JPH083431A - ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル系樹脂組成物

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JPH083431A
JPH083431A JP16297694A JP16297694A JPH083431A JP H083431 A JPH083431 A JP H083431A JP 16297694 A JP16297694 A JP 16297694A JP 16297694 A JP16297694 A JP 16297694A JP H083431 A JPH083431 A JP H083431A
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JP
Japan
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resin
resin composition
pbt
flame retardant
ester bond
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JP16297694A
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Takashi Yamashita
山下  隆
Shuhei Ishino
修平 石野
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)水及び/又は水蒸気で処理したポリブチ
レンテレフタレート系樹脂(PBT);(b)PBT以外
のエステル結合を有する熱可塑性樹脂(他のエステル結
合含有熱可塑性樹脂)の1種以上;(c)有機ハロゲン系
難燃剤並びに(d)難燃助剤を含有するポリエステル系樹
脂組成物、或いは(a)水及び/又は水蒸気で処理したP
BT及び(b)他のエステル結合含有熱可塑性樹脂の1種
以上を含有するポリエステル系樹脂組成物。 【効果】 本発明のポリエステル系樹脂組成物はPBT
と他のエステル結合含有熱可塑性樹脂との間のエステル
交換反応が抑制されて溶融時の熱安定性に優れ、良好な
成形性及び離型性で、表面荒れのない、寸法安定性、機
械的性質、耐熱性、外観などの特性に優れる成形品を得
ることができ、難燃剤及び難燃助剤を含有する本発明の
ポリエステル系樹脂組成物からは更に難燃性にも優れた
成形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル系樹脂組成
物および該樹脂組成物よりなる成形品に関する。詳細に
は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂およびエステル
結合を有する他の熱可塑性樹脂を含有するポリエステル
系樹脂組成物並びに該樹脂組成物よりなる成形品に関す
るものであり、本発明のポリエステル系樹脂組成物で
は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とエステル結合
を有する他の熱可塑性樹脂との間の溶融時エステル交換
反応が大幅に抑制されて、溶融加工時の熱安定性に優れ
ており、機械的性質、耐熱性、寸法安定性などの諸特性
に優れる成形品を得ることができ、しかも更に難燃剤お
よび難燃助剤を含有する本発明のポリエステル系樹脂組
成物は上記した諸特性と共に難燃性にも優れており、難
燃剤を含有するかまたは含有量しない本発明のポリエス
テル系樹脂組成物はそれらの特性を活かして、電気/電
子部品、自動車部品、機械部品、事務用品、日用品、そ
の他の広範な用途に有効に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂の一種であるポリブ
チレンテレフタレート系樹脂は、成形性に優れ、電気的
性質、耐熱性、耐溶剤性、機械的性質などにも優れてい
るため各種成形品の製造に用いられており、その使用量
および用途は年々拡大している。そして用途などの拡大
に伴って、ポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる
成形品の使用環境も多様化しており、より苛酷な条件に
耐え得る、より優れた特性を備えたものが求められてお
り、特に成形性、寸法安定性、引張強さや耐衝撃性など
の機械的性質、耐熱性、外観、難燃性などの特性が重要
な要件になってきている。
【0003】かかる点から、ポリブチレンテレフタレー
ト系樹脂の成形性、耐衝撃性、寸法安定性などを改善す
ることを目的として種々の提案がなされており、例え
ば、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフ
タレート系樹脂を含有する樹脂組成物に無機充填剤を添
加して溶融成形性を改善する方法(特開昭57−574
5号公報)、ポリブチレンテレフタレート系樹脂などの
ポリエステル系樹脂とポリカーボネート樹脂を溶融混合
して耐衝撃性または寸法安定性の改善された組成物を得
る方法(特開昭58−25352号公報、特開平2−5
4382号公報)などが知られている。
【0004】しかしながら、エステル結合を有する2種
以上の異なった樹脂をブレンドした樹脂組成物は、異種
樹脂間でエステル交換反応が進行するために、溶融時の
熱安定性に欠け、溶融すると結晶性の低下、結晶化速度
の低下などを生じ易く、それによって各々の樹脂が本来
有する優れた物性が著しく損なわれる場合が多い。そし
て、そのような異種樹脂間のエステル交換反応は、射出
成形などの溶融成形を行う際に、成形性の低下、離型性
の悪化、成形品における表面荒れ、耐熱性の低下、寸法
安定性の低下、機械的性質の低下などとして現れること
が多く、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とエステル
結合を有する他の熱可塑性樹脂とをブレンドした上記し
た公知の樹脂組成物においても例外ではない。
【0005】一方、ポリブチレンテレフタレート系樹脂
は本来可燃性であり、一度着火すると火源を取り除いて
も消化せずに徐々に燃焼する。かかる可燃性の性質は、
特に電気部品や電子部品などでは火災に対する安全上の
点などから大きな問題となっているが、ポリブチレンテ
レフタレート系樹脂は難燃剤を添加することによって容
易に難燃化できることから、ポリブチレンテレフタレー
ト系樹脂に有機ハロゲン系難燃剤および難燃助剤を含有
させて難燃性のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成
物を調製することが従来から提案されている(特開昭4
9−14563号公報、特開昭50−86550号公
報、特開昭51−73555号公報等)。そして、これ
らの従来技術で得られる難燃剤を含有するポリブチレン
テレフタレート系樹脂組成物は電気/電子部品、自動車
部品、機械部品等に用いられるようになっている。
【0006】上記した従来技術を踏まえて、本発明者ら
はポリブチレンテレフタレート系樹脂とエステル結合を
有する他の熱可塑性樹脂との樹脂組成物に有機ハロゲン
系難燃剤と難燃助剤を配合して難燃化を行うことを試み
た。その結果、難燃性はある程度改善されたものの、ポ
リブチレンテレフタレート系樹脂とエステル結合を有す
