JPH083350A - ポリオレフィン系樹脂成形物の表面塗装方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂成形物の表面塗装方法

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JPH083350A
JPH083350A JP6145059A JP14505994A JPH083350A JP H083350 A JPH083350 A JP H083350A JP 6145059 A JP6145059 A JP 6145059A JP 14505994 A JP14505994 A JP 14505994A JP H083350 A JPH083350 A JP H083350A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリオレフィン系樹脂成形物の表面塗装に際
し、短時間の改質処理であっても良好な塗膜接着強度を
得、もって塗装に要するコストの低減を図る。 【構成】樹脂成形物2の表面改質に際し、パワーウォッ
シュ洗浄装置4及び表面改質装置5を使用する。表面改
質装置5はオゾン発生器8、ヒータ9、スプレーノズル
10、ドレン11等を有する。パワーウォッシュ洗浄
後、表面改質装置5においては、樹脂成形物2に流水状
のオゾン水溶液が接触し、接触に伴う水中に残存するオ
ゾンの酸化力により、樹脂成形物2の表面が均一に酸化
され、極性化される。さらに、塗装時において、塩素化
ポリプロピレンを配合した塗料を用いて塗膜層を形成す
る。酸化による表面改質と塩素化ポリプロピレンの接合
力の相乗作用により、たとえオゾン水溶液処理の時間が
短かったとしても、塗膜層の十分な接着強度が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばポリプロピレン
等の表面極性の比較的小さいポリオレフィン系樹脂成形
物の表面塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレンに代表される表面
極性の比較的小さいポリオレフィン樹脂成形物を例えば
塗装等の2次加工に供する場合、まずトリクロロエタン
等の溶剤により樹脂成形物表面の洗浄及び表面改質(凹
凸化)が行われる。次に、その表面にプライマー塗装が
施されたり、あるいは、プラズマ処理が施される。この
ような処理が施されることにより、表面が極性化されて
樹脂成形物と上塗り塗料との間が強固に接合される。し
かし、近年では、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素系の有機溶剤を用いて洗浄するのを規制する要求が
高まってきており、上記の溶剤に代わるポリオレフィン
樹脂成形物の表面を改質するための新たなる方法が各方
面において研究されている。
【0003】そこで、上記の要求に答える技術の1つと
して、例えば特開平3−103448号公報に開示され
たものが挙げられる。この技術では、ポリプロピレン樹
脂成形物がオゾン気流下で処理されることにより、その
表面が酸化され、表面には親水性が付与される。しか
し、上記技術では、ポリプロピレン樹脂成形物をオゾン
気流下で処理するようにしていたため、樹脂成形物の全
ての表面を均一に改質することは困難であった。すなわ
ち、表面を均一に改質するためには、オゾン気流を全て
の表面に対してほぼ均一に、かつ、各表面に対してほぼ
同一時間だけ当てなければならない。従って、樹脂成形
物が複雑な形状をなすような場合には、樹脂成形物又は
気流を適当に動かしたりしなければ、樹脂成形物の全て
の表面を均一に改質することができず、結果として均一
な塗装を施すことが非常に困難となっていた。
【0004】上記不具合に対処すべく、本願出願人は、
特願平5−163619号において、ポリオレフィン樹
脂成形物をオゾン水溶液に接触させて、前記ポリオレフ
ィン樹脂成形物の表面を酸化させる旨を開示している。
かかる方法によれば、改質工程前での有機溶剤の使用を
省略して、樹脂成形物の表面を容易に、かつ、均一に改
質することができる。また、その後の塗装により、樹脂
