JPH0835009A - 耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の製造方法Info
- Publication number
- JPH0835009A JPH0835009A JP16723794A JP16723794A JPH0835009A JP H0835009 A JPH0835009 A JP H0835009A JP 16723794 A JP16723794 A JP 16723794A JP 16723794 A JP16723794 A JP 16723794A JP H0835009 A JPH0835009 A JP H0835009A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- stainless steel
- tempering treatment
- martensitic stainless
- corrosion resistance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐CO2 腐食性の優れた低C−(12〜1
6)%Cr−Ni−Cu−Mo系マルテンサイトステン
レス鋼を量産可能にする製造方法を提供する。 【構成】 C:0.005〜0.1%、Si:0.05
〜1%、Mn:0.1〜2%、Cr:12〜16%、N
i:0.1〜4%、Cu:0.1〜3%、Mo:0.1
〜3%、Al:0.005〜0.2%、N:0.005
〜0.1%、P:0.025%以下、S:0.015%
以下を含み、残部はFe及び不可避的不純物からなるマ
ルテンサイトステンレス鋼を、640℃以上770℃以
下の温度域で第1段の焼戻し処理を施した後、600℃
以上Ac1点以下の温度域で第2段の焼戻し処理を行
う。
6)%Cr−Ni−Cu−Mo系マルテンサイトステン
レス鋼を量産可能にする製造方法を提供する。 【構成】 C:0.005〜0.1%、Si:0.05
〜1%、Mn:0.1〜2%、Cr:12〜16%、N
i:0.1〜4%、Cu:0.1〜3%、Mo:0.1
〜3%、Al:0.005〜0.2%、N:0.005
〜0.1%、P:0.025%以下、S:0.015%
以下を含み、残部はFe及び不可避的不純物からなるマ
ルテンサイトステンレス鋼を、640℃以上770℃以
下の温度域で第1段の焼戻し処理を施した後、600℃
以上Ac1点以下の温度域で第2段の焼戻し処理を行
う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性、特に油井管及
びラインパイプ用の耐CO2 腐食性に優れたマルテンサ
イトステンレス鋼の製造方法に関するものである。
びラインパイプ用の耐CO2 腐食性に優れたマルテンサ
イトステンレス鋼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油または天然ガスを採取するための井
戸の環境は近年ますます過酷なものとなっており、採掘
深さの増大に加えて湿潤な炭酸ガス(CO2 )や硫化水
素(H 2 S)、塩素イオン(Cl- )などの腐食性の成
分を含む井戸も多くなっている。このためこうした環境
中では炭素鋼や低合金鋼は著しく腐食することが知られ
ている。
戸の環境は近年ますます過酷なものとなっており、採掘
深さの増大に加えて湿潤な炭酸ガス(CO2 )や硫化水
素(H 2 S)、塩素イオン(Cl- )などの腐食性の成
分を含む井戸も多くなっている。このためこうした環境
中では炭素鋼や低合金鋼は著しく腐食することが知られ
ている。
【0003】炭酸ガスを多く含む油井環境では合金鋼と
しては比較的コストの安い鋼としてAISI420鋼と
いったCを0.2%含有し、12〜13%のCrを含有
するマルテンサイトステンレス鋼が広く使用されてい
る。しかし120℃以上の温度になるとAISI420
鋼も腐食してしまう。従って120℃以上のCO2 環境
下ではCrを22〜25%含有する2相ステンレス鋼が
使用されている。しかし2相ステンレス鋼はCO2 環境
で使用するには高価な材料である。そこでAISI42
