JPH0837392A - 広帯域電波吸収体 - Google Patents

広帯域電波吸収体

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JPH0837392A
JPH0837392A JP6192885A JP19288594A JPH0837392A JP H0837392 A JPH0837392 A JP H0837392A JP 6192885 A JP6192885 A JP 6192885A JP 19288594 A JP19288594 A JP 19288594A JP H0837392 A JPH0837392 A JP H0837392A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q17/00Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems
    • H01Q17/008Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems with a particular shape

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェライト磁性体の厚みは製造上の問題の比
較的少ない厚みとしたまま、見かけ上の比誘電率と比透
磁率を所望の値にコントロールして、高さが低く、より
広帯域かつより経済的な電波吸収体を実現する。 【構成】 反射板上に、断面が十字形の積層磁性体柱が
間隔pで繰り返して配置され、該積層磁性体柱は、厚み
m1、長さL1、高さh1の磁性体板を十字形に交差させ
た形状の第1磁性体柱の上に、厚みtm2、長さL2、高
さh2の磁性体板を十字形に交差させた形状の第2磁性
体柱を積層して構成され、さらに L1=p L2<p tm1≦p tm2≦tm1m1≦(h1+h2) なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広帯域電波吸収体に関
し、詳しくは、電子機器の不要放射試験、電磁波妨害試
験、電磁波耐性試験、アンテナ特性試験などに利用され
る電波暗室や、ビルや橋などの建築物や構造物からの電
波反射によるTVや航行レーダへの障害防止のために設
置される壁材などとして広く利用される広帯域電波吸収
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】広帯域電波吸収体として最も良く知られ
ているものに、損失誘電体によって構成されるピラミッ
ド形電波吸収体と称される四角錐形状のものがある。こ
のタイプの電波吸収体は吸収要素として抵抗損失を利用
したもので、電波反射板である金属板上に四角錐状の電
波吸収部材を設けた構成となっている。この四角錐状の
電波吸収部材は、例えば多孔質プラスチックに微小カー
ボン粒を含浸させたもの、あるいは発泡ウレタン粒に抵
抗体であるカーボン微粒子を装荷させたものを、適当な
方法でピラミッド状に固めて構成され、金属板上にその
断面積が該金属板に向かって暫時増加するように設けら
れる。このような構成とすることにより、電波吸収部材
のインピーダンスが空間から金属板の方向に暫時減少す
るようになり、空間インピーダンスの整合が行われる。
【0003】上記のタイプの電波吸収体は非常に広帯域
の電波吸収特性を示すが、一般にその高さは吸収しよう
とする電波の最低周波数の2分の1波長程度となり、例
えば30MHzの周波数のものから吸収しようとする
と、電波吸収体の高さは5m程度となってしまう。この
ような電波吸収体を例えば電波暗室の吸収壁として用い
た場合、測定空間が狭くなる等のスペース上の問題、あ
るいは壁面、天井への取付作業が容易でない等の問題が
ある。さらに、電波吸収体自体の吸水性のために、機械
的あるいは電気的特性の経年変化等による劣化、ないし
は損傷が起きやすい等の問題がある。しかしこのタイプ
の電波吸収体は吸収特性が良いことからマイクロ波帯の
電波吸収体として引き続き利用されている。
【0004】これに対し、磁性損失を利用することによ
り、電波吸収体の高さの問題を解決する技術が提案され
ている。このようなものとして、磁性損失を与える材料
として焼結フェライト磁性体を用いて構成された電波吸
収体がある。この電波吸収体は5〜8mm程度の低い高
さで、たとえば30MHzという低周波数の電磁波をも
吸収するというすぐれた特性を持っている。しかし、こ
の電波吸収体には、電波吸収帯域が狭いという問題点が
ある。
【0005】一方、例えばTV電波のビルによる反射障
害防止のために、ビルの壁面の全面にフェライトタイル
を貼り付けることが行われている。また、フェライトタ
イルを建物の壁面に磁界方向には連続するが電界方向に
は間隔をあけて配置することにより、上記全面配置の場
合に比べフェライトタイルの使用枚数を減らし、経済的
にVHF帯のTV電波障害を防止することも行われてい
る。しかし、これらの場合も電波吸収体の電波吸収帯域
幅は狭く、VHF帯からUHF帯までの周波数にわたっ
てTV電波を吸収するほどの帯域幅ではない。また、こ
のタイプの電波吸収体は単一偏波用であるため、利用が
TV電波障害対策などに限られており、電波暗室等に
は、このように偏波依存性を持つ電波吸収体は不適当で
あるので利用できない。
【0006】一般に、電波吸収体の表面における電界の
反射係数をsとすると、電波吸収体の電力吸収係数は 1−|s|2 ・・・・・・・・・・(1) と表される。従って、|s|が小さいほど特性の良い電
波吸収体と言える。普通は、電波吸収体の特性の良さの
一つの目安として |s|≦0.1 ・・・・・・・・・・(2) すなわち、反射減衰量(−20logs)20dB以下、
電力吸収係数≧0.99を採用している。
【0007】図20は、最も基本的なフェライト電波吸
収体の構造を示す断面図であり、金属導体からなる反射
板Mでタイル状のフェライト磁性体Fを裏打ちした構造
となっている。この構造の電波吸収体の特性は典型的に
は図21のようになる。図21において横軸は周波数
f、縦軸は反射係数|s|である。ここで、|s|=
0.1となる下限の周波数及び上限の周波数をそれぞれ
L、fHとすると、図から明らかなように|s|≦0.
1を満足する周波数帯域幅Bは B=fH−fL ・・・・・・・・・・(3) と表される。この帯域幅Bについては従来からよく研究
されていて、例えば (A)下限周波数fLが30MHzとなるようにする場
合、用いるべきフェライトは焼結型でNiZn系かMn
Zn系のものである。そうすると、一般に、上限周波数
Hは300MHz〜400MHzとなってしまう。 (B)下限周波数fLが90MHzとなるようにする場
合、用いるべきフェライトは、やはり焼結型のNiZn
系かMnZn系のもので、この場含、上限周波数fH
350MHz〜520MHzとなる。
【0008】一つの応用として、電波吸収体を前に述べ
た電子機器からの放射電磁波を測定するための電波暗室
の壁材に適用する場合は、fL=30MHzで、かつfH
は今のところ、ひとまずfH=1000MHzであるこ
とが要求されるため、上記の(A)のものでは上限周波
数fHが低く不十分である。(B)のものでも上限周波
数fHが低く不十分である。また建物からのTV電波の
反射を防ぐための壁材の場合、日本では、fL=90M
Hzで、fH=800MHzが要求されていて、(B)
のものでは、やはり特性が不十分である。
【0009】そこで、図20の形式のものを、種々改良
する事がこれまでに提案されている。例えば、タイル状
のフェライト磁性体を空気層で浮かして(実際には発泡
ポリウレタン板などを用いて反射板から浮かして)配置
する技術が提案されている。この技術によれば、例え
ば、高さ(タイル設置面と垂直な方向の厚さ)7mmの
NiZn系フェライトタイルを、反射板から10mmの
空気層を介して、すなわち、全体の高さを反射板から1
7mmとして配置すると、30MHz〜800MHzの
電波に対して、反射減衰量20dB以下の電波吸収体が
得られるようになる。
【0010】さらに、焼結フェライトのみで構成される
最近の電波吸収体の広帯域化の例として、図22に示す
ような、フェライトFを格子状に金属板Mの上に配列し
た電波吸収体が米国特許第5,276,448号におい
て本発明者の一部により堤案されている。ここで図22
の(a)はこの格子形電波吸収体の斜視図、(b)は
(a)のA−A’線断面の様子を拡大して示す斜視図で
ある。この構造の電波吸収体によれば、例えば厚さ7m
m、金属板Mからの高さ18mmのNiZn系フェライ
ト板を格子状に配列することにより、30MHz〜10
00MHzの電波に対して反射減衰量20dB以下の広
帯域な電波吸収体が得られる。従って、この構造の電波
吸収体は、現在のところ、前に述べた電子機器からの放
射電磁波を測定するための電波暗室の壁材として広く利
用されている。
【0011】また、もう一つの焼結フェライトのみで構
成される電波吸収体の広帯域化の例として、図21に示
すような電波吸収体が、本発明者の一部により、特開平
5−82995号公報において提案されている。ここで
図22の(a)はこの電波吸収体の斜視図、(b)は
(a)のB−B’線断面の様子を拡大して示す斜視図で
ある。この構造の電波吸収体によれば、fL=30MH
z、fH=3000MHzが得られる。
【0012】すなわち、図22、図23の両図に示す電
波吸収体においてフェライト磁性体はタイル状の一様な
ものでなく、周期的に空隙部を有し、かつ厚み2tm
りも高さhが大きいという特徴を持った焼結フェライト
磁性体Fを電波の反射体Mの上に、間隔bで配置したも
のである。以後の説明の便宜上、図22のものを格子形
電波吸収体、図23のものを多層格子形電波吸収体と呼
ぶ事にする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多層格
子形電波吸収体にあっては、構造の一部のフェライトの
厚みを1mm以下に製作しなければならない場合があ
り、実際の製造にあたっては、材料成型時において、こ
のように薄い厚みに比ベ、必要な高さが高い事から、全
体構造を一体成型する場合、金型に材料を注入するとき
の材料の流れの悪さや、成形品の金型離れの悪さ、成型
圧力の不均一等のため焼結時の変形や割れが生じ易く、
しかも製造条件の設定が難しく、その上、歩留りの関係
で、製造費が高くなるきらいがあった。
【0014】さらに、近年、EMI(electromagnetic
immunity:電磁波耐性)に対する関心が高まるととも
に、電波吸収体のさらに一層の広帯域化が望まれてい
る。今後、電子機器に利用される周波数は、より高い周
波数に亘るようになり、要求される前記fHは、必然的
に高くならざるを得ないと思われる。
【0015】本発明は、この広帯域化の要求に応えると
同時に、高さが低く、製造条件の設定が容易でかつより
経済的に製造しうる広帯域電波吸収体を提供すること目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、反射板上に、
それぞれ磁性体を含む電気定数の異なる複数の吸収層
を、反射板に垂直方向に連続して積み重ねてなる多層格
子形電波吸収体に係るものである。詳しくは、電気定数
を変化させる手段として、少なくとも1つ以上の吸収層
において磁性体部と空隙部が連続して同一面上で繰り返
す構造を有するものを用いる。すなわち、この部分の層
は、直線偏波に対し電界方向及び磁界方向において不連
続な構造を有している。好ましい例としては、電波吸収
層を、反射板から任意の高さにあるフェライト部が適当
な厚みの磁性体板を互いに十字形に交差させてその断面
が十字形をなすような磁性体柱に構成する。そして該磁
性体柱の高さを隣合う磁性体柱との間隔より小さくす
る。このように構成することにより、電波吸収層の中に
共存する磁性体部、磁性体板間の空隙部との相互関係か
ら、電波吸収層の層の見かけ上の透磁率及び見かけ上の
誘電率を、多層構成する場合に要求されるそれぞれの層
の所望値にコントロールするものである。すなわち、磁
性体板の長さを短くすれば、電波吸収層としての見かけ
上の透磁率及び見かけ上の誘電率は、磁性体が連続して
