JPH0841463A - 石炭の液化方法 - Google Patents

石炭の液化方法

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JPH0841463A
JPH0841463A JP17534394A JP17534394A JPH0841463A JP H0841463 A JPH0841463 A JP H0841463A JP 17534394 A JP17534394 A JP 17534394A JP 17534394 A JP17534394 A JP 17534394A JP H0841463 A JPH0841463 A JP H0841463A
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Kazuharu Tazawa
和治 田沢
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 石炭を溶剤及び触媒の共存下で水添する水添
工程を含む石炭の液化方法において、前記触媒として平
均粒子径:10μm 以下等のγ−オキシ水酸化鉄を用いる
ことを特徴とする石炭の液化方法。 【効果】 石炭液化用触媒として従来の鉄系触媒(中で
も、従来の水酸化鉄系触媒)を用いる場合よりも、触媒
活性が高くて油分収率を向上し得るようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭の液化方法に関
し、詳細には、触媒の存在下で石炭を水添する水添工程
を含む石炭の液化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の資源エネルギー事情から石油に替
わる液体燃料の開発が強く望まれている。特に、石炭は
その埋蔵量が豊富なことから、石炭を効率良く液化して
液体燃料を得る技術の確立が重要な課題となっている。
このため従来より石炭の液化方法が種々提案されている
が、代表的な石炭の液化方法としては、乾燥及び粉砕さ
れた石炭を溶剤と混合してスラリー状混合体とし、高温
高圧下で水素ガスを添加して水添反応を起こさせ、液化
させるものである。
【0003】かかる石炭の水添反応(液化反応)を起こ
させる際、原料石炭の種類によっては触媒を添加するこ
となく、石炭中に含有される触媒成分を利用することも
あるが、一般には水添反応の効率を高めるために前記ス
ラリー状混合体に触媒が添加され、そして水添反応に供
され、触媒及び溶剤の共存下で石炭を水添する方法が採
用される。
【0004】この水添反応の効率を高めるための触媒、
即ち、石炭液化反応促進用触媒(以降、石炭液化用触媒
という)としては、従来から種々のモリブデン系の触
媒、或いは塩化亜鉛、塩化錫等の塩化物系触媒、もしく
は硫化鉄、硫酸鉄、酸化鉄、水酸化鉄、赤泥、鉄鉱石等
の鉄系触媒が知られているが、これらの触媒はいづれも
石炭液化用触媒として充分なものではなく、各々問題点
を有している。
【0005】即ち、石炭液化用触媒としては、基本的に
触媒として活性であること(即ち、触媒として水添反応
効率を高めるという触媒機能に優れていること)が必要
である他、石炭液化の経済上の観点から安価で入手し易
いこと、又、石炭液化運転にトラブルを生じさせないこ
と等が必要であるが、前記触媒の中、モリブデン系の触
媒では極めて高価であると共に資源的な問題を有してお
り、塩化亜鉛等の塩化物系の触媒では装置の腐食が起こ
り易いという問題点がある。又、硫化鉄、硫酸鉄、酸化
鉄、水酸化鉄、赤泥、鉄鉱石等の鉄系触媒では安価であ
るが、触媒としての活性(以降、触媒活性という)が充
分でないという問題点がある。
【0006】このように従来の石炭液化用触媒には各々
問題点があるが、これら触媒の中、鉄系触媒は触媒活性
が充分でないものの、安価であるという利点がある。こ
の鉄系触媒において、水酸化鉄は鉄系触媒の中では比較
的触媒活性が優れていることが知られており、リモナイ