る他の熱可塑性樹脂との間の加熱溶融時のエステル交換
反応が依然として抑制できず、溶融時の熱安定性に欠
け、樹脂組成物の結晶化速度および結晶化度が著しく低
下して、成形性、離型性、成形品の表面荒れ、耐熱性、
寸法安定性、機械的性質などの諸特性を依然として改善
できなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加熱
溶融時にポリブチレンテレフタレート系樹脂とエステル
結合を有する他の熱可塑性樹脂との間のエステル交換反
応が抑制されて、溶融加工時の熱安定性が良好になり、
成形性や離型性に優れ、成形品の表面荒れがなく良好な
外観を有し、寸法安定性、機械的性質、耐熱性などの物
性に優れ、その上難燃性にも優れる、電気/電子部品、
自動車部品、機械部品、事務用品、その他の各種成形
品、特に電気/電子部品の製造に適する難燃性のポリエ
ステル系樹脂組成物を提供することである。更に、本発
明の目的は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とエス
テル結合を有する他の熱可塑性樹脂との間の溶融時のエ
ステル交換反応を効果的に抑制でき、溶融加工時の熱安
定性が良好になり、成形性や離型性に優れ、成形品の表
面荒れがなく良好な外観を有し、寸法安定性、機械的性
質、耐熱性などの諸特性に優れ、難燃性がさほど要求さ
れない各種の成形品に有効に使用することのできるポリ
エステル系樹脂組成物を提供することである。そして、
本発明は上記のポリエステル系樹脂組成物からなる成形
品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、上記の目
的を達成すべく検討を重ねたところ、ポリブチレンテレ
フタレート系樹脂とエステル結合を有する他の熱可塑性
樹脂を含有する樹脂組成物中に有機ハロゲン系難燃剤お
よび難燃助剤を含有させて難燃性のポリエステル系樹脂
組成物を調製する当たって、ポリブチレンテレフタレー
ト系樹脂として予め水および/または水蒸気で処理した
ものを使用すると、ポリブチレンテレフタレート系樹脂
とエステル結合を有する他の熱可塑性樹脂との間の溶融
時のエステル交換反応が効果的に抑制されて、溶融加工
時の安定性が改善され、成形性、離型性が良好になるこ
と、しかも該樹脂組成物から得られた成形品は寸法安定
性、機械的性質、耐熱性、外観、難燃性などの諸特性に
優れることを見出して本発明を完成した。
【0009】更に本発明らは、予め水および/または水
蒸気で処理したポリブチレンテレフタレート系樹脂を用
いて難燃性のポリエステル系樹脂組成物を調製する本発
明者らの開発した上記の技術を、難燃性がさほど要求さ
れない用途の成形品として用いられる、難燃剤を含有し
ない、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とエステル結
合を有する他の熱可塑性樹脂との樹脂組成物に対して適
用してみたところ、難燃性のポリエステル系樹脂組成物
の場合と同様に、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と
エステル結合を有する他の熱可塑性樹脂との間の溶融時
のエステル交換反応が効果的に抑制されて、溶融加工時
の安定性が改善され、成形性、離型性が良好になるこ
と、そしてそのポリエステル系樹脂組成物から得られた
成形品は、寸法安定性、機械的性質、耐熱性、外観など
の諸特性に優れることを見出して本発明を完成した。
【0010】したがって、本発明は、 (1) (a)水および/または水蒸気で処理したポリ
ブチレンテレフタレート系樹脂;(b)ポリブチレンテ
レフタレート系樹脂以外のエステル結合を有する熱可塑
性樹脂(以下「他のエステル結合含有熱可塑性樹脂」と
いう)の少なくとも1種;(c)有機ハロゲン系難燃剤
並びに(d)難燃助剤を含有することを特徴とする難燃
性のポリエステル系樹脂組成物;並びに (2) (a)水および/または水蒸気で処理したポリ
ブチレンテレフタレート系樹脂並びに(b)他のエステ
ル結合含有熱可塑性樹脂の少なくとも1種を含有するこ
とを特徴とするポリエステル系樹脂組成物;である。
【0011】そして、本発明は、上記のポリエステル系
樹脂組成物(1)またはポリエステル系樹脂組成物
(2)よりなる成形品を包含する。
【0012】本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)
またはポリエステル系樹脂組成物(2)で用いるポリブ
チレンテレフタレート系樹脂(以下「PBT系樹脂」と
いうことがある)は、ポリブチレンテレフタレート系樹
脂を構成する酸成分の少なくとも70モル%がテレフタ
ル酸またはそのエステル形成性誘導体からなり、かつジ
オール成分の少なくとも70モル%が1,4−ブタンジ
オールからなるポリエステル樹脂であり、30モル%以
下の範囲であれば他の共重合酸成分および/または他の
共重合ジオール成分を用いたものであってもよい。その
際に、酸成分としてテレフタル酸のエステル形成性誘導
体を使用する場合は、テレフタル酸のジアルキルエステ
ル、ジアリールエステル等を用いることができる。
【0013】30モル%以下の範囲で用いることのでき
る他の共重合酸成分の例としては、イソフタル酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、
マゼライン酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸;β−オキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香
酸等のオキシカルボン酸;またはそれらのエステル形成
性誘導体などを挙げることができ、それらの共重合酸成
分は1種のみを用いてもまたは2種以上を用いてもよ
い。
【0014】また、30モル%以下の範囲で用いること
のできる共重合ジオール成分の例としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジ
オール、デカメチレンジオールなどの炭素数2〜10の
脂肪族ジオール;シクロヘキサンジオールなどの脂環式
ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳
香族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリトリメチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポ
リアルキレングリコールなどを挙げることができ、これ
らの共重合ジオール成分は1種のみを用いてもまたは2
種以上を用いてもよい。
【0015】PBT系樹脂の製法は特に制限されず、上
記したテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体か
ら主としてなる酸成分と、上記した1,4−ブタンジオ
ールから主としてなるジオール成分とを用いて、従来公
知の芳香族ポリエステルの製造法であるエステル交換反
応によって製造されたもの、または直接エステル化反応
によって製造されたもののいずれもが使用できる。
【0016】本発明では、PBT系樹脂として、フェノ
ール/テトラクロロエタン(1:1重量比)混合溶媒を
用いて30℃で測定したときの固有粘度が0.7〜1.