成形物の表面に塗膜層を強固に形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術では、一定の優れた改質結果は得られるものの、以下
に示すような不具合があった。すなわち、現行のポリオ
レフィン樹脂成形物として代表的なポリプロピレン系の
ものを例に挙げると、樹脂成形物は、ポリプロピレンを
主成分として、それにEPM(エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体)、タルク等が配合されている。しか
し、これらの成分中には、オゾンと反応しやすい物質が
含まれていない。従って、塗膜層を樹脂成形物の表面に
強固に付着させるに十分な程度の改質を得るためには、
かなりの処理時間(例えば約20分)を要することとな
っていた。その結果、改質に要するコストが嵩んでしま
うこととなっていた。
【0006】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであって、表面極性の比較的小さいポリオ
レフィン系樹脂成形物の表面塗装に際し、短時間の改質
処理であっても極めて良好な塗膜接着強度が得られ、も
って塗装に要するコストの低減を図ることの可能なポリ
オレフィン系樹脂成形物の表面塗装方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、ポリオレフィン
系樹脂成形物に対し、オゾン水溶液を接触させて、前記
ポリオレフィン系樹脂成形物の表面を酸化させる表面改
質工程と、前記改質されたポリオレフィン系樹脂成形物
の表面に対し、塩素化ポリプロピレンの配合されてなる
塗料を塗布することにより、前記ポリオレフィン系樹脂
成形物の表面に塗膜層を形成する塗膜層形成工程とを備
えたポリオレフィン系樹脂成形物の表面塗装方法をその
要旨としている。
【0008】
【作用】上記の請求項1に記載の発明によれば、ポリオ
レフィン系樹脂成形物にオゾン水溶液が接触する。この
とき、水中に残存するオゾンの酸化力により、ポリオレ
フィン系樹脂成形物の表面が酸化され、極性化される。
ここで、ポリオレフィン系樹脂成形物がいかなる形状を
なしていたとしても、オゾン水溶液は、樹脂成形物の全
表面に確実に接触することが可能となる。そのため、樹
脂成形物表面の各箇所における反応斑が起きにくく、各
表面において均一に酸化反応が行われる。
【0009】次に、改質されたポリオレフィン系樹脂成
形物の表面に対し、塩素化ポリプロピレンの配合されて
なる塗料が塗布される。この塗布により、前記ポリオレ
フィン系樹脂成形物の表面に塗膜層が形成される。ここ
で、塗料中の塩素化ポリプロピレンは、樹脂成形物の表
面の未酸化の部分とも、塩素化ポリプロピレンの塩素化
されていない部分が相溶することにより接合しうる。ま
た、塩素化された部分も酸化官能(極性)基と相互作用
をもち、接合する。このため、たとえ上記改質が仮に十
分なものでなかったとしても、塩素化ポリプロピレンに
よる接合と、樹脂成形物表面の極性基及び塗料の極性基
の結合との相乗作用によって、形成された塗膜層は樹脂
成形物表面に極めて強固に接着することになる。
【0010】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、表面極
性の比較的小さいポリオレフィン系樹脂成形物の表面塗
装に際し、短時間の改質処理であっても極めて良好な塗
膜接着強度が得られ、もって塗装に要するコストの低減
を図ることができるという優れた効果を奏する。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面に基
づいて説明する。図2に示すように、例えば自動車用バ
ンパー等の樹脂製品1は、樹脂成形物2及びその表面に
形成された塗膜層3により構成されている。樹脂成形物
2はポリプロピレンにより金型にて成形されたものであ
り、その表面は改質(酸化)されている。そして、本実
施例では、当該樹脂成形物2の表面に直接塗装が施され
ている。また、前記塗膜層3を形成する塗料は、例えば
ポリエステル系の塗料に塩素化ポリプロピレンが配合さ