ト等の鉱物の他、第二鉄塩の中和沈澱法により生成され
る無定形水酸化鉄、第一鉄塩の中和沈澱により生成され
るα−オキシ水酸化鉄(ゲーサイト)等が提案されてい
る。しかしながら、これら従来の水酸化鉄系触媒は比較
的触媒活性が優れているものの、石炭液化の経済性から
触媒活性が未だ充分であるとはいえず、石炭液化の経済
性向上のために、さらに触媒活性が高くて油分収率を向
上し得る石炭の液化方法の開発が望まれるところであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その目的は、石炭液
化用触媒として前記従来の鉄系触媒を用いる場合より
も、中でも前記従来の水酸化鉄系触媒を用いる場合より
も、触媒活性が高くて油分収率を向上し得る石炭の液化
方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る石炭の液化方法は次のような構成と
している。即ち、請求項1記載の石炭の液化方法は、石
炭を溶剤及び触媒の共存下で水添する水添工程を含む石
炭の液化方法において、前記触媒としてγ−オキシ水酸
化鉄を用いることを特徴とする石炭の液化方法である。
【0009】請求項2記載の石炭の液化方法は、前記γ
−オキシ水酸化鉄が平均粒子径:10μm 以下である請求
項1記載の石炭の液化方法である。
【0010】請求項3記載の石炭の液化方法は、石炭を
溶剤及び触媒の共存下で水添する水添工程を含む石炭の
液化方法において、前記触媒として石炭液化循環溶剤中
で機械的に粉砕された平均粒子径:10μm 以下のγ−オ
キシ水酸化鉄を用いることを特徴とする石炭の液化方法
である。
【0011】請求項4記載の石炭の液化方法は、前記石
炭、溶剤及び触媒と共に単体硫黄又は硫黄化合物が存在
する請求項1、2又は3記載の石炭の液化方法である。
【0012】
【作用】本発明は、従来の水酸化鉄系触媒に比して触媒
活性の高い石炭液化用触媒を探索すべく研究をした結
果、γ−オキシ水酸化鉄は従来の水酸化鉄系触媒に比し
て触媒活性が高く、油分収率を向上し得るという新規知
見を得、この知見に基づき完成されたものである。
【0013】即ち、γ−オキシ水酸化鉄を石炭液化用触
媒として用いたところ、γ−オキシ水酸化鉄は石炭液化
用触媒として作用し得、その触媒活性は従来の鉄系触媒
の場合に比して著しく高く、従来の水酸化鉄系触媒の場
合に比しても極めて高く、そのため油分収率を向上し得
るという新規知見が得られた。
【0014】本発明に係る石炭の液化方法は、かかる知
見に基づきなされたものであり、石炭を溶剤及び触媒の
共存下で水添する水添工程を含む石炭の液化方法におい
て、前記触媒としてγ−オキシ水酸化鉄を用いるように
している(請求項1記載の石炭の液化方法)。即ち、石
炭液化用触媒としてγ−オキシ水酸化鉄を用いるように
している。従って、このγ−オキシ水酸化鉄の触媒活性
は従来の鉄系触媒の場合に比して著しく高く、従来の水
酸化鉄系触媒の場合に比しても極めて高く、そのため石
炭液化用触媒として従来の鉄系触媒を用いる場合より
も、中でも従来の水酸化鉄系触媒を用いる場合(石炭の
液化方法)よりも、触媒活性が高くて油分収率を向上し
得るようになる。
【0015】このとき、γ−オキシ水酸化鉄としては、
通常、従来の水酸化鉄系触媒(更には鉄系触媒)の場合
と同様、粉砕したもの(粉砕γ−オキシ水酸化鉄)を石
炭液化用触媒として使用する。これは、スラリー状混合
体中において共存する溶剤中でのγ−オキシ水酸化鉄触
媒の分散性を高めることにより石炭との接触効率を高め
て使用する方が、γ−オキシ水酸化鉄触媒の触媒活性が
高められて良いからである。
【0016】かかる粉砕γ−オキシ水酸化鉄触媒を使用
する場合、その平均粒子径は10μm以下にすることが望
ましく、それは、10μm 超にすると、触媒の実効表面積
(触媒重量当りの触媒粒子の外表面積)が小さいため
に、触媒と石炭との接触効率が低く、触媒活性が低下す
る傾向にあるからである(請求項2記載の石炭の液化方
法)。このような触媒の実効表面積を増大させ、触媒活
