JPH0842446A - 可変容量型斜板式液圧機械 - Google Patents

可変容量型斜板式液圧機械

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JPH0842446A
JPH0842446A JP6181089A JP18108994A JPH0842446A JP H0842446 A JPH0842446 A JP H0842446A JP 6181089 A JP6181089 A JP 6181089A JP 18108994 A JP18108994 A JP 18108994A JP H0842446 A JPH0842446 A JP H0842446A
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Japan
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slipper
swash plate
seal land
shape
groove
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Application number
JP6181089A
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English (en)
Inventor
Yoshimichi Akasaka
吉道 赤坂
Ichiro Nakamura
一朗 中村
Yoshiaki Yamada
良秋 山田
Koichi Maezawa
孝一 前沢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】可変容量型斜板式液圧機械のスリッパ軸受の底
面のシールランド部分に互いに独立な溝部を複数個設
け、スリッパのポケット半径近傍部分及びシールランド
部を凹球面形状,面取り形状及びシールランドの内側か
ら外側にテーパ形状にする。 【効果】溝部における動圧軸受効果及びくさび作用によ
って摺動部は流体潤滑状態になり、摺動部の損失動力を
低減でき、斜板とスリッパ間の金属接触を防止できる。
この結果、運転条件が高圧で、回転速度が低速から高速
まで変化した場合でも、低漏れで、起動特性が良好とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高圧で、しかも低速から
高速までの広範囲な回転速度条件下で運転可能な可変容
量型斜板式液圧機械のスリッパ軸受(静圧スラスト軸
受)構造に関する。
【0002】
【従来の技術】作動流体を動力伝達の媒体とする液圧シ
ステムでは、より一層の高性能化,省エネ化,高機能化
及び高信頼性化のために、システムの高動力密度化及び
電子化が図られつつある。特にシステム構成機器の心臓
部となる油圧ポンプ/モータの高動力密度化のために
は、高圧化及び高速化が必要不可欠となる。油圧ポンプ
/モータを高圧化した場合に、目標を実現するための課
題は、各摺動部における漏れと摩擦に基づく損失動力の
最小化が重要となる。特に、油圧ポンプ/モータにおけ
る代表的な摺動部は3カ所((a)斜板−スリッパ間,
(b)シリンダブロック−弁板間,(c)シリンダブロ
ックボア内壁−ピストン間)であり、この摺動部におけ
る摺動特性の良否が、ポンプ/モータ自体の性能、たと
えば、容積効率及び機械効率の良否に対して支配的な影
響を及ぼす。
【0003】この課題に対応するため、従来、例えば、
可変容量型液圧機械の一つの斜板式アキシァルピストン
ポンプ/モータでは、斜板−スリッパ軸受間の摺動特性
を改善するために、スリッパ軸受の底面には静圧及び動
圧作用による軸受負荷容量を発揮させるためのポケット
や環状溝等が設けられたものなどが実用に供されてい
る。そこで、これらのスリッパ軸受をスリッパ底面形状
によって分類すると、外側にシールランド、中央部に油
圧平衡室があり、しかもこの中心に導圧孔が設けられ、
この導圧孔に自己吐出圧が導かれ、油圧平衡が図られる
油圧平衡形(基本形)、油圧平衡形の外側に補助軸受面
を設けた外側補助面付き、さらに油圧平衡形の内外両部
