JPH0834808A - 光重合開始剤 - Google Patents

光重合開始剤

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JPH0834808A
JPH0834808A JP17133094A JP17133094A JPH0834808A JP H0834808 A JPH0834808 A JP H0834808A JP 17133094 A JP17133094 A JP 17133094A JP 17133094 A JP17133094 A JP 17133094A JP H0834808 A JPH0834808 A JP H0834808A
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JP
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electron
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JP17133094A
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English (en)
Inventor
Shuichi Sugita
修一 杉田
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔料や隠ぺい率が高い染料などが含まれてい
ても、また厚みが大きかったりして光透過性が良好でな
い組成物であっても、重合可能な光重合開始剤に関す
る。 【構成】 陽イオン色素、ホウ素系触媒及び電子受容性
化合物を必須成分とする光重合開始剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良された重合速度を
有する光重合開始剤に関する。更に詳しくは顔料及び隠
ぺい率が高い染料などが含まれていても、また厚みが大
きかったり光透過性が良好でない組成物であっても重合
硬化が可能な近赤外光により実用的な速度で重合が可能
な光重合開始剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来光重合は塗膜の硬化、乾燥や印刷、
樹脂凸刷、プリント基盤作成用、レジストまたはフォト
マスク、白黒またはカラーの転写発色用シートもしくは
発色シート作成などの多方面の用途にわたり使用され、
特に最近では地球環境問題、省エネルギー、労務コスト
の上昇に対応する省力化等の観点から、光重合の特徴で
ある常温でも重合可能であること、速乾性、無溶剤化の
可能性等が注目され、開発が行われている。例えば紫外
光による硬化は、200〜400nmの紫外光を照射す
ることによつてカチオン重合あるいはラジカル重合によ
り重合性モノマーが急速硬化するものであるが、厚膜の
塗装、隠ぺい率が高い顔料を含有した着色塗膜等では紫
外光の透過性が低いので使用の制限を受ける。
【0003】また顔料、着色染料などを含まない透明系
においても硬化系の厚みが増したり透過性の悪い組成物
を含む系では紫外線が硬化系の内部まで十分に到達せ
ず、硬化系内部の硬化が不十分であるという問題点を有
していた。また紫外光の光源は高圧水銀ランプをはじめ
として必ずしも安価でない上、オゾン発生、皮膚ガンの
可能性など安全面においても充分満足すべき方法とはい
えなかった。それらの問題点を解決する方法として紫外
光よりも長波長の可視光あるいは近赤外光を吸収する色
素を用いた重合系が提案されており(例えば特開平5ー
194619号)、顔料添加系、厚膜系等の光硬化が達
成されているが重合速度の点及び比較的高価な光吸収色
素を用いる点などで必ずしも満足のいく技術とはいえな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の紫外光
硬化では困難であった、顔料添加系あるいは厚膜系など
の紫外光透過性の低い重合系においても重合硬化が可能
な近赤外光重合開始系において改良された重合速度を有
しかつ開始剤の必須成分である光吸収色素の添加量を低
減可能な重合開始剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
を解決すべく検討を重ねた結果、近赤外光領域に吸収を
有する陽イオン色素とホウ素系触媒に加えて電子受容性
物質を添加することにより光重合開始剤とする事で上記
課題が解決可能なことを見い出し本発明を完成するに至
った。すなわち本発明によると、一般式(1)で表され
る陽イオン色素 一般式(1);
【0006】D+ ・A- (式中、D+ は近赤外波長領域に吸収をもつ陽イオンで
あり、A- は、各種陰イオンを示す)及び一般式(2)
で表わされるホウ素系触媒 一般式(2);
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれ
ぞれ独立してアルキル基、アリール基、アリル基,アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複
素環基、ハロゲン原子、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換シリル基を示し、Z+
は陽イオンを示す) 更に電子受容性化合物を組み合わせて光重合開始剤とな
し、近赤外光照射によって重合性不飽和化合物を実用的
な速度で重合させることができる光重合開始剤が得られ
る。
【0009】本発明における重合開始剤は各種光硬化性
材料、例えば印刷インキ、レジスト、接着剤、家具、電
子材料、建材などの塗装、木工、金属、プラスチック類
等の塗装、自動車の車体、内装、バンパー等の塗装、無
機材料のコーティング等に用いることが可能である。本
発明を構成する一般式(1)の陽イオン色素と一般式
(2)のホウ素系触媒を併用することで近赤外光によっ
て陽イオン色素の分解が起こり、陽イオン色素の色が消
色するとともにラジカルが発生し、その際重合性不飽和
化合物が共存すると重合が開始される。陽イオン染料の
消色反応は不可逆反応であり、陽イオン色素の色が重合
物の色相を損なうことはない。この光重合開始剤系の特
徴を生かしつつ重合速度を改善する方策として電子受容
性化合物を添加すると重合速度が大幅に改善され、実用
的な重合時間で光重合反応が完結する。
【0010】電子受容性化合物の機能は以下のように推
定される。すなわち、一般に光エネルギーにより励起さ
れた陽イオン色素にホウ素系触媒から電子移動が起こ
り、ホウ素系触媒から発生したラジカルが重合開始剤と
して機能すると考えられているが(例えば特開昭62−
143044号の記載参照)、その際副生する陽イオン
色素由来のラジカル(以下色素ラジカルと記載する)か
ら電子受容性化合物が電子を受け取り色素ラジカルを元
の陽イオン色素に戻し、再生した陽イオン色素が再度光
反応を行うというサイクルが成立して発生ラジカルの数
が増加し、重合速度が向上するものと考えられる。
【0011】電子受容性のラジカル発生剤を光吸収性の
増感剤と組み合わせて光重合開始剤として用いる例は従
来知られているが(例えば「表面」1989年 第7号
551頁参照)、電子受容性化合物を色素ラジカルから
陽イオン色素を再生し、光重合効率を向上させるのに用
いた例はこれまで全く知られていなかった。このことに
より、光吸収色素の量が同じであれば重合速度が増大
し、また少量の色素の添加で従来の重合速度を達成する
ことが可能になった。
【0012】本発明の一般式(1)の陽イオン色素は近
赤外光波長領域に吸収を持つ色素であればよく、具体的
には740nm以上の波長領域に吸収があればよい。そ
の中でも光の透過性、開始剤の光安定性等を勘案すると
780nmの波長領域に吸収を持つ陽イオンが特に好ま
しい。近赤外光は従来一般に用いられている紫外光に較
べ波長が長く光の透過性に優れているため、従来の紫外
光では困難だった光隠ぺい性の高い各種顔料等添加系の
組成物、厚みのある組成物等に対しても良好な光重合を
行うことが出来る。
【0013】本発明の陽イオン(D+ )は近赤外領域に
吸収を有するものであれば特に制限はないが、好ましい
ものとしては例えばメチン、ポリメチン、インドリン、
シアニン、キサンテン、オキサジン、チアジン、ジアリ
ールメタン、トリアリールメタン、ピリリウム系陽イオ
ン色素の陽イオンなどがあげられる。かかる陽イオン色
素の代表例としては、例えば表1に示すような陽イオン
があげられる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表1】
【0016】カウンターアニオンであるA- は任意の陰
イオンであるが、下記一般式(3)に示す4配位ホウ素
アニオンが特に好ましい。 一般式(3);
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれ
ぞれ独立してアルキル基、アリール基、アリル基,アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複
素環基、ハロゲン原子、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換シリル基を示す)
【0019】具体例としては、n−ブチルトリフェニル
ホウ素イオン、n−オクチルトリフェニルホウ素イオ
ン、トリフェニルシリルトリフェニルホウ素イオン、n
−ブチルトリアニシルホウ素イオン、ジn−ドデシルジ
フェニルホウ素イオン、テトラフェニルホウ素イオン、
トリフェニルナフチルホウ素イオン、テトラブチルホウ
素イオン、トリn−ブチル(ジメチルフェニルシリル)
ホウ素イオンなどがあげられ、更に詳細には本発明者ら
が先に出願した(特願平4−175767号)特許明細
書に記載された陰イオン等が挙げられる。
【0020】また、本発明におけるホウ素系触媒は一般
式(2)で表わされるが、陰イオンである4配位ホウ素
イオンの具体的な例としては、n−ブチルトリフェニル
ホウ素イオン、n−オクチルトリフェニルホウ素イオ