3dl/gの範囲にあるものを用いるのが好ましく、
0.7〜1dl/gの範囲のPBT系樹脂がより好まし
い。固有粘度が0.7dl/g未満のPBT系樹脂を用
いると、ポリエステル系樹脂組成物から得られる成形品
の靭性が不足し易くなり、一方固有粘度が1.3dl/
gを超えるPBT系樹脂を用いると、成形時の溶融粘度
が高くなり過ぎて成形加工性が低下し、特に射出成形に
よる場合は成形が困難になる傾向がある。
【0017】そして、本発明のポリエステル系樹脂組成
物(1)およびポリエステル系樹脂組成物(2)では、
PBT系樹脂として、水および/または水蒸気で処理し
たものを用いる。ここで、本発明でいう「水および/ま
たは水蒸気で処理したPBT系樹脂」とは、PBT系樹
脂を水、水と水蒸気または水蒸気と接触させて処理した
PBT系樹脂をいう。
【0018】PBT系樹脂の処理に用いる水および/ま
たは水蒸気の温度および処理時間はPBT系樹脂の形
状、寸法、PBT系樹脂中における共重合成分の有無や
種類などにより種々異なり得るが、PBT系樹脂と接触
させる水および/または水蒸気の温度を60〜150℃
にして、接触時間を15秒〜20時間とするのが、処理
時間が極端に長くならず、PBT系樹脂に所定量の水分
を均一に且つ速やかに吸収させて、他のエステル結合含
有熱可塑性樹脂との間の溶融時におけるエステル交換反
応がより少ないPBT系樹脂を得ることができる点で好
ましく、70〜130℃の温度の水および/または水蒸
気を用いて1分〜15時間処理を行うのがより好まし
い。処理に用いる水の温度が60℃よりも低いとPBT
系樹脂と水との接触時間を極端に長くしないと所定の水
分率まで吸水させることができにくくなり、一方水(熱
湯)および/または水蒸気の温度が150℃よりも高い
と処理中にPBT系樹脂の重合度が低下し、ポリエステ
ル系樹脂組成物から得られる成形品の機械的性質が悪化
し易くなる。
【0019】一般に、水および/または水蒸気の温度に
応じて処理時間を適宜選択するのがよく、水および/ま
たは水蒸気の温度が低い場合は処理時間を長くし、水お
よび/または水蒸気の温度が高い場合は処理時間を短く
して行うとよい。かかる点から水蒸気を用いる場合は水
(熱水)を用いる場合よりも短い処理時間が一般に採用
される。例えば、60〜100℃の熱水を用いる場合
は、一般に処理時間を3〜15時間とするのが好まし
く、100〜150℃の水蒸気を使用する場合は処理時
間を30秒〜3時間にするのが好ましい。
【0020】PBT系樹脂を上記のようにして水および
/または水蒸気と接触させて処理することによってPB
T系樹脂は水を吸収した状態になるが、PBT系樹脂の
水分率の点からみた場合には、PBT系樹脂の水分率が
約0.2〜0.6重量%になるまで水および/または水
蒸気で処理を行うのが好ましく、水分率が0.3〜0.
5重量%になるまで水および/または水蒸気で処理を行
うのが一層好ましい。
【0021】水および/または水蒸気によるPBT系樹
脂の処理は、本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)
またはポリエステル系樹脂組成物(2)を製造する前の
段階でポリエステル系樹脂組成物(1)またはポリエス
テル系樹脂組成物(2)の製造工程と連続して行って
も、或いはポリエステル系樹脂組成物(1)またはポリ
エステル系樹脂組成物(2)の製造工程とは全く別に予
め行っておいてもよく、特に制限されない。
【0022】PBT系樹脂を水および/または水蒸気で
処理するに当たっては、PBT系樹脂をペレット、粉
末、粉砕物、短繊維、長繊維、ストランド、フイルム、
シートなどのような表面積の大きな形状にしておくのが
処理を短時間に効果的に行うことができ好ましい。特
に、PBT系樹脂がペレット、粉末、短繊維などの形状
のときはその最大部分の寸法を約5mm以下にしておく
のが、PBT系樹脂が連続した長繊維やストランドなど
の場合は、その直径を3mm以下にしておくのが、また
PBT系樹脂がフイルムやシートの場合はその厚さを2
mm以下にしておくのが、吸水を短時間で速やかに且つ
均一に行わせることができ好ましい。 また、PBT系樹脂に水および/または水蒸気を接触さ
せる方法としては、PBT系樹脂を水中に浸漬する方
法、PBT系樹脂に水および/または水蒸気を散布、噴
霧、噴射する方法などが好ましく用いられる。
【0023】上記のようにして水および/または水蒸気
で処理したPBT系樹脂は、他のエステル結合含有熱可
塑性樹脂やその他の成分とブレンドする前に、成形に適
する水分率になるまで乾燥して使用する。乾燥後のPB
T系樹脂の水分率は成形に通常用いられているPBT系
樹脂と同程度またはそれ以下としておくのがよく、具体
的には水分率を50ppm以下にしておくのが好まし
く、30ppm以下にするのがより好ましい。その際の
乾燥手段としては、PBT系樹脂の熱分解、重合度の低
下および変性などが生じないような乾燥手段であればい
ずれでもよく、例えば熱風、赤外線ヒータなどによる加
熱乾燥、減圧乾燥、自然乾燥などを挙げることができ、
迅速に水分を除去できるなどの点から熱風乾燥、減圧乾
燥が好ましい。水および/または水蒸気で処理したPB
T系樹脂を乾燥しないでそのままポリエステル系樹脂組
成物の調製に用いた場合には、多量の水分による発泡、
加水分解による分子量低下などの問題を生じ易くなるの
で注意を要する。
【0024】本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)
またはポリエステル系樹脂組成物(2)は、水および/
または水蒸気で処理したPBT系樹脂と共に、(b)成
分として他のエステル結合含有熱可塑性樹脂を含有す
る。他のエステル結合含有熱可塑性樹脂としては、PB
T系樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂およびポリカ
ーボネート樹脂を挙げることができ、他のエステル結合
含有熱可塑性樹脂は、1種類のみを使用しても、または
2種以上を使用してもよい。2種以上の他のエステル結
合含有熱可塑性樹脂を使用する場合は、2種以上の異な