に補助軸受面を設けた内外補助面付き、油圧平衡室から
外側に向い細いスパイラル溝を設け、この間の圧力降下
によって、シールランド面の潤滑を図ったものなどがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術におい
て、油圧平衡形の円形スリッパ軸受の場合には、スリツ
パ底面の形状が簡単なため製作容易で安価である。しか
し、油圧モータのように低速で高圧使用条件下のスリッ
パ軸受に力及びモーメントなどの外乱が作用した場合に
は、動圧効果が期待できないこと、さらにスリッパ軸受
が傾斜しスリッパ軸受と斜板間の平行度が損なわれるた
め、外側シールランドにおける油膜形成が困難となる。
これより、斜板−スリッパ間を流体潤滑状態に保持する
ためのスリッパ軸受自身の傾き補正機能が著しく低下す
る。さらに、高圧付加によってスリッパ底面は面外方向
に凸形状に弾性変形する。この結果、斜板−スリッパ間
の摺動部では、弾性変形によってシールランド内外径部
に弾性変形差が生じることにより、部分的な金属接触が
発生する。これにより、摩擦に基づく斜板とスリッパ間
の損失動力が増大するという問題点がある。また、スリ
ッパ底面が弾性変形することにより、スリッパシールラ
ンドの実質的なシール長さが減少し、この面からの漏れ
流量が増大するという問題点もある。
【0005】また、外側補助面付き及び内外補助面付き
スリッパ軸受が高速回転下で使用された場合には、動圧
効果によって油膜厚さが増大し、漏れ流量による損失動
力が増大するという課題がある。また、前述のように斜
板−スリッパ間摺動面における油膜厚さが厚くなると、
油膜剛性が小さくなる。これによりスリッパ軸受に外乱
が作用し、スリッパ自身が傾斜した場合の復元機能が低
下するという付随的な課題も予想される。また、スリッ
パ底面が弾性変形することで、前述の油圧平衡形の場合
と同様な問題点が生じる。さらに内外補助面付きスリッ
パ軸受は、スリッパ底面の形状が複雑となるため、加工
手順及び工数がかかる。これよりコスト的にも高価とな
るなどの問題点がある。
【0006】このような背景の下に、高圧付加時にスリ
ッパ底面の弾性変形が摺動特性に及ぼす影響を補償する
ことにより主に摩擦による損失動力の低減を図り、さら
に高圧,低速では油膜厚さの形成を促進し、かつ、高圧
高速では動圧効果による油膜厚さの増大を抑制し、漏れ
流量による動力損失の低減が図れ、しかも製作容易で安
価なスリッパ軸受の開発が望まれていた。
【0007】本発明の目的は、高圧時に、低速から高速
までの広い回転数範囲に対して良好な摺動状態、すなわ
ち、低漏れで低損失トルクの摺動を可能とする構造簡単
で製作容易、しかも安価なスリッパ軸受を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、油圧平衡形円形スリッパ軸受のスリッパ
底面のシールランド部分に互いに独立した複数個の溝部
を形成し、スリッパのポケット半径近傍部分を凹球面形
状あるいは面取り形状に形成した。
【0009】また本発明の他の解決手段は、油圧平衡形
円形スリッパ軸受のスリッパ底面のシールランド部分に
互いに独立した複数個の溝部を形成し、かつスリッパの
シールランド部を凹球面形状に、あるいはシールランド
部を内側から外側にテーパ形状に形成したことである。
【0010】さらに、その他の解決手段は、スリッパの
自転及び公転運動に基づく動的挙動によって傾転した場
合に、スリッパ自体に復元機能を付与するために、シー
ルランド部に設ける溝の表面形状は、円形,矩形,三角
形及びひし形のうち少なくとも一つの形状を有するよう
にし、かつ、溝の断面形状は三日月状,三角形状及び矩
形状のうち少なくとも一つの形状を有するようにすると
ともに、前記シールランド部に設ける溝は前記溝のうち
から少なくとも一組の組合せになるように形成し、かつ
これに前述のスリッパのポケット半径近傍部分の形状あ
るいはスリッパのシールランド部の形状のうちから少な
くとも一組を組み合わせるようにした。
【0011】
【作用】油圧平衡形の円形スリッパ軸受のシールランド
部分に設ける互いに独立で微小深さを有する複数個の溝