れることにより構成されている。
【0012】次に、上記樹脂製品1を製造するに際し、
樹脂成形物2の成形後から塗装の前段階に至るまでの表
面改質工程について、図1の改質装置等を示す工程図に
従って説明する。
【0013】同図に示すように、樹脂成形物2の表面改
質に際しては、パワーウォッシュ洗浄装置4及び表面改
質装置5が使用される。また、これら一連の工程を経る
に際してはコンベア6が使用され、樹脂成形物2は該コ
ンベア6の移動により例えば図の右方へ搬送されるよう
になっている。前記パワーウォッシュ洗浄装置4は、樹
脂成形物2の表面の汚れを簡易的に洗浄除去するための
装置であって、図示しないポンプ及びノズル7等を備え
ている。そして、該ノズル7の先端からジェット状の水
が樹脂成形物2に対して吹き付けられるようになってい
る。
【0014】また、表面改質装置5は、オゾン発生器
8、ヒータ9、スプレーノズル10、ドレン11及び各
部材を連結するためのホース等を有している。オゾン発
生器8は、酸素をオゾンに変化させるとともに、水中に
オゾンを溶解することができるようになっている。ま
た、オゾン発生器8は、内部にポンプ(図示せず)を備
え、オゾン水溶液をヒータ9の方へ圧送することができ
るようになっている。さらに、ホース途中に設けられた
ヒータ9は、流動中のオゾン水溶液を所定の温度にまで
加温することができるようになっている。
【0015】併せて、ホース先端に設けられたスプレー
ノズル10は、ヒータ9側から送られてくる加温された
オゾン水溶液がスプレー状に樹脂成形物2に当たるよう
に配設されている。
【0016】さらに、ドレン11は、前記コンベア6の
下方に設けられており、樹脂成形物2に接触した後のオ
ゾン水溶液を貯留するようになっている。このドレン1
1に溜まったオゾン水溶液は、パイプ12を介して一定
の速度で再度オゾン発生器8へと導入されるようになっ
ている。
【0017】なお、水の温度に対するオゾンの溶解度係
数の関係は、図3に示すような関係となっている。すな
わち、水の温度の上昇に伴ってオゾンは溶解されにくく
なり、温度の上昇とともに、オゾンは分解されやすくな
る。また、これに相反して、水の温度が高い方が反応速
度(表面改質速度)が増大することも一般的に知られて
いる。従って、オゾンの濃度ができるだけ高く、かつ、
オゾン水溶液の温度ができるだけ高くなるよう、ヒータ
9による加温調節が適宜になされるのが望ましい。
【0018】また、表面改質装置5にて表面改質された
樹脂成形物2は、乾燥装置13にて乾燥され、その後塗
装工程へ供されるようになっている。次に、上記の表面
改質装置5等を用いて、樹脂成形物2の表面を改質する
方法及び改質時の作用効果について説明する。
【0019】まず、金型により所定の形状に成形された
樹脂成形物2を作動中のコンベア6上にその意匠面を上
にした状態で載置し、図1の右方へと移動させてゆく。
そして、前記パワーウォッシュ洗浄装置4を用いて、前
記ノズル7の先端からジェット状の水を樹脂成形物2の
表面に対し吹き付ける。すると、樹脂成形物2の表面に
付着していたホコリ、ゴミ等の汚れが洗浄除去される。
【0020】次に、樹脂成形物2を前記コンベア6によ
りさらに図の右方へと移動させ、表面改質装置5へと供
する。このとき、樹脂成形物2には、スプレー状のオゾ
ン水溶液が接触する。この接触に伴う水中に残存するオ
ゾンの酸化力により、樹脂成形物2の表面が酸化され、
極性化される。
【0021】上記のように表面改質された樹脂成形物2
は、乾燥装置13により乾燥され、次なる塗装工程へと
供される。その塗装工程においては、上述したように、
例えばポリエステル系の塗料に塩素化ポリプロピレンが
配合された塗料が塗布される。その後、再度乾燥される
ことにより、樹脂成形物2の表面には塗膜層3が形成さ
れる。
【0022】このように、本実施例では、樹脂成形物2
の表面にはオゾン水溶液が接触し、オゾンの酸化力によ
り、樹脂成形物の表面が酸化され、極性化される。ここ
で、樹脂成形物2がいかなる形状(本実施例ではバンパ
の形状)をなしていたとしても、オゾン水溶液は、樹脂
