JPH0837393A - 建材用電波吸収壁 - Google Patents

建材用電波吸収壁

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JPH0837393A
JPH0837393A JP19228994A JP19228994A JPH0837393A JP H0837393 A JPH0837393 A JP H0837393A JP 19228994 A JP19228994 A JP 19228994A JP 19228994 A JP19228994 A JP 19228994A JP H0837393 A JPH0837393 A JP H0837393A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェライト板に対するコンクリートやモルタ
ル等の構造体の誘電特性の影響を小さく抑えて、反射減
衰量の周波数特性の広帯域化を図るとともに、単純で製
造容易な構造として原価低減を図る。 【構成】 到来電波の磁界方向に連続する中空部31を
有する絶縁性中空構造体としてのコンクリートパネル3
0の前記中空部31に、電波到来方向よりみてフェライ
ト板1の背後に空気層35が存在する如く当該フェライ
ト板1を磁界方向に連続させて配置し、コンクリートパ
ネル30の背後に電波反射体となる金属メッシュ38を
配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビゴースト防止等
の建造物による電波の反射防止対策として建造物の壁面
に用いられる建材用電波吸収壁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、テレビゴースト防止用の建材用電
波吸収壁の基本構造としてフェライトの磁気特性と電波
の性質とを組み合わせたスノコ型電波吸収壁がある。こ
のようなスノコ型電波吸収壁としては、図10及び図1
1のように、フェライト板1を電波の磁界方向には連続
となるように結合し、かつ電界方向には不連続とする配
列で、電波反射体となる金属板2に接着剤で貼り付けた
構造の電波吸収壁(第1従来例)や、図12及び図13
の如く電波の磁界方向にはフェライト板1を連続に結合
し電界方向には不連続とする配列で、電波反射体となる
金属板2にフェライト板1を押さえ板3とボルト4とで
固定した構造の電波吸収壁(第2従来例)が知られてい
る。
【0003】それらの従来の電波吸収壁の構造は、特公
昭55−49798号にて開示されているものであり、
複数個のフェライト板を磁界方向に連続に結合させ、電
界方向には間隙を設けて(間隔を置いて)配設したこと
を特徴としている。
【0004】上記のような構造の電波吸収壁の場合、実
用的には、フェライト板の落下防止対策として、電界方
向の間隙を利用してフェライト板の表面に外装タイル等
の表面仕上げ材を取り付け、フェライト板1の背面側に
コンクリートを打設したプレキャストコンクリートウォ
ールの構造が用いられる。図14及び図15は、フェラ
イト板1の落下防止対策として特殊足付き外装タイル2
1で固定する構造を持つ従来の3層型コンクリート一体
型電波吸収壁(第3従来例)を示す。この場合、金属反
射メッシュ(電波反射体)をなす鉄筋20の前面にフェ
ライト板1を磁界方向に連続に、電界方向に不連続とな
るように配置し、特殊足付き外装タイル(磁器タイル
等)21をフェライト板1の前面に被せ、背面側にコン
クリート22を打設することでプレキャストコンクリー
ト板電波吸収壁を構成している。
【0005】ところで、建造物等の外壁は一般にコンク
リートと外装材とからなっており、前記図14及び図1
5で示したような構造とする場合、フェライト板1の背
面側のコンクリート及びフェライト板1の前面側の外装
材等の誘電率、厚さによって電波吸収体としての特性が
大きく影響される。また、建材としての耐久性、強度と
の兼ね合いもあり、設計的に厳しい制約の中でフェライ
ト板の特性、厚み等が選択されている。
【0006】ここで、まず図16において、フェライト
電波吸収体の基本構成、すなわちフェライト板1の背面
を金属板(反射体)2で裏打ちした構造での、フェライ
ト板の厚さt1に対する電波吸収特性の一例を示す。こ
のときの使用電波の周波数は100MHzである。図1