ン、トリフェニルシリルトリフェニルホウ素イオン、n
−ブチルトリアニシルホウ素イオン、ジn−ドデシルジ
フェニルホウ素イオン、テトラフェニルホウ素イオン、
トリフェニルナフチルホウ素イオン、テトラブチルホウ
素イオン、トリn−ブチル(ジメチルフェニルシリル)
ホウ素イオンなどがあげられる。また式中に記載の陽イ
オン(Z+ )は任意であるが、一般式(4) 一般式(4);
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R9 、R10、R11及びR12はそれ
ぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリ
ル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複
素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル
基、置換アラルキル基、置換アルケニル基または置換ア
ルキニル基を示す)
【0023】で表わされる4級アンモニウム陽イオン、
4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオ
ン、ホスホニウム陽イオン、スルホニウム陽イオン、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシ
ウム等の金属陽イオン、酸素原子上に電荷を有する陽イ
オン、炭素原子上に電荷を有する陽イオン、ハロゲニウ
ム陽イオン、砒素、コバルト、パラジウム、チタン、ス
ズ等の金属化合物の陽イオン等があげられ、本発明のホ
ウ素系触媒の具体的な例は先に出願した(特願平4ー1
75767号)特許明細書等に詳細な記載がある。これ
ら陽イオン色素およびホウ素系触媒は単独または2種以
上を混合して用いることもできる。
【0024】一般に電子受容性物質については種々の定
義があり、例えば化学大辞典(昭和36年 共立出版社
発行)の「電子受容体」の項には、「相手から電子を受
けやすい原子、分子、またはイオンをいう。」と記載さ
れており、例としてはヨウ素等のハロゲン原子、種々の
キノン類、トリニトロベンゼン、四塩化スズ、塩化アル
ミニウム、三フッ化ホウ素等が挙げられている。また同
所にLapworth, Robinsonの分類としてプロトン、酸の
ようなプロトン源、H3+ 、ジアゾニウム塩等のカ
チオン類、八隅子を欠如している価電子核をもつ金
属、エステル、ハロゲン化アルキル等、第四アンモ
ニウム化合物、オゾン、過酸化物等の酸化剤、ニト
ロ、ニトロソ化合物等の窒素化合物、三酸化硫黄等の硫
黄化合物と記載されているが、本発明の電子受容物質は
上記定義による電子受容体を示す。
【0025】また電子受容を電気化学的に考えた場合、
還元電位が高い化合物ほど他の化合物から電子を受け取
りやすい。還元電位はサイクリックボルタンメトリー、
ポーラログラフィー等の方法によって容易に測定するこ
とが出来る(例えば「電気化学測定法」、1984年技
報堂出版社発行)。本発明の電子受容物質は上記還元電
位がLi/Li+ 電極を参照電極とした時2.0V以上
の化合物であることが好ましい。
【0026】更に、分子軌道計算において、最高被占軌
道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)の差が小さい
化合物程、他の化合物から電子を受け取り易いと考えら
れる。本発明の電子受容物質はHOMOとLUMOの差
がMOPAC ver6での計算値で10.0eV以下
の化合物が望ましい。還元電位の低い化合物あるいはH
OMOとLUMOの差が大きい化合物は、電子受容能力
が十分でないので好ましくない。
【0027】電子受容化合物の具体的な例としては例え
ばトリアジン化合物、芳香族オニウム塩化合物等が挙げ
られる。トリアジン化合物の中で好ましい例としては、
トリハロメチル−s−トリアジン化合物が挙げられる。
具体的には2−フェニル−4、6−ビス(トリブロモメ
チル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリク
ロロメチル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられ
る。更に詳細な例はBull.Chem.Soc.Jp
n.第42巻 2924頁(1969年)、特開昭53
−133428号、特開昭60−198868号、特開
昭62−161802号等に記載のあるトリアジン化合
物が挙げられる。
【0028】また本発明の芳香族オニウム塩化合物の具
体的な例としては、ジフェニルヨードニウム塩(カウン
ターアニオンは任意)等の芳香族ヨードニウム塩、トリ
フェニルスルホニウム塩などの芳香族スルホニウム塩、
アジニウム塩等が挙げられる。更に詳細な記載は例え
ば、特公昭52−14277号に示されている。特に好
ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸のトリフェニ
ルヨードニウム塩である。
【0029】本発明の光重合開始剤は一般に重合性不飽
和化合物と組み合わせて光重合性組成物として用いられ
る。その際用いられる重合性不飽和化合物は重合性オリ
ゴマー、重合性モノマーが挙げられ、重合性オリゴマー
としてはウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアク
リレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアク
リレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂、メラミンア
クリレート樹脂、特開平4−28722号公報に開示さ
れている(メタ)アクリル官能性ポリオルガノシルセス
キオキサン等が挙げられる。これらのオリゴマーは各種
製造業者によって多種の化合物が生産されており容易に
入手可能である。上記重合性オリゴマーは重合生成物の
物性を決定する主成分であり、各種用途に応じて要求さ
れる硬度、強度、耐久性、付着性等の物性に応じて選択
され、任意量配合される。
【0030】また重合性モノマー類としては(メタ)ア
クリル酸と1価アルコールとのエステル化物、スチレ
ン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどのビニルベン
ゼン類、ビニルイソブチルエーテル、2−エチルヘキシ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類、(メタ)アク
リロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス
アクリルアミド等の(メタ)アクリル化合物類、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニル
エステル類、アリルアルコール、酢酸アリル、フタル酸
ジアリル類等のアリル基を含有するモノマー等が挙げら
れる。さらに該モノマーとして、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;
【0031】ブチルイソシアネート、フェニルイソシア
ネートなどのポリイソシアネートと上記水酸基含有モノ
マーとの付加物;リン酸と上記水酸基含有モノマーとの
付加物;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルアセトアミド、ビニルピリジン類などの
含窒素不飽和モノマーなども使用できる。さらに該モノ
マーとして、ジエチレングリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレートなどのジ−、トリ−またはテトラビニル化合
物;前記の多価アルコールとエチレンオキシドとの付加
物に(メタ)アクリル酸を反応せしめた生成物;前記の
多価アルコールとプロピレンオキシドとの付加物に(メ
タ)アクリル酸を反応せしめた生成物;前記の多価アル
コールとεー カプロラクトンとの付加物に(メタ)アク
リル酸を反応せしめた生成物;含リン重合性不飽和モノ
マー等が包含される。更に詳細な具体例は先に出願した
(特願平4−175767号)特許明細書に記載されて
いる。
【0032】本発明の重合開始剤及び重合性不飽和化合
物等を含有する組成物の重合反応は光吸収色素の吸収波
長に応じた、740nm以上の波長領域に分光を有する
光の照射によって達成される。例えばハロゲンランプ、
キセノンランプ、太陽光等が挙げられる。前に述べたよ
うにこれらの光源は一般に、従来用いられてきた紫外光
重合における水銀ランプ、メタルハライドランプ等と較
べて安価でかつオゾン発生、皮膚ガンの危険性などがな
く、安全対策が容易であるという特徴をも有している。
光重合反応の際には酸素による重合阻害を低減するため
に低酸素濃度下で光照射することが好ましい。例えば窒
素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気、ある
いは空気中上記不活性ガスを硬化物表面にブローするこ
とにより酸素濃度を低減し、重合を促進させることも可
能である。
【0033】本発明における一般式(1)で表される陽
イオン色素、一般式(2)で表されるホウ素系触媒は任
意の比率で使用可能であり、一般に10:1〜1:50
(モル比)の割合で使用されるが、より高価な陽イオン
色素を系中でリサイクルさせる本発明の趣旨からは、ホ
ウ素系触媒を陽イオン色素よりも大量に用いる方が好ま
しい。すなわち、1:1〜1:50(モル比)の範囲が
特に好ましい。また本発明の電子受容性化合物は極少量
の添加でも相応の機能を発揮するが、好ましくは陽イオ
ン色素に対して10:1〜1:20(モル比)の範囲で
使用される。但し、本発明の電子受容性化合物を必要以
上に添加することはコスト面、重合性組成物の物性への
悪影響の可能性もあることから、電子受容性化合物各々
の最適値を見極めて使用することが望ましい。