性を高めるためには、平均粒子径は10μm 以下で小さい
ほどよく、このような点から5μm 以下にすることが望
ましく、特には1μm 以下にすることが望ましい。
【0017】上記の如く粉砕された平均粒子径:10μm
以下のγ−オキシ水酸化鉄触媒を使用するに際し、この
粉砕は石炭液化循環溶剤中で機械的に行うとよい。即
ち、石炭液化循環溶剤中で機械的に粉砕された平均粒子
径:10μm 以下のγ−オキシ水酸化鉄を用いるとよい
(請求項3記載の石炭の液化方法)。それは、気流式粉
砕機等により乾式で粉砕したもの、アルコールや一般溶
剤の存在下で粉砕したものを触媒として使用した場合に
は、石炭、溶剤及び触媒からなるスラリー状混合体にお
いて触媒が凝集する傾向があるのに対し、石炭液化循環
溶剤中で機械的に粉砕されたものを用いた場合には、上
記の如き触媒の凝集が起こり難く、触媒の分散性に優
れ、そのため触媒と石炭との接触効率を高めることがで
き、従って触媒活性が高められて触媒効果が充分に発揮
され、その結果、油分収率を向上し得るからである。
【0018】このような石炭液化循環溶剤中粉砕γ−オ
キシ水酸化鉄は、ボールミルやタワーミル等の粉砕機に
γ−オキシ水酸化鉄を供給すると共に石炭液化プロセス
で使用される石炭液化循環溶剤の一部を導入し、この石
炭液化循環溶剤にγ−オキシ水酸化鉄を浸した状態で粉
砕する方法により得ることができる。
【0019】ここで、石炭液化循環溶剤とは、スラリー
調製工程(石炭、溶剤及び触媒が共存するスラリー状混
合体を得る工程)の溶剤として使用され、そして石炭の
水添工程(水添反応を起こさせて石炭を液化させる工
程)での生成物(水添生成物)から溶剤分離工程又は油
分分離工程(水添生成物から蒸留等の分離操作により、
溶剤を分離して得る工程又は油分を分離して得る工程)
で溶剤として分離された後、スラリー調製工程に循環供
給され溶剤として使用され、以降、これが繰り返され、
スラリー調製工程と溶剤分離工程又は油分分離工程との
間を循環する溶剤(第1石炭液化循環溶剤)、及び、上
記溶剤分離工程又は油分分離工程で溶剤として分離さ
れ、必要に応じてスラリー調整工程以外の工程に循環供
給される溶剤(第2石炭液化循環溶剤)をいう。
【0020】従って、石炭液化循環溶剤の殆どはスラリ
ー調製工程に循環供給され溶剤として使用されるもので
あるが、γ−オキシ水酸化鉄を石炭液化循環溶剤中で粉
砕するに際しては、この石炭液化循環溶剤の一部を粉砕
機に導入し、石炭液化循環溶剤中での粉砕に利用するも
のである。即ち、前記溶剤分離工程又は油分分離工程で
分離されて得られる溶剤を、石炭液化循環溶剤としてス
ラリー調製工程に循環供給する一方、その溶剤の一部を
石炭液化循環溶剤中でのγ−オキシ水酸化鉄の粉砕用粉
砕機に供給するものである。
【0021】尚、石炭液化運転開始の際の最初のスラリ
ー調製工程(水添工程開始前のスラリー調製工程)に供
給される石炭液化循環溶剤としては、石炭液化プロセス
や反応条件によっても異なるが、一般的には 180〜450
℃の沸点範囲の留分から選ばれた石炭系溶剤が使用され
る。そして、この溶剤は石炭液化循環溶剤としてスラリ
ー調製工程と溶剤分離工程(又は油分分離工程)との間
を循環するが、石炭液化運転時間に伴って性状が変化
し、通常数十時間でほぼ一定の性状を示すようになる。
【0022】石炭液化循環溶剤の使用量については、供
給される石炭に対して通常1〜3倍量が添加されて用い
られるので、その溶剤使用量は莫大なものとなる。その
ため、前記溶剤分離工程、油分分離工程の中、油分分離
工程を採用し、この油分分離工程において油分(軽質
油、中質油、重質油)を製品として得る石炭の液化方法
においては、この油分の一部が石炭液化循環溶剤として
使用され、中でも中質油及び/又は重質油の一部が石炭
液化循環溶剤として使用される場合が多い。
【0023】ところで、γ−オキシ水酸化鉄の触媒活性
が従来の水酸化鉄系触媒の場合に比して著しく高い理由