6からフェライト板1の厚さt1=約7mmで反射減衰量
30dB以上の優れた特性になっているのが判る。
【0007】次に、厚さ7mmのフェライト板1を用い、
フェライト板1の背面を金属板2で裏打ちし、フェライ
ト板1の前面の表面に誘電率が約5のモルタル6を装荷
(付加)して電波吸収体を構成した場合、そのモルタル
6の厚さt2に対する電波吸収体の特性変化を図17の
実線(a)に示す。モルタル6なし(t2=0mm)の場
合、30dB以上の電波吸収特性を示しているが、モル
タル6の厚さt2を大きくするのに伴い、大幅に劣化し
ているのが判る。
【0008】また、フェライト板1の背後の金属板2と
の間に同様のモルタル6を挿入した場合の電波吸収体の
電波吸収特性を図17の点線(b)に示す。前記実線
(a)で示したフェライト板1前面にモルタル6を設け
た場合以上に(特に厚さt2=15mm以上の領域におい
て)大幅に特性劣化が認められる。
【0009】前述した図14及び図15の従来の3層型
コンクリート一体型電波吸収壁の場合、フェライト板の
背面側のコンクリート及びフェライト板の前面側の外装
材等の誘電率、厚さによって電波吸収体としての特性が
大きく影響される結果、反射減衰量の周波数特性は図1
8の曲線(b)の如くなり、100MHz付近の狭い周
波数帯域で20dB前後の電波吸収特性を示している
が、他の周波数帯では著しく劣化していることが判る
(反射減衰量の周波数特性が狭帯域特性を示してい
る。)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】建材用電波吸収壁の課
題は、いかに構造を簡略化して製造コストを低減し、且
つ必要十分な電波吸収特性を確保するかにある。
【0011】(1) 図14及び図15の従来の3層型コ
ンクリート一体型電波吸収壁の説明ではとくに述べなか
ったが、そのような建材用電波吸収壁の製造工程は、従
来のコンクリートパネル製造工程とは別に、複数個から
なるフェライト板を到来電波の磁界方向に連続的に配置
する必要があり、且つこの配列がコンクリート打設時に
移動することなく、各フェライト板が密着していること
が求められる。この対策としては、例えば、特開昭64
−10849号に示すように、フェライト板相互を加圧
接合する如き固定作業が実際上は必要となる。
【0012】(2) 前述した図17の(a),(b)に
示す如く、この種の電波吸収壁は、フェライト板の前面
に取り付けられる外装材等の誘電特性で劣化するより
も、フェライト板の背面に配設されるコンクリートによ
る誘電特性での劣化が大きい。この誘電特性の影響を如
何に小さくするか、厚みが必要であれば如何に見掛けの
実効誘電率を小さくするが求められる。そこで、フェラ
イト板の背面側のコンクリートを実際に薄くすることが
考えられるが、フェライト板の背面側に設けるコンクリ
ートは外壁材として耐久性、強度確保の点から通常20
mm近い厚さが要求されるために薄型化は困難であり、現
状では、この特性劣化をフェライト板の磁気特性の制御
(スリット挿入等)とフェライト板の厚さ制御で対応し
ている。しかし、建材としての耐久性、強度との兼ね合
いもあり、設計的に厳しい制約の中で適したフェライト
板の磁気特性、厚さ等を選択しなければならず、図18
の曲線(b)に示したように、反射減衰量の周波数特性
は、狭帯域特性となり、広い周波数領域にわたり十分な
反射減衰量を確保することは難しい嫌いがあった。
【0013】本発明は、上記の点に鑑み、フェライト板
に対するコンクリートやモルタル等の構造体の誘電特性
の影響を小さく抑えて、反射減衰量の周波数特性の広帯
域化を図るとともに、単純な構造で製造容易であって原
価低減を図ることが可能な建材用電波吸収壁を提供する
ことを目的とする。
【0014】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施例において明らかにする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の建材用電波吸収壁は、到来電波の磁界方向
に連続する中空部を有する絶縁性中空構造体の前記中空
部に、電波到来方向よりみてフェライト板の背後に空気
層が存在する如く当該フェライト板を磁界方向に連続さ
せて配置し、前記絶縁性中空構造体の背後に電波反射体
を配置した構成としている。
【0016】上記建材用電波吸収壁の構成において、前
