JPH08339742A - 真空遮断器用接点材料およびその製造方法 - Google Patents
真空遮断器用接点材料およびその製造方法Info
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- JPH08339742A JPH08339742A JP7354332A JP35433295A JPH08339742A JP H08339742 A JPH08339742 A JP H08339742A JP 7354332 A JP7354332 A JP 7354332A JP 35433295 A JP35433295 A JP 35433295A JP H08339742 A JPH08339742 A JP H08339742A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】Cu−Cr合金中のCr粉の形状を変えること
により、遮断性能と裁断性能との双方を向上させる。 【解決手段】Cr粉の形状が球形状であるようにする。
この形状のCr粉のするには、平均粉径が100μm以
下のCr粉の場合1100℃以上の焼結温度で、平均粉
径が100から150μmのCr粉の場合1200℃以
上の焼結温度で作成することによって得られる。
により、遮断性能と裁断性能との双方を向上させる。 【解決手段】Cr粉の形状が球形状であるようにする。
この形状のCr粉のするには、平均粉径が100μm以
下のCr粉の場合1100℃以上の焼結温度で、平均粉
径が100から150μmのCr粉の場合1200℃以
上の焼結温度で作成することによって得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、真空遮断器用真
空バルブに使われ、遮断性能および裁断性能の双方に優
れた接点材料およびその製造方法に関する。
空バルブに使われ、遮断性能および裁断性能の双方に優
れた接点材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器は、真空容器の中に開閉接点
を収納した真空バルブを備え、この真空バルブに高圧回
路の開閉性能を持たせたものである。図6は、真空バル
ブの構成を示す断面図である。真空容器1が、筒状のセ
ラミック材よりなり、真空容器1の外表面が釉薬(いわ
ゆる、うわぐすり)を焼き付けて形成した保護層10で
覆われている。真空容器1の内壁には金属製のアークシ
ールド5が接合されている。真空容器1の内部には、接
点となる可動接点4Aと固定接点4Bとが接離可能に配
されている。可動接点4Aは金属製の可動ロッド3Aに
接合され、一方、固定接点4Bも金属製の固定ロッド3
Bに接合されている。さらに、可動ロッド3Aはベロー
ズ7を介して金属フランジ2Aに接合され、固定ロッド
3Bは金属フランジ2Bに直接、接合されている。ベロ
ーズ7の可動接点4A側はベローズカバー6で覆われて
いる。真空容器1の両端にはメタライジング層8が施さ
れ、このメタライジング層8に金属フランジ2A,2B
がそれぞれ接合されている。金属フランジ2Aには、真
空封止された排気パイプ11が取り付けられてあり、真
空容器1の内部は真空に保たれている。 図6は、真空
バルブが投入の状態にある場合の構成であり、可動ロッ
ド3Aと固定ロッド3Bとの真空容器1外部の端部を図
示されていない主回路に介装することによって主回路を
開閉する。可動ロッド3Aを上下に駆動することによっ
て、可動接点4Aと固定接点4Bとが開閉される。ベロ
ーズ7は、可動ロッド3Aを気密の状態で可動的に真空
容器1の外部に引き出すものである。アークシールド5
は、電流開閉時に生ずるアークで真空容器1の内壁が汚
損するのを防ぐためのもの、ベローズカバー6も同じく
電流開閉時に生ずるアークからベローズ7を保護するた
めのものである。排気パイプ11は、封じ切る前は図示
されていない真空ポンプに接続されている。その真空ポ
ンプによって、10-2Pa(パスカル)以下に真空容器
1の内部が排気された後、排気パイプ11がその途中で
押しつぶされ封じ切られる。
を収納した真空バルブを備え、この真空バルブに高圧回
路の開閉性能を持たせたものである。図6は、真空バル
ブの構成を示す断面図である。真空容器1が、筒状のセ
ラミック材よりなり、真空容器1の外表面が釉薬(いわ
ゆる、うわぐすり)を焼き付けて形成した保護層10で
覆われている。真空容器1の内壁には金属製のアークシ
ールド5が接合されている。真空容器1の内部には、接
点となる可動接点4Aと固定接点4Bとが接離可能に配
されている。可動接点4Aは金属製の可動ロッド3Aに
接合され、一方、固定接点4Bも金属製の固定ロッド3
Bに接合されている。さらに、可動ロッド3Aはベロー
ズ7を介して金属フランジ2Aに接合され、固定ロッド
3Bは金属フランジ2Bに直接、接合されている。ベロ
ーズ7の可動接点4A側はベローズカバー6で覆われて
いる。真空容器1の両端にはメタライジング層8が施さ
れ、このメタライジング層8に金属フランジ2A,2B
がそれぞれ接合されている。金属フランジ2Aには、真
空封止された排気パイプ11が取り付けられてあり、真
空容器1の内部は真空に保たれている。 図6は、真空
バルブが投入の状態にある場合の構成であり、可動ロッ
ド3Aと固定ロッド3Bとの真空容器1外部の端部を図
示されていない主回路に介装することによって主回路を
開閉する。可動ロッド3Aを上下に駆動することによっ
て、可動接点4Aと固定接点4Bとが開閉される。ベロ
ーズ7は、可動ロッド3Aを気密の状態で可動的に真空
容器1の外部に引き出すものである。アークシールド5
は、電流開閉時に生ずるアークで真空容器1の内壁が汚
損するのを防ぐためのもの、ベローズカバー6も同じく
