のA´,B´,
D´,F´)とを採用した場合における疲労特性への影
響を調べた。
【0030】この場合、ボルトに対して平均応力81K
gf/mm2を加える実体疲労試験を行って、3×10
6回後で破断しない応力振幅を調べた。この結果を表3
に示す。
gf/mm2を加える実体疲労試験を行って、3×10
6回後で破断しない応力振幅を調べた。この結果を表3
に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3に示す結果より明らかなように、焼入
れ後に転造加工を行ったのち焼もどしを施すことによっ
て、転造加工の際の加工硬化および残留応力の付与によ
る効果をボルトに活用することが可能となり、疲労強度
を大幅に向上させることができた。
れ後に転造加工を行ったのち焼もどしを施すことによっ
て、転造加工の際の加工硬化および残留応力の付与によ
る効果をボルトに活用することが可能となり、疲労強度
を大幅に向上させることができた。
【0033】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
高強度部品の製造方法は、重量%で、C:0.12〜
0.25%、Si:0.15%未満、Mn:0.40%
以下、P:0.015%以下、S:0.005%以下、
Cr:0.50〜1.50%、Mo:0.70超過〜
1.50%、V:0.05〜0.50%、Al:0.0
1〜0.06%、N:0.005〜0.03%、O:
0.0015%以下、および必要に応じてNb:0.2
0%以下,Ti:0.20%以下,Zr:0.20%以
下のうちから選ばれる1種または2種以上、残部Feお
よび不純物からなる鋼を素材とし、当該鋼を粗形状に成
形した後焼入れを施し、冷間塑性加工後に焼もどしを施
すようにしたものであるから、高強度でしかも耐遅れ破
壊性に優れた高強度部品を得ることが可能であり、しか
も当該高強度部品の耐疲労性をより一層向上させること
ができるようになるという非常に優れた効果をもたらし
うるものである。
高強度部品の製造方法は、重量%で、C:0.12〜
0.25%、Si:0.15%未満、Mn:0.40%
以下、P:0.015%以下、S:0.005%以下、
Cr:0.50〜1.50%、Mo:0.70超過〜
1.50%、V:0.05〜0.50%、Al:0.0
1〜0.06%、N:0.005〜0.03%、O:
0.0015%以下、および必要に応じてNb:0.2
0%以下,Ti:0.20%以下,Zr:0.20%以
下のうちから選ばれる1種または2種以上、残部Feお
よび不純物からなる鋼を素材とし、当該鋼を粗形状に成
形した後焼入れを施し、冷間塑性加工後に焼もどしを施
すようにしたものであるから、高強度でしかも耐遅れ破
壊性に優れた高強度部品を得ることが可能であり、しか
も当該高強度部品の耐疲労性をより一層向上させること
ができるようになるという非常に優れた効果をもたらし
うるものである。
【図1】各供試鋼の焼もどし温度による硬さおよび引張
特性を調べた結果を示すグラフである。
特性を調べた結果を示すグラフである。
【図2】遅れ破壊特性の試験に使用した試験片の説明図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/00 9352−4K C21D 9/00 A
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.12〜0.25%、
Si:0.15%未満、Mn:0.40%以下、P:
0.015%以下、S:0.005%以下、Cr:0.
50〜1.50%、Mo:0.70超過〜1.50%、
V:0.05〜0.50%、Al:0.01〜0.06
%、N:0.005〜0.03%、O:0.0015%
以下、残部Feおよび不純物からなる鋼を素材とし、当
該鋼を粗形状に成形した後焼入れを施し、冷間塑性加工
後に焼もどしを施すことを特徴とする耐遅れ破壊性に優
れた高強度部品の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.12〜0.25%、
Si:0.15%未満、Mn:0.40%以下、P:
0.015%以下、S:0.005%以下、Cr:0.
50〜1.50%、Mo:0.70超過〜1.50%、
V:0.05〜0.50%、Al:0.01〜0.06
%、N:0.005〜0.03%、O:0.0015%
以下、およびNb:0.20%以下,Ti:0.20%
以下,Zr:0.20%以下のうちから選ばれる1種ま
たは2種以上、残部Feおよび不純物からなる鋼を素材
とし、当該鋼を粗形状に成形した後焼入れを施し、冷間
塑性加工後に焼もどしを施すことを特徴とする耐遅れ破
壊性に優れた高強度部品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8132273A JP2728084B2 (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 高強度部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8132273A JP2728084B2 (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 高強度部品の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62204132A Division JP2954216B2 (ja) | 1987-08-19 | 1987-08-19 | 高強度部品用鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08333625A true JPH08333625A (ja) | 1996-12-17 |
| JP2728084B2 JP2728084B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=15077433
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8132273A Expired - Lifetime JP2728084B2 (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 高強度部品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2728084B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102097974B1 (ko) * | 2019-07-15 | 2020-04-07 | 유대업 | 육각헤드 토크볼트 및 그 제조방법 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5576045A (en) * | 1978-12-05 | 1980-06-07 | Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd | Steel for cold working and aging treatment |
| JPS61130456A (ja) * | 1984-11-29 | 1986-06-18 | Honda Motor Co Ltd | 高強度ボルト及びその製造方法 |
| JPS61147812A (ja) * | 1984-12-19 | 1986-07-05 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 遅れ破壊特性の優れた高強度鋼の製造方法 |
-
1996
- 1996-05-27 JP JP8132273A patent/JP2728084B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5576045A (en) * | 1978-12-05 | 1980-06-07 | Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd | Steel for cold working and aging treatment |
| JPS61130456A (ja) * | 1984-11-29 | 1986-06-18 | Honda Motor Co Ltd | 高強度ボルト及びその製造方法 |
| JPS61147812A (ja) * | 1984-12-19 | 1986-07-05 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 遅れ破壊特性の優れた高強度鋼の製造方法 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102097974B1 (ko) * | 2019-07-15 | 2020-04-07 | 유대업 | 육각헤드 토크볼트 및 그 제조방법 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2728084B2 (ja) | 1998-03-18 |
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