記中空部に前記フェライト板の位置を規制する凸部を設
けてもよい。
【0017】また、前記絶縁性中空構造体は、到来電波
の磁界方向に連続する中空部を、到来電波の電界方向に
間隔をおいて複数設けた中空押し出し成形品であっても
よい。
【0018】さらに、前記空気層は、前記フェライト板
の肉厚よりも大きな厚さ寸法を有する構成としてもよ
い。
【0019】
【作用】本発明の建材用電波吸収壁においては、絶縁性
中空構造体(到来電波に対し誘電体として機能し、電波
を反射しない材質)の中空部に、電波到来方向よりみて
フェライト板の背後に空気層が存在する如く当該フェラ
イト板を磁界方向に連続させて配置しており、フェライ
ト板背面の大部分に直接コンクリートやモルタル等の誘
電率の大きな構造体が接することがなく、空気層が介在
することになる。この結果、フェライト板の背面と電波
反射体との間は、空気層と絶縁性中空構造体の後側部分
で構成されることになるので、フェライト板背後の実効
誘電率が下がり、フェライト板の電波吸収特性の劣化を
小さく抑えることができ、従来のフェライト板のほぼ全
面をコンクリートやモルタル等で囲んでいた構造と比較
して電波吸収特性を向上させることができ、同時にフェ
ライト板の特性や肉厚選定の自由度が多くなり、電波吸
収特性の広帯域化を図ることができる。
【0020】また、フェライト板の配設時に磁界方向に
連続する中空部をフェライト板の整列ガイドとすること
ができるとともにフェライト板の落下防止も図ることが
でき、従来構造で行っていたコンクリート打設の際に、
フェライト板同士を動かないように固定する作業が無
く、製造工程の簡素化を図ることができ、製造容易とな
り、コスト低減を図ることができる。
【0021】さらに、フェライト板の周囲にコンクリー
トを打設してフェライト板を囲む従来構造では、コンク
リート硬化時の縮率の影響でフェライト板に力が加わる
等して磁気特性が劣化する恐れがあるが、絶縁性中空構
造体の中空部にフェライト板を配置するため、磁気特性
劣化の恐れはない。
【0022】また、前記中空部に前記フェライト板の位
置を規制する凸部を設けた場合、該凸部によって確実に
到来電波の磁界方向にフェライト板を連続させた状態に
整列、保持でき、フェライト板の落下防止作用も確実に
なる。
【0023】また、到来電波の磁界方向に連続する中空
部を到来電波の電界方向に間隔をおいて複数設けた中空
押し出し成形品で前記絶縁性中空構造体を構成した場
合、絶縁性中空構造体を、中空押出成形法で安価に容易
に製造可能である。
【0024】また、前記空気層を、前記フェライト板の
肉厚よりも大きな厚さ寸法を有する構成とした場合、実
効誘電率を十分に下げることができ、電波の反射減衰量
の増大及び反射減衰量の周波数特性の広帯域化をいっそ
う図ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る建材用電波吸収壁の実施
例を図面に従って説明する。
【0026】図1乃至図5で本発明の第1実施例を説明
する。図1は第1実施例の平断面であって、建材用電波
吸収壁を構造躯体に取り付けた状態を示す。また、図2
は斜視図で建材用電波吸収壁の背面側を示し、図3は側
断面を示し、図4は斜視図であって、第1実施例で用い
る絶縁性中空構造体としての中空押出成形コンクリート
パネル(又はセメントパネル)の構造を示し、図5は図
1の部分拡大図である。
【0027】これらの図において、中空押出成形コンク
リートパネル(又はセメントパネル)30は、フェライ
ト板1を嵌合、保持するために到来電波の磁界方向(図
1の紙面に垂直な方向)に貫通(連続)する中空部31
を到来電波の電界方向に間隔をおいて複数設けるととも
に、一方の側面に嵌合凹部32、他方の側面に嵌合凸部
33を形成した中空押し出し成形品(幅約600mm、長
さ数m、全体厚さ60mm)である。また、ここで用いる
フェライト板1は、例えば、幅50〜60mm、長さ10
0mm、厚さ7〜10mmの長方形等のフェライト・タイル
形状のものである。
【0028】前記中空部31は、横幅が前記フェライト
板1を嵌合、保持できるようにフェライト板1の横幅よ
りも僅かに大きくなっており、前記フェライト板1の位
置を規制する凸部34が両内側面中間部に突出して設け
られている。これらの対をなした凸部34により、中空
