JPH0839257A - プラズマトーチのスタンドオフ制御装置 - Google Patents

プラズマトーチのスタンドオフ制御装置

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JPH0839257A
JPH0839257A JP21412595A JP21412595A JPH0839257A JP H0839257 A JPH0839257 A JP H0839257A JP 21412595 A JP21412595 A JP 21412595A JP 21412595 A JP21412595 A JP 21412595A JP H0839257 A JPH0839257 A JP H0839257A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 設定値に対するスタンドオフのずれを迅速に
修正することができるプラズマトーチのスタンドオフ制
御装置の提供 【構成】 トーチの電極または電極周囲のノズルと被加
工材との間の電圧を検出する電圧検出器と、電圧検出器
が出力する検出電圧を基準電圧と比較してスタンドオフ
の間隔を制御するプラズマトーチのスタンドオフ制御装
置において、前記基準電圧と検出電圧との偏差が、予め
定めた所定値以上に達したとき、ト−チを被加工材より
退避させるよう構成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極と被切断材と
の間にプラズマア−クを発生させて被切断材を切断する
プラズマ切断機等におけるプラズマト−チと被加工材と
の間隔を制御するプラズマトーチのスタンドオフ制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマ切断機は、電極の周囲にノズル
を設け、作動ガスの流路を形成するとともに、電極の先
端前方において電極と被切断材との間に発生させたプラ
ズマを絞り、プラズマを高温にするとともに、プラズマ
ア−クの大きさを一定にして良好な切断面形状が得られ
るようにしている。ところが、電極とノズルとからなる
ト−チと被切断材との間隔が変動すると、プラズマア−
クを持続できなかったり、プラズマア−クの大きさが変
化して良好な切断形状を得ることができない。このた
め、プラズマ切断機においては、ト−チと被切断材との
間隔(いわゆるトーチ高さ、スタンドオフ)を一定に保
持して良好な切断を行うことができるようにしている。
【0003】スタンドオフを制御する場合、電極または
ノズルと被切断材との間の電圧(ア−ク電圧)がスタン
ドオフと比例する関係にあることが知られており、しば
しばこれを利用して電極と被切断材との間の電圧、また
はノズルと被切断材との間の電圧を検出し、これらの電
圧を一定の値に保持するスタンドオフ制御装置が利用さ
れている(例えば、特開昭57−195582号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のア−ク電圧を検出してスタンドオフを一定に保持する
装置は、検出したア−ク電圧の基準電圧に対する偏差の
大きさに対応させてト−チの変位量を変化させるだけで
あるため、偏差が大きい場合に予め定めたスタンドオフ
にするのに時間がかかり、応答遅れが生じて充分な切断
精度を得ることができない。また、偏差が異常に大きく
なった場合には、スタンドオフ制御を行う回路とは異な
る異常電圧検出回路により検知し、ア−クをオフするよ
うにしており、切断作業の能率を低下させる。しかも、
従来は、偏差電圧が負側に大きく振れた場合には、ト−
チが高速で下降し始めるため、ト−チの下降が継続して
ト−チが被切断材と衝突し、ト−チや被切断材を損傷さ
せる危険がある。
【0005】本発明は、前記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、設定値に対するスタンドオフの
ずれを迅速に修正することができるプラズマトーチのス
タンドオフ制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わるプラズマトーチのスタンドオフ制御
装置は、トーチの電極または電極周囲のノズルと被加工
材との間の電圧を検出する電圧検出器と、電圧検出器が
出力する検出電圧を基準電圧と比較してスタンドオフの
間隔を制御するプラズマトーチのスタンドオフ制御装置
において、次のように構成した。