った熱可塑性ポリエステル樹脂同士を組み合わせて用い
ても、1種または2種以上の熱可塑性ポリエステル樹脂
と1種または2種以上ポリカーボネート樹脂を組み合わ
せて用いても、或いは2種以上の異なったポリカーボネ
ート樹脂の組み合わせて用いてもよい。それらのうちで
も、PBT系樹脂と共に使用する他のエステル結合含有
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂が好ましく、こられの樹脂
を使用した場合には寸法安定性の向上、表面光沢の向上
等の効果が得られる。
【0025】他のエステル結合含有熱可塑性樹脂として
PBT系樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いる
場合は、例えばセバシン酸、アジピン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサ
ンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸またはそれら
のエステル形成性誘導体と、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチル
グリコール、ビスフェノールAなどの水酸基を2個有す
る化合物との重縮合反応により得られる熱可塑性ポリエ
ステルを用いることができる。より具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジ
メチルテレフタレート、これらの共重合体などを挙げる
ことができる。
【0026】また、他のエステル結合含有熱可塑性樹脂
としてポリカーボネート樹脂を用いる場合は、炭酸また
はその誘導体とグリコールまたは2価フェノール系化合
物とを反応させて得られる公知のハロゲン化されていな
いポリカーボネート樹脂のいずれもが使用でき、ポリカ
ーボネート樹脂の製法などは特に制限されない。そのう
ちでもビスフェノールAまたはその核アルキル化誘導体
などのビスフェノール系化合物の1種または2種以上と
炭酸エステルまたはホスゲンを反応させて得られるビス
フェノール系タイプのポリカーボネート樹脂が、成形
性、成形品の力学的物性、低そり性、耐熱性などの点か
ら好ましい。しかしながら、ビスフェノールAの一部を
トリフェノール化合物などの3官能またはそれ以上の多
官能性フェノール類で置き換えた分岐を有するポリカー
ボネート樹脂も勿論使用できる。
【0027】そして、本発明のポリエステル系樹脂組成
物(1)では、(c)成分である有機ハロゲン系難燃剤
の一種として後述のようにハロゲン化ポリカーボネート
が好ましく使用されるが、他のエステル結合含有熱可塑
性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いる場合は、ハ
ロゲン化されていないポリカーボネート樹脂が一般に用
いられ、かかる点で他のエステル結合含有熱可塑性樹脂
として用いるポリカーボネート樹脂は、(c)成分(有
機ハロゲン系難燃剤)の1種として用いられるハロゲン
化ポリカーボネート樹脂と区別される。
【0028】本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)
およびポリエステル系樹脂組成物(2)では、[PBT
系樹脂]:[他のエステル結合含有熱可塑性樹脂]の割
合が重量で95:5〜50:50であるのが好ましく、
90:10〜60:40であるのがより好ましい。PB
T系樹脂と他のエステル結合含有熱可塑性樹脂の合計重
量に基づいて、他のエステル結合含有熱可塑性樹脂の割
合が5重量%よりも少ない(PBT系樹脂の割合が95
重量%よりも多い)と成形品の寸法精度、表面光沢など
が低下し、一方他のエステル結合含有熱可塑性樹脂が5
0重量%よりも多い(PBT系樹脂が50重量%よりも
少ない)と、固化速度が低下し成形サイクルの遅延を招
く。
【0029】そして、本発明のポリエステル系樹脂組成
物(1)は、上記したPBT系樹脂および他のエステル
結合含有熱可塑性樹脂と共に、更に(c)成分として有
機ハロゲン系難燃剤を含有する。有機ハロゲン系難燃剤
としては、難燃化効果を有することが知られている分子
中にハロゲン原子を有する公知の低分子有機化合物およ
び高分子有機化合物のいずれもが使用でき、そのうちで
もハロゲンが臭素である有機ハロゲン系難燃剤が好まし
く用いられる。また、有機ハロゲン系難燃剤では分子中
のハロゲン含有量が20重量%以上であるのが好まし
い。分子中のハロゲン含有量が20重量%未満であると
難燃化効果が小さくなって多量の難燃剤を含有させるこ
とが必要になり、それに伴って難燃助剤の必要量も多く
なって、成形品の機械的性質などが低下し易くなる。
【0030】有機ハロゲン系難燃剤の具体例としては、
ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化アクリル樹
脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノキシ樹
脂、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ポリフェニレ
ンエーテルなどの高分子量有機ハロゲン化合物;デカブ
ロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモフェノール、テ
トラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノ
ールAとフェノールの混合物、テトラブロモビスフェノ
ールAのエポキシ化物、テトラブロモビスフェノールA
・エチルエーテルオリゴマー、テトラブロモビスフェノ
ールA・ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、
テトラブロモビスフェノールA・ビス(アリルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA・2−ヒドロキシ
エチルエーテル、テトラブロモビスフェノールAのカー
ボネートオリゴマー等の臭素化ビスフェノールA、ヘキ