いる場合に比べより小さい値に変化する事を利用する。
このように、隣合う磁性体板どうしの間に隙間を形成し
たため、隙間のない場合の吸収層と同一の値の見かけ上
の透磁率を得るには、必要なフェライト磁性体板の厚み
をより厚くすることができる。したがって、前述した成
型時の問題を解消でき、製作が容易になる。かくして得
られた電波吸収層を多段層の中の1つ以上の層に用い、
これを含む磁性体柱を反射板上に一定間隔で所要面積に
なるように配置する事により、本発明の広帯域電波吸収
体が構成される。
【0017】一般に、多層格子形電波吸収体は、図24
に概念図で示すように、空間に多段に重ねられたそれぞ
れ電気定数の異なる媒質層、すなわち、吸収層が存在す
る場合に相当する。図24において各媒質層の特性イン
ビーダンスZcと伝搬定数γは、その比透磁率をμr、比
誘電率をεrとすると、 Zc=√(μ/ε)=√(μ0/ε0)√(μr/εr) ・・・・(4) γ=jω√(με)=jω√(μ0μrε0εr) ・ ・・・・・(5) で表される。但し、μ0、ε0はそれぞれ空気の透磁率、
誘電率、ωは角周波数である。
【0018】また、多層型電波吸収体の場合の入力イン
ピーダンスは、それぞれの媒質層の特性インピーダスZ
cと、その高さd及び伝搬定数γを用いて表現される。
すなわち、図24の入射面a−a’から反射板方向を見
込む入力インピーダンスZdnは、平面波が垂直入射する
場合、 Zdn=Zcn・(Zdn-1+Zcn tanhγnn)/(Zcn+Zdn-1 tanhγnn) ・・・・・(6) で表される。ここに、Zdnは最終段であるn段目の層の
入力インピーダンス、Zdn-1は終段より1段前のn−1
段目の入力端b−b’から反射板方向を見込むインピー
ダンス、Zcnはn段目の層の特性インピーダンスで
(4)式で表したもの、γnはn段目の層の伝搬定数で
(5)式で表したもの、dnはn段目の層の高さであ
る。式(6)は、電気工学で周知のように、特性インピ
ーダンスZc、伝搬定数γの線路を多段に接続した場合
の式と同一である。
【0019】例えば、線路に磁性体と空隙とが共存する
層がそれぞれ1段、2段、3段重ねで接続されている場
合の概念図を図25(A)、(B)、(C)に例示す
る。ここで、図の上段の左右の平行線は間隔bの伝送線
路を示したもので、Zd1、Zd2、Zd3はa−a’点での
入力インピーダンスを表している。また、d1、d2、d3
各層の高さであり、Mは反射板、tm1、tm2、tm3は各
層のフェライトの厚みである。従って、各層には(b−
2tm)の空隙が存在する事になる。一方、図の下段
は、それぞれ図の上段の層を伝搬定数γと、特性インピ
ーダンスZcを用いて表現したものである。
【0020】また、一般に磁性体の透磁率、誘電率は μr=μr1−jμr2 εr=εr1−jεr2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) として複素数で表す事が出来、かつ、周波数分散特性を
持っている。例えば、NiZn系フェライトの材料自体
の比透磁率は、材質により異なり、1KHz程度の低い
周波数で(7)式のμr1の値はμr1=10〜2500程
度の値が得られ、μr2の値もμr1が大きければ大きいの
が一般的であるが、どちらの値も周波数によって変化す
る。また、NiZn系焼結フェライトの材料の比誘電率
のうちεr1の値は材料により約12から15となるが、
周波数に対してほぼ一定とみなしてよく、εr2の値は非
常に小さいのが普通である。
【0021】なお、以下の説明で、単に比誘電率、比透
磁率という述語は、それぞれ(7)式の実部、すなわ
ち、εr1、μr1を表し、また特に断りがない限り直流
(周波数1KHZ)の場合の値である。また、関心のある
層にフェライトと空隙(ここでは空気)の両方が存在す
る場合、その層の持つ比透磁率と比誘電率は、それと等
価な別の均一な媒質で占められている層とみなして、以
後この比透磁率と比誘電率を「見かけ上の透磁率」、
「見かけ上の誘電率」と呼ぶことにする。そして、次
に、これらの見かけ上の透磁率と見かけ上の誘電率が、
フェライトと空隙の関係により、どうなるかにつき検討
してみる。
【0022】今、図26に示すように導体からなる平行
平板線路内の様に、b×hで囲まれる空間にフェライト
Fと空隙が共存する層を考えてみる。厚さtm、高さh
の四角形のフェライトFが各導体平行平板に接して配置
されている場合において、材料の厚みtmを2tm=b、
すなわち線路内の空間全てにフェライトFを充填した状
態からtmの値を減少して行くと、フェライトFの厚み
と空隙との関係によって、その部分の層としての見かけ
上の比透磁率と比誘電率は小さくなる方向に変化する。
【0023】仮に、フェライトの材料自身の比透磁率を
2500、比誘電率を15とすると、tm=0の時は、
媒質は空気のみになるから、その見かけ上の比透磁率は
μr1=1.0で、見かけ上の比誘電率もεr1=1.0と
なる。一方、b=2tmの時はどちらも最高で、材料自
身と同じ値の2500と15である。しかしながら、例
えば、間隔bを20mmとしたとき、tm=3mmであ
ると、その層内には14mmの空間がある事になり、そ
のために、その層の見かけ上の比誘電率はεr1=5.5
となる。また、この時、その層の見かけ上の比透磁率は
750になる。但し、この場合は、磁界の方向が紙面の
裏から表の方向で、かつbの値が問題にしている波長に
比べ充分小さい場合である。
【0024】先に述べた格子形や多層格子形電波吸収体
では、主としてフェライトの厚みを変化させ、吸収層内
に空隙部を作る事により、比誘電率をそれぞれの層で所
望の値にコントロールして利用するところに特徴があっ
た。例えば、特開平5−82995号公報に記載されて
いる図23に示すような3層格子形電波吸収体では、使
用するフェライト材料として、比透磁率μr1=250
0、比誘電率εr1=15のNiZn系の材料を採用し、
間隔b=20mmとしたとき、第1層としてh1=4.
0mm、厚みtm1=8.5mmで、この層の見かけ上の
比誘電率は13.5、また見かけ上の比透磁率は210
0としている。さらに、第2層では、h2=25mm、
厚みtm2=0.6mmで、この層の見かけ上の比誘電率
は2.0、また見かけ上の比透磁率は151を得てい
る。第3層として、h3=27mm、tm3=0.2mm
で、この層の見かけ上の比誘電率は1.3であり、ま
た、見かけ上の比透磁率は51である。そしてこの場
合、その吸収特性は、反射減衰量20dBの範囲に30
−3000MHzをカバーするという、焼結フェライト
のみで構成された電波吸収体としては非常に優れた特性
を示すとされている。
【0025】しかしながら、このように、フェライトの
厚みをコントロールして、各層において所望の値の比透
磁率、比誘電率を得るようにした電波吸収体には、次の
ような不具合があった。すなわち、このような構造の電
波吸収体を金型を用いて一体成型して製造する場合、上
記のtm3の厚みに現れているように、構造の中に極めて
薄い焼結フェライトが要求され、材料の成型時におい
て、金型への材料注入の悪さ、成形品の金型離れの悪
さ、成型圧力の不均一による各部の特性のバラツキ、焼
結時の変形や割れの発生等の問題があり、このために製
造上の難しさがあった。
【0026】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、磁性体の厚みは製造上の問題の比
較的少ない厚みとしたまま、各層によって磁性体板の長
さを調節し、このものを連続して配置した場合に、隣合
う磁性体板との間に空隙を形成させることにより、その
層の見かけ上の比誘電率と見かけ上の比透磁率を所望の
値にコントロールしてより広帯域な電波吸収体を実現す
るものである。
【0027】すなわち、本発明によれば、反射板上に、
断面が十字形の積層磁性体柱が間隔pで繰り返して配置
され、該積層磁性体柱は、厚みtm1、長さL1、高さh1
の磁性体板を十字形に交差させた形状の第1磁性体柱の
上に、厚みtm2、長さL2、高さh2の磁性体板を十字形
に交差させた形状の第2磁性体柱を積層して構成され、
さらに L1=p L2<p tm1≦p tm2≦tm1m1≦(h1+h2) なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。また、本発明によれば、反射板上に、断
面が十字形の積層磁性体柱が間隔pで繰り返して配置さ
れ、該積層磁性体柱は、厚みtmが同じで長さが異なる
磁性体板を長さが反射板から電波到来方向に向かって暫
時減少するように多段に重ねたものを十字形に交差させ
た形状に形成され、反射板から電波到来方向に測った該
積層磁性体柱の全体の高さをhとするとき、 h>tm p>tm なる関係を満足し、かつ該積層磁性体柱のうちの少なく
とも1以上の段の磁性体板は隣合う積層磁性体柱の対応
する段の磁性体板と接触していることを特徴とする広帯
域電波吸収体が提供される。また、本発明によれば、反
射板上に、断面が十字形の積層磁性体柱が間隔pで繰り
返して配置され、該積層磁性体柱は、厚みが異なる磁性
体板を多段に重ねたものを十字形に交差させた形状に形
成され、反射板に最も近い磁性体板の厚み及び長さをそ
れぞれtm1、L1、反射板から電波到来方向に測った該
積層磁性体柱の全体の高さをhとするとき、 h>tm1 p>t1m1=p なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。また、本発明によれば、反射板上に、タ
イル状磁性体を設け、さらにその上に磁性体板を十字形
に交差させた形状の磁性体柱を間隔pで繰り返し配置し
てなり、該磁性体板の長さが前記間隔pより短いことを
特徴とする広帯域電波吸収体が提供される。また、本発
明によれば、反射板上に、タイル状磁性体を設け、さら
にその上に厚みの異なる磁性体板を多段に重ねたものを
十字形に交差させた形状の積層磁性体柱を間隔pで繰り
返し配置してなり、該積層磁性体柱の各段の磁性体板の
長さは前記間隔pと等しいか、それ以下であることを特
徴とする広帯域電波吸収体が提供される。また、本発明
によれば、反射板上に、タイル状磁性体を設け、さらに
その上に厚みが同じ磁性体板を多段に重ねたものを十字
形に交差させた形状の積層磁性体柱を間隔pで繰り返し
配置してなり、該積層磁性体柱の各段の磁性体板の長さ
は前記間隔pと等しいか、それ以下であることを特徴と
する広帯域電波吸収体が提供される。さらに、本発明に
よれば、上記いずれかの電波吸収体の全面に損失誘電体
を付加してなる広帯域電波吸収体が提供される。
【0028】磁性体板の長さを短くし空隙を形成する
と、見かけ上の比透磁率と比誘電率は、磁性体板間に空
隙が連続している場合に比べ小さくなるだけでなく、そ
の周波数特性も大きく変化する。これを図27を用いて
説明する。図では、点線で囲まれた磁性体と空間の共存
範囲の隣接した関係を示すために、該共存範囲が磁界方
向に2個だけ連続している場合を、電波の進行方向から
見た正面図として示してある。図27の(a)に示すよ
うに十字形に交差した磁性板が波長に比べ十分磁界方向
に長く連続しており、その磁性体材料の比透磁率が25
00でb=20mm、tm=3.3mmの場合の層の見
かけ上の比透磁率の周波数分散を図28に示す。また、
同一厚みで図27の(b)に示すように磁性体板の長さ
LをL=14mmとした場合、つまり磁性体板間にs=
7mmの空隙を形成した場合であって、同じく十分磁界
方向に長く連続している場合の層の比透磁率の周波数分
散を図29に示す。図28、図29は、tm=3.3m
mの場合、長さLをL=20mmからL=14mmま
で、すなわちs=0mmからs=7mmまで変化させる
と、空隙の大きさによって、比透磁率の周波数分散を表
す曲線は、図28から図29の範囲で変化する事を示し
ている。特に、空隙を形成することにより、見かけ上の
比透磁率は、μr1、μr2ともにその最大値が小さくなる
だけでなく、最大になる周波数が高い方に大きく移動
し、空隙のないものに比べ、分散特性が全く異なったも
のとなる。もちろん、他の厚みの磁性体において同様な
振る舞いが見られる。本発明は、このような比透磁率の