0鋼と2相ステンレス鋼の中間の使用性能(180℃以
下の高温CO2 環境中に耐えうる)と価格を有するグレ
ードの開発が待望されていた。以下この鋼を低C−(1
2〜16)%Cr−Ni−Cu−Mo系マルテンサイト
ステンレス鋼と呼ぶ。
しては比較的コストの安い鋼としてAISI420鋼と
いったCを0.2%含有し、12〜13%のCrを含有
するマルテンサイトステンレス鋼が広く使用されてい
る。しかし120℃以上の温度になるとAISI420
鋼も腐食してしまう。従って120℃以上のCO2 環境
下ではCrを22〜25%含有する2相ステンレス鋼が
使用されている。しかし2相ステンレス鋼はCO2 環境
で使用するには高価な材料である。そこでAISI42
0鋼と2相ステンレス鋼の中間の使用性能(180℃以
下の高温CO2 環境中に耐えうる)と価格を有するグレ
ードの開発が待望されていた。以下この鋼を低C−(1
2〜16)%Cr−Ni−Cu−Mo系マルテンサイト
ステンレス鋼と呼ぶ。
【0004】この低C−(12〜16)%Cr−Ni−
Cu−Mo系マルテンサイトステンレス鋼は分塊圧延後
の管材の硬度が極めて高いので、管材の鋸断が不可能で
あるか、或いは著しく困難であるので鋸断万能にするこ
とにプロセス上の問題があった。
Cu−Mo系マルテンサイトステンレス鋼は分塊圧延後
の管材の硬度が極めて高いので、管材の鋸断が不可能で
あるか、或いは著しく困難であるので鋸断万能にするこ
とにプロセス上の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は量産AISI
420鋼と変わらないプロセスで製造上のトラブル(す
なわち、180℃以下の高温CO2 環境中に耐えうる性
質を持つ低C−(12〜16)%Cr−Ni−Cu−M
o系マルテンサイトステンレス鋼の分塊圧延後の管材の
鋸断が困難)を解消し、工業的に量産できる製造プロセ
スを確立することを目的とする。
420鋼と変わらないプロセスで製造上のトラブル(す
なわち、180℃以下の高温CO2 環境中に耐えうる性
質を持つ低C−(12〜16)%Cr−Ni−Cu−M
o系マルテンサイトステンレス鋼の分塊圧延後の管材の
鋸断が困難)を解消し、工業的に量産できる製造プロセ
スを確立することを目的とする。
【0006】前記した製造上のトラブルを解消するため
には低C−(12〜16)%Cr−Ni−Cu−Mo系
マルテンサイトステンレス鋼のヴィッカース硬度を27
0以下にしなければならない。
には低C−(12〜16)%Cr−Ni−Cu−Mo系
マルテンサイトステンレス鋼のヴィッカース硬度を27
0以下にしなければならない。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上のような問題を解決
するために種々の実験を行った結果、低C−(12〜1
6%)Cr−Ni−Cu−Mo系マルテンサイトステン
レス鋼を軟化させる製造法を見出して本発明を完成させ
た。本発明は、重量%でC:0.005〜0.1%、S
i:0.05〜1%、Mn:0.1〜2%、P:0.0
25%以下、S:0.015%以下、Cr:12〜16
%、Ni:0.1〜4%、Cu:0.1〜3%、Mo:
0.1〜3%、Al:0.005〜0.2%、N:0.
005〜0.1%を含み、残部がFeおよび不可避的不
純物からなる鋼を、640℃以上770℃以下の温度域
で第1段の焼戻し処理を施した後に、600℃以上Ac
1点以下の温度域で第2段の焼戻し処理を行うことを特
徴とする耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の
製造方法を要旨とする。
するために種々の実験を行った結果、低C−(12〜1
6%)Cr−Ni−Cu−Mo系マルテンサイトステン
レス鋼を軟化させる製造法を見出して本発明を完成させ
た。本発明は、重量%でC:0.005〜0.1%、S
i:0.05〜1%、Mn:0.1〜2%、P:0.0
25%以下、S:0.015%以下、Cr:12〜16
%、Ni:0.1〜4%、Cu:0.1〜3%、Mo:
0.1〜3%、Al:0.005〜0.2%、N:0.