【0007】第1に、前記基準電圧と検出電圧との偏差
が、予め定めた所定値以上に達したとき、ト−チを被加
工材より退避させるよう構成されたことを特徴としてい
る。
【0008】第2に、前記基準電圧と検出電圧との偏差
に基づき移動するト−チの移動量を被加工材へのト−チ
の接近時と非接近時とで相違させるよう構成されたこと
を特徴としている。
【0009】第3に、前記基準電圧と検出電圧との偏差
に基づくト−チの移動量が、予め定めたスタンドオフ近
傍では、ト−チの移動量を低減又は停止させるよう構成
されたことを特徴としている。
【0010】第4に、前記基準電圧と検出電圧との偏差
が予め定めた所定値以下にあるときは、この偏差を零と
見做し、前記偏差が前記所定値よりも大きく、かつ予め
定めた前記所定値よりも大きい第2の所定値よりも小さ
いときは、この偏差が大きくなるほどトーチの移動量を
大きくし、前記偏差が、前記第2の所定値以上に達した
とき、ト−チを被加工材より退避させるよう構成された
ことを特徴としている。
【0011】
【作用】上記第1によれば、偏差が予め定めた所定値以
上に達したとき、ト−チを被加工材より退避させる補正
信号を出力する。即ち、従来技術のように、トーチが被
加工材と衝突する不都合が解消される。また、ト−チが
被加工材より退避するので、トーチや被加工材等の保守
点検等も支障なく行える。
【0012】上記第2によれば、偏差に基づき移動する
ト−チの移動量を被加工材へのト−チの接近時と非接近
時とで相違させる。即ち、スタンドオフ制御とは、被加
工材へのト−チの接近時と非接近時とにおいて、目標ス
タンドオフに復帰させる動作をトーチに行わせる制御で
あるが、目標スタンドオフは極めて小さいのが普通であ
るため、接近時と非接近時とでは自ずと異なる制御をす
るのが望ましい。例えば接近時は、トーチと被加工材と
の衝突を回避するために注意深く又は鈍く(即ち、例え
ば単位偏差当たりの移動量を小さく)、他方非接近時
は、トーチと被加工材との衝突は無いため粗く又は素早
く(即ち、単位偏差当たりの移動量を大きく)するのが
よい。勿論、目標スタンドオフ以下の接近時のみ注意深
く又は鈍く(即ち、例えば単位偏差当たりの移動量を小
さく)する等してもよい。このようにすることにより、
高効率加工を達成できる。
【0013】上記第3によれば、偏差に基づくト−チの
移動量が、予め定めたスタンドオフ近傍(即ち、目標ス
タンドオフ近傍)では、ト−チの移動量を低減又は停止
させる補正信号を出力する。即ち、仮に実際スタンドオ
フが、目標スタンドオフである場合、当然に最適加工
(例えば、高品質の切断)が得られる筈である。ところ
が、このときもスタンドオフ制御を行うと、前回のトー
チの変動による被加工材への入熱変化による切断巾の変
化や、目標スタンドオフが小さいために生ずるプラズマ
ガスの吹き上がりや溶融金属の不均一な吹き飛ばし等に
よる偏差が生じ、スタンドオフ制御が作用して目標スタ
ンドオフを維持できなくなり、この結果、より大きな偏
差が生じて安定した加工を実施できなくなる。それ故、
本第3では、目標の加工精度が得られる目標スタンドオ
フ近傍については、ト−チの移動量を低減又は停止させ
ている。これにより、安定した加工を確保している。
【0014】上記第4は、上記第3と上記第1とを取り
込んでさらに中間制御を加味したものである。即ち、第
4に、偏差が予め定めた所定値以下にあるときは、この
偏差を零と見做して補正信号を出力せず(即ち、上記第
3の構成に準ずる)、偏差が前記所定値よりも大きく、
かつ予め定めた前記所定値よりも大きい第2の所定値よ
りも小さいときは、この偏差が大きくなるほどトーチの
移動量を大きくする補正信号を出力し(即ち、上記中間
制御)、前記偏差が、前記第2の所定値以上に達したと
き、ト−チを被加工材より退避させる補正信号を出力す
る(即ち、上記第1の構成)。このような第4によれ
ば、中間制御において、偏差が大きくなるに従いト−チ
の例えば昇降速度を速くなるため、ト−チを目標スタン
ドオフに迅速に復帰できる。また言い換えれば、偏差が
小さくなるに従いト−チの昇降速度が小さくなるため、
ト−チのオ−バシュ−トを避けることができる。他の前
後構成の作用は前述しているので省略する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマトーチのスタン
ドオフ制御装置を、プラズマトーチのスタンドオフ制御
方法とともに、添付図面に従って詳説する。