は平面絞りとして作用する。これより、スリッパ軸受の
油圧平衡室からの圧油の外向き放射状流れにより、溝部
には液溜りが形成される。一方、ピストン球継手部回り
のスリッパ自身の自転及びスリッパ軸受の斜板に対する
公転運動に基づき、スリッパ軸受に作用する荷重及びモ
ーメントからなる負荷によってスリッパ軸受が傾くこと
になる。しかし、溝は動圧軸受及び準静圧軸受として機
能するため、スリッパ軸受の傾きを補正する作用を有す
る。この結果、スリッパ軸受のシールランド部と斜板と
の相対摺動部には、常に任意の圧力値を有する油膜厚さ
が存在することになる。したがって、例えば、油圧モー
タの起動時のように摺動面に対する油膜形成が困難な場
合には、前述の溝が、つくり出す静圧によって負荷に適
応しながら静流体力学的効果によって、負荷のピストン
油圧反力を支持する。これにより、起動時の摺動摩擦に
基づく損失動力を軽減できる。一方、油圧ポンプ/モー
タが高圧で高速回転し、しかもスリッパ底面が面外方向
に弾性変形し、かつスリッパ自体が傾斜し自転及び公転
運動した場合でも、スリッパのポケット半径近傍部分及
びシールランド部を、予め凹球面形状に、あるいは面取
り形状にまたはシールランドの内側から外側にテーパ形
状にしているため、スリッパ底面に生じる面外方向の弾
性変形差を吸収できる。これにより、斜板とスリッパ間
には弾性変形に基づく金属接触が発生しない。しかもス
リッパのシールランド部に設けた複数個の溝部の断面形
状は三日月状または三角状に形成しているため、さらに
溝部に発生する前述の動圧に基づく動流体力学及び準静
圧に基づく準静流体力学の複合作用の他に、溝部断面の
幾何学形状に基づくくさび効果が期待できる。これによ
り、スリッパ軸受が負荷変動を受け、あらゆる方向に回
転傾斜した場合でもスリッパの傾きは、迅速に補正され
る。これにより、斜板とスリッパ軸受のシールランドに
形成される油膜厚さの均一化ができる。これにより、両
者摺動面における損失トルク並びに両者摺動面からの漏
れ流量を低減できる。この結果、両者摺動面における漏
れと摩擦に基づく損失動力の最小化が可能となる。ま
た、斜板とスリッパ軸受のシールランドとの摺動部は金
属接触することがないため、両者摺動面に発生するカジ
リを未然に防止できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例では可変容量型斜板式
アキシァルピストンポンプを例に挙げ、添付図面を参照
しつつ詳細に説明する。
【0013】図1ないし図3に本発明の第1の実施例を
示す。図1は本発明の一実施例の可変容量型斜板式アキ
シァルピストンポンプの回転部縦断面図を示す。図にお
いて、1はケーシング1Aとケーシング1Bとから構成
されるケーシング本体、2はケーシング1A内に突出し
て設けられた回転軸を示し、回転軸2の途中には雄スプ
ライン3が形成されている。回転軸2は2カ所に配設さ
れる転がり軸受4a,4bによって回転自在に支持され
る。5はケーシング1内に設けられ、回転軸2と一体回
転するシリンダブロックで、シリンダブロック5には軸
方向に穿設した複数のシリンダボア6,…6が設けら
れ、シリンダボア6にはそれぞれピストン7、7が往復
動可能に設けられている。そして、ピストン7の先端球
形部には、ピストンスリッパ8が回転自在に設けられ、
且つスリッパ8の底面9はリテーナ10により斜板11
に押し付けられる。12は弁板を示し、弁板12の一端
面はシリンダブロック5の端面と摺接すると共に、他側
端面はケーシング1Bに当接するようになっている。そ
して、弁板12には、シリンダブロック5の回転によっ
て、各シリンダボア6と間けつ的に連通する一対の吸排
ポート13A,13Bが穿設されており、吸排ポート1
3A,13Bはケーシング1Bに設けた一対の吸排通路
14A,14Bと連通するようになっている。15はシ
リンダブロック5と弁板12との摺動面に予圧を付与す
るための圧縮ばねである。16はポンプからの吐出量を
可変に制御するためのレギュレータであり、結合部17
で、斜板11と一体的に結合されている。
【0014】次に本実施例によって、油圧ポンプの斜板