電流開閉時に生ずるアークからベローズ7を保護するた
めのものである。排気パイプ11は、封じ切る前は図示
されていない真空ポンプに接続されている。その真空ポ
ンプによって、10-2Pa(パスカル)以下に真空容器
1の内部が排気された後、排気パイプ11がその途中で
押しつぶされ封じ切られる。
【0003】ここで用いられている可動接点4Aと固定
接点4Bは、真空バルブの構成部品で最も重要なもので
あり、その優劣により真空バルブの特性が左右されると
言っても過言ではない。その接点材料には、 1)遮断性能に優れていること。 2)裁断性能に優れていること。
接点4Bは、真空バルブの構成部品で最も重要なもので
あり、その優劣により真空バルブの特性が左右されると
言っても過言ではない。その接点材料には、 1)遮断性能に優れていること。 2)裁断性能に優れていること。
【0004】3)耐溶着性能に優れていること。 4)消耗量の少ないこと。 5)耐電圧性能に優れていること。 6)接触抵抗が低く、通電容量の大きいこと。 7)吸蔵ガス量の少ないこと。
【0005】8)製造方法が簡単で、安価であること。 などの性能を具備していることが要求されている。ここ
で、裁断性能とは、10アンペア前後の交流電流を遮断
するときに問題となるもので、主回路電流の零点を待た
ずにアークが、或る電流値(裁断値)で突然、零になる
現象である。この裁断値が小さい程、裁断性能が良いと
言う。裁断性能が悪いと、主回路に高いサージ電圧が発
生し、例えば、モータやトランスなど、その主回路につ
ながる機器を絶縁破壊させてしまう危険性が出でくる。
したがって、接点材料としては、裁断値の小さい方が望
ましい。しかし、裁断値が小さいと言うことは、一方で
はアークが消滅しがたいと言うことでもあり、遮断性能
が良い(遮断容量が大きい)と言う要求と矛盾すること
になる。
で、裁断性能とは、10アンペア前後の交流電流を遮断
するときに問題となるもので、主回路電流の零点を待た
ずにアークが、或る電流値(裁断値)で突然、零になる
現象である。この裁断値が小さい程、裁断性能が良いと
言う。裁断性能が悪いと、主回路に高いサージ電圧が発
生し、例えば、モータやトランスなど、その主回路につ
ながる機器を絶縁破壊させてしまう危険性が出でくる。
したがって、接点材料としては、裁断値の小さい方が望
ましい。しかし、裁断値が小さいと言うことは、一方で
はアークが消滅しがたいと言うことでもあり、遮断性能
が良い(遮断容量が大きい)と言う要求と矛盾すること
になる。
【0006】接点材料を銅などの純金属にすると、遮断
性能は良いが裁断性能が悪くなる。そこで、両者の特性
をバランス良く備えたものとして、Cu(銅)−Cr
(クロム)合金が広く用いられ、20から50%のCu
を含有したものが一つの主流になっている。この合金で
も、Cuの含有量が多くなるとともに、遮断性能は良く
なるが裁断性能が悪くなってくる。したがって、遮断性
能が重視される場合は、70から80%のCuを含有し
たものが使用され、裁断性能が犠牲にされる。
性能は良いが裁断性能が悪くなる。そこで、両者の特性
をバランス良く備えたものとして、Cu(銅)−Cr
(クロム)合金が広く用いられ、20から50%のCu
を含有したものが一つの主流になっている。この合金で
も、Cuの含有量が多くなるとともに、遮断性能は良く
なるが裁断性能が悪くなってくる。したがって、遮断性
能が重視される場合は、70から80%のCuを含有し
たものが使用され、裁断性能が犠牲にされる。
【0007】Cu−Cr合金は、Cr粉末を原料とし
て、1000℃付近の温度で焼結されるが、おおよそ次
の方法で作られる。 (1)Cr粉とCu粉とを所望の割合で混合、成形した
ものを焼結する。 (2)Crの単独粉、または、CrとCuとの混合粉で
成形したものを一旦焼結し、この成形体をCuブロック
とともに再焼結する。或いは、Crの単独粉、または、
CrとCuとの混合粉で成形したのを始めらCuブロッ
クと一緒にして一度に焼結する。
て、1000℃付近の温度で焼結されるが、おおよそ次
の方法で作られる。 (1)Cr粉とCu粉とを所望の割合で混合、成形した
ものを焼結する。 (2)Crの単独粉、または、CrとCuとの混合粉で
成形したものを一旦焼結し、この成形体をCuブロック
とともに再焼結する。或いは、Crの単独粉、または、
CrとCuとの混合粉で成形したのを始めらCuブロッ
クと一緒にして一度に焼結する。
【0008】なお、上記(2)の方法における合金中の
Cu含有量は、Cu粉の混合比率や成形圧力などによっ
て予め実験的に調整される。また、ここで使用される原
料粉としては、Cu粉は、電解銅粉やアトマイズ粉が用
いられるが、Cr粉は、専らスタンプミルやボールミル
で粉砕された機械的粉砕粉が用いられる。
Cu含有量は、Cu粉の混合比率や成形圧力などによっ
て予め実験的に調整される。また、ここで使用される原
料粉としては、Cu粉は、電解銅粉やアトマイズ粉が用
いられるが、Cr粉は、専らスタンプミルやボールミル
で粉砕された機械的粉砕粉が用いられる。
【0009】図7は、Cu−Cr合金の原料として用い
られているCr粉の粒子形状を示す顕微鏡写真であり、
それぞれ(a)は、平均粒径が100μm以下にまで砕
粉された場合、(b)は、平均粒径が100から150
μmに砕粉された場合を示す。いずれの写真において
も、白い部分がCr粉である。各写真の右下には、0.
1mm幅の範囲が示されている。
られているCr粉の粒子形状を示す顕微鏡写真であり、
それぞれ(a)は、平均粒径が100μm以下にまで砕
粉された場合、(b)は、平均粒径が100から150
μmに砕粉された場合を示す。いずれの写真において
も、白い部分がCr粉である。各写真の右下には、0.