【0016】第2図は、本発明のスタンドオフ制御装置
を実施例する装置の一例を示すブロック図である。
【0017】第2図において、トランスファア−ク型の
プラズマ切断機ロボットのト−チ10は、電極12の周
囲に図示しない作動ガスの流路を形成するノズル14が
配置してある。そして、電極12は、直流電源16を介
してノズル14と被切断材18とに電気的に接続され、
ノズル14との間にパイロットア−クを発生するととも
に、被切断材18との間にメインプラズマア−ク20を
発生するようになっている。一方、ノズル14は、下端
部が狭く絞られており、プラズマア−ク20を絞って高
温プラズマが得られるようにしてある。
【0018】また、電極12とノズル14とのそれぞれ
と被切断材18とは、電圧検出器24、26に接続して
ある。この電圧検出器24は、電極12と被切断材18
との間の電圧(ア−ク電圧)を検出し、検出電圧e1 を
詳細を後述するスタンドオフ補正演算器28に入力す
る。そして、電圧検出器26は、ノズル14と被切断材
18との間の電圧(ア−ク電圧)を検出し、検出電圧e
2 をスタンドオフ補正演算器28に入力する。
【0019】スタンドオフ補正演算器28は、入力して
きた検出電圧e1 、e2 からト−チの昇降方向、昇降速
度、昇降量等の補正量を求め、出力側に接続してある制
御装置30に入力する。制御装置30は、スタンドオフ
補正演算器28からの制御量に基づき、ロボットのト−
チ10を昇降させる昇降装置32を駆動してト−チ10
を昇降させ、ト−チ10と被切断材18との間隔が所定
のスタンドオフHo となるようにする。
【0020】スタンドオフ補正演算器28は、第1図に
示すように、電極消耗・スタンドオフ検出器34と基準
電圧演算設定器36と、これらの信号が入力する偏差演
算器37と、この偏差演算器37が出力した偏差に基づ
いて、ト−チ10を昇降させる補正量を求める補正量演
算器38とからなっている。
【0021】電極消耗・スタンドオフ検出器34は、電
圧検出器24、26が出力する検出電圧e1 、e2 を受
けて後述するように電極12の消耗量を求め、消耗量に
応じた電極消耗信号を図示しない表示装置等に出力する
とともに、実際のスタンドオフ量Hを求めてそれに応じ
たスタンドオフ信号EH を偏差演算器37に出力する。
【0022】また、基準電圧演算設定器36は、被切断
材18の板厚、材質、ノズル径、目標スタンドオフHo
、切断速度デ−タに基づいた基準電圧Eo を偏差演算
器37に出力する。
【0023】補正量演算器38は、第3図に示したよう
なテ−ブルを有し、偏差演算器37が出力する、スタン
ドオフ信号EH の基準電圧Eo に対する偏差△Eに基づ
いて、ト−チ10をスタンドオフHo に戻すための、偏
差△Eに応じた大きさの補正電圧△EH を制御装置30
に出力する。すなわち、補正量演算器38が有するテ−
ブルは、予め定めた第1の偏差の範囲±△E1 において
は、補正電圧△EH を出力せず、偏差△Eが+△E1 と
+△E2 との間にあると、偏差が大きくなるに従いト−
チ10の上昇速度を大きくするような補正電圧△EH を
出力し、偏差△Eが−△E1 と−△E2 との間にある
と、偏差が大きくなるに従いト−チ10の下降速度を大
きくするような補正電圧−△EH を出力するようになっ
ている。さらに、テ−ブルは、偏差△Eが±△E2 を越
えると、偏差の大きさに応じたト−チ10の上昇または
下降速度の変化の割合をより大きくした補正電圧±△E
H を出力する。そして、偏差△Eが予め定めた第3の値
±△E3 を越えると、装置に異常が生じたものとして、
ト−チ10を被加工材より離すようになっている。
【0024】上記の如く構成した装置によるスタンドオ
フ制御方法は次の如くして行われる。
【0025】ア−ク電圧eは、スタンドオフHの値によ
って変化し、スタンドオフHとの間に、第4図のような
比例関係がある。そして、設定するスタンドオフHo
は、被切断材18の材質、厚さ、ト−チ10のノズル1
4の径、切断速度Vによって定まる。そこで、スタンド
オフ補正演算器28の基準電圧演算設定器36は、被切
断材18の材質、厚さ、ト−チ10のノズル14の径、
目標スタンドオフHo 等が図示しないキ−ボ−ドや操作
パネル等から入力されると、標準切断速度Vo (例え
ば、1m/s)に対するア−ク電圧eo を次の数1によ
り演算し、これを基準電圧Eo として偏差演算器37に
出力する。
【0026】