11とピストンスリッパ8との摺動面における損失トル
ク及び前記摺動面からの漏れ流量を低減させるためのピ
ストンスリッパ8の底面9の構成について述べる。
【0015】図2は図1中のスリッパ8のI−矢視横断
面図、図3は図2中のスリツパのA−A部分縦断面図で
ある。本実施例の特徴は、同図においてスリッパ8の摺
動底面9のシールランド部分に対し、表面形状が円形
で、かつ断面形状が三日月状の溝を複数個(本実施例で
は4個の場合を示す)互いに独立に、かつスリッパ8の
ポケット半径近傍部分を凹球面形状に形成したことであ
る。図2において、21はスリッパ8の摺動面における
シールランド部で、23a〜23dはシールランド部2
1に形成する溝である。24はスリッパのポケット半径
近傍部分の凹球面部を、また20は静圧が存在する油圧
平衡室(以下、ポケット部とよぶ)で、22はポケット
部に静圧を供給するための固定絞り部を示す。
【0016】本実施例はこのように構成されるが、次に
油圧ポンプとして用いた場合の作動について説明する。
【0017】エンジン、電動機等の駆動源によって回転
軸2を回転すると、回転軸2とシリンダブロック5とは
雄雌スプライン等によって一体的に連結されているの
で、回転軸2と一体にシリンダブロック5が回転させら
れる。この結果、シリンダブロック5の回転中に、各ピ
ストン7がシリンダボア6内を往復動する。このとき、
斜板11は予め、レギュレータ16によって回転方向に
対して垂直な軸から任意の傾き角に傾けられているた
め、シリンダブロック5が一回転する間に、前述の各ピ
ストン7のストロークに差が生じ、各ピストン7がシリ
ンダボア6から退行する間は、吸排通路14Bから吸排
ポート13Bを介してシリンダボア6内に作動油を吸い
込む吸い込み工程となり、各ピストン7がシリンダボア
6内に進入する間は、各シリンダボア6内の作動油を加
圧し、吸排ポート13A,吸排通路14Aを介して吐出
させる吐出工程となる。このとき、吐出工程に位置する
ピストン7のスリッパ8にはピストン8の軸方向と直角
方向の力(一般的にピストン横分力と呼ぶ)が作用す
る。これによってピストン7とスリッパ8には、ピスト
ン7とスリッパ8とが結合している球継手部を中心とす
る摩擦モーメントが発生する。この結果、スリッパ8自
体が傾斜すると共に、ピストン7には曲げモーメントが
作用することによって斜板11とスリッパ底面9の摺動
部分及びシリンダボア6の内壁とピストン7の摺動部分
における潤滑状態が流体潤滑から混合潤滑へ移行し、部
分的には金属接触を誘発する可能性がある。特に、油圧
ポンプが高速,高面圧で運転された場合には、摺動部に
おける熱的平衡がくずれやすくなる。これより摺動部材
の焼き付き限界の目安となるpV値(ここに、p:面
圧,V:周速)が高くなる。
【0018】一方、油圧モータでは使用する回転数範囲
が低速〜高速まで広範囲に及ぶため、特に低速で高荷重
の場合には斜板11とスリッパ底面9のシールランド部
の摺動面には油膜の形成が困難となる。
【0019】上述のような摺動時には、摺動摩擦に基づ
く損失トルク及び漏れ流量の増大を誘発し、これに基づ
く損失動力が問題となる。したがって、実際の使用条
件、すなわち低速〜高速で且つ高面圧(高荷重)を想定
したとき、このような運転状態においても摺動部での損
失動力を最小にするには、斜板とスリッパ間の摺動部、
特にスリッパ8の底面9構造の最適化が必要不可欠とな
る。
【0020】本発明はこのような課題を一掃するために
発明されたものであり、図2及び図3に示すような構成
にしているため、高圧付加時にスリッパ底面が面外方向
に弾性変形しても、スリッパ底面のうち弾性変形差の大
きいスリッバのポケット半径近傍部分を予め凹球面形状
に形成しているため、弾性変形差を吸収できる。またス
リッパ8が傾いても、スリッパ8の底面9のシールラン
ド部に互いに独立に設けた4個の溝23a〜23dが、
動流体力学的な流体膜を形成するように機能する。これ
より、たとえスリッパが傾いても溝部がくさび効果を伴
う積極的な動圧軸受効果を発揮し、この傾きを補正させ
ることができる。すなわち、言い替えれば、シールラン