周波数分散の変動と比誘電率の低下を有効に利用したも
のである。
【0029】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、以下に述べる実施例の電波吸収体の特
性は、すべて図30の(a)及び(b)にそれぞれ縦断
面及び横断面で示すようなトリプレート線路を用い、T
EM波による測定で評価したものである。また、各実施
例の電波吸収体の構造を示す図1、図4、図7、図1
0、図13、図16において、Fは焼結フェライト、M
は反射板、Cuは電波吸収層を構成する単位構造の積層
磁性体柱を示す。本発明の電波吸収層は、この単位構造
を互いに接触した状態で所要面積となるよう同一平面上
に並べて配置する事により構成される。また、各図にお
いて、hは電波到来方向における電波吸収体の全体の高
さ、h1、h2、...、h8は対象となる層の高さ、tm
m1、tm2、...、tm8は対象となる層の単位構造Cu
みた焼結フェライトの厚み、L1、L2、...、L8は対象
となる層の単位構造の磁性体板の長さ、pは隣合う単位
構造の間隔、s1、s2、...、s8は対象となる層の隣合
う単位構造の磁性体板間の間隔で、各図とも共通であ
る。
【0030】(実施例1)図1に本発明の一実施例の電
波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯域電波吸収体を
2層で構成した例であり、反射板Mに近い第1層の上に
第2層を積み重ねた構造となっている。第1層はフェラ
イト磁性体板を交差させたように形作られる断面が十字
形の磁性体柱であり、第2層は第1層に比べ長さの短い
磁性体板による同じく断面が十字形の磁性体柱である。
本実施例の電波吸収体は、これらの吸収層を反射板上に
一定間隔を置いて配置して構成されるが、その構造説明
を容易にするために、その積層磁性体柱の単位構造Cu
を図1において点線で囲んで示すとともに、その構造の
詳細を図2に示す。ここで図2の(a)は単位構造Cu
の斜視図、(b)は同上面図、(c)は同側面図であ
る。すなわち、図1に示す構造は、反射板M上に図2に
示す単位構造Cuを、隣合う単位構造Cuの第1層の高さ
部分が互いに接した状態で所要数量配列したものであ
る。
【0031】本実施例で使用したフェライトFは、第1
層も第2層も同一のNiZn系焼結フェライトで、その
比透磁率は2500である。単位構造Cuの間隔はp=
20mmに設定し、第1層の高さはh1=14.5m
m、厚みはtm=8.0mmで、第2層の高さはh2=2
2mm、厚みは第1層と同じくtm=8.0mmであ
る。第1層の磁性体板の長さはL1=20mmで、第2
層の磁性体板の長さはL2=13mmに設定している。
従って、隣合う単位構造Cu間では、第2層の磁性体板
相互間はs2=7mmの間隔があいていることになる。
【0032】本実施例の場合、h1部分の第1層の見か
け上の比透磁率は約1000で、見かけ上の比誘電率は
約7である。また、h2部分の第2層の見かけ上の比透
磁率は約2.0で、同じく見かけ上の比誘電率は1.8
が得られる。なお、見かけ上の比透磁率及び見かけ上の
比誘電率は1KHZの周波数での値である(以下同様)。
本実施例の電波吸収体の特性は、図3に示すように、反
射減衰量20dB以下を30−1000MHzの範囲で
カバーしている。
【0033】(実施例2)図4に本発明による別の実施
例の電波吸収体の構造を示す。本実施例はフェライト磁
性体板の厚みが階段状である2層形電波吸収体の例であ
り、反射板Mに近い第1層の上に第2層を積み重ねた構
造となっている。第1層は磁性体板を交差させたように
形作られる断面が十字形の磁性体柱であり、第2層は第
1層に比べ厚みが薄くかつ長さが短い磁性体板による同
じく断面が十字形の磁性体柱である。第1層と第2層を
構成する積層磁性体柱の単位構造Cuを図4において点
線で囲んで示すとともに、その構造の詳細を図5に示
す。ここで図5の(a)は単位構造Cuの斜視図、
(b)は同上面図、(c)は同側面図である。すなわ
ち、図4に示す構造は、反射板M上に図5に示す単位構
造Cuを、隣合う単位構造Cuの第1層の高さ部分が互い
に接した状態で所要数量配列したものである。
【0034】本実施例で使用したフェライトFは、第1
層も第2層も同一のNiZn系焼結フェライトで、その
比透磁率は2500である。単位構造Cuの間隔はp=
20mmに設定し、第1層の高さはh1=7.7mm、
厚みはtm1=15mmで、第2層の高さはh2=28m
mで、厚みはtm2=4.0mmである。第1層の磁性体
板の長さはL1=20mmで、第2層の磁性体板の長さ
はL2=16.2mmに設定している。従って、隣合う
単位構造Cu間では、第2層の磁性体板相互間はs2
3.8mmの間隔があいていることになる。
【0035】本実施例の場合、h1部分の第1層の見か
け上の比透磁率は約1880で、見かけ上の比誘電率は
約12である。また、h2部分の第2層の見かけ上の比
透磁率は約2.0で、同じく見かけ上の比誘電率は1.
77が得られる。本実施例の電波吸収体の特性は、図6
に示すように、反射減衰量20dB以下を30−165
0MHzの範囲でカバーしており、実施例1よりさらに
広帯域な特性を示す。
【0036】(実施例3)図7に本発明によるさらに別
の実施例の電波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯域
電波吸収体を3層で構成した例であり、反射板Mに近い
第1層の上に第2層及び第3層を順次積み重ねた構造と
なっている。第1層はタイル状のフェライト板であり、
第2層は磁性体板を交差させたように形作られる断面が
十字形の磁性体柱であり、第3層は第2層に比べ厚みが
薄くかつ長さが短い磁性体板による同じく断面が十字形
の磁性体柱である。第1層、第2層及び第3層の積層磁
性体柱の単位構造Cuを図7において点線で囲んで示す
とともに、その構造の詳細を図8に示す。ここで図8の
(a)は単位構造Cuの斜視図、(b)は同上面図であ
る。すなわち、図7に示す構造は、反射板M上に図8に
示す単位構造を、隣合う単位構造の第1層の高さ部分が
互いに接した状態で所要数量配列したものである。
【0037】本実施例で使用したフェライトFは、他の
実施例と同じく、すべての層でNiZn系焼結フェライ
トで、その比透磁率は2500である。第1層のタイル
部分の高さはh1=5.7mm、第2層の高さはh2=1
4mmで、この第2層は第1層の上に接した状態で積層
されている。また第3層の高さはh3=18mmで、こ
の第3層は第2層の上に接した状態で積層されている。
さらに磁性体板の厚みはtm2=6mm、tm3=4mm
で、単位構造Cuの間隔はp=20mmに設定し、磁性
体板の長さはL2=17.5mm、L3=12.5mmに
設定している。従って、隣合う単位構造Cu間では、第
2層の磁性体板相互間はs2=2.5mm、第3層の磁
性体板相互間はs3=7.5mmの間隔があいているこ
とになる。
【0038】本実施例の場合、第1層はタイル状である
ためその比透磁率は材料自体の値と同じ約2500で、
比誘電率は約15である。また、第2層の見かけ上の比
透磁率は約3.3で、見かけ上の比誘電率は約2.6で
ある。また、第3層の見かけ上の比透磁率は約1.4
で、同じく見かけ上の比誘電率は1.4が得られる。本
実施例の電波吸収体の特性は、図9に示すように、反射
減衰量20dB以下を30−4400MHzの範囲でカ
バーしている。
【0039】(実施例4)図10に本発明によるさらに
別の実施例の電波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯
域電波吸収体を3層で構成した例であり、反射板Mに近
い第1層の上に第2層及び第3層を順次積み重ねた構造
となっている。第1層はタイル状のフェライト板であ
り、第2層及び第3層は磁性体板を交差させたように形
作られる断面が十字形の磁性体柱であるが、実施例3と
異なり、磁性体板の厚みが第2層と第3層とで同じにな
っている。しかし、磁性体板の長さは、第3層の方が第
2層に比べて短く、実施例3の第3層に比べても短くな
っている。第1層、第2層及び第3層の積層磁性体柱の
単位構造Cuを図10において点線で囲んで示すととも
に、その構造の詳細を図11に示す。ここで図11の
(a)は単位構造Cuの斜視図、(b)は同上面図であ
る。すなわち、図10に示す構造は、反射板M上に図1
1に示す単位構造を、隣合う単位構造Cuの第1層の高
さ部分が互いに接した状態で所要数量配列したものであ
る。
【0040】本実施例で使用したフェライトFは、他の
実施例と同じく、すべての層でNiZn系焼結フェライ
トで、その比透磁率は2500である。第1層のタイル
部分の高さはh1=5.7mm、第2層の高さはh2=1
4mmで、この第2層は第1層の上に接した状態で積層
されている。また第3層の高さはh3=18mmで、こ
の第3層は第2層の上に接した状態で積層されている。
さらに磁性体板の厚みはtm2=tm3=6mmで、単位構
造の間隔はp=20mmに設定し、磁性体板の長さはL
2=17.5mm、L3=11.5mmに設定している。
従って、隣合う単位構造Cu間では、第2層の磁性体板
相互間はs2=2.5mm、第3層の磁性体板相互間は
3=8.5mmの間隔があいていることになる。
【0041】本実施例の場合、第1層はタイル状である
ためその比透磁率は材料自体の値と同じ約2500で、
比誘電率は約15である。また、第2層の見かけ上の比
透磁率は約3.3で、見かけ上の比誘電率は約2.6で
ある。また、第3層の見かけ上の比透磁率は約1.5
で、同じく見かけ上の比誘電率は1.5が得られる。本
実施例の電波吸収体の特性は、図12に示すように、反
射減衰量20dB以下を30−4400MHzの範囲で
カバーしている。
【0042】(実施例5)図13に本発明によるさらに
別の実施例の電波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯
域電波吸収体を8層で構成した例であり、反射板Mに近
い第1層の上に第2層〜第8層を順次積み重ねた構造と
なっている。第1層はタイル状のフェライト板であり、
第2層及び第3層は磁性体板を交差させたように形作ら
れる断面が十字形の磁性体柱であって、磁性体板の長さ
は同じであるが、その厚みが異なっている。第3層から
第8層までは磁性体板の厚みは同じで、その長さは層に
よりそれぞれ異なっている。第1層から第8層の積層磁
性体柱の単位構造Cuを図13において点線で囲んで示
すとともに、その構造の詳細を図14に示す。ここで図
14の(a)は単位構造Cuの斜視図、(b)は同上面
図、(c)は同側面図である。すなわち、図13に示す
構造は、反射板M上に図14に示す単位構造Cuを、隣
合う単位構造Cuの第1層の高さ部分が互いに接した状
態で所要数量配列したものである。
【0043】本実施例で使用したフェライトFは、他の
実施例と同じく、すべての層でNiZn系焼結フェライ
トで、比透磁率は2500である。第1層のタイル部分
の高さはh1=6mmで、隣合う第1層間は互いに接触
しているが、第1層の上に接して積み上げられた第2層
から第8層までは、隣合う層の磁性体板は互いに離れて
おり、電波吸収体全体の高さはh=57mmである。さ
らに磁性体板の厚みはtm2=6mmで、tm3からtm8
磁性体板の厚みはtm3-8=2mm、単位構造Cuの間隔
はp=10mmに設定し、他の実施例に比べ、そのピッ
チを狭くして高い周波数まで動作するようにしている。
各磁性体板の長さはL1=10mmからL8=3mmま
で、それぞれ所要の値に設定している。従って、隣合う
単位構造Cu間では、第2層の磁性体板相互間はs2
1.35mm、第8層の磁性体板相互間はs8=7.0
mmの間隔があいていることになる。なお、本実施例の
各部の寸法を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】本実施例の場合、第1層はタイル状である
ためその比透磁率は材料自体の値と同じ約2500で、
比誘電率は約15である。また、第2層の見かけ上の比
透磁率は約5.24で、見かけ上の比誘電率は約3.8
5である。また、第8層の見かけ上の比透磁率は約1.
