JPH0837997A - 防汚性魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方法 - Google Patents
防汚性魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方法Info
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- JPH0837997A JPH0837997A JP17709194A JP17709194A JPH0837997A JP H0837997 A JPH0837997 A JP H0837997A JP 17709194 A JP17709194 A JP 17709194A JP 17709194 A JP17709194 A JP 17709194A JP H0837997 A JPH0837997 A JP H0837997A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 防汚性にすぐれた魚介類養殖用漁網および魚
介類養殖用漁網の防汚方法を提供すること。 【構成】 漁網の網糸の表面に、粉体と疎水性樹脂との
混合物からなる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保
持が可能な微細な凹凸構造を有することを特徴とする防
汚性魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方
法。
介類養殖用漁網の防汚方法を提供すること。 【構成】 漁網の網糸の表面に、粉体と疎水性樹脂との
混合物からなる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保
持が可能な微細な凹凸構造を有することを特徴とする防
汚性魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防汚性と防汚性能の持
続性に優れた魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網
の防汚方法に関する。
続性に優れた魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網
の防汚方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に水中に浸漬した状態で魚介類の養
殖に使用する漁網は、その表面に藻類や貝類等の水中生
物が付着して汚損されると、網目の目詰まりを起こし、
例えば生簀内が酸欠状態になって、魚介類に被害を及ぼ
すなど環境の悪化を招くことになる。
殖に使用する漁網は、その表面に藻類や貝類等の水中生
物が付着して汚損されると、網目の目詰まりを起こし、
例えば生簀内が酸欠状態になって、魚介類に被害を及ぼ
すなど環境の悪化を招くことになる。
【0003】したがって、従来は養殖用漁網に水中生物
の付着防止性能を付与する目的で、毒性のある漁網専用
防汚剤を漁網の網糸の表面に塗布することが知られてい
る。また、別な方法として、難付着性および離型性に優
れたフッ素系あるいはシリコーン系の合成樹脂塗料を漁
網の網糸の表面に塗布することにより、防汚性の改良が
図られてきた。
の付着防止性能を付与する目的で、毒性のある漁網専用
防汚剤を漁網の網糸の表面に塗布することが知られてい
る。また、別な方法として、難付着性および離型性に優
れたフッ素系あるいはシリコーン系の合成樹脂塗料を漁
網の網糸の表面に塗布することにより、防汚性の改良が
図られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術では、漁網専用防汚剤を用いた場合、それ自体
毒性を有しているために養殖する魚介類の汚染等を招く
という問題を有する。また、フッ素系あるいはシリコー
ン系の合成樹脂塗料を用いた場合、初期的には防汚性改
善の効果が見られるものの、その改善効果が不十分であ
るばかりか、時間の経過と共に短期間で防汚性が低下す
るため、防汚性能の持続性に劣るという問題を有する。
従来技術では、漁網専用防汚剤を用いた場合、それ自体
毒性を有しているために養殖する魚介類の汚染等を招く
という問題を有する。また、フッ素系あるいはシリコー
ン系の合成樹脂塗料を用いた場合、初期的には防汚性改
善の効果が見られるものの、その改善効果が不十分であ
るばかりか、時間の経過と共に短期間で防汚性が低下す
るため、防汚性能の持続性に劣るという問題を有する。
【0005】そこで本発明ではこのような問題点を解決
するもので、その目的とするところは防汚性と防汚性能
の持続性に優れた魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用
漁網の防汚方法を提供することにある。
するもので、その目的とするところは防汚性と防汚性能
の持続性に優れた魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用
漁網の防汚方法を提供することにある。
【0006】
1.本発明の防汚性魚介類養殖用漁網は、漁網の網糸表
面に粉体と疎水性樹脂との混合物からなる撥水性膜体を
形成し、網糸表面に空気保持が可能な微細な凹凸構造を
有することを特徴とする。 2.また、粉体が無機系粒子、フッ素樹脂粒子、シリコ
ーン系樹脂粒子、その他の有機系粒子から選択された1
種または2種以上からなることを特徴とする。
面に粉体と疎水性樹脂との混合物からなる撥水性膜体を
形成し、網糸表面に空気保持が可能な微細な凹凸構造を
有することを特徴とする。 2.また、粉体が無機系粒子、フッ素樹脂粒子、シリコ
ーン系樹脂粒子、その他の有機系粒子から選択された1
種または2種以上からなることを特徴とする。
【0007】3.また、疎水性樹脂が、フッ素樹脂、シ
リコーン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂の群から選択された1種または2種
以上からなることを特徴とする。 4.さらに、微細な凹凸構造が、凸部間の間隔sが0.