部31は電波到来方向よりみて前側空間部と後側空間部
とに区画され、前側空間部にてフェライト板1を保持で
きるように、図4及び図5の如く、中空部31の前側内
面31aと凸部34の前面34aとの間が前記フェライ
ト板1の厚さよりも僅かに大きくなる如く形成されてい
る。また、凸部34の前面34aと中空部31の後側内
面31bとの間は、フェライト板1を配設した後も空間
に空気が存在する空気層35となり、該空気層35の厚
さはフェライト板1の厚さよりも十分大きく、パネル背
面側のコンクリートの厚さよりも大きくなっている。
【0029】そして、中空部31とフェライト板1の前
面及び両側面との間に接着剤37を塗布し、各中空部3
1の前側空間部内にフェライト板1を到来電波の磁界方
向に隙間なく嵌め込み、フェライト板1の端面同士を相
互に密着させた状態とし、磁界方向に連続させて連結保
持する。このとき、中空部31の上下の開口においては
フェライト板1の端面と中空部31開口面が面一になる
ように固定する。
【0030】なお、前記中空部31の到来電波の電界方
向の配列間隔は、フェライト板1の配設時に十分な電波
吸収特性が得られる間隔に設定する。
【0031】また、中空押出成形コンクリートパネル3
0を建造物の鉄骨等の構造躯体39に取り付けるため
に、中空押出成形コンクリートパネル30両側に位置す
る中空部31の開口端寄りには、中空押出成形コンクリ
ートパネル30背面から中空部31内に貫通する貫通穴
36が設けられている。
【0032】そして、フェライト板1を固着した中空押
出成形コンクリートパネル30の背面に、電波反射体と
しての金属メッシュ38を配置し、さらにその背後に建
築用鉄骨等の構造躯体39が位置するように中空押出成
形コンクリートパネル30を構造躯体39に取り付け固
定する。前記金属メッシュ38は例えば構造躯体39に
予め固定しておき、構造躯体39に係止された連結金具
40及び中空押出成形コンクリートパネル30の前記貫
通穴36にボルト41を挿通し、ボルト41にナット4
2を螺着し、締め付けることで構造躯体39への中空押
出成形コンクリートパネル30の取り付けが行われる。
【0033】なお、中空押出成形コンクリートパネル3
0は所望の電波吸収壁の大きさに応じて、複数個左右方
向や上下方向に連結し、前記金属メッシュ38を固定し
た構造躯体39でそれぞれ保持する。中空押出成形コン
クリートパネル30の左右方向の連結は、図1に示すよ
うに、隣り合う中空押出成形コンクリートパネル30側
面の嵌合凹部32と嵌合凸部33とを嵌合させて固定す
る。また、上下方向の連結は、対向する中空押出成形コ
ンクリートパネル30の中空部31開口面に面するフェ
ライト板1の端面同士を相互に密着させ、フェライト板
1を到来電波の磁界方向に切れ目無く連結させることが
望ましい。
【0034】なお、実際に建造物の側壁を建材用電波吸
収壁で構成する場合、最下端の中空押出成形コンクリー
トパネル30の中空部31下端部は、フェライト板1の
固定を確実にするために(フェライト板が下方にずれ落
ちないように)コンクリート等を充填して塞いでおくと
よい。
【0035】ここで、以上の構成より得られた第1実施
例の建材用電波吸収壁の電波吸収特性(反射減衰量の周
波数特性)を図18の曲線(a)に示す(但し、フェラ
イト板厚み10mm、フェライト板の前側のコンクリート
厚み14mm、空気層の厚み20mm、背後のコンクリート
厚み14mm)。前述した図14及び図15で示した従来
の代表的な3層構造電波吸収壁の電波吸収特性である図
18の曲線(b)と比較して、本発明に係る第1実施例
の電波吸収壁が電波吸収量においても周波数特性におい
ても優れた特性であることが判る。
【0036】この第1実施例によれば、次の通りの効果
を得ることができる。
【0037】(1) 中空押出成形コンクリートパネル3
0の中空部31に、フェライト板1を到来電波の磁界方
向に連続させ、かつ電波到来方向よりみて背後に空気層
35が位置するように配置しているため、コンクリート
等の誘電率の大きなものの影響を抑え、フェライト板1
と電波反射体となる金属メッシュ38との間の実効誘電
率を下げてフェライト板の電波吸収特性の劣化を小さく
抑えることができるとともに、電波吸収特性の広帯域化
を図ることができる。従って、従来のフェライト板の周
囲をコンクリートやモルタル等で囲んでいた構造と比較