1で、同じく見かけ上の比誘電率は1.1が得られる。
なお、各層の見かけ上の比透磁率及び見かけ上の比誘電
率をそれぞれ表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】本実施例の電波吸収体の特性は、図15に
示すように、反射減衰量20dB以下を30MHz−3
0GMHzの範囲でカバーしている。
【0048】(実施例6)図16は本発明によるさらに
別の実施例の電波吸収体の断面構造を示すものである。
本発明によれば、図に示すように、電波吸収層の前方
(電波到来方向)に、損失誘電体LDを付加して、さら
に広帯域な電波吸収体に発展させる事が出来る。図16
において、A1の部分は実施例1に示したものと同じ電
波吸収層である。また、損失誘電体DLは、カーボン粉
体を、発泡ポリウレタンに体積1リットル当たり0.5
gの割合で一様に含浸して製作した。この損失誘電体D
Lの比誘電率は約1.2である。この損失誘電体DLを
A1の表面から、電波入射方向にA1の表面積と同一面
積で300mmの長さの角柱状の部材として付加した。
【0049】本実施例の電波吸収体の特性は、図17に
示すように、反射減衰量20dB以下の範囲が50MH
z−5GHzに亘っている。
【0050】(実施例7)以上に説明したものは本発明
によるいくつかの実施例であって、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。例えば、上記実施例に
おいては、磁性材料としてすべての層でNiZn系焼結
フェライトの同一材料を用いたが、本発明に利用できる
材料はこれに限定されるものではなく、例えば、フェラ
イトの粉体をクロロプレンゴムあるいはポリオレフェイ
ンなどのプラスチックに分散した、通称ゴムフェライト
を用いることもできる。一つの例として、粒径が5〜5
0μmのMnZn系焼結フェライトの粉体を、重量比
で、クロロプレンゴム1に対しフェライト粉体10の割
合で分散させた場合、比透磁率μr1が約10、比透磁率
εr1が約11の磁性材料を得ることができる。このゴム
フェライトを実施例2、すなわち図4、図5に示す構造
にすることにより、マイクロ波帯用の電波吸収体に構成
することができる。
【0051】具体的には、単位構造Cuの間隔はp=2
0mmに設定し、第1層の高さはh1=5mm、厚みは
m1=20mm、つまり第1層はタイル状とする。第2
層の高さはh2=15mmで、厚みはtm2=6.0mm
とする。第1層の磁性体板の長さはL1=20mmで、
第2層の磁性体板の長さはL2=16.5mmに設定す
る。従って、隣合う単位構造Cu間では、第2層の磁性
体板相互間はs2=3.5mmの間隔があいていること
になる。
【0052】この構造の場合、ゴムフェライトを使用す
ることにより、第1層の見かけ上の比透磁率は約10
で、見かけ上の比誘電率は約11となる。また、第2層
の見かけ上の比透磁率は約2.25で、見かけ上の比誘
電率は約2.1が得られる。本実施例の電波吸収体の特
性は、図18に示すように、反射減衰量20dB以下を
1000−5300MHzの範囲でカバーするマイクロ
波帯用の広帯域な特性を示す。
【0053】さらに、本発明によれば、実施例5のよう
な多層の構成にあっては、例えば、第1層と第2層は焼
結フェライトで構成し、見かけ上の比透磁率が比較的小
さい第3層以降をこのようなゴムフェライトを用いて構
成することもできる。
【0054】また、本発明は、磁性体板を用い、少なく
とも多段層の中の1つの層が、電界方向にも磁界方向に
も空隙を有しているもので、それを実現する方法とし
て、図19の(a)に示すように磁性体板を交差させ、
その断面が紙面で上下、左右に対称な十字形である構造
が最も合理的である。しかし、例えば、図19の(b)
や(c)に示すように、十字形を変形しても効果に変わ
りがないことは、その動作原理から明らかである。すな
わち、図19の(b)、(c)のように、磁性体板の位
置を移動させて交差させてもよいし、またこれらの変形
した十字断面を90度、180度、270度回転させた
構造の磁性体柱であっても差し支えない。
【0055】以上、本発明では、2層形あるいはそれ以
上の多層形の構成の電波吸収体において、少なくとも1
層は磁性体板の長さを配列間隔と等しくして互いに隣合
う単位構造どうしを密着させ、それより電波入射面に近
い層の磁性体板の長さは配列間隔より短くして、規則的
に空隙部と磁性体部が繰り返す構造にし、それぞれの層
を構成する磁性体板の厚みや磁性体板の長さをコントロ
ールすることにより、任意数の多段層でそれぞれの層の
見かけの比透磁率と見かけの比誘電率を要求される値に
設定することができ、その結果、全体として広帯域な電
波吸収体が出来る事を示した。
【0056】また、本発明によれば、タイル型フェライ
トの上に、同様の手法で、定数の異なる層を積み重ねる
事により広帯域な電波吸収体が得られる事も示した。こ
れは、既設のフェライトタイル形の電波吸収体を改善す
る場合に有効である。
【0057】電波入射面に近い層間を互いに接触しない
構造とした電波吸収体としては、抵抗膜を用いたものは
従来見られるが、周知のように抵抗膜を用いるものにあ
っては、その高さが使用する最低周波数の略2分の1波
長程度の高さであることが要求されるものであった。ま
た磁性体を用いたものにあって、磁性体が電界方向に不
連続なものが従来例として存在するが、磁界方向に対し
ても不連続なものは反磁界が大きくなり、磁性体として
の能力が大幅に低下すると考えられたため、電波吸収体
としては存在しなかった。しかしながら、本発明によれ
ば、磁性体板を用い、少なくとも1つの層が電界方向と
磁界方向に空隙を有するので、高さが低く、従来の磁性
体による電波吸収体に比べ著しく広帯域な電波吸収体が
得られる。
【0058】さらに、本発明によれば、電波吸収層の電
波入射方向前方に損失誘電体LDを付加することによ
り、さらに広帯域な電波吸収体が実現出来ることも示し
た。
【0059】また、上述の実施例では、説明を分かりや
すくするため、それを構成するための単位構造を示した
が、もちろん本発明の電波吸収体の実際の製造に当たっ
ては、この単位構造を製作し、それを多数連結したもの
を製作しても良い。
【0060】また、本発明の電波吸収体の構造は、各部
全てを同一材料の焼結フェライトを用いて構成するのが
経済的に望ましい。その理由は、各層に必要な定数の違
いを得るのに、磁性体板の厚み、磁性体板の長さのコン
トロールによって充分対応が出来、フェライト仮焼粉の
成型時に、各層を一体に同時成型が可能となり、材料を
各層毎に変えて製造する場合に比ベ、コストを低減でき
るからである。
【0061】また、本発明において用いるフェライト磁
性体はそれ自身硬いセラミックであるから、抵抗膜ある
いはカーボン粉体による電波吸収体のように、抵抗体を
保持するための保持材料ないし保持機構を必要としな
い。このことは、電波暗室内における電子機器の電磁波
に対する耐性(IMMUNITY)試験のように、壁材
の吸収体に高電力が吸収される場合、吸収体が高温にな
り、従来見られたような熱による変形、特性の劣化、燃
えることによる火災やガスの発生等の障害もない。
【0062】さらに、本発明の電波吸収体は、空隙部を
有するため、空気と光が空隙部分に進入ないしは通過す
る特長がある。このため、電波暗室用壁材に本発明の電
波吸収体を使用する場合、反射板として金属ネット等の
通気性を持つ材料を利用する事により、電波暗室内の空
調や照明器具等を反射板の背後に配置できるため、これ
らを室内に取り付けた場合に起きる好ましくない乱反射
を防ぐと共に、空調や照明を有効に出来る。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、磁性体の厚みは製造上の問題の比較的少ない厚み
としたまま、見かけ上の比誘電率と比透磁率を所望の値
にコントロールして、高さが低く、より広帯域かつより
経済的な電波吸収体を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電波吸収体の一実施例の斜視図で
ある。
【図2】(a)は図1に示す電波吸収体の構成単位の構
造を説明する斜視図、(b)は同上面図、(c)は同側
面図である。
【図3】図1に示す電波吸収体の吸収特性を示す図であ
る。
【図4】本発明による電波吸収体の別の実施例の斜視図
である。
【図5】(a)は図4に示す電波吸収体の構成単位の構
造を説明する斜視図、(b)は同上面図、(c)は同側
面図である。
【図6】図4に示す電波吸収体の吸収特性を示す図であ
る。
【図7】本発明による3層形電波吸収体の実施例の斜視
図である。
【図8】(a)は図7に示す電波吸収体の構成単位の構
造を説明する斜視図、(b)は同上面図である。
【図9】図7に示す電波吸収体の吸収特性を示す図であ
る。
【図10】本発明によるさらに別の3層形電波吸収体の
斜視図である。
【図11】(a)は図10に示す電波吸収体の構成単位
の構造を説明する斜視図、(b)は同上面図である。
【図12】図10に示す電波吸収体の吸収特性を示す図
である。
【図13】本発明による8層形電波吸収体の実施例を示
す斜視図である。
【図14】(a)は図13に示す電波吸収体の構成単位
の構造を説明する斜視図、(b)は同上面図、(c)は
同側面図である。
【図15】図13に示す電波吸収体の吸収特性を示す図
である。
【図16】損失誘電体を付加した本発明の電波吸収体の
実施例の断面構造図である。
【図17】図16に示す電波吸収体の吸収特性を示す図
である。
【図18】磁性体材料がゴムフェライトの場合の実施例
の吸収特性を示す図である。
【図19】(a)〜(c)は断面が十字形の層及びその
変形例を示す図である。
【図20】タイル状のフェライト電波吸収体の断面構造
図である。
【図21】図20に示すタイル状電波吸収体の吸収特性
を示す図である。
【図22】(a)は格子形フェライト電波吸収体の構造
を示す斜視図、(b)は(a)のA−A’線断面の様子
を拡大して示す斜視図である。
【図23】(a)は多層格子形フェライト電波吸収体の
構造を示す斜視図、(b)は(a)のB−B’線断面の
様子を拡大して示す斜視図である。
【図24】多層電波吸収体の概念図である。
【図25】(A)、(B)、(C)はぞれぞれ媒質層と
して磁性体と空隙とが共存する場合の1段、2段、3段
の多層電波吸収体の説明図である。
【図26】線路内にフェライトと空間が共存する場合の
様子を示す図である。
【図27】(a)は断面が十字形のフェライトが磁界方
向に連続している場合、(b)は断面が十字形のフェラ
イトで磁界方向に隙間がある場合を示す図である。
【図28】格子形フェライトの比透磁率の周波数分散の
例を示す図である。
【図29】フェライト磁性体板に空隙がある場合の比透
磁率の周波数分散の例を示す図である。
【図30】(a)は実施例の特性評価を行うためのトリ
プレート線路の構造を示す縦断面図、(b)は同横断面
図である。
【符号の説明】 Al・・・・・・・本発明の電波吸収体 B・・・・・・・・吸収する周波数帯域幅 b・・・・・・・・格子形磁性体の間隔 Cu ・・・・・・・本発明による電波吸収体の層の構成
単位 d1,d2,d3 ・・多層形電波吸収体の第1層、第2
層、第3層の各々の高さ E・・・・・・・・電界 H・・・・・・・・磁界 F・・・・・・・・フェライト磁性体 f・・・・・・・・周波数 h・・・・・・・・電波吸収体全体の反射板からの高さ h1,h2,…・・・多層形電波吸収体の各層の高さ M・・・・・・・・反射板 n・・・・・・・・任意の番号数字 s・・・・・・・・反射係数 s2,s3,…・・・各層の隣合う磁性体板間の間隔 tm ・・・・・・・磁性体の厚み tm1,tm2,…・・多層電波吸収体の各層の磁性体の厚
み L・・・・・・・・磁性体板の長さ L1,L2,…・・・各層の磁性体板の長さ Z・・・・・・・・インピーダンス Zc ・・・・・・・特性インピーダンス γ・・・・・・・・伝搬定数 εr ・・・・・・・比誘電率 μr ・・・・・・・比透磁率
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 広帯域電波吸収体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広帯域電波吸収体に関
し、詳しくは、電子機器の不要放射試験、電磁波妨害試
験、電磁波耐性試験、アンテナ特性試験などに利用され
る電波暗室や、ビルや橋などの建築物や構造物からの電
波反射によるTVや航行レーダへの障害防止のため壁材
などとして広く利用される広帯域電波吸収体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】広帯域電波吸収体として最も良く知られ
ているものに、損失誘電体によって構成されるピラミッ
ド形電波吸収体と称される四角錐形状のものがある。こ
のタイプの電波吸収体は吸収要素として抵抗損失を利用
したもので、電波反射板である金属板上に四角錐状の電
波吸収部材を設けた構成となっている。この四角錐状の
電波吸収部材は、例えば多孔質プラスチックに微小カー
ボン粒を含浸させたもの、あるいは発泡ウレタン粒に抵
抗体であるカーボン微粒子を装荷させたものを、適当な
方法でピラミッド状に固めて構成され、金属板上にその
断面積が該金属板に向かって暫時増加するように設けら
れる。このような構成とすることにより、電波吸収部材
のインピーダンスが空間から金属板の方向に暫時減少す
るようになり、空間インピーダンスとの整合が行われ
る。
【0003】上記のタイプの電波吸収体は非常に広帯域