については、必ずしも明らかではないが、次のように考
えられる。
【0024】即ち、触媒を高活性たらしめる要因の一つ
は、上述した如く触媒の平均粒子径を小さくすることで
あるが、同様に重要な要因として触媒活性を発現する活
性種が化学的形態の点から活性が高いこと、さらに触媒
の比表面積が大きいことが挙げられる。水酸化鉄系触媒
が属する鉄系触媒において、この活性種の化学的形態は
いづれもピロタイトと称される硫化物の一種という点
(即ち、水酸化鉄系触媒更には鉄系触媒は硫化された状
態で石炭液化用触媒として作用すること)では同一であ
るが、触媒の平均粒子径や比表面積は様々であり、これ
らにより活性は様々に変化する。
【0025】そこで、種々の水酸化鉄系触媒について、
1−メチルナフタレン中において硫黄を添加し、水素加
圧下に硫化し、反応後回収されたピロタイトの比表面積
を調べた。その結果、反応後の水酸化鉄系触媒(ピロタ
イト)の比表面積は反応前の水酸化鉄触媒の比表面積よ
り大きく低下するが、γ−オキシ水酸化鉄を触媒として
反応に使用後回収されたピロタイトの比表面積は、α−
オキシ水酸化鉄(従来の水酸化鉄系触媒の一種)を触媒
として反応に使用後回収されたピロタイトの比表面積よ
りも大きいことがわかった。
【0026】以上のことから、γ−オキシ水酸化鉄の触
媒活性が従来の水酸化鉄系触媒の場合に比して著しく高
い理由として、γ−オキシ水酸化鉄を触媒として用いた
場合には、活性種として比表面積が大きいピロタイトが
生成し、従来の水酸化鉄系触媒にみられない高活性を発
現するものと考えられる。
【0027】本発明において、γ−オキシ水酸化鉄は、
前記の如く硫化された状態で石炭液化用触媒として作用
するので、石炭の水添反応の時点では硫化されている必
要がある。この硫化については、スラリー状混合体中に
おいてγ−オキシ水酸化鉄と共存する原料石炭中に比較
的多量の硫黄或いは硫黄化合物が含有されている場合に
は、この硫黄或いは硫黄化合物とγ−オキシ水酸化鉄と
の反応により、起こさせることは可能であるが、γ−オ
キシ水酸化鉄をより充分に硫化させるためには、スラリ
ー状混合体に単体硫黄又は硫黄化合物を添加し、γ−オ
キシ水酸化鉄と共存させることが望ましい(請求項4記
載の石炭の液化方法)。一方、原料石炭中の硫黄或いは
硫黄化合物の含有量が少ない場合には、上記の如く単体
硫黄又は硫黄化合物を添加し、γ−オキシ水酸化鉄と共
存させると、γ−オキシ水酸化鉄を充分に硫化させ得る
(請求項4記載の石炭の液化方法)。更に、γ−オキシ
水酸化鉄を予め硫化処理した後、スラリー状混合体に添
加し、触媒として用いるようにすると、石炭液化用触媒
として好適に使用できる。
【0028】前記γ−オキシ水酸化鉄の製造方法として
は、特には限定されず、γ−オキシ水酸化鉄を生成させ
得る方法であればよく、従来の製造方法が使用できる。
例えば、硫酸第一鉄や塩化第一鉄等の第一鉄塩の水溶液
に、水酸化ナトリウムやアンモニアを含むアルカリ水溶
液を添加し、水酸化第一鉄の沈澱を生成させたスラリー
に、燐酸水素二ナトリウム又は燐酸水素二アンモニウム
の水溶液を添加した後、空気等の酸素含有ガスを通じて
酸化反応を行わせ、生成したγ−オキシ水酸化鉄の沈澱
を洗浄後、乾燥して粉砕することにより得られる。
【0029】石炭としては、褐炭等の低炭化度炭(炭化
度の低い石炭)の他、亜瀝青炭や瀝青炭を使用すること
ができる。これらは通常、水分:15%以下に乾燥された
後、約60メッシュより細かい粒度に粉砕されたものが使
用され、これによれば有利に石炭液化を行うことができ
る。
【0030】水添工程での水添反応条件は特に限定され
ず、水添反応が起こる条件であればよいが、通常は温
度:350〜500 ℃、水素分圧:7〜20MPa 、反応時間:10
〜120分の条件で行われ、これによれば有利に石炭液化
を行うことができる。水添反応で得られる水添生成物
は、触媒等の固形分の分離後、油分として回収されても
よいが、通常は該分離後の油分は蒸留塔に送られ所望の
目的物(重質油、中質油、軽質油等)に分離され回収さ