サブロモベンゼン、テトラブロモ無水フタル酸、トリブ
ロモフェノール、ビス(トリブロモフェノキシ)エタ
ン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ビス(ペンタ
ブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモ
フタルイミド、臭素化スチレン、テトラブロモビスフェ
ノールS、テトラブロモビスフェノールSのビス(2,
3−ジブロモプロピルエーテル)などの低分子量有機ハ
ロゲン化合物などを挙げることができ、これらの有機ハ
ロゲン系難燃剤は単独で使用しても、2種以上併用して
もよい。上記した有機ハロゲン系難燃剤のうちでも、ハ
ロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化フェノキシ樹
脂、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化アクリル樹脂
などが難燃化効果および安全性の点から好ましい。
【0031】有機ハロゲン系難燃剤の含有量は、PBT
系樹脂と他のエステル結合含有熱可塑性樹脂の合計10
0重量部に対して、10〜40重量部であるのが好まし
く、15〜30重量部であるのがより好ましい。有機ハ
ロゲン系難燃剤の含有量が10重量部よりも少ないとポ
リエステル系樹脂組成物(1)およびそれから得られる
成形品の難燃性が不足し易くなり、一方40重量部より
も多いと成形品の機械的性質が低下し易くなる。
【0032】そして、本発明の難燃性ポリエステル系樹
脂組成物(1)は、有機ハロゲン系難燃剤と共に(d)
成分として更に難燃助剤を含有する。難燃助剤としては
無機難燃助剤が好ましく、具体的には酸化アンチモン
(三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチ
モンなど)、アンチモン酸ナトリウムなどのアンチモン
化合物、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛などのホウ素
系化合物などを挙げることができる。ポリエステル系樹
脂組成物(1)における難燃助剤の含有量は、PBT系
樹脂と他のエステル結合含有熱可塑性樹脂の合計100
重量部に対して、3〜15重量部であるのが好ましく、
6〜12重量部がより好ましい。難燃助剤の含有量が3
重量部よりも少ないと充分な難燃化効果が得られにくく
なり、一方15重量部よりも多いとポリエステル系樹脂
組成物(1)から得られる成形品の機械的性質の低下、
耐熱性の低下などを生じ好ましくない。また、本発明の
ポリエステル系樹脂組成物(1)では、上記した難燃助
剤と共に、必要に応じて、酸化ホウ素、酸化ジルコニウ
ム、酸化鉄などの他の難燃助剤を併用してもよい。
【0033】本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)
およびポリエステル系樹脂組成物(2)は、上記した成
分の他に、必要に応じて、PBT系樹脂と他のエステル
結合含有熱可塑性樹脂との間のエステル交換反応を効果
的に抑制し且つ溶融安定性を向上させるために、金属不
活化剤の1種または2種以上を含有することができる。
金属不活化剤の具体例としてはアルキルアシッドホスフ
ェート化合物、シュウ酸アミド化合物、ヒドラジド化合
物などを挙げることができ、これらは単独で使用しても
2種以上を併用してもよい。金属不活化剤を含有させる
場合は、PBT系樹脂と他のエステル結合含有熱可塑性
樹脂の合計100重量部に対して金属不活化剤の含有量
を0.01〜5重量部とするの好ましく、0.1〜1重
量部がより好ましい。金属不活化剤の含有量が0.01
よりも少ないとPBT系樹脂と他のエステル結合含有熱
可塑性樹脂との間のエステル交換反応が効果的に抑制で
きない場合があり、一方金属不活化剤の含有量が5重量
部よりも多くてもエステル交換反応の抑制効果はそれ以
上には向上せず、逆に耐加水分解性の低下や溶融時の熱
着色などの問題を生じ易くなる。
【0034】更に、本発明のポリエステル系樹脂組成物
(1)およびポリエステル系樹脂組成物(2)は、必要
に応じて従来公知の各種の無機充填剤や有機充填剤を含
有することができ、かかる充填剤の例としては、表面処
理を施したまたは施していない、ガラス繊維、炭素繊
維、アルミニウム繊維、ステンレス繊維、黄銅繊維など
の金属繊維、窒化ケイ素ウイスカー、珪酸アルミニウム
ウイスカー、珪酸マグネシウムウイスカーなどの無機繊
維化合物、ガラスフレーク、マイカ、タルク、カオリ
ン、ワラストナイト、炭酸カルシウム、チタン酸カリウ
ムなどの無機充填剤、アラミド繊維、粉状エポキシ化合
物などの有機充填剤などを挙げることができ、これらは
単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができ
る。また、本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)お
よびポリエステル系樹脂組成物(2)は、更に必要に応
じて従来公知の各種の添加剤、例えば紫外線吸収剤、滑
剤、離型剤、帯電防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、染料
や顔料などの着色剤、可塑剤、熱可塑性エラストマー類
を含有することができる。
【0035】PBT系樹脂、他のエステル結合含有熱可
塑性樹脂、有機ハロゲン系難燃剤および難燃助剤を必須
成分として含有する本発明のポリエステル系樹脂組成物
(1)は、加熱溶融時にポリブチレンテレフタレート系
樹脂と他のエステル結合を有する熱可塑性樹脂との間の
エステル交換反応が抑制されて、溶融加工時の安定性が
良好になり、成形性および離型性に優れ、それから得ら
れる成形品は表面荒れがなく良好な外観を有し、寸法安
定性、機械的性質、耐熱性などの物性に優れ、しかも有
機ハロゲン系難燃剤および難燃助剤を含有していること
により極めて良好な難燃性を備えており、寸法安定性、
機械的性質、耐熱性などの特性と共に難燃性が強く求め
られている電気部品、電子部品などの用途に有効に使用
することができる。