の電波吸収特性を示すが、一般にその高さは吸収しよう
とする電波の最低周波数の2分の1波長程度となり、例
えば30MHzの周波数の電波から吸収しようとする
と、電波吸収体の高さは5m程度となってしまう。この
ような電波吸収体を例えば電波暗室の吸収壁として用い
た場合、測定空間が狭くなる等のスペース上の問題、あ
るいは壁面、天井への取付作業が容易でない等の問題が
ある。さらに、電波吸収体自体の吸水性のために、機械
的あるいは電気的特性の経年変化等による劣化、ないし
は損傷が起きやすい等の問題がある。しかしこのタイプ
の電波吸収体は吸収特性が良いことからマイクロ波帯の
電波吸収体として引き続き利用されている。
【0004】これに対し、磁性損失を利用することによ
り、電波吸収体の高さの問題を解決する技術が提案され
ている。たとえば、磁性損失を与える材料として焼結フ
ェライト磁性体を用いて構成された電波吸収体がある。
この電波吸収体は5〜8mm程度の低い高さで、たとえ
ば30MHzという低周波数の電磁波をも吸収するとい
うすぐれた特性を持っている。しかし、この電波吸収体
には、電波吸収帯域が狭いという問題点がある。
【0005】一方、例えばTV電波のビルによる反射障
害防止のために、ビルの壁面の全面にフェライトタイル
を貼り付けることが行われている。また、フェライトタ
イルを建物の壁面に磁界方向には連続するが電界方向に
は間隔をあけて配置することにより、上記全面配置の場
合に比べフェライトタイルの使用枚数を減らし、経済的
にVHF帯のTV電波障害を防止することも行われてい
る。しかし、これらの場合も電波吸収体の電波吸収帯域
幅は狭く、VHF帯からUHF帯までの周波数にわたっ
てTV電波を吸収するほどの帯域幅ではない。また、こ
のタイプの電波吸収体は単一偏波用であるため、利用が
TV電波障害対策などに限られており、電波暗室等に
は、このように偏波依存性を持つ電波吸収体は不適当で
あるので利用できない。
【0006】一般に、電波吸収体の表面における電界の
反射係数をsとすると、電波吸収体の電力吸収係数は 1−|s| ・・・・・・・・・・(1) と表される。従って、|s|が小さいほど特性の良い電
波吸収体と言える。普通は、電波吸収体の特性の良さの
一つの目安として |s|≦0.1 ・・・・・・・・・・(2) すなわち、反射減衰量(−20logs)20dB以
上、電力吸収係数≧0.99を採用している。
【0007】図20は、最も基本的なフェライト電波吸
収体の構造を示す断面図であり、金属導体からなる反射
板Mでタイル状のフェライト磁性体Fを裏打ちした構造
となっている。この構造の電波吸収体の特性は典型的に
は図21のようになる。図21において横軸は周波数
f、縦軸は反射係数|s|である。ここで、|s|=
0.1となる下限の周波数及び上限の周波数をそれぞれ
、fとすると、図から明らかなように|s|≦
0.1を満足する周波数帯域幅Bは B=f−f・・・・・・・・・・(3) と表される。この帯域幅Bについては従来からよく研究
されていて、例えば (A) 下限周波数 fが30MHzとなるようにす
る場合、用いるべきフェライトは焼結型でNiZn系か
MnZn系のものである。そうすると、一般に、上限周
波数fは300MHz〜400MHzとなってしま
う。 (B) 下限周波数fが90MHzとなるようにする
場合、用いるべきフェライトは、やはり焼結型のNiZ
n系かMnZn系のもので、この場含、上限周波数f
は350MHz〜520MHzとなる。
【0008】一つの応用として、電波吸収体を前に述べ
た電子機器からの放射電磁波を測定するための電波暗室
の壁材に適用する場合は、f=30MHzで、かつf
は今のところ、ひとまずf=1000MHzである
ことが要求されるため、上記の(A)のものでは上限周
波数fが低く不十分である。(B)のものでも上限周
波数fが低く不十分である。また建物からのTV電波
の反射を防ぐための壁材の場合、日本では、f=90
MHzで、f=800MHzが要求されていて、
(B)のものでは、やはり特性が不十分である。
【0009】そこで、図20の形式のものを、種々改良
する事がこれまでに提案されている。例えば、タイル状
のフェライト磁性体を空気層で浮かして(実際には発泡
ポリウレタン板などを用いて反射板から浮かして)配置
する技術が提案されている。この技術によれば、例え
ば、高さ(タイル設置面と垂直な方向の厚さ)7mmの
NiZn系フェライトタイルを、反射板から10mmの
空気層を介して、すなわち、全体の高さを反射板から1
7mmとして配置すると、30MHz〜800MHzの
電波に対して、反射減衰量20dB以上の電波吸収体が
得られるようになる。
【0010】さらに、焼結フェライトのみで構成される
最近の電波吸収体の広帯域化の例として、図22に示す
ような、フェライトFを格子状に金属板Mの上に配列し
た電波吸収体が米国特許第5,276,448号におい
て堤案されている。ここで図22の(a)はこの格子形
電波吸収体の斜視図、(b)は(a)のA−A’線断面
の様子を拡大して示す斜視図である。この構造の電波吸
収体によれば、例えば厚さ7mm、金属板Mからの高さ
18mmのNiZn系フェライト板を格子状に配列する
ことにより、30MHz〜1000MHzの電波に対し
て反射減衰量20dB以上の広帯域な電波吸収体が得ら
れる。従って、この構造の電波吸収体は、現在のとこ
ろ、前に述べた電子機器からの放射電磁波を測定するた
めの電波暗室の壁材として広く利用されている。
【0011】また、もう一つの焼結フェライトのみで構
成される電波吸収体の広帯域化の例として、図21に示
すような電波吸収体が、特開平5−82995号公報に
おいて提案されている。ここで図22の(a)はこの電
波吸収体の斜視図、(b)は(a)のB−B’線断面の
様子を拡大して示す斜視図である。この構造の電波吸収
体によれば、f=30MHz、f=3000MHz
が得られる。
【0012】すなわち、図22、図23の両図に示す電
波吸収体においてフェライト磁性体はタイル状の一様な
ものでなく、周期的に空隙部を有し、かつ厚み2t
りも高さhが大きいという特徴を持った焼結フェライト
磁性体Fを電波の反射体Mの上に、間隔bで配置したも
のである。以後の説明の便宜上、図22のものを格子形
電波吸収体、図23のものを多層格子形電波吸収体と呼
ぶ事にする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多層格
子形電波吸収体にあっては、構造の一部のフェライトの
厚みを1mm以下に製作しなければならない場合があ
り、実際の製造にあたっては、材料成型時において、こ
のように薄い厚みに比べ、必要な高さが高い事から、全
体構造を一体成型する場合、金型に材料を注入するとき
の材料の流れの悪さや、成形品の金型離れの悪さ、成型
圧力の不均一等のため焼結時の変形や割れが生じ易く、
しかも製造条件の設定が難しく、その上、歩留りの関係
で、製造費が高くなるきらいがあった。
【0014】さらに、近年、EMI(electrom
agnetic immunity:電磁波耐性)に対
する関心が高まるとともに、電波吸収体のさらに一層の
広帯域化が望まれている。今後、電子機器に利用される
周波数は、より高い周波数に亘るようになり、要求され
る前記fは、必然的に高くならざるを得ないと思われ
る。
【0015】本発明は、この広帯域化の要求に応えると
同時に、高さが低く、製造条件の設定が容易でかつより
経済的に製造しうる広帯域電波吸収体を提供すること目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、反射板上に、
それぞれ磁性体を含む電気定数の異なる複数の吸収層
を、反射板に垂直方向に連続して積み重ねてなる電波吸
収体に係るものである。詳しくは、電気定数を変化させ
る手段として、少なくとも1つ以上の吸収層において磁
性体部と空隙部が連続して同一面上で繰り返す構造を有
するものを用いる。すなわち、この部分の層は、直線偏
波に対し電界方向及び磁界方向において不連続な構造を
有している。好ましい例としては、電波吸収層を、反射
板から任意の高さにあるフェライト部が適当な厚みの磁
性体板を互いに十字形に交差させてその断面が十字形を
なすような磁性体柱に構成する。そして該磁性体柱の長
さを隣合う磁性体柱との間隔より小さくする。このよう
に構成することにより、電波吸収層の中に共存する磁性
体部、磁性体板間の空隙部との相互関係から、電波吸収
層の層の見かけ上の透磁率及び見かけ上の誘電率を、多
層構成する場合に要求されるそれぞれの層の所望値にコ
ントロールするものである。すなわち、磁性体板の長さ
を短くすれば、電波吸収層としての見かけ上の透磁率及
び見かけ上の誘電率は、磁性体が連続している場合に比
べより小さい値に変化する事を利用する。このように、
隣合う磁性体板どうしの間に隙間を形成したため、隙間
のない場合の吸収層と同一の値の見かけ上の透磁率を得
るには、必要なフェライト磁性体板の厚みをより厚くす
ることができる。したがって、前述した成型時の問題を
解消でき、製作が容易になる。かくして得られた電波吸
収層を多段層の中の1つ以上の層に用い、これを含む磁
性体柱を反射板上に一定間隔で所要面積になるように配
置する事により、本発明の広帯域電波吸収体が構成され
る。
【0017】一般に、多層電波吸収体は、図24に概念
図で示すように、空間に多段に重ねられたそれぞれ電気
定数の異なる媒質層、すなわち、吸収層が存在する場合
に相当する。図24において各媒質層の特性インビーダ
ンスZcと伝搬定数γは、その比透磁率をμ、比誘電
率をεとすると、 Zc=√(μ/ε)=√(μ/ε)√(μ/ε) ・・・・(4) γ=jω√(με)=jω√(μμεε) ・ ・・・・・(5) で表される。但し、μ、εはそれぞれ空気の透磁
率、誘電率、ωは角周波数である。
【0018】また、多層型電波吸収体の場合の入力イン
ピーダンスは、それぞれの媒質層の特性インピーダスZ
cと、その高さd及び伝搬定数γを用いて表現される。
すなわち、図24の入射面a−a’から反射板方向を見
込む入力インピーダンスZdは、平面波が垂直入射す
る場合、 Zd=Zc・(Zdn−1+Zc tanhγ)/(Zc+ Zdn−1 tanhγ) ・・・・・(6) で表される。ここに、Zdは最終段であるn段目の層
の入力インピーダンス、Zdn−1は終段より1段前の
n−1段目の入力端b−b’から反射板方向を見込むイ
ンピーダンス、Zcはn段目の層の特性インピーダン
スで(4)式で表したもの、γはn段目の層の伝搬定
数で(5)式で表したもの、dはn段目の層の高さで
ある。式(6)は、電気工学で周知のように、特性イン
ピーダンスZc、伝搬定数γの線路を多段に接続した場
合の式と同一である。
【0019】例えば、線路に磁性体と空隙とが共存する
層がそれぞれ1段、2段、3段重ねで接続されている場
合の概念図を図25(A)、(B)、(C)に例示す
る。ここで、図の上段の左右の平行線は間隔bの伝送線
路を示したもので、Zd、Zd、Zdはそれぞれ
1段、2段、3段重ねの場合の入力インピーダンスを表
している。また、d、d、dは各層の高さであ
り、Mは反射板、tm1、t m2、tm3は各層のフェ
ライトの厚みである。従って、各層には(b−2t
の空隙が存在する事になる。一方、図の下段は、それぞ
れ図の上段の層を伝搬定数γと、特性インピーダンスZ
cを用いて表現したものである。
【0020】また、一般に磁性体の透磁率、誘電率は μ=μr1−jμr2 ε=εr1−jεr2・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) として複素数で表す事が出来、かつ、周波数分散特性を
持っている。例えば、NiZn系フェライトの材料自体
の比透磁率は、材質により異なり、1KHz程度の低い
周波数で(7)式のμr1の値はμr1=10〜250
0程度の値が得られ、μr2の値もμr1が大きければ
大きいのが一般的であるが、どちらの値も周波数によっ
て変化する。また、NiZn系焼結フェライトの材料の
比誘電率のうちεr1の値は材料により約12から15
となるが、周波数に対してほぼ一定とみなしてよく、ε
r2の値は非常に小さいのが普通である。
【0021】なお、以下の説明で、単に比誘電率、比透
磁率という述語は、それぞれ(7)式の実部、すなわ
ち、εr1、μr1を表し、また特に断りがない限り周
波数は1KHzの場合の値である。また、関心のある層
にフェライトと空隙(ここでは空気)の両方が存在する
場合、その層の持つ比透磁率と比誘電率は、それと等価
な別の均一な媒質で占められている層とみなして、以後
この比透磁率と比誘電率を「見かけ上の透磁率」、「見
かけ上の誘電率」と呼ぶことにする。そして、次に、こ
れらの見かけ上の透磁率と見かけ上の誘電率が、フェラ
イトと空隙の関係により、どうなるかにつき検討してみ
る。
【0022】今、図26に示すように導体からなる平行
平板線路内の様に、b×hで囲まれる空間にフェライト
Fと空隙が共存する層を考えてみる。厚さt、高さh
の四角形のフェライトFが各導体平行平板に接して配置
されている場合において、材料の厚みtを2t
b、すなわち線路内の空間全てにフェライトFを充填し
た状態からtの値を減少して行くと、フェライトFの
厚みと空隙との関係によって、その部分の層としての見
かけ上の比透磁率と比誘電率は小さくなる方向に変化す
る。
【0023】仮に、フェライトの材料自身の比透磁率を
2500、比誘電率を15とすると、t=0の時は、
媒質は空気のみになるから、その見かけ上の比透磁率は
μr1=1.0で、見かけ上の比誘電率もεr1=1.