1mm幅の範囲が示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の接点材料は、遮断性能と裁断性能との双
方を少しずつ犠牲にしなければならないと言う問題があ
った。すなわち、Cu−Cr合金は、接点材料をしては
非常に優れたものであるが、前述のように、遮断性能を
より良くするために、合金中のCu含有量を増やし、裁
断性能の方を多少犠牲にしていた。一方、裁断性能をよ
り良くするために、合金中のCu含有量を減らし、遮断
性能の方を多少犠牲にしていた。いずれも大切な必要性
能なので、ともに性能を良くすることが以前から強く望
まれていた。
たような従来の接点材料は、遮断性能と裁断性能との双
方を少しずつ犠牲にしなければならないと言う問題があ
った。すなわち、Cu−Cr合金は、接点材料をしては
非常に優れたものであるが、前述のように、遮断性能を
より良くするために、合金中のCu含有量を増やし、裁
断性能の方を多少犠牲にしていた。一方、裁断性能をよ
り良くするために、合金中のCu含有量を減らし、遮断
性能の方を多少犠牲にしていた。いずれも大切な必要性
能なので、ともに性能を良くすることが以前から強く望
まれていた。
【0011】この発明の目的は、Cu−Cr合金内に散
在するCr粉が球形状になるように焼結することによ
り、遮断性能と裁断性能との双方を向上させることにあ
る。
在するCr粉が球形状になるように焼結することによ
り、遮断性能と裁断性能との双方を向上させることにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、銅の中に球形状のクロム粉が散
在した合金であるものとするとよい。機械的に粉砕され
たCr粉は、図7に示したように角が尖った形状をして
いる。このCr粉の角を落とし、球形状にしたCr粉を
Cu中に散在させた合金を接点材料として、遮断性能と
裁断性能とを調べたところ、いずれの性能も向上するこ
とを発明者が発見した。しかも、接点材料として必要な
前述の他の性能3)から8)は全く損なわないことも分
かった。これは、Cr粉の角部が球形状になることによ
り、Cr粉角部の電界集中が緩和されて遮断性能が向上
し、一方、Cr粉が微細に分布するようになるために、
Cuリッチの部分が小さくなりCuだけの領域に陰極点
が存在する機会が減って高い裁断値を示す確率が減少す
るものと考えられる。
に、この発明によれば、銅の中に球形状のクロム粉が散
在した合金であるものとするとよい。機械的に粉砕され
たCr粉は、図7に示したように角が尖った形状をして
いる。このCr粉の角を落とし、球形状にしたCr粉を
Cu中に散在させた合金を接点材料として、遮断性能と
裁断性能とを調べたところ、いずれの性能も向上するこ
とを発明者が発見した。しかも、接点材料として必要な
前述の他の性能3)から8)は全く損なわないことも分
かった。これは、Cr粉の角部が球形状になることによ
り、Cr粉角部の電界集中が緩和されて遮断性能が向上
し、一方、Cr粉が微細に分布するようになるために、
Cuリッチの部分が小さくなりCuだけの領域に陰極点
が存在する機会が減って高い裁断値を示す確率が減少す
るものと考えられる。
【0013】また、かかる接点材料は、平均粉径が10
0μm以下のクロム粉を銅とともに1100℃以上の温
度で焼結する方法によって得られる。或いはまた、かか
る接点材料は、平均粉径が100から150μmのクロ
ム粉を銅とともに1200℃以上の温度で焼結する方法
によっても得られる。上記の方法によってCr粉が球形
状になるのは、次の理由によるものと考えられる。Cr
は、固体状態のCuへは溶け込めないが、液体状態のC
uへは溶け込み、温度が増加するにつれてCrのCuへ
の溶け込み量も増す。CuへのCrの溶け込みは、表面
エネルギーの大きい角部から進行し、その後、直線部に
移って行くのでCr粉が丸くなる。Cr原料粉の粉径が
大きいほど、CrがCuへ溶け込む部分も大きくなるの
で、より高い焼結温度とより長い焼結時間を必要とする
ことがうなずける。液体状態のCuへ一旦溶け込んだC
rは、加熱終了後の冷却過程で、温度低下とともに再度
Cu中で微細粒となって析出する。そのために、Crが
微細で、かつ均一に分布したCu−Cr合金が得られ
る。
0μm以下のクロム粉を銅とともに1100℃以上の温
度で焼結する方法によって得られる。或いはまた、かか
る接点材料は、平均粉径が100から150μmのクロ
ム粉を銅とともに1200℃以上の温度で焼結する方法
によっても得られる。上記の方法によってCr粉が球形
状になるのは、次の理由によるものと考えられる。Cr
は、固体状態のCuへは溶け込めないが、液体状態のC
uへは溶け込み、温度が増加するにつれてCrのCuへ
の溶け込み量も増す。CuへのCrの溶け込みは、表面
エネルギーの大きい角部から進行し、その後、直線部に
移って行くのでCr粉が丸くなる。Cr原料粉の粉径が
大きいほど、CrがCuへ溶け込む部分も大きくなるの
で、より高い焼結温度とより長い焼結時間を必要とする
ことがうなずける。液体状態のCuへ一旦溶け込んだC
rは、加熱終了後の冷却過程で、温度低下とともに再度
Cu中で微細粒となって析出する。そのために、Crが
微細で、かつ均一に分布したCu−Cr合金が得られ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明を実施例に基づい
て説明する。発明者は、製造条件および組成をパラメー
タとして、Cu−Cr合金を数多く(10例)作成し
た。これらの合金は、その組織を観察するために顕微鏡
の断面写真を取るとともに、実際に真空バルブに収納し
接点材料としての性能を調べた。以下に、その検討結果
を示す。
て説明する。発明者は、製造条件および組成をパラメー
タとして、Cu−Cr合金を数多く(10例)作成し
た。これらの合金は、その組織を観察するために顕微鏡
の断面写真を取るとともに、実際に真空バルブに収納し
接点材料としての性能を調べた。以下に、その検討結果
を示す。
【0015】表1は、平均粒径が100μm以下のCr
粉を原料粉として作成されたCu−Cr合金の製造条件
および組成を示す。
粉を原料粉として作成されたCu−Cr合金の製造条件
および組成を示す。
【0016】