【0036】一方、PBT系樹脂および他のエステル結
合含有熱可塑性樹脂を含有し、有機ハロゲン系難燃剤お
よび難燃助剤を含有しない本発明のポリエステル系樹脂
組成物(2)は、難燃性ではないものの、やはり加熱溶
融時にポリブチレンテレフタレート系樹脂と他のエステ
ル結合を有する熱可塑性樹脂との間のエステル交換反応
が抑制されて、溶融加工時の安定性が良好になり、成形
性および離型性に優れ、それから得られる成形品は表面
荒れがなく良好な外観を有し、寸法安定性、機械的性
質、耐熱性などの物性に優れているので、寸法安定性、
機械的性質、耐熱性などの特性に優れていることが要求
される一方で、難燃性であることがそれほど要求されな
い、自動車部品、事務用品などの用途に有効に使用する
ことができる。 そして、有機ハロゲン系難燃剤および難燃助剤を含有し
ないポリエステル系樹脂組成物(2)は、難燃性の点で
はポリエステル系樹脂組成物(1)に比べて劣っている
ものの、難燃剤や難燃助剤を含有しないことにより、機
械的性質、特に靭性の点ではポリエステル系樹脂組成物
(1)よりも一般に優れており、これらの特性を活かし
て上記した用途などに有効に使用することができる。
【0037】本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)
およびポリエステル系樹脂組成物(2)の調製法は特に
限定されず、ポリエステル系樹脂組成物の調製に従来使
用されている既知の方法のいずれもが採用できる。例え
ば、水および/または水蒸気で処理したチップ状のPB
T系樹脂、他のエステル結合含有熱可塑性樹脂、有機ハ
ロゲン系難燃剤および難燃助剤;或いは水および/また
は水蒸気で処理したチップ状のPBT系樹脂および他の
エステル結合含有熱可塑性樹脂と共に、必要に応じて他
の添加剤を予めタンブラーやヘンシェルミキサーなどの
混合機を使用して均一に混合した後、単軸または二軸押
出機に供給して溶融混練して押出した後適当な大きさに
切断することにより、ペレットやその他の形態にした本
発明のポリエステル系樹脂組成物(1)およびポリエス
テル系樹脂組成物(2)をそれぞれ得ることができる。
その際に、溶融混練時の温度や溶融状態での滞留時間な
どに特に制限はないが、一般に230〜270℃の温度
で、溶融状態で存在する時間が20〜90秒であるよう
な条件下で溶融混練を行うのが、PBT系樹脂と他のエ
ステル結合含有熱可塑性樹脂とのエステル交換反応の抑
制、加熱溶融時の熱着色抑制などの点から好ましい。
【0038】本発明のポリエステル系樹脂組成物(1)
およびポリエステル系樹脂組成物(2)は、ポリエステ
ル系樹脂に対して一般に用いられている成形方法や成形
装置を用いて成形することができる。例えば、射出成
形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成
形などの任意の成形法によって成形することができ、そ
れによって電気部品、電子部品、機械部品、自動車部
品、パイプ、シート、フイルム、日用雑貨品などの任意
の形状および用途の成形品を製造することができ、特に
射出成形などによって電気部品、電子部品、機械部品、
自動車部品、事務用品、日用品、その他の成形品を製造
するのに適している。成形時の溶融混練温度や成形機で
の滞留時間などに特に制限はないが、ポリエステル系樹
脂組成物(1)およびポリエステル系樹脂組成物(2)
を調製する場合と同様に、一般に230〜270℃の温
度で溶融混練し、溶融状態で存在する時間が20〜90
秒であるような条件下で成形を行うのがPBT系樹脂と
他のエステル結合含有熱可塑性樹脂との間のエステル交
換反応の抑制、成形品の白度・色相保持などの点から好
ましい。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の実
施例および比較例において、ポリエステル系樹脂組成物
の溶融時の熱安定性(耐エステル交換反応性)の評価は
次のようにして行った。
【0040】ポリエステル系樹脂組成物の溶融時の熱安
定性(耐エステル交換反応性):以下の実施例および比
較例のポリエステル系樹脂組成物に対して、示差走査熱
分析(DSC)を採用してポリエステルの結晶性に由来
する融点および結晶化ピーク温度を測定することによっ
て、ポリエステル系樹脂組成物の溶融時の熱安定性(耐
エステル交換反応性)の評価を行った。すなわち、DS
Cによって、各実施例または比較例のポリエステル系樹
脂組成物からなるペレットを20℃/分の昇温速度で室
温から290℃まで昇温し、該290℃に10分間保持
した後、20℃/分の降温速度で室温まで降温し、再度
20℃/分の昇温速度で室温から290℃まで昇温し、
第1回目の昇温時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱
量(△Hm1)、降温時の結晶化温度のピーク温度(Tc
c)と結晶化の熱量(△Hcc)、および第2回目の昇温
時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm2
測定して、溶融時の熱安定性(耐エステル交換反応性)
を調べて、ポリエステル系樹脂組成物の溶融時の熱安定
性を評価した。
【0041】《実施例 1》 (1) テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−
ブタンジオール60重量部およびテトライソプロピルチ
タネート0.04重量部をエステル交換反応槽に仕込
み、常圧下に145℃から230℃まで徐々に昇温しな
がら加熱してエステル交換反応を行わせ、メタノールが
26重量部留出した時点でエステル交換反応を停止した
(所要時間:約2時間)。ここで系を減圧に移行して、
減圧下(0.3mmHg)で樹脂温度を240℃にして
90分間重縮合反応を行った。反応後、反応槽を窒素ガ
スで加圧して、反応槽の底部から生成したPBT樹脂を
槽外に押し出して取り出し、切断してチップ状にした。
得られたPBT樹脂チップの極限粘度[η]は0.9で
あり、b値(呈色値)は3であった。
【0042】(2) 上記(1)で得られたPBT樹脂