ドの溝部以外の動圧効果と、溝部における動圧での準静
圧的効果の相乗作用によってスリッパ8の傾きを補正す
ることができる。
【0021】この結果、低速〜高速まで回転数が変化
し、斜板とスリッパ間の摺動条件が変わっても常に斜板
11とスリッパ8の底面9の両者摺動面に形成される微
小油膜厚さをほぼ平行状態の流体潤滑状態に保つことが
できる。これより両者摺動面における金属接触を防止す
ることができる。したがって、両者摺動面における摩擦
に基づく損失トルク及び摺動面からの漏れ流量の低減が
可能となるため、これらによる損失動力の最小化が図ら
れる。
【0022】図4は本発明の第一の実施例の一変形例を
示すもので、油圧平衡形円形スリッパ底面のシールラン
ド部分に互いに独立した複数の溝部を形成し、かつスリ
ッパ8のポケット半径近傍部分26を面取り形状に形成
した場合である。また、図5及び図6は、本発明の第一
実施例のその他の変形例を示すもので、油圧平衡形円形
スリッパ底面のシールランド部分に互いに独立した複数
の溝部を形成すると共に、かつスリッパ8のシールラン
ド部28を凹球面形状に、あるいはシールランドを内側
から外側にテーパ形状30に形成したことである。図4
ないし図6において、スリッパ8のポケット半径近傍部
分26,シールランド部28及び30を除く基本構成
は、図2及び図3に示した第一の実施例と同じである。
【0023】このような構成にすることにより、第一の
実施例の場合と同様な作用,効果を期待できる。特に、
スリッパ8の軽量化を図るため、スリッパ8の厚さを薄
くした場合には、高圧付加によってシールランド内外径
部での弾性変形差が大きくなる。この場合にはシールラ
ンド全面に生じる弾性変形差を吸収できる本発明の図5
あるいは図6の変形例が有効となる。
【0024】一方、本発明の第一の実施例及び第一の実
施例の変形例では、シールランドに設ける溝の表面形状
は円形で、かつ溝の断面形状は三日月形状の場合につい
て述べた。しかし、溝の形状は円形に限定されることは
なく、矩形,三角形及びひし形等の幾何学形状のうち、
少なくとも一つの形状を有するようにしてあればよい。
また、溝の断面形状は三角形状及び矩形形状等の幾何学
形状のうち、少なくとも一つの形状を有するようにして
あればよい。さらに、溝部又は凹部の形状は、以上の典
型的な形状の他に楕円形や5角以上の多角形に変形する
ことができる。
【0025】さらに溝個数は4個に限定することはな
く、120°ピッチで3個設けた場合でもよい。なお、
この場合の溝の表面形状及び断面形状は第一の実施例の
場合と同様である。
【0026】一方、スリッパ底面のシールランド部に微
小深さの溝部を形成することによって、高圧が付加され
たときのスリッパ底面の弾性変形を吸収する効果もあ
る。これにより、スリッパ底面が凸面状に変形すること
を防止する。この結果、斜板11とスリッパ底面9との
摺動部に形成される油膜厚さの均一化が図られ、摺動部
での損失動力の低減が可能となる。
【0027】したがって、本発明によれば動圧とくさび
の二つの効果の相乗作用によって、高圧で低速〜高速に
おけるスリッパの傾き補正機能を有するのみならず、ス
リッパのミクロンオーダの弾性変形の吸収作用も併せて
発揮できるため、摩擦に基づく摺動部の損失動力の低減
効果もより確実となる。
【0028】さらに、本発明をスリッパ軸受に関する従
来技術である油圧平衡形あるいは油圧平衡形の外側に補
助軸受面を設けた外側補助面付き、さらに油圧平衡形の
内外両部に補助軸受面を設けた内外補助面付き等に適用
した場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0029】図7は本発明をHSTに応用した場合の一
実施例を示す。HST駆動システムの基本構成には種々
の実施形態が考えられるが、ここでは最も一般的な場
合、すなわち可変容量ポンプと定容量モータとからなる
閉回路システムを考える。図において、40は駆動源の
電動機又はエンジン、42は可変容量ポンプ、46は定
容量モータであり、44はポンプとモータとを流体動力
的に結合するための主回路である。ここでは本発明にな