【表1】 表1において、従来例1は、従来までの方法で作成され
たもの、実施例1ないし4は、この発明による方法で作
成されたものである。原料粉として、いずれの場合も、
平均粒径が200μm以下のCu粉と、平均粒径が10
0μm以下のCr粉とが用いられ、V型ミキサでその混
合粉が作成された。表1中の「混合粉中のCu粉比率」
とは、その混合粉におけるCu粉の重量%である。した
がって、Cr粉の重量%は、100%から「Cu粉比
率」を差し引いた値である。実施例の番号が大きくなる
にしたがって、「Cu粉比率」を大きくしてある。いず
れの場合も、この混合粉を予め加圧成形し、外径50m
m、厚さ10mmの円板形成形体を作成した。
たもの、実施例1ないし4は、この発明による方法で作
成されたものである。原料粉として、いずれの場合も、
平均粒径が200μm以下のCu粉と、平均粒径が10
0μm以下のCr粉とが用いられ、V型ミキサでその混
合粉が作成された。表1中の「混合粉中のCu粉比率」
とは、その混合粉におけるCu粉の重量%である。した
がって、Cr粉の重量%は、100%から「Cu粉比
率」を差し引いた値である。実施例の番号が大きくなる
にしたがって、「Cu粉比率」を大きくしてある。いず
れの場合も、この混合粉を予め加圧成形し、外径50m
m、厚さ10mmの円板形成形体を作成した。
【0017】従来例1の場合は、490MPaの圧力で
予め成形し、前処理として、この成形体を真空中で、9
00℃の温度で60分間焼結した。その後、後処理とし
て表1中の「成形体の後処理条件」で示したように49
0MPaで再加圧した。表1中の「合金のCu比率」と
は、Cu−Cr合金になった状態におけるCuの重量%
である。したがって、合金のCrの重量%は、100%
から「合金のCu比率」を差し引いた値である。従来例
1の合金のCu比率は75%になっており、「Cu粉比
率」と同じになっている。従来例1について、Cu−C
r合金になった状態における顕微鏡写真を図8(a)に
示す。Cuのマトリックスの中にCr粉が散在してい
る。図8の各写真の右下には、0.1mm幅の範囲が示
されている。なお、以下、後述の図1、図2の各写真の
右下にも0.1mm幅の範囲を示して置く。
予め成形し、前処理として、この成形体を真空中で、9
00℃の温度で60分間焼結した。その後、後処理とし
て表1中の「成形体の後処理条件」で示したように49
0MPaで再加圧した。表1中の「合金のCu比率」と
は、Cu−Cr合金になった状態におけるCuの重量%
である。したがって、合金のCrの重量%は、100%
から「合金のCu比率」を差し引いた値である。従来例
1の合金のCu比率は75%になっており、「Cu粉比
率」と同じになっている。従来例1について、Cu−C
r合金になった状態における顕微鏡写真を図8(a)に
示す。Cuのマトリックスの中にCr粉が散在してい
る。図8の各写真の右下には、0.1mm幅の範囲が示
されている。なお、以下、後述の図1、図2の各写真の
右下にも0.1mm幅の範囲を示して置く。
【0018】実施例1ないし4は、混合粉中のCu粉比
率をそれぞれ変えて成形体を作成した。いずれの場合
も、98MPaの圧力で予め成形し、この成形体を真空
中で、900℃の温度で60分間焼結した。その後、後
処理として表1中の「成形体の後処理条件」で示したよ
うに、Cuブロックと一緒にして1100℃の温度で3
0分間焼結した。作成された合金のCu比率は、表1の
通りである。混合粉中のCu粉比率が大きい程、合金の
Cu比率が大きくなっている。なお、実施例4における
合金のCu比率が82.1%と、混合粉中のCu粉比率
85%より小さくなっている。これは、余剰のCuとな
って、Cuの一部が合金の外部へ流出したためであり、
合金の内部には空隙は見られなかった。
率をそれぞれ変えて成形体を作成した。いずれの場合
も、98MPaの圧力で予め成形し、この成形体を真空
中で、900℃の温度で60分間焼結した。その後、後
処理として表1中の「成形体の後処理条件」で示したよ
うに、Cuブロックと一緒にして1100℃の温度で3
0分間焼結した。作成された合金のCu比率は、表1の
通りである。混合粉中のCu粉比率が大きい程、合金の
Cu比率が大きくなっている。なお、実施例4における
合金のCu比率が82.1%と、混合粉中のCu粉比率
85%より小さくなっている。これは、余剰のCuとな
って、Cuの一部が合金の外部へ流出したためであり、
合金の内部には空隙は見られなかった。
【0019】実施例3および4について、Cu−Cr合
金になった状態における顕微鏡写真をそれぞれ図1
(a)、図1(b)に示す。Cuのマトリックスの中に
Cr粉が散在し、そのCr粉の形状は、いずれの場合も
微細な球形状になっている。なお、実施例1および2の
合金状態におけるCr粉の形状は、実施例3および4と
殆ど同様なので顕微鏡写真の掲載が省略されている。
金になった状態における顕微鏡写真をそれぞれ図1
(a)、図1(b)に示す。Cuのマトリックスの中に
Cr粉が散在し、そのCr粉の形状は、いずれの場合も
微細な球形状になっている。なお、実施例1および2の
合金状態におけるCr粉の形状は、実施例3および4と
殆ど同様なので顕微鏡写真の掲載が省略されている。
【0020】従来例1の合金状態ににおけるCr粉の形
状は、図8(a)に示したように鋭角的な角部や直線状
の辺を有している。このCr粉の形状は、図7(a)に
示した原料粉のCr粉に酷似している。すなわち、原料
粉のCr粉の形状は、角部や直線の部分を有している。
また、原料粉のCr粉について、その表面状態を観察す
ると、凹凸に富んだ状況を呈している。したがって、従
来例1の場合は、Cr粉の形状が、その初期状態からあ
まり変化しないが、実施例1ないし4の場合は、Cr粉
の形状が、その後処理において1100℃と言う高温で
30分間焼結されたために微細な球形状に変化すると言
える。実施例1ないし4は、後述されるように、その遮
断性能と裁断性能とがともに従来例1の場合より向上し
ていることが分かった。
状は、図8(a)に示したように鋭角的な角部や直線状
の辺を有している。このCr粉の形状は、図7(a)に
示した原料粉のCr粉に酷似している。すなわち、原料
粉のCr粉の形状は、角部や直線の部分を有している。
また、原料粉のCr粉について、その表面状態を観察す