0となる。一方、b=2tの時はどちらも最高で、材
料自身と同じ値の2500と15である。しかしなが
ら、例えば、間隔bを20mmとしたとき、t=3m
mであると、その層内には14mmの空間がある事にな
り、そのために、その層の見かけ上の比誘電率はεr1
=5.5となる。また、この時、その層の見かけ上の比
透磁率は750になる。但し、この場合は、磁界の方向
が紙面の裏から表の方向で、かつbの値が問題にしてい
る波長に比べ充分小さい場合である。
【0024】先に述べた格子形や多層格子形電波吸収体
では、主としてフェライトの厚みを変化させ、吸収層内
に空隙部を作る事により、比誘電率をそれぞれの層で所
望の値にコントロールして利用するところに特徴があっ
た。例えば、特開平5−82995号公報に記載されて
いる図23に示すような3層格子形電波吸収体では、使
用するフェライト材料として、比透磁率μr1=250
0、比誘電率εr1=15のNiZn系の材料を採用
し、間隔b=20mmとしたとき、第1層としてh
4.0mm、厚みtm1=8.5mmで、この層の見か
け上の比誘電率は13.5、また見かけ上の比透磁率は
2100としている。さらに、第2層では、h=25
mm、厚みtm2=0.6mmで、この層の見かけ上の
比誘電率は2.0、また見かけ上の比透磁率は151を
得ている。第3層として、h=27mm、tm3
0.2mmで、この層の見かけ上の比誘電率は1.3で
あり、また、見かけ上の比透磁率は51である。そして
この場合、その吸収特性は、反射減衰量20dB以上の
範囲に30−3000MHzをカバーするという、焼結
フェライトのみで構成された電波吸収体としては非常に
優れた特性を示すとされている。
【0025】しかしながら、このように、フェライトの
厚みをコントロールして、各層において所望の値の比透
磁率、比誘電率を得るようにした電波吸収体には、次の
ような不具合があった。すなわち、このような構造の電
波吸収体を金型を用いて一体成型して製造する場合、上
記のtm3の厚みに現れているように、構造の中に極め
て薄い焼結フェライトが要求され、材料の成型時におい
て、金型への材料注入の悪さ、成形品の金型離れの悪
さ、成型圧力の不均一による各部の特性のバラツキ、焼
結時の変形や割れの発生等の問題があり、このために製
造上の難しさがあった。
【0026】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、磁性体の厚みは製造上の問題の比
較的少ない厚みとしたまま、各層によって磁性体板の長
さを調節し、このものを連続して配置した場合に、隣合
う磁性体板との間に空隙を形成させることにより、その
層の見かけ上の比誘電率と見かけ上の比透磁率を所望の
値にコントロールしてより広帯域な電波吸収体を実現す
るものである。
【0027】すなわち、本発明によれば、反射板上に、
断面が十字形の積層磁性体柱が間隔pで繰り返して配置
され、該積層磁性体柱は、厚みtm1、長さL、高さ
の磁性体板を十字形に交差させた形状の第1磁性体
柱の上に、厚みtm2、長さL、高さhの磁性体板
を十字形に交差させた形状の第2磁性体柱を積層して構
成され、さらに L=p L<p tm1≦p tm2≦tm1m1≦(h+h) なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体
が提供される。また、本発明によれば、反射板上に、断
面が十字形の積層磁性体柱が間隔pで繰り返して配置さ
れ、該積層磁性体柱は、厚みtが同じ長さが異なる磁
性体板を長さが反射板から電波到来方向に向かって暫時
減少するように多段に重ねたものを十字形に交差させた
形状に形成され、反射板から電波到来方向に測った該積
層磁性体柱の全体の高さをhとするとき、 h>t p>t なる関係を満足し、かつ該積層磁性体柱のうちの少なく
とも1以上の段の磁性体板は隣合う積層磁性体柱の対応
する段の磁性体板と接触していないことを特徴とする広
帯域電波吸収体が提供される。また、本発明によれば、
反射板上に、断面が十字形の積層磁性体柱が間隔pで繰
り返して配置され、該積層磁性体柱は、厚みが異なる磁
性体板を多段に重ねたものを十字形に交差させた形状に
形成され、反射板に最も近い磁性体板の厚み及び長さを
それぞれtm1、L、反射板から電波到来方向に測っ
た該積層磁性体柱の全体の高さをhとするとき、 h>tm1 p>tm1=p なる関係を満足し、かつ少なくとも1以上の段の磁性体
板は隣合う積層磁性体柱の対応する段の磁性体と接触し
ていないことを特徴とする広帯域電波吸収体が提供され
る。また、本発明によれば、反射板上に、タイル状磁性
体を設け、さらにその上に磁性体板を十字形に交差させ
た形状の磁性体柱を間隔pで繰り返し配置してなり、該
磁性体板の長さが前記間隔pより短いことを特徴とする
広帯域電波吸収体が提供される。また、本発明によれ
ば、反射板上に、タイル状磁性体を設け、さらにその上
に厚みの異なる磁性体板を多段に重ねたものを十字形に
交差させた形状の積層磁性体柱を間隔pで繰り返し配置
してなり、該積層磁性体柱の各段の磁性体板の長さは前
記間隔pと等しいか、それ以下であることを特徴とする
広帯域電波吸収体が提供される。また、本発明によれ
ば、反射板上に、タイル状磁性体を設け、さらにその上
に厚みが同じ磁性体板を多段に重ねたものを十字形に交
差させた形状の積層磁性体柱を間隔pで繰り返し配置し
てなり、該積層磁性体柱の各段の磁性体板の長さは前記
間隔pと等しいか、それ以下であることを特徴とする広
帯域電波吸収体が提供される。さらに、本発明によれ
ば、上記いずれかの電波吸収体の電波到来方向前面に損
失誘電体を付加してなる広帯域電波吸収体が提供され
る。
【0028】磁性体板の長さを短くし空隙を形成する
と、見かけ上の比透磁率と比誘電率は、磁性体板が連続
している場合に比べ小さくなるだけでなく、その周波数
特性も大きく変化する。これを図27を用いて説明す
る。図では、点線で囲まれた磁性体と空間の共存範囲の
隣接した関係を示すために、該共存範囲が磁界方向に2
個だけ連続している場合を、電波の進行方向から見た正
面図として示してある。図27の(a)に示すように十
字形に交差した磁性板が波長に比べ十分磁界方向に長く
継続しており、その磁性体材料の比透磁率が2500で
b=20mm、t=3.3mmの場合の層の見かけ上
の比透磁率の周波数分散を図28に示す。また、同一厚
みで図27の(b)に示すように磁性体板の長さLをL
=14mmとした場合、つまり磁性体板間にs=7mm
の空隙を形成した場合であって、同じく十分磁界方向に
長く連続している場合の層の比透磁率の周波数分散を図
29に示す。図28、図29は、t=3.3mmの場
合、長さLをL=20mmからL=14mmまで、すな
わちs=0mmからs=7mmまで変化させると、空隙
の大きさによって、比透磁率の周波数分散を表す曲線
は、図28から図29の範囲で変化する事を示してい
る。特に、空隙を形成することにより、見かけ上の比透
磁率は、μr1、μr2ともにその最大値が小さくなる
だけでなく、最大になる周波数が高い方に大きく移動
し、空隙のないものに比べ、分散特性が全く異なったも
のとなる。もちろん、他の厚みの磁性体において同様な
振る舞いが見られる。本発明は、このような比透磁率の
周波数分散の変動と比誘電率の低下を有効に利用したも
のである。
【0029】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、以下に述べる実施例の電波吸収体の特
性は、すべて図30の(a)及び(b)にそれぞれ縦断
面及び横断面で示すようなトリプレート線路を用い、T
EM波による測定で評価したものである。また、各実施
例の電波吸収体の構造を示す図1、図4、図7、図1
0、図13、図16において、Fは焼結フェライト、M
は反射板、Cは電波吸収層を構成する単位構造の積層
磁性体柱を示す。本発明の電波吸収層は、この単位構造
を互いに接触した状態で所要面積となるよう同一平面上
に並べて配置する事により構成される。また、各図にお
いて、hは電波到来方向における電波吸収体の全体の高
さ、h、h、...、hは対象となる層の高さ、
、tm1、tm2、...、tm8は対象となる層
の単位構造Cでみた焼結フェライトの厚み、L、L
、...、Lは対象となる層の単位構造の磁性体板
の長さ、pは隣合う単位構造同志の間隔、s
、...、sは対象となる層の隣合う単位構造の
磁性体板間の間隔で、各図とも共通である。
【0030】(実施例1)図1に本発明の一実施例の電
波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯域電波吸収体を
2層で構成した例であり、反射板Mに近い第1層の上に
第2層を積み重ねた構造となっている。第1層はフェラ
イト磁性体板を交差させたように形作られる断面が十字
形の磁性体柱であり、第2層は第1層に比べ長さの短い
磁性体板による同じく断面が十字形の磁性体柱である。
本実施例の電波吸収体は、これらの吸収層を反射板上に
一定間隔を置いて配置して構成されるが、その構造説明
を容易にするために、その積層磁性体柱の単位構造C
を図1において点線で囲んで示すとともに、その構造の
詳細を図2に示す。ここで図2の(a)は単位構造C
斜視図、(b)は同上面図、(c)は同側面図である。
すなわち、図1に示す構造は、反射板M上に図2に示す
単位構造Cを、隣合う単位構造Cの第1層の高さ部
分が互いに接した状態で所要数量配列したものである。
【0031】本実施例で使用したフェライトFは、第1
層も第2層も同一のNiZn系焼結フェライトで、その
比透磁率は2500である。単位構造Cの間隔はp=
20mmに設定し、第1層の高さはh=14.5m
m、厚みはt=8.0mmで、第2層の高さはh
22mm、厚みは第1層と同じくt=8.0mmであ
る。第1層の磁性体板の長さはL=20mmで、第2
層の磁性体板の長さはL=13mmに設定している。
従って、隣合う単位構造C間では、第2層の磁性体板
相互間はs=7mmの間隔があいていることになる。
【0032】本実施例の場合、h部分の第1層の見か
け上の比透磁率は約1000で、見かけ上の比誘電率は
約7である。また、h部分の第2層の見かけ上の比透
磁率は約2.0で、同じく見かけ上の比誘電率は1.8
が得られる。なお、見かけ上の比透磁率及び見かけ上の
比誘電率は1KHzの周波数での値である(以下同
様)。本実施例の電波吸収体の特性は、図3に示すよう
に、反射減衰量20dB以上を30−1000MHzの
範囲でカバーしている。
【0033】(実施例2)図4に本発明による別の実施
例の電波吸収体の構造を示す。本実施例はフェライト磁
性体板の厚みが階段状である2層形電波吸収体の例であ
り、反射板Mに近い第1層の上に第2層を積み重ねた構
造となっている。第1層は磁性体板を交差させたように
形作られる断面が十字形の磁性体柱であり、第2層は第
1層に比べ厚みが薄くかつ長さが短い磁性体板による同
じく断面が十字形の磁性体柱である。第1層と第2層を
構成する積層磁性体柱の単位構造Cを図4において点
線で囲んで示すとともに、その構造の詳細を図5に示
す。ここで図5の(a)は単位構造Cの斜視図、
(b)は同上面図、(c)は同側面図である。すなわ
ち、図4に示す構造は、反射板M上に図5に示す単位構
造Cを、隣合う単位構造Cの第1層の高さ部分が互
いに接した状態で所要数量配列したものである。
【0034】本実施例で使用したフェライトFは、第1
層も第2層も同一のNiZn系焼結フェライトで、その
比透磁率は2500である。単位構造Cの間隔はp=
20mmに設定し、第1層の高さはh=7.7mm、
厚みはtm1=15mmで、第2層の高さはh=28
mmで、厚みはtm2=4.0mmである。第1層の磁
性体板の長さはL=20mmで、第2層の磁性体板の
長さはL=16.2mmに設定している。従って、隣
合う単位構造C間では、第2層の磁性体板相互間はs
=3.8mmの間隔があいていることになる。
【0035】本実施例の場合、h部分の第1層の見か
け上の比透磁率は約1880で、見かけ上の比誘電率は
約12である。また、h部分の第2層の見かけ上の比
透磁率は約2.0で、同じく見かけ上の比誘電率は1.