チップ100重量部を温度60℃の熱水300重量部中
に20時間浸漬した後(この時点でのPBT樹脂チップ
の水分率:0.5重量%)、温度60℃の熱風を用いて
PBT樹脂チップの水分率が50ppm以下になるまで
乾燥した。 (3) 上記(2)で得られた乾燥PBT樹脂チップ8
0重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製「「パン
ライトL1250」)20重量部、臭素化ポリカーボネ
ート(グレートレークス製「BC−58」)20重量部
および三酸化アンチモン(日本精鉱製「PATOX−
L」)10重量部を二軸押出機(日本製鋼所製)に供給
して、シリンダー温度240℃で溶融混練して口金から
直径2.5mmのストランド状に押出し、水冷後切断し
て、長さ約3mmのペレット状のPBT樹脂組成物を製
造した。
【0043】(4) 上記(3)で得たPBT樹脂組成
物のペレットを用いて、上記したDSCにより第1回目
の昇温時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△H
1)、降温時の結晶化温度のピーク温度(Tcc)と結
晶化の熱量(△Hcc)、および第2回目の昇温時の融点
ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm2)測定し
て、溶融時の熱安定性(耐エステル交換反応性)を調べ
た。その結果を下記の表1に示す。
【0044】《実施例 2》実施例1の工程(2)にお
いて、PBT樹脂チップの熱水中での浸漬処理を80℃
の熱水中で5時間行った(この時点でのPBT樹脂チッ
プの水分率:0.6重量%)以外は実施例1と同様に行
って、PBT樹脂の水(熱水)処理およびPBT樹脂組
成物ペレットの製造を行い、得られたPBT樹脂組成物
のペレットを用いて、上記したDSCにより第1回目の
昇温時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm
1)、降温時の結晶化温度のピーク温度(Tcc)と結
晶化の熱量(△Hcc)、および第2回目の昇温時の融
点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm2)測定し
て、溶融時の熱安定性(耐エステル交換反応性)を調べ
た。その結果を下記の表1に示す。
【0045】《実施例 3》実施例1の工程(2)にお
いて、PBT樹脂チップを60℃の熱水中に20時間浸
漬させる代わりに、PBT樹脂チップに120℃の水蒸
気を2分間噴射接触させ(この時点でのPBT樹脂チッ
プの水分率:0.6重量%)且つそれに続く乾燥を12
0℃の熱風でPBT樹脂チップの水分率が50ppm以
下になるまで行った以外は、実施例1と同様に行って、
PBT樹脂の水蒸気処理およびPBT樹脂組成物ペレッ
トの製造を行い、得られたPBT樹脂組成物のペレット
を用いて、上記したDSCにより第1回目の昇温時の融
点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm1)、降温
時の結晶化温度のピーク温度(Tcc)と結晶化の熱量
(△Hcc)、および第2回目の昇温時の融点ピーク温
度(Tm)と融解熱量(△Hm2)測定して、溶融時
の熱安定性(耐エステル交換反応性)を調べた。その結
果を下記の表1に示す。
【0046】《実施例 4》PBT樹脂チップに150
℃の水蒸気を30秒間噴射接触させた(この時点でのP
BT樹脂チップの水分率:0.6重量%)以外は、実施
例3と同様に行って、PBT樹脂の水蒸気処理およびP
BT樹脂組成物ペレットの製造を行い、得られたPBT
樹脂組成物のペレットを用いて、上記したDSCにより
第1回目の昇温時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱
量(△Hm1)、降温時の結晶化温度のピーク温度(T
cc)と結晶化の熱量(△Hcc)、および第2回目の
昇温時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm
2)測定して、溶融時の熱安定性(耐エステル交換反応
性)を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0047】《比較例 1》実施例1の工程(1)で得
られたPBT樹脂チップをそのまま用いて、実施例1の
工程(3)と同様にしてPBT樹脂組成物のペレットを
製造し、それにより得られたPBT樹脂組成物のペレッ
トを用いて、上記したDSCにより第1回目の昇温時の
融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm1)、降
温時の結晶化温度のピーク温度(Tcc)と結晶化の熱量
(△Hcc)、および第2回目の昇温時の融点ピーク温度
(Tm)と融解熱量(△Hm2)測定して、溶融時の
熱安定性(耐エステル交換反応性)を調べた。その結果
を下記の表1に示す。
【0048】《実施例 5》実施例1の工程(3)にお
いて、難燃剤と難燃助剤を添加せずに、実施例1の工程
(2)で得られた乾燥PBT樹脂80重量部とポリカー
ボネート樹脂20重量部を二軸押出機に供給して、シリ
ンダー温度240℃で溶融混練して口金から直径2.5
mmのストランド状に押出し、水冷後切断して、長さ約
3mmのペレット状のPBT樹脂組成物を製造した。得
られたPBT樹脂組成物のペレットを用いて、上記DS
Cにより第1回目の昇温時の融点ピーク温度(Tm
と融解熱量(△Hm1)、降温時の結晶化温度のピーク
温度(Tcc)と結晶化の熱量(△Hcc)、および第2回
目の昇温時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△
Hm2)測定して、溶融時の熱安定性(耐エステル交換
反応性)を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0049】《比較例 2》実施例1の工程(1)で得
られたPBT樹脂ペレットをそのまま用いて、PBT樹
脂ペレット80重量部とポリカーボネート樹脂20重量
部を二軸押出機に供給して、シリンダー温度240℃で