3〜100μmで、かつ凸部の高さhと前記間隔sとの
比h/sが0.3〜3の範囲にあることを特徴とする。
リコーン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂の群から選択された1種または2種
以上からなることを特徴とする。 4.さらに、微細な凹凸構造が、凸部間の間隔sが0.
3〜100μmで、かつ凸部の高さhと前記間隔sとの
比h/sが0.3〜3の範囲にあることを特徴とする。
【0008】5.本発明の魚介類養殖用漁網の防汚方法
は、漁網の網糸表面に粉体と疎水性樹脂との混合物から
なる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保持が可能な
微細な凹凸構造を設けることを特徴とする。 6.漁網の網糸表面に粉体と疎水性樹脂との混合物から
なる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保持が可能な
微細な凹凸構造を有する防汚性魚介類養殖用漁網に、水
中深部より空気を供給し、網糸表面の空気膜を保持、更
新することにより防汚性を持続することを特徴とする。
は、漁網の網糸表面に粉体と疎水性樹脂との混合物から
なる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保持が可能な
微細な凹凸構造を設けることを特徴とする。 6.漁網の網糸表面に粉体と疎水性樹脂との混合物から
なる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保持が可能な
微細な凹凸構造を有する防汚性魚介類養殖用漁網に、水
中深部より空気を供給し、網糸表面の空気膜を保持、更
新することにより防汚性を持続することを特徴とする。
【0009】本発明では、このように魚介類養殖用漁網
(以下、漁網と略記する。)の網糸の表面を凹凸構造と
して漁網の網糸の表面に空気膜を形成させ、これによっ
て水中生物の付着を防止するのである。以下、本発明の
構成につき詳述する。本発明で用いる漁網は、例えば、
ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドなどの合成樹
脂製マルチフィラメントまたはモノフィラメントを原糸
として用いて施撚して網糸とし、これで編網してなるも
のである。
(以下、漁網と略記する。)の網糸の表面を凹凸構造と
して漁網の網糸の表面に空気膜を形成させ、これによっ
て水中生物の付着を防止するのである。以下、本発明の
構成につき詳述する。本発明で用いる漁網は、例えば、
ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドなどの合成樹
脂製マルチフィラメントまたはモノフィラメントを原糸
として用いて施撚して網糸とし、これで編網してなるも
のである。
【0010】本発明では、この漁網の網糸の表面に、粉
体と疎水製樹脂との混合物を塗布して凸部間の間隔sが
0.3〜100μmで、かつ凸部の高さhと前記間隔s
との比h/sが0.3〜3の範囲にある凹凸構造を表面
に有する撥水性膜体を形成する。凸部間の間隔sが10
0μmより大きい場合には、表面に形成された空気膜は
厚くなるが、水流などの外乱を受けて剥離しやすくなる
傾向がある。また、間隔sが0.3μmより小さい場合
には、表面の凹部内に保持できる空気量が少なく、空気
膜も薄くなるため長期にわたって空気を安定保持するこ
とが困難となる。粉体は、疎水性であるのがよい。この
粉体としては、例えば、疎水性シリカ粒子、ポリテトラ
フルオロエチレン粒子などが挙げられる。これらの少な
くとも1種を用いればよい。なお、無機系粒子を使用す
る場合、例えばパーフルオロアルキルシランなどの表面
処理剤で撥水処理したものを用いるのがよい。
体と疎水製樹脂との混合物を塗布して凸部間の間隔sが
0.3〜100μmで、かつ凸部の高さhと前記間隔s
との比h/sが0.3〜3の範囲にある凹凸構造を表面
に有する撥水性膜体を形成する。凸部間の間隔sが10
0μmより大きい場合には、表面に形成された空気膜は
厚くなるが、水流などの外乱を受けて剥離しやすくなる
傾向がある。また、間隔sが0.3μmより小さい場合
には、表面の凹部内に保持できる空気量が少なく、空気
膜も薄くなるため長期にわたって空気を安定保持するこ
とが困難となる。粉体は、疎水性であるのがよい。この