【0034】本発明の重合開始剤は一般に重合性組成物
全体の0.01重量%以上用いることにより本発明の目
的を達成することが出来る。それ以下だと重合が充分に
行われないおそれがある。好ましくは0.05〜10重
量%の範囲である。大量に用いすぎることは、経済的観
点上好ましくない。2種あるいはそれ以上の陽イオン色
素、ホウ素系触媒、電子受容性化合物を併用することも
可能である。
【0035】更に、本発明の開始剤を含む重合性組成物
には任意の添加物、充填剤を添加することが出来る。こ
こでいう添加剤としては、例えば一般に塗料用添加剤と
して用いられている増粘剤、レベリング剤、チキソトロ
ピック剤、分散剤等が挙げられ、また充填剤としては、
有機物、無機物、或いはそれらの複合物、混合物が挙げ
られる。また先にも述べたように、本発明の重合開始剤
は長波長領域に吸収を有する陽イオン色素を用いるの
で、光透過性の低いカーボンブラックなどの黒色顔料、
アルミニウム、チタン等のメタリック顔料等を含有して
いても光重合を生起させることが可能であり、それらの
各種顔料なども添加することが出来る。
【0036】本発明の光重合開始剤は先にも述べたよう
に、塗料、インク、接着剤等の光硬化性材料の重合開始
剤として好適である。これらの光硬化性材料は無溶剤型
材料として利用可能であり、地球環境改善に寄与するこ
とが期待される。従来の反応硬化性組成物は硬化前のポ
リマー成分を溶解させるために大量の溶剤を必要として
いたが、光硬化性材料は希釈剤として反応性化合物を用
い得るので本質的に無溶剤化が可能であり、無溶剤化あ
るいは溶剤量の大幅な低減が可能となる。
【0037】勿論従来の溶剤で希釈した形で用いても何
等差し支えはないが、地球環境面からの資源節約、環境
破壊防止等の観点及びコスト面等から使用溶剤量は可能
な限り少量であることが望ましい。その際に用い得る溶
剤としては、陽イオン色素及び増感剤の化学的安定性を
損なわない化合物であれば、従来塗料用に用いられてい
る一般の溶剤など、例えばトルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族
炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル等のエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等のエチレングリコールのモノエーテル類などが使用
可能である。これらの溶剤1種または2種以上を混合し
て使用することが出来る。また、溶媒、あるいは分散媒
として水を使用することも可能である。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。 (実施例1)ペンタエリスリトールトリアクリレート−
ヘキサメチレンジイソシアネート−ウレタンプレポリマ
ー70g、ノナエチレングリコールジアクリレート30
g、アセトン20gを十分に混合した後、近赤外光吸収
性陽イオン色素(表1 番号3、陰イオンはn−ブチル
トリフェニルホウ素アニオン)0.1g、ホウ素系触媒
(テトラブチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルホ
ウ素)0.5g、2,4,6−トリス(トリクロロメチ
ル)−1,3,5−トリアジン(本文記載の還元電位
3.1V、本文記載の計算方法によるHOMOーLUM
Oの差8.902eV)0.5gを溶解しサンプル1と
した。
【0039】(実施例2)2,4,6−トリス(トリク
ロロメチル)−1,3,5−トリアジンに変えて2−フ
ェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,
5−トリアジン(上記HOMO−LUMOの差8.32
0eV)を0.5g用いる以外は実施例1と同様にサン
プル2を作製した。
【0040】(実施例3)2,4,6−トリス(トリク
ロロメチル)−1,3,5−トリアジンに変えて2−
(p−メトキシフェニル)−4,6− ビス(トリクロ
ロメチル)−1,3,5−トリアジン(同7.800e
V)を0.5g用いる以外は実施例1と同様にサンプル
3を作製した。
【0041】(実施例4)トリアジン化合物に変えてヘ
キサフルオロホスフェートのビス(4−t−ブチルフェ
ニル)ヨードニウム塩(同6.236eV)を0.5g
用いる以外は実施例1と同様にサンプル4を作製した。
【0042】(実施例5)トリアジン化合物に変えて、
トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルヨードニウ
ム塩(同3.956eV)を0.5g用いる以外は実施
例1と同様にサンプル5を作製した。
【0043】(実施例6)トリアジン化合物に変えて、
トリフルオロメタンスルホン酸のトリフェニルスルホニ
ウム塩(同6.540eV)を0.5g用いる以外は実
施例1と同様にサンプル6を作製した。
【0044】(実施例7)トリアジン化合物に変えて、