77が得られる。本実施例の電波吸収体の特性は、図6
に示すように、反射減衰量20dB以上を30−165
0MHzの範囲でカバーしており、実施例1よりさらに
広帯域な特性を示す。
【0036】(実施例3)図7に本発明によるさらに別
の実施例の電波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯域
電波吸収体を3層で構成した例であり、反射板Mに近い
第1層の上に第2層及び第3層を順次積み重ねた構造と
なっている。第1層はタイル状のフェライト板であり、
第2層は磁性体板を交差させたように形作られる断面が
十字形の磁性体柱であり、第3層は第2層に比べ厚みが
薄くかつ長さが短い磁性体板による同じく断面が十字形
の磁性体柱である。第1層、第2層及び第3層の積層磁
性体柱の単位構造Cを図7において点線で囲んで示す
とともに、その構造の詳細を図8に示す。ここで図8の
(a)は単位構造Cの斜視図、(b)は同上面図であ
る。すなわち、図7に示す構造は、反射板M上に図8に
示す単位構造を、隣合う単位構造の第1層の高さ部分が
互いに接した状態で所要数量配列したものである。
【0037】本実施例で使用したフェライトFは、他の
実施例と同じく、すべての層でNiZn系焼結フェライ
トで、その比透磁率は2500である。第1層のタイル
部分の高さはh=5.7mm、第2層の高さはh
14mmで、この第2層は第1層の上に接した状態で積
層されている。また第3層の高さはh=18mmで、
この第3層は第2層の上に接した状態で積層されてい
る。さらに磁性体板の厚みはtm2=6mm、tm3
4mmで、単位構造Cの間隔はp=20mmに設定
し、磁性体板の長さはL=17.5mm、L=1
2.5mmに設定している。従って、隣合う単位構造C
間では、第2層の磁性体板相互間はs=2.5m
m、第3層の磁性体板相互間はS=7.5mmの間隔
があいていることになる。
【0038】本実施例の場合、第1層はタイル状である
ためその比透磁率は材料自体の値と同じ約2500で、
比誘電率は約15である。また、第2層の見かけ上の比
透磁率は約3.3で、見かけ上の比誘電率は約2.6で
ある。また、第3層の見かけ上の比透磁率は約1.4
で、同じく見かけ上の比誘電率は1.4が得られる。本
実施例の電波吸収体の特性は、図9に示すように、反射
減衰量20dB以上を30−4400MHzの範囲でカ
バーしている。
【0039】(実施例4)図10に本発明によるさらに
別の実施例の電波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯
域電波吸収体を3層で構成した例であり、反射板Mに近
い第1層の上に第2層及び第3層を順次積み重ねた構造
となっている。第1層はタイル状のフェライト板であ
り、第2層及び第3層は磁性体板を交差させたように形
作られる断面が十字形の磁性体柱であるが、実施例3と
異なり、磁性体板の厚みが第2層と第3層とで同じにな
っている。しかし、磁性体板の長さは、第3層の方が第
2層に比べて短く、実施例3の第3層に比べても短くな
っている。第1層、第2層及び第3層の積層磁性体柱の
単位構造Cを図10において点線で囲んで示すととも
に、その構造の詳細を図11に示す。ここで図11の
(a)は単位構造Cの斜視図、(b)は同上面図であ
る。すなわち、図10に示す構造は、反射板M上に図1
1に示す単位構造を、隣合う単位構造Cの第1層の高
さ部分が互いに接した状態で所要数量配列したものであ
る。
【0040】本実施例で使用したフェライトFは、他の
実施例と同じく、すべての層でNiZn系焼結フェライ
トで、その比透磁率は2500である。第1層のタイル
部分の高さはh=5.7mm、第2層の高さはh
14mmで、この第2層は第1層の上に接した状態で積
層されている。また第3層の高さはh=18mmで、
この第3層は第2層の上に接した状態で積層されてい
る。さらに磁性体板の厚みはtm2=tm3=6mm
で、単位構造の間隔はp=20mmに設定し、磁性体板
の長さはL=17.5mm、L=11.5mmに設
定している。従って、隣合う単位構造C間では、第2
層の磁性体板相互間はs=2.5mm、第3層の磁性
体板相互間はs=8.5mmの間隔があいていること
になる。
【0041】本実施例の場合、第1層はタイル状である
ためその比透磁率は材料自体の値と同じ約2500で、
比誘電率は約15である。また、第2層の見かけ上の比
透磁率は約3.3で、見かけ上の比誘電率は約2.6で
ある。また、第3層の見かけ上の比透磁率は約1.5
で、同じく見かけ上の比誘電率は1.5が得られる。本
実施例の電波吸収体の特性は、図12に示すように、反
射減衰量20dB以上を30−4400MHzの範囲で
カバーしている。
【0042】(実施例5)図13に本発明によるさらに
別の実施例の電波吸収体の構造を示す。本実施例は広帯
域電波吸収体を8層で構成した例であり、反射板Mに近
い第1層の上に第2層〜第8層を順次積み重ねた構造と
なっている。第1層はタイル状のフェライト板であり、
第2層及び第3層は磁性体板を交差させたように形作ら
れる断面が十字形の磁性体柱であって、磁性体板の長さ
は同じであるが、その厚みが異なっている。第3層から
第8層までは磁性体板の厚みは同じで、その長さは層に
よりそれぞれ異なっている。第1層から第8層の積層磁
性体柱の単位構造Cを図13において点線で囲んで示
すとともに、その構造の詳細を図14に示す。ここで図
14の(a)は単位構造Cの斜視図、(b)は同上面
図、(c)は同側面図である。すなわち、図13に示す
構造は、反射板M上に図14に示す単位構造Cを、隣
合う単位構造Cの第1層の高さ部分が互いに接した状
態で所要数量配列したものである。
【0043】本実施例で使用したフェライトFは、他の
実施例と同じく、すべての層でNiZn系焼結フェライ
トで、比透磁率は2500である。第1層のタイル部分
の高さはh=6mmで、隣合う第1層間は互いに接触
しているが、第1層の上に接して積み上げられた第2層
から第8層までは、隣合う層の磁性体板は互いに離れて
おり、電波吸収体全体の高さはh=57mmである。さ
らに磁性体板の厚みはtm2=6mmで、tm3からt
m8の磁性体板の厚みはtm3−8=2mm、単位構造
の間隔はp=10mmに設定し、他の実施例に比
べ、そのピッチを狭くして高い周波数まで動作するよう
にしている。各磁性体板の長さはL=10mmからL
=3mmまで、それぞれ所要の値に設定している。従
って、隣合う単位構造C間では、第2層の磁性体板相
互間はs=1.35mm、第8層の磁性体板相互間は
=7.0mmの間隔があいていることになる。な
お、本実施例の各部の寸法を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】本実施例の場合、第1層はタイル状である
ためその比透磁率は材料自体の値と同じ約2500で、
比誘電率は約15である。また、第2層の見かけ上の比
透磁率は約5.24で、見かけ上の比誘電率は約3.8
5である。また、第8層の見かけ上の比透磁率は約1.