る溝を斜板とスリッパ間の摺動部分に形成した42のポ
ンプ及び46のモータでHST(静油圧変速装置)を構
成したことを特徴としている。このような構成にするこ
とにより、HSTが低速〜高速まで幅広い速度範囲で運
転されても、ポンプ・モータにおける摺動部では、適正
な流体潤滑状態を維持できるため、高効率で安定なHS
Tシステムを提供できる。
【0030】この他に、一般産業用油圧ポンプ/モータ
の相対滑り部にも適用できる。例えば、建設機械用油圧
ポンプ・モータの高動力密度化を図るには、ポンプ・モ
ータの高速化及び高圧化が必要不可欠となる。一方、ポ
ンプ・モータの高圧化に伴う最大の課題は、ピストン油
圧反力荷重を支持するための転がり軸受の耐久性不足で
ある。この課題の一解決策は、ピストン油圧反力の支持
を転がり軸受ではなく、静圧を用いたスラスト及びラジ
アルスリッパ軸受で支持する方式が提案されている。こ
のようなピストン油圧反力支持機構を構成するスリッパ
軸受の底面に対して本発明の溝を適用することができ
る。この結果、ポンプ・モータの摺動部における損失動
力を低減させ、建設機械用油圧ポンプ・モータの高圧
化,高性能化が実現できる。
【0031】次に本発明の可変容量型斜板式アキシァル
ピストン型液圧機械に用いられるスリッパの底面に形成
する溝の加工方法について説明する。スリッパ底面のシ
ールランド部に溝を加工する際には、まずスリッパ単体
をほぼ最終形状に切削加工しておき、次にスリッパ底面
のシールランド部に特定の溝を形成する。なお溝を形成
する方法は、大別して(1)塑性加工(例えば、プレス
加工),(2)切削または研削加工,(3)レーザ加
工,(4)精密鋳造等が考えられ、いずれの手段によっ
ても成形可能である。
【0032】例えば、スリッパ底面のシールランド部分
が合金で形成され、これ以外は熱処理による表面改質を
施した鉄系で形成した、いわゆるバイメタル構造のスリ
ッパの場合、スリッパシールランド部分に形成する溝
は、溝成形手段のなかでもプレス等を用いた塑性加工手
段による手法が、簡単にして且つ操作性良好で安価であ
るので、以下この方法について説明する。すなわち、シ
ールランド部に形成する溝形状を有する治具を、予め高
硬度,高靭性の材料(例えば超硬材)で製作しておく。
次に該治具を、例えば、ボール盤等の主軸回転部分にチ
ャッキングし、且つ主軸回転部分と対向するテーブルに
は、スリッパ底面を固定しておく。その後、主軸を下方
に押し下げることによりスリッパ底面に特定の溝形状を
形成する。
【0033】以上の溝形成は手動的な方法であるが、溝
形成作業の効率向上のためには以下のようにすればよ
い。すなわち、主軸の回転方向の位置決めは、ステッピ
ングモータ等で、しかも主軸の下方へのストローク機構
は電気駆動または液圧(空気,油圧,水圧)駆動方式と
し、これらの運動を予めプログラミングしておくことに
より、溝形成の自動化は容易に実現できる。
【0034】溝の加工方法では、溝形成対象のスリッパ
を支持台に固定しておき、治具を回転方向及び上下方向
に位置決め可能な支持機構に固定し、その後、支持機構
を溝形成位置に合わせて手動または自動操作することで
スリッパ底面に任意の溝を形成する。一方、前述の加工
方法とは逆に、すなわち、治具を予め固定しておき、さ
らにスリッパを回転及び直線位置決め可能な支持機構に
取付け、その後、支持機構を所定の位置に位置決めする
ことにより溝成形を行うようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、可変容量型斜板式油圧
ポンプ・モータが低速から高速まで高面圧下で運転さ
れ、しかもスリッパが高圧付加時に面外方向に弾性変形
し、かつピストン横分力,遠心力及びピストン球継手回
りの摩擦モーメント等の影響によって傾いても、スリッ
パ底面のシールランド部に対して互いに独立した複数個
の溝部を設け、かつ、スリッパのポケット半径近傍部分
及びシールランド部分を凹球面形状,面取り形状及びシ
ールランドの内側から外側にテーパ形状に形成している
ため、この溝がつくり出す動圧による準静圧軸受的効果
によりスリッパの傾きを補正し、かつスリッパの底面形