成形物2の意匠面の全表面に確実に接触することが可能
となる。そのため、樹脂成形物2表面の各箇所における
反応斑が起きにくく、各表面において均一に酸化反応が
行われる。
【0023】また、本実施例では、その改質された樹脂
成形物2の表面に対し、塩素化ポリプロピレンの配合さ
れてなる塗料が塗布され、塗膜層3が形成される。ここ
で、塗料中の塩素化ポリプロピレンは、樹脂成形物の表
面の未酸化の部分とも、塩素化ポリプロピレンの塩素化
されていない部分が相溶することにより接合しうる。ま
た、塩素化された部分も酸化官能(極性)基と相互作用
をもち、接合する。このため、改質処理の時間が短く、
たとえ上記改質が仮に十分なものでなかったとしても、
塩素化ポリプロピレンによる接合と、樹脂成形物2表面
の極性基及び塗料間の結合との相乗作用によって、形成
された塗膜層3は樹脂成形物2表面に極めて強固に接着
することになる。その結果、短時間の改質処理であって
も極めて良好な塗膜層3の接着強度が得られ、もって塗
装の全工程に要するコストの低減を図ることができる。
【0024】さらに、本実施例の特有の効果としては、
改質処理時においてオゾン水溶液がスプレー状に当たる
ため、樹脂成形物2表面に当たる単位時間当たりのオゾ
ンの量は比較的多いものとなる。このため、全体として
オゾン水溶液を接触させる時間が、単に樹脂成形物をオ
ゾン水溶液中に浸漬させた場合に比べて極めて短時間で
済む。
【0025】また、樹脂成形物2表面にはオゾン水溶液
がスプレー状に当たるため、樹脂成形物2表面に形成さ
れるオゾン水溶液の境膜拡散層が比較的薄く形成され
る。この状態で、さらにオゾン水溶液がその境膜拡散層
を叩くようにして当たるため、当該拡散層が圧縮され
る。また、その圧縮により、拡散層が不連続に乱される
こととなり、より一層酸化反応が促進されることとな
る。従って、オゾン水溶液の接触時間のより一層の短縮
を図ることができる。
【0026】さらに、樹脂成形物をオゾン水溶液中に浸
漬させる場合と異なり、スプレー状のオゾン水溶液を樹
脂成形物2に当てればよいため、一連の工程においてオ
ゾン水溶液を接触させることが可能となる。すなわち、
パワーウォッシュ洗浄後、樹脂成形物を一旦コンベアか
ら取り外し、容器中に浸漬させる必要があった従来技術
とは異なり、コンベア6上において改質処理を施すこと
ができる。その結果、改質設備及び設置スペースの簡素
化並びにコストの低減を図ることができる。
【0027】併せて、本実施例では、容器中のオゾン水
溶液を加温する必要のあった従来技術とは異なり、オゾ
ン水溶液を樹脂成形物2に当てる直前にヒータ9で加温
するようにした。このため、高温状態が維持されている
期間中でのオゾンの分解を最小限に抑制することができ
る。従って、スプレー状のオソン水溶液中のオゾン濃度
を高めることができ、改質の効率を向上させることがで
きる。
【0028】加えて、本実施例では、樹脂成形物2に当
てる分の水溶液だけを加温すればよいため、加温のため
のエネルギーが比較的少なくて済む。その結果、エネル
ギーコストの低減を図ることができる。
【0029】〔実験〕次に、上記の作用効果を確認する
ために、表面改質の有無及び塗料を変更させて塗装した
場合における塗膜接着強度を測定する実験を行ったの
で、以下に説明する。
【0030】(ポリオレフィン樹脂成形物の作製及び簡
易洗浄)まず、本実施例では、ポリオレフィン樹脂とし
てポリプロピレンのホモポリマーを用いた。そして、上
記ポリマーを「100×150×3mm」のサイズに成
形し、テストピースPとした。
【0031】また、上記テストピースPをパワーウォッ
シュ洗浄に供した。すなわち、水温「60℃」で、水圧
「100kPa」の水をテストピースP表面に当てて、
表面に付着したホコリ等の除去を行った。
【0032】(装置)次に、表面改質に際して用いる実
験装置について説明する。但し、ここで用いる装置とし
ては、あくまでも実験的なものである。さて、テストピ
ースPにオゾン水溶液を当てる手段(流水手段)とし
て、上記実施例で説明した表面改質装置5と同様のもの
を使用した。すなわち、図4に示すように、スプレーノ
ズル10からスプレー状にオゾン水溶液をテストピース