005〜0.1%を含み、残部がFeおよび不可避的不
純物からなる鋼を、640℃以上770℃以下の温度域
で第1段の焼戻し処理を施した後に、600℃以上Ac
1点以下の温度域で第2段の焼戻し処理を行うことを特
徴とする耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の
製造方法を要旨とする。
【0008】
【作用】前記のように640℃以上770℃以下の温度
で第1段の焼戻し処理を行った後に、600℃以上Ac
1点以下の温度で第2段の焼戻し処理を行うことにより
低C−(12〜16)%Cr−Ni−Cu−Mo系マル
テンサイトステンレス鋼が軟化する理由について本発明
者らは以下のように推測している。
で第1段の焼戻し処理を行った後に、600℃以上Ac
1点以下の温度で第2段の焼戻し処理を行うことにより
低C−(12〜16)%Cr−Ni−Cu−Mo系マル
テンサイトステンレス鋼が軟化する理由について本発明
者らは以下のように推測している。
【0009】低C−(12〜16)%Cr−Ni−Cu
−Mo系マルテンサイトステンレス鋼を640℃以上7
70℃以下の温度域で第1段の焼戻し処理を行うことに
より生じる組織は焼戻しマルテンサイト及びフレッシュ
マルテンサイトである。さらにマトリクス中からCuが
析出する。770℃超ではフレッシュマルテンサイト量
の方が焼戻しマルテンサイト量よりも多いために硬度が
高すぎるために第1段の焼戻し温度の上限を770℃と
した。一方640℃未満ではCuが微細に析出すること
によって硬化するためにその下限を640℃とした。
−Mo系マルテンサイトステンレス鋼を640℃以上7
70℃以下の温度域で第1段の焼戻し処理を行うことに
より生じる組織は焼戻しマルテンサイト及びフレッシュ
マルテンサイトである。さらにマトリクス中からCuが
析出する。770℃超ではフレッシュマルテンサイト量
の方が焼戻しマルテンサイト量よりも多いために硬度が
高すぎるために第1段の焼戻し温度の上限を770℃と
した。一方640℃未満ではCuが微細に析出すること
によって硬化するためにその下限を640℃とした。
【0010】一段だけの焼戻し処理ではフレッシュマル
テンサイトが生成する。その組織は硬度が高いためにも
う一度Ac1 点以下で第2段の焼戻し処理を行うことに
より組織全てが焼戻しマルテンサイト組織になり、軟化
するものと考えられる。従って、第2段の焼戻し温度の
上限をAc1 点とした。ここで第2段の焼戻し処理の下
限を600℃としたのは600℃未満で焼戻し処理を行
っても低温焼戻しであるために十分な焼戻し処理ができ
ないので硬度が変化しない。すなわちヴィッカース硬度
が270超になり、実際の製造ラインでの管材の鋸断が
困難になるからである。
テンサイトが生成する。その組織は硬度が高いためにも
う一度Ac1 点以下で第2段の焼戻し処理を行うことに
より組織全てが焼戻しマルテンサイト組織になり、軟化
するものと考えられる。従って、第2段の焼戻し温度の
上限をAc1 点とした。ここで第2段の焼戻し処理の下
限を600℃としたのは600℃未満で焼戻し処理を行
っても低温焼戻しであるために十分な焼戻し処理ができ
ないので硬度が変化しない。すなわちヴィッカース硬度
が270超になり、実際の製造ラインでの管材の鋸断が
困難になるからである。
【0011】次に対象鋼の成分範囲の限定理由について
以下に説明する。 C:Cはマルテンサイトステンレス鋼を製造するのに必
要な元素であって、0.005%未満では組織をマルテ
ンサイト単相にするのが困難になり、0.1%を超える
とCr炭化物が多く存在し、耐CO2 腐食性が劣化する
ので、含有量範囲を0.005〜0.1%とした。
以下に説明する。 C:Cはマルテンサイトステンレス鋼を製造するのに必
要な元素であって、0.005%未満では組織をマルテ
ンサイト単相にするのが困難になり、0.1%を超える
とCr炭化物が多く存在し、耐CO2 腐食性が劣化する
ので、含有量範囲を0.005〜0.1%とした。
【0012】Si:Siは脱酸のため必要な元素である
が、0.05%未満ではその効果が十分でなく、1%を
超えて添加すると衝撃靱性を低下させることから、含有
量範囲を0.05〜1%とした。 Mn:脱酸及び強度確保のために有効な元素であるが、
0.1%未満ではその効果が十分でなく、2%を超えて
添加するとその効果は飽和するので、含有量範囲を0.
1〜2%とした。
が、0.05%未満ではその効果が十分でなく、1%を
超えて添加すると衝撃靱性を低下させることから、含有
量範囲を0.05〜1%とした。 Mn:脱酸及び強度確保のために有効な元素であるが、
0.1%未満ではその効果が十分でなく、2%を超えて
添加するとその効果は飽和するので、含有量範囲を0.