【数1】eo = { Ks1+Ks2 (Ho +Kt )} x Kn
【0027】ただし、ここに Ks1、Ks2、Kt 、Kn
は、被切断材18の材質や厚さによって予め実験等によ
り求められ、第5図に示したように、テ−ブルとして基
準電圧演算設定器36内に格納してある。
【0028】なお、基準電圧演算設定器36は、内部に
被切断材18の材質、板厚、ノズル径、切断速度の各値
によって定まるスタンドオフに対応した第4図のような
テ−ブルを格納しておき、被切断材18の材質やノズル
径などと設定スタンドオフHo とが操作パネル等によっ
て与えられたときに、被切断材18の材質やノズル径の
値などに対応したテ−ブルを選択し、入力されたスタン
ドオフHo によって定まる基準電圧Eo を出力するよう
にしてもよい。
【0029】制御装置30には、被切断材18を切断す
る形状、切断速度等の切断プログラムが与えられてお
り、電極12−被切断材18間がア−ク電圧eo となる
位置までロボットの昇降装置32を介してト−チ10を
下降させ、切断を開始する。
【0030】一方、電圧検出器24、26は、切断が開
始されると、10ms等の所定時間毎に電極12−被切
断材18間の検出電圧e1 とト−チ10−被切断材18
間の検出電圧e2 とを検出し、スタンドオフ補正演算器
28の電極消耗・スタンドオフ検出器34に入力する。
【0031】ところで、電圧検出器24、26が検出し
たア−ク電圧e1 ,e2 は、スタンドオフHo を一定に
保持したとしても、電極が消耗することにより、第6図
のように変化する。そこで、電極消耗・スタンドオフ検
出器34は、次の数2から電極消耗成分Ep と、次の数
3からスタンドオフ成分Es を演算し、これらの数2及
び数3から求めた電極12の消耗量を求め、消耗量に応
じた電極消耗信号を図示しない表示装置等に出力して表
示させる。
【0032】
【数2】Ep =ae1 +be2
【0033】
【数3】Es =a’e1 +b’e2
【0034】そして、電圧検出器24が、検出した検出
電圧e1 に、第6図に示した電極12の消耗による電圧
の上昇分を除去したスタンドオフ信号EH を偏差演算器
37に出力する。
【0035】基準電圧演算設定器36には、ト−チ10
が切断を開始すると、図示しない切断速度検出器が検出
した切断速度、または制御装置30から切断速度デ−タ
(切断速度V)が入力してくる。そして、基準電圧演算
設定器36は、切断速度Vが入力してくると、切断速度
Vに応じてア−ク電圧eo を補正して基準電圧Eo とし
て出力する。
【0036】すなわち、ア−ク電圧eは、切断速度Vと
の間に第7図のような関係を有しており、切断速度Vが
大きくなると低下し、切断速度Vが小さくなると上昇す
る。このため、ト−チ10が設定スタンドオフHo に保
持されているとしても、切断速度Vが変化すると、偏差
演算器37が出力する偏差が大きくなり、補正量演算器
38がト−チ10を昇降させるための補正信号を出力
し、ト−チ10がスタンドオフHo からずれ、切断形状
を悪化させる。そこで、基準電圧演算設定器36は、被
切断材18の材質、板厚、ノズル径、スタンドオフHo
の各値に対応して格納してある第7図のテ−ブルから、
スタンドオフHo に対応して求められたア−ク電圧eの
切断速度Vの変化に対する補正電圧△eV を求め、基準
電圧Eo を
【0037】
【数4】Eo =eo ±△ev のように演算して偏差演算器37に出力する。すなわ
ち、切断速度が基準より遅くなった場合に、eo から電
圧の上昇分△ev を減算した値を基準電圧Eo として出
力し、切断速度が基準より速くなった場合に、eo に電
圧の低下分△ev を加えた値を基準電圧Eo として出力
する。ただし、切断速度Vがある値、例えば2m/sを
越えた場合には、補正量△ev が一定となる。なお、こ
の切断速度Vによる基準電圧Eo の補正は、次の数5又
は数6の演算によって行ってもよい。
【0038】
【数5】0<V≦KV2のとき、 Eo =eo −KV1×(V−1)
【0039】
【数6】V>KV2のとき、 Eo =eo −KV1×(KV2−1)
【0040】ここに、KV1、KV2は、第5図に示した補
正係数である。
【0041】偏差演算器37は、電極消耗・スタンドオ
フ検出器34が出力したスタンドオフ信号EH の基準電
圧Eo に対する偏差△Eを求め、補正量演算器38に出
力する。すなわち、偏差演算器37は、ト−チ10のス
タンドオフ量が設定値Ho より大きくなって、スタンド