粉体としては、例えば、疎水性シリカ粒子、ポリテトラ
フルオロエチレン粒子などが挙げられる。これらの少な
くとも1種を用いればよい。なお、無機系粒子を使用す
る場合、例えばパーフルオロアルキルシランなどの表面
処理剤で撥水処理したものを用いるのがよい。
【0011】疎水性樹脂は、魚介類に対して無毒性のも
のであって、水との接触角が90°以上、特に110°
以上のものがよい。例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂などである。これらを少なくとも1種用いればよ
い。
のであって、水との接触角が90°以上、特に110°
以上のものがよい。例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂などである。これらを少なくとも1種用いればよ
い。
【0012】このようにしてなる本発明の漁網は、網糸
の表面に微細な凹凸構造を有しているため、水中におい
て凹部に空気が取り込まれて、そこで空気膜を形成する
ことになる。この作用について図1および図2にしたが
って説明する。図1は本発明の漁網の網糸の表面構造を
示す拡大断面図、図2は撥水性膜体表面が空気を保持し
ている状態の説明用拡大断面図である。図中、2は網糸
表面、3は膜体、6は凹部、7は凸部を示す。なお、図
1および図2においては、膜体の表面に微細な凹凸を付
与するために使用する撥水性微粒子の図示は省略してあ
る。
の表面に微細な凹凸構造を有しているため、水中におい
て凹部に空気が取り込まれて、そこで空気膜を形成する
ことになる。この作用について図1および図2にしたが
って説明する。図1は本発明の漁網の網糸の表面構造を
示す拡大断面図、図2は撥水性膜体表面が空気を保持し
ている状態の説明用拡大断面図である。図中、2は網糸
表面、3は膜体、6は凹部、7は凸部を示す。なお、図
1および図2においては、膜体の表面に微細な凹凸を付
与するために使用する撥水性微粒子の図示は省略してあ
る。
【0013】図1において、網糸表面2に付与された膜
体3は、その表面に微細な凹部6および凸部7からなる
凹凸構造が形成されている。凸部7間の間隔sは0.3
〜100μmで、かつ高さhと間隔sとの比h/sは
0.3〜3の範囲にある。そして、膜体3は、それ自体
が撥水性材料からなり、しかも上記のように微細な凹凸
構造を有していることから、図2に示すように水10中
において、凹部6内に空気aを閉じ込めることになる。
体3は、その表面に微細な凹部6および凸部7からなる
凹凸構造が形成されている。凸部7間の間隔sは0.3
〜100μmで、かつ高さhと間隔sとの比h/sは
0.3〜3の範囲にある。そして、膜体3は、それ自体
が撥水性材料からなり、しかも上記のように微細な凹凸
構造を有していることから、図2に示すように水10中
において、凹部6内に空気aを閉じ込めることになる。
【0014】実際には、このような膜体3は陸上で形成
されているため、図2に示すように、この膜体3の表面
が水10中に浸漬されると、凹部6の浸水位置における
水圧Pと、水の表面張力とが平衡状態となり、空気aが
凹部6内に保持されて膜体3の表面には薄い空気膜が安
定して形成されるため、この空気膜によって水中生物は
膜体3の表面に付着できなくなるか、または付着しにく
くなり、有効な防汚性が達成できるのである。
されているため、図2に示すように、この膜体3の表面
が水10中に浸漬されると、凹部6の浸水位置における
水圧Pと、水の表面張力とが平衡状態となり、空気aが
凹部6内に保持されて膜体3の表面には薄い空気膜が安
定して形成されるため、この空気膜によって水中生物は
膜体3の表面に付着できなくなるか、または付着しにく
くなり、有効な防汚性が達成できるのである。
【0015】なお、膜体3を比較的大きな粒子を含有す
るアンカー層としての第1の膜体と、撥水性微粒子を含
有する表面層としての第2の膜体からなる多層構造とす
ることにより、膜体3の網糸表面2に対する接着性が向
上して、防汚性改良効果の信頼性を一層高めることがで
きる。このように、漁網の網糸の表面に対し、無毒性の
撥水性材料からなり、かつ表面に微細な凹凸構造を有す
る膜体を形成することにより、水中生物の付着を有効に
防止して、防汚性を改良した本発明の漁網を得ることが
できるが、この漁網を実用に供する場合には、漁網の下
部の数箇所から、少量の空気を継続的または断続的に供