1〜2%とした。
【0013】Cr:Crはマルテンサイトステンレス鋼
を構成する最も基本的かつ必須の元素であって、耐CO
2 腐食性を付与するために必要な元素であるが、含有量
が12%未満では耐食性が十分でなく、一方16%を超
えて添加するとマルテンサイト単相にすることが困難に
なるので、その含有量範囲を12〜16%とした。マル
テンサイト単相にするには12%以上15%以下にする
ことが望ましい。
を構成する最も基本的かつ必須の元素であって、耐CO
2 腐食性を付与するために必要な元素であるが、含有量
が12%未満では耐食性が十分でなく、一方16%を超
えて添加するとマルテンサイト単相にすることが困難に
なるので、その含有量範囲を12〜16%とした。マル
テンサイト単相にするには12%以上15%以下にする
ことが望ましい。
【0014】Al:Alは脱酸のために必要な元素であ
って含有量が0.005%未満ではその効果が十分でな
く、0.2%を超えて添加すると粗大な酸化物系介在物
が鋼中に残留して靱性を低下させるので、その含有量範
囲を0.005〜0.2%とした。 N:Nはオーステナイト形成元素であるので必須である
が、0.005%未満では室温でマルテンサイト単相と
なり難く、0.1%を超えて存在すると母材の衝撃靱性
を低下させるので、その含有量範囲を0.005〜0.
1%とした。
って含有量が0.005%未満ではその効果が十分でな
く、0.2%を超えて添加すると粗大な酸化物系介在物
が鋼中に残留して靱性を低下させるので、その含有量範
囲を0.005〜0.2%とした。 N:Nはオーステナイト形成元素であるので必須である
が、0.005%未満では室温でマルテンサイト単相と
なり難く、0.1%を超えて存在すると母材の衝撃靱性
を低下させるので、その含有量範囲を0.005〜0.
1%とした。
【0015】P:Pは靱性を低下させる元素であるので
上限含有量を0.025%にした。 S:SはPと同様靱性を低下させる元素であるので上限
含有量を0.015%とした。 Ni:Niはオーステナイト形成元素でマルテンサイト
を安定させ、耐CO2腐食性を向上させるが、0.1%
未満ではその効果が十分でなく、4%を超えて添加する
とその効果が飽和すると共にコストが上昇するので、そ
の含有量範囲を0.1〜4%とした。望ましくは2〜4
%とする。
上限含有量を0.025%にした。 S:SはPと同様靱性を低下させる元素であるので上限
含有量を0.015%とした。 Ni:Niはオーステナイト形成元素でマルテンサイト
を安定させ、耐CO2腐食性を向上させるが、0.1%
未満ではその効果が十分でなく、4%を超えて添加する
とその効果が飽和すると共にコストが上昇するので、そ
の含有量範囲を0.1〜4%とした。望ましくは2〜4
%とする。
【0016】Cu:CuもNiと同様オーステナイト形
成元素で耐CO2 腐食性を向上させるが、0.1%未満
ではその効果が十分でなく、3%を超えるとコストが上
昇するので、その含有量範囲を0.1〜3%とした。望
ましくは1.0〜3.0%とする。 Mo:Moは耐CO2 腐食性あるいは耐孔食性を向上さ
せるのに有効な元素であるが、0.1%未満ではその効
果が十分でなく、3%を超えるとフェライトが生成しや
すくなるために、その含有量範囲を0.1〜3%とし
た。望ましくは0.1〜2.0%とする。
成元素で耐CO2 腐食性を向上させるが、0.1%未満
ではその効果が十分でなく、3%を超えるとコストが上
昇するので、その含有量範囲を0.1〜3%とした。望
ましくは1.0〜3.0%とする。 Mo:Moは耐CO2 腐食性あるいは耐孔食性を向上さ
せるのに有効な元素であるが、0.1%未満ではその効
果が十分でなく、3%を超えるとフェライトが生成しや
すくなるために、その含有量範囲を0.1〜3%とし
た。望ましくは0.1〜2.0%とする。
【0017】
【実施例】表1に供試鋼の化学組成および製造の熱処理
条件を示す。各供試鋼の硬度および180℃、CO2 4
0気圧での腐食速度をあわせて表1に示す。表2には表
1に示した熱処理条件として焼戻し条件を示す。No.