れると共に、その重質油等の一部は循環溶剤としてスラ
リー状混合体調製工程に循環され使用される。
【0031】
【実施例】
(実施例1) γ−オキシ水酸化鉄触媒を次のようにして作製し
た。5リットル(L)のフラスコ中で0.3mol/Lの硫酸第一
鉄水溶液2500mlに、窒素を吹き込みながら3.4wt%のアン
モニア水溶液638gを攪拌下に添加し、沈澱を生成させ
た。次に、この液に、燐酸水素二アンモニウム 1.684g
を純水20g に溶解させた水溶液を添加した後、液温を40
℃とし、3NL/minで空気を液中に吹き込みながら攪拌を
続け、液のpHが4まで下がったところで空気の吹き込み
を停止した。このようにして得られた沈澱を3回デカン
テーション洗浄した後、メンブレンフィルターで濾過
し、濾過ケーキを55℃で真空乾燥した。しかる後、この
乾燥ケーキを磁製乳鉢で粉砕し、平均粒子径:20μm の
粉末を得た。そして、この粉末は、X線回折分析により
図1に示す如くγ−オキシ水酸化鉄であること、又、窒
素吸着BET 法測定により比表面積が62m2/gであることを
確認した(以降、この粉末を触媒Aという)。
【0032】 上記触媒Aを遊星ミル(フリッチュ社
製 P-5型)を用いて褐炭液化循環溶剤中で機械的に粉砕
し(粉砕用ボール直径10mm)、γ−オキシ水酸化鉄触媒
スラリーを得た。これについてレーザー回折法により粒
度分布測定した結果、触媒の平均粒子径は 1.2μm であ
った。 次に、豪州ヤルーン褐炭に上記γ−オキシ水酸化鉄
触媒スラリー及び硫黄を添加し、更に褐炭液化溶剤を添
加し、スラリー状混合体を得た。このとき、γ−オキシ
水酸化鉄触媒スラリーの添加量は無水無灰炭基準で鉄と
して3.0wt%、又、硫黄の添加量は無水無灰炭基準で2.1w
t%となる量にした。 上記スラリー状混合体をオートクレーブ(内容積5
L)中に導入し、水素初圧:7.5MPa、反応温度:450℃、
反応時間:60分の反応条件で水添反応(液化反応)を行
わせた。しかる後、得られた反応生成物(水添生成物)
を分離し、それを蒸留し、油分を沸点範囲別に分離して
得た。その結果、C5 〜沸点:420℃の液体留分(油分)
の収率は、図2(右の方の○印)に示す如く、無水無灰
炭基準で51wt% であった。
【0033】(実施例2)実施例1と同様の触媒Aを同
様の遊星ミルを用いて褐炭液化循環溶剤中で粉砕し(但
し粉砕用ボール直径 2.4mm)、γ−オキシ水酸化鉄触媒
スラリーを得た。この触媒の平均粒子径は 0.4μm であ
った。次に、このγ−オキシ水酸化鉄触媒スラリー(触
媒の平均粒子径 0.4μm)を実施例1でのγ−オキシ水酸
化鉄触媒スラリー(平均粒子径 1.2μm)に代えて使用
し、この点を除き実施例1と同様の方法によりスラリー
状混合体を得、同様の方法により水添反応、水添生成物
の分離、蒸留、油分の沸点範囲別分離を行った。その結
果、C5 〜沸点:420℃の液体留分(油分)の収率は、図
2(左の方の○印)に示す如く、無水無灰炭基準で56wt
% であった。
【0034】(比較例1) α−オキシ水酸化鉄触媒を次のようにして作製し
た。前記3.4wt%アンモニア水溶液の添加量を638gに代え
て563gとし、燐酸水素二アンモニウム1.684gを純水20g
に溶解させた水溶液の添加を省略し、これらの点をのぞ
き、実施例1と同様の方法により、平均粒子径:18μm
の粉末を得た。そして、実施例1と同様の測定により、
この粉末はα−オキシ水酸化鉄であり、又、比表面積が
80m2/gであることを確認した(以降、この粉末を触媒B
という)。 上記触媒Bを前述の遊星ミルを用いて褐炭液化循環
溶剤中で粉砕し(粉砕用ボール直径2.4mm)、α−オキシ
水酸化鉄触媒スラリーを得た。この触媒の平均粒子径は
0.8μm であった。次に、このα−オキシ水酸化鉄触媒
スラリーを実施例1でのγ−オキシ水酸化鉄触媒スラリ
ーに代えて使用し、この点を除き実施例1と同様の方法
によりスラリー状混合体を得、同様の方法により水添反