ると、凹凸に富んだ状況を呈している。したがって、従
来例1の場合は、Cr粉の形状が、その初期状態からあ
まり変化しないが、実施例1ないし4の場合は、Cr粉
の形状が、その後処理において1100℃と言う高温で
30分間焼結されたために微細な球形状に変化すると言
える。実施例1ないし4は、後述されるように、その遮
断性能と裁断性能とがともに従来例1の場合より向上し
ていることが分かった。
【0021】表2は、平均粒径が100μmから150
μmのCr粉を原料粉として作成されたCu−Cr合金
の製造条件および組成を示す。
μmのCr粉を原料粉として作成されたCu−Cr合金
の製造条件および組成を示す。
【0022】
【表2】 表2において、従来例2および3は、従来までの方法で
作成されたもの、実施例5ないし7は、この発明による
方法で作成されたものである。原料粉として、いずれの
場合も、平均粒径が200μm以下のCu粉と、平均粒
径が100から150μmのCr粉とが用いられ、V型
ミキサでその混合粉が作成された。表2中の「混合粉中
のCu粉比率」および「合金のCu比率」は、表1の定
義と同じである。いずれの場合も、この混合粉を予め9
8MPaの圧力で、外径50mm、厚さ10mmの円板
形成形体を作成した。
作成されたもの、実施例5ないし7は、この発明による
方法で作成されたものである。原料粉として、いずれの
場合も、平均粒径が200μm以下のCu粉と、平均粒
径が100から150μmのCr粉とが用いられ、V型
ミキサでその混合粉が作成された。表2中の「混合粉中
のCu粉比率」および「合金のCu比率」は、表1の定
義と同じである。いずれの場合も、この混合粉を予め9
8MPaの圧力で、外径50mm、厚さ10mmの円板
形成形体を作成した。
【0023】従来例2および3、並びに実施例5および
6の場合は、前処理として、この成形体を真空中で、9
00℃の温度で60分間焼結した。また、実施例7の場
合は、この成形体を真空中で、1200℃の温度で60
分間焼結した。後処理としては、表2中の「成形体の後
処理条件」で示したように、従来例2および3の場合
は、Cuブロックと一緒にして1150℃の温度で30
分間焼結した。また、実施例5および6の場合は、Cu
ブロックと一緒にして1250℃の温度で60分間焼結
した。さらに、実施例7の場合は、Cuブロックと一緒
にして1300℃の温度で60分間焼結した。
6の場合は、前処理として、この成形体を真空中で、9
00℃の温度で60分間焼結した。また、実施例7の場
合は、この成形体を真空中で、1200℃の温度で60
分間焼結した。後処理としては、表2中の「成形体の後
処理条件」で示したように、従来例2および3の場合
は、Cuブロックと一緒にして1150℃の温度で30
分間焼結した。また、実施例5および6の場合は、Cu
ブロックと一緒にして1250℃の温度で60分間焼結
した。さらに、実施例7の場合は、Cuブロックと一緒
にして1300℃の温度で60分間焼結した。
【0024】実施例6および7について、Cu−Cr合
金になった状態における顕微鏡写真をそれぞれ図2
(a)、図2(b)に示す。Cuのマトリックスの中に
Cr粉が散在し、そのCr粉の形状は、いずれの場合も
微細な球形状になっている。なお、実施例5の合金状態
におけるCr粉の形状は、実施例6と殆ど同様なので顕
微鏡写真の掲載が省略されている。
金になった状態における顕微鏡写真をそれぞれ図2
(a)、図2(b)に示す。Cuのマトリックスの中に
Cr粉が散在し、そのCr粉の形状は、いずれの場合も
微細な球形状になっている。なお、実施例5の合金状態
におけるCr粉の形状は、実施例6と殆ど同様なので顕
微鏡写真の掲載が省略されている。
【0025】従来例2および3の合金状態ににおけるC
r粉の形状は、それぞれ図8(b)、図8(c)に示し
たように鋭角的な角部や直線状の辺を有し、図7(b)
に示した角ばった原料粉のCr粉にまだ幾分酷似してい
る。すなわち、従来例2および3の場合は、1150℃
と言う高温での後処理にもかかわらずCr粉の形状が初
期状態から少ししか変化していない。一方、実施例5な
いし7の場合は、Cr粉の形状が、その後処理において
1200℃以上と言う高温で60分間焼結されたために
微細な球形状に変化した。粒径が大きいCr粉に丸みを
施すためには、より高温でかつ長時間焼結する必要があ
ると言うことが分かった。実施例5ないし7は、後述さ
れるように、その遮断性能と裁断性能とがともに従来例
1の場合より向上している。
r粉の形状は、それぞれ図8(b)、図8(c)に示し
たように鋭角的な角部や直線状の辺を有し、図7(b)
に示した角ばった原料粉のCr粉にまだ幾分酷似してい
る。すなわち、従来例2および3の場合は、1150℃
と言う高温での後処理にもかかわらずCr粉の形状が初
期状態から少ししか変化していない。一方、実施例5な
いし7の場合は、Cr粉の形状が、その後処理において
1200℃以上と言う高温で60分間焼結されたために
微細な球形状に変化した。粒径が大きいCr粉に丸みを
施すためには、より高温でかつ長時間焼結する必要があ
ると言うことが分かった。実施例5ないし7は、後述さ
れるように、その遮断性能と裁断性能とがともに従来例
1の場合より向上している。
【0026】なお、上記の実施例では、前処理としてC
u−Crの成形体を真空中で900または1200℃で
焼結したが、前処理をせずにCu−Crの成形体を後処
理だけで焼結しても表1や表2と同様なCu−Cr合金
が得られた。また、Cu粉とCr粉とを所定の比率で混
合した混合粉をCu製の容器に充填した状態で焼結して
も表1や表2と同様なCu−Cr合金が得られた。ま
た、後処理における焼結時間は、10ないし20分で
は、Cr粉の球状化が充分に進展しないため、少なくて
も30分以上は必要である。しかし、実施例よりさらに
高い焼結温度にすれば、その焼結時間は、30分より短
くしてもCr粉の球状化を実現させることができる。
u−Crの成形体を真空中で900または1200℃で
焼結したが、前処理をせずにCu−Crの成形体を後処
理だけで焼結しても表1や表2と同様なCu−Cr合金
が得られた。また、Cu粉とCr粉とを所定の比率で混
合した混合粉をCu製の容器に充填した状態で焼結して