1〜8のいずれの鋼種においても第1段の焼戻し温度を
640℃以上770℃以下で焼戻した後に600℃以上
Ac1以下で第2段の焼戻し処理を施すと、ヴィッカー
ス硬度が270以下になり、実際の製造ラインで分塊圧
延後の管材の鋸断が容易になることがわかる。またN
o.1〜8のいずれの鋼種においても180℃CO2 環
境中での腐食速度は0.1mm/y以下で耐CO2 腐食
性が良好であることがわかる。さらに図1は鋼種4を6
00℃から750℃で焼戻し処理を施した時の硬度に及
ぼす焼戻し温度の影響を示す。このときの鋼種4のAc
1点は645℃である。△印は600℃以上750℃以
下の種々の温度で1回だけの焼戻し処理を施したもので
ある。○印は、750℃で第1段の焼戻し処理を施した
後に、640℃で第2段の焼戻し処理を施したもの、×
印は、670℃で第1段の焼戻し処理を施した後に、6
40℃で第2段の焼戻し処理を施したものである。60
0℃から750℃までの温度域で1回の焼戻し処理だけ
では硬さは極めて高く、管材の鋸断が極めて困難にな
る。これに対して670℃もしくは750℃の温度域で
第1段の焼戻し処理を施した後に、640℃の温度で第
2段の焼戻し処理を行うと、ヴィッカース硬度で270
以下に軟化することがわかった。この結果、実際の生産
ラインでの管材の鋸断が極めて容易になった。
条件を示す。各供試鋼の硬度および180℃、CO2 4
0気圧での腐食速度をあわせて表1に示す。表2には表
1に示した熱処理条件として焼戻し条件を示す。No.
1〜8のいずれの鋼種においても第1段の焼戻し温度を
640℃以上770℃以下で焼戻した後に600℃以上
Ac1以下で第2段の焼戻し処理を施すと、ヴィッカー
ス硬度が270以下になり、実際の製造ラインで分塊圧
延後の管材の鋸断が容易になることがわかる。またN
o.1〜8のいずれの鋼種においても180℃CO2 環
境中での腐食速度は0.1mm/y以下で耐CO2 腐食
性が良好であることがわかる。さらに図1は鋼種4を6
00℃から750℃で焼戻し処理を施した時の硬度に及
ぼす焼戻し温度の影響を示す。このときの鋼種4のAc
1点は645℃である。△印は600℃以上750℃以
下の種々の温度で1回だけの焼戻し処理を施したもので
ある。○印は、750℃で第1段の焼戻し処理を施した
後に、640℃で第2段の焼戻し処理を施したもの、×
印は、670℃で第1段の焼戻し処理を施した後に、6
40℃で第2段の焼戻し処理を施したものである。60
0℃から750℃までの温度域で1回の焼戻し処理だけ
では硬さは極めて高く、管材の鋸断が極めて困難にな
る。これに対して670℃もしくは750℃の温度域で
第1段の焼戻し処理を施した後に、640℃の温度で第
2段の焼戻し処理を行うと、ヴィッカース硬度で270
以下に軟化することがわかった。この結果、実際の生産
ラインでの管材の鋸断が極めて容易になった。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、耐CO2 腐食性に優れ
たマルテンサイトステンレス鋼を量産することが可能と
なる。
たマルテンサイトステンレス鋼を量産することが可能と
なる。
【図1】600℃以上750℃以下の温度域で焼戻し処
理を施したときの焼戻し温度−硬度曲線図である。
理を施したときの焼戻し温度−硬度曲線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で C:0.005〜0.1%、 Si:0.05〜1%、 Mn:0.1〜2%、 P:0.025%以下、 S:0.015%以下、 Cr:12〜16%、 Ni:0.1〜4%、 Cu:0.1〜3%、 Mo:0.1〜3%、 Al:0.005〜0.2%、 N:0.005〜0.1% を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼
を、640℃以上770℃以下の温度域で第1段の焼戻
し処理を施した後に、600℃以上Ac1点以下の温度
域で第2段の焼戻し処理を行うことを特徴とする耐食性
の優れたマルテンサイトステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16723794A JPH0835009A (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16723794A JPH0835009A (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0835009A true JPH0835009A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=15846007
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16723794A Withdrawn JPH0835009A (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0835009A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020048110A (ko) * | 2000-12-16 | 2002-06-22 | 이구택 | 스테인레스 후강판의 열처리방법 |
| CN103820611A (zh) * | 2012-11-19 | 2014-05-28 | 上海重型机器厂有限公司 | 核电压紧弹性环用马氏体不锈钢锻件的热处理方法 |
| JP2015161010A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | Jfeスチール株式会社 | リールバージ敷設性に優れるラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管およびその製造方法 |
| WO2017122405A1 (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-20 | 新日鐵住金株式会社 | 油井用ステンレス鋼管の製造方法及び油井用ステンレス鋼管 |
| CN111101081A (zh) * | 2019-04-16 | 2020-05-05 | 嘉兴吉森科技有限公司 | 一种用于层压板的高强度沉淀硬化不锈钢及其制造方法 |