応、水添生成物の分離、蒸留、油分の沸点範囲別の分離
を行った。その結果、C5 〜沸点:420℃の液体留分(油
分)の収率は、図2(左の方の□印)に示す如く、無水
無灰炭基準で44wt% であった。
【0035】(比較例2)比較例1と同様の触媒Bを同
様の遊星ミルを用いて褐炭液化循環溶剤中で粉砕し(但
し粉砕用ボール直径10mm)、α−オキシ水酸化鉄触媒ス
ラリーを得た。この触媒の平均粒子径は 1.8μm であっ
た。次に、このα−オキシ水酸化鉄触媒スラリーを実施
例1でのγ−オキシ水酸化鉄触媒スラリーに代えて使用
し、この点を除き実施例1と同様の方法によりスラリー
状混合体を得、同様の方法により水添反応、水添生成物
の分離、蒸留、油分の沸点範囲別分離を行った。その結
果、C5 〜沸点:420℃の液体留分(油分)の収率は、図
2(右の方の□印)に示す如く、無水無灰炭基準で38wt
% であった。
【0036】(比較例3)鉄鉱石触媒の一種である天然
パイライト鉱石(以降、触媒Cという)を気流式粉砕機
(日清エンジニアリング社製)で粉砕し、平均粒径:2.6
μm の粉砕パイライト鉱石触媒を得た。次に、豪州ヤル
ーン褐炭に上記粉砕パイライト鉱石触媒を無水無灰炭基
準で鉄として3.0wt%を添加し、更に褐炭液化溶剤を添加
し、スラリー状混合体を得た。しかる後、このスラリー
状混合体を実施例1でのγ−オキシ水酸化鉄触媒スラリ
ーに代えて使用し、この点を除き実施例1と同様の方法
により水添反応、水添生成物の分離、蒸留、油分の沸点
範囲別の分離を行った。その結果、C5 〜沸点:420℃の
液体留分(油分)の収率は、図2(右の方の△印)に示
す如く、無水無灰炭基準で33wt% であった。
【0037】(比較例4)比較例3と同様の触媒Cを同
様の気流式粉砕機で粉砕し、平均粒径:0.5μm の粉砕パ
イライト鉱石触媒を得た。次に、この粉砕パイライト鉱
石触媒(平均粒径0.5 μm)を比較例3での粉砕パイライ
ト鉱石触媒(平均粒径2.6 μm)に代えて使用し、この点
を除き比較例3と同様の方法によりスラリー状混合体を
得、比較例3と同様法(実施例1と同様の方法)により
水添反応、水添生成物の分離、蒸留、油分の沸点範囲別
分離を行った。その結果、C5 〜沸点:420℃の液体留分
(油分)の収率は、図2(左の方の△印)に示す如く、
無水無灰炭基準で39wt% であった。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る石炭の液化方法によれば、
石炭液化用触媒として従来の鉄系触媒を用いる石炭の液
化方法よりも、又、従来の水酸化鉄系触媒を用いる石炭
の液化方法よりも、触媒活性が高くて油分収率を向上し
得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係る触媒AについてのX線回折分
析結果を示す図である。
【図2】 触媒の平均粒子径と油分収率との関係を示す
図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭を溶剤及び触媒の共存下で水添する
    水添工程を含む石炭の液化方法において、前記触媒とし
    てγ−オキシ水酸化鉄を用いることを特徴とする石炭の
    液化方法。
  2. 【請求項2】 前記γ−オキシ水酸化鉄が平均粒子径:
    10μm 以下である請求項1記載の石炭の液化方法。
  3. 【請求項3】 石炭を溶剤及び触媒の共存下で水添する
    水添工程を含む石炭の液化方法において、前記触媒とし
    て石炭液化循環溶剤中で機械的に粉砕された平均粒子
    径:10μm 以下のγ−オキシ水酸化鉄を用いることを特
    徴とする石炭の液化方法。
  4. 【請求項4】 前記石炭、溶剤及び触媒と共に単体硫黄
    又は硫黄化合物が存在する請求項1、2又は3記載の石
    炭の液化方法。
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