して、電波吸収特性の大幅改善が図られ、VHF、UH
F低チャンネルのいわゆるゴースト障害が発生しやすい
100MHz〜500MHzにわたり優れた電波吸収特
性を示すゴースト障害対策用の建材用電波吸収壁が得ら
れる。
【0038】なお、前記空気層35の厚さ方向の寸法
は、フェライト板1の厚さよりも十分大きく、かつ中空
押出成形コンクリートパネル30の後側の肉厚よりも十
分大きく設定することで、フェライト板1に対するコン
クリート等の誘電率の大きなものの影響を抑える作用
と、フェライト板1と金属メッシュ38間の実効誘電率
を下げる作用を十分果たすことができ、電波吸収特性の
改善効果を顕著なものとすることができる。
【0039】(2) 複数の中空部31を有する中空押出
成形コンクリートパネル30は、中空押出成形法で安価
に容易に製造可能である。この中空押出成形コンクリー
トパネル30は、フェライト板1を配置する中空部31
を設けた中空構造で、十分な強度を有するのでフェライ
ト板1固定のために別途コンクリート打設の必要が無
い。このような廉価なコンクリートパネルを用い、中空
部31をフェライト板1の整列ガイドとフェライト板1
の落下防止として用いることにより、フェライト板整列
工程も省略でき、工程の短縮化とコスト低減を図ること
ができる。
【0040】(3) フェライト板1の周囲にコンクリー
トを打設してフェライト板を囲む従来構造では、コンク
リート硬化時の縮率の影響でフェライト板に力が加わる
等して磁気特性が劣化する恐れがあるが、本実施例では
成形硬化後の中空押出成形コンクリートパネル30の中
空部31内にフェライト板1を嵌合固定するため、磁気
特性劣化の恐れはない。
【0041】(4) 中空部31にフェライト板位置規制
用の一対の凸部34が設けられているので、図5の如く
フェライト板1は該凸部34前面34aと中空部31前
側内面31aとの間に嵌合することにより中空部31の
前側空間部に位置決めでき、簡単かつ確実に到来電波の
磁界方向にフェライト板1を連続させた状態に整列、保
持できる。従って、従来構造で行っていたコンクリート
打設の際に、フェライト板1同士を動かないように固定
する作業等が必要無く、製造工程の簡素化を図ることが
でき、製造容易となる。従って、前記(2)項の効果とあ
いまって大幅なコスト低減を図ることができる。
【0042】なお、この第1実施例で用いた接着剤37
はフェライト板1を中空押出成形コンクリートパネル3
0の中空部31に仮止めできればよく、一旦建造物の側
壁として建材用電波吸収壁を組立後は、フェライト1は
一対の凸部34で位置規制された状態で保持されるの
で、最下端のフェライト板1の落下防止さえ確実に実施
しておけばよい。
【0043】図6及び図7は本発明の第2実施例を示
す。この場合、中空押出成形コンクリートパネル30の
中空部31とこの内側に固定されるフェライト板1との
寸歩差がやや大きくともフェライト板1をがたつき無く
到来電波の磁界方向に連続させて整列可能な構成となっ
ている。すなわち、フェライト板1の中空部31への嵌
合、固定のために一対の固定部材50を用いたものであ
る。固定部材50は、絶縁性無機材(有機材も使用可能
であるが耐火性を考慮したときは無機材が好ましい)を
平断面が略L字状になる如く成形したものである。この
場合、フェライト板1は、中空部31の対をなした凸部
34により区画された前側空間部に配置され、図7の如
く中空部31の前側内面31aと凸部34の前面34a
との間に前記フェライト板1が嵌まり、さらにフェライ
ト板1と中空部31との隙間を埋めるように一対の固定
部材50が挿入されている。すなわち、フェライト板1
の中空部31への嵌合、固定において、フェライト板1
の前面側の角と中空部31の前面側の角との間に固定部
材50をそれぞれ介在させ、中空部31とフェライト板
1の前面が対向する隙間に接着剤37を設けている。
【0044】この第2実施例によれば、中空押出成形コ
ンクリートパネル30の中空部31の横幅寸法等をフェ
ライト板1の横幅よりもやや大きく設定した場合でも、
フェライト板1をがたつき無く整列でき、中空押出成形
コンクリートパネル30の寸法精度が低くい場合にも対
応できる利点がある。
【0045】なお、その他の構成、及び作用効果は前述
した第1実施例と同様であり、同一又は相当する部材に
同一符号を付して説明を省略する。