| AU2017202284B2 (en) * | 2016-04-07 | 2023-04-13 | A. Finkl & Sons Co. | Precipitation Hardened Martensitic Stainless Steel and Reciprocating Pump Manufactured Therewith |
-
1994
- 1994-07-19 JP JP16723794A patent/JPH0835009A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020048110A (ko) * | 2000-12-16 | 2002-06-22 | 이구택 | 스테인레스 후강판의 열처리방법 |
| CN103820611A (zh) * | 2012-11-19 | 2014-05-28 | 上海重型机器厂有限公司 | 核电压紧弹性环用马氏体不锈钢锻件的热处理方法 |
| CN103820611B (zh) * | 2012-11-19 | 2016-08-03 | 上海重型机器厂有限公司 | 核电压紧弹性环用马氏体不锈钢锻件的热处理方法 |
| JP2015161010A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | Jfeスチール株式会社 | リールバージ敷設性に優れるラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管およびその製造方法 |
| WO2017122405A1 (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-20 | 新日鐵住金株式会社 | 油井用ステンレス鋼管の製造方法及び油井用ステンレス鋼管 |
| JP6168245B1 (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-26 | 新日鐵住金株式会社 | 油井用ステンレス鋼管の製造方法及び油井用ステンレス鋼管 |
| AU2017202284B2 (en) * | 2016-04-07 | 2023-04-13 | A. Finkl & Sons Co. | Precipitation Hardened Martensitic Stainless Steel and Reciprocating Pump Manufactured Therewith |
| CN111101081A (zh) * | 2019-04-16 | 2020-05-05 | 嘉兴吉森科技有限公司 | 一种用于层压板的高强度沉淀硬化不锈钢及其制造方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4428237B2 (ja) | 耐炭酸ガス腐食性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた高強度マルテンサイトステンレス鋼 | |
| JP4203143B2 (ja) | 耐炭酸ガス腐食性に優れた耐食鋼及び耐食油井管 | |
| US5167731A (en) | Martensitic stainless steel for an oil well | |
| NO20161860A1 (no) | Dupleks rustfrie stål | |
| JPH05287455A (ja) | 油井用マルテンサイト系ステンレス鋼 | |
| WO1996010654A1 (en) | Highly corrosion-resistant martensitic stainless steel with excellent weldability and process for producing the same | |
| US5939018A (en) | Martensitic stainless steels for seamless steel pipe | |
| JPH08246107A (ja) | 耐炭酸ガス腐食性及び耐硫化物応力腐食割れ性の優れたマルテンサイトステンレス鋼 | |
| JPH0835009A (ja) | 耐食性の優れたマルテンサイトステンレス鋼の製造方法 | |
| JP2006312772A (ja) | 油井用マルテンサイト系ステンレス鋼及び油井用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。 | |
| JP4022991B2 (ja) | フェライト−マルテンサイト2相ステンレス溶接鋼管 | |
| JPH032227B2 (ja) | ||
| JPH07197130A (ja) | 溶接部の耐孔食性と低温靭性に優れた二相ステンレス溶接鋼管の製造方法 | |
| JPS6164815A (ja) | 耐遅れ破壊性の優れた高強度鋼の製造法 | |
| JPH0841599A (ja) | 溶接部の耐食性が優れたマルテンサイト系ステンレス鋼 | |
| JPH0643626B2 (ja) | 油井管用マルテンサイト系ステンレス鋼 | |
| JP2962098B2 (ja) | 110Ksi グレードの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造法 | |
| JPH07110970B2 (ja) | 耐応力腐食割れ性の優れた針状フェライトステンレス鋼の製造方法 | |
| JPH0718331A (ja) | 13クロム系ステンレス鋼曲げ管の製造方法 | |
| JPH0375336A (ja) | 耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法 | |
| JPH0741909A (ja) | 油井用ステンレス鋼およびその製造方法 | |
| JPH0762499A (ja) | 油井管用マルテンサイト系ステンレス鋼 | |
| JP2004115890A (ja) | 高靱性を有する高クロム鋼及びその製造方法 | |
| JP4081234B2 (ja) | 耐水素脆化特性の優れた高強度鋼 | |
| JPS6210241A (ja) | 耐食性と圧潰強度の優れた継目無油井管用鋼 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011002 |