3、3’、4、4’ーテトラキス(t−ブチルジオキシ
カルボニル)ベンゾフェノン(上記還元電位2.7V、
上記HOMOーLUMOの差9.423eV)を0.5
g用いる以外は実施例1と同様にサンプル8を作製し
た。
【0045】(比較例1)重合促進剤であるトリアジン
化合物を添加しない以外は実施例1と同様に比較サンプ
ル1を作製した。
【0046】(実施例8)近赤外光吸収性陽イオン色素
を表1 番号3から番号1に変えて0.1g用いる以外
は実施例1と同様にサンプル8を作製した。
【0047】(比較例2)重合促進剤であるトリアジン
化合物を添加しない以外は実施例8と同様に比較サンプ
ル2を作製した。
【0048】[サンプルの重合試験及び重合性評価]作
製したサンプル1〜8、比較サンプル1、2をアプリケ
ーターにてアルミ基板上に100μmの厚さに塗布し、
窒素雰囲気下、波長740nm以上の波長領域に分光分
布を有する出力1500Wのハロゲンランプを5分間照
射した。得られた塗膜を剥し、FT−IRにて残留二重
結合を定量した。結果を表2に示す。残留二重結合が少
ないほど、重合が進行していることを示す。
【0049】(比較例3)上記比較例1のサンプルを上
記重合性評価と同様の方法で塗布した基板を6枚作成
し、同様の方法で光照射した。照射5分毎に基板を1枚
取り出し、残留二重結合を測定した。反応が終了するま
でに(残留二重結合が変化しなくなるまで)20分を要
し、その際の残留二重結合は33%だった。
【0050】(実施例9)近赤外光吸収色素の量を0.
1gから0.02gにする他は実施例1と同様にサンプ
ル9を作製し、比較例3と同様塗布基板を6枚作成し
た。比較例3と同様、光照射5分毎の反応率を測定した
結果、反応が終了するまでの所要時間は20分で、その
際の残留二重結合は32%だった。高価な色素の量を低
減しても従来と同様の硬化速度で反応を終了させること
が可能なことが明らかになった。
【0051】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明により、従来の技術に較べて重合
速度の改良あるいは開始剤である光吸収性色素量の低減
が可能な、隠ぺい率の高い重合性組成物等の重合に有用
かつ安全性の高い光重合開始剤が提供された。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表わされる陽イオン色
    素、一般式(2)で表わされるホウ素系触媒及び電子受
    容性化合物を必須成分とする光重合開始剤。 一般式(1); D+ ・A- (式中、D+ は近赤外波長領域に吸収をもつ陽イオンで
    あり、A- は、各種陰イオンを示す) 一般式(2); 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立して
    アルキル基、アリール基、アリル基,アラルキル基、ア
    ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロ
    ゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリ
    ル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アル
    キニル基または置換シリル基を示し、Z+ は陽イオンを
    示す)
  2. 【請求項2】 電子受容性化合物が、Li/Li+ 電極
    を参照電極とした時の還元電位が2.0V以上の化合物
    である請求項1の光重合開始剤。
  3. 【請求項3】 電子受容性化合物が、最高被占軌道(H
    OMO)と最低空軌道(LUMO)の差が10.0eV
    以下の化合物である請求項1の光重合開始剤。
  4. 【請求項4】 電子受容性化合物がトリアジン化合物、
    芳香族オニウム塩化合物の中から選ばれた1種あるいは
    2種以上の混合物である請求項1の光重合開始剤。
JP17133094A 1994-07-22 1994-07-22 光重合開始剤 Pending JPH0834808A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6174642B1 (en) 1999-02-25 2001-01-16 Cycolor, Inc. Imaging system employing encapsulated radiation sensitive composition

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US6174642B1 (en) 1999-02-25 2001-01-16 Cycolor, Inc. Imaging system employing encapsulated radiation sensitive composition

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