1で、同じく見かけ上の比誘電率は1.1が得られる。
なお、各層の見かけ上の比透磁率及び見かけ上の比誘電
率をそれぞれ表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】本実施例の電波吸収体の特性は、図15に
示すように、反射減衰量20dB以上を30MHz−3
0GMHzの範囲でカバーしている。
【0048】(実施例6)図16は本発明によるさらに
別の実施例の電波吸収体の断面構造を示すものである。
本発明によれば、図に示すように、電波吸収層の前方
(電波到来方向)に、損失誘電体LDを付加して、さら
に広帯域な電波吸収体に発展させる事が出来る。図16
において、A1の部分は実施例1に示したものと同じ電
波吸収層である。また、損失誘電体LDは、カーボン粉
体を、発泡ポリウレタンに体積1リットル当たり0.5
gの割合で一様に含浸して製作した。この損失誘電体L
Dの比誘電率は約1.2である。この損失誘電体LDを
A1の表面から、電波入射方向にA1の表面積と同一面
積で300mmの長さの角柱状の部材として付加した。
【0049】本実施例の電波吸収体の特性は、図17に
示すように、反射減衰量20dB以下の範囲が50MH
z−5GHzに亘っている。
【0050】(実施例7)以上に説明したものは本発明
によるいくつかの実施例であって、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。例えば、上記実施例に
おいては、磁性材料としてすべての層でNiZn系焼結
フェライトの同一材料を用いたが、本発明に利用できる
材料はこれに限定されるものではなく、例えば、フェラ
イトの粉体をクロロプレンゴムあるいはポリオレフェイ
ンなどのプラスチックに分散した、通称ゴムフェライト
を用いることもできる。一つの例として、粒径が5〜5
0μmのMnZn系焼結フェライトの粉体を、重量比
で、クロロプレンゴム1に対しフェライト粉体10の割
合で分散させた場合、比透磁率μr1が約10、比透磁
率εr1が約11の磁性材料を得ることができる。この
ゴムフェライトを実施例2、すなわち図4、図5に示す
構造にすることにより、マイクロ波帯用の電波吸収体に
構成することができる。
【0051】具体的には、単位構造Cの間隔はp=2
0mmに設定し、第1層の高さはh=5mm、厚みは
m1=20mm、つまり第1層はタイル状とする。第
2層の高さはh=15mmで、厚みはtm2=6.0
mmとする。第1層の磁性体板の長さはL=20mm
で、第2層の磁性体板の長さはL=16.5mmに設
定する。従って、隣合う単位構造C間では、第2層の
磁性体板相互間はs=3.5mmの間隔があいている
ことになる。
【0052】この構造の場合、ゴムフェライトを使用す
ることにより、第1層の見かけ上の比透磁率は約10
で、見かけ上の比誘電率は約11となる。また、第2層
の見かけ上の比透磁率は約2.25で、見かけ上の比誘
電率は約2.1が得られる。本実施例の電波吸収体の特
性は、図18に示すように、反射減衰量20dB以上を
1000=5300MHzの範囲でカバーするマイクロ
波帯用の広帯域な特性を示す。
【0053】さらに、本発明によれば、実施例5のよう
な多層の構成にあっては、例えば、第1層と第2層は焼
結フェライトで構成し、見かけ上の比透磁率が比較的小
さい第3層以降をこのようなゴムフェライトを用いて構
成することもできる。
【0054】また、本発明は、磁性体板を用い、少なく
とも多段層の中の1つの層が、電界方向にも磁界方向に
も空隙を有しているもので、それを実現する方法とし
て、図19の(a)に示すように磁性体板を交差させ、
その断面が紙面で上下、左右に対称な十字形である構造
が最も合理的である。しかし、例えば、図19の(b)
や(c)に示すように、十字形を変形しても効果に変わ
りがないことは、その動作原理から明らかである。すな
わち、図19の(b)、(c)のように、磁性体板の位
置を移動させて交差させてもよいし、またこれらの変形
した十字断面を90度、180度、270度回転させた
構造の磁性体柱であっても差し支えない。
【0055】以上、本発明では、2層形あるいはそれ以
上の多層形の構成の電波吸収体において、少なくとも1
層は磁性体板の長さを配列間隔と等しくして互いに隣合
う単位構造どうしを密着させ、それより電波入射面に近
い層の磁性体板の長さは配列間隔より短くして、規則的
に空隙部と磁性体部が繰り返す構造にし、それぞれの層
を構成する磁性体板の厚みや磁性体板の長さをコントロ
ールすることにより、任意数の多段層でそれぞれの層の
見かけの比透磁率と見かけの比誘電率を要求される値に
設定することができ、その結果、全体として広帯域な電
波吸収体が出来る事を示した。
【0056】また、本発明によれば、タイル型フェライ
トの上に、同様の手法で、定数の異なる層を積み重ねる
事により広帯域な電波吸収体が得られる事も示した。こ
れは、既設のフェライトタイル形の電波吸収体を改善す
る場合に有効である。
【0057】電波入射面に近い層間を互いに接触しない
構造とした電波吸収体としては、抵抗膜を用いたものは
従来見られるが、周知のように抵抗膜を用いるものにあ
っては、その高さが使用する最低周波数の略2分の1波
長程度の高さであることが要求されるものであった。ま
た磁性体を用いたものにあって、磁性体が電界方向に不
連続なものが従来例として存在するが、磁界方向に対し
ても不連続なものは反磁界が大きくなり、磁性体として
の能力が大幅に低下すると考えられたため、電波吸収体
としては存在しなかった。しかしながら、本発明によれ
ば、磁性体板を用い、少なくとも1つの層が電界方向と
磁界方向に空隙を有するので、高さが低く、従来の磁性
体による電波吸収体に比べ著しく広帯域な電波吸収体が
得られる。
【0058】さらに、本発明によれば、電波吸収層の電
波入射方向前方に損失誘電体LDを付加することによ
り、さらに広帯域な電波吸収体が実現出来ることも示し
た。
【0059】また、上述の実施例では、説明を分かりや
すくするため、それを構成するための単位構造を示した
が、もちろん本発明の電波吸収体の実際の製造に当たっ
ては、この単位構造を製作し、それを多数連結したもの
を製作しても良い。
【0060】また、本発明の電波吸収体の構造は、各部
全てを同一材料の焼結フェライトを用いて構成するのが
経済的に望ましい。その理由は、各層に必要な定数の違
いを得るのに、磁性体板の厚み、磁性体板の長さのコン
トロールによって充分対応が出来、フェライト仮焼粉の
成型時に、各層を一体に同時成型が可能となり、材料を
各層毎に変えて製造する場合に比べ、コストを低減でき
るからである。
【0061】また、本発明において用いるフェライト磁
性体はそれ自身硬いセラミックであるから、抵抗膜ある
いはカーボン粉体による電波吸収体のように、抵抗体を
保持するための保持材料ないし保持機構を必要としな
い。このことは、電波暗室内における電子機器の電磁波
に対する耐性(IMMUNITY)試験のように、壁材
の吸収体に高電力が吸収される場合、吸収体が高温にな
り、従来見られたような熱による変形、特性の劣化、燃
えることによる火災やガスの発生等の障害もない。
【0062】さらに、本発明の電波吸収体は、空隙部を
有するため、空気と光が空隙部分に進入ないしは通過す
る特長がある。このため、電波暗室用壁材に本発明の電
波吸収体を使用する場合、反射板として金属ネット等の
通気性を持つ材料を利用する事により、電波暗室内の空
調や照明器具等を反射板の背後に配置できるため、これ
らを室内に取り付けた場合に起きる好ましくない乱反射
を防ぐと共に、空調や照明を有効に出来る。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、磁性体の厚みは製造上の問題の比較的少ない厚み
としたまま、見かけ上の比誘電率と比透磁率を所望の値
にコントロールして、高さが低く、より広帯域かつより
経済的な電波吸収体を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電波吸収体の一実施例の斜視図で
ある。
【図2】(a)は図1に示す電波吸収体の構成単位の構
造を説明する斜視図、(b)は同上面図、(c)は同側
面図である。
【図3】図1に示す電波吸収体の吸収特性を示す図であ
る。
【図4】本発明による電波吸収体の別の実施例の斜視図
である。
【図5】(a)は図4に示す電波吸収体の構成単位の構
造を説明する斜視図、(b)は同上面図、(c)は同側
面図である。
【図6】図4に示す電波吸収体の吸収特性を示す図であ
る。
【図7】本発明による3層形電波吸収体の実施例の斜視
図である。
【図8】(a)は図7に示す電波吸収体の構成単位の構
造を説明する斜視図、(b)は同上面図である。
【図9】図7に示す電波吸収体の吸収特性を示す図であ
る。
【図10】本発明によるさらに別の3層形電波吸収体の
斜視図である。
【図11】(a)は図10に示す電波吸収体の構成単位
の構造を説明する斜視図、(b)は同上面図である。
【図12】図10に示す電波吸収体の吸収特性を示す図
である。
【図13】本発明による8層形電波吸収体の実施例を示
す斜視図である。
【図14】(a)は図13に示す電波吸収体の構成単位
の構造を説明する斜視図、(b)は同上面図、(c)は
同側面図である。
【図15】図13に示す電波吸収体の吸収特性を示す図
である。
【図16】損失誘電体を付加した本発明の電波吸収体の
実施例の断面構造図である。
【図17】図16に示す電波吸収体の吸収特性を示す図
である。
【図18】磁性体材料がゴムフェライトの場合の実施例
の吸収特性を示す図である。
【図19】(a)〜(c)は断面が十字形の層及びその
変形例を示す図である。
【図20】タイル状のフェライト電波吸収体の断面構造
図である。
【図21】図20に示すタイル状電波吸収体の吸収特性
を示す図である。
【図22】(a)は格子形フェライト電波吸収体の構造
を示す斜視図、(b)は(a)のA−A’線断面の様子
を拡大して示す斜視図である。
【図23】(a)は多層格子形フェライト電波吸収体の
構造を示す斜視図、(b)は(a)のB−B’線断面の
様子を拡大して示す斜視図である。
【図24】多層電波吸収体の概念図である。
【図25】(A)、(B)、(C)はぞれぞれ媒質層と
して磁性体と空隙とが共存する場合の1段、2段、3段
の多層電波吸収体の説明図である。
【図26】線路内にフェライトと空間が共存する場合の
様子を示す図である。
【図27】(a)は断面が十字形のフェライトが磁界方
向に連続している場合、(b)は断面が十字形のフェラ
イトで磁界方向に隙間がある場合を示す図である。
【図28】格子形フェライトの比透磁率の周波数分散の
例を示す図である。
【図29】フェライト磁性体板に空隙がある場合の比透
磁率の周波数分散の例を示す図である。
【図30】(a)は実施例の特性評価を行うためのトリ
プレート線路の構造を示す縦断面図、(b)は同横断面
図である。
【符号の説明】 A1・・・・・・・本発明の電波吸収体 B・・・・・・・・吸収する周波数帯域幅 b・・・・・・・・格子形磁性体の間隔 C・・・・・・・本発明による電波吸収体の層の構成
単位 d,d,d・・多層形電波吸収体の第1層、第2
層、第3層の各々の高さ E・・・・・・・・電界 H・・・・・・・・磁界 F・・・・・・・・フェライト磁性体 f・・・・・・・・周波数 h・・・・・・・・電波吸収体全体の反射板からの高さ h,h,…・・・多層形電波吸収体の各層の高さ M・・・・・・・・反射板 n・・・・・・・・任意の番号数字 s・・・・・・・・反射係数 s,s,…・・・各層の隣合う磁性体板間の間隔 t・・・・・・・磁性体の厚み tm1,tm2,…・・多層電波吸収体の各層の磁性体
の厚み L・・・・・・・・磁性体板の長さ L,L,…・・・各層の磁性体板の長さ Z・・・・・・・・インピーダンス Zc・・・・・・・特性インピーダンス γ・・・・・・・・伝搬定数 ε・・・・・・・比誘電率 μ・・・・・・・比透磁率
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射板上に、断面が十字形の積層磁性体
    柱が間隔pで繰り返して配置され、該積層磁性体柱は、
    厚みtm1、長さL1、高さh1の磁性体板を十字形に交差
    させた形状の第1磁性体柱の上に、厚みtm2、長さ
    2、高さh2の磁性体板を十字形に交差させた形状の第
    2磁性体柱を積層して構成され、さらに L1=p L2<p tm1≦p tm2≦tm1 tm1≦(h1+h2) なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収
    体。
  2. 【請求項2】 反射板上に、断面が十字形の積層磁性体
    柱が間隔pで繰り返して配置され、該積層磁性体柱は、
    厚みtmが同じで長さが異なる磁性体板を長さが反射板
    から電波到来方向に向かって暫時減少するように多段に
    重ねたものを十字形に交差させた形状に形成され、反射
    板から電波到来方向に測った該積層磁性体柱の全体の高
    さをhとするとき、 h>tm p>tm なる関係を満足し、かつ該積層磁性体柱のうちの少なく
    とも1以上の段の磁性体板は隣合う積層磁性体柱の対応
    する段の磁性体板と接触していることを特徴とする広帯
    域電波吸収体。
  3. 【請求項3】 反射板上に、断面が十字形の積層磁性体
    柱が間隔pで繰り返して配置され、該積層磁性体柱は、
    厚みが異なる磁性体板を多段に重ねたものを十字形に交
    差させた形状に形成され、反射板に最も近い磁性体板の
    厚み及び長さをそれぞれtm1、L1、反射板から電波到
    来方向に測った該積層磁性体柱の全体の高さをhとする
    とき、 h>tm1 p>t1m1=p なる関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収
    体。
  4. 【請求項4】 反射板上に、タイル状磁性体を設け、さ
    らにその上に磁性体板を十字形に交差させた形状の磁性
    体柱を間隔pで繰り返し配置してなり、該磁性体板の長
    さが前記間隔pより短いことを特徴とする広帯域電波吸
    収体。
  5. 【請求項5】 反射板上に、タイル状磁性体を設け、さ
    らにその上に厚みの異なる磁性体板を多段に重ねたもの
    を十字形に交差させた形状の積層磁性体柱を間隔pで繰
    り返し配置してなり、該積層磁性体柱の各段の磁性体板
    の長さは前記間隔pと等しいか、それ以下であることを
    特徴とする広帯域電波吸収体。
  6. 【請求項6】 反射板上に、タイル状磁性体を設け、さ
    らにその上に厚みが同じ磁性体板を多段に重ねたものを
    十字形に交差させた形状の積層磁性体柱を間隔pで繰り
    返し配置してなり、該積層磁性体柱の各段の磁性体板の
    長さは前記間隔pと等しいか、それ以下であることを特
    徴とする広帯域電波吸収体。
  7. 【請求項7】 電波吸収体の全面に損失誘電体を付加し
    てなる請求項1〜6のいずれかに記載の広帯域電波吸収
    体。
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