【0046】図8は本発明の第3実施例を示す。この場
合、絶縁性中空構造体としての中空押出成形コンクリー
トパネル30Aに断面が略長方形状の中空部31Aを到
来電波の電界方向に間隔をおいて到来電波の磁界方向に
貫通するように複数設けている。そして、フェライト板
1の中空部31Aへの固定は、中空部31Aとフェライ
ト板1の前面及び両側面との間に接着剤37を塗布し、
フェライト板1を中空部31Aの前面側に貼り付けるこ
とによって行っている。
【0047】この第3実施例の場合、中空押出成形コン
クリートパネル30Aの中空部31Aの形状が簡単であ
り、中空押出成形コンクリートパネルの製造が容易であ
り、場合によっては、市販の中空押出成形コンクリート
パネルをそのまま利用できる利点がある。
【0048】なお、その他の構成、及び作用効果は前述
した第1実施例と同様であり、同一又は相当する部材に
同一符号を付して説明を省略する。
【0049】上記第3実施例において、接着剤37の塗
布の代わりに、製造時において中空部31A内の各フェ
ライト板1を水平に配置した状態で、モルタル等の無機
接着材をフェライト板1の厚さよりも僅かに高くなるよ
うに中空部内に流し込んで各フェライト板1を固着する
ことも可能である。
【0050】図9は本発明の第4実施例を示す。この場
合、前記第3実施例と同様の中空押出成形コンクリート
パネル30Aの断面が略長方形状の中空部31Aにフェ
ライト板1を固定するために、一対の角棒状当て材51
を用いたものである。前記当て材51は、中空押出成形
コンクリートパネル30Aと同様の材質又はその他の絶
縁性材料で形成されている。この場合、フェライト板1
の中空部31Aへの固定において、フェライト板1の両
端側背面と中空部31Aの後面との間に当て材51をそ
れぞれ介在させて、フェライト板1を中空部31Aの前
面側に当接するように規制して、固定している。すなわ
ち、フェライト板1及び当て材51と中空部31Aとの
間に接着剤37をそれぞれ塗布しておき、中空部31A
内面にフェライト板1及び当て材51を接着、固定す
る。
【0051】この第4実施例の場合も、中空押出成形コ
ンクリートパネル30Aの中空部31Aの形状が簡単で
あり、中空押出成形コンクリートパネルの製造が容易で
あり、場合によっては、市販の中空押出成形コンクリー
トパネルをそのまま利用できる利点がある。また、角棒
状当て材51を用いたことで、フェライト板1の固着強
度を確保するのが容易である。
【0052】なお、その他の構成、及び作用効果は前述
した第1実施例と同様であり、同一又は相当する部材に
同一符号を付して説明を省略する。
【0053】なお、上述した各実施例では中空押出成形
コンクリートパネル30,30Aの前面に外装材を持た
ない構成としているが、中空押出成形コンクリートパネ
ル30,30Aの前面に、外装材として塗料、樹脂、モ
ルタル等の塗装・吹き付け材を付加してもよい。
【0054】また、各実施例では中空押出成形コンクリ
ートパネル30,30Aの背後に配置する電波反射体と
して金属メッシュ38を用いたが、中空押出成形コンク
リートパネル30,30Aの背面に金属シートを貼り付
けたり、導電性塗料を塗布する構成でも良い。
【0055】なお、各実施例では、電波反射体である金
属メッシュ38を構造躯体39に予め固定しておいて、
中空押出成形コンクリートパネル30,30Aを構造躯
体39に固定したときに中空押出成形コンクリートパネ
ル30,30Aの背面に位置する構成としたが、中空押
出成形コンクリートパネル30,30Aの押し出し成形
時のコンクリートが硬化する前に、該中空押出成形コン
クリートパネル30,30Aの背面に金属メッシュ39
を押し当てて一体化してもよい。
【0056】さらに、各実施例では、絶縁性中空構造体
として、中空押出成形コンクリートパネル(セメントパ
ネル)を例示したが、建材としての強度を有していて到
来電波に対し誘電体として機能し、電波を反射しない材
質であれば良く、セラミック材料を中空押出成形後に焼
成したセラミック構造体等を採用することもできる。
【0057】以上本発明の実施例について説明してきた
が、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の
範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者