オフ信号EH が基準電圧Eo より大きな場合には、スタ
ンドオフ信号EH の大きさに応じた負の偏差−△Eを出
力し、逆の場合には正の偏差+△Eを出力する。
【0042】補正量演算器38は、第3図に示したテ−
ブルに基づいて、入力してきた偏差△Eに対応してト−
チ10とスタンドオフHo に急速に戻すための補正電圧
△EH を制御装置30に出力する。そして、制御装置3
0は、補正電圧△EH を受けると、ト−チ10の昇降速
度とト−チ10の昇降量とを求め、昇降装置32を駆動
して△EH に応じた速度でト−チ10昇降させ、設定ス
タンドオフHo に戻す。
【0043】このように、実施例においては、電極12
−被切断材18間の検出電圧e1 の基準電圧Eo に対す
る偏差△Eの大きさに応じてト−チ10の昇降速度を大
きくするため、ト−チ10が設定スタンドオフHo から
ずれた場合に、速やかにスタンドオフHo に戻され、良
好な切断を行うことができる。しかも、偏差△Eの小さ
い部分に補正信号を出力しない不感帯を設けているた
め、設定スタンドオフHo 近辺におけるト−チ10の不
安定な変動を防止でき、切断面を良好にすることができ
る。さらに、実施例においては、電極12の消耗による
ア−ク電圧の変化と、切断速度Vの変化に対するア−ク
電圧の変化とを補正しているため、より良好な切断を行
うことができる。また、ト−チ10の昇降速度の変化の
割合を、偏差△Eの小さな部分で小さくしているため、
ト−チ10のオ−バ−シュ−トを防ぐことができる。
【0044】なお、前記実施例においては、ア−ク電圧
として電極12−被切断材18間検出電圧e1 を用いて
スタンドオフHを制御する場合について説明したが、ノ
ズル14−被切断材18間の検出電圧e2 を利用してス
タンドオフHの制御を行ってもよい。
【0045】第8図は、他の実施例を説明するフロ−チ
ャ−トである。スタンドオフ補正演算器28の基準電圧
演算設定器36には、第3図の破線に示したように、電
圧検出器24、26による検出電圧e1 ,e2 が入力す
るようになっている。そして、基準電圧演算設定器36
は、入力してきた検出電圧e1 または検出電圧e2 に基
づいて基準電圧Eo を求めるようになっている。
【0046】すなわち、制御装置30は、切断開始の命
令が与えられると、ト−チ10を被切断材18から所定
の高さまで下降させる(第8図ステップ50)。ト−チ
10が下降して所定の高さに達するとリミットスイッチ
(図示せず)が作動し(ステップ52)、ト−チ10が
所定の高さに達したことが検知される。その後、制御装
置30は、ト−チ10の下降速度を落としてト−チ10
をピアス高さにし、ピアシングをする(ステップ54、
56)。そして、制御装置30は、ピアシングが終了す
ると、ト−チ10をさらに下降させ、切断高さにして切
断を開始する(ステップ58、60)。
【0047】この切断高さ、すなわち設定スタンドオフ
Ho は、前記したように被切断材18の材質、厚さ、ト
−チ10のノズル14の径等によって異なり、予め実験
などによって求めた値がキ−ボ−ドや操作パネル等から
制御装置30に与えてある。
【0048】ト−チ10がスタンドオフHo に保たれて
切断が開始されると、電圧検出器24、26は、所定の
時間(例えば、0.1秒毎)に電圧を検出し、検出電圧
e1,e2 を基準電圧演算設定器36と電極消耗・スタ
ンドオフ検出器34とに入力する。基準電圧演算設定器
36は、電圧検出器24、26から入力してくる最初の
数個(例えば3個)の検出電圧e1 または検出電圧e2
を読み込み(ステップ62)、これらの平均値を求めて
基準電圧Eo として出力する(ステップ64)。
【0049】そして、基準電圧演算設定器36は、切断
が進行するに伴い、前記した切断速度Vの変化に対する
補正をした基準電圧Eo を出力する(ステップ68)。
一方、電極消耗・スタンドオフ検出器34は、前記した
と同様に、電極12の消耗による補正をしたスタンドオ
フ信号EH を偏差演算器37に出力する。以下、前記実
施例と同様にして切断を行い、切断が終了すると、ト−
チ10を上昇させる(ステップ70、72)。
【0050】このように、切断開始時のア−ク電圧を基
準電圧Eo とすると、電極の消耗による影響を除去でき
るとともに、基準電圧Eo の設定が容易となる。
【0051】なお、前記実施例においては、トランスフ
ァア−ク型のプラズマ切断機について説明したが、プラ