給することによって、水中生物の付着防止効果をさらに
向上させ、防汚性の維持改善を図ることができる。すな
わち、漁網に、水中深部より空気を供給し、網糸表面の
空気膜を保持、更新することにより防汚性を持続するこ
とが可能となる。
るアンカー層としての第1の膜体と、撥水性微粒子を含
有する表面層としての第2の膜体からなる多層構造とす
ることにより、膜体3の網糸表面2に対する接着性が向
上して、防汚性改良効果の信頼性を一層高めることがで
きる。このように、漁網の網糸の表面に対し、無毒性の
撥水性材料からなり、かつ表面に微細な凹凸構造を有す
る膜体を形成することにより、水中生物の付着を有効に
防止して、防汚性を改良した本発明の漁網を得ることが
できるが、この漁網を実用に供する場合には、漁網の下
部の数箇所から、少量の空気を継続的または断続的に供
給することによって、水中生物の付着防止効果をさらに
向上させ、防汚性の維持改善を図ることができる。すな
わち、漁網に、水中深部より空気を供給し、網糸表面の
空気膜を保持、更新することにより防汚性を持続するこ
とが可能となる。
【0016】この作用について図3にしたがって説明す
る。図3は膜体表面に形成される空気層を示す拡大断面
図である。図3において、膜体3の凹部6内に空気aが
保持された状態で、その近傍にさらに新たな空気bが供
給されると、この空気bは表面エネルギー減少作用によ
り、前記空気aと容易に合体して、膜体3の表面上に薄
い空気膜8を形成し、膜体3の表面と、空気膜8と、水
10との三層構造となる。
る。図3は膜体表面に形成される空気層を示す拡大断面
図である。図3において、膜体3の凹部6内に空気aが
保持された状態で、その近傍にさらに新たな空気bが供
給されると、この空気bは表面エネルギー減少作用によ
り、前記空気aと容易に合体して、膜体3の表面上に薄
い空気膜8を形成し、膜体3の表面と、空気膜8と、水
10との三層構造となる。
【0017】すなわち、空気膜8を形成する膜体表面
は、外部から新たな空気bが供給されると、既に表面に
付着して存在している空気aが核となり、これが新たな
空気bを取り込んで、周囲に拡散させる性質を持ってい
る。したがって、漁網の下部から供給された空気は、漁
網の網糸表面2の膜体3に付着した空気膜8を厚くする
とともに、浮力の影響によって上方に向かう膜状の流れ
を形成する。
は、外部から新たな空気bが供給されると、既に表面に
付着して存在している空気aが核となり、これが新たな
空気bを取り込んで、周囲に拡散させる性質を持ってい
る。したがって、漁網の下部から供給された空気は、漁
網の網糸表面2の膜体3に付着した空気膜8を厚くする
とともに、浮力の影響によって上方に向かう膜状の流れ
を形成する。
【0018】このように、網糸表面2の膜体3に付着し
た空気膜8が厚くなると、水中生物は膜体3の表面に接
近するのがさらに困難になり、結果的に膜体3の表面の
生物付着防止効果がいっそう向上することになる。ま
た、新たな空気bの供給は、網糸表面2の膜体3に形成
された空気膜8を厚くするので、それだけ膜体3の表面
が海水に接する機会を減少させ、表面の汚損を防止する
ので膜体3の表面の空気膜形成能の持続性を向上させる
効果を持つのである。
た空気膜8が厚くなると、水中生物は膜体3の表面に接
近するのがさらに困難になり、結果的に膜体3の表面の
生物付着防止効果がいっそう向上することになる。ま
た、新たな空気bの供給は、網糸表面2の膜体3に形成
された空気膜8を厚くするので、それだけ膜体3の表面
が海水に接する機会を減少させ、表面の汚損を防止する
ので膜体3の表面の空気膜形成能の持続性を向上させる
効果を持つのである。
【0019】以上説明したように、本発明の防汚性魚介
類養殖用漁網は、その防汚性が極めて優れるものであ
る。以下に、実施例を挙げて、本発明の構成および効果
についてさらに詳述する。
類養殖用漁網は、その防汚性が極めて優れるものであ
る。以下に、実施例を挙げて、本発明の構成および効果
についてさらに詳述する。
【0020】
【実施例】本発明の効果を実証するために、図4に示し
た装置を用いて、表面防汚処理した魚介類養殖用漁網の
海中浸漬実験を、空気供給と無供給の2ケースについて
同時に実施した。この実験では、大きさ1m×1m角、
網目寸法約3cm角、網太さ約2mmのナイロン製漁網
を使用した。
た装置を用いて、表面防汚処理した魚介類養殖用漁網の