も表1や表2と同様なCu−Cr合金が得られた。ま
た、後処理における焼結時間は、10ないし20分で
は、Cr粉の球状化が充分に進展しないため、少なくて
も30分以上は必要である。しかし、実施例よりさらに
高い焼結温度にすれば、その焼結時間は、30分より短
くしてもCr粉の球状化を実現させることができる。
【0027】上記の従来例および実施例における合金を
真空バルブの接点材料として評価した結果を次に示す。
表3に各例の遮断性能と裁断性能を比較して示す。
真空バルブの接点材料として評価した結果を次に示す。
表3に各例の遮断性能と裁断性能を比較して示す。
【0028】
【表3】 表3における遮断性能と裁断性能とは、300回の試験
で得られた結果の平均値であり、それぞれ従来例1を
1.0としたときの相対値である。その内、遮断性能
は、遮断電流の相対値とし、裁断性能は、裁断電流が小
さい方が望ましいので、裁断電流の逆数の相対値とし
た。したがって、表3の値が大きい程、その合金の真空
バルブとしての性能が良いことを示している。実施例の
遮断性能は、従来例1に比べていずれも向上している。
一方、実施例の裁断性能も、従来例1に比べて同等か、
向上している。合金中のCu比率が約75%同士のもの
(従来例1,実施例3,実施例6)を比較すると、遮断
性能が約1.5倍、裁断性能が約1.4倍も向上してい
る。原料Cr粉の平均粒径が、100から150μmと
同じである従来例2,3と実施例5、6とを比較する
と、遮断性能、裁断性能がともに1.1から1.3倍に
向上している。なお、実施例7の試験結果は、掲載が省
略されているが、遮断性能と裁断性能とがともに従来例
2や3のそれより向上している。したがって、合金中の
Cr粉が微細な球形状になると、遮断性能と裁断性能と
がともに向上すると言える。
で得られた結果の平均値であり、それぞれ従来例1を
1.0としたときの相対値である。その内、遮断性能
は、遮断電流の相対値とし、裁断性能は、裁断電流が小
さい方が望ましいので、裁断電流の逆数の相対値とし
た。したがって、表3の値が大きい程、その合金の真空
バルブとしての性能が良いことを示している。実施例の
遮断性能は、従来例1に比べていずれも向上している。
一方、実施例の裁断性能も、従来例1に比べて同等か、
向上している。合金中のCu比率が約75%同士のもの
(従来例1,実施例3,実施例6)を比較すると、遮断
性能が約1.5倍、裁断性能が約1.4倍も向上してい
る。原料Cr粉の平均粒径が、100から150μmと
同じである従来例2,3と実施例5、6とを比較する
と、遮断性能、裁断性能がともに1.1から1.3倍に
向上している。なお、実施例7の試験結果は、掲載が省
略されているが、遮断性能と裁断性能とがともに従来例
2や3のそれより向上している。したがって、合金中の
Cr粉が微細な球形状になると、遮断性能と裁断性能と
がともに向上すると言える。
【0029】図3は、合金中のCu比率と遮断性能、裁
断性能との関係を示した特性線図である。横軸に合金中
のCu比率が目盛られ、縦軸に遮断性能と裁断性能とが
目盛られ、実施例1ないし6について表3で示された値
がプロットされている。プロット○は遮断性能であり、
実線の特性12のようになる。また、プロット×は裁断
性能であり、点線の特性13のようになる。合金中のC
u比率が増すにつれて、裁断性能が悪くなる傾向がまだ
有るものの、合金中のCr粉が微細な球形状になったた
めに、遮断性能と裁断性能とが、ともに1より大きくな
っている。
断性能との関係を示した特性線図である。横軸に合金中
のCu比率が目盛られ、縦軸に遮断性能と裁断性能とが
目盛られ、実施例1ないし6について表3で示された値
がプロットされている。プロット○は遮断性能であり、
実線の特性12のようになる。また、プロット×は裁断
性能であり、点線の特性13のようになる。合金中のC
u比率が増すにつれて、裁断性能が悪くなる傾向がまだ
有るものの、合金中のCr粉が微細な球形状になったた
めに、遮断性能と裁断性能とが、ともに1より大きくな
っている。
【0030】図4は、平均粒径が100μm以下のCr
原料粉で作成されたCu−Cr合金について測定された
裁断値(裁断電流)の度数を示す分布図である。試験
は、各合金について300回行われ、横軸には、従来例
1の裁断値の平均値を1としたときの相対値が目盛ら
れ、縦軸には、300回の試験でそれぞれの裁断値が測
定された度数が目盛られている。特性14が、従来例1
の分布曲線、特性15から18が、それぞれ実施例1か
ら4の分布曲線である。各分布曲線において、矢視印↓
の位置は、それぞれの裁断値の平均値を示す。
原料粉で作成されたCu−Cr合金について測定された
裁断値(裁断電流)の度数を示す分布図である。試験
は、各合金について300回行われ、横軸には、従来例
1の裁断値の平均値を1としたときの相対値が目盛ら
れ、縦軸には、300回の試験でそれぞれの裁断値が測
定された度数が目盛られている。特性14が、従来例1
の分布曲線、特性15から18が、それぞれ実施例1か
ら4の分布曲線である。各分布曲線において、矢視印↓
の位置は、それぞれの裁断値の平均値を示す。
【0031】また、図5は、平均粒径が100から15
0μmのCr原料粉で作成されたCu−Cr合金につい
て測定された裁断値の度数を示す分布図である。図4の
場合と同様に試験は、各合金について300回行われ、
横軸に、従来例1の裁断値の平均値を1としたときの相
対値が目盛られ、縦軸に、300回の試験でそれぞれの
裁断値が測定された度数が目盛られている。特性19,
20が、それぞれ従来例2,3の分布曲線、特性21,
22が、それぞれ実施例5,6の分布曲線である。各分
布曲線において、矢視印↓の位置は、それぞれの裁断値
の平均値を示す。図4、図5において、実施例の特性は
いずれも従来例の場合より、横方向への拡がりが狭くな
っており、バラツキが小さくなっている。
0μmのCr原料粉で作成されたCu−Cr合金につい
て測定された裁断値の度数を示す分布図である。図4の
場合と同様に試験は、各合金について300回行われ、
横軸に、従来例1の裁断値の平均値を1としたときの相
対値が目盛られ、縦軸に、300回の試験でそれぞれの
裁断値が測定された度数が目盛られている。特性19,
20が、それぞれ従来例2,3の分布曲線、特性21,