ズマ切断機はノントランスファア−ク型であってもよ
い。また、前記実施例においては、プラズマ切断機につ
いて説明したが、プラズマ溶接機についても適用するこ
とができる。そして、前記実施例においては、補正量演
算器38の有するテ−ブルが、原点を中心とした点対称
である場合について説明したが、点対称にする必要はな
く、特に−△E3 の絶対値は+△E3 の絶対値より小さ
くして、ト−チ10が被切断材18に接触するのを確実
に防止することが望ましい。そして、第1図に示したテ
−ブルの±△E1 、±△E2 、±△E3 および各線分の
傾斜は、実験等により適宜に決定することができる。
【0052】
【発明の効果】上記実施例の説明から明らかなように、
本発明は、要すれば、特許請求の範囲に記載の手段を講
じたものであり、上記実施例の説明から明らかなよう
に、設定値に対するスタンドオフのずれを迅速に修正す
ることができる。詳しくは次の通りである。
【0053】第1構成によれば、偏差が予め定めた所定
値以上に達したとき、ト−チを被加工材より退避させる
補正信号を出力する。即ち、従来技術のように、トーチ
が被加工材と衝突する不都合が解消される。また、ト−
チが被加工材より退避するので、トーチや被加工材等の
保守点検等も支障なく行える。
【0054】第2構成によれば、偏差に基づき移動する
ト−チの移動量を被加工材へのト−チの接近時と非接近
時とで相違させる。即ち、スタンドオフ制御とは、被加
工材へのト−チの接近時と非接近時とにおいて、目標ス
タンドオフに復帰させる動作をトーチに行わせる制御で
あるが、目標スタンドオフは極めて小さいのが普通であ
る。このため接近時と非接近時とでは自ずと異なる制御
をするのが望ましい。例えば接近時は、トーチと被加工
材との衝突を回避するために注意深く又は鈍く(即ち、
例えば単位偏差当たりの移動量を小さく)、他方非接近
時は、トーチと被加工材との衝突は無いため粗く又は素
早く(即ち、単位偏差当たりの移動量を大きく)するよ
うにしたものでである。勿論、目標スタンドオフ以下で
の接近時のみ、注意深く又は鈍く(即ち、例えば単位偏
差当たりの移動量を小さく)する等してもよい。このよ
うにすることにより、高効率加工を達成できる。
【0055】第3構成によれば、偏差に基づくト−チの
移動量が、予め定めたスタンドオフ近傍(即ち、目標ス
タンドオフ近傍)では、ト−チの移動量を低減又は停止
させる補正信号を出力する。即ち、仮に実際スタンドオ
フが、目標スタンドオフである場合、当然に最適加工
(例えば、高品質の切断)が得られる筈であるが、この
ときもスタンドオフ制御を行っていると、前回のトーチ
の変動による被加工材への入熱変化による切断巾の変化
や、目標スタンドオフが小さいために生ずるプラズマガ
スの吹き上がりや溶融金属の不均一な吹き飛ばし等によ
る偏差が生じ、目標スタンドオフを維持できなくなり、
この結果、より大きな偏差が生じて安定した加工を実施
できなくなる。それ故、本第3では、目標の加工精度が
得られる目標スタンドオフ近傍については、ト−チの移
動量を低減又は停止させている。これにより、安定した
加工を確保している。これは、いわゆる不感帯制御であ
るが、プラズマトーチのスタンドオフ制御における上記
独特の効果が得られるものである。
【0056】第4構成は、上記第3構成と上記第1構成
とを取り込み、さらに中間制御を加味したものである。
即ち、第4構成によれば、偏差が予め定めた所定値以下
にあるときは、この偏差を零と見做して補正信号を出力
せず(即ち、上記第3構成に準ずる)、偏差が前記所定
値よりも大きく、かつ予め定めた前記所定値よりも大き
い第2の所定値よりも小さいときは、この偏差が大きく
なるほどトーチの移動量を大きくする補正信号を出力し
(即ち、上記した中間制御である)、前記偏差が、前記
第2の所定値以上に達したとき、ト−チを被加工材より
退避させる補正信号を出力する(即ち、上記第1構
成)。このような第4によれば、中間制御において、偏
差が大くきなるに従いト−チの例えば昇降速度を速くな
るため、ト−チを目標スタンドオフに迅速に復帰でき
る。また言い換えれば、偏差が小さくなるに従いト−チ
の昇降速度が小さくなるため、ト−チのオ−バシュ−ト
を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ切断装置のスタンドオフ補正演算器の
詳細説明図である。
【図2】実施例の方法を実施するプラズマ切断装置のブ
ロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るスタンドオフ制御方法を
説明する偏差とト−チの昇降速度との関係を示す図であ
る。
【図4】スタンドオフ量とア−ク電圧との関係を示す図
である。
【図5】スタンドオフ補正演算器の基準電圧演算設定器
がア−ク電圧を演算するためのテ−ブルの一例を示す図
である。
【図6】電極の消耗度とア−ク電圧との関係を示す図で
ある。
【図7】切断速度とア−ク電圧との関係を示す図であ
る。
【図8】基準電圧を設定する方法の他の実施例を説明す
るフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
10 ト−チ 12 電極 14 ノズル 18 被切断材 20 プラズマア−ク 24、26 電圧検出器 28 スタンドオフ補正演算器 30 制御装置 32 昇降装置 34 電極消耗・スタンドオフ検出器 36 基準電圧演算設定器 37 偏差演算器 38 補正量演

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トーチの電極または電極周囲のノズルと
    被加工材との間の電圧を検出する電圧検出器と、電圧検
    出器が出力する検出電圧を基準電圧と比較してスタンド
    オフの間隔を制御するプラズマトーチのスタンドオフ制
    御装置において、前記基準電圧と検出電圧との偏差が、
    予め定めた所定値以上に達したとき、ト−チを被加工材
    より退避させるよう構成されたことを特徴とするプラズ
    マト−チのスタンドオフ制御装置。
  2. 【請求項2】 トーチの電極または電極周囲のノズルと
    被加工材との間の電圧を検出する電圧検出器と、電圧検
    出器が出力する検出電圧を基準電圧と比較してスタンド
    オフの間隔を制御するプラズマトーチのスタンドオフ制
    御装置において、前記基準電圧と検出電圧との偏差に基
    づき移動するト−チの移動量を被加工材へのト−チの接
    近時と非接近時とで相違させるよう構成されたことを特
    徴とするプラズマトーチのスタンドオフ制御装置。
  3. 【請求項3】 トーチの電極または電極周囲のノズルと
    被加工材との間の電圧を検出する電圧検出器と、電圧検
    出器が出力する検出電圧を基準電圧と比較してスタンド
    オフの間隔を制御するプラズマトーチのスタンドオフ制
    御装置において、前記基準電圧と検出電圧との偏差に基
    づくト−チの移動量が、予め定めたスタンドオフ近傍で
    は、ト−チの移動量を低減又は停止させるよう構成され
    たことを特徴とするプラズマトーチのスタンドオフ制御
    装置。
  4. 【請求項4】 トーチの電極または電極周囲のノズルと
    被加工材との間の電圧を検出する電圧検出器と、電圧検
    出器が出力する検出電圧を基準電圧と比較してスタンド
    オフの間隔を制御するプラズマトーチのスタンドオフ制
    御装置において、前記基準電圧と検出電圧との偏差が予
    め定めた所定値以下にあるときは、この偏差を零と見做
    し、前記偏差が前記所定値よりも大きく、かつ予め定め
    た前記所定値よりも大きい第2の所定値よりも小さいと
    きは、この偏差が大きくなるほどトーチの移動量を大き
    くし、前記偏差が、前記第2の所定値以上に達したと
    き、ト−チを被加工材より退避させるよう構成されたこ
    とを特徴とするプラズマトーチのスタンドオフ制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160053353A (ko) * 2014-11-03 2016-05-13 현대중공업 주식회사 플라즈마 절단 장치 및 이를 이용한 대상물 절단 방법

Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61266179A (ja) * 1985-05-22 1986-11-25 Tokushu Denkyoku Kk 移行型プラズマアーク溶接装置におけるプラズマアーク電圧の自動制御装置
JPH03297577A (ja) * 1990-04-17 1991-12-27 Komatsu Ltd プラズマ加工機のスタンドオフ制御方法

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