海中浸漬実験を、空気供給と無供給の2ケースについて
同時に実施した。この実験では、大きさ1m×1m角、
網目寸法約3cm角、網太さ約2mmのナイロン製漁網
を使用した。
【0021】漁網の網糸への塗装は、まず下地として平
均粒径43μmのガラスビーズを20%含むエポキシ樹
脂を刷毛塗りし、網糸表面にマクロな凸凹構造を形成さ
せた。次に、フッ素系コーティング剤と、平均粒径4μ
mのポリテトラフルオロエチレン粒子を、コーティング
剤固形分重量に対し80%の割合で混合し、酢酸ブチル
を適宜加えて十分攪拌した分散液を下地塗装面に刷毛塗
りし、室温で乾燥させた。
均粒径43μmのガラスビーズを20%含むエポキシ樹
脂を刷毛塗りし、網糸表面にマクロな凸凹構造を形成さ
せた。次に、フッ素系コーティング剤と、平均粒径4μ
mのポリテトラフルオロエチレン粒子を、コーティング
剤固形分重量に対し80%の割合で混合し、酢酸ブチル
を適宜加えて十分攪拌した分散液を下地塗装面に刷毛塗
りし、室温で乾燥させた。
【0022】このようにして表面処理した漁網を水中に
浸漬すると、いずれの姿勢においても漁網の表面全面に
空気膜が形成されているのが観察された。そして、この
漁網の表面に注射針で空気を注入すると、その空気は気
泡となって浮上することなく空気膜中に取り込まれるの
が観察された。なお、この漁網は、網糸の表面だけでな
く網糸の内部にも空気を保有しているので、浮力が大き
く水中に沈むことはない。
浸漬すると、いずれの姿勢においても漁網の表面全面に
空気膜が形成されているのが観察された。そして、この
漁網の表面に注射針で空気を注入すると、その空気は気
泡となって浮上することなく空気膜中に取り込まれるの
が観察された。なお、この漁網は、網糸の表面だけでな
く網糸の内部にも空気を保有しているので、浮力が大き
く水中に沈むことはない。
【0023】図4に示した試験装置において、海中浸漬
実験に使用される漁網20は、防錆処理した漁網固定用
パイプフレーム21に固定され、空気を供給する場合の
空気供給系統を追加した。空気供給系統は、コンプレッ
サ22により圧縮された空気を、流量調整用ニードル弁
23、流量計24を経て、漁網20の下部に取付けられ
た外径26mmの塩化ビニールパイプ25に流入させ、
パイプ25の長手方向一列に等間隔で配置された10本
の空気供給ノズル26に分配して、漁網の網糸表面に供
給するようにした。
実験に使用される漁網20は、防錆処理した漁網固定用
パイプフレーム21に固定され、空気を供給する場合の
空気供給系統を追加した。空気供給系統は、コンプレッ
サ22により圧縮された空気を、流量調整用ニードル弁
23、流量計24を経て、漁網20の下部に取付けられ
た外径26mmの塩化ビニールパイプ25に流入させ、
パイプ25の長手方向一列に等間隔で配置された10本
の空気供給ノズル26に分配して、漁網の網糸表面に供
給するようにした。
【0024】空気供給ノズル26としては、長さ15m
m、内径0.5mm、外径1.5mmのポリテトラフル
オロエチレン製チューブを使用した。海中浸漬実験で
は、漁網を固定したパイプフレーム21を、筏から漁網
の上端が水面から30cmとなるように垂直に沈め、漁
網への水中生物の付着状況を定期的に目視観察した。な
お、空気を供給する場合の供給空気量は、200cc/
分とし、連続的に供給した。
m、内径0.5mm、外径1.5mmのポリテトラフル
オロエチレン製チューブを使用した。海中浸漬実験で
は、漁網を固定したパイプフレーム21を、筏から漁網
の上端が水面から30cmとなるように垂直に沈め、漁
網への水中生物の付着状況を定期的に目視観察した。な
お、空気を供給する場合の供給空気量は、200cc/
分とし、連続的に供給した。
【0025】また、比較用として無表面処理の漁網につ
いても同時に実験を実施した。なお、これらの実験は岡
山県玉野市の海岸で5月から10月にかけて実施した。
漁網の水中生物付着状況評価結果を表1に示す。
いても同時に実験を実施した。なお、これらの実験は岡
山県玉野市の海岸で5月から10月にかけて実施した。
漁網の水中生物付着状況評価結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 表1の結果から明らかなように、無表面処理の漁網は、
浸漬3ケ月後で藻類付着による目詰まりが発生した。一
方、表面処理漁網は、空気無供給の場合、浸漬2ケ月後