22が、それぞれ実施例5,6の分布曲線である。各分
布曲線において、矢視印↓の位置は、それぞれの裁断値
の平均値を示す。図4、図5において、実施例の特性は
いずれも従来例の場合より、横方向への拡がりが狭くな
っており、バラツキが小さくなっている。
【0032】従来例の場合のCu−Cr合金が期待する
ほど遮断性能が良くないのは、Cr粉に角があるため
に、この角部に電界が集中することによるものと考えら
れる。あるいは、Cr粉が酸化し易い金属であるため
に、Cr粉の表面が酸化物で覆われ、CuとCrとの焼
結が不十分にままになっていたとも考えられる。実施例
のように、Cr粉を微細な球形状にすることによって、
電界が緩和されるとともにCr粉表面の酸化層が破砕さ
れ遮断性能が向上したものと考えられる。
ほど遮断性能が良くないのは、Cr粉に角があるため
に、この角部に電界が集中することによるものと考えら
れる。あるいは、Cr粉が酸化し易い金属であるため
に、Cr粉の表面が酸化物で覆われ、CuとCrとの焼
結が不十分にままになっていたとも考えられる。実施例
のように、Cr粉を微細な球形状にすることによって、
電界が緩和されるとともにCr粉表面の酸化層が破砕さ
れ遮断性能が向上したものと考えられる。
【0033】一方、従来例の場合のCu−Cr合金が期
待するほど裁断性能が良くなく、かつ、バラツキが大き
かったのは、合金中に大きなCuリッチの部分が存在
し、このCu部に小電流が当たった場合、Cu−Cr合
金の特性が活かされないためであるのと考えられる。実
施例のように、Cr粉を微細な球形状にすることによっ
て、Cuリッチの部分が小さくなり、Cuだけの領域に
陰極点が存在する機会が減って高い裁断値を示す確率が
減少したものと考えられる。
待するほど裁断性能が良くなく、かつ、バラツキが大き
かったのは、合金中に大きなCuリッチの部分が存在
し、このCu部に小電流が当たった場合、Cu−Cr合
金の特性が活かされないためであるのと考えられる。実
施例のように、Cr粉を微細な球形状にすることによっ
て、Cuリッチの部分が小さくなり、Cuだけの領域に
陰極点が存在する機会が減って高い裁断値を示す確率が
減少したものと考えられる。
【0034】なお、各実施例の合金は、接点材料として
遮断性能と裁断性能の他に必要な性能、従来の技術の項
で述べられた3)から8)までの性能は全く損なわれて
いないことも分かっている。ここで、実施例のような方
法によって、Cr粉が球形状になる理由を考えてみる。
Cr粉は固体状態のCuへは溶け込めないが、Cuがそ
の融点(1083.4℃)を越えた液体状態になるとC
r粉がCuへ溶け込み、温度が増加するにつれてCuへ
のCr粉の溶け込み量も増すようになる。Cr粉のCu
への溶け込みは、表面エネルギーの大きい角部から進行
し、その後、直線部に移って行くのでCr粉が丸くな
る。Cr原料粉の平均粉径が100μm以下の場合は、
その焼結温度を1100℃以上にすれば、Cr粉が微細
な球形状に変化することが前述されたが、Cr原料粉の
平均粉径が100μm以上と大きくなるにしたがって、
Cr粉がCuへ溶け込む部分も大きくなるので、120
0℃以上と言うより高い焼結温度と、60分と言うより
長い焼結時間を必要とするようになる。ただし、焼結温
度を1200℃よりさらに高くすれば、CrがCuへの
溶け込み易くなるので、その焼結は60分以下にするこ
ともできる。要は、Cu−Cr合金中のCr粉が微細な
球形状になれば良い。液体状態のCuへ一旦溶け込んだ
Crは、加熱終了後の冷却過程で、温度低下とともに再
度Cu中で微細粒となって析出する。そのために、Cr
が微細で、かつ均一に分布したCu−Cr合金が得られ
る。
遮断性能と裁断性能の他に必要な性能、従来の技術の項
で述べられた3)から8)までの性能は全く損なわれて
いないことも分かっている。ここで、実施例のような方
法によって、Cr粉が球形状になる理由を考えてみる。
Cr粉は固体状態のCuへは溶け込めないが、Cuがそ
の融点(1083.4℃)を越えた液体状態になるとC
r粉がCuへ溶け込み、温度が増加するにつれてCuへ
のCr粉の溶け込み量も増すようになる。Cr粉のCu
への溶け込みは、表面エネルギーの大きい角部から進行
し、その後、直線部に移って行くのでCr粉が丸くな
る。Cr原料粉の平均粉径が100μm以下の場合は、
その焼結温度を1100℃以上にすれば、Cr粉が微細
な球形状に変化することが前述されたが、Cr原料粉の
平均粉径が100μm以上と大きくなるにしたがって、
Cr粉がCuへ溶け込む部分も大きくなるので、120
0℃以上と言うより高い焼結温度と、60分と言うより
長い焼結時間を必要とするようになる。ただし、焼結温
度を1200℃よりさらに高くすれば、CrがCuへの
溶け込み易くなるので、その焼結は60分以下にするこ
ともできる。要は、Cu−Cr合金中のCr粉が微細な
球形状になれば良い。液体状態のCuへ一旦溶け込んだ
Crは、加熱終了後の冷却過程で、温度低下とともに再
度Cu中で微細粒となって析出する。そのために、Cr
が微細で、かつ均一に分布したCu−Cr合金が得られ
る。
【0035】なお、各実施例の合金は、遮断性能と裁断
性能の他に、接点材料として必要な性能、すなわち、従
来の技術の項で述べられた3)から8)までの性能は全
く損なわれていないことも分かっている。
性能の他に、接点材料として必要な性能、すなわち、従
来の技術の項で述べられた3)から8)までの性能は全
く損なわれていないことも分かっている。
【0036】
【発明の効果】この発明は前述のように、真空遮断器の
接点材料を銅の中に球形状のクロム粉が散在した合金と
することにより、遮断性能と裁断性能との双方が向上
し、真空バルブが縮小化され、経済性が確保された。ま
た、真空バルブに接続される。他の機器も大きなサージ
に晒されなくなり、他の機器が損傷を受けることがなく
なると言う効果もある。
接点材料を銅の中に球形状のクロム粉が散在した合金と
することにより、遮断性能と裁断性能との双方が向上
し、真空バルブが縮小化され、経済性が確保された。ま
た、真空バルブに接続される。他の機器も大きなサージ
に晒されなくなり、他の機器が損傷を受けることがなく
なると言う効果もある。
【図1】この発明の実施例にかかるCu−Cr合金の顕