状によって高圧ときの面外方向の弾性変形差を吸収する
ことができる。この結果、斜板−スリッパ間摺動部にお
ける損失トルク及び起動トルクを最小限にでき、両者摺
動面からの漏れ流量も低減することができる。これよ
り、損失トルク及び起動トルク及び漏れ流量に基づく損
失動力の低減が図れる。これよりポンプ/モータの運転
条件がたとえ高圧で、しかも低速から高速まで変化した
場合でも、高性能で起動特性の良好な可変容量型斜板式
アキシァルピストンポンプ/モータを提供することがで
きる。
【0036】また、両者摺動面では金属接触を防止し、
しかも流体潤滑状態の実現が可能となるため、スリッパ
摺動面の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の一実施例を示す斜板式アキシァ
ルピストンポンプ・モータの回転部の断面図。
【図2】図1中のスリッパのI矢視断面図。
【図3】図2中のスリッパの底面のA−A部分の断面
図。
【図4】図2の一変形例を示しスリッパのポケット半径
近傍部分の面取り形状を表す説明図。
【図5】図2の他の変形例を示し、スリッパのシールラ
ンド部の凹球面形状を表す説明図。
【図6】図2のその他の変形例を示し、スリッパのシー
ルランド部の内側から外側に向けたテーパ形状を表す説
明図。
【図7】本発明をHSTに応用した場合の一実施例を示
す説明図。
【符号の説明】
1…ケーシング本体、2…回転軸、5…シリンダブロッ
ク、7…ピストン、8…ピストンスリッパ、9…スリッ
パの底面、11…斜板、12…弁板、13A,13B…
吸排ポート、16…レギュレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前沢 孝一 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング内に突出させて設けた回転軸と
    前記ケーシング内に設けられ、前記回転軸とともに回転
    する複数のシリンダボアを備えたシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックのシリンダボア内を前後動自在
    で、ピストンスリッパに固着されたピストンとを備え、
    前記ピストンスリッパが前記回転軸に対して傾斜して設
    けられた斜板に沿って摺動自在に取り付けられ、しかも
    斜板の前記回転軸に対する傾き角がレギュレータによっ
    て任意の角度に設定できるように構成された可変容量型
    斜板式液圧機械において、前記スリッパの底面のシール
    ランド部分に互いに独立な複数個の溝部を設け、前記ス
    リッパのポケット半径近傍部分を球面形状に形成したこ
    とを特徴とする可変容量型斜板式液圧機械。
JP6181089A 1994-08-02 1994-08-02 可変容量型斜板式液圧機械 Pending JPH0842446A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001295753A (ja) * 2000-03-24 2001-10-26 Caterpillar Inc 流体移送装置用ピストン組立体
KR100598767B1 (ko) * 2004-11-16 2006-07-13 한국기계연구원 유압 피스톤 펌프·모터의 정압베어링이 적용된 실린더블록
EP3106665A4 (en) * 2014-02-12 2017-12-27 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Shoe for hydraulic rotary device, and hydraulic rotary device

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KR100598767B1 (ko) * 2004-11-16 2006-07-13 한국기계연구원 유압 피스톤 펌프·모터의 정압베어링이 적용된 실린더블록
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