Pに当てるタイプのものを使用した。また、上記流水手
段以外の各手段については、次のものを使用した。すな
わち、同図に示すように、酸素ガスボンベ31にはオゾ
ン発生器32が連結され、ここで発生したオゾンがバル
ブ33及び逆流防止トラップ34を経て混合器35に供
給されるようになっている。また、この混合器35に
は、ポンプ36から圧送されたオゾン水溶液(水)が供
給され、当該混合器35中において、オゾンガスがオゾ
ン水溶液(水)に溶解されるようになっている。さら
に、オゾン水溶液及び一部のオゾンガスは、次なる混和
器37に導入されるとともに、ここでも上記溶解が継続
される。また、当該混和器37の周りに設けられたヒー
タ38により、オゾン水溶液が所定の温度にまで加温さ
れるようになっている。
【0033】上記混和器35を経たオゾン水溶液は過剰
ガス分離トラップ39内に導入される。そして、過剰の
オゾンガスはこの分離トラップ39からバルブ40及び
凝集トラップ41を経て活性炭フィルター42に導かれ
る。この活性炭フィルター42内において、オゾンガス
は酸素ガスに分解され、その酸素ガスはアスピレータ4
3から外部へ排出される。一方、前記過剰ガス分離トラ
ップ39を経たオゾン水溶液は、上記の流水手段を経
て、載置台44上のテストピースPに当たるようになっ
ている。そして、その後のオゾン水溶液は、載置台44
を収容するガラス槽45中に貯留され、その後再度前記
ポンプ36に導入される。そして、本実験では、上記の
一連の流れが繰り返し行われるようになっている。
【0034】なお、上記装置において、各流水手段の直
前におけるオゾン水溶液のオゾン濃度は「7ppm」で
あり、水素イオン濃度(pH)は「約3.7」であり、
温度は「50℃」であり、流水量は「1.7リットル/
分」であった。また、処理時間は100秒とした。一
方、オゾン発生器32としては、無声放電方式のもの
(荏原実業製 商品名:OZSD−5A)を使用し、こ
のときのオゾンガスの発生量は「3g/hr」であっ
た。さらに、オゾン水溶液の濃度については、市販のオ
ゾン水濃度測定器(荏原実業製 商品名:検太郎)を使
用して測定した。。
【0035】(実験内容)上記の装置を用いて改質処理
を行って乾燥(80℃×10分)したものを用意すると
ともに、改質処理を行わないサンプルも用意した。その
後、塗装を行った。なお、この塗装時の塗料としてはポ
リエステル系塗料、アクリル系塗料及びポリエステル系
塗料に塩素化ポリプロピレンを(7重量%)配合した塗
料の3種類を用いた。そして、塗布後、各塗料を「80
℃」で乾燥させて塗膜層を形成した後、当該塗膜層の剥
離強度試験を行った。この剥離強度の測定には引張試験
器(テンシロン)を用いて塗膜層のピーリング強度を測
定した(但し、引張角度は「180°」であり、引張速
度は「50mm/秒」である)。
【0036】(実験結果)以下の表1に、上記の各テス
トピースPの中心部分の塗膜層のピーリング強度を測定
した結果を示す。
【0037】
【表1】
【0038】上記結果からも明らかなように、本実施例
のようにオゾン水溶液で処理した場合には、ピーリング
強度が高くなることがわかる。また、塩素化ポリプロピ
レン(塩素化PP)を配合した塗料を用いた場合にもピ
ーリング強度が高くなることがわかる。そして、これら
の相乗作用により、オゾン水溶液で処理し、かつ、塩素
化PPを配合した塗料を用いた場合に最もピーリング強
度が高くなることがわかる。
【0039】〔追加実験〕次に、オゾン処理の時間以外
は上記実験と同一の条件下で処理、塗装を施し、その時
間を種々変更させた場合のピーリング強度(塗膜接着強
度)を測定した。その結果を図5のグラフに示す。
【0040】同図からも明らかなように、従来の塗料
(ポリエステル系塗料)の場合に比べて、本実施例の塗
料(塩素化PPを配合)したものを用いた場合には、短
時間の改質処理であっても、十分なピーリング強度が得
られることがわかる。換言すれば、本実験結果から、オ
ゾン水溶液の処理時間の著しい短縮を図ることができる
ということがいえる。
【0041】尚、本発明は上記実施例に限定されず、例