で漁網下部でスライムの付着が目立つようになり、6ケ
月後では一部に藻類付着による目詰まりが見られた。し
かし、空気供給の場合には、浸漬3ケ月後まで漁網表面
の変化は見られず、6ケ月後でも藻類が網目交差部を中
心にわずかに付着している程度であったこのように、本
発明の漁網および防汚方法によれば、防汚性が極めて優
れ、藻類、貝類などによる目詰まり発生までの期間を大
幅に延長できることが確認された。
浸漬3ケ月後で藻類付着による目詰まりが発生した。一
方、表面処理漁網は、空気無供給の場合、浸漬2ケ月後
で漁網下部でスライムの付着が目立つようになり、6ケ
月後では一部に藻類付着による目詰まりが見られた。し
かし、空気供給の場合には、浸漬3ケ月後まで漁網表面
の変化は見られず、6ケ月後でも藻類が網目交差部を中
心にわずかに付着している程度であったこのように、本
発明の漁網および防汚方法によれば、防汚性が極めて優
れ、藻類、貝類などによる目詰まり発生までの期間を大
幅に延長できることが確認された。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように本発明の魚介類養殖用
漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方法によれば、使用
する材料(粉体、樹脂)は毒性がなく、水中に溶出する
ことがないので、海洋汚染の心配がなく、魚介類の体内
に有害な物質が蓄積されることがないので、安心して養
殖等に使用できる。さらに、長期にわたり防汚性を持続
することができ、特に漁網の下部から空気を少量供給す
ることにより、防汚性の持続期間を飛躍的に延長するこ
とができる。また、空気膜形成性塗料(粉体と樹脂との
混合物)は離型性にも優れているので、たとえ水中生物
が漁網に付着したとしてもその付着は強固ではなく、潮
流や波によって脱落しやすい。
漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方法によれば、使用
する材料(粉体、樹脂)は毒性がなく、水中に溶出する
ことがないので、海洋汚染の心配がなく、魚介類の体内
に有害な物質が蓄積されることがないので、安心して養
殖等に使用できる。さらに、長期にわたり防汚性を持続
することができ、特に漁網の下部から空気を少量供給す
ることにより、防汚性の持続期間を飛躍的に延長するこ
とができる。また、空気膜形成性塗料(粉体と樹脂との
混合物)は離型性にも優れているので、たとえ水中生物
が漁網に付着したとしてもその付着は強固ではなく、潮
流や波によって脱落しやすい。
【図1】本発明の漁網の網糸の表面構造を示す拡大断面
図である。
図である。
【図2】膜体表面が空気を保持している状態の説明用拡
大断面図である。
大断面図である。
【図3】膜体表面に形成される空気層を示す拡大断面図
である。
である。
【図4】実施例で使用する試験装置の概略図である。
2 漁網の網糸表面 3 膜体 6 凹部 7 凸部 8 空気膜 10 水 20 漁網 21 漁網固
定用パイプフレーム a 空気 22 コンプレ
ッサ 23 ニードル弁 24 流量計 25 塩化ビニールパイプ 26 空気供
給ノズル
定用パイプフレーム a 空気 22 コンプレ
ッサ 23 ニードル弁 24 流量計 25 塩化ビニールパイプ 26 空気供
給ノズル
Claims (6)
- 【請求項1】 漁網の網糸表面に粉体と疎水性樹脂との
混合物からなる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保
持が可能な微細な凹凸構造を有することを特徴とする防
汚性魚介類養殖用漁網。 - 【請求項2】 粉体が無機系粒子、フッ素樹脂粒子、シ
リコーン系樹脂粒子、その他の有機系粒子から選択され
た1種または2種以上からなる請求項1に記載の防汚性
魚介類養殖用漁網。 - 【請求項3】 疎水性樹脂が、フッ素樹脂、シリコーン
樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイ
ミド樹脂の群から選択された1種または2種以上からな
る請求項1に記載の防汚性魚介類養殖用漁網。 - 【請求項4】 微細な凹凸構造が、凸部間の間隔sが
0.3〜100μmで、かつ凸部の高さhと前記間隔s
との比h/sが0.3〜3の範囲にある請求項1に記載