には自明であろう。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の建材用電
波吸収壁によれば、絶縁性中空構造体の中空部に電波到
来方向よりみてフェライト板の背後に空気層が存在する
如く当該フェライト板を磁界方向に連続させて配置して
いるため、フェライト板背後の実効誘電率が下がり、フ
ェライト板の電波吸収特性の劣化を小さく抑えることが
でき、電波吸収特性を向上させることができるととも
に、電波吸収特性の広帯域化を図ることができる。
【0059】また、フェライト板の配設時に磁界方向に
連続する中空部をフェライト板の整列ガイドとして利用
することができるとともにフェライト板の落下防止をも
図ることができ、製造工程の簡素化を図ることができ、
製造容易となる。
【0060】さらに、フェライト板を絶縁性中空構造体
の中空部に配置する構成なので、フェライト板に応力が
加わる等して磁気特性が劣化する恐れがない。
【0061】従って、建材用の壁材として十分な強度を
有するとともに、必要十分な広帯域の電波吸収特性を実
現し、製造容易で安価なゴースト障害対策に適した建材
用電波吸収壁が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建材用電波吸収壁の第1実施例を
示す平断面図である。
【図2】第1実施例で用いる建材用電波吸収壁の背面側
を示す斜視図である。
【図3】第1実施例を示す側断面図である。
【図4】第1実施例で用いる中空押出成形コンクリート
パネルを示す斜視図である。
【図5】第1実施例を示す部分拡大平断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す平断面図である。
【図7】同部分拡大平断面図である。
【図8】本発明の第3実施例を示す部分拡大平断面図で
ある。
【図9】本発明の第4実施例を示す部分拡大平断面図で
ある。
【図10】磁界方向に連続で電界方向に不連続なフェラ
イト板配置とした電波吸収壁の第1従来例を示す平面図
である。
【図11】同正面図である。
【図12】磁界方向に連続で電界方向に不連続なフェラ
イト板配置とした電波吸収壁の第2従来例を示す平面図
である。
【図13】同正面図である。
【図14】特殊足付き外装タイルで固定する構造を持つ
電波吸収壁の第3従来例を示す斜視図である。
【図15】同平断面図である。
【図16】電波吸収壁の基本構成における電波吸収特性
を示すグラフである。
【図17】電波吸収壁の基本構成にモルタルを装荷した
場合における電波吸収特性を示すグラフである。
【図18】本発明の第1実施例と第3従来例の電波吸収
特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フェライト板 2 金属板 30,30A 中空押出成形コンクリートパネル 31,31A 中空部 32 嵌合凹部 33 嵌合凸部 34 凸部 35 空気層 36 貫通穴 37 接着剤 38 金属メッシュ 39 構造躯体 40 連結金具 50 固定部材 51 当て材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 到来電波の磁界方向に連続する中空部を
    有する絶縁性中空構造体の前記中空部に、電波到来方向
    よりみてフェライト板の背後に空気層が存在する如く当
    該フェライト板を磁界方向に連続させて配置し、前記絶
    縁性中空構造体の背後に電波反射体を配置したことを特
    徴とする建材用電波吸収壁。
  2. 【請求項2】 前記中空部に前記フェライト板の位置を
    規制する凸部が設けられている請求項1記載の建材用電
    波吸収壁。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性中空構造体は、到来電波の磁
    界方向に連続する中空部を、到来電波の電界方向に間隔
    をおいて複数設けた中空押し出し成形品である請求項1
    又は2記載の建材用電波吸収壁。
  4. 【請求項4】 前記空気層は、前記フェライト板の肉厚
    よりも大きな厚さを有している請求項1,2又は3記載
    の建材用電波吸収壁。
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