えば次の如く構成してもよい。 (1)前記実施例では、樹脂成形物2(テストピース
P)の意匠面(上面)からオゾン水溶液をスプレー状に
当てる構成としたが、樹脂成形物2(テストピースP)
の表面全てが意匠面であるような場合には、各面からオ
ゾン水溶液を吹き付けるような構成としてもよい。ま
た、上記スプレー状の吹き付けに限定されず、樹脂成形
物をオゾン水溶液中に浸漬させて接触させるようにして
もよいし、オゾン水溶液を樹脂成形物の表面に流水状
(滝状)に当てるようにしてもよい。
【0042】(2)前記実施例では、改質の前段階にお
いてパワーウォッシュ洗浄装置4を用いて簡易洗浄を行
う場合に具体化したが、かかる洗浄を省略してもよい。 (3)前記実施例では、ポリオレフィン樹脂成形物の素
材としてポリプロピレンを採用したが、素材がポリオレ
フィンを主成分としているものであれば、ポリエチレン
製の樹脂成形物や、その他の2次成分が配合されたもの
等いかなるものの表面改質に適用することもできること
はいうまでもない。また、その形状はバンパーの形状に
限られるものではなく、例えばグリル、ガーニッシュ、
モール、スポイラー、ランプ、マーク、エンブレム、ホ
イールカバー等の各種車両用外装品などをはじめ、いか
なる形状をなしていてもよい。
【0043】(4)前記実施例では、オゾン水溶液を樹
脂成形物2(テストピースP)に当てる直前段階におい
てヒータ9,38を設ける構成としたが、もっと以前の
段階に設ける構成としてもよい。従って、場合によって
は、前記実験例で示したガラス槽45中に設けてもよ
い。
【0044】(5)前記実施例では、ポリエステル系塗
料に塩素化ポリプロピレンを配合した塗料を用いたが、
ポリエステルに塩素化ポリプロピレンをグラフト重合あ
るいはブロック重合した塗料を用いてもよい。
【0045】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記実施例から把握できる技術的思想に
ついて以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項1のポリオレフィン樹脂成形物の表面塗装
方法において、前記オゾン水溶液を流水状又はスプレー
状に当てることにより、表面を改質することを特徴とす
る。かかる構成とすることにより、短時間の処理でもっ
て十分な改質効果が得られ、塗装全体に要する時間及び
コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した実施例における表面改質
装置等を示すシステム図である。
【図2】 一実施例における樹脂製品を示す断面図であ
る。
【図3】 一実施例における水の温度に対するオゾンの
溶解度係数の関係を示すグラフである。
【図4】 一実施例において、表面改質試験を行ったと
きの実験装置を示す模式図である。
【図5】 一実施例におけるオゾン水溶液処理時間に対
する塗膜層のピーリング強度の関係を従来技術と比較し
て示すグラフである。
【符号の説明】
2…樹脂成形物。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂成形物に対し、オ
    ゾン水溶液を接触させて、前記ポリオレフィン系樹脂成
    形物の表面を酸化させる表面改質工程と、 前記改質されたポリオレフィン系樹脂成形物の表面に対
    し、塩素化ポリプロピレンの配合されてなる塗料を塗布
    することにより、前記ポリオレフィン系樹脂成形物の表
    面に塗膜層を形成する塗膜層形成工程とを備えたことを
    特徴とするポリオレフィン系樹脂成形物の表面塗装方
    法。
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US4957468A (en) * 1986-06-19 1990-09-18 Jidosha Kiki Co., Ltd. Hydraulic reaction force apparatus of power steering device

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