微鏡写真であり、それぞれ(a)は実施例3、(b)は
実施例4の顕微鏡写真
微鏡写真であり、それぞれ(a)は実施例3、(b)は
実施例4の顕微鏡写真
【図2】この発明の実施例にかかるCu−Cr合金の顕
微鏡写真であり、それぞれ(a)は実施例6、(b)は
実施例7の顕微鏡写真
微鏡写真であり、それぞれ(a)は実施例6、(b)は
実施例7の顕微鏡写真
【図3】合金中のCu比率と遮断性能、裁断性能との関
係を示した特性線図
係を示した特性線図
【図4】平均粒径が100μm以下のCr原料粉で作成
されたCu−Cr合金について測定された裁断値の度数
を示す分布図
されたCu−Cr合金について測定された裁断値の度数
を示す分布図
【図5】平均粒径が100から150μmのCr原料粉
で作成されたCu−Cr合金について測定された裁断値
の度数を示す分布図
で作成されたCu−Cr合金について測定された裁断値
の度数を示す分布図
【図6】真空バルブの構成を示す断面図
【図7】Cu−Cr合金の原料として用いられるCr粉
の顕微鏡写真であり、それぞれ(a)は、平均粒径が1
00μm以下にまで砕粉されたCr粉、(b)は、平均
粒径が100から150μmに砕粉されたCr粉の顕微
鏡写真
の顕微鏡写真であり、それぞれ(a)は、平均粒径が1
00μm以下にまで砕粉されたCr粉、(b)は、平均
粒径が100から150μmに砕粉されたCr粉の顕微
鏡写真
【図8】従来のCu−Cr合金の顕微鏡写真であり、そ
れぞれ(a)は従来例1、(b)は従来例2、(c)は
従来例3の顕微鏡写真
れぞれ(a)は従来例1、(b)は従来例2、(c)は
従来例3の顕微鏡写真
1:真空容器、2A,2B:金属フランジ、3A:可動
ロッド、3B:固定ロッド、4A:可動接点、4B:固
定接点
ロッド、3B:固定ロッド、4A:可動接点、4B:固
定接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 勝彦 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 大沢 雪雄 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 柴田 和郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 大手 正一 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】銅の中に球形状のクロム粉が散在した合金
であることを特徴とする真空遮断器用接点材料。 - 【請求項2】請求項1に記載のものを製造する方法であ
って、平均粉径が100μm以下のクロム粉を銅ととも
に1100℃以上の温度で焼結することを特徴とする真
空遮断器用接点材料の製造方法。 - 【請求項3】請求項1に記載のものを製造する方法であ
って、平均粉径が100から150μmのクロム粉を銅
とともに1200℃以上の温度で焼結することを特徴と
する真空遮断器用接点材料の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7354332A JPH08339742A (ja) | 1995-04-12 | 1995-12-28 | 真空遮断器用接点材料およびその製造方法 |
| DE19629907A DE19629907A1 (de) | 1995-12-28 | 1996-07-24 | Kontaktmaterial für Vakuum-Leistungsschalter und Verfahren zu dessen Herstellung |
| KR1019960030248A KR100423273B1 (ko) | 1995-12-28 | 1996-07-25 | 진공차단기용접점재료의제조방법 |
| US08/702,034 US5853083A (en) | 1995-12-28 | 1996-08-23 | Contact material for a vacuum circuit breaker and a method for manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7-111140 | 1995-04-12 | ||
| JP11114095 | 1995-04-12 | ||
| JP7354332A JPH08339742A (ja) | 1995-04-12 | 1995-12-28 | 真空遮断器用接点材料およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08339742A true JPH08339742A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=26450607
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7354332A Pending JPH08339742A (ja) | 1995-04-12 | 1995-12-28 | 真空遮断器用接点材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08339742A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008171682A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Toshiba Corp | 接点材料の製造方法及び真空バルブの製造方法 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP7354332A patent/JPH08339742A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008171682A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Toshiba Corp | 接点材料の製造方法及び真空バルブの製造方法 |
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