溶融混練して口金から直径2.5mmのストランド状に
押出し、水冷後切断して、長さ約3mmのペレット状の
PBT樹脂組成物を製造した。得られたPBT樹脂組成
物のペレットを用いて、上記DSCにより第1回目の昇
温時の融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△H
)、降温時の結晶化温度のピーク温度(Tcc)と
結晶化の熱量(△Hcc)、および第2回目の昇温時の
融点ピーク温度(Tm)と融解熱量(△Hm)測定
して、溶融時の熱安定性(耐エステル交換反応性)を調
べた。その結果を下記の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1の結果から、水または水蒸気で処
理したPBT樹脂を用いている実施例1〜実施例4の難
燃剤および難燃助剤を含有する本発明のポリエステル系
樹脂組成物、並びに水または水蒸気で処理したPBT樹
脂を用いている実施例5の難燃剤および難燃助剤を含有
しない本発明のポリエステル系樹脂組成物の場合は、い
ずれも第1回目の昇温時の融点ピーク温度(Tm)と
第2回目の昇温時の融点ピーク温度(Tm)との差が
小さく且つ第1回目の昇温時の融解熱量(△Hm)と
第2回目の昇温時の融解熱量(△Hm)との差が小さ
く、しかも降温時の結晶化温度のピーク温度(Tcc)
が高くて結晶化の熱量(△Hcc)も大きくて、加熱溶
融を行ってもポリエステル系樹脂組成物の物性の低下が
少なく、溶融時の熱安定性に優れている、すなわちPB
T系樹脂とポリカーボネート樹脂との間のエステル交換
反応が生じにくいことがわかる。
【0052】一方、重合により得られたPBT樹脂を水
または水蒸気で処理せずにそのまま用いている比較例1
の難燃剤および難燃助剤を含有するポリエステル系樹脂
組成物、並びに重合により得られたPBT樹脂を水また
は水蒸気で処理せずにそのまま用いている比較例2の難
燃剤および難燃助剤を含有しないポリエステル系樹脂組
成物の場合は、第1回目の昇温時の融点ピーク温度(T
)と第2回目の昇温時の融点ピーク温度(Tm
との差および第1回目の昇温時の融解熱量(△Hm
と第2回目の昇温時の融解熱量(△Hm)との差がい
ずれも実施例1〜実施例5に比べて大幅に大きくなって
おり、しかも降温時の結晶化温度のピーク温度(Tc
c)が低く且つ結晶化の熱量(△Hcc)が小さくなっ
ており、加熱溶融によってポリエステル系樹脂組成物の
物性が大幅に低下し、溶融時の熱安定性に劣り、PBT
系樹脂とポリカーボネート樹脂との間のエステル交換反
応が生じ易いことがわかる。
【0053】
【発明の効果】水および/または水蒸気で処理したPB
T系樹脂および他のエステル結合含有熱可塑性樹脂を含
有する本発明のポリエステル系樹脂組成物は、PBT系
樹脂と他のエステル結合含有熱可塑性樹脂との間のエス
テル交換反応が効果的に抑制されて溶融時の熱安定性が
良好であるため、加熱溶融してもポリエステル系樹脂組
成物の物性の低下が少なく、成形性および離型性に優
れ、表面荒れがなく良好な外観を有し、寸法安定性、機
械的性質、耐熱性などの極めて諸特性に優れる成形品を
円滑に得ることができる。そして、水および/または水
蒸気で処理したPBT系樹脂および他のエステル結合含
有熱可塑性樹脂と共に、更に有機ハロゲン系難燃剤およ
び難燃助剤を含有する本発明のポリエステル系樹脂組成
物の場合は、上記した種々の優れた特性と共に難燃性に
も優れた成形品を得ることができ、その結果得られた成
形品は電気/電子部品をはじめとして難燃性であること
が要求される種々の用途に有効に使用することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)水および/または水蒸気で処理した
    ポリブチレンテレフタレート系樹脂;(b)ポリブチレン
    テレフタレート系樹脂以外のエステル結合を有する熱可
    塑性樹脂の少なくとも1種;(c)有機ハロゲン系難燃
    剤;並びに(d)難燃助剤を含有することを特徴とする
    難燃性のポリエステル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリブチレンテレフタレート系樹脂
    (a):ポリブチレンテレフタレート系樹脂以外のエス
    テル結合を有する熱可塑性樹脂(b)の割合が重量で9
    5:5〜50:50であり、ポリブチレンテレフタレー
    ト系樹脂(a)と該熱可塑性樹脂(b)の合計100重
    量部に対して、有機ハロゲン系難燃剤(c)を10〜4
    0重量部および難燃助剤(d)を3〜15重量部の割合
    で含有する請求項1の難燃性のポリエステル系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (a)水および/または水蒸気で処理した
    ポリブチレンテレフタレート系樹脂並びに(b)ポリブチ
    レンテレフタレート系樹脂以外のエステル結合を有する
    熱可塑性樹脂の少なくとも1種を含有することを特徴と
    するポリエステル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリブチレンテレフタレート系樹脂
    (a):ポリブチレンテレフタレート系樹脂以外のエス
    テル結合を有する熱可塑性樹脂(b)の割合が重量で9
    5:5〜50:50である請求項3のポリエステル系樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項のポリエス
    テル系樹脂組成物よりなる成形品。
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2011162145A1 (ja) * 2010-06-24 2011-12-29 パナソニック電工株式会社 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物と絶縁部品

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