の防汚性魚介類養殖用漁網。 - 【請求項5】 漁網の網糸表面に粉体と疎水性樹脂との
混合物からなる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保
持が可能な微細な凹凸構造を設けることを特徴とする防
汚性魚介類養殖用漁網の防汚方法。 - 【請求項6】 漁網の網糸表面に粉体と疎水性樹脂との
混合物からなる撥水性膜体を形成し、網糸表面に空気保
持が可能な微細な凹凸構造を有する防汚性魚介類養殖用
漁網に、水中深部より空気を供給し、網糸表面の空気膜
を保持、更新することにより防汚性を持続する防汚性魚
介類養殖用漁網の使用方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17709194A JPH0837997A (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | 防汚性魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17709194A JPH0837997A (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | 防汚性魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0837997A true JPH0837997A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16024979
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17709194A Withdrawn JPH0837997A (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | 防汚性魚介類養殖用漁網および魚介類養殖用漁網の防汚方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0837997A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2316633A (en) * | 1996-08-26 | 1998-03-04 | Nippon Paint Co Ltd | Antifouling coating |
| JPH10168351A (ja) * | 1996-12-12 | 1998-06-23 | Nippon Paint Co Ltd | 防汚塗料組成物 |
| JP2007169628A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-07-05 | Nippon Paint Co Ltd | 塗料組成物、塗膜、水中摩擦低減方法及び塗料組成物の製造方法 |
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| EP3014990A4 (en) * | 2013-06-24 | 2017-03-08 | Daikin Industries, Ltd. | Fabric for preventing adhesion of aquatic organisms |
| CN115489097A (zh) * | 2021-06-17 | 2022-12-20 | 香港理工大学 | 一种防生物污损膜及其制备方法和应用 |
| CN116284928A (zh) * | 2023-03-09 | 2023-06-23 | 武汉理工大学 | 深海养殖复合改性网衣及其制备方法、应用 |
-
1994
- 1994-07-28 JP JP17709194A patent/JPH0837997A/ja not_active Withdrawn
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| US6214902B1 (en) | 1996-08-26 | 2001-04-10 | Nippon Paint Co., Ltd. | Nonelution type antifouling method and antifouling coating composition |
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